JP2002092029A - ユーザ情報推定装置 - Google Patents

ユーザ情報推定装置

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JP2002092029A
JP2002092029A JP2000285521A JP2000285521A JP2002092029A JP 2002092029 A JP2002092029 A JP 2002092029A JP 2000285521 A JP2000285521 A JP 2000285521A JP 2000285521 A JP2000285521 A JP 2000285521A JP 2002092029 A JP2002092029 A JP 2002092029A
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Mikio Sasaki
美樹男 笹木
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Denso Corp
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    • G06COMPUTING; CALCULATING OR COUNTING
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    • G06F16/20Information retrieval; Database structures therefor; File system structures therefor of structured data, e.g. relational data
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    • G06COMPUTING; CALCULATING OR COUNTING
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    • G06F16/20Information retrieval; Database structures therefor; File system structures therefor of structured data, e.g. relational data
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    • G06F16/245Query processing
    • G06F16/2455Query execution
    • G06F16/24564Applying rules; Deductive queries

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ユーザの要求に限らず、環境・状況・状態・
行動といったユーザ情報を、より詳細に推定できるよう
にすることを第1の目的とし、また、より正確に把握で
きるようにすることを第2の目的として、より少ないユ
ーザ入力による適切な機器動作の実現に寄与する。 【解決手段】 ユーザ情報推定装置1では、ユーザ情報
を、ユーザの環境・状況・状態・要求・行動の5つに分
類し、さらにこれらを総合的に捉えた情報を局面とし
て、ユーザ情報を計6つに分類定義した。そして、定義
分類毎、すなわち、環境・状況・状態・要求・行動・局
面毎の項目値でユーザ情報を表現し、各計算部10〜6
0は、これら項目値の推定計算を行う。そしてこの推定
計算に、時空間要素が項目値に与える時空間特性、判定
された局面の情報、項目間の規則を記述した規則データ
ベース70、及び、ベクトル表現を用いた定義分類毎の
最適化処理を導入した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両用搭載機器な
どをより少ないユーザ入力によって制御するためのユー
ザ情報を推定する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、コンピュータシステムの発達に伴
い、コンピュータによる集中制御が随所に見られるよう
になった。自動車内を考えても、オーディオ機器、通信
機器、表示機器、空調機器、照明機器などが集中的に制
御され、ナビゲーション装置によるルート案内をはじ
め、最近では、インターネットを用いた施設検索まで可
能となっている。
【0003】このような集中制御は総合的な機器動作を
実現し、ユーザにとって便利な環境を提供できるはずで
ある。しかしながら現状、必ずしもユーザにとって便利
とは言えない状況もある。それは、マン・マシン・イン
ターフェースの構成によっては、適切に自分の要求をシ
ステム側に伝えることが困難になり、思うような機器動
作が得られないことがあるためである。
【0004】例えば音声認識装置を用いユーザの発話に
よって機器を制御する技術が実現されてはいるが、ユー
ザは、各機器を動作させたい場合に、その都度、自分の
要求をシステムに伝えるための言葉を発話しなければな
らない。そして、制御対象である機器の種類や機能が多
くなる程、ユーザは、より多種類の言葉を正確に発話し
なければならず、逆に、システム側としては、ユーザの
要求に即した機器制御を行うために、ユーザが発話する
様々な言葉をより正確に認識しなければならない。
【0005】このような問題を解決するために、本出願
人は、特開平11−351901号公報、特開2000
−20090号公報において、半自動的に機器を動作さ
せる技術を提案した。前者では、入力内容、個人情報、
検出された状況などに基づき、システム側の動作内容を
動作内容設定用データから検索し、機器を動作させるよ
うにした。また、後者では、ユーザの状況・状態から要
求を如何にして推定するかを提案した。これらの技術に
より、ユーザからのより少ない発話入力で、ユーザの要
望に即した機器動作を実現することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、ユーザ情報
は、上記公報に開示した「プロファイル」の記述項目と
して示す如く、ユーザを取り巻く環境・状況、ユーザの
状態・要求、さらにはユーザの行動というように、様々
なレベルで存在し、それら情報が相互に関連性を有して
いる。例えば、特開2000−20090号公報に示し
たように、あるユーザ要求から未来のユーザ状態が予測
でき、そのユーザ状態から次のユーザ要求が推定できる
という具合である。
【0007】したがって、真にユーザの要望を汲み取ろ
うとした場合、ユーザの要求だけをセンシングされるユ
ーザの状況などから推定するだけでは不十分な場合もあ
る。つまり、ユーザの環境・状況・状態・要求・行動と
いったユーザ情報を、より詳細に、また、より正確に装
置側で把握することが、適切な機器動作を実現するため
には望ましい。
【0008】そこで本発明は、上記公報に開示した技術
をさらに進めて、ユーザの要求に限らず、環境・状況・
状態・行動といったユーザ情報を、より詳細に推定でき
るようにすることを第1の目的とし、また、より正確に
把握できるようにすることを第2の目的として、より少
ないユーザ入力による適切な機器動作の実現に寄与す
る。
【0009】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】本発明で
は、ユーザに関する情報であるユーザ情報を、1又は2
以上の情報セットとして分類定義した。ユーザ情報は、
例えば環境・状況・状態・要求・行動として分類できる
ため、これらそれぞれを情報セットとして定義すること
が考えられる。また、これらのいくつかをまとめて情報
セットとしてもよい。このとき情報セットには、対応す
る情報リストを用意しておく。そして、この情報リスト
に記述された項目で情報セットを表現する。例えばユー
ザの状態を示す情報セットを定義する場合、対応する情
報リストには「空腹度」、「渇き具合」、「眠たさ」、
「いらいら度」、「暑さ寒さ」、「疲労度」といった項
目が記載されているという具合である。そして、推定手
段は、これら情報セット毎の項目値として、ユーザ情報
を推定する。
【0010】このような構成の下、請求項1に記載の発
明では、時間的・空間的要素にユーザ情報が多大なる影
響を受けるという事実に着目した。例えば時間が経てば
ユーザは空腹を覚えるであろうし、イベント会場の近く
にいれば、イベントに参加したいという要求を生じるこ
ともあろう。
【0011】つまり、ユーザの発話などによるユーザ入
力がなくても、ある時点におけるユーザ情報が分かって
いれば又は推定できれば、時間経過といった時間的要素
が項目値に与える時間特性を計算することによって、ユ
ーザ情報の連続的な推定が可能になる。同様に、場所の
移動といった空間的要素が項目値に与える空間特性を計
算することによって、ユーザ情報の連続的な推定が可能
になる。
【0012】従来の技術では、あるユーザの要求から未
来におけるユーザの状態を予測していたが、これは近未
来の状態をパターン化によって予測しているだけであ
り、ユーザ情報の時間的・空間的推移を計算によって総
括的に把握しようとするものではなかった。
【0013】これに対して本発明は、時間特性又は空間
特性の少なくとも一方を計算し、計算した特性に基づ
き、情報セット毎に項目値を推定する。したがって、例
えば環境・状況・状態・要求・行動といった様々なレベ
ルのユーザ情報を、時間的・空間的要素に基づき、より
詳細に推定することができる。
【0014】なお、時間特性の計算の一例として、周期
的時間特性を計算することが考えられる(請求項2)。
周期的時間特性とは、時間的要素に対する周期性をい
う。例えば、食事を摂ってから時間が経過すれば徐々に
空腹を覚え、再び食事を摂ることによって空腹が解消さ
れる。したがって、朝、昼、夜に3回食事を摂ると仮定
すれば、上述した「空腹度」の値は、ある関数で表現さ
れる。ここでいう周期的時間特性は、例えばこのような
関数の周期性をいう。つまり、このような関数は、朝、
昼、夜の食事に合わせて空腹度が大きく変化するという
1日単位の周期性を有すると考えられる。また、一般的
に外気温が低くなる冬はエネルギーの消耗が激しくなる
ため変化が大きくなり、逆に外気温が高くなる夏は変化
が小さくなるという季節単位の周期性を有すると考えら
れる。なお、周期的時間特性は、一般的な法則性に基づ
いて計算してもよいし、ユーザ毎に異なる法則性に基づ
いて計算してもよい。
【0015】ところで、このような時間特性の計算にお
いては、上述したように朝、昼、夜、夏、冬という具合
に、時間的要素を意味のある時間概念に解釈できるよう
にすることが必要である。そこで、請求項3に示す構成
を採用することが考えられる。ここでいう時間表現と
は、朝、昼、夕方、夜、深夜、春、夏、秋、冬といった
時間概念の表現をいう。これによって、物理量としての
時間(時刻)を、装置側で意味のある時間概念に解釈す
ることができる。
【0016】また、このような時間リストを例えばグリ
ニッジ標準時といった基準時刻からの時差を考慮したも
のとすれば(請求項4,5)、世界各地で同様の構成が
採用できる点で有利である。さらにまた、時間リストを
具象化する場合、計算処理が可能な変数で時間表現や時
差を記述した時間情報リストを含むものとすることが考
えられる(請求項6)。これによって、時間的要素の演
算が可能になる。
【0017】一方、空間特性としては、構造的空間特性
を計算することが考えられる(請求項7)。構造的空間
特性とは、空間的要素に対する構造性をいう。都市構造
を世界各地で比較して見ると、空間構造の類似性が存在
する。例えば「駅の近くには、銀行、郵便局、デパー
ト、公園、タクシー乗り場、バス乗り場、レンタカー会
社がある」という具合である。
【0018】ユーザは、それまでの経験などから「駅ま
で行けば、近くに公園があるため、休憩できる」という
具合に、空間的要素の構造性から行動を起こすことがあ
る。そのため、このような構造性を構造的空間特性とし
て計算することは、ユーザ情報の推定に重要である。
【0019】このような空間特性の計算においても、空
間的要素を意味のある空間概念に解釈することが必要で
ある。そこで、請求項8に示す構成を採用することが考
えられる。このような空間リストによって、物理量とし
ての空間(位置)を、装置側で意味のある空間概念に解
釈することができる。そして、空間リストを具象化する
場合、起点となる施設からのベクトル変数で施設の位置
を表現した位置情報リストを含むものとすることが考え
られる(請求項9)。これによって、時間的要素と同様
に、空間的要素の演算が可能となる。
【0020】なお、上述した公報に記載の技術では、ユ
ーザの状態からユーザの要求を推定する場合、対話デー
タベースを参照していた。この対話データベースは、環
境・状況・状態といったいくつもの情報を要求に結び付
けるものであり、データベースの構築・拡張が困難とな
る可能性がある。
【0021】そこで、次に示すような規則データベース
を用いて、項目値を推定することが考えられる(請求項
10,11)。すなわち、ここでは、情報セットに対応
する情報リストに記述された項目間の規則を記述したも
のを規則データベースとした。つまり、大局的なユーザ
の要求・状態といった単位で規則化するのではなく、情
報セット毎に用意された一つ一つの項目にだけ注目して
規則を作成するのである。このようにすれば、規則デー
タベースの構築・拡張が用意になり、様々なレベルのユ
ーザ情報を、それらの関連性に基づき、より詳細に推定
できる。
【0022】このような規則データベースは所定の記号
表現で記述しておき、解析計算できるようにすることが
考えられる(請求項12)。この解析計算は、例えばプ
ログラム言語に変換するものであることが考えられる
(請求項13)。ここにある技術思想は、従来の対話デ
ータベースにおける対応関係の参照技術に存在するパタ
ーン化及び検索処理時間の限界を、項目間の規則という
単位の解析計算により、回避するというものである。さ
らに、記号表現を用いることによる効果としては、人間
が見て分かり易くなること、また、様々なプログラム言
語に変換できることが挙げられる。
【0023】規則データベースに記述される項目間の規
則として、時間的・空間的要素による項目値の変化規則
を記述することが考えられる(請求項14)。例えば
「時間が経てば空腹度は増大する」という規則がこれに
該当する。また、項目間の整合性・因果関係による項目
値の変化規則を記述することが考えられる(請求項1
5)。例えば「何か飲めば、トイレに行きたくなる」な
どの規則がこれに該当する。さらに項目値の変化規則が
一通りにならない場合を考えると、項目値の変化規則を
確率的に表現できるようにすることが望ましい(請求項
16)。例えば「適温なのに寒いならば、80パーセン
トの確率で熱がある、あるいは、20パーセントの確率
で空腹である」という具合である。また、項目の具体化
規則を表現できるようにしてもよい(請求項17)。例
えば「何か飲むといった場合、コーヒーか、お茶か、あ
るいは、ジュースである」という規則が挙げられる。
【0024】ところで、ユーザの状態から要求を推定す
る場合、一般的に、ユーザの状態を最適化するような要
求が生じるものとして推定できる。例えばユーザの状態
が「暑い」というものであれば、室温を適温へ移行させ
るような「温度を下げたい」という要求が生じるからで
ある。したがって、本発明で言えば、情報セット毎の項
目値を最適化するように、関連する情報セットの項目値
を推定することが考えられる。ただし、情報セットの項
目値は通常、複数個存在する。そのため、情報セット単
位の最適化計算をどのように行うかが問題になる。
【0025】そこで、情報セットを、項目値を成分とす
る情報セット毎の情報ベクトルで表現することが考えら
れる。例えばユーザ情報である環境・状況・状態・要求
・行動がそれぞれ、情報セットとして分類定義されてい
れば、環境ベクトル、状況ベクトル、状態ベクトル、要
求ベクトル、行動ベクトルで表現するという具合であ
る。そして、各情報セットの最適状態を示す基準ベクト
ルとの距離計算を行い、計算された距離に基づき、情報
セットを最適化するように、項目値を推定する(請求項
18,19)。ここでは、基準ベクトルとの距離を最小
化することが、情報ベクトルを最適化することになる。
なお、複数の情報セットの内の一部を情報ベクトルで表
現し、その一部の情報セットを最適化することも考えら
れる。例えば状態ベクトルについてのみ最適化を行い、
行動ベクトルなど他のベクトルは最適化を行わない構成
も、ここに含まれるものとする。
【0026】この技術思想は、情報リストの項目で定義
された情報セットを、距離空間上に表現し、物理量であ
る距離に置き換えて判断するものである。これによっ
て、情報セットの単位で最適化計算をすることができる
ため、様々なレベルのユーザ情報をより詳細に推定でき
る。また、情報セットの単位でユーザ情報の最適性を判
断できるため、より正確なユーザ情報の把握が可能にな
る。
【0027】このような距離計算を考えると、情報セッ
ト毎の項目値を、「0」、最小値又は最大値を最適値と
する所定範囲の数値で表現するとよい(請求項20)。
基準ベクトルの設定が簡単になるためである。ただし、
情報ベクトルの各成分の重要性は時々刻々変化する。つ
まり、各時点において、情報ベクトルには、情報セット
の本質をより顕著に示す支配的次元が存在するのであ
る。したがって、情報ベクトルの全ての成分を最適化す
ることはできないことが多く、また、全ての成分を最適
化する必要もない。
【0028】そこで、上述した距離計算は、情報ベクト
ルを構成する各成分の重要性を考慮したものにすること
が考えられる(請求項21)。例えば、特定成分に対す
る優先的な距離計算とすることが考えられる(請求項2
2)。これは、最初に最も重要性の高い成分について計
算し、この成分について距離を最小化することができれ
ば、次に別の成分について計算するという具合である。
また、各成分に対する重み付けがなされた距離計算とし
てもよい(請求項23)。このような構成を採用すれ
ば、情報ベクトルの支配的次元を考慮した距離計算が可
能になる。
【0029】なお、本発明においては、ユーザ情報を1
又は2以上の情報セットで分類定義している。これによ
って、ユーザ情報を詳細に表現するのであるが、逆に、
例えば複数の情報セットで表現されたユーザ情報の本質
を把握することは、ユーザ情報に基づく機器の動作制御
に重要である。
【0030】そこで、情報セットに、ユーザの局面を示
す局面情報セットを含めることが考えられる。このと
き、推定手段は、他の情報セットの項目値に基づき、局
面情報セットの項目値を判定する(請求項24,2
5)。ここで「他の情報セット」は、ユーザの環境・状
況・状態・要求・行動を分類定義したものとすることが
考えられる(請求項26)。
【0031】環境・状況・状態・要求・行動といったユ
ーザ情報を、情報セット毎の項目値として定義すれば、
ユーザ情報を詳細に表現することができる。しかしなが
ら、項目値が多くなると、ユーザ情報の本質が見え難く
なる。そこで、本発明では、環境・状況・状態・要求・
行動といったユーザ情報から判定される局面を導入し
た。これによって、ユーザ情報が総括的に表現できるこ
とになり、その結果、ユーザ情報の本質が捉えられる。
すなわち、ユーザ情報をより正確に把握できる。
【0032】このような局面情報セットの項目値は、局
面符号として符号化してもよい(請求項27)。例え
ば、このような局面符号は、スマートカードその他のメ
モリデバイスや通信路あるいはリモコン出力として送出
することができる。別途用意された対話装置などが、こ
の局面符号を復号化すれば、プライバシー侵害を最小限
にとどめたままで、機器を動作させることができる。
【0033】ところで、このような局面を用いると、様
々な推定が可能となる。つまり、ユーザの環境・状況・
状態・要求・行動に対し典型的な局面を対応付けておけ
ば、環境・状況・状態・要求・行動から局面を判定する
ことで詳細情報から総合的情報への置換が可能となり、
逆に、局面を環境・状況・状態・要求・行動に分解する
ことで総合的情報から詳細情報への置換が可能になるた
めである。
【0034】したがって例えば、過去に判定した局面情
報セットの項目値に基づき、情報セットの項目値を推定
するようにすることが考えられる(請求項28)。ま
た、請求項29に示すように、局面を分解して、他の情
報セットの項目値を推定してもよい。さらに、上述した
ような時間特性・空間特性の計算に、判定された局面を
用いてもよい(請求項30)。これらの構成も、詳細な
ユーザ情報の推定に寄与する。なお、「過去に判定され
た」であるため過去のどの時点で判定された局面情報セ
ットの項目値を用いてもよいが、最も近い過去に判定さ
れた局面情報セットの項目値を用いるのが一般的であ
る。
【0035】ただし、局面情報には、すなわち局面情報
セットの項目値には、推定対象の情報セット毎に優先順
序が存在する。つまり、項目値が複数個存在すれば、推
定計算における重要度が異なってくるからである。そこ
で、請求項31の構成を採用することが考えられる。こ
のようにすれば、決定された優先順序に従って、局面情
報セットの項目値を用いた推定/計算が行われる。
【0036】なお、情報セットが情報リストに記述され
た項目で表現されることは上述したが、情報リストに記
述された項目にも、その時点における必要性(以下「活
性化度合い」という。)が高いものと低いものとが存在
する。したがって、項目の活性化度合いに基づき、複数
のリストとして階層化しておくとよい(請求項32)。
具体的には、項目の全てを含む完全リストと、活性化度
合いの最も高い活性化リストを少なくとも含んで階層化
することが考えられる(請求項33)。このとき、推定
手段は、活性化度合いの高いリストに記述された項目に
対応する項目値を優先的に推定する。また、項目値の推
定結果に基づき、情報リストに階層化されて記述された
項目を変更するようにするのが一般的である(請求項3
4)。ここでいう変更には、階層化されたリスト間にお
ける項目の入れ替え、また、新規な項目の追加が含まれ
る。
【0037】ところで、ユーザの特性を示す個人情報に
基づき、項目値を推定するようにすれば(請求項3
5)、適切なユーザ情報の推定が可能になる。このよう
な個人情報は、上記公報に開示した技術と同様にユーザ
プロファイルという形式で記憶しておくことが考えら
れ、外部から読み込むようにしてもよいし、請求項36
に示すように、本装置内部で構築するようにしてもよ
い。例えば、センシング情報に基づく推定によって構築
することが考えられる(請求項37)。
【0038】また、ユーザの嗜好性も、個人情報の一部
と考えて、個人情報に含めることが考えられる(請求項
38)。このようなユーザの嗜好性は、センシング情報
に加え又は代え、項目値から判定されるユーザの要求に
基づいて判断することが考えられる(請求項39)。
【0039】以上のようにして本発明では、情報セット
の項目値を推定するのであるが、このような推定を行っ
ても、通常、不完全な又は不確定な項目値が残る。そこ
で、項目値の信頼性は低くなる可能性もあるが、推定手
段による項目値の推定の後、不完全な又は不確定な項目
値を他の要素から推定する構成を採用してもよい(請求
項40)。例えば、情報セットが情報ベクトルで表現さ
れていることを前提として、定型的な情報ベクトルとの
距離計算を行うことで不完全な又は不確定な項目値を推
定することが考えられる。このようにすれば、例えば活
性化度合いの高い項目が、不完全な又は不確定な値とな
ることを極力防止でき、確実に項目値が推定できる。
【0040】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体化した一実施
例を図面を参照して説明する。図1は、実施例のユーザ
情報推定装置1を含む対話システムを示す説明図であ
る。この対話システムは、車両に搭載された様々な車両
搭載機器を含んで構成され、ユーザのフィーリングに合
った適切な制御を半自動的に行う。
【0041】対話システムは、ユーザ情報推定装置1を
はじめ、対話装置80、この対話装置80に接続された
コンテンツ入力器81、センサ82、操作対象83を備
えている。対話装置80はいわゆる音声認識機能を備え
ており、対話装置80には、ユーザの発話情報などのユ
ーザ入力がなされる。また、コンテンツ入力器81から
は、天気情報、渋滞情報など、様々なコンテンツ情報が
入力され、センサ82からは、車両各部の情報、外気
温、騒音などのセンシング情報が入力される。
【0042】対話装置80は、このような情報を例えば
プロファイルという形式で保持し、ユーザ情報推定装置
1へ出力する。これに対して、ユーザ情報推定装置1で
は、ユーザの置かれる環境・状況、ユーザの状態・要求
・行動、それらから決定される局面を推定し、これらの
情報をユーザ情報として対話装置80へ出力する。これ
によって、対話装置80は、操作対象83へ、ユーザの
要求・状態、その要求・状態に応じたコマンド、検索テ
キストなどを出力する。操作対象83は、ナビゲーショ
ン装置、オーディオ装置、テレビジョン受像機、検索装
置、電話機、さらには、窓の開閉装置といった様々な車
両搭載機器であることが考えられる。また、それらの車
両搭載機器を統括制御する制御装置としてもよい。すな
わち、ユーザ情報推定装置1によって、適切なユーザ情
報が推定されることによって、車両搭載機器を半自動的
にしかも適切に動作させることができる。具体的には、
操作対象83の備えるアプリケーションプログラム(ア
プリケーション)が半自動的に実行されるのである。
【0043】ユーザ情報推定装置1は、周知のコンピュ
ータシステムであり、CPU、ROM、RAM、I/O
及びこれらを接続するバスラインをはじめ、記憶装置と
してハードディスク装置、対話装置80との間で通信を
行うための通信装置などを備えている。このようなハー
ドウェア構成は従来より当業者によく知られたものであ
る。したがって図1では、ユーザ情報推定装置1の機能
構成を示した。すなわちユーザ情報推定装置1は、環境
計算部10、状況計算部20、要求計算部30、状態計
算部40、行動計算部50、局面計算部60、及び規則
データベース70を備えている。
【0044】本実施例のユーザ情報推定装置1では、ユ
ーザ情報を、ユーザの環境・状況・状態・要求・行動の
5つに分類し、さらにこれらを総合的に捉えた情報を局
面として、ユーザ情報を計6つに分類定義している。図
1には、各計算部10〜60が規則データベース70を
用いてそれぞれの推定計算を行い、さらに、環境・状況
・要求・状態・行動の計算部10〜50は、局面計算部
60の計算結果を用いて、推定計算を行うことが示され
る。各計算部10〜60では、特定の計算部10〜60
の計算結果を用いて、推定計算を行う。これは上述した
6つの定義分類が互いに関連しいるしていることを示し
ている。
【0045】上述した各定義分類についてそれぞれ、リ
ストの形式で詳細な項目定義がなされ、ユーザ情報は、
定義分類毎、すなわち、環境・状況・状態・要求・行動
・局面といった「情報セット」毎の項目値で表現され
る。各計算部10〜60は、このリストに記述される項
目についての推定計算を行い、情報セット毎の項目値を
推定する。
【0046】そして、このリストは、各計算部10〜6
0にそれぞれ用意されており、しかも、4つの階層に階
層化されている。したがってまず、このリストについて
説明を加える。 (1)リスト (1−1)環境リスト 環境リストには、ユーザを取り巻く環境を定型的に表現
するための項目が格納される。ユーザを取り巻く環境の
定型的な表現を実現するための項目が記述される。
【0047】完全環境リスト(環境辞書) アプリケーション上で想定されるユーザ環境の自然言語
表現を辞書として格納したものである。ここには、ユー
ザ環境の分類に属する全ての項目が記述される。たとえ
ば特開平11−351901号公報、特開2000−2
0090号公報などに開示したユーザ環境項目が含まれ
る。
【0048】定型的環境リスト 定型的な環境とは、ユーザが要求を発するにおいて典型
的または発生頻度の高い、比較的少数の環境をさす。た
とえば、{自宅付近、高速道路、雪が降っている、夏の
海岸、名古屋駅前、空港の駐車場、…}などである。
【0049】ユーザ環境リスト 特定ユーザにおいて使用する頻度が高い、またはある局
面で典型的な環境の表現語を格納する。 活性化環境リスト 現時点で最も重要性が高い環境の表現語を格納する。
【0050】(1−2)状況リスト 状況リストには、ユーザの置かれた状況を定型的に表現
するための項目が格納される。 完全状況リスト(状況辞書) アプリケーション上で想定されるユーザ状況の自然言語
表現を辞書として格納しておく。たとえば、下記のよう
なものがある。{渋滞している、通勤途中、旅行中、買
い物、行楽時、長時間運転、…}この状況リストに格納
される項目は、次のような特徴を有している。それは、
現在行っているマクロな行動内容も含まれるという特徴
と、論理的に矛盾しなければ複数の状況を選択できると
いう特徴である。複数の状況とは、{通勤途中で渋滞し
ている}というような状況を言う。そして、ここでいう
状況には、マクロな状況からミクロな状況までさまざま
なレベルの表現が含まれる。マクロな状況とは、{旅行
中}というようなものであり、ミクロな状況とは、その
旅行中に遭遇した{渋滞}、さらには、渋滞中における
ナビ操作に関連する{ナビの操作方法が分からない}と
いう状況などをいう。このような状況は継続時間の長さ
や対象となる空間範囲でレベル分けすることができる。
【0051】定型的状況リスト 定型的な状況とは、ユーザが要求を発する際に典型的ま
たは発生頻度の高い、比較的少数の状況をさす。たとえ
ば、{ゴールデンウィーク期間における大渋滞}、{イ
ベント会場駐車場への長蛇の行列}、{朝の渋滞におけ
る信号待ち}といった状況が考えられる。
【0052】ユーザ状況リスト 特定ユーザにおいて使用する頻度が高い、またはある局
面で典型的な状況の表現語を格納する。 活性化状況リスト 現時点で最も重要性が高い状況の表現語を格納する。
【0053】(1−3)要求リスト 要求リストには、ユーザに生じる要求を定型的に表現す
るための項目が格納される。ここには、現在、過去、未
来、あるいは仮想空間上の要求について適用できる項目
も含まれる。
【0054】完全要求リスト(要求辞書) アプリケーション上で想定されるユーザ要求の自然言語
表現を辞書として格納しておく。たとえば、{買い物に
行きたい}、{イベントを知りたい}、{イベントに参
加したい}、{旅行にいきたい}、{何か食べたい}、
{どこかへ行きたい}などである。
【0055】定型的要求リスト 定型的な要求とは、ユーザが要求を発する際に典型的ま
たは発生頻度の高い、比較的少数の要求をさす。 ユーザ要求リスト 特定ユーザにおいて使用する頻度が高い、またはある局
面で典型的な要求の表現語を格納する。
【0056】活性化要求リスト 現時点で最も重要性が高い要求の表現語を格納する。 (1−4)状態リスト 状態リストには、ユーザの状態を定型的に表現するため
の項目が格納される。
【0057】完全状態リスト(状態辞書) アプリケーション上で想定されるユーザ状態の自然言語
表現を辞書として格納しておく。たとえば、{空腹であ
る、暑い、いらいらしている、元気である、憂鬱であ
る、疲れている}などの項目が挙げられる。
【0058】定型的状態リスト 定型的な状態とは、ユーザ状態として定義された項目の
中の典型的な、または発生頻度の高い、比較的少数の状
態をさす。 ユーザ状態リスト 特定ユーザにおいて使用する頻度が高い、またはある局
面で典型的な状態の表現語を格納する。
【0059】活性化状態リスト 現時点で最も重要性が高い状態の表現語を格納する。 (1−5)行動リスト 行動リストには、ユーザの行動を定型的に表現するため
の項目が格納される。ここには、現在、過去、未来、あ
るいは仮想空間上の行動について適用できる項目も含ま
れる。
【0060】完全行動リスト(行動辞書) アプリケーション上で想定されるユーザ行動の自然言語
表現を辞書として格納しておく。たとえば、{電話をか
ける、CDを聴く、TVを観る、食べる、運転する}な
どが挙げられる。
【0061】定型的行動リスト 定型的な行動とは、ユーザ行動として定義された項目の
中の典型的な、または発生頻度の高い、比較的少数の行
動をさす。 ユーザ行動リスト 特定ユーザが起こし易い、または、ある局面で典型的な
行動の表現語を格納する。
【0062】活性化行動リスト 現時点で最も重要性が高い行動の表現語を格納する。 (1−6)局面リスト ユーザ情報としての環境・状況・状態・要求・行動の各
々について所定の項目を定義して、定型的な表現を実現
することは既に述べた。このとき、これらの組み合わせ
として{環境、状況、状態、要求、行動}の5項組から
決定される項目を局面として定義すれば、ユーザの定型
的な局面を定義できる。たとえば{買い物で疲れてい
る、旅行で疲れている、出張先で行き先がわからない、
旅行先で行き先がわからない}などの項目が局面であ
る。この例からも分かるように、上述した5つの項目が
局面の決定に全て用いられるとは限らない。
【0063】完全局面リスト(局面辞書) アプリケーション上で想定されるユーザ局面の自然言語
表現を辞書として格納しておく。 定型的局面リスト 定型的な局面とは、ユーザ局面として定義された項目の
中の典型的な、または発生頻度の高い、比較的少数の局
面を指す。
【0064】ユーザ局面リスト 特定ユーザに対して発生する頻度が高い典型的な局面の
表現語を格納する。 活性化局面リスト 現時点で最も重要性が高い局面の表現語を格納する。 (2)上述したリストは、各計算部10〜60に用意さ
れている。これら各計算部10〜60の構成を示すの
が、図2〜図7に示す説明図である。
【0065】次に、図2〜図7を参照して、各計算部1
0〜60の概略的な構成及び動作を説明する。 (2−1)環境計算部 図2に示すように、環境計算部10は、推定計算を実行
する環境推定部110と、環境リスト120とを備えて
いる。環境リスト120は、上述したような、活性化環
境リスト120a、ユーザ環境リスト120b、定型的
環境リスト120c、完全環境リスト120dに階層化
されている。
【0066】環境推定部110は、対話装置80及び局
面計算部60からの局面情報に基づき、規則データベー
ス70を参照して、環境リスト120に記述された環境
項目について、特に活性化環境リスト120aに記載さ
れた環境項目について優先的に推定を行い、推定結果
を、局面計算部60、状況計算部20、要求計算部3
0、状態計算部40、及び対話装置80へ出力する。ま
た、推定結果に基づき、環境リスト120の各リスト1
20a〜120dに記述される項目は、環境推定部11
0によって、4つのリスト120a〜120dの中で入
れ替えられたり、追加されたりされる。
【0067】(2−2)状況計算部 図3に示すように、状況計算部20は、推定計算を実行
する状況推定部210と、状況リスト220とを備えて
いる。状況リスト220は、上述したような、活性化状
況リスト220a、ユーザ状況リスト220b、定型的
状況リスト220c、完全状況リスト220dに階層化
されている。
【0068】状況推定部210は、対話装置80、局面
計算部60及び環境計算部10からの入力情報に基づ
き、規則データベース70を参照して、状況リスト22
0に記述された状況項目について、特に活性化状況リス
ト220aに記載された状況項目について優先的に推定
を行い、推定結果を、局面計算部60、要求計算部3
0、状態計算部40、及び対話装置80へ出力する。ま
た、推定結果に基づき、状況リスト220の各リスト2
20a〜220dに記述される項目は、状況推定部21
0によって、4つのリスト220a〜220dの中で入
れ替えられたり、追加されたりされる。
【0069】(2−3)要求計算部 図4に示すように、要求計算部30は、推定計算を実行
する要求推定部310と、要求リスト320とを備えて
いる。要求リスト320は、上述したような、活性化要
求リスト320a、ユーザ要求リスト320b、定型的
要求リスト320c、完全要求リスト320dに階層化
されている。
【0070】要求推定部310は、対話装置80、局面
計算部60、環境計算部10、状況計算部20及び状態
計算部40からの入力情報に基づき、規則データベース
70を参照して、要求リスト320に記述された要求項
目について、特に活性化要求リスト320aに記載され
た要求項目について優先的に推定を行い、推定結果を、
局面計算部60、及び対話装置80へ出力する。また、
推定結果に基づき、要求リスト320の各リスト320
a〜320dに記述される項目は、要求推定部310に
よって、4つのリスト320a〜320dの中で入れ替
えられたり、追加されたりされる。
【0071】(2−4)状態計算部 図5に示すように、状態計算部40は、推定計算を実行
する状態推定部410と、状態リスト420と、状態モ
デル430とを備えている。状態リスト420は、上述
したような、活性化状態リスト420a、ユーザ状態リ
スト420b、定型的状態リスト420c、完全状態リ
スト420dに階層化されている。また、状態モデル4
30は、状態項目の各値を所定のフォーマットで記述し
たものである。この状態モデル430については後述す
る。
【0072】状態推定部410は、対話装置80、局面
計算部60、環境計算部10及び状況計算部20からの
入力情報に基づき、規則データベース70を参照して、
状態リスト420に記述された状態項目について、特に
活性化状態リスト420aに記載された状態項目につい
て優先的に推定を行い、推定結果を、局面計算部60、
要求計算部30、及び対話装置80へ出力する。また、
推定結果に基づき、状態リスト420の各リスト420
a〜420dに記述される項目は、状態推定部410に
よって、4つのリスト420a〜420dの中で入れ替
えられたり、追加されたりされる。
【0073】(2−5)行動計算部 図6に示すように、行動計算部50は、推定計算を実行
する行動推定部510と、行動リスト520とを備えて
いる。行動リスト520は、上述したような、活性化行
動リスト520a、ユーザ行動リスト520b、定型的
行動リスト520c、完全行動リスト520dに階層化
されている。
【0074】行動推定部510は、対話装置80及び局
面計算部60からの入力情報に基づき、規則データベー
ス70を参照して、行動リスト520に記述された行動
項目について、特に活性化行動リスト520aに記載さ
れた行動項目について優先的に推定を行い、推定結果
を、局面計算部60、及び対話装置80へ出力する。ま
た、推定結果に基づき、行動リスト520の各リスト5
20a〜520dに記述される項目は、行動推定部51
0によって、4つのリスト520a〜520dの中で入
れ替えられたり、追加されたりされる。
【0075】(2−6)局面計算部 図7に示すように、局面計算部60は、推定計算を実行
する局面推定部610と、局面リスト620と、局面モ
デル630とを備えている。局面リスト620は、上述
したような、活性化局面リスト620a、ユーザ局面リ
スト620b、定型的局面リスト620c、完全局面リ
スト620dに階層化されている。
【0076】局面推定部610は、対話装置80、環境
計算部10、状況計算部20、要求計算部30、状態計
算部40及び行動計算部50からの入力情報に基づき、
規則データベース70を参照して、局面リスト620に
記述された局面項目について、特に活性化局面リスト6
20aに記載された局面項目について優先的に推定を行
い、推定結果を、局面計算部60、環境計算部10、状
況計算部20、要求計算部30、状態計算部40、行動
計算部50及び対話装置80へ出力する。また、推定結
果に基づき、局面リスト620の各リスト620a〜6
20dに記述される項目は、局面推定部610によっ
て、4つのリスト620a〜620dの中で入れ替えら
れたり、追加されたりされる。 (3)次に、上述した各計算部10〜60における推定
部110,210,310,410,510,610の
構成・動作について説明する。
【0077】(3−1)環境推定部 図8は、環境推定部110の動作を説明するための機能
ブロック図である。ここに示す空間特性計算ブロック1
11、時間特性計算ブロック112ではそれぞれ、空間
特性及び時間特性の計算を行う。
【0078】なお、このような空間特性及び時間特性の
計算は、他の推定部210〜610でも同様に行われる
ものである。本実施例では、空間特性及び時間特性の計
算を1つの特徴としているため、ユーザを取り巻く環境
としての時間・空間をどのようにして取り扱うかについ
て、ここで説明を加える。
【0079】ユーザ環境には、時間・空間(両方を合わ
せて「事象」と呼ぶ)が含まれることは言うまでもな
い。そして、このユーザ環境としての時間・空間は、他
の環境要素にも影響を与えると同時に、ユーザの状況・
状態・要求・行動・局面にも多大なる影響を与える。
【0080】したがって、このような時間・空間を、物
理的な量として表現するだけでは十分ではない。例えば
システムの計時手段によって得られる○○時○○分とい
う時刻データを採用しても、また、GPS受信機によっ
て得られる位置データ(例えば地図上の座標)をそのま
ま採用しても意味をなさない。
【0081】すなわち、システムにおける時間は、人間
が活動する現実世界の中で人間の感覚を通して獲得され
た一日、一週間、一ヶ月、一年、一世紀などを支配的な
周期と考え、一方で季節や時間帯なども重要な定型的時
間表現として、環境項目に組み込むことが適切な推定計
算を行うために有効である。また例えば空間も同様に、
人間が活動する現実世界の都市構造などを考え、環境項
目に組み込むことが有効である。
【0082】空間特性 空間特性の計算は、基本的空間特性の計算、構造的空間
特性の計算、さらに、それらの計算結果を合成する合成
計算とで実現される。基本的空間特性の計算とは、単な
る物理量としての座標データを定型的空間表現{駅、銀
行、郵便局}などに置き換えて解釈し、ユーザ情報を推
定するための特性を把握するものである。
【0083】構造的空間特性の計算とは、さらに空間構
造を取り入れて、ユーザ情報を推定するための特性を把
握するものである。本実施例では、構造的空間特性とし
て、空間構造の類似性の概念を取り入れた。空間構造の
類似性は、たとえば、都市構造に見られる類似性であ
る。具体的に「駅の近くに、銀行、郵便局、デパート、
公園、タクシー乗り場、バス乗り場、レンタカー会社、
…がある」といった都市構造は、空間表現リストとし
て、次の式1で示すことが考えられる。 X$LST(1)={駅|銀行、郵便局、デパート、公園、タクシー乗り場、バス乗り 場、レンタカー、…} ・・・式1 このような空間表現リストに対して、次の式2,式3,
式4で示される位置情報リストを採用して空間構造を処
理することが考えられる。 PLST(1,k)={Xk |uk,1 、uk,2 、uk,3 、…} ・・・式2 u = (u,v) ・・・式3 xk,m = Xk + uk,m ・・・式4 つまり、銀行、郵便局、デパートなどを、駅を起点とす
るベクトル変数で表現するのである。これによって、距
離に関する制約条件も、次の式5にて表現できることに
なる。 |uk,m | =< Lnear ・・・式5 ここでLnearは、たとえば500m程度に設定することが考
えられる。
【0084】このような空間表現リスト、及び対応する
位置情報リストをシステムに備えるようにすれば、駅周
辺にユーザが位置しているという単なる定型的な空間表
現にから発展させ、利用者が位置している空間がより詳
細に分析できる。また、このような類似性の定義によ
り、世界各地で同様の推定を行うことができる。
【0085】つまり、ユーザが駅に位置すれば、あるい
は、ユーザが駅まで行けば、その近くに{銀行、郵便
局、デパート、公園、…}が存在する可能性が高いとい
うことをシステム側で判断できるのである。このような
構造的空間特性を用いれば、空間に大きく影響を受ける
ユーザ情報の推定計算が適切になる。
【0086】さらに、銀行へ行けば{お金がおろせる、
口座が作れる、エアコンが効いている、振込ができる、
両替ができる、…}、デパートへ行けば{エアコンが効
いている、大勢の人がいる、食事ができる、トイレがあ
る、駐車場がある、…}、公園へ行けば{休憩できる、
スポーツができる、お花見ができる、子供が遊べる、お
弁当が食べられる、…}といった一般的規則を適用する
ことによって、ユーザ状態の状態項目である「疲労度」
が高いユーザに対し、そのユーザの行動を、公園やデパ
ートでの休憩という具合に推定できる。
【0087】以上のような空間特性を含む空間に関する
情報を、以下「空間情報」と呼ぶ。 時間特性 時間特性の計算は、基本的時間特性の計算、周期的時間
特性の計算、さらに、それらの計算結果を合成する合成
計算とで実現される。
【0088】基本的時間特性の計算とは、単なる物理量
としての時刻を、定型的時間表現{朝、昼、夕方、夜、
深夜、春、夏、秋、冬、・・・}などに置き換えて把握
し、ユーザ情報を推定するものである。世界各地でこの
ような時間表現を適切に行うために、定型的時間表現を
要素とする次の式6で示される時間表現リストを定義し
た。ここではGMT(Greenwich Mean Time )を基準に
した時差を考慮する。 T$LST(1)={時差|朝、昼、夕方、夜、深夜、春、夏、秋、冬、・・・} ・・・式6 これに対応して、各定型的時間表現に対応する数値的時
間情報を表現するリストである時間情報リストは、次の
式7で表現される。 TLST(1,k)={Tk |dtk,1 、dtk,2 、dtk,3 、・・・} ・・・式7 式7を用いれば、たとえばGMTを用いた定型的時間表
現は、次の式8で表現できる。 tk,m = Tk + dtk,m ・・・式8 ここで、時間範囲に関する制約条件は、次の式9で表現
される。 DTFROM(k,m)=< dtk,m < DTTO(k,m) ・・・式9 このような時間表現リスト、及び対応する時間情報リス
トをシステムに備えるようにすれば、時差を考慮した時
間特性に基づく、ユーザ情報の推定が可能となる。
【0089】一方、周期的時間特性の計算とは、定型的
時間表現に周期性を取り入れて、ユーザ情報を推定する
ものである。例えば上述したようなユーザ情報を数値属
性で表現することを考えた場合、時刻tの関数として数
値属性a(t)と表現できる。この数値属性a(t)の
周期性を周期的時間特性として定義し、基本関数a0
(t)に対する荷重係数及びオフセット関数として計算
するという具合である。すなわち、荷重係数Cdwmyc、オ
フセット関数Poffとした場合、次の式10で数値属性a
(t)が記述されることを前提とし、以下の式11〜2
4で周期的時間特性を表現する。 a(t)= Cdwmyc・a0(t)+Poff ・・・式10 Poff = Pday+Pweek+Pmonth+Pyear+Pcentury+Plife ・・・式11 Cdwmyc(t) = Cday(t) ・Cweek(t) ・Cmonth(t) ・Cyear(t) ・Ccentury(t) ・Clife(t) ・・・式12 Cday (t+Tday ) = Cday (t) ・・・式13 Cweek (t+Tweek ) = Cweek (t) ・・・式14 Cmonth (t+Tmonth ) = Cmonth (t) ・・・式15 Cyear (t+Tyear ) = Cyear (t) ・・・式16 Ccentury(t+Tcentury) = Ccentury(t) ・・・式17 Clife (t) = Cuser#life(t-tub) ・・・式18 Pday (t+Tday ) = Pday (t) ・・・式19 Pweek (t+Tweek ) = Pweek (t) ・・・式20 Pmonth (t+Tmonth ) = Pmonth (t) ・・・式21 Pyear (t+Tyear ) = Pyear (t) ・・・式22 Pcentury(t+Tcentury) = Pcentury(t) ・・・式23 Plife (t) = Puser#life(t-tub) ・・・式24 ここで、tub は対象とするユーザの誕生時刻に相当す
る。また、各記号の意味は下記の通りである。
【0090】a0(t):一日以下の周期を持つ属性値の基
本関数 T'w$':w$の時間概念に対応する時間周期 C'w$':T'w$'を周期とする荷重係数 P'w$':T'w$'を周期とするオフセット関数 なお、オフセット関数は、図9に例示する如くである。
図9では、上段よりPlife、Pyear、Pmonth、Pweek、Pda
y の関数を順に示した。それぞれ実線A,B,C,D,
Eで示される。そして、Pyear 関数は、Plife 関数の記
号aで示す部分を拡大したものである。同様に、Pmonth
関数はPyear 関数の記号bで示す部分を、Pweek 関数は
Pmonth関数の記号cで示す部分を、Pday関数はPweek 関
数の記号dで示す部分を、それぞれ拡大したものとなっ
ている。
【0091】また、基本関数a0(t)は、図10に例
示されるものである。図10では、上段に「空腹度」の
時間変化を示し、中段に「疲労度」、下段に「眠たさ」
の時間変化を示した。すなわち、ここでいう周期的時間
特性の計算とは、図10に例示されるような満腹度、疲
労度、眠たさなどが一般的な関数として定義され、この
関数に基づいてユーザ情報(この場合は、状態項目)が
数値属性として推定されることを前提とし、ユーザに合
わせた時間周期に基づく荷重係数やオフセット関数を計
算するものである。
【0092】このような時間特性を含む時間に関する情
報を、以下「時間情報」と呼ぶ。 時間モデル、空間モデル、事象モデル 図11に示すように、時間表現リスト・時間情報リスト
といった時間モデルの導入は、物理時間tをシステムに
おいて意味のある時間概念として解釈することに寄与す
る。また、空間表現リスト・位置情報リストといった空
間モデルの導入は、物理空間xをシステムにおいて意味
のある空間概念として解釈することに寄与する。上述し
た説明では、時間情報と空間情報を別々に説明したが、
現実世界では、これらは時空間として捉えられる。本実
施例では、時間及び空間のモデルを導入しており、すな
わち事象モデルをシステムに導入したことになるため、
時空間(x,t)を意味のある事象概念として解釈でき
る。
【0093】例えば年中行事といったイベント情報は、
図12に示すような時空間に表現できる。したがって、
この時空間に対するユーザの時空間軌道を考えると、ユ
ーザ情報に基づくイベント案内を適切なものとすること
ができる。すなわち、システムは、時空間における距離
として適切なイベント情報を選択できる。例えばユーザ
の時空間軌道が図12に示すものとなれば、BB市の夏
祭りを案内するという具合である。
【0094】ここで図8に示した環境推定部110の説
明に戻る。上述した空間特性計算ブロック111には例
えばGPS受信機からの位置データが入力され、時間特
性計算ブロック112には例えばシステムの計時手段か
らの時刻データが入力される。つまり、環境推定部11
0によって推定される環境項目には時間情報及び空間情
報が含まれるため、物理量としての時刻データに基づき
時間特性を計算し、また、物理量としての位置データに
基づき空間特性を計算するのである。ただし、環境推定
部110による推定結果である環境推定値が、環境の初
期推定値としてフィードバックされるため、物理量とし
ての時刻データ・位置データから毎回時間特性及び空間
特性を計算する必要はない。
【0095】また、空間特性計算ブロック111・時間
特性計算ブロック112では、局面情報も取り入れて、
環境の空間特性・時間特性を計算する。すなわち、環境
推定部110に入力される局面情報は、優先順序決定ブ
ロック113にて環境項目における優先順序決定がなさ
れ、空間特性計算ブロック111・時間特性計算ブロッ
ク112に入力される。
【0096】環境判定ブロック114には、計算された
空間特性・時間特性、優先順序決定ブロック113から
の局面情報、外部からの個人情報が入力される。環境判
定ブロック113は、これらの情報に基づき、規則計算
ブロック115及び環境リスト120を参照し、環境判
定を行う。環境判定とは、環境項目の推定を意味してい
る。このとき、上述したように、環境リスト120の活
性化環境リスト120aに記述されている環境項目を優
先的に推定する。
【0097】なお、このような環境判定により、全ての
環境項目が推定されるとは限らない。もちろん、全ての
環境項目を推定する必要性はないが、活性化環境リスト
120aに記述された環境項目など、決定することが望
ましい項目もある。そこで、本実施例では、環境判定ブ
ロック114による判定結果と、優先順序決定ブロック
113からの局面情報に基づき、不確定値推定ブロック
116が、不完全又は不確定な値の推定を行う。不確定
値推定ブロック116は、規則計算ブロック115及び
環境リスト120を参照して推定計算を行う。
【0098】上述した規則計算ブロック115は、規則
データベース70に記述された規則群を解釈する。この
規則データベースについては後述する。また、個人情報
は、対話装置80から入力されるものであり、例えばユ
ーザプロファイルに記述された内容であることが考えら
れる。なお、ここでは、図2中に示した環境リスト12
0を便宜上、環境推定部110内部に記述した。
【0099】(3−2)状況推定部 図13は、状況推定部210の動作を説明するための機
能ブロック図である。状況推定部210は、図13から
分かるように、図8に示した環境推定部110とほぼ同
様の構成になっている。環境推定部110には位置デー
タ・時刻データが入力されていたが、この状況推定部2
10には、環境推定部110によって計算された空間情
報・時間情報が入力される点で異なっている。
【0100】そして、空間特性計算ブロック211で
は、状況推定のための空間特性が計算され、時間特性計
算ブロック212では、状況推定のための時間特性が計
算される。また、優先順序決定ブロック213では、入
力された局面情報に対し、状況項目における優先順序が
決定される。
【0101】なお、各ブロック間の関連は、環境推定部
110と同様であるため、ここでは処理の流れをフロー
チャートの形式で説明する。図14は、状況推定処理を
示すフローチャートである。まず最初のステップ(以
下、ステップを単に記号Sで示す。)100において、
局面情報を取り込む。続くS110では、優先順序を決
定する。これは、優先順序決定ブロック213における
処理であり、この場合、状況項目における優先順序を決
定する。
【0102】次のS120では、状況の初期推定値を取
り込む。ここでは、状況推定部210から前回出力され
た状況推定値を取り込む。そして、状況の初期推定値、
時間情報、及び局面情報に基づき、S130では、状況
の時間特性を計算する。この処理は、時間特性計算ブロ
ック212によるものであり、基本的時間特性の計算、
周期的時間特性の計算、及び両計算結果の合成計算から
なる。また、S140では、状況の初期推定値、空間情
報、及び局面情報に基づき、状況の空間特性を計算す
る。この処理は、空間特性計算ブロック211によるも
のであり、基本的空間特性の計算、構造的空間特性の計
算、及び両計算結果の合成計算からなる。
【0103】続くS150では、規則の参照を行う。こ
れは状況判定ブロック214による規則群の参照であ
り、規則群は、規則データベース70から読み出されて
規則計算ブロック215にて解釈されたものである。こ
の規則を適用することによって、状況判定ブロック21
4は、以下に示すS160〜S190の推定処理を実行
する。
【0104】S160では、環境に依存する状況を推定
する。続くS170では、状況間の整合性による推定を
行う。次のS180では、前回の状況に基づく推定を行
う。これは、時間特性や空間特性に基づく状況の推移を
推定するものである。続くS190では、因果関係によ
る状況推定を行う。このように、規則データベース70
に記述された規則群を、規則計算ブロック215が解釈
し、この解釈された規則群を用いて様々な状況の推定を
行う。
【0105】そして、次のS200では、個人情報を取
り込む。この処理も、状況判定ブロック214によるも
のである。状況判定ブロック214は、さらに次のS2
10において状況リストを参照し、続くS220にて状
況判定を行う。S230では、不完全・不確定な値の推
定を行う。これは不確定値推定ブロック216による処
理である。
【0106】(3−3)状態推定部 ユーザの状態は、ユーザの要求に密接に関係している。
例えば「空腹」という状態からは「食べたい」という要
求が生じ、「疲労」という状態からは「休みたい」とい
う要求が生じるという具合である。そこで本実施例では
状態モデルを定義し、状態モデルを最適化することによ
ってもユーザの要求を推定する。したがって、上記
(2)とは順序が異なるが、状態推定部410につい
て、最初に説明する。
【0107】図15に示すように状態推定部410は、
空間特性計算ブロック411、時間特性計算ブロック4
12、状態判定ブロック414、規則計算ブロック41
5、及び不確定値推定ブロック416を備えている点
で、上述した環境推定部110や状況推定部210と同
様の構成となっている。
【0108】この状態推定部410による推定結果であ
る状態推定値は、状態計算部40の状態モデル430と
して保持される。この状態モデル430は、状態ベクト
ルの形式で保持されている。まず、状態ベクトルについ
て説明する。
【0109】(3−3−1)状態ベクトル ここでは各状態の自然言語表現を数値表現に対応させる
手法を提案する。N 個の状態値qi(i=1,…,N)を成分
とするベクトルqを状態ベクトルとして定義する。 q=(q1 ,q2 ,…,qN ) ・・・式25 このような状態ベクトルは、具体的には、以下のような
状態項目に対する状態値のベクトルとして表現できる。
【0110】例えば状態数が10個であり、符号付4b
it表現により「−8」〜「7」で状態値を示す場合を
考える。ここで「レベル定義」とは、自然言語表現と数
値との対応付けを示す。また、「性質」として、常識か
ら判断されるその状態項目の変化などを記述した。以下
に示すような状態値による表現を用いれば、上述した時
間特性及び空間特性による状態変化を簡単にシステム上
で計算できることになる。なお、各言語表現は状態を量
子化した結果を表現する代表的記述であり、音声対話シ
ステムなどでユーザが入力する他の言語表現(空腹度に
ついては「何か食べたい」、「腹へった」、「腹と背中
がくっつきそうだ」、…)との対応付けは認識辞書を介
してシステムが行う。
【0111】q1 :空腹度 A) レベル定義 {満腹である(7,6,5)、ほぼ満腹である(4,3)、普通
(2〜-2)、お腹が空いた(-3〜-5)、腹ぺこだ(-6〜-
8)} B) 性質 ・食事をしなければ時間経過とともに減少する。
【0112】・食事や休憩時に増大することが多い。 q2 :渇き具合 A) レベル定義 {飲めない(7〜5)、飲みたくない(4,3)、飲める
(2〜-2)、のどが渇いた(-3〜-5)、からからである
(-6〜-8)} B) 性質 ・暑いときにはのどが渇きやすい。
【0113】・飲み物を取ると増大する。 ・食事や休憩時に増大することが多い。 q3 :眠たさ A) レベル定義 {目がさえている(7〜5)、眠くない(4,3)、普通
(2〜-2)、眠い(-3〜-5)、起きていられない(-6〜-
8)} B) 性質 ・長時間運転すると減少する。
【0114】・疲労度が高まると減少する。 q4 :いらいら度 A) レベル定義 {非常に落ち着いている(7〜5)、やや落ち着いてい
る(4,3)、普通(2〜-2)、いらいらしている(-3〜-
5)、非常にいらいらしている(-6〜-8)} B) 性質 ・長時間運転すると減少する。
【0115】・疲労度が高まると減少する。 ・空腹、かわき、疲労、暑さなどで減少しやすい。 q5 :暑さ寒さ A) レベル定義 {非常に暑い(7〜5)、やや暑い(4,3)、普通(2〜-
2)、やや寒い(-3〜-5)、非常に寒い(-6〜-8)} B) 性質 ・季節による周期性がある。
【0116】・時間帯の影響を受ける。 ・エアコンの影響を受ける。冷房時には減少、暖房時に
は増大する。 ・窓の開閉に影響を受ける。 ・体調によって変化する。
【0117】・疲労度によって増加・減少が生じる。 q6 :疲労度 A) レベル定義 {非常に元気である(7〜5)、やや元気である(4,
3)、普通(2〜-2)、やや疲れた(-3〜-5)、非常に疲
れた(-6〜-8)} B) 性質 ・運転時間、空腹度、渋滞などに影響される。
【0118】q7 :不満度 A) レベル定義 {非常に満足している(7〜5)、やや満足している
(4,3)、普通(2〜-2)、やや不満である(-3〜-5)、
非常に不満である(-6〜-8)} B) 性質 ・運転時間、空腹度、渋滞などに影響される。
【0119】・いらいら度との間に正の相関がある。 q8 :トイレへの要求度 A) レベル定義 {ぜんぜん大丈夫(7〜5)、まあ大丈夫(4,3)、普通
(2〜-2)、ややいきたい(-3〜-5)、非常にいきたい
(-6〜-8)} B) 性質 ・ のどが渇いてるときは比較的大きい値となる。
【0120】・ 食事の後は減少する。 q9 :気分の悪さ A) レベル定義 {非常に爽快(7〜5)、まあ爽快(4,3)、普通(2〜-
2)、やや気持ち悪い(-3〜-5)、非常に気持ち悪い(-
6〜-8)} B) 性質 ・体調、食事などに影響される。
【0121】・疲労度、不満度などと相関がある。 q10:機嫌の悪さ A) レベル定義 {非常に機嫌がいい(7〜5)、少し機嫌がいい(4,
3)、普通(2〜-2)、やや機嫌が悪い(-3〜-5)、非常
に機嫌が悪い(-6〜-8)} B) 性質 ・いらいら度、不満度と相関がある。
【0122】・ユーザ発話から決定される可能性が高
い。 上述した状態ベクトルは次元数10であったが、日常の
自然言語で表現されている人間の状態に対応して増やす
ことができる。本実施例では、状態ベクトルを以下のよ
うなものと考える。
【0123】・各状態値は時間的に変動する。 ・各状態値には個人差もあるが、一般的な人間として常
識的または平均的な特性も定義できる。 ・各状態値は常に観測できるとは限らないため、不確定
な成分もありうる。
【0124】・状態値の中には計測不可能なものもある
ため、状態ベクトルは不完全なことがある。 ・ユーザ要求を計算する際に、状態ベクトル中の全成分
が均等に影響力があるわけではない。
【0125】以上、具体例を挙げて詳述したような状態
ベクトルにて状態モデルを記述することによって、状態
の時間特性の記述、空間特性の記述が以下のようにして
なされる。 (3−3−2)時間特性の記述 特に外的要因がない場合、時間の経過に応じて減少する
(悪くなる)状態は次の式26で表現できる。 qk (t+1)=qk (t)−Δqk ・・・式26 このΔqk は常に一定とは限らない。例えば規則データ
ベース70に記述された規則群を、図15に示す規則計
算ブロック415で解釈し適用することによって値を変
更することができる。
【0126】また、図10に示した基本関数は、状態ベ
クトルqに対して荷重状態ベクトルqsを次の式27で
定義することで表現できる。 qs= Wq ・・・式27 ここでWはN行N列の荷重係数行列である。実用的に
は、次の式28に示すように対角行列とすることが考え
られる。 W= diag(w1,w2,…,wN) ・・・式28 これに基づき、状態に関する時間的周期性を状態値その
ものと各状態に対する荷重係数の両方において定義す
る。
【0127】状態値に関する周期性 周期関数は次の式29,式30で定義できる。 q(t)=q(t+T) ( t<0 or t>=T ) ・・・式29 q(t)=q0(t) ( 0=<t<T ) ・・・式30 ここでTは、1日、1週間、1ヶ月、1年に相当する周
期である。たとえば、空腹度などは、1日を周期とする
周期性があると考えられる。ただし、人間の状態は個々
人によっても異なるし、日によっても多少の差異があ
る。それを特にユーザの特徴であると定義し、次の式3
1で記述する。 QU (t)= q(t) + DQU (t) ・・・式31 すなわち、個人においては大体周期的ではあるが、厳密
にはDQU (t)の偏差がある。一方、平均的な人間の
状態特性は周期関数q(t)であると仮定すれば、次の
式32が成り立つ。 lim( Σ DQU (t))=0 ・・・式32 ここでΣはUについて「1」〜「NU」までの和記号を
示し、limは、NU→∞とした場合の極限値を示す。
【0128】一方、優先度に関する周期性は、次の式3
3で記述できる。 wk (t)= wk (t+T) ・・・式33 ここでもTは、1日、1週間、1ヶ月、1年に相当する
周期である。したがって、状態ベクトルのうち、周期性
を定義できる状態値については状態、荷重係数ともに周
期関数となり、周期係数系の荷重状態qsk は、次の式
34で表現される。 qsk = wk (t)qk (t) ・・・式34 空間特性の記述 空間座標からその位置の定型的な空間表現を出力する関
数SCategory(x)を用いると、次のような式35を採用
できる。 If SCategory(x1)= SCategory(x2)then qi (x1) = qi (x2) ・・・式35 この式は、定型的な空間表現が同一であれば、状態値を
同じであると見なすことを意味している。すなわち、式
35によって状態値における空間的類似性を定義でき
る。ただし、これはそれまでの状態変化の経緯や状況に
依存しない場合の空間的類似性である。
【0129】以上、状態を示す状態ベクトルについて説
明した。なお、このようなベクトルとして、環境、状況
などの他のユーザ情報を同様に表現することはもちろん
可能である。その場合には、環境ベクトル、状況ベクト
ルなどを定義し、環境モデル、状況モデルを構築でき
る。
【0130】(3−3−3)状態推定部の動作 上述したような状態ベクトルを導入していることを除け
ば、状態推定部410における処理は、状況推定部21
0における処理とほぼ同様である。したがってここで
は、状態推定部410における処理を簡単に説明する。
なお、図16に示すフローチャートを参照しつつ説明す
る。
【0131】処理が開始されると、局所情報を取り込み
(S300)、状態項目における優先順序を決定する
(S310)。次に初期推定値を取り込んで(S32
0)、時間特性及び空間特性を計算する(S330,S
340)。その後、規則を参照し(S350)、この規
則参照によって、環境に依存する状態を推定し(S36
0)、状態間の整合性による推定を行い(S370)、
前回の要求に基づく推定を行い(S380)、さらに、
因果関係による推定を行う(S390)。そして次に個
人情報を取り込み(S400)、状態リストを参照して
(S410)、状態の判定を行う(S420)。最後
に、不完全・不確定となった値を推定する(S43
0)。
【0132】(3−4)要求推定部 図17に、要求推定部310の機能ブロック図を示し
た。この要求推定部310も、上述した他の推定部11
0,210,410とほぼ同様のブロックで構成されて
いる。
【0133】ただし、上述したように状態モデル430
を構成する状態ベクトルを状態情報として入力し、状態
空間の最小化計算を行う最小化計算ブロック317を備
えており、この状態空間の最適化計算に基づいて、要求
判定が行われる点が他の推定部110,210,410
と大きく異なっている。最小化計算ブロック317には
優先順序決定ブロック313によって優先順序決定がな
された局面情報も入力され、局面情報も用いて最適化計
算を行う。
【0134】(3−4−1)そこでまず、最小化計算ブ
ロック317にて実行される最適化について説明する。
ユーザの要求項目を、状態項目と同様に、要求ベクトル
rで表現することができる。この要求ベクトルrは、主
として空間、時間、およびユーザ状態から推定できると
仮定すると、要求推定関数は次の式36で表現できる。 r=g(x,t,q) ・・・式36 さらに、「ユーザの要求はユーザ状態を最適化するよう
に決定される」と仮定すると、式36に示した関数g
は、式37に示す最小化演算で定義できる。 minimize d(q,qopt ) subject to {xは想定する範囲内、tは想定する時間内}・・・式37 ここで、d(a,b)は、2つのN次元ベクトルa,b
間の距離を示す関数であり、qはユーザ状態を示すN次
元ベクトル、qopt は、N次元状態空間の中で現時点で
ユーザが最適状態であると想定するベクトルである。こ
のベクトルqoptは、大域的にはほぼ一定の範囲内にあ
るが、局所的には環境要因などに基づいて変動する。ま
た、個人の嗜好性によってもある程度異なる。なお、距
離関数dは例えば次の式38,式39に示すように、各
成分に荷重係数を持つ絶対値距離で表現できる。 d(q,qopt )= (1/SA) Σ ai |qi - qopt i | ・・・式38 SA = Σ ai ・・・式39 なお、記号Σは、i=1〜Nまでの和記号を示す。荷重
係数ai を制御することで、想定する時空間座標におい
て状態空間中で支配的な状態次元のみを優先的に距離計
算の対象とすることができる。このとき、状態ベクトル
が不確定または不定の成分を持つ場合、このような不確
定成分は、計算対象外としたり、不定値Xとして計算し
たり、推定値でおきかえて計算したりすることが考えら
れる。どのようにして推定値で置き換えるかについては
後述する。
【0135】また、本実施例においては、状態ベクトル
を構成する状態成分の数値が単調に変化するようになっ
ている。すなわち、状態が良好であることを示す状態成
分値は「0」又は「最大値(7)」となっている。した
がって minimize d(q,qopt )は、前者の場合、す
なわち状態成分値が「0」であるときに最適である場
合、式40として表現できる。一方、後者の場合、すな
わち状態成分値が「最大値(7)」である場合、式41
として表現できる。 minimize |qi | ・・・式40 minimize |qmaxi −qi | ・・・式41 上述した最小化計算において、すべての状態成分につい
て一様に最小化するとはかぎらず、各場合において優先
順序Pが存在する。この優先順序Pは、個人の特性など
に応じて変わってくる。優先順序Pを最小化計算に組み
入れるには次の2つの方法がある。
【0136】条件判断に基づき、最小化計算の実行順
序を制御する方法 この場合は、例えばq1 ,q6 ,q7 という順番で最小
化計算を行う。各最小化計算に基づいて要求項目の推定
を行う。このとき、優先順序Pは数列{1,6,7,・
・・}と表現される。
【0137】各状態値に対して荷重計算を行う方法 この場合は、例えばq1 の荷重係数を「100」、q6
の荷重係数を「80」、q7 の荷重係数を「70」とし
て最小化計算を行う。このとき、優先順序Pは荷重ベク
トルw=(100,・・・,80,70,・・・)で表
現される。
【0138】なお、荷重ベクトルwの成分値(荷重係
数)wk は、主として時間と空間に影響を受けるため、
次の式42で記述する。 wk =WK (t,x) ・・・式42 ただし、wk はt,xに対して不連続な関数となること
が多い。
【0139】(3−4−2)要求推定部の動作 上述した状態空間の最小化計算を行うことが、要求推定
部310の特徴である。これを除けば、要求推定部31
0における処理は、状況推定部210における推定処理
とほぼ同様である。
【0140】つまり、図18に示すように要求推定処理
が開始されると、局所情報を取り込み(S500)、要
求項目における優先順序を決定する(S510)。次に
初期推定値を取り込んで(S520)、時間特性及び空
間特性を計算する(S530,S540)。
【0141】続いてS550にて、上述した最小化計算
を実行する。この処理が、最小化計算ブロック317の
処理に相当する。その後、規則を参照し(S560)、
この規則参照によって、状態に基づく推定を行い(S5
70)、前回の要求に基づく推定を行い(S580)、
関連要求の推定を行い(S590)、さらに、要求間の
整合性による推定を行う(S600)。ここで関連要求
とは、ある要求からユーザの状態を介さず推定可能な2
次的な要求をいう。そして次に個人情報を取り込み(S
610)、要求リストを参照して(S620)、要求の
判定を行う(S630)。この要求判定処理では、最小
化計算に基づく要求判定も行われる。例えば図19に示
すように、車内において状態項目「暑さ寒さ」は、1年
周期及び1日周期の時間特性を有して変動すると考えら
れる。この状態項目、すなわち状態ベクトルの成分の最
小化計算によって、「温度を下げたい(上げたい)」と
いう要求の推定を行う。そして最後に、不完全・不確定
となった値を推定する(S430)。
【0142】(3−5)行動推定部 行動推定部510も、機能ブロックとしては、上述した
他の推定部110〜410と同様になる。なお、ここで
は説明が冗長になるのを避けるため、行動推定部510
の動作についての説明は割愛する。
【0143】(3−6)時空間特性を考慮した状態、要
求、行動の推定 要求はユーザ内面に発生するものであるのに対し、行動
は外部に対する実際の働きかけであるため、要求が全て
行動に結びつくとは限らない。しかし、ユーザの行動
は、ユーザの要求から生じる。したがって、状態から要
求を推定するのと同様にして、要求から行動を推定する
ことができる。
【0144】そして状態、要求、行動は、時間情報及び
空間情報にも多大な影響を受ける。したがって、状態ベ
クトルqと同様の要求ベクトルr、行動ベクトルAを定
義すれば、これらのベクトルq,r,Aの関係は、次の
式43,式44,式45で表現できる。 qn+1 = f(x,t,qn ) ・・・式43 rn = g(x,t,qn ) ・・・式44 An = h(x,t,rn ) ・・・式45 ここで、xは空間表現リストX$LSTと位置情報リストPLST
に翻訳することができる。即ち、次に示す式46,式4
7,式48,式49において、{i,k,m}が決定さ
れる。 X$LST(i)={origin(i)|spot(i,1),spot(i,2),…,spot(i,m),…} ・・・式46 PLST(i,k)={Xk |uk,1 ,uk,2 ,… ,uk,m ,…} ・・・式47 u=(u,v) ・・・式48 xk,m = Xk + uk,m ・・・式49 また、tは時間表現リストT$LSTと時間情報リストTLST
に翻訳することができる。すなわち、次に示す式50,
式51,式52において{i,k,m}が決定される。 T$LST(i)={時差|朝、昼、夕方、夜、深夜、春、夏、秋、冬、…} ・・・式50 TLST(i,k)={Tk |dtk,1 ,dtk,2 ,…,dtk,m ,…} ・・・式51 tk,m = Tk + dtk,m ・・・式52 (3−7)局面推定部 局面推定部610の機能ブロック図は、図20に示す如
くである。局面推定部610も他の推定部110〜51
0と同様に、空間特性計算ブロック611、時間特性計
算ブロック612、局面判定ブロック614、規則計算
ブロック615を備えている。
【0145】局面は上述したようにユーザの環境・状況
・状態・要求・行動の5項目を総括的に捉えた情報であ
り、局面推定部610では、空間情報・時間情報に基づ
く空間特性・時間特性を用い、また、環境・状況・状態
・要求・行動の初期推定値を用いて、局面判定を行う。
【0146】例えば図21に示すように、環境={雨、
16:00},状況={旅行先},要求={休みたい},状
態={疲労},行動={施設検索}という5項組から
は、局面={旅行先で雨の中、長時間運転している}と
いう判定がなされるという具合である。このような判定
は、空間特性・時間特性に基づいて行われる。もちろ
ん、5項組から判定される局面が複数存在する場合も挙
げられる。このように、環境・状況・要求・状態・行動
という詳細な情報を典型的な局面として捉えることによ
り、情報の本質がシステムによって把握される可能性が
高くなる。
【0147】また、局面推定部610では、局面判定と
は逆の操作である局面分解を、成分分解ブロック619
が行う。これによって、典型的な局面から、環境・状況
・要求・状態・行動という詳細な情報を推定することが
できる。このようにして判定された局面は、辞書のイン
デックスとして記号化することができる。これにより、
ユーザ情報はダイナミックに変化するタイプ別のラベル
情報に集約され、個人情報がダイナミックにさらに、こ
れらを暗号化することにより、プライバシー保護やセキ
ュリティに応用することができる。
【0148】また、局面推定部610では、符号化ブロ
ック618が、局面の符号化を行い、局面符号を出力す
る。本実施例において、この局面符号は対話装置80へ
出力され、復号化されて車両搭載機器の制御に利用され
る。なお、このような局面符号をスマートカードその他
のメモリデバイスや通信路あるいはリモコン出力として
送出することで、受信装置側はユーザの定型的局面を復
号再生でき、プライバシー侵害を最小限にとどめたまま
で、対象装置が個々のユーザに適した動作をするように
操作できる。
【0149】(4)以上、各推定部110,210,3
10,410,510,610の動作を説明したが、各
推定部110,210,310,410,510,61
0では、規則データベース70からの規則群を規則計算
ブロック115〜615で解釈し、規則を適用して推定
を行っていた。
【0150】そこで次に、規則データベース70につい
て説明する。規則データベース70には、文章による規
則表現を計算機が解釈できるように単語やフレーズ間の
関係が記号で記述されている。このような記号記述によ
って厳密には原文章の細かいニュアンスが失われること
もあるが、実用上差し支えない範囲でそれを許容し、記
述手法を定義した。たとえば、「交差点では音量を下げ
たほうがよい」は「交差点では音量を下げる」と解釈し
て機器を制御すればよい。将来的にその細かいニュアン
スの表現が実用上望まれるようになったときは、それに
対応する細かい記述手法を同様にして追加すれば良いた
めである。
【0151】以下に、規則データベース70に記述され
る記号記述の具体例を、言語記述に対応させて示す。 (4−1)時間変化の記述 時間がたてば空腹度は増大する :<空腹><←+、時間> 運転時間が長くなると疲労度は増大する:<疲労><←+、運転時間> 運転時間が長くなると眠気は増大する :<眠い><←+、運転時間> (4−2)因果関係の記述 「AならばBになる」といった因果関係についても、下記
のような言語記述に対応させた記号記述で表現する。
【0152】 何か飲めば、トイレに行きたくなる:<飲む>⇒<t+;トイレ> スポーツした後では疲労が増す :<スポーツ>⇒<t+;疲労> 疲労度が増すと眠くなる :<疲労;+>⇒<t+;眠い> 冷房運転で温度は下がる :<冷房>⇒<t−;温度> (4−3)相関・論理的関係の記述 なおここでは、状態間の相関あるいは論理的関係の記述
を例に挙げる。
【0153】環境条件を記述しない場合は、以下のよう
になる。 空腹ならば疲労度も高い :<空腹><+;疲労> 疲労ならば眠気が増大する :<疲労><+;眠い> 運転を継続すれば疲労度は増大する:<運転時間><+;疲労> 一方、環境条件を記述する場合は、最初の<>に仮定条
件を記述するようにし、この仮定条件の記述では、環境
を記述しその右に&に続けて状態を記述する。
【0154】適温なのに寒いならば熱があるか、空腹
かもしれない: <適温&寒い>⇒<p;熱がある><p;空腹> ここで、pは可能性をあらわす記述子を意味する。本実
施例では、この記述子を用いて確率値を記述できるよう
にした。確率値を記述する場合、以下のようになる。
【0155】 <適温&寒い>⇒<p=0.8;熱がある><p=0.2;空腹> 快適環境なのに不快ならば病気か機嫌が悪い: <快適環境&不快>⇒<病気|機嫌が悪い> (4−4)環境への依存記述 ここでは、環境に依存して決まる状態を例に挙げて説明
する。
【0156】 温度が高ければ暑い :<温度><+;暑い> 雨の日は視界が悪いか、不快である: <雨><+;視界が悪い><+;不快> 渋滞のときはいらいらする:<渋滞><+;いらいら> (4−5)関連事項の記述 ある要求からユーザ状態を介さないでも導出される要求
を関連要求と呼ぶ。これは、車から外に出て何かするに
は駐車場が必要であるといった物理的な拘束条件に基づ
くものである。
【0157】 トイレに行くには駐車場が必要である:<トイレ><1;駐車場> 食事に行くには駐車場が必要である :<食事><1;駐車場> 何か飲むには駐車場が必要である。 :<何か飲む><1;駐車場> ここで「1」は、関連することを表す記述子である。
【0158】(4−6)具体化の記述 漠然とした要求を具体化する規則の記述もこの規則デー
タベース70になされる。 「何か飲む」といった場合、コーヒーか、お茶か、あ
るいは、ジュースである: <何か飲む><2;コーヒー><2;お茶><2;ジュ
ース> ここで「2」は、具体化を表す記述子である。
【0159】(4−7)原因の記述 たとえば下記の例のように、要求の原因となる状態を記
述することができる。 食べたいのは空腹だからである。 :<食べたい>⇒<空腹> 遊びたいのは不満があるからである。:<遊びたい>⇒<不満> スキーをするのはアクティブであるか元気だからである。: <スキー>⇒<アクティブ><元気> なお、このような記号記述を用いることによって、コン
ピュータプログラムへの自動変換が可能になる。例えば
ここで(4−2)のに示す記号記述は、次に示すよう
な関数記述に変換できるという具合である。
【0160】 規則データベース70には、このような関数記述自体を
記述してもよいが、人間が見て分かり易くなること、ま
た、コンパイラによって様々なコンピュータ言語に変換
できることを考えると、本実施例のような記号記述を採
用することが望ましい。
【0161】以上の各場合の各関数記述において、別途
記憶された関数をコールするようにして時間特性による
変化を記述することができる。たとえば、(4−2)の
の記述は、次の関数記述で表現される。 ここでVariationが、別途記憶された関数である。 (5)また、上述した各推定部110,210,31
0,410,510,610では、個人情報を対話装置
80から入力し、この個人情報に基づく推定を行ってい
る。
【0162】そこで次に、個人情報について説明する。 (5−1)個人情報の記述 この個人情報は、上述したように対話装置80の備える
プロファイルとして記述することが考えられる。この個
人情報記述にも、規則データベース70と同様の記号記
述を用いることができる。これによって、空腹時はいら
いらしやすい、渋滞時にはわき見しやすい、左折時にバ
ックミラーの見落としが多い、といった個人の特性も対
話システムに把握させることができる。
【0163】(5−2)個人情報(個人特性)の学習 「空腹」という状態は、時間帯、ユーザの状態から比較
的容易に把握できるが、ユーザが「いらいらしている」
かどうかをシステムが判定するには何らかの判断基準が
必要になる。ただし、一般的傾向として「空腹時はいら
いらしやすい」を記述しておくことは不自然ではない。
【0164】しかし、ここで問題としていることは、こ
のような一般的傾向を確認することではなく、個人の特
定の性質をシステムがどのように把握すればよいかとい
うことである。そこで本実施例では、「AのときはBに
なりやすい」という規則がその個人に適用できるか否か
を、その個人に「Bですか」と問い掛けるのではなく、
「Bである」ことを特徴付ける物理的なパラメータセッ
トb =(b1 ,b2 ,…,bN )についてシステムが判定する
ようにした。
【0165】例えば「いらいらしている」ことを判定す
るには、次に示すような方法で判定できる。 方法1)音声入力に基づく方法 例えば「うるさい」という音声入力があった場合には、
いらいらしている可能性が高い。
【0166】方法2)ユーザ状態に基づく方法 対話システムが搭載された車両内にユーザ状態を観察す
るための各種センサを設置しておき、ユーザの視線・声
量・息遣い・ため息・手足の動き・血圧などをセンシン
グして、明らかに平常状態から異なる値が得られた場合
には、いらいらしている可能性が高い。
【0167】方法3)車両操作に基づく方法 ハンドルの切り方、クラクションの回数、スピードの変
化、ブレーキのかけ方、ボリュームの調整などを車両情
報として取得して、明らかに平常状態から異なる値が得
られた場合には、いらいらしている可能性が高い。
【0168】なお、方法2及び方法3は、センサ82か
らのセンシング情報に基づくものである。以上のように
して把握されたパラメータセットの特徴は比較的個人に
よる違いによらないと考えることができる。したがっ
て、これを基に判定されるユーザ状態「B」を状態空間
上にマッピングすれば、「A」との相関が個人の特性と
して計算される。この結果、たとえば「A」の状態にお
いて「B」と判断される割合に基づき、「AのときはB
になりやすい」という判定を下すことができる。
【0169】(5−3)個人情報に基づく推定計算 本実施例では、上述したようにして学習された個人情報
を用いて、ユーザ情報の推定計算を行う。このような個
人情報と、時間特性・空間特性による推定計算を行え
ば、ユーザの状態遷移が比較的高い精度で推定できる。
すなわち、対話装置80からのユーザ入力がなくても、
あるいは、不完全であっても、ユーザ情報を推定できる
可能性が高くなる。さらに、本実施例では、時間特性・
空間特性に周期的時間特性・構造的空間特性を採用し、
一個人について状態空間中で時間・空間をパラメーター
とする状態軌道を獲得すれば、その推定精度は向上す
る。
【0170】(5−4)個人情報の修正 なお、対話装置80に対するユーザ入力があった場合、
この入力情報に基づいて個人情報を修正すれば、個人情
報の信頼性が向上する。 (5−5)個人情報としてのユーザ嗜好の計算 要求推定部310にて計算されたユーザの要求をある時
間範囲について観測することにより、ユーザの平均的な
嗜好性を計算できる。このようなユーザの嗜好性も個人
情報の一部として記述する。
【0171】環境や状況への依存性が低い要求、すな
わち、いつ発せられてもおかしくはないような要求につ
いては発生頻度を基準として嗜好性を判定する。たとえ
ば下記のようにある時間範囲の平均によって嗜好性を判
定する。ある例えば操作対象83のあるアプリケーショ
ンAnに対する要求が時刻tに発せられたとき、その要
求度Rn(t)を1とし、それ以外は0とする。これに
対してある時間範囲TPにおける発生頻度RTPを次の
式53で計算する。 RTP=(1/TP)ΣRn(t) ・・・式53 ここで記号Σは、t=t0〜(t0−TP−1)までの
和記号を示す。このRTPが、所定の判定値RTPTH
よりも大きい場合、ユーザの嗜好性があると判断する。
これによって、たとえばユーザAは「AA公園によくい
く」とか、「好きな場所はBBである」などが嗜好性とし
てシステムに獲得される。
【0172】環境や状況への依存性が高い要求、すな
わち、ある状況項目qi の取る値によってアプリケーシ
ョンAnへの要求度がきわめて大きく変動し、かつ、そ
の特性の再現性が高いならば、上記の発生頻度の計算範
囲を限定して、その範囲でRTPを計算し、嗜好性を判
定する。これにより、「ユーザAは冬になると必ずスキ
ーにいく」という嗜好性がシステムに獲得される。
【0173】市場分析などに見られる多くのユーザの
嗜好性は、上記の特定ユーザの嗜好性を、たとえばプロ
ファイルという形態で、センタ装置に送信し、このセン
タ装置に集積すれば容易に計算できる。 (6)さらに、上述した各推定部110,210,31
0,410,510,610では、不確定値推定ブロッ
ク116,216,316,416,616にて、不完
全なあるいは不確定となった値を推定している。
【0174】次に、この不確定値の推定について説明す
る。不確定値の推定には、本願出願人が、特願2000
−206608号で提案した依存性を利用することが考
えられる。また、対話装置80には、プロファイルが格
納されているため、このプロファイルを用いて、過去の
自分や他人の情報に基づき、不確定値を推定することが
できる。
【0175】さらにまた、定型的なベクトルqtyp との
マッチングを行うことも考えられる。つまり、状態空間
における最小化計算で示したのと同様に、次の式54で
定型的なベクトルとの距離計算を行う。 minimize d(q,qtyp ) ・・・式54 ただし、ここでqtyp は定型的な状態リストTQLIS
Tに含まれる任意のベクトルであり、空間・時間の想定
される範囲内における最小化である。
【0176】なお、このときの距離関数dは、既に述べ
たように、次の式55,式56で表現される。 d(q,qopt )= (1/SA) Σ ai |qi - qtyp i | ・・・式55 SA = Σ ai ・・・式56 なお、記号Σは、i=1〜Nまでの和記号を示す。ま
た、状態リストTQLISTは定型的な状態を示すリス
トであり、次の式57で表現される。 TQLIST= [qt1 ,qt2 ,…,qtM ] ・・・式57 ここでMは、定型的状態の数を表す。
【0177】上述した距離計算では、定型的なユーザ状
態において支配的な状態次元にのみ着目すれば十分な場
合が多い。これは荷重係数ai を操作することで達成で
きる。支配的な状態次元はあらかじめユーザが指示して
もよいが、主成分分析やICA(Independent Component A
nalysis)法などにより状態空間中のベクトル群の解析
を行うことで自動的に決定することもできる。
【0178】次に、本実施例のユーザ情報推定装置1が
発揮する効果を説明する。本実施例のユーザ情報推定装
置1では、空間特性・時間特性を計算し、この特性に基
づいて、環境・状況・状態・要求・行動・局面からなる
ユーザ情報を推定する。これは、ユーザの発話などによ
るユーザ入力がなくても、ある時点におけるユーザ情報
が分かっていれば又は推定できれば、時間経過といった
時間的要素が項目値与える時間特性を計算することによ
って、ユーザ情報の連続的な推定が可能になるためであ
り、同様に、場所の移動といった空間的要素が項目値に
与える空間特性を計算することによって、ユーザ情報の
連続的な推定が可能になるためである。また、このと
き、構造的空間特性・周期的時間特性を計算して、空間
的要素の構造性や時間的要素の周期性も考慮している。
その結果、環境・状況・状態・要求・行動といった様々
なレベルのユーザ情報を、時間的・空間的要素に基づ
き、より詳細に推定することができる。
【0179】また、このような空間特性・時間特性を計
算するために、物理的な空間・物理的な時間をシステム
として意味のある空間概念・時間概念に解釈できるよう
本実施例では、「空間リスト」として式1に示した空間
表現リスト及び、式2〜4に示した位置情報リスト、ま
た、「時間リスト」として式6に示した時間表現リスト
及び、式7に示した時間情報リストを導入した。これに
よって、時間的要素・空間的要素の演算を可能にした。
【0180】さらにまた、時間リストはGMTからの時
差を考慮したものであり、式8に示したようなGMTを
用いた定型的な時間表現が実現される。また、空間リス
トも世界各地における構造の類似性を取り入れたものと
した。これによって、世界各地で同様の構成が採用でき
る。
【0181】また、本実施例のユーザ情報推定装置1
は、規則データベース70を備えており、この規則デー
タベース70に記述された規則群に基づいてユーザ情報
の推定を行う。そして、この規則データベースには、文
章による規則表現を計算機が解釈できるように単語やフ
レーズ間の関係が記号で記述されている。結果として、
様々なレベルのユーザ情報を、それらの関連性に基づ
き、より詳細に推定することができる。
【0182】規則データベースは、上記(4)で具体例
を挙げて説明したように、所定の記号表現で記述される
ため、規則の構築・追加が容易である。また、人が見て
分かり易い点や、システム内で解析でき、様々なプログ
ラム言語に変換できる点でも有利である。本実施例で
は、規則計算ブロック115,215,315,41
5,615が、規則データベース70の規則群を解析す
る。
【0183】さらにまた、本実施例のユーザ情報推定装
置1では、図5に示したように、状態計算部40で推定
されるユーザの状態を、状態ベクトルqとして表し、状
態モデル430を構築した。そして、この状態ベクトル
qと最適状態を示すベクトルqopt との距離計算を、図
17中の要求推定部310が備える最小化計算ブロック
317が実行する。具体的には、式38,式39に示
す、各成分に荷重係数を持つ絶対値距離の計算を行う。
要求判定ブロック314では、距離計算の結果に従い、
状態ベクトルqを最適化するように、ユーザの要求を推
定する。つまり、状態リスト420で定義されたユーザ
の状態を、物理量である距離に換算して判断し、ユーザ
の要求を推定するのである。これによって、ユーザ状態
に基づく適切な要求の推定が可能になる。また、各成分
に荷重係数を持つため、状態空間中で支配的な状態次元
のみを優先的に距離計算の対象とすることができる。
【0184】また、本実施例のユーザ情報推定装置1
は、局面計算部60を備えており、図20に示した局面
推定部610の局面判定ブロック614は、ユーザの環
境・状況・状態・要求・行動からユーザの局面を判定す
る。これによって、ユーザ情報が総括的に表現できるこ
とになり、その結果、ユーザ情報の本質を捉えることが
できる。すなわち、ユーザ情報をより正確に把握でき
る。
【0185】この判定された局面は、符号化ブロック6
18にて符号化されて対話装置80へ出力される。その
ため、対話装置80側でこの局面符号を復号化すれば、
プライバシー侵害を最小限にとどめたままで、機器を動
作させることができる。なお、このような局面符号は、
スマートカードその他のメモリデバイスや通信路あるい
はリモコン出力として送出することができる。
【0186】さらに、各推定部110,210,31
0,410,510では、前回判定された局面情報に基
づき、空間特性・時間特性を計算し、また、ユーザ情報
の推定を行う。このとき、優先順序決定ブロック11
3,213,313,413が、局面情報セットの項目
における優先順序を、推定対象のユーザ情報に合わせて
決定する。したがって、決定された優先順序に従って、
局面情報セットの項目値を用いられ、適切な推定/計算
が実現される。
【0187】また、成分分解ブロック619は判定され
た局面を環境・状況・状態・要求・行動といった情報に
分解し、その結果に基づく、ユーザ情報の推定がなされ
る。以上のように局面情報を用いたことによって、本実
施例では、詳細なユーザ情報の推定を実現した。
【0188】さらにまた、本実施例のユーザ情報推定装
置1では、ユーザの環境・状況・状態・要求・行動とい
ったユーザ情報を、それぞれ環境リスト120,状況リ
スト220状態リスト320、要求リスト320、行動
リスト520、局面リスト620に記述された項目で表
現しており、これらのリストを項目の活性度合いで階層
化した。そして、項目の活性化度合いが最も高い活性化
リストに記述された項目を優先的に推定する。したがっ
て、ユーザ情報の項目の中で活性化度合いが高いものが
推定できる。
【0189】また、本実施例のユーザ情報推定装置1で
は、外部からの個人情報に基づいてユーザ情報の推定を
行う。したがって、各ユーザに合わせた適切な情報が推
定できる。さらにまた、本実施例のユーザ情報推定装置
1では、ユーザ情報が推定された後、不完全な又は不確
定な値の推定を行う。具体的には、式54〜式56に示
すように、定型的なベクトルとの距離計算を行うことで
推定する。これによって、例えば活性化度合いの高い項
目が、不完全な又は不確定な値となることを極力防止で
き、項目値の推定が確実なものとなる。
【0190】以上のようにしてより詳細に、また、より
正確にユーザ情報が推定されることによって、対話装置
80では対象機器83などの機器を適切に動作させるこ
とができる。例えば以下に示す如くである。 ・コンテンツ検索に必要なコンテンツサイトをあらかじ
め自動的に絞り込むことができる。
【0191】・必要となるアプリケーションや機器を自
動的に察知し、ユーザを煩わせることなくユーザに適合
するようにカスタマイズすることができる。 ・対話の状況を察知して音声認識辞書の構成を適応化で
きる。これにより認識率が向上する。
【0192】・音声対話を円滑に行えるようにユーザの
状況を鑑みた対話プランニングを可能にする。 ・画面インタフェースをダイナミックに最適化できる。 ・ユーザの履歴を状態空間中で残すことにより、状況、
状態と要求の対応付けが学習され、次回に類似の状態に
なったときに要求を推定できる。
【0193】・モデル空間{環境、状況、要求、状態、
行動、局面}に複数のユーザを存在させることにより、
個人の好みに依存しないで一般的にユーザが取りうる普
遍的な特徴を学習することができる。なお、本実施例の
各推定部110,210,310,410,510,6
10における判定ブロック114,214,314,4
14,614が「推定手段」に相当し、空間特性計算ブ
ロック111,211,311,411,611及び時
間特性計算ブロック112,212,312,412,
612が「特性計算手段」に相当する。また、図17に
示す要求推定部310の最小化計算ブロック317が
「距離計算手段」に相当する。
【0194】また、図20に示す局面推定部610の符
号化ブロック618が「符号化手段」に相当し、各推定
部110,210,310,410の優先順序決定ブロ
ック113,213,313,413が「優先順序決定
手段」に相当する。また、不確定値推定ブロック11
6,216,316,416,616が「不確定値推定
手段」に相当する。
【0195】そして、図14中のS110、図16中の
S310、図18中のS510の処理が優先順序決定手
段としての処理に相当し、S130・S140、S33
0・S340、及びS530・S540の処理が特性計
算手段としての処理に相当し、S230、S430及び
S640の処理が不確定値推定手段としての処理に相当
する。また、図18中のS550の最小化計算における
距離計算処理が距離計算手段としての処理に相当する。
【0196】以上、本発明はこのような実施例に何等限
定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲
において種々なる形態で実施し得る。 (イ)例えば上記実施例では、状態ベクトルの最適化
を、要求推定部310で行う構成であったが、環境ベク
トルや状況ベクトルを定義して、これらのベクトルの最
適化を行いユーザ情報を推定する構成にしてもよい。
【0197】(ロ)また、本実施例では、個人情報が、
ユーザ情報推定装置1の外部から入力される構成であっ
たが、ユーザ情報推定装置1が個人情報を構築するよう
にしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の対話システムの全体構成を示す説明図
である。
【図2】環境計算部の構成を示す説明図である。
【図3】状況計算部の構成を示す説明図である。
【図4】要求計算部の構成を示す説明図である。
【図5】状態計算部の構成を示す説明図である。
【図6】行動計算部の構成を示す説明図である。
【図7】局面計算部の構成を示す説明図である。
【図8】環境推定部の機能を示すための説明図である。
【図9】時間的要素に対する周期性を示すための説明図
である。
【図10】1日単位の周期性を有する基本関数を示す説明
図である。
【図11】時間モデル・空間モデル・事象モデルの役割を
示す説明図である。
【図12】時空間を考えてイベント情報を選択することを
示す説明図である。
【図13】状況推定部の機能を示すための説明図である。
【図14】状況推定処理を示すフローチャートである。
【図15】状態推定部の機能を示すための説明図である。
【図16】状態推定処理を示すフローチャートである。
【図17】要求推定部の機能を示すための説明図である。
【図18】要求推定処理を示すフローチャートである。
【図19】状態の最適化に基づく要求推定・行動推定を示
す説明図である。
【図20】局面推定部の機能を示すための説明図である。
【図21】局面の判定・分解を概念的に示す説明図であ
る。
【符号の説明】
1…ユーザ情報推定装置 10…環境計算部 110…環境推定部 111…空間特性計算ブロック 112…時間特性計算ブロック 113…順序決定ブロック 114…環境判定ブロック 115…規則計算ブロック 116…不確定値推定ブロック 120…環境リスト 120a…活性化環境リスト 120b…ユーザ環境リスト 120c…定型的環境リスト 120d…完全環境リスト 20…状況計算部 210…状況推定部 211…空間特性計算ブロック 212…時間特性計算ブロック 213…優先順序決定ブロック 214…状況判定ブロック 215…規則計算ブロック 216…不確定値推定ブロック 220…状況リスト 220a…活性化状況リスト 220b…ユーザ状況リスト 220c…定型的状況リスト 220d…完全状況リスト 30…要求計算部 310…要求推定部 311…空間特性計算ブロック 312…時間特性計算ブロック 313…優先順序決定ブロック 314…要求判定ブロック 315…規則計算ブロック 316…不確定値推定ブロック 317…最小化計算ブロック 320…要求リスト 320a…活性化要求リスト 320b…ユーザ要求リスト 320c…定型的要求リスト 320d…完全要求リスト 40…状態計算部 410…状態推定部 411…空間特性計算ブロック 412…時間特性計算ブロック 413…優先順序決定ブロック 414…状態判定ブロック 415…規則計算ブロック 416…不確定値推定ブロック 420…状態リスト 420a…活性化状態リスト 420b…ユーザ状態リスト 420c…定型的状態リスト 420d…完全状態リスト 430…状態モデル 50…行動計算部 510…行動推定部 520…行動リスト 520a…活性化行動リスト 520b…ユーザ行動リスト 520c…定型的行動リスト 520d…完全行動リスト 60…局面計算部 610…局面推定部 611…空間特性計算ブロック 612…時間特性計算ブロック 614…局面判定ブロック 615…規則計算ブロック 616…不確定値推定ブロック 618…符号化ブロック 619…成分分解ブロック 620…局面リスト 620a…活性化局面リスト 620b…ユーザ局面リスト 620c…定型的局面リスト 620d…完全局面リスト 630…局面モデル 70…規則データベース 80…対話装置 81…コンテンツ入力器 82…センサ 83…操作対象

Claims (41)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ユーザに関する情報であるユーザ情報を1
    又は2以上の情報セットとして分類定義し、対応する情
    報リストに記述された項目で前記情報セットを表現する
    ことによって、前記ユーザ情報を、前記情報セット毎の
    項目値として推定する推定手段を備えたユーザ情報推定
    装置であって、 前記情報セット毎の項目値の少なくとも一部は、時間的
    ・空間的要素に伴って変化するものであり、 前記時間的要素が前記項目値に与える時間特性及び/又
    は空間的要素が前記項目値に与える空間特性を計算する
    特性計算手段を備え、 前記推定手段は、前記特性計算手段にて計算された特性
    に基づき、前記項目値を推定することを特徴とするユー
    ザ情報推定装置。
  2. 【請求項2】請求項1に記載のユーザ情報推定装置にお
    いて、 前記特性計算手段は、前記時間的要素に対する周期性で
    ある周期的時間特性を計算することを特徴とするユーザ
    情報推定装置。
  3. 【請求項3】請求項1又は2に記載のユーザ情報推定装
    置において、 前記特性計算手段は、時間表現を記述した時間リストを
    用いて前記時間特性を計算することを特徴とするユーザ
    情報推定装置。
  4. 【請求項4】請求項3に記載のユーザ情報推定装置にお
    いて、 前記時間リストには、前記時間表現に加え、基準時刻か
    らの時差が記述されており、 前記特性計算手段は、前記時差を考慮して前記時間特性
    を計算することを特徴とするユーザ情報推定装置。
  5. 【請求項5】請求項4に記載のユーザ情報推定装置にお
    いて、 前記基準時刻は、グリニッジ標準時(GMT)であるこ
    とを特徴とするユーザ情報推定装置。
  6. 【請求項6】請求項3〜5のいずれかに記載のユーザ情
    報推定装置において、 前記時間リストには、前記時間表現を、又は、前記時間
    表現と前記時差とを、計算処理可能な変数にて記述した
    時間情報リストが含まれていることを特徴とするユーザ
    情報推定装置。
  7. 【請求項7】請求項1〜6のいずれかに記載のユーザ情
    報推定装置において、 前記特性計算手段は、前記空間的要素に対する構造性で
    ある構造的空間特性を計算することを特徴とするユーザ
    情報推定装置。
  8. 【請求項8】請求項1〜7のいずれかに記載のユーザ情
    報推定装置において、 前記特性計算手段は、起点となる施設とその周辺施設を
    記述した空間リストを用いて前記空間特性を計算するこ
    とを特徴とするユーザ情報推定装置。
  9. 【請求項9】請求項8に記載のユーザ情報推定装置にお
    いて、 前記空間リストには、起点となる施設からのベクトル変
    数で前記施設の位置を表現した位置情報リストが含まれ
    ていることを特徴とするユーザ情報推定装置。
  10. 【請求項10】ユーザに関する情報であるユーザ情報を
    1又は2以上の情報セットとして分類定義し、対応する
    情報リストに記述された項目で前記情報セットを表現す
    ることによって、前記ユーザ情報を、前記情報セット毎
    の項目値として推定する推定手段を備えたユーザ情報推
    定装置であって、 前記情報セットに対応する情報リストに記述された項目
    間の規則を記述した規則データベースを備え、 前記推定手段は、前記規則データベースに記述された規
    則に基づき、前記項目値を推定することを特徴とするユ
    ーザ情報推定装置。
  11. 【請求項11】請求項1〜9のいずれかに記載のユーザ
    情報推定装置において、 前記情報セットに対応する情報リストに記述された項目
    間の規則を記述した規則データベースを備え、 前記推定手段は、前記規則データベースに記述された規
    則に基づき、前記項目値を推定することを特徴とするユ
    ーザ情報推定装置。
  12. 【請求項12】請求項10又は11に記載のユーザ情報
    推定装置において、 さらに、前記規則データベースに記号表現で記述された
    規則を解析計算する規則計算手段を備えていることを特
    徴とするユーザ情報推定装置。
  13. 【請求項13】請求項12に記載のユーザ情報推定装置
    において、 前記規則計算手段は、前記記号表現を、所定のプログラ
    ム言語に変換することを特徴とするユーザ情報推定装
    置。
  14. 【請求項14】請求項10〜13のいずれかに記載のユ
    ーザ情報推定装置において、 前記規則データベースには、時間的・空間的要素による
    項目値の変化規則が記述されていることを特徴とするユ
    ーザ情報推定装置。
  15. 【請求項15】請求項10〜14のいずれかに記載のユ
    ーザ情報推定装置において、 前記規則データベースには、項目値間の整合性・因果関
    係による項目値の変化規則が記述されていることを特徴
    とするユーザ情報推定装置。
  16. 【請求項16】請求項10〜15のいずれかに記載のユ
    ーザ情報推定装置において、 前記規則データベースには、項目値の変化規則を確率的
    に表現できることを特徴とするユーザ情報推定装置。
  17. 【請求項17】請求項10〜16のいずれかに記載のユ
    ーザ情報推定装置において、 前記規則データベースには、項目の具体化規則を表現で
    きることを特徴とするユーザ情報推定装置。
  18. 【請求項18】ユーザに関する情報であるユーザ情報を
    1又は2以上の情報セットとして分類定義し、対応する
    情報リストに記述された項目で前記情報セットを表現す
    ることによって、前記ユーザ情報を、前記情報セット毎
    の項目値として推定する推定手段を備えたユーザ情報推
    定装置であって、 前記情報セットを、前記項目値を成分とする前記情報セ
    ット毎の情報ベクトルで表現し、 さらに、前記情報セットの最適状態を示す基準ベクトル
    と前記情報ベクトルとの距離計算を行う距離計算手段を
    備え、 前記推定手段は、前記距離計算手段にて計算された距離
    に基づき、前記情報セットを最適化するように、前記項
    目値を推定することを特徴とするユーザ情報推定装置。
  19. 【請求項19】請求項1〜17のいずれかに記載のユー
    ザ情報推定装置において、 前記情報セットを、前記項目値を成分とする前記情報セ
    ット毎の情報ベクトルで表現し、 さらに、前記情報セットの最適状態を示す基準ベクトル
    と前記情報ベクトルとの距離計算を行う距離計算手段を
    備え、 前記推定手段は、前記距離計算手段にて計算された距離
    に基づき、前記情報セットを最適化するように、前記項
    目値を推定することを特徴とするユーザ情報推定装置。
  20. 【請求項20】請求項18又は19に記載のユーザ情報
    推定装置において、 前記情報セット毎の項目値は、「0」、最小値又は最大
    値を最適値とする所定範囲の数値で表現されていること
    を特徴とするユーザ情報推定装置。
  21. 【請求項21】請求項18〜20のいずれかに記載のユ
    ーザ情報推定装置において、 前記距離計算手段は、前記ベクトルを構成する各成分の
    重要性を考慮した距離計算を行うことを特徴とするユー
    ザ情報推定装置。
  22. 【請求項22】請求項21に記載のユーザ情報推定装置
    において、 前記距離計算手段による重要性を考慮した距離計算は、
    特定成分に対する優先的な距離計算であることを特徴と
    するユーザ情報推定装置。
  23. 【請求項23】請求項21に記載のユーザ情報推定装置
    において、 前記距離計算手段による重要性を考慮した距離計算は、
    各成分に対する重み付けがなされた距離計算であること
    を特徴とするユーザ情報推定装置。
  24. 【請求項24】ユーザに関する情報であるユーザ情報を
    1又は2以上の情報セットとして分類定義し、対応する
    情報リストに記述された項目で前記情報セットを表現す
    ることによって、前記ユーザ情報を、前記情報セット毎
    の項目値として推定する推定手段を備えたユーザ情報推
    定装置であって、 前記情報セットには、ユーザの局面を示す局面情報セッ
    トが含まれており、 前記推定手段は、前記他の情報セットの項目値に基づ
    き、前記局面情報セットの項目値を判定することを特徴
    とするユーザ情報推定装置。
  25. 【請求項25】請求項1〜23のいずれかに記載のユー
    ザ情報推定装置において、 前記情報セットには、ユーザの局面を示す局面情報セッ
    トが含まれており、 前記推定手段は、前記他の情報セットの項目値に基づ
    き、前記局面情報セットの項目値を判定することを特徴
    とするユーザ情報推定装置。
  26. 【請求項26】請求項24又は25に記載のユーザ情報
    推定装置において、 前記他の情報セットは、ユーザの環境・状況・状態・要
    求・行動を分類定義したものであることを特徴とするユ
    ーザ情報推定装置。
  27. 【請求項27】請求項24〜26のいずれかに記載のユ
    ーザ情報推定装置において、 さらに、前記局面情報セットの項目値を局面符号として
    符号化する符号化手段を備えていることを特徴とするユ
    ーザ情報推定装置。
  28. 【請求項28】請求項24〜27のいずれかに記載のユ
    ーザ情報推定装置において、 前記推定手段は、過去に判定した局面情報セットの項目
    値に基づき、前記他の情報セットの項目値を推定するこ
    とを特徴とするユーザ情報推定装置。
  29. 【請求項29】請求項24〜28のいずれかに記載のユ
    ーザ情報推定装置において、 前記推定手段は、前記判定した局面情報セットを分解し
    て、前記他の情報セットの項目値を推定することを特徴
    とするユーザ情報推定装置。
  30. 【請求項30】請求項24〜29のいずれかに記載のユ
    ーザ情報推定装置において、 前記特性計算手段を備える構成を前提として、 前記特性計算手段は、過去に判定された局面情報セット
    の項目値に基づき、時間特性及び/又は空間特性を計算
    することを特徴とするユーザ情報推定装置。
  31. 【請求項31】請求項24〜30のいずれかに記載のユ
    ーザ情報推定装置において、 さらに、局面情報セットの項目値に対する優先順序を、
    推定対象の情報セットに応じて決定する優先順序決定手
    段を備え、 前記推定手段及び/又は前記特性計算手段は、前記優先
    順序決定手段にて決定された優先順序に従って、前記局
    面情報セットの項目値を用いた推定/計算を行うことを
    特徴とするユーザ情報推定装置。
  32. 【請求項32】請求項1〜31のいずれかに記載のユー
    ザ情報推定装置において、 前記情報リストは、前記項目の活性化度合いに基づき、
    複数のリストとして階層化されており、 前記推定手段は、前記活性化度合いの高いリストに記述
    された項目に対応する項目値を優先的に推定することを
    特徴とするユーザ情報推定装置。
  33. 【請求項33】請求項32に記載のユーザ情報推定装置
    において、 前記情報リストは、前記項目の全てを含む完全リスト
    と、前記活性化度合いの最も高い活性化リストとを少な
    くとも含んでいることを特徴とするユーザ情報推定装
    置。
  34. 【請求項34】請求項32又は33に記載のユーザ情報
    推定装置において、 前記推定手段は、前記項目値の推定結果に基づき、前記
    情報リストに階層化されて記述された項目を変更するこ
    とを特徴とするユーザ情報推定装置。
  35. 【請求項35】請求項1〜34のいずれかに記載のユー
    ザ情報推定装置において、 前記推定手段は、ユーザの特性を示す個人情報に基づ
    き、前記項目値を推定することを特徴とするユーザ情報
    推定装置。
  36. 【請求項36】請求項35に記載のユーザ情報推定装置
    において、 さらに、前記個人情報を構築する個人情報構築手段を備
    えていることを特徴とするユーザ情報推定装置。
  37. 【請求項37】請求項36に記載のユーザ情報推定装置
    において、 前記個人情報構築手段は、センシング情報に基づく推定
    によって前記個人情報を構築することを特徴とするユー
    ザ情報推定装置。
  38. 【請求項38】請求項35〜37のいずれかに記載のユ
    ーザ情報推定装置において、 前記個人情報には、ユーザの嗜好性が含まれていること
    を特徴とするユーザ情報推定装置。
  39. 【請求項39】請求項38に記載のユーザ情報推定装置
    において、 前記ユーザの嗜好性は、前記センシング情報に加え又は
    代え、前記項目値から判定されるユーザの要求に基づい
    て判断されることを特徴とするユーザ情報推定装置。
  40. 【請求項40】請求項1〜39のいずれかに記載のユー
    ザ情報推定装置において、 さらに、前記推定手段による項目値の推定の後、不完全
    な又は不確定な項目値を他の要素から推定する不確定値
    推定手段を備えることを特徴とするユーザ情報推定装
    置。
  41. 【請求項41】請求項40に記載のユーザ情報推定装置
    において、 前記情報セットが、前記情報ベクトルで表現されている
    ことを前提として、 前記不確定値推定手段は、定型的な情報ベクトルとの距
    離計算を行い、不完全な又は不確定な項目値を推定する
    ことを特徴とするユーザ情報推定装置。
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