JP3903605B2 - トロイダル式無段変速機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、トロイダル式無段変速機に関し、車両用変速機の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
車両用の変速機として、入力ディスクと出力ディスクとの間に両ディスク間の動力伝達を行うローラーを圧接状態で介設すると共に、このローラーを傾転させて両ディスクに対する接触位置を半径方向に変化させることにより、両ディスク間の動力伝達の変速比を無段階に変化させるようにしたトロイダル式無段変速機が実用化されつつあり、この種の変速機として、特開平7−293652号公報に開示されたものがある。
【0003】
この変速機は、一端部からエンジン出力が入力される第1軸上にトロイダル式無段変速機構を配設すると共に、該第1軸に平行に配置された第2軸上に前後進切換機構としての遊星歯車機構を配設したもので、上記ローラーを回転自在に支持するローラ支持部材としてのトラニオンの入、出力ディスクに対する移動軸線が水平方向に配向されている。したがって、トラニオンないしローラは該移動軸線に沿って水平方向に移動し、上記トラニオンをその移動軸線の前後で摺動可能に支持するトラニオン支持部材が垂直方向に延びるように設けられている。そして、上記第2軸は、該第2軸寄りのトラニオン支持部材を挟んで、上記トラニオンと反対側に配置されつつ、できるだけ第1軸との軸間距離が短くなるように配置され、変速機全体のコンパクト性の向上が図られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、通常、上記のような無段変速機においては、第1軸の軸線と第2軸の軸線との間に動力の伝達を行なうギヤ列が備えられると共に、第2軸の軸線と、第3軸としてのデファレンシャルギヤ機構(差動装置)における車軸の軸線との間にも動力伝達のためのギヤ列が備えられる。さらに、第2軸上には、該第2軸と第1軸との間で動力伝達を行うクラッチ機構が設けられる場合がある。特に、第2軸と第3軸との間のギヤ列は、該第2軸上に設けられた小径の出力ギヤと、第3軸上に設けられたデファレンシャルギヤ機構の大径の駆動ギヤとで構成されて、変速機構側からの出力を減速してデファレンシャルギヤ機構側へ伝達するようになっている。
【0005】
その場合に、デファレンシャルギヤ機構側への動力伝達時に要求される減速比は、通常は、上記のような第2軸上の出力ギヤと第3軸上の駆動ギヤとで達成することができるが、特に大きな減速比が要求される場合には、このような一段のギヤ列ではその減速比を達成することができない場合がある。
【0006】
この場合、第2軸と第3軸との間にアイドル軸を配置し、このアイドル軸上に、上記出力ギヤと噛み合う大径の第1アイドルギヤと、駆動ギヤと噛み合う小径の第2アイドルギヤとを並置して、上記第2軸軸線上の小径ギヤと大径アイドルギヤとの間で第1段階の減速を行うと共に、小径アイドルギヤと第3軸軸線上の大径ギヤとの間で第2段階の減速を行って、全体として大きな減速比が得られるように構成することが考えられる。
【0007】
しかし、第2軸と第3軸との間に、このような2段階の減速を行うためのアイドル軸を備える場合は、その分だけ、第2軸の配設位置が上方に移動することになる。ここで、この第2軸と第1軸との間にも動力伝達のために噛合し合うギヤ列が備えられているから、結局、第2軸は、第1軸との間の軸間距離を一定に維持したまま、第1軸中心の円弧に沿って斜め上方に移動して配置されることになる。すると、水平方向における第1、第2の軸間距離が短くなり、ここで、第2軸上に設けられたクラッチ機構と、垂直方向に延びるように設けられているトラニオン支持部材とが干渉する問題が生じるのである。
【0008】
そして、この不具合を回避するために第2軸の上方移動を避けようとすると、アイドル軸が横方向に張り出して配設されることになり、変速機全体が大型化するという問題が発生する。
【0009】
そこで、本発明は、上記のように、前後進切換機構やクラッチ機構が設けられた第2軸と、デファレンシャルギヤ機構が設けられた第3軸との間に、減速比確保のためのアイドル軸が配設される構成のトロイダル式無段変速機において、変速機全体としての大型化と、各軸上に備えられた各種の部材同士の干渉とを共に回避し得るレイアウトを提供することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は次のように構成したことを特徴とする。
【0011】
まず、本願の特許請求の範囲の請求項1に記載の発明(以下、第1発明という)は、一端部からエンジン出力が入力される第1軸上に配置されたトロイダル式無段変速機構と、該第1軸に平行な第2軸上に配置された前後進切換機構と、これらの軸に平行な第3軸上に配置されたデファレンシャルギヤ機構と、上記第2軸上に配置されて第1軸と第2軸との間で動力伝達を行うクラッチ機構と、上記無段変速機構とクラッチ機構の作動とを制御する制御手段とを有するトロイダル式無段変速機であって、上記第2軸と第3軸との間に、第2軸上の出力ギヤと噛み合う大径の第1アイドルギヤ及び第3軸上のデファレンシャルギヤ機構の駆動ギヤと噛み合う小径の第2アイドルギヤを有し且つ上記第1、第2及び第3軸に平行なアイドル軸が配置されていると共に、これらの軸の延設方向に直交する面内において、第2軸の軸心と第3軸の軸心とを結ぶ延長線を挟んで且つ該第2軸の軸心と第3軸の軸心との間の位置に、第1軸とアイドル軸とが配置され、且つ、上記トロイダル式無段変速機構におけるローラ支持部材の移動軸線が、上記面内において、水平方向よりも、上記第2軸、上記第3軸及び上記アイドル軸のいずれに対しても、反対側が低く傾斜して配置されていることを特徴とする。
【0012】
また、請求項2に記載の発明(以下、第2発明という)は、上記第1発明において、ローラ支持部材は、作動油の給排により生成する油圧を受けて作動する油圧作動式のピストンを備え、該ピストンに対する制御手段の油圧制御により上記ローラ支持部材が移動軸線に沿って移動すると共に、上記ピストンが、移動軸線上において、第2軸、第3軸及びアイドル軸のいずれに対しても、反対側に配置されていることを特徴とする。
【0013】
また、請求項3に記載の発明(以下、第3発明という)は、上記第2発明において、ローラ支持部材のピストンは、変速機ケースの一側面寄りに配置されていると共に、該ピストンに対して作動油の給排を行なうバルブボディが、上記一側面の下部に設けられていることを特徴とする。
【0014】
また、請求項4に記載の発明(以下、第4発明という)は、上記第3発明において、バルブボディは、油圧を調圧するソレノイドバルブを有し、該ソレノイドバルブが、変速機ケース内に貯留されている作動油の油面の下に配置されていることを特徴とする。
【0015】
また、請求項5に記載の発明(以下、第5発明という)は、上記第4発明において、変速機ケース内に貯留されている作動油を吸入してバルブボディに供給するオイルポンプが、該バルブボディが設けられている変速機ケースの一側面寄りに配置されていることを特徴とする。
【0016】
また、請求項6に記載の発明(以下、第6発明という)は、上記第5発明において、オイルポンプにより吸入される作動油の吸入部が、該オイルポンプ寄りに配置されていることを特徴とする。
【0017】
上記のような構成により、本願各発明によればそれぞれ次のような作用が得られる。
【0018】
まず、第1発明によれば、第1軸上に備えられたトロイダル式無段変速機構におけるローラ支持部材としてのトラニオンの移動軸線が、各軸の延設方向に直交する面内において、水平方向から傾斜して配置されるので、このトラニオンを支持するトラニオン支持部材もまた垂直に配向されるのではなく、同面内において、垂直方向から同様に傾斜して配置されることになる。特に、その場合に、他の第2軸、第3軸及びアイドル軸から遠い方のトラニオンの側が低くなるように傾斜して配置されるから、トラニオン支持部材は、その上側の部分が第2軸と第3軸とを結ぶ延長線から離反するような姿勢で傾くことになる。
【0019】
したがって、第2軸と第3軸との間にアイドル軸を配置する際のレイアウトとして、変速機全体の大型化を回避するために上記第2軸を上方移動させるレイアウトを採用し、その結果、第1軸と第2軸との水平方向における軸間距離が短くなっても、トラニオン支持部材における特に上側の部分が上記第2軸を避けるように該第2軸から遠ざかるので、該第2軸上に設けられたクラッチ機構と、上記トラニオン支持部材との干渉の問題が回避されることになる。
【0020】
次に、第2発明によれば、特に、ローラ支持部材が移動軸線に沿う移動のための油圧作動式のピストンを備えている場合に、該ピストンが上記移動軸線上において、第2軸、第3軸及びアイドル軸のいずれに対しても、反対側、すなわち、傾斜した結果低く位置することになる側に配置されているから、これらのピストンに対する油量が確保でき、無段変速機構における変速比制御の応答性の向上が図られる。
【0021】
次に、第3発明によれば、特に、ローラ支持部材のピストンが変速機ケースの一側面寄りに配置されているから、該側面もまたローラ支持部材の傾斜に伴って、トラニオン支持部材と同様に、上方の部分が第2軸、第3軸及びアイドル軸側から遠ざかるように傾斜することになり、その結果、変速機ケースの該側面の外部において下方にスペースが生じる。そして、この一側面の下部に、上記ピストンに対して作動油の給排を行なうバルブボディが設けられているから、該下方スペースが有効利用され、バルブボディが変速機ケースから横方向に突出することがない。
【0022】
次に、第4発明によれば、特に、上記バルブボディに組み入れられた油圧調圧用のソレノイドバルブが、変速機ケース内に貯留されている作動油の油面の下に配置されているから、該ソレノイドバルブの冷却や振動音の吸収が図られる。
【0023】
次に、第5発明によれば、特に、変速機ケース内に貯留されている作動油を吸入してバルブボディに供給するオイルポンプが、該バルブボディが設けられている変速機ケースの上記の一側面寄りに配置されているから、オイルポンプからバルブボディへの作動油の供給ないし作動圧の調圧の応答性が向上する。
【0024】
そして、第6発明によれば、特に、上記オイルポンプにより吸入される作動油の吸入部が、該オイルポンプ寄りに配置されているから、作動油の吸入が効率よく行なわれることになる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態に係るトロイダル式無段変速機構について説明する。
【0026】
図1は本実施の形態に係る変速機の機械的構成を示す骨子図であり、この変速機10は、エンジン1の出力軸2にトーショナルダンパ3を介して連結されたインプットシャフト11と、該シャフト11の外側に遊嵌合された中空のプライマリシャフト12と、これらのシャフト11,12に平行に配置されたセカンダリシャフト13とを有し、これらのシャフト11〜13が、いずれも当該車両の横方向に延びるように配置されている。また、該変速機10の反エンジン側の端部には、上記インプットシャフト11及びプライマリシャフト12とセカンダリシャフト13との間に位置するように中間シャフト14が配置されている。
【0027】
上記プライマリシャフト12上には、トロイダル式の第1、第2無段変速機構20,30と、ローディングカム機構40とが配設されていると共に、上記セカンダリシャフト13上には、遊星歯車機構50と、ローモードクラッチ60及びハイモードクラッチ70とが配設されており、また、上記中間シャフト14上には始動クラッチ80が配設されている。
【0028】
また、上記インプットシャフト11の反エンジン側の端部と中間シャフト14との間には、増速用ギヤ列90が介設されていると共に、上記インプットシャフト11及びプライマリシャフト12の軸線とセカンダリシャフト13の軸線との間には、変速用第1、第2ギヤ列100,110が介設されている。そして、上記セカンダリシャフト13のエンジン側の端部には、出力用ギヤ列120が設けられ、このギヤ列120によりディファレンシャルギヤ機構130を介して左右の車軸4,5が駆動されるようになっている。
【0029】
次に、図2以下の図面を用いて上記の構成をさらに詳しく説明する。
【0030】
まず、図2に示すように、上記第1、第2無段変速機構20,30はほぼ同一の構成とされ、いずれも、対向面がトロイダル面とされた入力ディスク21,31と出力ディスク22,32とを有し、これらの対向面間に、両ディスク21,22間及び31,32間でそれぞれ動力を伝達するローラー23,33が2つづつ介設されている(図8参照)。
【0031】
これらの無段変速機構20,30のうち、エンジン1から遠い方に配置された第1無段変速機構20は、入力ディスク21が反エンジン側に、出力ディスク22がエンジン側に配置され、また、エンジン1に近い方に配置された第2無段変速機構30は、入力ディスク31がエンジン側に、出力ディスク32が反エンジン側に配置されている。そして、両無段変速機構20,30の入力ディスク21,31はプライマリシャフト12の両端部寄りにそれぞれ結合され、また、出力ディスク22,32は一体化されて、該プライマリシャフト12の中間部に回転自在に支持されている。
【0032】
また、上記第1無段変速機構20の入力ディスク21の反エンジン側にはローディングカム機構40が配設されている。このローディングカム機構40は、プライマリシャフト12上に支持されたカムディスク41及び上記入力ディスク21の互いに対向する面を一対のカム面とし、これらのカム面の間に複数のローラー42…42を配置した構成とされている。
【0033】
そして、該カムディスク41と第1無段変速機構20の入力ディスク21との間でトルクが伝達されるときに、カムディスク41により上記ローラー42…42を介して入力ディスク21がエンジン側に押圧されると共に、その反力がカムディスク41からプライマリシャフト12を介して第2無段変速機構30の入力ディスク31に伝達されて、該入力ディスク31が反エンジン側に押圧される。これにより、第1、第2無段変速機構20,30とも、入力ディスク21,31と出力ディスク22,32との間にローラー23,33が挟み付けられ、所要のトルク伝達容量が得られるようになっている。
【0034】
一方、図2、図3に示すように、上記増速用ギヤ列90は、インプットシャフト11の反エンジン側の端部に一体形成された第1ギヤ91と、中間シャフト14上に配置されてこの第1ギヤ91に噛み合わされた第2ギヤ92とで構成されている。
【0035】
また、この増速用ギヤ列90のエンジン側に近接して設けられた変速用第1ギヤ列100は、上記中間シャフト14上における増速用ギヤ列90の第2ギヤ92のエンジン側に配置された第1ギヤ101と、プライマリシャフト12上に回転自在に支持されてこの第1ギヤ101に噛み合わされた第2ギヤ102と、セカンダリシャフト13上に配置されて同じく上記第1ギヤ101に噛み合わされた第3ギヤ103とで構成されている。そして、プライマリシャフト12上の第2ギヤ102が上記ローディングカム機構40におけるカムディスク41に連結され、またセカンダリシャフト13上の第3ギヤ103がローモードクラッチ60にそれぞれ連結されている。
【0036】
さらに、上記中間シャフト14上における増速用ギヤ列90の第2ギヤ92と変速用第1ギヤ列100の第1ギヤ101との間に、始動クラッチ80が介設されている。この始動クラッチ80は、上記増速用ギヤ列90の第2ギヤ92に結合されたクラッチドラム81と、上記変速用第1ギヤ列100の第1ギヤ101に結合されたクラッチハブ82と、これらの間に介設された複数のクラッチプレート83…83と、油圧室84に作動圧が供給されたときに、これらのクラッチプレート83…83を結合することにより当該始動クラッチ80を締結させるピストン85等で構成されている。
【0037】
そして、この始動クラッチ80の締結時に、上記クラッチドラム81及びクラッチハブ82を介して、増速用ギヤ列90の第2ギヤ92と変速用第1ギヤ列100の第1ギヤ101とが結合されると共に、これに伴い、インプットシャフト11が、増速用ギヤ列90及び変速用第1ギヤ列の第1、第2ギヤ101,102を介してローディングカム機構40に連結され、また、同じく変速用第1ギヤ列の第1、第3ギヤ101,103を介してローモードクラッチ60にそれぞれ連結されるようになっている。
【0038】
ここで、上記中間シャフト14は、変速機ケース140の反エンジン側の端部に設けられた軸部141と、該ケース140の反エンジン側の端部を閉鎖する後部カバー142の内面にエンジン側に向けて突設された軸部143とによって構成され、これらの軸部141,143に、上記変速用第1ギヤ列100の第1ギヤ101と増速用ギヤ列90の第2ギヤ92とがそれぞれ回転自在に支持されている。
【0039】
そして、上記後部カバー142には、後述する変速制御ユニットから導かれて該カバー142の壁面内を通過した後、上記軸部143内をその軸方向に延びる油圧供給通路144が設けられ、この油圧供給通路144が上記増速用ギヤ列90の第2ギヤ92に設けられた通孔92aを介して始動クラッチ80の油圧室84に連通されている。
【0040】
次に、図2、図4により、セカンダリシャフト13上の遊星歯車機構50、ローモードクラッチ60及びハイモードクラッチ70等の構成を説明する。
【0041】
まず、セカンダリシャフト13の中央部に配置された遊星歯車機構50は、サンギヤ51と、該サンギヤ51に噛み合った複数のピニオン52…52と、これらのピニオン52…52を回転自在に支持するピニオンキャリヤ53と、各ピニオン52…52に噛み合ったインターナルギヤ54とで構成されており、このうち、インターナルギヤ54がセカンダリシャフト13に固定された出力要素とされている。
【0042】
また、この遊星歯車機構50の反エンジン側に配置されたローモードクラッチ60は、クラッチドラム61と、クラッチハブ62と、これらの間に介設された複数のクラッチプレート63…63と、油圧室64への作動圧の供給時にこれらのクラッチプレート63…63を結合させるピストン65等で構成されている。
【0043】
そして、クラッチドラム61が、セカンダリシャフト13の反エンジン側の端部に回転自在に支持された変速用第1ギヤ列100の第3ギヤ103に結合されていると共に、クラッチハブ62は遊星歯車機構50のピニオンキャリヤ53に結合されており、したがって、該ローモードクラッチ60の締結時に、上記変速用第1ギヤ列100の第3ギヤ103と遊星歯車機構50の第1の入力要素としてのピニオンキャリヤ53とが結合されることになる。
【0044】
また、セカンダリシャフト13上における遊星歯車機構50のエンジン側には、変速用第2ギヤ列110の第2ギヤ112が配置されている。
【0045】
この変速用第2ギヤ列110は、プライマリシャフト12上における無段変速機構20,30の一体化された出力ディスク22,32の外周に設けられた第1ギヤ111と、この第1ギヤ111に噛み合わされた上記第2ギヤ112とで構成されている。そして、この第2ギヤ112が上記遊星歯車機構50のサンギヤ51に結合されており、したがって、無段変速機構20,30の出力ディスク22,32と遊星歯車機構50の第2の入力要素としてのサンギヤ51とが常時連動するようになっている。
【0046】
さらに、セカンダリシャフト13上における変速用第2ギヤ列110の第2ギヤ112のエンジン側には、ハイモードクラッチ70が配設されている。このハイモードクラッチ70も、クラッチドラム71と、クラッチハブ72と、これらの間に介設された複数のクラッチプレート73…73と、油圧室74への作動圧の供給時にこれらのクラッチプレート73…73を結合させるピストン75等で構成されている。
【0047】
そして、クラッチドラム71が、セカンダリシャフト13のエンジン側の端部に固定された出力用ギヤ列120の第1ギヤ121に結合されていると共に、クラッチハブ72は上記変速用第2ギヤ列110の第2ギヤ112に結合されており、したがって、該ハイモードクラッチ70の締結時に、上記変速用第2ギヤ列110の第2ギヤ112がセカンダリシャフト13ないし出力用ギヤ列120に連結されることになる。
【0048】
ここで、図4に示すように、セカンダリシャフト13の反エンジン側の端部は、上記後部カバー142の内面に設けられてエンジン側に突出する軸部145に嵌合されていると共に、この軸部145内には、後述する変速制御ユニットから該カバー142の壁面内を通って導かれたローモードクラッチ用及びハイモードクラッチ用の2本の油圧供給通路146,147がエンジン側に向けて延設されている。
【0049】
そして、ローモードクラッチ用油圧供給通路146は、セカンダリシャフト13に設けられた半径方向の通孔13a及びローモードクラッチ60におけるクラッチドラム61の内周部に設けられた通孔61aを介して該ローモードクラッチ60の油圧室64に連通されており、また、ハイモードクラッチ用油圧供給通路147は、セカンダリシャフト13に設けられた軸方向の通孔13bを介してエンジン側に導かれた後、該シャフト13の半径方向の通孔13c及びハイモードクラッチ70におけるクラッチドラム71の内周部に設けられた通孔71aを介して該ハイモードクラッチ70の油圧室74に連通されている。
【0050】
さらに、図2、図5により、上記出力用ギヤ列120の構成を説明すると、このギヤ列120は、セカンダリシャフト13のエンジン側の端部に固定されて該シャフト13及びハイモードクラッチ70のクラッチドラム71に結合された第1ギヤ121と、上記変速機ケース140とそのエンジン側の端部を閉鎖する前部カバー148とに両端部を回転自在に支持されたアイドルシャフト125に固設され、上記第1ギヤ121に噛み合わされた第2ギヤ122と、該アイドルシャフト125上における第2ギヤ122の反エンジン側に一体形成された第3ギヤ123と、車軸4,5の軸線上に配置されて第3ギヤ123に噛み合わされた第4ギヤ124とで構成されている。そして、上記第4ギヤ124が、上記軸線上に配置されたデファレンシャルギヤ機構130のケース131に結合され、これにより、セカンダリシャフト13からの動力が出力ギヤ列120の第1〜第4ギヤ121〜124を介してデファレンシャルギヤ機構130に入力されるようになっている。
【0051】
その場合に、上記アイドルシャフト125上で同一回転する第2ギヤ122と第3ギヤ123とは、後者が前者より小径とされていると共に、第2ギヤ122は、これに噛み合ったセカンダリシャフト13上の第1ギヤ121より大径とされ、また、第3ギヤ123は、これに噛み合った車軸4,5の軸線上の第4ギヤ124より小径とされており、したがって、このアイドルシャフト125上の第2、第3ギヤ122,123を介することにより、セカンダリシャフト13側からデファレンシャルギヤ機構130側への回転の伝達が2段階にわたって減速されて行われることになる。
【0052】
以上の構成に加えて、この変速機10には、オイルポンプ150と、該オイルポンプ150の吐出圧を元圧として上記各クラッチ60,70,80の締結用作動圧及び無段変速機構20,30の変速比制御用作動圧を生成して、これらの作動を制御する変速制御ユニット160とが備えられている。
【0053】
そして、図2、図3及び図6に示すように、上記オイルポンプ150の駆動用として、インプットシャフト11の後端部に、該シャフト11に一体の増速用ギヤ列90の第1ギヤ91とプライマリシャフト12上の変速用第1ギヤ列100の第2ギヤ102との間に位置するように、スプロケット151が取り付けられており、このスプロケット151とオイルポンプ150の入力軸に取り付けられたスプロケット152との間にチェーン153が巻き掛けられている。したがって、オイルポンプ150は、エンジン出力軸2により、インプットシャフト11及び上記チェーン153等を介して常時駆動されることになる。
【0054】
また、上記変速制御ユニット160は、図6、図7に示すように、変速機ケース140の一方の側面140aに取り付けられて、カバー170によって覆われていると共に、特に図6に示すように、この変速制御ユニット160に上記オイルポンプ150が取り付けられている。そして、このオイルポンプ150により、変速機ケース140の下面140bに取り付けられたオイルパン171内の作動油(油面を符号アで示す。)がオイルストレーナ180を介して吸入されて上記変速制御ユニット160に供給され、この変速制御ユニット160で所定の作動圧に調整されたのち、前述の後部カバー142に設けられた油圧供給通路144,146,147を介して始動クラッチ80、ローモードクラッチ60及びハイモードクラッチ70に作動圧として供給されるようになっている。また、変速比制御用の作動圧は、該変速制御ユニット160のトラニオン駆動部161(図8も参照)に供給され、これにより、無段変速機構20,30の変速比が制御される。
【0055】
次に、この実施の形態に係る変速機10の作用を説明する。
【0056】
まず、無段式変速機構20,30について、その構成と作用を、図8により第1無段変速機構20を例に取って詳しく説明すると、入、出力ディスク21,22間に介設された一対のローラー23,23は、これらのディスク21,22のほぼ半径方向に延びるシャフト24,24を介してトラニオン25,25にそれぞれ支持され、入、出力ディスク21,22の互いに対向するトロイダル面の円周上の180°反対側にやや傾斜した状態でほぼ上下に平行に配置されており、その周面の180°反対側の2箇所で上記両ディスク21,22のトロイダル面にそれぞれ対接している。
【0057】
また、上記トラニオン25,25は、変速機ケース140に組み付けられた左右の支持部材26,26間に支持され、両ディスク21,22の接線方向であってローラー23,23のシャフト24,24に直交する軸心X,X回りの回動及び該軸心X,X方向の直線往復運動が可能とされている。そして、これらのトラニオン25,25に、上記軸心X,Xに沿って一側方に延びるロッド27,27が連設され、上記変速制御ユニット160により、これらのロッド27,27を介して、トラニオン25,25が上記X,X方向に駆動され、これに伴ってローラー23,23が入、出力ディスク21,22間で傾転されるようになっている。
【0058】
つまり、変速制御ユニット160は、トラニオン駆動部161と油圧制御部162とを有し、トラニオン駆動部161に、上方に位置する第1トラニオン251のロッド27に取り付けられた増速用及び減速用のピストン1631,1641と、下方に位置する第2トラニオン252のロッド27に取り付けられた同じく増速用及び減速用のピストン1632,1642とが備えられ、上方のピストン1631,1641の互いに対向する面側に増速用及び減速用油圧室1651,1661が、また、下方のピストン1632,1642の互いに対向する面側に増速用及び減速用油圧室1652,1662がそれぞれ設けられている。
【0059】
なお、上方に位置する第1トラニオン251については、増速用油圧室1651がローラー231側に、減速用油圧室1661が反ローラー231側にそれぞれ配置され、また、下方に位置する第2トラニオン252については、増速用油圧室1652が反ローラー232側に、減速用油圧室1662がローラー232側にそれぞれ配置されている。
【0060】
そして、上記油圧制御部162で生成された増速用油圧が、油路167,168を介して、上方に位置する第1トラニオン251の増速用油圧室1651と、下方に位置する第2トラニオン252の増速用油圧室1652とに供給され、また、同じく油圧制御部162で生成された減速用油圧が、図示しない油路を介して、上方に位置する第1トラニオン251の減速用油圧室1661と、下方に位置する第2トラニオン252の減速用油圧室1662とに供給されるようになっている。
【0061】
ここで、第1無段変速機構20を例にとって上記増速用及び減速用油圧の供給制御と当該無段変速機構20の変速動作との関係をさらに詳しく説明する。
【0062】
まず、図8に示す油圧制御部162の作動により、第1、第2トラニオン251,252の増速用油圧室1651,1652に供給されている増速用油圧が、第1、第2トラニオン251,252の減速用油圧室1661,1662に供給されている減速用油圧に対して所定の中立状態より相対的に高くなると、上方の第1トラニオン251は図面上、右側斜め上方に、下方の第2トラニオン252は左側斜め下方にそれぞれ移動することになる。
【0063】
このとき、図示されている出力ディスク22がx方向に回転しているものとすると、上方の第1ローラー231は、右側斜め上方への移動により該出力ディスク22から下向きの力を受け、図面の手前側にあって反x方向に回転している入力ディスク21からは上向きの力を受けることになる。また、下方の第2ローラー232は、左側斜め下方への移動により、出力ディスク22から上向きの力を受け、入力ディスク21からは下向きの力を受けることになる。その結果、上下のローラー231,232とも、入力ディスク21との接触位置は半径方向の外側に、出力ディスク22との接触位置は半径方向の内側に移動するように傾転し、当該無段変速機構20の変速比が小さくなる(増速)。
【0064】
また、上記とは逆に、第1、第2トラニオン251,252の減速用油圧室1661,1662に供給されている減速用油圧が、第1、第2トラニオン251,252の増速用油圧室1651,1652に供給されている増速用油圧に対して所定の中立状態より相対的に高くなると、上方の第1トラニオン251は図面上、左側斜め下方に、下方の第2トラニオン252は右側斜め上方にそれぞれ移動する。
【0065】
このとき、上方の第1ローラー231は出力ディスク22から上向きの力を、入力ディスク21から下向きの力を受け、また、下方の第2ローラー232は、出力ディスク22から下向きの力を、入力ディスク21から上向きの力を受けることになる。その結果、上下のローラー231,232とも、入力ディスク21との接触位置は半径方向の内側に、出力ディスク22との接触位置は半径方向の外側に移動するように傾転し、当該無段変速機構20の変速比が大きくなる(減速)。
【0066】
以上のような第1無段変速機構20についての構成及び作用は、第2無段変速機構30についても同様である。
【0067】
そして、図2に示すように、インプットシャフト11上に遊嵌合された中空のプライマリシャフト12の両端部に、第1、第2無段変速機構20,30の入力ディスク21,31がそれぞれ一体回転するように嵌合されて、これらの入力ディスク21,31が常に同一回転するようになっており、また、前述のように、両無段変速機構20,30の出力ディスク22,32は一体化されているので、両無段変速機構20,30の出力側の回転速度も常に同一となる。そして、これに伴って、上記のようなローラー23,33の傾転制御による第1、第2無段変速機構20,30の変速比の制御も、該変速比が常に同一に保持されるように行われる。
【0068】
次に、変速機10の全体としての動作を説明する。
【0069】
まず、エンジン1の停止中は、始動クラッチ80、ローモードクラッチ60及びハイモードクラッチ70がいずれも解放された状態にあり、この状態からエンジン1を始動させたときに、まずローモードクラッチ60が締結される。
【0070】
その場合に、始動時ないし始動直後においては、始動クラッチ80は解放された状態に保持され、エンジン1の回転は、インプットシャフト11から増速用ギヤ列90にのみ伝達されて、変速用第1ギヤ列100の第1ギヤ101から第2ギヤ102及びローディングカム機構40を介して無段変速機構20,30に至る経路、及び同じく変速用第1ギヤ列100の第1ギヤ101から第3ギヤ103及びローモードクラッチ60を介して遊星歯車機構50に至る経路は、いずれもインプットシャフト11から切り離された状態にある。したがって、エンジン1の始動時に作用する負荷が軽減され、それだけ該エンジン1の始動性が向上する。
【0071】
そして、エンジン始動後の所定の時期に上記始動クラッチ80が締結されることになるが、それまでの間においても、インプットシャフト11の回転によりチェーン153等を介してオイルポンプ150は駆動されているから、粘度が高いため作動圧の立ち上がりや供給が遅れる極低温時においても、変速制御ユニット160における油圧制御部162では、始動クラッチ80の締結時点では、作動圧の制御を精度よく行うことができる状態になっており、従って始動クラッチ80を締結したときに、ローモードクラッチ60は完全に締結され、かつ無段変速機20,30も所定の変速比制御が可能な状態となっている。
【0072】
そして、この状態で始動クラッチ80が締結されることにより、エンジン1からの回転は、インプットシャフト11から増速用ギヤ列90、始動クラッチ80を経由した後、変速用第1ギヤ列100の第1ギヤ101、第3ギヤ103及び上記ローモードクラッチ60を介して遊星歯車機構50のピニオンキャリヤ53に入力される。また、上記エンジン1からの回転は、同じく増速用ギヤ列90、始動クラッチ80を経由した後、上記変速用第1ギヤ列100の第1ギヤ101、第2ギヤ102及びローディングカム機構40を介して第1無段変速機構20の入力ディスク21に入力され、ローラー23,23を介して出力ディスク22に伝達されると同時に、上記入力ディスク21からプライマリシャフト12を介して、第2無段変速機構30の入力ディスク31にも入力され、上記第1無段変速機構20と同様に、ローラー33,33を介して出力ディスク32に伝達される。
【0073】
そして、この第1、第2無段変速機構20,30の一体化された出力ディスク22,32の回転は、該ディスク22,32の外周に設けられた変速用第2ギヤ列110の第1ギヤ111とセカンダリシャフト13上の第2ギヤ112とを介して上記遊星歯車機構50のサンギヤ51に入力される。
【0074】
したがって、遊星歯車機構50には、ピニオンキャリヤ53とサンギヤ51とに回転が入力されることになるが、このとき、その回転速度の比が上記第1、第2無段変速機構20,30の変速比制御によって所定の比に設定されることにより、該遊星歯車機構50のインターナルギヤ54の回転、即ちセカンダリシャフト13から出力用ギヤ列120を介してデファレンシャルギヤ装置130に入力される回転がゼロとされ、当該変速機10がギヤードニュートラルの状態となる。
【0075】
その場合に、上記のように、始動クラッチ80が接続された時点では、無段変速機構20,30の変速比制御用の作動圧は所要の油圧に精度よく調整可能な状態とされているから、上記のようなギヤードニュートラルのための変速比制御が正しく行われることになり、この制御を作動圧が不十分あるいは不安定な状態で行うことによる無段変速機構20,30の耐久性の低下等の不具合が防止されることになる。
【0076】
そして、この状態から上記第1、第2無段変速機構20,30の変速比を変化させて、上記遊星歯車機構50のピニオンキャリヤ53への入力回転速度とサンギヤ51への入力回転速度との比を変化させれば、変速機10の全体としての変速比が大きな状態、即ちローモードの状態で、インターナルギヤ54ないしセカンダリシャフト13が前進方向または後退方向に回転し、デファレンシャルギヤ機構130を介して当該車両が発進することになる。
【0077】
なお、このローモードでは、変速用第1ギヤ列100及びローモードクラッチ60を介してセカンダリシャフト13上の遊星歯車機構50に動力が入力された際の反力が該遊星歯車機構50から変速用第2ギヤ列110を介してプライマリシャフト12上における無段変速機構20,30の出力ディスク22,32に入力されると共に、これらの無段変速機構20,30内を出力ディスク22,32側から入力ディスク21,31側へ向けて伝達されたのち、上記変速用第1ギヤ列100を介して再び遊星歯車機構50に入力され、図1に矢印aで示すような循環トルクが発生する。
【0078】
また、上記のようにして車両が前進方向に発進した後、所定のタイミングで上記ローモードクラッチ60を解放すると同時に、ハイモードクラッチ70を締結すれば、インプットシャフト11に入力されたエンジン1からの回転は、ローディングカム機構40から第1、第2無段変速機構20,30の入力ディスク21,31に入力され、それぞれローラー23,33を介して出力ディスク22,32に伝達されると共に、さらに、変速用第2ギヤ列110からハイモードクラッチ70を介してセカンダリシャフト13に伝達される。このとき、上記遊星歯車機構50は空転状態となって、変速機10全体としての変速比は上記第1、第2無段変速機構20,30の変速比にのみ対応することになり、変速比が小さな状態、即ちハイモードの状態で無段階に制御されることになる。
【0079】
ところで、この変速機10においては、前述のように、インプットシャフト11からの動力は増速用ギヤ列90を介して遊星歯車機構50または無段変速機構20,30に入力されることになるから、該遊星歯車機構50または無段変速機構20,30に入力されるトルクは増速された分だけ小さくなり、これに伴って、無段変速機構20,30を通過する最大のトルクであるローモードでの循環トルクも小さくなる。
【0080】
したがって、この無段変速機構20,30のトルク伝達容量を低減することが可能となり、該機構20,30がコンパクト化されると共に、入、出力ディスク21,31,22,32とローラー23,33との接触面における摩擦が低減されて、そのトルク伝達効率や耐久性が向上する。また、変速比制御用の作動圧の低下や潤滑油量の低減が可能となって、オイルポンプ150の駆動損失が低減されることにより、変速機10全体としての動力伝達効率も向上することになるのである。
【0081】
また、始動クラッチ80も増速ギヤ列90の出力側に配置されているので、該増速ギヤ列90で増速された分だけ入力トルクが小さくなり、したがって、この始動クラッチ80もトルク伝達容量を小さくすることができて、コンパクト化や作動圧の低下等が可能となる。さらに、これと同様の作用がローモードクラッチ60及びハイモードクラッチ70についても得られることになる。
【0082】
また、この変速機10においては、特に図2及び図3に示すように、インプットシャフト11上におけるオイルポンプ駆動用のスプロケット151が、中間シャフト14上における始動クラッチ80の配設位置と軸方向のほぼ同一位置に配設されている。したがって、始動クラッチ80の配設により生じる軸方向のスペースが有効利用されて上記スプロケット151が配設されることになり、変速機10全体としての軸方向寸法の増大が抑制されている。
【0083】
また、上記スプロケット151は、インプットシャフト11上における増速用ギヤ列90の第1ギヤ91と、変速用第1ギヤ列100の第2ギヤ102との間に配設されているので、このスプロケット151及びこれに巻き掛けられたチェーン153が無段変速機構20,30と干渉することなく配設されることになる。
【0084】
さらに、特に図3及び図4に示すように、中間シャフト14上に配置された始動クラッチ80への油圧供給通路144と、セカンダリシャフト13上に配置されたローモードクラッチ60及びハイモードクラッチ70への油圧供給通路146,147とが、いずれも後部カバー142に設けられて、上記中間シャフト14及びセカンダリシャフト13の同じ側の端部からエンジン側に向けて延びている。また、この後部カバー142の近傍にオイルポンプ150及び変速制御ユニット160が配置されている。したがって、該オイルポンプ150ないし変速制御ユニット160から、上記始動クラッチ80やローモードクラッチ60及びハイモードクラッチ70への作動圧の供給通路144,146,147が、いずれも短く、しかも、その長さが均等化されることになる。その結果、上記各クラッチ60,70,80に対し、作動圧を応答性よく供給することができると共に、これらのクラッチ60,70,80の作動タイミングを精度よく設定することが可能となる。
【0085】
さらに、この変速機10においては、エンジン1からの動力をインプットシャフト11から増速用ギヤ列90を介して無段変速機構20,30や遊星歯車機構50に入力するようになっている関係で、セカンダリシャフト13からデファレンシャルギヤ機構130へ動力を伝達する出力用ギヤ列120が減速用ギヤ列として構成されている。その場合に、このギヤ列120が、変速機全体としての大型化等の不具合を生じさせることなく、所要の減速比が得られるように構成されている。次にこの点について説明する。
【0086】
この出力用ギヤ列120は、前述のように、セカンダリシャフト13上の第1ギヤ121と、アイドルシャフト125上に同一回転するように並設された第2、第3ギヤ122,123と、車軸4,5ないしデファレンシャルギヤ機構130の軸線上に配置された第4ギヤ124とで構成され、これら各ギヤ121〜124の径を所定の寸法に設定することにより、セカンダリシャフト13からデファレンシャルギヤ機構130への動力の伝達時に、2段階の減速が行われるようになっている。
【0087】
その場合に、図5に拡大して示すように、アイドルシャフト125上の第2、第3ギヤ122,123は、大径の第2ギヤ122がエンジン1側に、小径の第3ギヤ123が反エンジン1側に配置されている。一方、この出力用ギヤ列120に近接するセカンダリシャフト13上のエンジン側の端部にはハイモードクラッチ70が配置されており、このハイモードクラッチ70と上記出力用ギヤ列120の小径の第3ギヤ123とが、図2に示すように、それぞれセカンダリシャフト13上及びアイドルシャフト125上において、軸方向のほぼ同一位置に配設されている。
【0088】
つまり、セカンダリシャフト13における第1ギヤ121より大径のハイモードクラッチ70が配設されている位置に対応させて、アイドルシャフト125上に小径の第3ギヤ123が配置されているのであり、これにより、セカンダリシャフト13とアイドルシャフト125との軸間距離を短くすることが可能とされ、あるいは該ハイモードクラッチ70とアイドルシャフト125上のギヤとを軸方向にオフセットさせる必要がなくなり、その結果、変速機10の全体がコンパクトに構成されているのである。
【0089】
さらに、セカンダリシャフト13上で遊星歯車機構50の両側に配置されるローモードクラッチ60とハイモードクラッチ70のうち、伝達トルクが小さく、したがって径が小さな方のハイモードクラッチ70を上記出力用ギヤ列120と同じエンジン側に配置することによっても、変速機全体のコンパクト化が図られている。
【0090】
つまり、エンジン側または反エンジン側において、伝達トルクが大きく、したがって径が大きなローモードクラッチ60と出力用ギヤ列120とが近接されて配置される場合、これらの干渉を避けるために変速機全体を大型化しなければならないことになるが、上記のように、径の小さなハイモードクラッチ70の方を出力用ギヤ列120と同じ側に配設することにより、変速機全体の大型化が回避されているのである。
【0091】
さらにまた、この変速機10においては、特に図8に示すように、各トラニオン25の移動軸心Xが水平方向に延びるのではなく、鉛直面内において傾斜して延びている。したがって、前述したように、各トラニオン25、ロッド27及びローラ23,33が、それぞれ水平方向に移動するのではなく、図8において、右側斜め上方にあるいは左側斜め下方に移動する。
【0092】
その場合に、各トラニオン25等は、図6及び図7にも示すように、変速機ケース140の一側面140a側が低くなるように傾斜している。つまり、油圧制御部162の作動によりトラニオン駆動部161で増速用油圧及び減速用油圧の給排を受けるピストン163,164が配設されている側が低くなるように傾斜している。
【0093】
このような配置を採用した理由はおよそ次の通りである。
【0094】
すなわち、この変速機10においては、前述したように、エンジン出力が増速用ギヤ列90でいったん増速された分、出力用ギヤ列120が減速用ギヤ列として構成され、アイドルシャフト125上に大径の第2ギヤ122と小径の第3ギヤ123とが並設されている。そして、同じく前述したように、小径の第3ギヤ123とハイモードクラッチ70とが、それぞれ軸方向の同一位置に配設されている。その場合に、第3ギヤ123はデファレンシャルギヤ機構130の第4ギヤ124と噛み合っているから、結局、この大径の第4ギヤ124とハイモードクラッチ70とも相互に軸方向においてほぼ同一位置に配設されている。したがって、これらの干渉を避けるべく、セカンダリシャフト13とデファレンシャルギヤ機構130における車軸4,5との軸間距離を大きくしなければならない。
【0095】
また、セカンダリシャフト13上における変速用第2ギヤ列110の第2ギヤ112は、プライマリシャフト12上における第1ギヤ111と噛合しなければならない。ここで、車軸4,5の位置やプライマリシャフト12の位置は、それらの変更がそれぞれ駆動輪やエンジン1のサイズやレイアウトの変更を伴うものであるから、予め動かせないものとして固定している。したがって、デファレンシャルギヤ機構130における車軸4,5の位置及びプライマリシャフト12の位置を変えずに、変速用第2ギヤ列110の第1ギヤ111と第2ギヤ112とを噛合させたまま、セカンダリシャフト13を車軸4,5から遠ざけるためには、該セカンダリシャフト13の軸心の位置を、図7において、プライマリシャフト12の軸中心の円弧に沿って右斜め上方へ移動させることになる。
【0096】
すると、該セカンダリシャフト13の軸中心とプライマリシャフト12の軸中心との間隔が水平方向において短くなる。ここで、トラニオン25等が水平方向に移動するように構成すると、該トラニオン25を支持する支持部材26が垂直に配向され、そして、プライマリシャフト12の位置は動かせないから、その支持部材26の上側の部分がセカンダリシャフト13上のローモードクラッチ60やハイモードクラッチ70等と干渉することになる(図6、図7参照)。したがって、この干渉を避けるために、トラニオン25等が傾斜して設けられているのである。これにより、プライマリシャフト12上の第1、第2無段変速機構20,30の部材と、セカンダリシャフト13上に配置された部材との干渉を避けつつ、該セカンダリシャフト13上の部材とデファレンシャルギヤ機構130との干渉も回避でき、ひいては、出力ギヤ列120の減速比を確実にとることが可能となり、さらに、変速機10全体のコンパクト化にも寄与することになる。
【0097】
そして、その場合に、トラニオン25のピストン163,164側が低くなるように傾斜しているから、増速用油圧室165及び減速用油圧室166もまた傾斜の下方向に低く位置し、これにより、これらの油圧室165,166に対する油量が確保できて変速比制御の応答性が向上する。また、図6、図7に示すように、油圧制御部162におけるバルブボディ162aが、変速機ケース140の下面140b寄りに配置されているから、トラニオン25等を傾斜して設けたことにより生じたケース140の一側面140aの下方のスペースが有効利用できて、横方向の寸法拡大が抑制できることになる。
【0098】
さらに、該バルブボディ162aとオイルポンプ150とが上記一側面140a寄りに設けられているから、これにより、作動圧の供給の応答性が向上すると共に、上記バルブボディ162aに配設されて上記の各クラッチ60,70,80の作動を制御する複数のソレノイドバルブ162b…162b(図6,図7参照)が油面アの下に配置されているから、これにより、該ソレノイドバルブ162b…162bの冷却が図られ、また、振動音の吸収が行なわれることになる。
【0099】
また、図9にも示すように、オイルパン171内の作動油を吸入するオイルストレーナ180が、ケース140の下面140bにおいて、オイルポンプ150寄りに設けられているから、効率のよい作動油の吸入が可能となり、また、逆に、潤滑油としての該作動油の回収用の開口190(図6、図7、図9参照)がオイルポンプ150から遠い方に設けられて、潤滑すべき各ギヤや各シャフトの集中している部位の下方に位置しているから、作動油のケース140内の流れが良好に循環することになる。
【0100】
なお、本実施の形態では、結果的に増速用ギヤ列90を設けたことで、セカンダリシャフト13と車軸4,5との間に相殺のための減速用アイドルシャフト125を備え、その結果、トラニオン25の移動軸心が傾斜するレイアウトを採用したが、本発明は、上記のような増速用ギヤ列90を設けることを必要条件とするものではなく、該増速用ギヤ列90のない構成のトロイダル式無段変速機一般に適用されるべきものであることはいうまでもないと共に、セカンダリシャフト13と車軸4,5との間に配設する上記アイドルシャフトのような軸の目的如何によっても本発明の技術的範囲は何等制限を受けるものではない。
【0101】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、前後進切換機構やクラッチ機構が設けられた第2軸と、デファレンシャルギヤ機構が設けられた第3軸との間にアイドル軸を配設する場合に、トロイダル式無段変速機のトラニオンの移動軸線を水平方向から傾斜してレイアウトすることにより、各軸上に備えられた各種の部材同士の干渉を回避しつつ、変速機全体としての大型化もまた回避することができるから、パワートレインのコンパクト化、ひいては車両のコンパクト化等が図られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態に係るトロイダル式無段変速機の機械的構成を示す骨子図である。
【図2】 同変速機の具体的構造を示す展開図である。
【図3】 同変速機の始動クラッチ周辺の拡大図である。
【図4】 同じく遊星歯車機構周辺の拡大図である。
【図5】 同じくデファレンシャルギヤ機構周辺の拡大図である。
【図6】 図2の矢印A方向から見た始動用ギヤ列等の構成を示す拡大図である。
【図7】 同じく矢印B方向から見た変速用第2ギヤ列等の構成を示す拡大図である。
【図8】 図2の矢印C−Cに沿って切断した拡大断面図である。
【図9】 図6の矢印D方向から見た一部切欠きの底面図である。
【符号の説明】
1 エンジン
4,5 車軸(第3軸)
10 トロイダル式無段変速機
11 インプットシャフト(第1軸)
13 セカンダリシャフト(第2軸)
20,30 トロイダル式無段変速機構
25 トラニオン(ローラ支持部材)
50 遊星歯車機構(前後進切換機構)
60 ローモードクラッチ(クラッチ機構)
70 ハイモードクラッチ(クラッチ機構)
121 第1ギヤ(出力ギヤ)
122 第2ギヤ(第1アイドルギヤ)
123 第3ギヤ(第2アイドルギヤ)
124 第4ギヤ(駆動ギヤ)
125 アイドルシャフト(アイドル軸)
130 デファレンシャルギヤ機構

Claims (6)

  1. 一端部からエンジン出力が入力される第1軸上に配置されたトロイダル式無段変速機構と、該第1軸に平行な第2軸上に配置された前後進切換機構と、これらの軸に平行な第3軸上に配置されたデファレンシャルギヤ機構と、上記第2軸上に配置されて第1軸と第2軸との間で動力伝達を行うクラッチ機構と、上記無段変速機構とクラッチ機構の作動とを制御する制御手段とを有するトロイダル式無段変速機であって、上記第2軸と第3軸との間に、第2軸上の出力ギヤと噛み合う大径の第1アイドルギヤ及び第3軸上のデファレンシャルギヤ機構の駆動ギヤと噛み合う小径の第2アイドルギヤを有し且つ上記第1、第2及び第3軸に平行なアイドル軸が配置されていると共に、これらの軸の延設方向に直交する面内において、第2軸の軸心と第3軸の軸心とを結ぶ延長線を挟んで且つ該第2軸の軸心と第3軸の軸心との間の位置に、第1軸とアイドル軸とが配置され、且つ、上記トロイダル式無段変速機構におけるローラ支持部材の移動軸線が、上記面内において、水平方向よりも、上記第2軸、上記第3軸及び上記アイドル軸のいずれに対しても、反対側が低く傾斜して配置されていることを特徴とするトロイダル式無段変速機。
  2. ローラ支持部材は、作動油の給排により生成する油圧を受けて作動する油圧作動式のピストンを備え、該ピストンに対する制御手段の油圧制御により上記ローラ支持部材が移動軸線に沿って移動すると共に、上記ピストンが、移動軸線上において、第2軸、第3軸及びアイドル軸のいずれに対しても、反対側に配置されていることを特徴とする請求項1に記載のトロイダル式無段変速機。
  3. ローラ支持部材のピストンは、変速機ケースの一側面寄りに配置されていると共に、該ピストンに対して作動油の給排を行なうバルブボディが、上記一側面の下部に設けられていることを特徴とする請求項2に記載のトロイダル式無段変速機。
  4. バルブボディは、油圧を調圧するソレノイドバルブを有し、該ソレノイドバルブが、変速機ケース内に貯留されている作動油の油面の下に配置されていることを特徴とする請求項3に記載のトロイダル式無段変速機。
  5. 変速機ケース内に貯留されている作動油を吸入してバルブボディに供給するオイルポンプが、該バルブボディが設けられている変速機ケースの一側面寄りに配置されていることを特徴とする請求項4に記載のトロイダル式無段変速機。
  6. オイルポンプにより吸入される作動油の吸入部が、該オイルポンプ寄りに配置されていることを特徴とする請求項5に記載のトロイダル式無段変速機。
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