JP2002090342A - 昇温脱離ガス分析装置 - Google Patents

昇温脱離ガス分析装置

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JP2002090342A
JP2002090342A JP2000283839A JP2000283839A JP2002090342A JP 2002090342 A JP2002090342 A JP 2002090342A JP 2000283839 A JP2000283839 A JP 2000283839A JP 2000283839 A JP2000283839 A JP 2000283839A JP 2002090342 A JP2002090342 A JP 2002090342A
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glass plate
vacuum chamber
desorption gas
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Taizo Uchiyama
泰三 内山
Kunio Kimura
邦夫 木村
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DENSHI KAGAKU KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】昇温脱離ガス分析の対象となる試料が、液晶材
料などのように透明または一部透明であるときには、真
空チャンバの外から導入する赤外光を照射しても試料温
度が十分に上がらない。したがって所望の状態で脱離ガ
スの分析を行うことができない。 【解決手段】試料を載置する試料ステージに黒色の石英
ガラス板を嵌め込み、この黒色の石英ガラス板の上に試
料を熱的に接触させるように載置する。黒色の石英ガラ
ス板が赤外光を吸収して発熱し、この熱が熱伝導または
熱拡散により試料を加熱するように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体デバイスそ
の他化学処理工程を含む部材の製造工程の評価に利用す
る。本発明は、真空雰囲気中で試料を加熱し、その試料
から脱離するガスを質量分析計で観測して、その観測結
果によりその製造工程を修正し、製造歩留りを向上させ
るために利用する。
【0002】
【従来の技術】半導体チップの製造工程では、一つの半
導体デバイスが製造される過程で、基板表面に、金属材
料、半導体材料、絶縁材料などによる層構造を形成する
ために、スパッタリング、蒸着、エッチング、洗浄、乾
燥その他の工程が繰り返し実行される。この工程の中に
は化学エッチングや洗浄など多くの化学処理工程が含ま
れ、その化学処理工程が実行された後に基板に残留する
化学物質がその半導体デバイスの電気的特性に大きく影
響することになる。このような製造工程を経た製品また
は半製品を検査し、その基板に残留するごく微量の化学
物質の種類および量を特定することにより、半導体デバ
イスの製造工程を的確に改善することができる。
【0003】このために、昇温脱離ガス分析装置を利用
する技術が知られている。これは、製造工程の各段階
で、工程からピックアップした試料を適当なサイズ(た
とえば10mm角) に切り出し、これを真空雰囲気中に
配置して加熱すると、その試料に残留する化学物質がガ
ス分子となって脱離する。このガス分子をその真空雰囲
気中で捕捉してその質量および数を測定すると、その試
料に微量に残留していた物質の種類や量を特定すること
ができる。これにより、特定の洗浄工程の洗浄時間や洗
浄温度、洗浄液の種類または洗浄液の濃度などを変更す
るなど、望ましい方向に各工程を改善することができ
る。これにより、製品となる半導体デバイスが所望の特
性を得ることができるように、規格内の特性条件に到達
する製品の歩留りが向上するように製造工程を改善する
ことができる。
【0004】微量のガス分子の質量を分析するために
は、真空中で捕捉した分子をイオン化し、そのイオンを
電場あるいは磁場を通過させ、例えば4極電場を通過さ
せその軌跡や速度により、分子の質量や数を観測する。
このような原理に基づく分子や原子の測定装置を質量分
析計といい、この質量分析計については既知のものであ
り種々に改良されている。
【0005】本願出願人が特許権者である特許第261
9731号公報には、このような昇温脱離ガス分析装置
の構造および動作の一例について説明してある。この公
報に記載された技術の趣旨は、昇温脱離真空チャンバ内
の高い真空状態を破壊することなく、試料をその真空チ
ャンバ内に出し入れするための技術である。この従来例
装置は、半導体製造工程を改善し、製造歩留りを飛躍的
に向上させることに貢献し、多くのユーザから高い評価
を受けている。
【0006】従来の昇温脱離ガス分析装置では、真空チ
ャンバ内に配置した試料を加熱するために、その真空チ
ャンバの外に赤外線光源を設け、その出力赤外光を真空
チャンバの中へ細い導光路により導入し、その赤外光に
よりその試料を照射加熱するように構成されている。と
くに、真空チャンバの外に配置した赤外線光源から、真
空チャンバの隔壁を貫通する導光路として透明なガラス
棒を設け、この透明なガラス棒により赤外光を真空チャ
ンバ内部に導入する技術は、加熱の対象となる試料のみ
を部分的に加熱し、真空チャンバ隔壁や各種装置などを
加熱することなく、いわゆるバックグラウンド・ノイズ
を小さくする上で有用である。また、真空チャンバの外
からマニュピレータにより操作して試料の交換を行う装
置は、短時間の連続的な測定評価のためにきわめて有用
である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本願発明者は、本願出
願人が製造販売した昇温脱離ガス分析装置のユーザか
ら、大部分が透明材料により形成されている試料につい
ても、このような昇温脱離ガス分析を行いたいとの要望
を受けた。これは、液晶ディスプレイ(LCD)やプラ
ズマ・ディスプレイ(PDP)などの半導体装置とし
て、透明な材料が利用されることに対応するものであ
る。この場合には、試料となる半導体製品またはその半
製品が透明基板に形成されているから、これを上記公報
に開示されたような装置に装着して赤外光を照射して
も、透明部分には赤外光が吸収されず発熱しない。した
がって、真空雰囲気中の試料を十分な温度まで加熱する
ことができない。
【0008】試験を行うと、試料の一部または全部が透
明であり赤外光の吸収が十分でない場合に、試料温度を
上昇させようとして赤外光を強く照射する、あるいは長
い時間にわたり照射すると、放散するまたは反射する赤
外光が真空チャンバの隔壁その他の温度を上昇させてし
まうことになる。これにより、隔壁などに付着する分子
がガスとして真空雰囲気中に脱離し、いわゆるバックグ
ラウンド・ノイズが大きくなってしまい正確な測定がで
きなくなることもわかった。
【0009】一方このような装置では、昇温脱離ガス分
析を実行中には、試料の温度が試料ステージに設けた熱
電対により検出され、その温度が所望値を維持するよう
に赤外光の強度が自動制御されるように構成されてい
る。さまざまな試料について試験を行った結果、この熱
電対による検出温度がたとえば1000°Cとなっていて
も、試料の大部分が透明である試料については、実際の
試料そのものの温度はこれよりかなり低い温度の状態に
なっていることもわかった。これは、熱電対が赤外光に
より直接に加熱されているものであって、熱電対は試料
の温度を計測していることにはならない。その結果、試
料温度が所望の値になっていないことになり、脱離する
ガスの種類や量が所望の状態とならないから、これによ
る製造工程の評価にも影響することになる。
【0010】本発明は、このような背景に行われたもの
であって、試料の一部または全部が透明であり、試料そ
のものが赤外光を十分に吸収しない場合にも、真空チャ
ンバの外から導入する赤外光により試料を加熱すること
ができる装置を提供することを目的とする。本発明は、
試料が液晶ディスプレイ(LCD)やプラズマディスプ
レイ(PDP)の材料であるときにも、有効に製造工程
の評価を行うことができる装置を提供することを目的と
する。本発明は、試料の一部または全部が透明であって
も、脱離ガスの分析を実行中に試料の温度を適正に検出
して、試料の温度を正しく制御することができる装置を
提供することを目的とする。本発明は、きわめて簡単な
構造により透明な試料を赤外光により適正に加熱するこ
とができる装置を提供することを目的とする。本発明は
赤外光の吸収が悪い試料を加熱するために、余分なバッ
クグラウンド・ノイズを発生することがない装置を提供
することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、真空チャンバ
内に配置する試料に透明部分が多く、赤外光を直接に十
分吸収できないものであるときには、真空チャンバ内に
赤外光を吸収し発熱する発熱部材を配置し、この発熱部
材に試料を接触させて加熱する構造を特徴とする。この
構造により、従来から長い経験があり高い信頼度を保持
する装置構造を基本的に変更することなく、従来から蓄
積された製造工程の評価に係わるノウハウをそのまま保
持し利用することができる装置であって、試料の一部ま
たは全部が透明である場合についても、同様にその製造
工程の評価を行うことができる。
【0012】すなわち、本発明の第一の観点は昇温脱離
ガス分析装置であり、真空チャンバ(1)と、この真空
チャンバ内に配置された試料ステージ(2)と、前記真
空チャンバの外に配置された赤外線光源(41)と、こ
の光源の出力赤外光を前記真空チャンバの隔壁を貫通し
て前記試料ステージに導入する導光手段(5)と、前記
真空チャンバ(1)内に放出される微量ガスの分子量を
検出する手段(6)とを備えた昇温脱離ガス分析装置に
おいて、前記導光手段(5)により導入された赤外光を
吸収する発熱部材(21)が前記試料ステージ(2)の
一部として試料(3)に熱的に接触する位置に配置した
ことを特徴とする。
【0013】上記括弧内の数字は後から説明する実施例
の図面符号である。これは本発明の構成が理解しやすい
ように付すものであって、本発明の構成を実施例に限定
して理解するためのものではない(以下同じ)。
【0014】この構造では、赤外光すなわち熱輻射によ
り発熱部材が加熱され、この発熱部材の熱を試料に熱伝
導または熱拡散により伝達してその試料を加熱すること
になる。この場合にも、真空チャンバ内で加熱される部
位は局部的であり、真空チャンバ隔壁や内部装置をむや
みに加熱することなく、真空雰囲気中に発生するバック
グラウンド・ノイズを小さく抑えることができる。
【0015】前記発熱部材(21)を薄い黒色の石英ガ
ラス板により形成し、試料ステージ(2)の平面の少な
くとも一部として前記試料と熱的に接触する構造が望ま
しい。
【0016】この構造により、従来から実績のある装置
に大幅な変更を施すことなく、一部または全部が透明な
試料についても同様に測定および評価を行うことができ
る装置が得られる。黒色の石英ガラス板はありふれた材
料であり、簡単に調達することができるし、加工するに
も特別に困難であることはない。黒色の石英ガラス板は
真空チャンバの外から導入される赤外光を吸収し効率的
に加熱される。黒色の石英ガラス板はきわめて高い精度
で表面を平坦に加工することができるから、試料となる
半導体基板と隙間なく密着させることができる。したが
って、黒色の石英ガラス板と半導体基板である試料との
間の熱伝導を良好に維持することができる。そして、黒
色の石英ガラスはその表面に凹凸がほとんどなく、比較
的簡単な洗浄により付着物を取り除くことができる。し
たがって、発熱部材が加熱により余分なバックグラウン
ド・ノイズを発生させる原因となることが少ない。ま
た、黒色の石英ガラスは耐熱性があり、洗浄により繰り
返し使用することができるからこのような熱の中継部材
として適当であり経済的である。
【0017】前記黒色の石英ガラス板は前記試料ステー
ジに対して着脱可能に載置される構造とすることが望ま
しい。そして前記試料ステージに装着可能な透明な石英
ガラス板を用意しておくことがよい。すなわち黒色の石
英ガラス板の代わりに装着できる透明な石英ガラス板を
添付してセットとして販売することがよい。この構造に
より、従来から利用されている昇温脱離ガス分析装置を
そのまま透明な試料について利用することができるよう
になる。また、透明な試料を評価するための装置を別に
設ける必要がなくなり、ユーザは装置を二重に購入する
必要はなく、さらにこの装置を配置するためのスペース
や維持費も節約することができる。
【0018】前記黒色の石英ガラス板に測温素子が組み
込まれた構造とすることがよい。この構造により、分析
測定中の試料の温度制御を適正に行うことができる。こ
の測温素子は、従来装置についてガラス棒端部平面にす
でに設けられた測温素子とは別の測温素子とすることが
取扱いの上から便利である。
【0019】また前記黒色の石英ガラス板は、導光手段
となる透明なガラス棒の直径とその直径がほぼ等しいか
小さく、かつ載置される試料より大きくて試料を加熱す
るに十分な大きさであり、その厚さは、測温素子である
熱電対が挿入できる程度に薄く、全体として熱容量をで
きるだけ小さくすることがよい。黒色の石英ガラス板の
熱容量を小さくすることにより試料の加熱時の熱応答性
が良くなり、分析精度が向上する。
【0020】このような構成により、試料の一部または
全部が透明であり、試料そのものが赤外光を十分に吸収
しない場合にも、真空チャンバの外から導入する赤外光
により試料を加熱することができる。試験の結果から、
試料が液晶ディスプレイ(LCD)やプラズマディスプ
レイ(PDP)の材料であるときにも、有効に製造工程
の評価を行うことができることがわかった。本発明によ
れば、試料の一部または全部が透明であっても、脱離ガ
スの分析を実行中に試料の温度を適正に検出制御して、
試料の温度を正しく制御することができる。また本発明
の装置により簡単な付加構造により、透明な試料を赤外
光により適正に加熱することができるように構成するこ
とができる。本発明により、赤外光の吸収が悪い試料を
加熱するために、余分な赤外光を導入したり、長時間に
わたり赤外光を照射したりする必要がなくなり、装置内
部から余分なバックグラウンド・ノイズを発生すること
がなくなる。
【0021】
【発明の実施の形態】(実施例装置の全体構造)次に本
発明の実施例装置を図面を参照して説明する。図1は本
発明実施例装置の全体配置を示す正面図であり、図2は
同平面図であり、図3は同実施例装置の系統図である。
【0022】はじめに図1ないし図3を参照して、この
装置の全体構造および動作を説明する。
【0023】この昇温脱離ガス分析装置は、真空チャン
バ1と、この真空チャンバ1を真空に維持する真空ポン
プ1aと、真空チャンバ1内に配置された試料ステージ
2と、この試料ステージ2上に置かれた試料3をこの試
料ステージ2の下から赤外線を照射することにより加熱
する赤外線光源41を含んだ加熱器4と、この赤外線を
試料ステージに導く導光手段5と、真空チャンバ1内に
配置され試料3から脱離するガスを検出する質量分析計
6とを備える。また、質量分析計の出力を演算する演算
回路7およびその結果を出力するCRT表示装置8、プ
リンタ9を備える。
【0024】試料ステージ2には測温素子が設けられ、
この測温素子の検出温度が脱離ガス分析の期間にわたり
一定になるように、温度制御部42により赤外線光源4
1に供給される電流が自動制御されるように構成されて
いる。
【0025】真空チャンバ1の外殻には、中心軸が鉛直
に配置された一つの金属円筒11と、この金属円筒11
の上端に被せられた蓋12とを含み、試料ステージ2の
試料載置面が前記中心軸上にその中心軸に垂直な平面に
なるように形成され、蓋12には、ほぼその中心にその
試料ステージ2を透過する赤外線をこの真空チャンバ1
の外部に放散させる赤外線透過窓12aが形成され、質
量分析計6が蓋12に赤外線透過窓12aに並んで配置
されたポート12bに取り付けられる。
【0026】さらに、金属円筒11には、質量分析計6
を試料3に対して他の方向から取付けるためのポート1
2cが取り付けられる。この質量分析計6を取り付ける
ポートは必要に応じて複数設けられる。
【0027】なお、図1および図2中、15はロードロ
ックチャンバ、16は試料移載用マニュピレータ、17
は試料出入ポート、20は測温装置である。
【0028】(試料分析の概要)試料分析の操作は、真
空状態に保った真空チャンバ1内の試料ステージ2の上
に、ゲート弁を持つロードロックチャンバ15から試料
3を搬送載置し、十分高い真空度が得られてから、加熱
器4から赤外線を照射し試料ステージ2上の試料3を加
熱する。加熱された試料3からは脱離ガスが放出され
る。このガス分子を直接質量分析計6の取入口に導入し
て、この分子をイオン化し、加速して電界、あるいは磁
界を通過させることによりその質量数とイオンの数に相
応する量を測定する。
【0029】(装置への試料搬入手順)この装置への試
料搬入の手順を簡単に説明すると、開閉弁を閉じた状態
でロードロックチャンバ15の区画のみ真空を破壊し、
試料出入ポート17から試料を搬送台の上に置く。試料
はこの実施例装置では、便宜上10mm四方の板状に切
り出すことを原則とする。試料挿入後に試料出入ポート
17を閉じる。バルブを操作してこの区画を図には示さ
れない別に設けられた真空ポンプに連結し、ロードロッ
クチャンバ15の区画に真空状態を形成する。所定の真
空状態に達してから開閉弁を開いて、マニュピレータ1
6の操作により、試料が置かれた搬送台を真空チャンバ
1の内部の試料ステージ2の位置に搬送して試料3を試
料ステージ2の上に移載する。
【0030】(分析動作の概要)昇温脱離ガス分析の動
作を簡単に説明すると、真空チャンバ1内の真空状態が
十分に高くなってから、加熱器4の赤外線光源41を作
動状態とし試料温度を設定する。試料温度が設定値に達
したときに、質量分析計6によりその真空雰囲気中の分
子の質量および数を計測する。現実の測定操作では、試
料温度を室温から最終設定温度まで直線的に上昇させる
ようなプログラムを設定して、その真空雰囲気中の分子
の質量およびターゲット電極の電流を測定記録する。
【0031】試料温度が上昇すると、試料に残留する物
質が気体分子となって真空雰囲気中に脱離する。これは
質量分析計6のイオン化部で電圧が印加された電極間を
通過することによりイオン化され、グリッド電極の間を
通過して加速される。加速されたイオン化された分子
は、質量分析計の4重極電場を通過してコレクタ部に到
達する。このコレクタ部に到達したイオン数および軌道
により脱離ガスの質量、イオン数を測定できる。
【0032】この質量分析計の測定記録から、脱離ガス
の物質および量を特定することができる。
【0033】(本発明の特徴ある試料ステージ構造の
例)ここで本発明の特徴は試料ステージ2の構造にあ
る。図4は同実施例装置の試料ステージ構造図であり、
(a)は平面図、(b)は正面図(c)はC−C′断面
図である。図5は黒色の石英ガラス板の構造図であり、
(a)は平面図、(b)は正面図である。図6は透明な
石英ガラス板の構造図であり、(a)は平面図、(b)
は正面図である。
【0034】図4を参照して、試料ステージ2は透明な
石英ガラスにより形成された円板状のものであり、その
底部には円柱に対応する繰り抜きが形成されている。こ
の繰り抜きが導光手段である透明な石英ガラス棒51の
先端に嵌込まれる。そして、その上面には段差を設けた
円形のくり抜きが形成され、ここにハッチングを付して
示すように発熱部材である黒色の石英ガラス板21が嵌
込まれる。図5はこの黒色の石英ガラス板21の平面お
よび正面を表す。この黒色の石英ガラス板21の直径
は、例えば、段差の直径の小さい部分で17mm、直径
の大きい部分で約20mmであり、その厚さは約3mm
である。なお、石英ガラス棒51の直径は20mmと
し、試料ステージ2の底部のくり抜きの直径と、上部の
直径とはほぼ等しくなっている。なお、上部の黒色の石
英ガラス板21が嵌め込まれるくり抜きは底部の石英ガ
ラス棒が嵌め込まれるくり抜きよりその直径は小さくて
もよい。
【0035】試料ステージ2には、その温度を検出する
ために測温素子(熱電対)を埋め込む通し穴23が形成
されている。また黒色の石英ガラス板21には、同様に
測温素子(熱電対)を埋め込む通し穴22が形成されて
いる。黒色の石英ガラス板21の上面には試料(図示せ
ず)が適宜載置される。
【0036】このような構造の装置では、石英ガラス棒
51の下方から照射される赤外光は、黒色の石英ガラス
板21に吸収され、この黒色の石英ガラス板21が発熱
部材として発熱する。この熱はこの上に載置された試料
に熱伝導または熱拡散され、試料が加熱されることにな
る。また、黒色の石英ガラス板21は試料ステージ2の
平面の一部であり、その厚さも熱電対が孔23に挿入で
きる程度の厚さで薄く形成し、全体としての熱容量を小
さくすることにより、熱応答性がよくなり、分析精度を
向上できる。
【0037】試料が不透明なものであるときには、ステ
ージの頂点は赤外光吸収体である必要はなく、黒色の石
英ガラス板ではなく透明な石英ガラス板25を使用す
る。図6は透明な石英ガラス板25の構造図である。こ
の透明な石英ガラス板25は、図4に示す試料ステージ
2の上面くり抜き部分に、上記黒色の石英ガラス板21
に代えて嵌め込むことができる。すなわち、試料がその
一部または全部が透明であるときには黒色の石英ガラス
板21を使用し、試料が不透明なものであるときには、
試料が赤外光を直接に受光するように透明な石英ガラス
板25を使用する。透明な石英ガラス板を使用するとき
には、試料ステージ2に設けられた測温素子(熱電対)
を利用できるから、石英ガラス板25に測温素子を通す
必要がなく、石英ガラス板25にはとくに段差を設ける
必要がない。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように、本発明により、透
明な試料であり赤外光を直接に受けて発熱しない試料に
ついても、同様に昇温脱離ガスの分析を行うことが可能
になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施例装置の全体構造を示す正面図。
【図2】本発明実施例装置の全体構造を示す平面図。
【図3】本発明実施例装置の系統図。
【図4】本発明実施例装置の試料ステージ構造図、
(a)は平面図(b)は正面図、(c)はC−C′断面
図。
【図5】本発明実施例装置の黒色石英ガラスの構造図、
(a)は平面図(b)は正面図。
【図6】本発明実施例装置の透明な石英ガラスの構造
図、(a)は平面図(b)は正面図。
【符号の説明】
1 真空チャンバ(1A…その覗き穴) 1a 真空ポンプ 2 試料ステージ 3 試料 4 加熱器 5 導光手段(石英ガラス棒) 6 質量分析計 7 演算回路 8 CRT表示装置 9 プリンタ 11 金属円筒 12 蓋 12a 赤外線透過窓 12b、12c ポート 15 ロードロックチャンバ 16 試料移載置用マニュピレータ 17 試料出入ポート 20 測温装置 21 黒色の石英ガラス板 22、23 測温素子挿入用の穴 25 透明な石英ガラス板 41 赤外線光源 51 石英ガラス棒
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 1/28 W

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】真空チャンバと、この真空チャンバ内に配
    置された試料ステージと、前記真空チャンバの外に設置
    された赤外線光源と、この光源の出力赤外光を前記真空
    チャンバの隔壁を貫通して前記試料ステージに導入する
    導光手段と、前記真空チャンバ内に放出される微量ガス
    の分子量を検出する手段とを備えた昇温脱離ガス分析装
    置において、 前記導光手段により導入された赤外光を吸収し発熱する
    発熱部材が前記試料ステージの一部として前記試料に熱
    的に接触する位置に配置されたことを特徴とする昇温脱
    離ガス分析装置。
  2. 【請求項2】前記発熱部材は薄い黒色の石英ガラス板で
    あり、前記試料ステージの平面中央部に配置された請求
    項1記載の昇温脱離ガス分析装置。
  3. 【請求項3】前記黒色の石英ガラス板は前記試料ステー
    ジに対して着脱可能であり、黒色の石英ガラス板には測
    温素子が組み込まれた請求項2記載の昇温脱離ガス分析
    装置。
  4. 【請求項4】前記黒色の石英ガラス板は、その直径が前
    記導光手段の透明なガラス棒の径よりほぼ等しくまたは
    小さく、その厚さは前記測温素子として熱電対が挿入可
    能な厚さに形成された請求項3記載の昇温脱離ガス分析
    装置。
  5. 【請求項5】前記黒色の石英ガラス板に代えて前記試料
    ステージに透明な石英ガラス板が装着可能であり、前記
    ガラス棒端部平面には前記黒色の石英ガラス板に組み込
    まれた測温素子とは別の測温素子が装着可能である請求
    項3または4記載の昇温脱離ガス分析装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013254704A (ja) * 2012-06-08 2013-12-19 Hitachi High-Technologies Corp 昇温脱離ガス分析装置及び試料支持板フォルダ
CN104237057A (zh) * 2014-09-05 2014-12-24 兰州空间技术物理研究所 真空中非金属材料可凝挥发物的特性测试方法
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