JP2002089711A - 自動変速装置 - Google Patents

自動変速装置

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JP2002089711A
JP2002089711A JP2000284475A JP2000284475A JP2002089711A JP 2002089711 A JP2002089711 A JP 2002089711A JP 2000284475 A JP2000284475 A JP 2000284475A JP 2000284475 A JP2000284475 A JP 2000284475A JP 2002089711 A JP2002089711 A JP 2002089711A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 副変速装置及び動力分配装置を備えた自動変
速装置において、副変速装置がニュートラル位置であっ
ても、車両駐車中に確実に車輪を固定でき、油の循環経
路を確保することができる自動変速装置を提供するこ
と。 【解決手段】 エンジンからの回転駆動力を変速する変
速機10と、変速機10の出力軸30からの駆動力を前
後輪側の出力軸60,61に分配する動力分配装置49
と、変速機出力軸30と動力分配装置49との間にあっ
て、高速段、低速段及びニュートラル位置を有する副変
速装置48と、車輪の回転をロックするパーキングギヤ
58と、を備えた自動変速装置において、パーキングギ
ヤ58を、動力分配装置49の駆動力出力部と後輪側ま
たは前輪側の出力軸60,61の間に配置したこととし
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、動力分配装置を備
えた自動変速装置に関し、特に、トロイダル型無段変速
機を備えた四輪駆動車の駆動力伝達装置の制御装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、自動変速機を四輪駆動に用いよう
とした場合、出力軸回転を更に分岐して変速機の側方に
取り出す必要がある。そこで、この従来技術として実開
平2−43554号公報に記載の技術が知られている。
この公報に記載の技術には、図9に示すように、変速機
構部100からの出力軸上にパーキング機構101が設
けられ、更に出力軸上に変速比がハイ側、ロー側及びニ
ュートラル位置を有する副変速装置102が設けられて
いる。そして、後輪側出力軸103に回転駆動力を出力
すると共に、ベルト104を介して前輪側出力軸105
にも回転駆動力を出力するよう構成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
自動変速機を備えた四輪駆動車においては、パーキング
機構101が副変速装置102よりも変速機構部100
側に設けられているため、車両駐車中に副変速装置10
2がニュートラル位置にされると、いくらパーキング機
構101により変速機出力軸をロックしても、車輪が回
転してしまうという問題があった。
【0004】本発明は上述のような課題に基づいて成さ
れたもので、本発明が解決しようとする課題は、副変速
装置及び動力分配装置を備えた自動変速装置において、
副変速装置がニュートラル位置であっても、車両駐車中
に確実に車輪を固定でき、油の循環経路を確保すること
ができる自動変速装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明で
は、エンジンからの回転駆動力を変速する変速機と、該
変速機の出力軸からの駆動力を前後輪側の出力軸に分配
する動力分配装置と、前記変速機出力軸と前記動力分配
装置との間にあって、高速段、低速段及びニュートラル
位置を有する副変速装置と、車輪の回転をロックするパ
ーキングギヤと、を備えた自動変速装置において、前記
パーキングギヤを、前記動力分配装置の駆動力出力部と
前記後輪側または前記前輪側の出力軸の間に配置したこ
とを特徴とする。
【0006】請求項2に記載の発明では、請求項1に記
載の自動変速装置において、前記後輪側の出力軸を、前
記変速機の入力軸と同心軸上に配置し、前記パーキング
ギヤを前記後輪側の出力軸上に配置したことを特徴とす
る。
【0007】請求項3に記載の発明では、請求項1に記
載の自動変速装置において、前記変速機を、変速機入力
軸の軸心と変速機出力軸の軸心が異なり、変速比を無段
階に変速可能な無段変速機とし、前記変速機出力軸とし
て、カウンタシャフトを変速機入力軸と平行に配置し、
該カウンタシャフト上に前記副変速装置を設け、前記変
速機入力軸と前記後輪側入力軸を同心軸上に配置し、前
記自動変速装置を、前記変速機を収納する第1収納室
と、該第1収納室に軸方向に隣接し、少なくとも前記副
変速装置と前記動力分配装置を収納する第2収納室と、
該第2収納室を挟んで第1収納室と軸方向に対向する位
置に隣接し、前記パーキングギヤと前記後輪側入力軸の
一部を収納する第3収納室を軸方向に隣接するように構
成し、前記第1収納室と前記第2収納室を区画する隔壁
に、前記変速機側から前記第2及び第3収納室に供給さ
れた潤滑油を戻す戻り通路を設けたことを特徴とする。
【0008】請求項4に記載の発明では、請求項3記載
の自動変速装置において、前記変速機を、変速機入力軸
の軸心と変速機出力軸の軸心が異なり、変速比を無段階
に変速可能な無段変速機とし、前記変速機出力軸とし
て、カウンタシャフトを変速機入力軸と平行に配置し、
該カウンタシャフト上に前記副変速装置を設け、前記変
速機入力軸と前記後輪側入力軸を同心軸上に配置し、前
記前輪側入力軸の軸心を、前記後輪側入力軸の軸心と前
記動力分配装置の軸心を介して対向する位置に配置し、
前記パーキングギヤを、前記前輪側入力軸と同心軸上に
配置し、前記自動変速装置を、前記変速機を収納する第
1収納室と、少なくとも前記副変速装置と前記動力分配
装置を収納する第2収納室を軸方向に隣接するように構
成し、前記第1収納室と前記第2収納室を区画する隔壁
に、前記変速機側から前記第2に供給された潤滑油を戻
す戻り通路を設けたことを特徴とする。
【0009】
【発明の作用および効果】請求項1記載の自動変速機で
は、パーキングギヤを動力分配装置の駆動力出力部と後
輪側または前輪側の出力軸の間に配置したことで、変速
機出力軸と動力分配装置の間に設けられた副変速装置が
車両駐車中にニュートラル位置に切り換えられたとして
も、車輪の回転を確実にロックすることが可能となり、
駐車中の車両の走行を確実に防止することができる。
【0010】請求項2記載の自動変速機では、後輪側の
出力軸が変速機入力軸と同心軸上に配置され、この後輪
側出力軸上にパーキングギヤが配置されたことで、従来
の変速機のパーキングギヤを固定するパーキングポール
を作動するパーキングロッドの長さを変更するのみで搭
載することが可能となり、従来のパーキング機構を流用
することで、パーキング機構を容易に設置することがで
きる。
【0011】請求項3記載の自動変速装置では、第1収
納室と第2収納室と第3収納室が軸方向に隣接して設け
られ、第3収納室にパーキングギヤが配置されている。
そして、第1収納室と第2収納室を区画する隔壁に、変
速機側から第2及び第3収納室に供給された潤滑油を戻
す戻り通路が設けられている。すなわち、第3収納室に
パーキングギヤが配置されているため、パーキング機構
が戻り通路を妨げることがない。よって、潤滑経路が妨
げられることが無く、油の戻り通路を広く確保すること
が可能となり、副変速装置及び動力分配機構から無段変
速機側へ油を素早く戻すことができる。よって、フリク
ションの増加による燃費の悪化を防止することができ
る。
【0012】請求項4記載の自動変速装置では、前輪側
入力軸の軸心を、後輪側入力軸の軸心と動力分配装置の
軸心を介して対向する位置に配置し、パーキングギヤを
前輪側入力軸と同心軸上に配置し、第1収納室と第2収
納室を区画する隔壁に、変速機側から第2及び第3収納
室に供給された潤滑油を戻す戻り通路が設けられてい
る。すなわち、前輪側入力軸と同心軸上にパーキングギ
ヤが配置されているため、パーキング機構が後輪側入力
軸と動力分配装置近傍に設けられた戻り通路を妨げるこ
とがない。よって、油の戻り通路を広く確保することが
可能となり、副変速装置及び動力分配機構から無段変速
機側へ油を素早く戻すことができる。よって、フリクシ
ョンの増加による燃費の悪化を防止することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】(実施の形態1)図1は実施の形
態1のトロイダル型無段変速機を示す全体構成図であ
り、パーキングギヤ58が第1出力軸上60上に設けら
れたものである。10はトロイダル型無段変速機を示
し、図外のエンジンからの回転駆動力がトルクコンバー
タ12を介して入力される。トルクコンバータ12は、
ポンプインペラ12a,タービンランナ12b,ステー
タ12c,ロックアップクラッチ12d,アプライ側油
室12e,及びリリース側油室12f等からなり、その
中心部をインプットシャフト14が貫通している。
【0014】前記インプットシャフト14は、前後進切
換機構36と連結され、該機構36は、遊星歯車機構4
2,前進用クラッチ44及び後進用ブレーキ46などを
備える。遊星歯車機構42は、リングギヤ42b,サン
ギヤ42cと噛合するピニオン42aを有してなる。
【0015】前記遊星歯車機構42のピニオンキャリヤ
はトルク伝達軸16に連結され、該トルク伝達軸16に
は、第一無段変速機構18及び第二無段変速機構20が
トランスミッションケース47a内の下流側にタンデム
配置される(デュアルキャビティ型)。尚、符号64で
示すベースに、後述するパワーローラ18c、dや前後
進切り換え用クラッチ44,ブレーキ46へ油圧を供給
するコントロールバルブのボディを配置する。
【0016】前記第一無段変速機構18は、対向面がト
ロイダル曲面に形成される一対の入力ディスク18a及
び出力ディスク18bと、これら入出力ディスク18
a,18bの対向面間に摩擦接触されると共にトルク伝
達軸16に関し対称配置される一対のパワーローラ18
c,18dと、これらパワーローラ18c,18dをそ
れぞれ傾転可能に支持する支持機構及び油圧アクチュエ
ータとしてのサーボピストンを備える。第二無段変速機
構20も同様、対向面がトロイダル曲面に形成される一
対の入力ディスク20a及び出力ディスク20bと、一
対のパワーローラ20c,20dと、その支持機構及び
サーボピストンを備える。
【0017】トルク伝達軸16上において無段変速機構
18,20は、出力ディスク18b,20bが対向する
ように互いに逆向きに配置され、第一無段変速機構18
の入力ディスク18aは、トルクコンバータ12を経た
入力トルクに応じた押圧力を発生するローディングカム
装置34によって図中軸方向右側に向かって押圧され
る。
【0018】前記ローディングカム装置34は、ローデ
ィングカム34aを有し、スライドベアリング38を介
し軸16に支持される。第二無段変速機構20の入力デ
ィスク20aは、皿ばね40(付勢手段)により図中軸
方向左側に向かって押圧付勢されている。
【0019】各入力ディスク18a,20aは、ボール
スプライン24,26を介して伝達軸16に回転可能か
つ軸方向に移動可能に支持される。
【0020】上記機構において、各パワーローラ20
c,20dは後述する作動により変速比に応じた傾転角
が得られるようにそれぞれ傾転され、入力ディスク18
a,20aの入力回転を無段階(連続的)に変速して出
力ディスク18b,20bに伝達する。
【0021】出力ディスク18a,18bは、トルク伝
達軸16上に相対回転可能に嵌合された出力ギヤ28と
スプライン結合され、伝達トルクは該出力ギヤ28を介
し、出力軸(カウンタシャフト)30に結合したギヤ3
0aに伝達され、これらギヤ28,30aはトルク伝達
機構32を構成する。また、出力軸30上には、副変速
装置11を構成するLoギヤ50,Hiギヤ51及び変
速比をハイ側及びロー側に切り換える切り換え機構48
とが設けられ、出力軸30の回転駆動力をLoギヤ50
もしくはHiギヤ51へ伝達する。更に、この副変速装
置11はニュートラル位置を有し、これにより変速機側
から出力軸30に入力された回転駆動力を伝達しないだ
けでなく、駆動輪側から出力軸30に回転駆動力を伝達
することがないよう構成されている。
【0022】切り換え機構48において選択されたギヤ
50,51の回転は、トルク分配機構(動力分配装置)
49のディファレンシャル側Loギヤ52もしくはディ
ファレンシャル側Hiギヤ53に入力され、トルク分配
機構49の第1出力ギヤ81と連結した第1アイドラギ
ヤ54から第1ギヤを介して後輪側への出力軸である第
1出力軸60へ回転駆動力が伝達されると共に、トルク
分配機構49の第2出力ギヤ82と連結した第2アイド
ラギヤ55から前輪側への出力軸である第2出力軸61
へ回転駆動力が伝達され、四輪駆動走行を行うよう構成
されている。また、第1出力軸60上にはパーキングギ
ヤ58が設けられ、パーキングポール59と嵌合するこ
とによって、車輪をロックするものである。そして、第
1収納室R1はトランスミッションケース47aにより
形成されてトロイダル型無段変速機10の無段変速機構
18,19を収納し、第2収納室R2は、第1収納室R
1に隣接し、トランスミッションケース47aの隔壁4
7dとトランスファーケース47bによって形成され、
副変速装置11とトルク分配機構49とを収納し、第3
収納室R3は、トランスファーケース47bの隔壁47
eとリヤカバー47cとにより形成され、第1アイドラ
ギヤ54、第1出力軸60の第1ギヤ56及びパーキン
グギヤ58を収納している。
【0023】図2はトロイダル型無段変速機10の出力
軸30の回転駆動力を前後輪へ分配するトランスアクス
ル部を表す軸方向断面図、図3はトランスアクスル部の
軸方向垂直断面を表す概略図である。前述した切り換え
機構48は、リンケージ48bを操作するステップモー
タ48と、出力軸30の回転駆動力をハイ側,ロー側ま
たはニュートラル位置に切り換えるカップリングスリー
ブ48cから構成されている。ステップモータ48aが
軸方向にリンケージ48bを作動することで、カップリ
ングスリーブ48cが出力軸30とLoギヤ50及びH
iギヤ51と出力軸30をシンクロ機構を含むクラッチ
を介してスプライン嵌合により連結する。このように、
本実施の形態の副変速装置11はハイ側、ロー側及びニ
ュートラル位置を摩擦クラッチに駆動力伝達を頼ること
なく、スムーズな切り換えと確実な駆動力伝達を行うこ
とができる。
【0024】また、図3に示すように、変速機入力軸で
あるトルク伝達軸16の軸心と、後輪側への第1出力軸
60の軸心は同軸上に配置され、副変速装置11は変速
機出力軸30と同軸上に配置されている。そして、トル
ク分配機構49が第1ギヤ56とLoギヤ50及びHi
ギヤ51によって規定される位置に配置されている。す
なわち、トルク分配機構49へ動力を伝達するディファ
レンシャル側ローギヤ52,及びディファレンシャル側
ハイギヤ53を軸方向に挟んで対向する位置であって、
トルク分配機構49から第1出力軸60と第2出力軸6
1がトルク分配機構49を軸方向に挟んで対向する位置
に設け、更に第1アイドラギヤは軸方向後輪側、第2ア
イドラギヤは軸方向前輪側に配置されている。
【0025】これにより、カウンタシャフト30及び動
力分配装置49の径方向の外周付近の寸法を小さくする
ことができる。しかも、第1アイドラギヤ54と第2ア
イドラギヤ55との間に副変速装置を配置しているた
め、第1出力軸60と切り換え機構48との干渉も回避
することができる。従って、トルク分配機構49まわり
の径方向寸法をコンパクトにしながらも十分なスペース
を確保することが可能となり、ステップモータ48a等
の切り換え機構48を配置する際の設計自由度を向上す
ることができる。ここで、カウンタシャフト30から動
力分配装置49を介して第1出力軸60に対して出力す
る際、第1出力軸60をトルク伝達軸16と同心軸上に
配置することで、変速機ユニット自体にねじり応力等が
発生することなく剛性の低下を防止することができるも
のである。
【0026】図4はトランスミッションケース47aの
軸方向リヤ側から見た正面図である。このトランスミッ
ションケース47aの隔壁47dには、トルク分配機構
49を支持するサポート部材63と、出力軸30がトラ
ンスファーケース47b内に貫通する貫通孔68が設け
られている。これらサポート部材63と貫通孔68はリ
ブ63aにより支持されており、このリブ63aの間で
あって、図中網掛け部分に油の戻し通路69が設けられ
ている。ここで、潤滑構造について説明する。変速機1
0側からパイプ62を介してリヤカバー47c内の第3
収納室R3へ供給される潤滑油は、潤滑を必要とするベ
アリング64,65を潤滑と共に、リヤカバー47cに
設けられた油路を介してベアリング66,67を潤滑す
る。
【0027】これらのベアリング64,65,66,6
7等を潤滑後、潤滑油はリヤカバー47c内から第2収
納室R2であるトランスファーケース47b内に流れ込
み、第2収納室R2に変速機10側から出力軸30を介
して供給され、ベアリング80等を潤滑した潤滑油と共
に、トランスミッションケース47aの隔壁47dに形
成された戻し通路69から第1収納室R1側へ戻り、ト
ランスミッションケース47aの下部に配置されたオイ
ルパン47fに回収される。このとき、パーキング機構
が第3収納室R3であるリヤカバー47c内に構成され
たことで、上述の戻し通路69が十分に確保され、また
その周辺に油の流れの障害となる構成がないため、副変
速装置11及びトルク分配機構48が収納された第2収
納室R2から無段変速機10側へ油を素早く戻すことが
できる。よって、フリクションの増加による燃費の悪化
を防止することができる。
【0028】図5はリヤカバー47c内に構成されたパ
ーキング機構を表す図である。第1出力軸60と一体に
回転するパーキングギヤ59の外周に、パーキングギヤ
58にかみ合い可能な嵌合部59aを有するパーキング
ポール59がピン71を支点として揺動可能に設けられ
ている。パーキングポール59はスプリング70により
常に非かみ合い位置側に付勢されている。リヤカバー4
7cに固定されたサポートアクチュエータ73とパーキ
ングポール59の間にパーキングロッド72が配置され
ている。パーキングロッド72はロッドによって軸方向
に移動可能である。ロッドは運転者によって操作される
セレクトレバーによって作動し、Pレンジにおいてパー
キングロッド72の軸方向の動きによってパーキングポ
ール59をかみ合い位置に移動させることができるもの
である。
【0029】以上説明したように、本実施の形態1にお
いては、パーキングギヤ58をトルク分配装置49の駆
動力出力部である第1アイドラギヤ54または第2アイ
ドラギヤ55と第1または第2出力軸60,61の間に
配置したことで、カウンタシャフト30とトルク分配装
置49の間に設けられた切り換え機構48が車両駐車中
にニュートラル位置に切り換えられたとしても、車輪の
回転を確実にロックすることが可能となり、駐車中の車
両の走行を確実に防止することができる。
【0030】また、第1出力軸60がトルク伝達軸16
と同心軸上に配置され、この第1出力軸60上にパーキ
ングギヤが配置されたことで、従来の変速機のパーキン
グギヤを固定するパーキングポールを作動するパーキン
グロッドの長さを変更するのみで搭載することが可能と
なり、従来のパーキング機構を流用することで、パーキ
ング機構を容易に設置することができる。
【0031】また、パーキング機構がリヤカバー47c
内に構成されたことで、上述の戻し通路69が十分に確
保され、またその周辺に油の流れの障害となる構成がな
いため、副変速装置11及びトルク分配機構48等を収
納する第2収納室R2側から第1収納室R1である無段
変速機10側へ油を素早く戻すことができる。よって、
フリクションの増加による燃費の悪化を防止することが
できる。
【0032】(実施の形態2)図6は本発明の実施の形
態2を示しており、パーキング機構をトルク分配機構4
9上に配置したものである。基本的構成は実施の形態1
と同様であり、異なる点についてのみ説明する。図6は
第1アイドラギヤ54よりも車両後方側にパーキングギ
ヤ58が設けられ、パーキング機構が実施の形態1と同
様に第3収納室R3であるリヤカバー47c内に構成さ
れたものである。パーキング機構は、図3の断面図で示
すトルク分配機構49の第1アイドラギヤ54の外周付
近に設けられている。これにより、実施の形態1と同様
に戻り通路69付近に油の流れの障害となるものがな
く、切り換え機構48及びトルク分配機構49を収納す
る第2収納室R2側から第1収納室R1側へ油を素早く
戻すことができる。よって、フリクションの増加による
燃費の悪化を防止することができる。
【0033】また、パーキングギヤ58をトルク分配装
置49の駆動力出力部である第1アイドラギヤ54また
は第2アイドラギヤ55と第1または第2出力軸60,
61の間に配置したことで、カウンタシャフト30とト
ルク分配装置49の間に設けられた切り換え機構48が
車両駐車中にニュートラル位置に切り換えられたとして
も、車輪の回転を確実にロックすることが可能となり、
駐車中の車両の走行を確実に防止することができる。
【0034】(実施の形態3)図7は本発明の実施の形
態3を示しており、パーキング機構を第2出力軸61上
に配置したものである。基本的構成は実施の形態1と同
様であり、異なる点についてのみ説明する。パーキング
ギヤ58は第2出力軸61上に設けられ、パーキング機
構が図3の断面図で示すと第2ギヤ57を包含するトラ
ンスミッションケース47c付近に設けられている。図
4に示すように、第2出力軸61は、第1出力軸60と
トルク分配機構49を介して対向する位置に配置されて
いる。すなわち、第2出力軸61と同心軸上にパーキン
グギヤ58が配置されているため、パーキング機構が第
1出力軸60とトルク分配機構49近傍に設けられた戻
り通路69を妨げることがない。よって、油の戻り通路
69を広く確保することが可能となり、切り換え機構4
8及びトルク分配機構49を収納する第2収納室R2側
から第1収納室R1側へ油を素早く戻すことができる。
よって、フリクションの増加による燃費の悪化を防止す
ることができる。
【0035】また、パーキングギヤ58をトルク分配装
置49の駆動力出力部である第1アイドラギヤ54また
は第2アイドラギヤ55と第1または第2出力軸60,
61の間に配置したことで、カウンタシャフト30とト
ルク分配装置49の間に設けられた切り換え機構48が
車両駐車中にニュートラル位置に切り換えられたとして
も、車輪の回転を確実にロックすることが可能となり、
駐車中の車両の走行を確実に防止することができる。
【0036】(実施の形態4)図8は本発明の実施の形
態4を示しており、パーキング機構をトルク分配機構4
9上に配置したものである。基本的構成は実施の形態1
と同様であり、異なる点についてのみ説明する。図8は
第2アイドラギヤ55よりも車両前方側にパーキングギ
ヤ58が設けられ、パーキング機構が第2収納室R2で
あるトランスファーケース47b内に構成されたもので
ある。パーキング機構は、図3の断面図で示すトルク分
配機構49の第2アイドラギヤ55の外周付近に設けら
れている。これにより、パーキングギヤ58をトルク分
配装置49の駆動力出力部である第1アイドラギヤ54
または第2アイドラギヤ55と第1または第2出力軸6
0,61の間に配置したことで、カウンタシャフト30
とトルク分配装置49の間に設けられた切り換え機構4
8が車両駐車中にニュートラル位置に切り換えられたと
しても、車輪の回転を確実にロックすることが可能とな
り、駐車中の車両の走行を確実に防止することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1のトロイダル型無段変速機を備え
た四輪駆動車両の駆動系を示すスケルトン図である。
【図2】実施の形態1のトランスアクスル部を表す軸方
向断面図である。
【図3】実施の形態1のトランスアクスル部の軸位置を
表す軸方向垂直断面図である。
【図4】実施の形態1のトランスミッションケースの軸
方向リヤ側から見た正面図である。
【図5】実施の形態1のパーキング機構を表す図であ
る。
【図6】実施の形態2のトロイダル型無段変速機を備え
た四輪駆動車両の駆動系を示すスケルトン図である。
【図7】実施の形態3のトロイダル型無段変速機を備え
た四輪駆動車両の駆動系を示すスケルトン図である。
【図8】実施の形態4のトロイダル型無段変速機を備え
た四輪駆動車両の駆動系を示すスケルトン図である。
【図9】従来の自動変速機を備えた四輪駆動車両の駆動
系の配置を表す概略図である。
【符号の説明】
10 トロイダル型無段変速機 11 副変速装置 12 トルクコンバータ 12a ポンプインペラ 12b タービンランナ 12c ステータ 12d ロックアップクラッチ 12e アプライ側油室 12f リリース側油室 14 インプットシャフト 16 トルク伝達軸 18 第一無段変速機構 18a 入力ディスク 18b 出力ディスク 18c,18d パワーローラ 20 第二無段変速機構 20a 入力ディスク 20b 出力ディスク 20c,20d パワーローラ 24,26 ボールスプライン 28 出力ギヤ 30a ギヤ 30 出力軸 32 トルク伝達機構 34 ローディングカム装置 34a ローディングカム 36 前後進切換機構 38 スライドベアリング 42 遊星歯車機構 42a ピニオン 42b リングギヤ 42c サンギヤ 44 前進用クラッチ 46 後進用ブレーキ 47a トランスミッションケース 47b トランスファーケース 47c リヤカバー 48 切り換え機構 48a ステップモータ 48b リンケージ 48c カップリングスリーブ 49 トルク分配機構 50 Loギヤ 51 Hiギヤ 52 ディファレンシャル側Loギヤ 53 ディファレンシャル側Hiギヤ 54 第1アイドラギヤ 55 第2アイドラギヤ 56 第1ギヤ 57 第2ギヤ 58 パーキングギヤ 59 パーキングポール 59a 嵌合部 60 第1出力軸 61 第2出力軸 62 パイプ 63 サポート部材 64,65,66,67 ベアリング 68 貫通孔 69 戻り通路 70 スプリング 71 ピン 72 パーキングロッド 73 サポートアクチュエータ 81 第1出力ギヤ 82 第2出力ギヤ 100 変速機構部 101 パーキング機構 102 副変速装置 103 後輪側出力軸 104 ベルト 105 前輪側出力軸 R1 第1収納室 R2 第2収納室 R3 第3収納室
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石川 泰彦 栃木県大宮町2388番地 栃木富士産業株式 会社内 Fターム(参考) 3D043 AA10 AB01 AB17 EA02 EA22 EA39 EF17 3J063 AA02 AB02 AB33 AB54 AC03 BA11 BB31 CA03 CB01 CD41 XD03 XD32 XD47 XD62 XE17 XE18 3J067 AC02 AC34 AC51 AC53 BA44 FA05 FA57 FA63 FB76 GA03

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンからの回転駆動力を変速する変
    速機と、 該変速機の出力軸からの駆動力を前後輪側の出力軸に分
    配する動力分配装置と、 前記変速機出力軸と前記動力分配装置との間にあって、
    高速段、低速段及びニュートラル位置を有する副変速装
    置と、 車輪の回転をロックするパーキングギヤと、 を備えた自動変速装置において、 前記パーキングギヤを、前記動力分配装置の駆動力出力
    部と前記後輪側または前記前輪側の出力軸との間に配置
    したことを特徴とする自動変速装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の自動変速装置におい
    て、 前記後輪側の出力軸を、前記変速機の入力軸と同心軸上
    に配置し、前記パーキングギヤを前記後輪側の出力軸上
    に配置したことを特徴とする自動変速装置。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の自動変速装置におい
    て、 前記変速機を、変速機入力軸の軸心と変速機出力軸の軸
    心が異なり、変速比を無段階に変速可能な無段変速機と
    し、 前記変速機出力軸として、カウンタシャフトを変速機入
    力軸と平行に配置し、該カウンタシャフト上に前記副変
    速装置を設け、 前記変速機入力軸と前記後輪側入力軸を同心軸上に配置
    し、 前記自動変速装置を、前記変速機を収納する第1収納室
    と、該第1収納室に軸方向に隣接し、少なくとも前記副
    変速装置と前記動力分配装置を収納する第2収納室と、
    該第2収納室を挟んで第1収納室と軸方向に対向する位
    置に隣接し、前記パーキングギヤと前記後輪側入力軸の
    一部を収納する第3収納室を軸方向に隣接するように構
    成し、 前記第1収納室と前記第2収納室を区画する隔壁に、前
    記変速機側から前記第2及び第3収納室に供給された潤
    滑油を戻す戻り通路を設けたことを特徴とする自動変速
    装置。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の自動変速装置におい
    て、 前記変速機を、変速機入力軸の軸心と変速機出力軸の軸
    心が異なり、変速比を無段階に変速可能な無段変速機と
    し、 前記変速機出力軸として、カウンタシャフトを変速機入
    力軸と平行に配置し、 該カウンタシャフト上に前記副変速装置を設け、 前記変速機入力軸と前記後輪側入力軸を同心軸上に配置
    し、 前記前輪側入力軸の軸心を、前記後輪側入力軸の軸心と
    前記動力分配装置の軸心を介して対向する位置に配置
    し、 前記パーキングギヤを、前記前輪側入力軸と同心軸上に
    配置し、 前記自動変速装置を、前記変速機を収納する第1収納室
    と、少なくとも前記副変速装置と前記動力分配装置を収
    納する第2収納室を軸方向に隣接するように構成し、 前記第1収納室と前記第2収納室を区画する隔壁に、前
    記変速機側から前記第2に供給された潤滑油を戻す戻り
    通路を設けたことを特徴とする自動変速装置。
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KR101860868B1 (ko) * 2017-06-29 2018-05-25 현대위아(주) 차량의 파킹 및 디스커넥팅 장치
CN113417984A (zh) * 2021-06-11 2021-09-21 唐山通力齿轮有限公司 一种手动分动器取力机构及方法

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