JP2002090980A - 濃度分布マスクとその製造方法 - Google Patents

濃度分布マスクとその製造方法

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JP2002090980A
JP2002090980A JP2000284551A JP2000284551A JP2002090980A JP 2002090980 A JP2002090980 A JP 2002090980A JP 2000284551 A JP2000284551 A JP 2000284551A JP 2000284551 A JP2000284551 A JP 2000284551A JP 2002090980 A JP2002090980 A JP 2002090980A
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shielding film
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JP2000284551A
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Kazuhiro Umeki
和博 梅木
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Ricoh Optical Industries Co Ltd
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  • Preparing Plates And Mask In Photomechanical Process (AREA)
  • Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)
  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 コンタクト露光法やプロキシミティー露光法
によっても三次元構造をもつ感光性材料パターンを形成
できるようにする。 【解決手段】 濃度分布マスク7は製作しようとする目
的物品と等倍のCr膜パターン3aを備えている。Cr
膜パターン3aが存在しない部分では光透過量は100
%であり、Cr膜パターン3aが存在する部分では、C
r膜パターン3aの膜厚に応じて、膜厚が薄い部分では
光透過量は多く、膜厚が厚い部分では光透過量は少なく
なっていて、濃度分布マスク7の光学濃度分布は、Cr
膜パターン3aの膜厚の分布により実現されている。濃
度分布マスク7の光学濃度分布はアナログ的なものにな
っている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、三次元構造の表面
形状をもつ物品を製作する際に、その目的物品を形成す
べき基体上に形成された感光材料層を露光するために使
用される遮光膜パターンを有する濃度分布マスクとその
製造方法に関するものである。濃度分布マスクは、特
に、微細な三次元構造をもつ物品の製作に使用され、例
えばマイクロマシニング分野、壁掛けTV用ディスプレ
イ分野、液晶ディスプレイ分野、太陽電池製造分野な
ど、半導体製造プロセスで使用されているのと同様の微
細化工技術を利用する分野で使用される。
【0002】
【従来の技術】光学素子の屈折面や反射面に、球面や非
球面等に代表される特殊な面形状が使用されるようにな
ってきている。また近年は液晶表示素子や液晶プロジェ
クタ等に関連して、マイクロレンズ等にも特殊な面形状
が求められている。そこで屈折面や反射面を型成形や研
磨によらずに形成する方法として、光学基板の表面にフ
ォトレジスト(感光性材料の代表例)の層を形成し、こ
のフォトレジスト層に対して二次元的な光透過量分布を
有する露光用マスクを介して露光し、露光後のフォトレ
ジストに現像処理を施すことによりフォトレジストの表
面形状として三次元的な凸面形状もしくは凹面形状を
得、しかる後にフォトレジストと光学基板とに対して異
方性エッチングを行ない、フォトレジストの表面形状を
光学基板に彫り写して転写することにより、光学基板の
表面に所望の三次元構造の屈折面や反射面の形状を得る
ことが知られている(特表平8−504515号公報を
参照、以下この記載内容を従来技術とする)。
【0003】そこでは、屈折面や反射面等の三次元構造
の特殊表面形状を得るために用いられる露光用マスクと
して、特殊表面形状に対応して二次元的な光透過量分布
をもった濃度分布マスク(グラデーションマスク(G
M)ともいう)が使用されている。従来技術に記載され
ている濃度分布マスクでは、二次元的な光透過量分布の
パターンを形成するためにマスクパターンを光伝達開口
と称する単位セルに分割し、各単位セルの開口寸法が、
形成しようとするフォトレジストパターンの対応した位
置の高さに応じた光透過量又は遮光量となるように設定
されている。
【0004】従来技術では、マスクパターンは目的のフ
ォトレジストパターンに対して拡大された寸法で形成さ
れており、濃度分布マスクを用いて露光する場合には縮
小光学系を有する露光機(以下、縮小光学系露光機とい
う)を用いた縮小投影露光が行なわれる。濃度分布マス
クの光透過量分布はマスクパターンの光学濃度とも表現
できる。
【0005】従来技術に記載の濃度分布マスクを製作す
る方法として、次のような方法が考えられる。透明基板
の一表面に金属膜や金属酸化膜などからなる遮光膜が形
成され、さらにその上に感光性材料層が形成されたマス
クブランクスを用い、その感光性材料層がポジ型のとき
はそのポジ型感光性材料層の光伝達開口に対応する位置
に、感光性材料層がネガ型のときはそのネガ型感光性材
料層の光伝達開口に対応する位置以外の位置に、電子線
描画(EB描画)装置を用いて電子線を走査して描画す
ることにより感光パターンを描画した後、現像処理を施
して光伝達開口に対応する位置に開口をもつ二次元の感
光性材料パターンを形成する。その後、その感光性材料
パターンをマスクとしてドライエッチングを施すことに
より遮光膜に二次元のマスクパターン(遮光膜パター
ン)を形成する。
【0006】上記の濃度分布マスクの製作工程では、感
光性材料パターンは高エネルギービームである電子線に
よって描画されるため、感光性材料パターンの側壁、ひ
いては遮光膜パターンの側壁は基板に対してほぼ垂直に
形成される。そのため、遮光膜パターンを通過する光の
透過率は、遮光膜が存在する部分では0%、遮光膜が存
在しない部分では100%であり、デジタル的な光学濃
度分布をもっている。
【0007】目的物品形成用の基板上に形成された感光
性材料に所望の表面形状を形成すべく、このデジタル的
な光学濃度分布をもつ濃度分布マスクを介して感光性材
料層に露光工程を行なうと、その後の現像処理によって
形成される感光性材料の表面形状の高さはデジタル的、
すなわち階段状になってしまう。そのため、目的とする
物品の表面形状を実質的に平滑なものとするためには、
階調数を非常に大きくしなければならず、従来技術に例
示されているように単位セルにおける最小限の開口寸法
を露光に用いる光の波長よりも短くする必要がある。そ
して、パターンが微細になればなるほど濃度分布マスク
の製作コストが上昇する。目的とする物品の表面形状
は、階調数を大きくしていくにつれて平滑なものに近づ
いてはいくものの、あくまで階段状のものである。従来
技術で「実質的に」と述べているのはそのことを意味し
ている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記で述べた従来の濃
度分布マスクの製作には以下の問題点があった。 濃度分布マスク製作に多大の労力、ノウハウ及びコス
トを要する。そのため、破損した場合は、製作時間、コ
ストの点で対応が遅れてしまう。つまり、容易に予備マ
スクを準備することができない。
【0009】二次元の光透過量分布パターンをもつマ
スクを用いて露光し、感光性材料層に三次元のパターン
を形成しようとすれば、縮小光学系露光機を用いて焦点
をぼかした状態のデフォーカス露光を行なう必要がある
ため、マスクを感光性材料層に密着した状態で露光を行
なうコンタクト露光(密着露光)法や、マスクを感光性
材料層に近接した状態で露光を行なうプロキシミティー
露光(近接露光)法などの等倍露光においては使用でき
ない。
【0010】表面と裏面の両面に三次元構造をもつ物品
を製作する場合を考えると、表面と裏面のそれぞれに物
品のパターンとともに、位置合わせのためのトンボパタ
ーンと呼ばれるパターンも形成しなければならない。こ
れを表面と裏面の両面ともに縮小投影露光法で実現しよ
うとすると、縮小投影露光法では一方の面のトンボパタ
ーンを基にして他方の面のパターンの位置合わせをする
ことができない。また、縮小投影露光法では物品のパタ
ーンとトンボパターンとを同時に露光することができな
い。そのため、表面と裏面のそれぞれのパターン化をと
もに縮小投影露光法で行なおうとすると、合計で4回の
写真製版・エッチング工程が必要になり、工程が長くな
って高コストになることは避けられない。
【0011】そこで、本発明は、コンタクト露光法やプ
ロキシミティー露光法によっても三次元構造をもつ感光
性材料パターンを形成できるマスクとその製造方法を提
供することを目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、目的物品を形
成すべき基体上に形成された感光材料層を露光するため
の遮光膜パターンを有する濃度分布マスクであって、そ
の遮光膜パターンは遮光膜により透明基板上に形成され
た二次元パータンと、その二次元パータンの少なくとも
一部においては透過光量が連続的に変化するように遮光
膜の膜厚が連続的に変化している膜厚分布とを備えた三
次元パターンとなっており、かつその遮光膜パターン
は、形成される目的物品のパターンと等倍寸法に形成さ
れている。等倍寸法とは遮光膜パターンが形成された平
面内の寸法に関するものであり、遮光膜パターンの高さ
方向の寸法に関するものではない。
【0013】目的物品を形成すべき基体上に形成された
感光材料層を露光する本発明のマスクは、その遮光膜パ
ターン自体において透過光量が連続的に変化するように
遮光膜の膜厚が連続的に変化している膜厚分布をもって
いるので、コンタクト露光法やプロキシミティー露光法
によっても感光材料層に滑らかな表面形状の三次元パタ
ーンを形成することができる。
【0014】縮小光学系を有するステッパー(レンズ縮
小投影露光機)及びプロジェクション露光機は、露光対
象表面に形成された位置合わせパターン(トンボパター
ン)を読み取ってマスク位置合わせすることはできる
が、露光対象表面とは反対側の面に形成されたトンボパ
ターンを読み取ってマスク位置合わせすることはできな
い。そのため、縮小光学系を有する露光機を用いて基板
の表裏面に目的とする表面形状を製作する場合は、表面
及び裏面についてトンボパターンのみを形成するフォト
リソグラフィー工程がそれぞれ必要であり、製作時間が
非常に長くなることが避けられず、高コストとなってい
た。
【0015】本発明の濃度分布マスクでは、遮光膜パタ
ーンは、形成される目的物品のパターンと等倍寸法に形
成されているので、目的物品を形成する際に、プロキシ
ミティー露光法やコンタクト露光法など、等倍露光法に
より遮光膜パターンを露光することができるようにな
る。その結果、プロキシミティー露光法やコンタクト露
光法では目的の表面形状用の遮光膜パターンと同時にト
ンボパターン用の遮光膜パターンを露光することがで
き、また透明基板の裏面位置合わせパターンを読み取っ
て表面側のマスク位置合わせをすることができる。その
結果、基板の表裏面に目的の表面形状を形成する場合の
工程数を少なくすることができ、製作時間を短縮するこ
とができるので、目的物品の製造コストを下げることが
できる。
【0016】また、本発明の濃度分布マスクを用いれ
ば、透明基板の表裏面に製作する光学素子の転写製作を
異なった方法で行なうことが可能となる。例えば、透明
ガラス基板状の一方にステッパー露光した光学素子を形
成し、他方にコンタクト露光した光学素子を製作するこ
とができる。このような方法を利用して、例えば、両面
に光学面を有する光学製品を製造できる。光学面の製造
方法には、本発明者が既に特許出願した方法(特開平9
−146259号公報、特願2000−177847号
等参照)を適用することができる。
【0017】本発明により製作した濃度分布マスクを用
いて三次元構造を製作すると、球面、非球面、円錐形状
のような連続面で構成される光学素子を製作すること
も、フレネル形状のように連続面と不連続面から構成さ
れる光学素子を製作することも可能となる。更に、その
ような光学素子に反射光学面を形成し、反射光学素子と
することも可能である。
【0018】この濃度分布マスクを製造する本発明の方
法は、以下の工程(A)から(C)を含んでいる。 (A)透明基板上に遮光膜をもちその表面が感光材料層
で被われたマスクブランクスに対し、加工対象物のパタ
ーンより大きな寸法の遮光膜二次元パターンをもつレチ
クルを用い、形成される遮光膜パターンが目的物品に対
して等倍寸法になるように縮小率を設定して縮小投影露
光する露光工程、(B)露光後の前記感光性材料層に現
像処理を施して三次元構造をもつ感光性材料パターンを
形成する現像工程、(C)形成された前記感光性材料パ
ターンをマスクにしてマスクブランクスの遮光膜にエッ
チング処理を施して三次元構造をもつ遮光膜パターンを
形成するエッチング工程。
【0019】この製造方法を実際の工程についてさらに
説明する。予め目的の感光性材料パターンに対応したレ
チクル遮光膜パターンを有するレチクルを設計し、その
設計に基づいて電子線描画法又はレーザ描画法を用いて
描画し、現像、リンス、エッチングを経てレチクルを製
作する(準備段階)。このレチクルを用いて縮小光学系
露光機でマスクブランクスにレチクル遮光膜パターンを
縮小投影露光する(工程(A))。マスクブランクスの
一例は、石英基板上に遮光膜として所定厚さのCr膜が
形成され、さらにその上に感光性材料層が塗布されたも
のである。この縮小投影露光の際、デフォーカス(焦点
ぼかし)を行なうのが好ましい。
【0020】露光後の感光性材料層に現像及びリンスを
含む現像処理を施し、感光性材料パターンを形成する
(工程(B))。ここで感光性材料パターンは、三次元
方向に膜厚分布を有する構造に製作され、この段階でレ
チクルの微細遮光膜パターン形状による光透過量分布が
平均化される。この感光性材料パターンをマスクにして
異方性エッチングを施し、感光性材料パターンをマスク
ブランクスの遮光膜に転写し、三次元方向に膜厚分布を
有する遮光膜パターンを形成する(工程(C))。
【0021】
【発明の実施の形態】露光工程(A)において、縮小投
影露光は焦点をぼかしたデフォーカスで行なうことが好
ましい。その結果、感光性材料パターンの表面形状、ひ
いては遮光膜パターンの表面形状をより滑らかにするこ
とができ、よりアナログ的な光学濃度分布をもつ濃度分
布マスクを製作することができる。
【0022】また、露光工程(A)において、露光時間
内にデフォーカス量を予め設定された条件で変化させつ
つ行なうことが好ましい。また、露光工程(A)におい
て、デフォーカス量を焦点が大きくずれた側から焦点が
合う側へ変化させることが好ましい。ここでデフォーカ
ス量とは焦点がずれている程度をいい、デフォーカス量
の制御は焦点を感光性材料層からずらせばよい。デフォ
ーカス量を制御することにより、感光性材料パターンの
表面形状、ひいては遮光膜パターンの表面形状をより平
滑なものとすることができる。また、露光時間内に、デ
フォーカス量に応じて露光量を制御することが好まし
い。
【0023】
【実施例】(液晶用微小寸法MLA(マイクロレンズア
レイ)用濃度分布マスクの製作)図1はMLA用濃度分
布マスクの製作に用いるレチクルの遮光パターンの一例
を示す図である。透明ガラス基板の表面にレチクル遮光
パターンとしてのCr(クロム)膜パターン(斜線部
分)が形成されている。このような遮光膜パターンの設
計及び製造方法は、本発明者によって特許出願された方
法(特願2000−177847号参照)で製作でき
る。
【0024】そのレチクルの製造方法を簡単に説明する
と、透明ガラス基板上に例えば200nm厚さのCr膜
を成膜し、その上にレジスト材料を塗布してマスクブラ
ンクスとし、そのレジスト材料層にレーザー光照射装置
を用いてレーザー光を照射し描画を行なう。レーザー光
照射装置によりレーザー光が照射されたレジスト材料部
分は、現像及びリンスを含む現像処理によって除去さ
れ、レジスト材料パターンが形成される。そのレジスト
材料パターンをエッチングマスクとしてCr膜をドライ
エッチングすることにより、Cr膜のある部分では光透
過率が0%、Cr膜のない部分では光透過率が100%
となる遮光膜パターンが得られる。ここで製作される形
成される遮光膜パターンのサイズは、目的とする物品の
サイズに比べて拡大されたサイズ、例えば5倍に拡大さ
れたサイズである。なお、レジスト材料層への描画は電
子線描画によって行なうこともできる。
【0025】次に、図1に示すレチクルと、図2に示す
縮小投影露光装置(1/5ステッパー)を使用して本発
明の濃度分布マスクを製作する工程を説明する。まず、
その縮小投影露光装置の説明を行なう。光源ランプ30
からの光は、集光レンズ31により集光され、レチクル
32を照射する。レチクル32を透過した光は、縮小倍
率の結像レンズ33に入射し、ステージ34上に載置さ
れた濃度分布マスク用のマスクブランクス37の表面
に、レチクル32の縮小像、即ち、光学濃度分布の縮小
像を結像する。マスクブランクス37を載置したステー
ジ34は、ステップモーター35,36の作用により、
結像レンズ33光軸に直交する面内で、互いに直交する
2方向へ変位可能であり、マスクブランクス37の位置
を、結像レンズ33の光軸に対して位置合わせできるよ
うになっている。
【0026】図3は濃度分布マスクの製造方法の一実施
例を示す工程断面図である。図3に沿ってその製作工程
を説明する。 (A)石英基板1の一表面にCr膜3を0.2μmの膜
厚で形成し、さらにその上にレジスト材料層5を約8μ
mの膜厚で塗布した。レジスト材料層5の材料としてO
FPR−5000−800(東京応化(株)の製品)を
用いた。その後、プリベークしたところ、レジスト材料
層5の膜厚は7.5μmであった。プリベーク後の石英
基板1、Cr膜3及びレジスト材料層5をマスクブラン
クス37とした。
【0027】(B)マスクブランクス37を図2に示す
1/5縮小のステッパーに設置し、次の露光条件で露光
した。 デフォーカス:+5μm、照射量:390mW×3.6
0秒 この条件の総合露光量は約1400mJである。ここ
で、デフォーカス量の表示の+の符号は、焦点がレジス
ト材料層5の表面の上方にあることを意味している。上
記の露光条件で、結像レンズ33によるレチクル32の
縮小像を、マスクブランクス37のレジスト材料層5に
結像させた。この露光を、マスクブランクス37の全面
にわたって行なった。さらに、マスクブランクス37に
アライナーによりトンボパターンを露光した。トンボパ
ターンの露光時はデフォーカスは0、すなわちジャスト
フォーカスで露光した。
【0028】この条件で露光後、現像及びリンスを含む
現像処理を施し、レジスト材料層5の露光部分を除去し
てレジスト材料パターン5aを製作した。レジスト材料
パターン5aは「高原状の断面構造」を有している。レ
ジスト材料パターン5aの「高原状の斜め角度」はレチ
クルの設計、デフォーカス量、レジスト材料層5の膜厚
及びレジスト材料層5の材料の感度によって変化する。
この斜め角度は濃度分布マスクの光学濃度分布のアナロ
グ構造(光透過量分布)に重要な影響を及ぼすものであ
る。
【0029】この工程(B)では、露光時にデフォーカ
スさせているので、表面形状に特段の段差を生じさせる
ことなくレジスト材料パターン5aを製作することがで
きた。さらに、デフォーカスの効果により、レチクル3
2の微細遮光膜パターンによる光透過量分布がより平均
化され、レジスト材料パターン5aの表面形状がより滑
らかになる。
【0030】ここでは、露光時にデフォーカスさせるこ
とにより、レジスト材料パターン5aの表面形状の平滑
化をより向上させているが、焦点が合ったジャストフォ
ーカスでもある程度の平滑化は期待できる。さらに、露
光時間内にデフォーカス量を予め設定された条件で変化
させつつ行なったり、デフォーカス量を焦点が大きくず
れた側から焦点が合う側へ変化させたりすることによっ
て、さらに平滑化の効果を高めることができる。
【0031】その後、ホットプレート上で、120℃、
40分間の条件で、レジスト材料パターン5aが変形し
ないようにポストベークを施し、レジスト材料パターン
5aを硬化させた。ここではレジスト材料パターン5a
を硬化させる手段として加熱処理を用いているが、加熱
処理に代えて紫外線硬化処理(UVハードニング処理)
を用いてもよい。
【0032】(C)レジスト材料パターン5a硬化後の
マスクブランクス37をRIE(反応性イオンエッチン
グ)ドライエッチング装置にセットし、真空度:5.0
×10-3(Torr)、CF4:15.0(sccm)、
Ar:0.5(sccm)、O2:10.0〜15.0(s
ccm)の条件で、レジスト材料パターン5a及びCr
膜3に対してドライエッチングを行なった。またこの
時、選択比が経時的に変化するようにO2導入量を変更
しながらレジスト材料パターン5a及びCr膜3のエッ
チングを行なった。エッチング時間は10分を要した。
【0033】このようにして、レジスト材料パターン5
aの表面形状をCr膜3に彫り写してCr膜パターン3
aを形成した。これにより、製作しようとする目的物品
と等倍のサイズをもつ一実施例の濃度分布マスク7が完
成した。Cr膜パターン3aはレジスト材料パターン5
aの表面形状を彫り写して形成したので「高原状の断面
構造」を有しており、その表面形状に特段の段差は存在
していない。
【0034】濃度分布マスク7において、Cr膜パター
ン3aが存在しない部分では光透過量は100%であ
り、Cr膜パターン3aが存在する部分では、Cr膜パ
ターン3aの膜厚に応じて、膜厚が薄い部分では光透過
量は多く、膜厚が厚い部分では光透過量は少なくなって
いる。すなわち、濃度分布マスク7の光学濃度分布は、
Cr膜パターン3aの膜厚の分布により実現されてい
る。そして、Cr膜パターン3aの膜厚は目的物品の表
面形状に応じて連続的に変化しているので、濃度分布マ
スク7の光学濃度分布はアナログ的なものになってい
る。濃度分布マスク7は、レチクル32を製作しておけ
ば容易に複製することができ、予備マスクを安価に製作
することができる。以下、このようにして製作した濃度
分布マスク7を「シスターマスク」という。
【0035】次に、シスターマスクを用いて光学素子を
製作した例を示す。 (光学素子製作例1) 液晶用微小寸法MLA製作の具体例:図4は液晶用微小
寸法MLA製作の具体例を示す工程断面図である。 (A)液晶プロジェクタ用MLAを製作するために、ネ
オセラム基板9を用意した。基板9上にレジスト材料で
あるOFPR−800−800(東京応化(株)の製
品)を約8μmの膜厚になるように塗布し、その後プリ
ベークしてレジスト材料層11を形成した。レジスト材
料層11の膜厚は7.0μmであった。
【0036】(B)レジスト材料層9に、シスターマス
ク7を用いて露光機(Quintel社(米国)製マスクアラ
イナー:Q−7000)でプロキシミティー露光した。
基板9のレジスト材料層11が形成された面とシスター
マスク7の遮光膜パターン3aが形成された面を対向し
て配置し、ギャップ量dを5μmに設定してプロキシミ
ティー露光を行なった。露光条件は、照射量:14mW
×41秒(総合露光量:574mJ)であった。ここで
は、従来技術のように開口寸法と露光時の光源波長を考
慮する必要はなく、従来技術のようには露光時の波長を
制限されない。
【0037】図5は、シスターマスク7の遮光膜パター
ン3aを透過する光の光強度分布を示す図である。シス
ターマスク7を透過する光強度は、遮光膜パターン3a
の膜厚によって決定され、遮光膜パターン3aの膜厚が
薄い部分では大きくなり、厚い部分では小さくなり、光
強度分布を形成する。その光強度分布に応じてレジスト
材料層11が表面側から露光される。
【0038】(C)図4に戻って説明を続けると、この
条件で露光後、現像及びリンスを含む現像処理を施し、
レジスト材料層11の露光部分を除去してレジスト材料
パターン11aを製作した。その後、ホットプレート上
で、120℃、40分間の条件でポストベークを施し、
レジスト材料パターン11aを硬化させた。ポストベー
ク後のレジスト材料パターン11aは目的形状の断面構
造を有していた。
【0039】(D)その後、基板9をTCP(誘導結合
型プラズマ)ドライエッチング装置にセットし、真空
度:1.5×10-3(Torr)、CHF3:5.0(s
ccm)、CF4:50.0(sccm)、O2:15.0
(sccm)、Ar:1.0(sccm)、基板バイア
ス電力:600W、上部電極電力:1.25kW、基板
冷却温度:−20℃の条件でドライエッチングを行なっ
た。またこの時、選択比が経時的に変化するように基板
バイアス電力、上部電極電力及び酸素導入量を経時的に
変更しながらエッチングを行なった。基板の平均エッチ
ング速度は、0.81μm/分であったが、実際のエッ
チンング時間は、10分を要した。このようにして、液
晶用微小寸法MLA9aを製作した。液晶用微小寸法M
LA9aの各マイクロレンズの曲率を設計値通りに製作
することができた。
【0040】(光学素子製作例2) コリメータレンズの製作:濃度分布マスク工法が最も有
効性を発現する製品として以下のものが挙げられる。 (1)レジスト熱変形工法では、微小寸法のフレネルレ
ンズの形成は、不可能であった。→濃度分布マスク技術
はこれを可能とする。 (2)レジスト熱変形工法では、製作可能なレンズ寸法
が、限られており、直径500μm程度が大口径レンズ
の限界であった。→濃度分布マスク工法は、大口径レン
ズも製作可能である。 (3)非球面形状を製作するのに、多くのデータ蓄積と
ノウ・ハウを必要としていた。→濃度分布マスク工法
は、色々な形状を製作できる。
【0041】濃度分布マスク工法は、上記のような特徴
を有する。これらの特徴を最も良く表す形状の1つとし
てフレネルレンズがある。以下に、第1面にフレネルレ
ンズ、第2面にミリメートルレンズを備えたコリメータ
レンズを製作した例を示す。
【0042】図6はコリメータレンズを示す断面図であ
る。コリメータレンズ13の第1面にフレネルレンズ1
5、第2面にミリメートルレンズ17が形成されてい
る。第1面に形成されたフレネルレンズ15は、8輪
体、レンズ最大高さ:13.1μmである。第2面に形
成されたミリメートルレンズ17は、直径1.24m
m、レンズ高さ:14.1μmである。
【0043】以下にこのコリメータレンズ13の設計デ
ータを示す。図7はそのフレネルレンズ15の光軸Oか
ら右側の部分の一部を示したものであり、tは基板の厚
さ、h(n)(n=1,2,3・・・)は光軸Oから各輪
帯までの面高さ、△Z(n)は各輪帯の表面から谷までの
深さを表わすサグ量、θは傾き角である。
【0044】ここで、フレネルレンズの各輪帯の曲面形
状を表わす非球面式:Z(n)は、 Z(n)=ch(n)2/{1+(1−(K+1)c2
(n)21/2}+Ah(n)4+Bh(n)6+Ch(n)8+Dh
(n)10+Eh(n)12+Fh(n)14+Gh(n)16 で表わされ、面高さ:h(n)は、 h(n)=(X2+Y21/2 であり、傾き角θは、 θ=arctan(dz/dh) であり、傾斜度dz/dhは、 dz/dh=ch(n)2/{(1−(K+1)c2
(n)21/2}+4Ah(n)3+6Bh(n)5+8Ch(n)7
+10Dh(n)9+12Eh(n)11+14Fh(n)13
16Gh(n)15 である。また、 球面式=ch(n)2/{1+(1−c2h(n)21/2} である。
【0045】上記の非球面式を用い、その係数を以下の
ように設定する。 ミリメートルレンズの場合: c = 1/R= 1/6.24956 = 0.16
0011 K = 0 A =−0.130869 B = 0.209718 C =−0.716491 D = 0.717725 E = 0 F = 0 G = 0
【0046】フレネルレンズの場合: c = 1/R= 1/2.514 = 0.3978 K = −41.6666 A = 0.375358 B = 0.0299897 C = −8.33456 D = 54.3372 E =−166.397 F = 253.585 G =−154.685
【0047】上記のレンズ設計に基づいてレチクル用の
マスクブランクスにレーザー光照射装置を用いてレチク
ル遮光膜パターンを描画し、現像及びリンスを含む現像
処理を施して、フレネルレンズ15用レチクルとミリメ
ートルレンズ17用レチクルをそれぞれ製作した。
【0048】この2種類のレチクルから出発してコリメ
ータレンズを製作する方法を2つ示す。 (その1)第1の例では、フレネルレンズ15はレチク
ルを用いて縮小投影露光法により露光し、ミリメートル
レンズ17はレチクルからシスターマスクを製作し、そ
のシスターマスクを用いてプロキシミティー露光を行な
って製作した。まず、上記の液晶用微小寸法MLA用濃
度分布マスクの製作と同様にして、ミリメートルレンズ
17用レチクルを用い、ミリメートルレンズ17用シス
ターマスクを製作した。ミリメートルレンズ17用のシ
スターマスクには、ミリメートルレンズ17の中心位置
から設計通りに位置決めしたトンボパターン用遮光膜パ
ターンをレンズ有効径外に配置した。ミリメートルレン
ズ17用のシスターマスクへのトンボパターン用遮光膜
パターンの形成は、ミリメートルレンズ17用レチクル
を用いた露光とは別工程のジャストフォーカス露光で行
なった。
【0049】コリメータレンズ製作の工程は以下の通り
である。 (a)S−NPH2(OHARA社製)ガラス基板(屈
折率:1.923(λ=587nm)、基板厚さ:1.0
mm)を用意し、この基板のミリメートルレンズ17が
形成される予定の第2表面の基板外周部の必要な部分
に、スパッタリング法によりトンボパターン用Cr膜を
150nmの膜厚で成膜した。
【0050】(b)上記の液晶用微小寸法MLA製作の
具体例と同様にして、このガラス基板の第2表面上にレ
ジスト材料OFPR−800−800(東京応化(株)
の製品)を約8μmの膜厚になるように塗布し、その後
プリベークしてレジスト材料層11を形成した。レジス
ト材料層11の膜厚は7.0μmであった。そのレジス
ト材料層に対して、ミリメートルレンズ17用のシスタ
ーマスクを用いてプロキシミティー露光を行なった。ミ
リメートルレンズ17用のシスターマスクにはトンボパ
ターン用遮光膜パターンも形成されているので、ミリメ
ートルレンズパターン像とトンボパターン像を同時に露
光した。
【0051】(c)上記の液晶用微小寸法MLA製作の
具体例と同様にして、露光後のレジスト材料層に対して
現像処理及びポストベークを施してレジスト材料パター
ンを形成した。そのレジスト材料パターンにはトンボパ
ターン用のものも含まれている。
【0052】(d)ガラス基板の第2表面に、上記の液
晶用微小寸法MLA製作の具体例と同様にして、ドライ
エッチングを施してコリメータレンズ13のミリメート
ルレンズ17を形成した。このとき、第2表面のトンボ
パターン用Cr膜の一部分が除去されて第2面用のトン
ボパターンが形成される。
【0053】(e)ガラス基板の第1表面にフレネルレ
ンズ用のトンボパターンを形成するために、フレネルレ
ンズ15が形成される予定の第1表面の基板外周部の必
要な部分に、スパッタリング法によりトンボパターン用
Cr膜を120nmの膜厚で成膜した。
【0054】(f)第1表面上にレジスト材料を1.0
μmの膜厚で塗布し、所定の方法でプリベークしてレジ
スト材料層を形成した。そのガラス基板をアライナーに
セットし、Z軸方向に焦点調節できる顕微鏡で第2表面
に形成されたトンボパターン位置を確認しながらガラス
基板をX−Y平面内で移動させて、第1表面用トンボパ
ターン用のマスクを位置決めし、アライナーで露光し
た。
【0055】(g)露光後のレジスト材料層に現像及び
リンスを含む現像処理を施してCr膜上にトンボパター
ン用のレジスト材料パターンを形成した。そのレジスト
材料パターンをマスクにして、ウエットエッチングによ
りガラス基板の第1表面のCr膜の一部分をエッチング
し、第1表面用のトンボパターンを形成した。この状態
で、ガラス基板の第1表面側及び第2表面側のトンボパ
ターンは高精度で位置合わせされている。
【0056】(h)上記の液晶用微小寸法MLA製作の
具体例と同様にして、ガラス基板の第1表面上にレジス
ト材料TGMR−950GM(東京応化(株)の製品)
を約8μmの膜厚になるように塗布し、その後プリベー
クしてレジスト材料層11を形成した。レジスト材料層
11の膜厚は7.5μmであった。
【0057】(i)次に、ガラス基板をステッパーにセ
ットし、第1表面用トンボパターンを基準にして位置合
せし、第1表面上のレジスト材料層に対してフレネルレ
ンズ用レチクルを用いて縮小投影露光した。ここで、ス
テッパーは、露光すべき基板表面の所定パターンを反射
光で読み取ることができれば位置合わせ及びデフォーカ
スが可能である。但し、前述したように、第2表面のパ
ターンを読み取って位置合わせすることはできない。
【0058】(j)上記の液晶用微小寸法MLA製作の
具体例と同様にして、露光後のレジスト材料層に対して
現像処理及びポストベークを施してガラス基板の第1表
面上にレジスト材料パターンを形成した。
【0059】(k)ガラス基板の第1表面に、上記の液
晶用微小寸法MLA製作の具体例と同様にして、ドライ
エッチングを施してフレネルレンズ15を形成した。こ
れにより、フレネルレンズ15の各輪体の曲率は設計値
通りの形状を有し、また、ミリメートルレンズ17の曲
率は設計値通りの形状を有し、レンズの各々の光軸を直
径1.0μm以内の誤差で光軸合わせすることができ
た。
【0060】もし、この方法で、シスターマスクを用い
ることなく、従来技術のようにステッパーを用いてミリ
メートルレンズ17を形成する場合、ミリメートルレン
ズ17を形成するためのガラス基板の第2表面にトンボ
パターンを形成した後、そのトンボパターンを基準にし
てミリメートルレンズ用の第2表面用レチクルを位置合
わせして縮小投影露光する必要がある。すなわち、トン
ボパターンの形成とミリメートルレンズの形成につい
て、レジスト材料層形成工程、露光工程及び現像処理工
程を含むフォトリソグラフィー工程とエッチング工程を
それぞれ行なう必要がある。
【0061】それに対し、このコリメータレンズの製作
例によれば、シスターマスクを用いることにより、トン
ボパターン用のレジストパターンとミリメートルレンズ
用のレジストパターンを同時に露光して形成することが
できるので、レチクルを用いてステッパーで縮小投影露
光する方法に比べてフォトリソグラフィー工程とエッチ
ング工程をそれぞれ1回ずつ少なくすることができ、コ
リメータレンズ13の製作時間を短縮することができ
る。
【0062】(その2)第2の例では、フレネルレンズ
15もミリメートルレンズ17もともにレチクルからシ
スターマスクを製作し、それぞれのシスターマスクを用
いてプロキシミティー露光を行なって製作した。まず、
フレネルレンズ15用とミリメートルレンズ17用のシ
スターマスクを製作した。それらのシスターマスクには
レンズ中心位置から設計通りに位置決めしたトンボパタ
ーン用遮光膜パターンをレンズ有効径外に配置した。ト
ンボパターン用遮光膜パターンの形成は、それぞれのレ
ンズ用レチクルを用いた露光とは別工程のジャストフォ
ーカス露光で行なった。
【0063】コリメータレンズ製作の工程は以下の通り
である。ミリメートルレンズ17を形成する工程は、そ
の1で述べた工程(a)〜(d)と同じである。これに
より、第2表面にミリメートルレンズ17とトンボパタ
ーンが形成される。
【0064】(e)ガラス基板の第1表面上にレジスト
材料OFPR−800−800を約8μmの膜厚になる
ように塗布し、その後プリベークしてレジスト材料層1
1を形成した。レジスト材料層11の膜厚は7.0μm
であった。
【0065】(f)そのガラス基板をアライナーにセッ
トし、Z軸方向に焦点調節できる顕微鏡で第2表面に形
成されたトンボパターン位置を確認しながらガラス基板
をX−Y平面内でX,Y,θ方向に移動させて、第1表
面に対してフレネルレンズ用シスターマスクを位置決め
し、そのシスターマスクを用いてアライナーでプロキシ
ミティー露光を行なった。フレネルレンズ用シスターマ
スクにはフレネルレンズ用パターンとともにトンボパタ
ーンも形成されているので、第1表面に予めトンボパタ
ーンを形成しなくても、シスターマスクをアライナーで
位置決めできるのである。
【0066】(g)露光後のレジスト材料層に対して現
像処理及びポストベークを施してガラス基板の第1表面
上にレジスト材料パターンを形成した。 (h)ガラス基板の第1表面にドライエッチングを施し
てフレネルレンズ15を形成した。これにより、フレネ
ルレンズ15の各輪体の曲率は設計値通りの形状を有
し、また、ミリメートルレンズ17の曲率は設計値通り
の形状を有し、レンズの各々の光軸を直径1.0μm以
内の誤差で光軸合わせすることができた。
【0067】この製作例によれば、フレネルレンズ15
もミリメートルレンズ17もともにシスターマスクを用
いて製作することにより、基板の第1表面と第2表面の
それぞれについてリソグラフィー工程とエッチング工程
が1回ずつですみ、コリメータレンズ13の製作時間を
一層短縮することができる。これらの実施例では、遮光
膜パターンの材料としてCrを用いているが、本発明は
これに限定されるものではなく、チタン、タンタル、珪
素、クロム、アルミニウム、タングステン、錫、インジ
ウムの単体、もしくはそれらの酸化物、又はそれらを含
む金属化合物など、他の材料であってもよい。
【0068】
【発明の効果】本発明の濃度分布マスクは、その遮光膜
パターンは遮光膜により透明基板上に形成された二次元
パータンと、その二次元パータンの少なくとも一部にお
いては透過光量が連続的に変化するように遮光膜の膜厚
が連続的に変化している膜厚分布とを備えた三次元パタ
ーンとなっているので、感光材料層に滑らかな表面形状
の三次元パターンを形成するのが容易である。その遮光
膜パターンが、すでに縮小されて、形成される目的物品
のパターンと等倍寸法に形成されているので、コンタク
ト露光やプロキシミティー露光に供することができる。
また、露光に際し、従来例の場合には開口寸法より長波
長の光を使用しなければならなかったが、本発明ではシ
スターマスクのパターンは平均化されているので、露光
時の光源波長に制約を受けない。この濃度分布マスク
は、レチクルを用意しておけば、本発明の製造方法によ
る縮小投影露光により短時間で容易に製作することがで
きるので、安価に予備マスクを用意しておくことができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】マイクロレンズ用レチクルの遮光パターンの一
例を示す平面図である。
【図2】縮小投影露光装置の一例を示す概略構成図であ
る。
【図3】濃度分布マスクの製造方法の一実施例を示す工
程断面図である。
【図4】液晶用微小寸法MLA製作の具体例を示す工程
断面図である。
【図5】シスターマスクの遮光膜パターンを透過する光
の光強度分布を示す図である。
【図6】コリメータレンズを示す断面図である。
【図7】フレネルレンズの一部を示す断面図である。
【符号の説明】
1 石英基板 3 Cr膜 3a 遮光膜パターン 5 レジスト材料層 7 シスターマスク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 21/027 H01L 21/30 502P

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 目的物品を形成すべき基体上に形成され
    た感光材料層を露光するための遮光膜パターンを有する
    マスクであって、 前記パターンは遮光膜により透明基板上に形成された二
    次元パータンと、その二次元パータンの少なくとも一部
    においては透過光量が連続的に変化するように遮光膜の
    膜厚が連続的に変化している膜厚分布とを備えた三次元
    パターンであり、 かつ、前記パターンは形成される目的物品のパターンと
    等倍寸法に形成されていることを特徴とする濃度分布マ
    スク。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の濃度分布マスクを以下
    の工程(A)から(C)を含んで製造する濃度分布マス
    クの製造方法。 (A)透明基板上に遮光膜をもちその表面が感光材料層
    で被われたマスクブランクスに対し、加工対象物のパタ
    ーンより大きな寸法の遮光膜二次元パターンをもつレチ
    クルを用い、形成される遮光膜パターンが目的物品に対
    して等倍寸法になるように縮小率を設定して縮小投影露
    光する露光工程、 (B)露光後の前記感光性材料層に現像処理を施して三
    次元構造をもつ感光性材料パターンを形成する現像工
    程、 (C)形成された前記感光性材料パターンをマスクにし
    てマスクブランクスの遮光膜にエッチング処理を施して
    三次元構造をもつ遮光膜パターンを形成するエッチング
    工程。
  3. 【請求項3】 前記露光工程(A)において、前記縮小
    投影露光は焦点をぼかしたデフォーカスで行なう請求項
    2に記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記露光工程(A)において、露光時間
    内にデフォーカス量を予め設定された条件で変化させつ
    つ行なう請求項2又は3に記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記露光工程(A)において、デフォー
    カス量を焦点が大きくずれた側から焦点が合う側へ変化
    させる請求項4に記載の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記露光工程(C)において、前記エッ
    チング処理は異方性エッチングである請求項2から5の
    いずれかに記載の製造方法。
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