JP3505775B2 - 車両の動力伝達装置 - Google Patents

車両の動力伝達装置

Info

Publication number
JP3505775B2
JP3505775B2 JP08195594A JP8195594A JP3505775B2 JP 3505775 B2 JP3505775 B2 JP 3505775B2 JP 08195594 A JP08195594 A JP 08195594A JP 8195594 A JP8195594 A JP 8195594A JP 3505775 B2 JP3505775 B2 JP 3505775B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
transmission unit
shaft
power transmission
power
toroidal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP08195594A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH07293652A (ja
Inventor
和彦 上田
政治 寺内
精人 須山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mazda Motor Corp filed Critical Mazda Motor Corp
Priority to JP08195594A priority Critical patent/JP3505775B2/ja
Publication of JPH07293652A publication Critical patent/JPH07293652A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3505775B2 publication Critical patent/JP3505775B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、トロイダル変速機ユニ
ットが設置された第1軸と、動力伝達ユニットが設置さ
れた第2軸とが平行に配設されてなる車両の動力伝達装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば特開昭64−21261号
公報に示されるように、トルクコンバータのタービンシ
ャフトからなる入力軸上に配設されたトロイダル変速機
ユニットと、上記入力軸と平行に設置されたアイドラ軸
上に配設された前後進切換装置からなる動力伝達ユニッ
トとを有する車両の動力伝達装置が知られている。
【0003】この動力伝達ユニットは、トロイダル変速
機ユニットと動力伝達ユニットとを並列に設置すること
により、上記トロイダル変速機ユニットと動力伝達ユニ
ットとを同軸上に配設した場合に比べて動力伝達装置の
全長を短くすることができるようになっている。また、
上記トロイダル変速機ユニットと動力伝達ユニットとを
並列に設置することによって動力伝達装置の径が増大す
るのを防止するため、同軸上に配設されたトルクコンバ
ータと、トロイダル変速機ユニットとの設置部の間に上
記前後進切換装置からなる動力伝達ユニットが配設され
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のようにトルクコ
ンバータと、トロイダル変速機ユニットとの設置部の間
に動力伝達ユニットを配設した場合には、上記トルクコ
ンバータと、トロイダル変速機ユニットとの間に動力伝
達ユニットを設置するためのスペースを確保する必要が
あり、その分全長が長くなることが避けられないという
問題があった。
【0005】本発明は、上記問題点を解決するためにな
されたものであり、動力伝達装置の径を増大させること
なく、その全長を極力短くしてコンパクト化することが
できる車両の動力伝達装置を提供することを目的として
いる。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
車両に横置き状態で設置されたエンジンの出力軸と同軸
上であってトロイダル変速機ユニットが設置された第1
軸と、前後進切換装置からなる動力伝達ユニットが設置
された第2軸とが平行に配設されてなる車両の動力伝達
装置において、上記動力伝達ユニットとトロイダル変速
機ユニットとの軸方向設置位置が略同位置となるように
並設させ、上記トロイダル変速機ユニットに設けられた
パワーローラの支持軸を鉛直方向に配し、上記パワーロ
ーラを傾動させるための油圧シリンダを上記トロイダル
変速機ユニットの車両前方側に設置するとともに、上記
動力伝達ユニットを上記トロイダル変速機ユニットの車
両後方斜め上方に配設し、駆動輪に動力を伝達する車輪
間デファレンシャルの軸心部を上記トロイダル変速機ユ
ニットの車両後方斜め下方に配設したものである。
【0007】請求項2に係る発明は、上記請求項1記載
の車両の動力伝達装置において、上記トロイダル変速機
ユニットは1対のパワーローラからなるものである。
【0008】
【作用】上記請求項1記載の発明によれば、パワーロー
ラの支持軸が鉛直方向に配されたトロイダル変速機ユニ
ットの車両後方斜め上方に動力伝達ユニットが、車両後
方斜め下方に車輪間デファレンシャルの軸心部が配置さ
れ、更に車両前方側にパワーローラを傾動させるための
油圧シリンダが配置されることになる。これにより、
力伝達ユニットと、トロイダル変速機ユニットと、車輪
間デファレンシャルと、パワーローラ傾転用の油圧シリ
ンダの設置部との相互干渉が防止された状態で、動力伝
達ユニットとトロイダル変速機ユニットとが、その軸方
向設置位置を略同位置とするように並設されることにな
る。
【0009】上記請求項2記載の発明によれば、請求項
1記載の車両の動力伝達装置におけるトロイダル変速機
ユニットは1対のパワーローラからなるので、その全長
が動力伝達ユニットと略等しくなる。従って、これらを
並設することにより、双方を組み合わせたものの全長
を、一方の全長と略等しいものとすることができる。
【0010】
【実施例】図1は、本発明に係る車両の動力伝達装置の
実施例を示している。この動力伝達装置は、車両に横置
き状態で設置されたエンジン1からトルクコンバータ2
を介して出力される駆動力を、減速歯車機構3およびワ
ンウェイクラッチ4を経由して前後進切換装置5からな
る動力伝達ユニットに伝達する第1動力伝達経路6と、
トロイダル変速機ユニット7および切換クラッチ8を介
して上記前後進切換装置5に伝達する第2動力伝達経路
9とを有している。
【0011】上記トルクコンバータ2は、エンジン1の
出力軸10に連なるポンプカバー11と、このポンプカ
バー11に一体に形成されたポンプインペラ12と、こ
れに対向するように設置されたタービンランナ13と、
その間でワンウェイクラッチ14を介して中空固定シャ
フト15に取付けられたステータ16とを備え、エンジ
ン1の駆動力を上記減速歯車機構3およびトロイダル変
速機ユニット7に伝達する動力伝達継手を構成してい
る。
【0012】そして、トルクコンバータ2の出力軸とな
るタービンシャフト17からなる第1軸が上記タービン
ランナ13に結合されるとともに、このタービンシャフ
ト17と、上記エンジン1の出力軸10との間には、ロ
ックアップクラッチ21が設けられている。また、上記
ポンプカバー11内の空間には、作動流体としてのオイ
ルが充満されている。なお、ポンプインペラ12には中
空回転シャフト18が連結され、この中空回転シャフト
18の後端にオイルポンプ19が取付けられている。
【0013】上記減速歯車機構3は、トルクコンバータ
2のタービンシャフト17からなる第1軸と、これと平
行に設置された中空の第2軸20との間に設置された平
歯車からなる第1動力伝達歯車列によって構成されてい
る。すなわち、上記減速歯車機構3は、タービンシャフ
ト17に固定された駆動歯車22と、上記第2軸20に
固定された従動歯車23と、両歯車22,23間に配設
された中間歯車24とからなり、上記タービンシャフト
17に伝達された駆動力を減速して第2軸20に伝達す
るようになっている。また、上記従動歯車23には、タ
ービンシャフト17の駆動力が第2軸20に伝達される
のを許容するとともに、駆動輪側から第2軸20に入力
された駆動力がタービンシャフト17に伝達されるのを
阻止するワンウェイクラッチ4が設けられている。
【0014】上記前後進切換装置5は、第2軸20内に
遊嵌状態で設置された第3軸29と、その一端部に固定
されたサンギヤ25と、第2軸20に固定されたピニオ
ンギヤ26と、後進用ブレーキ27に連結されたリング
ギヤ28とを有する遊星歯車機構からなり、上記第3出
力軸29とピニオンギヤ26との間には、前進用クラッ
チ30が設置されている。また、上記前後進切換装置5
は、その軸方向の設置位置が上記トロイダル変速機ユニ
ット7と略等しい位置に第2軸20に設置されている。
【0015】そして、上記前進用クラッチ30が締結さ
れた前進時には、第2軸20から出力された駆動力が遊
星歯車機構からなる前後進切換装置5を素通りして上記
第3出力軸29に伝達されるとともに、この第3出力軸
29からその他端部に設けられた最終減速歯車列31お
よびデファレンシャル32を介して左右のドライブシャ
フト33に駆動力が伝達される。また、前進用クラッチ
30が解放されて後進用ブレーキ27が締結された後退
時には、第2軸20からの入力が前後進切換装置5を経
由する際に逆転されて上記第3出力軸29に伝達される
ようになっている。
【0016】また、第2動力伝達経路4のトロイダル変
速機ユニット7は、上記タービンシャフト17の一端部
に設置された入力ディスク35と、上記タービンシャフ
ト17中間部に設置された出力ディスク36と、両ディ
スク35,36の間に配設されてこれらに摺接する1対
パワーローラ37とを有している。このパワーローラ
37は、後述する油圧機構によりその傾転角が変更さ
れ、これに応じてトロイダル型無段変速機の変速比が制
御されるように構成されている。
【0017】上記出力ディスク36の端部、つまりトロ
イダル型無段変速機7の出力側には、駆動力を上記第2
軸20に伝達する平歯車からなる第2動力伝達歯車列3
8が設置されている。この第2動力伝達歯車列38は、
上記タービンシャフト17上に設置された駆動歯車39
と、上記第2軸20上に設置された従動歯車40とから
なり、上記従動歯車40には、駆動力の伝達経路を切換
える切換クラッチ8からなる経路切換手段が配設されて
いる。
【0018】上記トロイダル変速機ユニット7の具体的
構成の構成について、図2および図3に基づいて説明す
る。上記トロイダル変速機ユニット7に設けられた入力
ディスク35の側方には、上記タービンシャフト17か
らなる第1軸にスプライン嵌合されたインプットカム4
1が配設され、このインプットカム41と、上記入力デ
ィスク35との間には、リテーナ42に保持されたカム
ローラ43が介設されている。このカムローラ43は、
上記入力ディスク35およびインプットカム41に形成
されたカム面にそれぞれ当接し、上記インプットカム4
1に入力された駆動トルクを入力ディスク35およびパ
ワーローラ37を介して出力ディスク36に伝達するよ
うに構成されている。
【0019】上記タービンシャフト17の先端部には、
ローディングナット44が螺着され、このローディング
ナット44と上記入力ディスク35との間には、この入
力ディスク35を上記出力ディスク36側に付勢する皿
ばねからなる付勢部材45が設置されている。そして、
この付勢部材45の付勢力に応じて上記入力ディスク3
5と出力ディスク36との間に、プリロード圧が付与さ
れるようになっている。
【0020】また、上記出力ディスク36は、ベアリン
グ46および減速歯車機構3の駆動歯車22を介して上
記タービンシャフト17上に設置された第2伝動歯車列
38の駆動歯車39と一体に固定され、この駆動歯車3
9と、これに歯合する従動歯車40と、この従動歯車4
0に設けられた切換クラッチ8とを介して上記第2軸2
0に駆動力を伝達するように構成されている。
【0021】また、上記トロイダル変速機ユニット7内
には、上記パワーローラ37を回転自在に支持する偏心
軸からなる支持軸47が上下両端部に突設されるととも
に、車両前方側端部の上下に一対の軸部材49が突設さ
れたトラニオン48が設けられている。このトラニオン
48の他側端部、つまり上記軸部材49の設置部の反対
側に位置する端部には、球面ブッシュ50と、これを支
持する連結部材51とが設けられ、この連結部材51の
上下方向の中央部が変速機ケーシング52に突設された
支持軸54によって揺動可能に支持されている。また、
上記支持軸54には、上記トラニオン48の揺動支点と
なる球面ブッシュ53が設けられている。
【0022】上記変速機ケーシング52の車両前方側
下には、トラニオン48を作動させるための油圧シリン
ダ55がそれぞれ設けられている。この油圧シリンダ5
5は、上記トラニオン48の軸部材49に支持された一
対のピストン56,57と、この両ピストン56,57
間に位置する一対の画壁板58とによって画成された左
右一対の油圧室59,60を有している。
【0023】そして、油圧シリンダ55の上部左側およ
び下部右側の油圧室59に油圧が導入されると、上部左
側および下部右側のピストン56によりトラニオン48
の上下両端部が押動され、上記球面ブッシュ53の設置
部を中心にしてトラニオン48が図2の反時計方向に揺
動変位する。また、油圧シリンダ55の上部右側および
下部左側の油圧室60に油圧が導入されると、上部右側
および下部左側のピストン57によってトラニオン48
の上下両端部が図2の時計方向に揺動変位する。これに
伴ってパワーローラ37に作用する接線方向の力の向き
が変化し、上記球面ブッシュ30の設置部を中心にして
トラニオン48が揺動変位してパワーローラ57の傾転
角度が変化するようになっている。
【0024】上記トラニオン48の一側端部には、中央
部に位置決め孔61が形成された連結部材62が設置さ
れるとともに、上記画壁板58の上下方向の中央部に突
設されて水平方向に伸びる支持軸63およびこれに外嵌
された支持部材64が上記位置決め孔61に嵌入される
ことにより、トラニオン48の車両前方側端部が変速機
ケーシング52に揺動可能な状態で支持されている。ま
た、上記両画壁板58間には、トラニオン48の軸部材
49に設けられた潤滑油通路65に連通する潤滑油供給
孔66が形成され、上記潤滑油通路65からトラニオン
48に形成された油路67に潤滑油が導出されることに
より、パワーローラ37の支持部の潤滑が行われるよう
になっている。
【0025】上記変速機ケーシング52内の車両前方
端部には、仕切壁68が設置され、この仕切壁68
は、上記トラニオン48の軸部材46の基端部を支持す
るOリング69等からなる弾性支持部材が設置されると
ともに、上記油圧シリンダ55に対する油圧の給排を制
御することによって上記パワーローラの傾転角度を変化
させる変速比制御弁70が設けられている。
【0026】また、上記変速機ケーシング52内の車両
後方斜め上方端部には、上記前後進切換装置5からなる
動力伝達ユニットが配設されている。すなわち、上記ト
ロイダル変速機ユニット7の上下両端部において鉛直方
向に設置されたパワーローラ37の支持軸47の上部延
長線αと、トロイダル変速機ユニット7の左右両側端部
において水平方向に設置されたトラニオン48の支持軸
54の延長線βとの間に、前後進切換装置5の軸心部と
なる上記第2軸20が配設されている。
【0027】上記構成において車両の低速前進時には、
切換クラッチ8および後進用ブレーキ27が解放状態と
なるとともに、前進用クラッチ30が締結状態となって
第1動力伝達経路6による駆動力の伝達が行われる。す
なわち、エンジン1からトルクコンバータ2に入力され
た駆動力は、減速歯車機構6およびワンウェイクラッチ
4を介して上記第2出力軸20に入力された後、前進用
クラッチ30、第3出力軸29、最終減速歯車列31お
よびデファレンシャル32を経由して左右のドライブシ
ャフト33に伝達される。このとき、上記トロイダル型
無段変速機7には、回転軸34を介してエンジン1の駆
動力が伝達され、エンジンの回転方向と同方向に駆動さ
れている。
【0028】また、車両の中・高速前進時には、切換ク
ラッチ8が締結状態となり、上記第2動力伝達経路9に
設けられたトロイダル型無段変速機7から第2動力伝達
歯車列38および切換クラッチ8を経由して上記第2出
力軸20に駆動力が伝達され、上記第2動力伝達経路9
による駆動力の伝達が行われることになる。この場合、
上記ワンウェイクラッチ4が空転することにより、第2
出力軸20から上記タービンシャフト17に逆駆動力が
伝達されることが防止される。
【0029】上記車両の中・高速前進時には、変速比制
御弁70により上記油圧シリンダ55に対する油圧の給
排を制御してパワーローラ37の傾転角度を変化させる
ことにより、トロイダル変速機ユニット7の変速比が車
両の走行状態に適合した値に調節される。そして、上記
トルクコンバータ2のタービンシャフト17からトロイ
ダル変速機ユニット7に入力された駆動力が上記第2動
力伝達歯車列38を介して第2軸20に伝達された後、
上記前後進切換装置5、最終減速歯車列31および車輪
間デファレンシャル32を介して左右のドライブシャフ
ト33に伝達されることになる。
【0030】なお、車両の高速走行時には、駆動力の伝
達ロスを低減して燃費を向上させるため、トルクコンバ
ータ2に設けられたロックアップクラッチ21を締結状
態とすることにより、エンジン1の駆動力がトルクコン
バータ2をバイパスして上記トロイダル型無段変速機7
に伝達されるようになっている。
【0031】また、車両の後退時には、上記動力伝達経
路の切換クラッチ8および前進用クラッチ30が解放状
態となるとともに、後進用ブレーキ27が締結状態とな
ることにより、タービンシャフト17から第2出力軸2
0に入力された駆動力が遊星歯車機構からなる前後進切
換装置5により逆転されて上記第3出力軸29に伝達さ
れた後、最終減速歯車列31およびデファレンシャル3
2を経由して左右のドライブシャフト33に伝達され
る。
【0032】上記のようにパワーローラ37の支持軸4
7が鉛直方向に配されたトロイダル変速機ユニット7の
車両後方斜め上方に動力伝達ユニット5を配設したた
め、上記トロイダル変速機ユニット7と、前後進切換装
置5とを干渉させることなく、両ユニットの軸方向設置
位置を略同位置とするように並設させることができ、こ
れによって動力伝達装置の外径を増大させることなく、
その全長を短くすることができる。すなわち、上記トル
クコンバータ2とトロイダル変速機ユニット7との間
に、前後進切換装置5を設置するためのスペースを確保
する必要がないので、上記トルクコンバータ2とトロイ
ダル変速機ユニット7とを近接させて配設することによ
り、動力伝達装置の全長を短くすることができる。
【0033】特に、上記実施例ではトロイダル変速機ユ
ニットが1対のパワーローラからなるようにしているの
で、図3に示すようにその全長が動力伝達ユニットと略
等しくすることができる。従って、これらを並設するこ
とにより、双方を組み合わせたものの全長を、一方の全
長と略等しいものとすることができる。
【0034】また、パワーローラ37の支持軸47が鉛
直方向に配されたトロイダル変速機ユニット7の車両後
方斜め上方に動力伝達ユニット5を配設するように構成
したため、この前後進切換装置5を上記パワーローラ3
7の設置部の上方または下方に配設した場合のように装
置の上下寸法が増大し、あるいは上記トラニオン48の
支持軸54の側方に配設した場合のように動力伝達装置
の幅寸法が増大するのを防止できる。したがって、変速
機ケーシング52の外径を小さくして動力伝達装置を効
果的にコンパクト化することができる。
【0035】さらに、上記のようにトロイダル変速機ユ
ニット7の上下両端部にパワーローラ37の支持軸47
を配設するとともに、両側端部にトラニオン48の支持
軸54,63を配設した構成によると、トロイダル変速
機ユニット7の上下両端部にトラニオン48の支持軸5
4,63を配設するようにした構成に比べ、動力伝達装
置の上下方向の寸法を効果的に小さくすることができる
ため、車高の低い車両に搭載する場合に適している。
【0036】また、上記のように車輪間デファレンシャ
ル32を上記前後進切換装置5の下方に配設し、トロイ
ダル変速機ユニット7の車両後方斜め下方に配設してい
るので、この車輪間デファレンシャル32と、上記トロ
イダル変速機ユニット7と、前後進切換装置5とを互い
に干渉させることなく、こらの軸心部、つまり駆動輪の
車軸33と、タービンシャフト17からなる第1軸と、
第2軸20とをそれぞれ近接させて設置することができ
る。
【0037】したがって、動力伝達装置の外径を大きく
することなく、車輪間デファレンシャル32を設置する
ことができるとともに、この車輪間デファレンシャル3
2の設置位置を、トロイダル変速機ユニット7および前
後進切換装置5の軸方向にオーバーラップさせることに
より、動力伝達装置の全長をさらに短くすることができ
る。
【0038】また、上記実施例では、油圧シリンダ55
のピストン56,57間に一対の画壁板58を配設し、
この画壁板58間に形成された潤滑油供給口66からト
ラニオン48の軸部材49に設けられた潤滑油通路65
に潤滑油を供給するように構成したため、パワーローラ
37の支持部に対する潤滑油の湯路を容易に形成するこ
とができるという利点がある。
【0039】また、上記油圧シリンダ55の設置部の反
対側の側端部にトラニオン48の揺動支点となる支持軸
54および球面ブッシュ53を設けたため、車両の運転
時に生じる振動を上記油圧シリンダ55が有するダンピ
ング作用によって効果的に吸収することかできる。特
に、上記のように油圧シリンダ55のピストン56,5
7を支持する軸部材49の基端部をOリング69によっ
て支持するように構成した場合には、このOリング69
による弾性支持作用と、上記油圧シリンダ55のダンピ
ング作用との相乗作用により、上記振動をさらに効果的
に抑制することができる。
【0040】また、上記実施例では、エンジン1の駆動
力を伝達する動力伝達経路6,9を切換える切換クラッ
チ8をトロイダル型無段変速機7の出力側に配設し、こ
のトロイダル型無段変速機7をバイパスする第1動力伝
達モードにおいても、上記トロイダル型無段変速機7に
はタービンシャフト17から駆動力が入力されるように
構成したため、上記第1動力伝達モードから上記トロイ
ダル型無段変速機7を経由して駆動力を伝達する第2動
力伝達モードに移行する際に、上記トロイダル型無段変
速機7に作用する駆動トルクの向きが逆転するという事
態が生じるのを防止することができる。
【0041】したがって、上記動力伝達経路6,9の切
換時に駆動トルクの向きが逆転すること等に起因した変
速ショックの発生を効果的に防止することができるとと
もに、上記構成の動力伝達装置が搭載された車両を牽引
する場合に、駆動輪から入力された逆駆動力が上記トロ
イダル型無段変速機7に入力されることを防止し、これ
によってエンジンを停止した上記牽引時にトロイダル型
無段変速機7が駆動されてその回転部が摩耗し、あるい
は損傷するという事態の発生を確実に防止できるという
利点がある。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に係る発
明は、前後進切換装置等の動力伝達装置と、トロイダル
変速機ユニットとの軸方向設置位置が略同位置となるよ
うに並設させるとともに、上記トロイダル変速機ユニッ
トに設けられたパワーローラの支持軸を鉛直方向に配
し、上記パワーローラを傾動させるための油圧シリンダ
を上記トロイダル変速機ユニットの車両前方側に設置す
るとともに、上記動力伝達ユニットを上記トロイダル変
速機ユニットの車両後方斜め上方に配設したため、この
動力伝達ユニットと、トロイダル変速機ユニットと、車
輪間デファレンシャルと、パワーローラ傾転用の油圧シ
リンダの設置部とを相互に干渉させることなく、ユニ
ットの設置位置を近接させて設置することができる。し
たがって、変速機ケーシングの外径および全長を小さく
して動力伝達装置を効果的にコンパクト化できるという
利点がある。
【0043】また、請求項2に係る上記トロイダル変速
機ユニットは1対のパワーローラからなるので、その全
長が動力伝達ユニットと略等しくすることができる。従
って、これらを並設することにより、双方を組み合わせ
たものの全長を、一方の全長と略等しいものとすること
ができ、動力伝達装置の全長を可及的に小さくして効
的にコンパクト化できるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る車両の動力伝達装置の実施例を示
す概略構成図である。
【図2】上記動力伝達装置の横断面図である。
【図3】図2のA−A線断面図である。
【符号の説明】
5 前後進切換装置(動力伝達ユニット) 7 トロイダル変速機ユニット 17 タービンシャフト(第1軸) 20 第2軸 32 車輪間デファレンシャル 37 パワーローラ 47 パワーローラの支持軸 48 トラニオン 54 トラニオンの支持軸 55 油圧シリンダ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−26321(JP,A) 特開 昭61−99758(JP,A) 特開 平4−300449(JP,A) 特開 昭62−220761(JP,A) 特開 平2−163553(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16H 15/38 F16H 37/02 B60K 17/00 - 17/08

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両に横置き状態で設置されたエンジン
    の出力軸と同軸上であってトロイダル変速機ユニットが
    設置された第1軸と、前後進切換装置からなる動力伝達
    ユニットが設置された第2軸とが平行に配設されてなる
    車両の動力伝達装置において、 上記動力伝達ユニットとトロイダル変速機ユニットとの
    軸方向設置位置が略同位置となるように並設させ、 上記トロイダル変速機ユニットに設けられたパワーロー
    ラの支持軸を鉛直方向に配し、 上記 パワーローラを傾動させるための油圧シリンダを上
    記トロイダル変速機ユニットの車両前方側に設置すると
    ともに、 上記動力伝達ユニットを上記トロイダル変速機ユニット
    の車両後方斜め上方に配設し、 駆動輪に動力を伝達する車輪間デファレンシャルの軸心
    部を上記トロイダル変速機ユニットの車両後方斜め下方
    に配設したことを特徴とする車両の動力伝達装置。
  2. 【請求項2】 上記トロイダル変速機ユニットは1対の
    パワーローラからなるものであることを特徴とする請求
    項1記載の車両の動力伝達装置。
JP08195594A 1994-04-20 1994-04-20 車両の動力伝達装置 Expired - Fee Related JP3505775B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP08195594A JP3505775B2 (ja) 1994-04-20 1994-04-20 車両の動力伝達装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP08195594A JP3505775B2 (ja) 1994-04-20 1994-04-20 車両の動力伝達装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07293652A JPH07293652A (ja) 1995-11-07
JP3505775B2 true JP3505775B2 (ja) 2004-03-15

Family

ID=13760931

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP08195594A Expired - Fee Related JP3505775B2 (ja) 1994-04-20 1994-04-20 車両の動力伝達装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3505775B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5963227B2 (ja) * 2013-02-28 2016-08-03 本田技研工業株式会社 無段変速機

Also Published As

Publication number Publication date
JPH07293652A (ja) 1995-11-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3567196B2 (ja) 車両用無段変速機
JP4372430B2 (ja) トロイダル変速ドライブユニットを備えた自動車用トランスミッション
EP0350200A1 (en) Dual range infinitely variable transmission
WO2002064999A1 (fr) Dispositif de changement de vitesse hydromecanique et vehicule sur lequel est monte ce dispositif de changement de vitesse
JPS63219956A (ja) トランスミッション
JPS5814583B2 (ja) 自動車用駆動装置
US6638194B2 (en) Drive power transmission apparatus
JP2004116774A (ja) トロイダル変速ドライブユニット
JP3627621B2 (ja) トロイダル型無段変速機
JP2004169719A (ja) トロイダル型無段変速機及び無段変速装置
JP4010145B2 (ja) トロイダル型無段変速機及び無段変速装置
JP3505775B2 (ja) 車両の動力伝達装置
US6203466B1 (en) Continuously variable transmission apparatus
JPH0483953A (ja) 無段変速機を備えた車両用動力伝達装置
JP4529442B2 (ja) トロイダル型無段変速機
JPH05280627A (ja) 車両の動力伝達装置
JP3932682B2 (ja) トロイダル式無段変速機
JP4085457B2 (ja) 無段変速装置
JP2941991B2 (ja) 車両の動力伝達装置
JP3903605B2 (ja) トロイダル式無段変速機
JP3224145B2 (ja) トロイダル型無段変速機
JP3430754B2 (ja) 四輪駆動車
JP4204157B2 (ja) 四輪駆動車用トロイダル型無段変速装置
JP3993739B2 (ja) 自動変速装置
JP3932681B2 (ja) 車両用変速機

Legal Events

Date Code Title Description
A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20031208

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071226

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081226

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091226

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees