JP2002013622A - 無限変速比変速機 - Google Patents

無限変速比変速機

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JP2002013622A
JP2002013622A JP2000194534A JP2000194534A JP2002013622A JP 2002013622 A JP2002013622 A JP 2002013622A JP 2000194534 A JP2000194534 A JP 2000194534A JP 2000194534 A JP2000194534 A JP 2000194534A JP 2002013622 A JP2002013622 A JP 2002013622A
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transmission
rotation
continuously variable
axis
oil pump
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JP2000194534A
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English (en)
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Hiroyuki Hirano
弘之 平野
Masaki Nakano
正樹 中野
Hirofumi Shimizu
宏文 清水
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 無限変速比変速機の軸線方向最大寸法を増大
させることのない変速制御用オイルポンプの配置として
変速機の搭載性を向上させる 【解決手段】 クラッチ47の締結、クラッチ49の解放
で、入力回転が動力循環歯車列52〜54およびクラッチ47
を経て遊星歯車組46のキャリア46c に伝達され、キャリ
ア46c の回転がサンギヤ46s およびリングギヤ46r に分
配される。サンギヤ46s の回転が副軸43およびクラッチ
ドラム49a を経て無段変速ユニット24に伝達され、リン
グギヤ46r の回転を歯車48を経て出力することができ
る。この間、無段変速ユニット24の変速比に応じて歯車
48への出力回転が0になったり正逆転する。歯車48への
出力回転数と、無段変速ユニット24からクラッチドラム
49a への回転数とが一致する時、クラッチ49を締結する
と同時にクラッチ47を解放し、ユニット24からの無段変
速回転をクラッチ49を経て歯車48へ出力する。上記制御
のためのオイルポンプ61は、軸方向寸法に余裕のある副
軸43の後端に同軸に配してこれに駆動結合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、無段変速ユニット
と減速機との組み合わせによって、伝動経路が機械的に
結合されたままの状態で変速比が無限大(出力回転数=
0)の状態を作り得るようにした無限変速比変速機に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】無限変速比変速機としては従来、例えば
特開平11−63139号公報に記載されている、図8
のごときものが知られている。この無限変速比変速機
は、無段変速ユニット1として2個のトロイダル伝動ユ
ニット2よりなるダブルキャビティー式トロイダル型無
段変速ユニットを具え、これをエンジン3と同軸の主軸
4上に配置し、該主軸4に平行な副軸5上に減速機6を
設ける。
【0003】両トロイダル伝動ユニット2は、主軸4に
入力されたエンジン3の回転をローディングカム7を介
してそれぞれの入力ディスク2aに伝達され、当該回転
をその後、入力ディスク2aからパワーローラ2bを介
して共通な出力ディスク2cに伝達する。ここで両トロ
イダル伝動ユニット2は、パワーローラ2bを矢印で示
すごとく自己の回転軸線と直交する首振り軸線周りに同
期して同位相で傾転させることにより、変速比を同じよ
うに連続的に変化させることができる。
【0004】副軸5上の減速機6は遊星歯車組8を主た
る構成要素とし、そのサンギヤ8sに直結歯車列9を介
して両トロイダル伝動ユニット2からの無段変速出力回
転を常時入力する。遊星歯車組8のキャリア8cには、
動力循環歯車列10およびロークラッチ11を介して主
軸4へのエンジン回転を伝達し、遊星歯車組8のリング
ギヤ8rを副軸5に結合する。また直結歯車列9を経て
サンギヤ8sに向かう両トロイダル伝動ユニット2から
の出力回転を他方でハイクラッチ12により副軸5に伝
達可能とする。
【0005】かかる構成において、ロークラッチ11を
締結し、ハイクラッチ12を解放すると、主軸4への変
速機入力回転が動力循環歯車列10およびロークラッチ
11を経て遊星歯車組8のキャリア8cに伝達される。
キャリア8cに伝達された変速機入力回転はサンギヤ8
sおよびリングギヤ8rに分配され、サンギヤ8sに至
った回転は両トロイダル伝動ユニット2に伝達され、リ
ングギヤ8rに至った回転を副軸5に出力することがで
きる(動力循環モードという)。この動力循環モードで
は、両トロイダル伝動ユニット2が或る変速比の時にキ
ャリア8cおよびサンギヤ8s間の回転差(リングギヤ
8rおよび副軸5への出力回転)が0になり(中立点と
いう)、伝動経路が機械的に結合されたままの状態で変
速比(変速機入力回転数/変速機出力回転数)が無限大
の状態を作り出すことができる。
【0006】そして、動力循環モードで両トロイダル伝
動ユニット2が上記或る変速比よりも高速側変速比の
時、リングギヤ8rおよび副軸5への出力回転が逆向き
となり、両トロイダル伝動ユニット2の変速比が上記或
る変速比よりも低速側であるほど、リングギヤ8rおよ
び副軸5への出力回転が正転方向の回転数を増大され
る。従って両トロイダル伝動ユニット2の変速比が或る
低速側変速比になると、動力循環モードでのリングギヤ
8rおよび副軸5への出力回転数と、両トロイダル伝動
ユニット2からサンギヤ8sへの無段変速回転とが一致
し、このモード切り換え点でロークラッチ11を解放す
ると同時にハイクラッチ12を締結することにより、両
トロイダル伝動ユニット2からの無段変速回転をハイク
ラッチ12を経て直接的に副軸5へ出力する無段変速ユ
ニット直結モードに切り換える。この直結モードでは、
両トロイダル伝動ユニット2のみによる変速が無限変速
比変速機の変速に反映されることとなる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、両トロイダ
ル伝動ユニット2の変速制御および両クラッチ11,1
2の締結、解放制御を含む無限変速比変速機の制御を行
うための油圧を発生させるオイルポンプ13は従来、エ
ンジン3の運転中常時駆動する必要があることもあって
図8に示すごとく、エンジン回転を入力されている主軸
4の軸端に駆動結合して配置するのが常套であった。
【0008】しかし無限変速比変速機は、無段変速ユニ
ット1自身が長大であることから主軸4を含む第1軸線
上における寸法が、減速機6を設けた副軸5を含む第2
軸線上における寸法よりも大きくなること必至で、しか
も主軸4を含む第1軸線上には更にエンジン3を配置す
ることが多く、このエンジン3を含めたパワートレーン
の第1軸線上における寸法が設置スペースの確保を困難
にするとの懸念を払拭しきれない。それにもかかわらず
従来のように、オイルポンプ13を主軸4の軸端に駆動
結合して配置するというのでは、無限変速比変速機の第
1軸線上における寸法が益々増大し、その設置スペース
を確保し難くなるという上記の懸念が一層益々強くなっ
てしまう。
【0009】請求項1に記載の第1発明は、無限変速比
変速機の上記第2軸線上における寸法が比較的小さくて
余裕があるとの事実認識にもとづき、この第2軸線上に
オイルポンプを配置して上記の問題解決を実現した無限
変速比変速機を提案することを目的とする。
【0010】請求項2に記載の第2発明は、変速機入力
回転が低くてオイルポンプの油量収支が厳しくなる前記
中立点近辺ではオイルポンプが変速機入力回転よりも高
速で駆動されるようにしてオイルポンプの小型化を可能
にするとともに、変速機入力回転が高い前記無段変速ユ
ニット直結モードではオイルポンプが変速機出力回転に
比例した速度で駆動されるようにして変速機入力回転の
急変によってもオイルポンプがその影響を受けることな
く高い駆動効率を維持し得るようにした無限変速比変速
機を提案することを目的とする。
【0011】請求項3に記載の第3発明は、無段変速ユ
ニットをダブルキャビティー式トロイダル型無段変速ユ
ニットで構成する場合において、オイルポンプを、スペ
ースの確保が容易な第2軸線の後端に配置し得るように
した無限変速比変速機を提案することを目的とする。
【0012】請求項4に記載の第4発明は、オイルポン
プを配置する第2軸線が変速機ケースの比較的高い位置
になり、入力回転の発生しない停止中においてオイルポ
ンプ内のオイルが自然落下により消失すると、再始動時
にオイルポンプがオイルを吸入し得なくなることから、
停止中にオイルポンプ内の全てのオイルが自然落下して
しまうことのない油路構造とした無限変速比変速機を提
案することを目的とする。
【0013】請求項5に記載の第5発明は、オイルポン
プの吸入抵抗が小さくなるようにするとともに、変速機
ケースにオイルポンプの吸入路を形成する必要を最小限
にして変速機ケースの小型化を可能にした無限変速比変
速機を提案することを目的とする。
【0014】請求項6に記載の第6発明は、第5発明に
おいて変速機ケースに形成すべきオイルポンプ吸入ポー
ト直近の吸入路部分を変速機ケースの成形時に同時に形
成し得るようにした無限変速比変速機を提案することを
目的とする。
【0015】請求項7に記載の第7発明は、第5発明に
おいて変速機ケースに形成すべきオイルポンプ吸入ポー
ト直近の吸入路部分を、中子を用いることなく簡単に形
成し得るようにした無限変速比変速機を提案することを
目的とする。
【0016】請求項8に記載の第8発明は、前記吸入路
の一部を構成するパイプを変速機内に既存するスペース
の有効利用によりスペース効率よく配置させた無限変速
比変速機を提案することを目的とする。
【0017】請求項9に記載の第9発明は、前記オイル
ポンプの吐出路を変速制御用のコントロールバルブに至
るまでの間における接続箇所が少なくなるような態様で
形成した無限変速比変速機を提案することを目的とす
る。
【0018】請求項10に記載の第10発明は、第9発
明のようなオイルポンプ吐出路でも、これを中子を使用
することなく変速機ケースに形成し得るようにした無限
変速比変速機を提案することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】これらの目的のため、先
ず第1発明による無限変速比変速機は、第1軸線および
第2軸線を相互に平行に具え、第1軸線上に、エンジン
から入力部材に入力される入力回転を無段階に変速して
出力部材に至らしめる無段変速ユニットを設け、第2軸
線上に、無段変速ユニットの出力部材に駆動結合された
第1の要素を有する遊星歯車組と、該遊星歯車組の第2
の要素に前記入力回転を伝達する動力循環用のロークラ
ッチと、該遊星歯車組の第3の要素に無段変速ユニット
の出力部材の回転を伝達する無段変速ユニット直結用の
ハイクラッチとよりなる減速機を設け、前記遊星歯車組
に入力される回転を遊星歯車組の前記第3の要素から取
り出すようにした無限変速比変速機において、変速制御
のためのオイルポンプを前記第2軸線上に配置するとと
もに、前記無段変速ユニットの出力部材の回転を常時伝
達される回転メンバに駆動結合したことを特徴とするも
のである。
【0020】第2発明による無限変速比変速機は、第1
発明において、前記第2軸線上に配置した副軸を介して
前記無段変速ユニットの出力部材の回転を遊星歯車組の
前記第1の要素に伝達するようになし、該副軸の軸端に
同軸に駆動結合して前記オイルポンプを設けたことを特
徴とするものである。
【0021】第3発明による無限変速比変速機は、第2
発明において、前記第1軸線上の無段変速ユニットを、
2個のトロイダル伝動ユニットよりなり両ユニット間の
中央における出力部材から回転を取り出すダブルキャビ
ティー式トロイダル型無段変速ユニットで構成し、前記
動力循環用のロークラッチが前記入力回転を前記遊星歯
車組の前記第2の要素に伝達し得るよう該入力回転を前
記第1軸線から第2軸線へ向けて伝達するための動力循
環歯車列を前記入力回転の入力側における第1軸線およ
び第2軸線の前端間に配置し、第2軸線上には該前端か
ら前記動力循環歯車列に続いて前記ロークラッチ、遊星
歯車組、ハイクラッチの順に配置し、該ハイクラッチの
クラッチドラムおよび前記副軸を介して前記ダブルキャ
ビティー式トロイダル型無段変速ユニットの出力部材の
回転を前記第1の要素に伝達するよう構成し、前記オイ
ルポンプを前記副軸の後端に同軸に駆動結合して配置し
たことを特徴とするものである。
【0022】第4発明による無限変速比変速機は、第1
発明乃至第3発明のいずれかにおいて、前記オイルポン
プの吸入ポートおよび吐出ポートに連なるよう変速機ケ
ースに形成する吸入路および吐出路をそれぞれ、吸入ポ
ートおよび吐出ポートの直近においてオイルポンプのポ
ンプ作用部よりも上方に位置させたことを特徴とするも
のである。
【0023】第5発明による無限変速比変速機は、第4
発明において、前記吸入ポートに直近の吸入路部分と、
オイルパン内におけるオイルストレーナとの間をパイプ
で接続したことを特徴とするものである。
【0024】第6発明による無限変速比変速機は、第5
発明において、前記吸入路部分を中子を用いて変速機ケ
ースに形成したことを特徴とするものである。
【0025】第7発明による無限変速比変速機は、第5
発明において、前記吸入路部分の途中を変速機ケース内
に前向きに開口させ、この開口を、前記ハイクラッチの
ドラムサポートにより閉塞するように構成したことを特
徴とするものである。
【0026】第8発明による無限変速比変速機は、第5
発明乃至第7発明のいずれかにおいて、前記パイプを、
前記ダブルキャビティー式トロイダル型無段変速ユニッ
トのアッパリンクおよびロアリンクに形成されている丸
み付角部と変速機ケースとの間のスペースに通過させた
ことを特徴とするものである。
【0027】第9発明による無限変速比変速機は、第4
発明乃至第8発明のいずれかにおいて、前記オイルポン
プの吐出ポートに連なる吐出路を変速制御用のコントロ
ールバルブに至るまでの全長に亘って変速機ケースに形
成したことを特徴とするものである。
【0028】第10発明による無限変速比変速機は、第
9発明において、前記吐出路の途中を変速機ケースの後
端面に開口させ、該開口を後端蓋で閉塞させたことを特
徴とするものである。
【0029】
【発明の効果】第1発明においては、無限変速比変速機
を変速制御するためのオイルポンプを、遊星歯車組、動
力循環用のロークラッチ、および無段変速ユニット直結
用のハイクラッチよりなる減速機が設けられた第2軸線
上に配置するとともに、第1軸線上における無段変速ユ
ニットの出力部材の回転を常時伝達される回転メンバに
駆動結合したため、オイルポンプを常時駆動して上記の
変速制御を可能にしつつ、このオイルポンプを、無段変
速ユニットの存在によって軸線方向にスペース的な余裕
がない第1軸線上ではなく、この第1軸線よりも軸線方
向にスペース的な余裕がある第2軸線上に配置して、無
限変速比変速機の軸線方向最大寸法を抑制しつつをオイ
ルポンプを設置することができ、無限変速比変速機の搭
載スペースが確保し易くなる。
【0030】第2発明においては、上記第2軸線上に配
置した副軸を介して無段変速ユニットの出力部材の回転
を遊星歯車組の第1の要素に伝達するようになし、該副
軸の軸端に同軸に駆動結合してオイルポンプを設けたた
め、変速機入力回転が低くてオイルポンプの油量収支が
厳しくなる前記中立点近辺(前記動力循環モード)では
オイルポンプが変速機入力回転よりも高速で駆動される
こととなってオイルポンプを小型化することができると
ともに、変速機入力回転が高い前記無段変速ユニット直
結モードではオイルポンプが変速機出力回転に比例した
速度で駆動されることとなって変速機入力回転の急変に
よってもオイルポンプがその影響を受けることなくな
り、高いポンプ駆動効率を維持することができる。
【0031】第3発明においては、第1軸線上の無段変
速ユニットを、2個のトロイダル伝動ユニットよりなり
両ユニット間の中央における出力部材から回転を取り出
すダブルキャビティー式トロイダル型無段変速ユニット
で構成し、動力循環用のロークラッチが変速機入力回転
を遊星歯車組の第2の要素に伝達し得るよう変速機入力
回転を第1軸線から第2軸線へ向けて伝達するための動
力循環歯車列を変速機入力回転の入力側における第1軸
線および第2軸線の前端間に配置し、第2軸線上には当
該前端から上記動力循環歯車列に続いて前記ロークラッ
チ、遊星歯車組、ハイクラッチの順に配置し、該ハイク
ラッチのクラッチドラムおよび前記副軸を介してダブル
キャビティー式トロイダル型無段変速ユニットの出力部
材の回転を第1の要素に伝達するよう構成し、オイルポ
ンプを前記副軸の後端に同軸に駆動結合して配置したた
め、無段変速ユニットを上記のごとくダブルキャビティ
ー式トロイダル型無段変速ユニットで構成する場合にお
いて、オイルポンプを、スペースの確保が容易な第2軸
線の後端に配置しつつ、無限変速比変速機の搭載性を向
上させることができる。
【0032】第4発明においては、オイルポンプの吸入
ポートおよび吐出ポートに連なるよう変速機ケースに形
成する吸入路および吐出路をそれぞれ、吸入ポートおよ
び吐出ポートの直近においてオイルポンプのポンプ作用
部よりも上方に位置させたため、入力回転の発生しない
停止中においてもオイルポンプ内の全てのオイルが自然
落下してしまうことがなく、少なくとも吸入ポートおよ
び吐出ポート間におけるポンプのシール部にはオイルが
溜まっていることとなり、オイルポンプを配置した第2
軸線が変速機ケースの比較的高い位置であっても、再始
動時にオイルポンプがオイルを吸入し得なくなるような
状態になることがない。
【0033】第5発明においては、上記吸入ポートに直
近の吸入路部分と、オイルパン内におけるオイルストレ
ーナとの間をパイプで接続したから、オイルポンプ吸入
路の全長を変速機ケースに形成する場合のように複雑な
経路にならず、オイルポンプの吸入抵抗を小さくし得る
とともに、変速機ケースにオイルポンプの吸入路を形成
する必要が最小限になって変速機ケースの小型化を実現
することができる。
【0034】第6発明においては、吸入ポート直近の吸
入路部分を中子を用いて変速機ケースに形成したため、
当該吸入路部分を変速機ケースの成形時に同時に形成す
ることができる。
【0035】第7発明においては、吸入ポート直近の吸
入路部分の途中を変速機ケース内に前向きに開口させ、
この開口を、前記ハイクラッチのドラムサポートにより
閉塞したため、当該吸入路部分を、中子を用いることな
く簡単に形成することができる。
【0036】第8発明においては、前記パイプを、前記
ダブルキャビティー式トロイダル型無段変速ユニットの
アッパリンクおよびロアリンクに形成されている丸み付
角部と変速機ケースとの間のスペースに通過させたた
め、このパイプを変速機内に既存するスペースの有効利
用によりスペース効率よく配置させることができ、オイ
ルポンプ吸入路の一部をパイプで構成する場合において
も、その通過スペースのために変速機ケースが大型にな
ることはない。
【0037】第9発明においては、オイルポンプの吐出
ポートに連なる吐出路を変速制御用のコントロールバル
ブに至るまでの全長に亘って変速機ケースに形成したた
めに、オイルポンプの吐出路を変速制御用のコントロー
ルバルブに至るまでの間における接続箇所が少なくなる
ようにすることができる。
【0038】第10発明においては、上記オイルポンプ
吐出路の途中を変速機ケースの後端面に開口させ、該開
口を後端蓋で閉塞させたため、第9発明のようなオイル
ポンプ吐出路にしても、これを中子を使用することなく
変速機ケースに形成することができる。
【0039】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づき詳細に説明する。図1〜図6は、エンジン横置
き前輪駆動車用のトランスアクスルとして構成した本発
明の一実施の形態になる無限変速比変速機を示し、図1
に示すようにケース本体21と、その前端開口および後
端開口をそれぞれ塞ぐ前端蓋22および後端蓋23とで
構成した変速機ケース内に、図2〜図4に示すごとくに
配置して第1軸線O1 および第2軸線O2 並びに第3軸
線O3 を設定するとともに、第1軸線O1 および第2軸
線O2 間におけるアイドラ軸線Oi 、並びに第2軸線O
2 および第3軸線O3 間におけるカウンタ軸線Oc を設
定し、これら軸線の全てを相互に平行となす。
【0040】図1は無限変速比変速機を便宜上、上記軸
線の全てが同一平面内に位置するような展開断面にして
その要部のみを示すもので、第1軸線O1 上に無段変速
ユニットとしてのダブルキャビティー式トロイダル型無
段変速ユニット24を設け、第2軸線O2 上に減速機2
5を設ける。トロイダル型無段変速ユニット24は、第
1軸線O1 上に同軸突き合わせ関係に配した入力軸26
および主軸27を具え、これらの軸を突き合わせ部にお
いて相対回転可能に嵌合させるとともに、入力軸26を
前端蓋22に軸受28を介して支承し、主軸27を後端
蓋23に軸受29を介して支承する。ここで入力軸26
は、本発明における入力部材を構成し、これにエンジン
からの回転を入力する。
【0041】トロイダル型無段変速ユニット24は2個
のトロイダル伝動ユニット31,32、つまり、フロン
ト側トロイダル伝動ユニット31、およびリヤ側トロイ
ダル伝動ユニット32を主たる構成要素とし、これらト
ロイダル伝動ユニット31,32はそれぞれ、主軸27
の両端近傍にボールスプラインで軸線方向摺動可能に一
体回転するよう嵌合させた入力ディスク33,34と、
これら入力ディスク間で主軸27上に回転自在に支持し
た共通な出力ディスク35と、対応する入出力ディスク
33,35間および34,35間で動力伝達を行うパワ
ーローラ36とにより構成する。よって共通な出力ディ
スク35は、トロイダル型無段変速ユニット24の出力
部材を成す。パワーローラ36は図4に明示するごと
く、トロイダル伝動ユニット31,32ごとに2個ずつ
設け、これらを主軸27を挟んでその両側に対向配置す
る。
【0042】図4に示すようにパワーローラ36は個々
のトラニオン37に回転自在に支持し、これらトラニオ
ン37を、ケース本体21の頂壁に近い上側にある相互
に隣り合う上端同士を全てに共通な板状アッパリンク3
8の丸み付4隅角に連節し、反対側にある相互に隣り合
う下端同士を全てに共通な板状ロアリンク39の丸み付
4隅角に連節する。かくてアッパリンク38およびロア
リンク39は、パワーローラ36が動力伝達のために対
応する入出力ディスク間に挟圧される時にこれら入出力
ディスク間から追い出されるのを防止しつつ、トラニオ
ン37の軸線方向におけるストロークを許容する。
【0043】トラニオン37の軸線方向におけるストロ
ークは、無段変速ユニット24(トロイダル伝動ユニッ
ト31,32の変速に際して必要なもので、当該トラニ
オン37のストロークを行わせるために同じく図4に示
すごとくトラニオン37の下端にサーボピストン41を
設ける。かかるサーボピストン41を介したトラニオン
37のストローク制御は、ケース本体21の下端開口部
に取着したコントロールバルブ42からの油圧でこれを
行うものとする。
【0044】図1に示すように、入力軸26はローディ
ングカム42を介して入力ディスク33に駆動結合し、
図1において該入力軸26の右端に同軸に図示せざるエ
ンジンを配して、入力軸26にエンジンのクランクシャ
フトを駆動結合する。かくしてエンジン回転は、入力軸
26からローディングカム42を介して入力ディスク3
3に至り、更に主軸27を介して入力ディスク34にも
達する。入力ディスク33,34へのエンジン回転(変
速機入力回転)はパワーローラ36を介して共通な出力
ディスク35に伝達され、この回転伝動は、ローディン
グカム42が伝達トルクに応じたスラストによりパワー
ローラ36を対応する入出力ディスク33,35間およ
び34,35間に挟圧することで可能となる。
【0045】上記の伝動中、パワーローラ36をサーボ
ピストン41によりトラニオン37を介し同期して、パ
ワーローラ回転軸線と直行する首振り軸線の方向に同位
相で、図4に示す非変速位置からストロークさせ、パワ
ーローラ回転軸線を入出力ディスク回転軸線O1 からオ
フセットさせると、パワーローラ36が首振り軸線の周
りに同期して同位相で傾転される。これにより、入出力
ディスク33,34および35に対するパワーローラ3
6の接触軌跡円半径が連続的に変化し、入出力ディスク
33,34および35間の伝動比(変速比)を無段階に
変化させることができる。なお、無段変速比が目標の値
になったところで、パワーローラ36をオフセット0の
初期ストローク位置に戻すことにより、当該目標変速比
を維持することができる。
【0046】次いで、第2軸線O2 上に設ける減速機2
5を図1および図5により説明するに、この減速機25
は、第2軸線O2 に配置した副軸43上に設け、該副軸
43の両端をそれぞれ軸受44,45により前端蓋22
およびケース本体21に回転自在に支承する。減速機2
5は遊星歯車組46と、該遊星歯車組46のエンジンに
近い前側に隣接配置した動力循環クラッチとしてのロー
クラッチ47と、遊星歯車組46のエンジンから遠い後
側に順次隣接配置した出力歯車48および無段変速ユニ
ット直結クラッチとしてのハイクラッチ49とを副軸4
3上に設けて構成する。
【0047】遊星歯車組46はサンギヤ46sと、キャ
リア46cと、リングギヤ46rとよりなる単純遊星歯
車組とし、サンギヤ46sを無段変速ユニット24の出
力部材である出力ディスク35に後述するごとく駆動結
合することにより本発明における第1の要素として用
い、キャリア46cを後述するごとく入力軸26からの
変速機入力回転が適宜入力されるようにすることにより
本発明における第2の要素として用い、リングギヤ46
rを本発明における第3の要素として用い、これから無
限変速比変速機の出力回転を取り出す。動力循環クラッ
チとしてのロークラッチ47は、入力軸26からの変速
機入力回転を適宜キャリア46cに入力するためのもの
で、これがためクラッチドラム47aを軸受51により
副軸43上に回転自在に支持するとともに、図1のごと
く入力軸26に形成した歯車52、アイドラ軸線Oi
周りで回転自在なアイドラギヤ53、およびクラッチド
ラム47aに結合した動力循環ギヤ54よりなる動力循
環歯車列を介して入力軸26に駆動係合させ、クラッチ
ハブ47bをキャリア46cに結着する。
【0048】遊星歯車組46のサンギヤ46sは副軸4
3にセレーション嵌合してこれに一体結合し、遊星歯車
組46のリングギヤ46rは出力歯車48に結着し、出
力歯車48を副軸43上に回転自在に支持する。無段変
速ユニット直結クラッチとしてのハイクラッチ49は、
無段変速ユニット24の出力回転を適宜そのまま出力歯
車48に伝達するためのもので、これがためクラッチド
ラム49aの外周を、出力ディスク35の外周に嵌着し
た出力歯車55に噛合させ、クラッチハブ49bを出力
歯車48に結着する。
【0049】ここで、ハイクラッチ49のクラッチドラ
ム49aは内周を副軸43にセレーション嵌合してこれ
に一体結合し、これにより無段変速ユニット24の出力
ディスク35がクラッチドラム49aを介して副軸43
に駆動結合されるようにし、従って副軸43にセレーシ
ョン嵌合したサンギヤ46sが無段変速ユニット24の
出力ディスク35により駆動されるようになし、このサ
ンギヤ46sを前記したごとく第1の要素として用い得
るようにする。クラッチドラム49aの内周は更に、ケ
ース本体21に取着したドラムサポート56上に回転自
在に支持する。
【0050】上記の構成とした無段変速ユニット24お
よび減速機25の組み合わせになる無限変速比変速機の
作用は以下の通りである。ロークラッチ47を油圧の供
給により締結し、ハイクラッチ49を油圧の排除により
解放すると、主軸27への変速機入力回転が動力循環歯
車列52〜54およびロークラッチ47を経て遊星歯車
組46のキャリア46cに伝達される。キャリア46c
に伝達された変速機入力回転はサンギヤ46sおよびリ
ングギヤ46rに分配され、サンギヤ46sに至った回
転は副軸43、クラッチドラム49aおよび出力歯車5
5を順次経て両トロイダル伝動ユニット31,32に伝
達され、リングギヤ46rに至った回転を出力歯車55
から取り出すことができ、動力循環モードでの伝動作用
を行うことができる。この動力循環モードでは、無段変
速ユニット24が或る変速比の時にキャリア46cおよ
びサンギヤ46s間の回転差(歯車48への出力回転)
が0になり(中立点という)、伝動経路が機械的に結合
されたままの状態で変速比(変速機入力回転数/変速機
出力回転数)が無限大の状態を作り出すことができる。
【0051】そして、上記の動力循環モードで無段変速
ユニット24が上記或る変速比よりも高速側変速比であ
る時は、歯車48への出力回転が逆向きとなり、無段変
速ユニット24の変速比が上記或る変速比よりも低速側
であるほど、歯車48への出力回転が正転方向の回転数
を増大される。従って無段変速ユニット24の変速比が
上記低速側の或る変速比になると、動力循環モードでの
歯車48への出力回転数(クラッチハブ49bの回転
数)と、無段変速ユニット24からクラッチドラム49
aへの無段変速回転数とが一致し、このモード切り換え
点でハイクラッチ49を油圧の供給によりショックなし
に締結すると同時にロークラッチ47を油圧の排除によ
り解放することにより、無段変速ユニット24からの無
段変速回転をハイクラッチ49を経て直接的に歯車48
へ出力する無段変速ユニット直結モードに切り換える。
この直結モードでは、無段変速ユニット24のみによる
変速が無限変速比変速機の変速に反映されることとな
る。
【0052】歯車48への出力回転は、図1に示すごと
くこれに噛合するカウンタギヤ57を介して、カウンタ
軸線Oc 上に設けたカウウタシャフト58に伝達し、そ
の後、カウウタシャフト58上に形成した歯車59を含
むファイナルドライブギヤ組を介して第3軸線O3 上の
図示せざるディファレンシャルギヤ装置に伝達すること
で車両の両駆動輪を回転かのうとする。
【0053】無段変速ユニット24の前記した変速制
御、並びにロークラッチ47およびハイクラッチ49の
上記締結、解放制御を行う油圧を発生させるためのオイ
ルポンプ61は図1および図2に示すように、第2軸線
2 上に配してエンジンから遠い副軸43の後端に同軸
に駆動結合する。ここで本実施の形態においてはオイル
ポンプ61を内接ギヤポンプで構成し、これをポンプハ
ウジング62内に収納したユニット状態でケース本体2
1に取着することにより副軸43の後端に対する駆動結
合が自動的になされるようにする。
【0054】本実施の形態においてはかようにオイルポ
ンプ61を、無段変速ユニット24の存在によって軸線
方向にスペース的な余裕がない第1軸線O1 上ではな
く、この第1軸線よりも軸線方向にスペース的な余裕が
ある第2軸線O2 上に配置したため、無限変速比変速機
の軸線方向最大寸法を抑制しつつをオイルポンプ61を
設置することができ、無限変速比変速機の搭載スペース
が確保し易くなる。またかようにオイルポンプ61を、
変速機入力回転が入力されない第2軸線O 2 上に配置す
るといえども、第1軸線O1 上における無段変速ユニッ
ト24の出力部材(出力ディスク)35の回転をクラッ
チドラム49aを経て常時伝達されている副軸43に駆
動結合したため、オイルポンプ61が常時駆動されるこ
ととなり、これからの常時発生する油圧により無段変速
ユニット24の前記した変速制御、並びにロークラッチ
47およびハイクラッチ49の前記締結、解放制御を確
実に行うことができる。
【0055】更に本実施の形態においてはオイルポンプ
61を特に、無段変速ユニット24の出力部材(出力デ
ィスク)35の回転をクラッチドラム49aを経て常時
伝達されている副軸43に駆動結合したため、変速機入
力回転数が低くてオイルポンプ61の油量収支が厳しく
なる動力循環モードでの中立点近辺においてオイルポン
プ61が変速機入力回転よりも高速で駆動されることと
なり、オイルポンプ61を小型化することができるし、
その反面、変速機入力回転が高くなる直結モードではオ
イルポンプ61が変速機出力回転に比例した速度で駆動
されることとなって変速機入力回転の急変によってもオ
イルポンプ61がその影響を受けることなくなり、高い
ポンプ駆動効率を維持することができる。
【0056】更に本実施の形態においては図1のよう
に、第1軸線O1 上の無段変速ユニット24を、2個の
トロイダル伝動ユニット31,32よりなり両ユニット
間における出力部材(出力ディスク)35から出力回転
を取り出すダブルキャビティー式トロイダル型無段変速
ユニットに構成し、動力循環用のロークラッチ47が変
速機入力回転を遊星歯車組46の第2の要素であるキャ
リア46cに伝達し得るよう変速機入力回転を第1軸線
1 から第2軸線O2 へ向けて伝達するための動力循環
歯車列52〜54を変速機入力回転の入力側における第
1軸線O1 および第2軸線O2 の前端間(図1の右端
間)に配置し、第2軸線O2 上には上記の前端から動力
循環歯車列52〜54に続いてロークラッチ47、遊星
歯車組46、ハイクラッチ49の順に配置し、ハイクラ
ッチ49のクラッチドラム49aおよび副軸43を介し
てダブルキャビティー式トロイダル型無段変速ユニット
24の出力部材(出力ディスク)35の回転を第1の要
素である遊星歯車組46のサンギヤ46sに伝達するよ
う構成し、オイルポンプ61を副軸43の後端(図1の
左端)に同軸に駆動結合して配置したため、無段変速ユ
ニット24を上記のごとくダブルキャビティー式トロイ
ダル型無段変速ユニットで構成する場合において、オイ
ルポンプ61を、スペースの確保が容易な第2軸線O2
の後端に配置しつつ、無限変速比変速機の搭載性を向上
させることができる。
【0057】以下にオイルポンプ61の吸入路構造およ
び吐出路構造を図2〜図6により説明する。図2および
図3に示すごとく、オイルポンプ61の吸入ポートおよ
び吐出ポートに連なる直近の吸入路部分63および吐出
路部分64を変速機ケースのケース本体21に中子を用
いて形成する。これら直近の吸入路部分63および吐出
路部分64は、図3に61aで示すオイルポンプ61の
内接歯車噛合部(ポンプ作用部)よりも一旦上方に位置
するような形状に延在させる。
【0058】そして、オイルポンプ吸入ポート直近の吸
入路部分63は図4に示すように一旦上方に位置するよ
う延在させた後に変速機ケース内に下向きに開口させ、
この開口端とオイルパン65内におけるオイルストレー
ナ66との間をパイプ67で連通させてオイルポンプ6
1の吸入路を構成する。ここでパイプ67は図6に明示
するように、ダブルキャビティー式トロイダル型無段変
速ユニットのアッパリンク38およびロアリンク39に
形成されている丸み付角部と変速機ケース本体21との
間の既存のスペース68に通過させることとする。
【0059】オイルポンプ吐出ポート直近の吐出路部分
64は図3に示すように一旦上方に位置するよう延在さ
せた後、同じく変速機ケース本体21に後端面に開口す
るよう形成した吐出路69に連通させ、該吐出路69の
後端面開口部を図2に示すように後端蓋23で塞ぐ。吐
出路69は図2および図3に示すように、図4に示すコ
ントロールバルブ42の取り付け面69aまで延在さ
せ、コントロールバルブ42はオイルポンプ61からの
吐出オイルを作動媒体として無段変速ユニット24の前
記した変速制御、並びにロークラッチ47およびハイク
ラッチ49の前記締結、解放制御を行うことができる。
【0060】以上のようなオイルポンプ61の吸入路構
造および吐出路構造によれば、以下の作用効果を達成す
ることができる。つまり、オイルポンプ吸入ポートおよ
び吐出ポートに連なる直近の吸入路部分63および吐出
路部分64を、図3に61aで示すオイルポンプ61の
内接歯車噛合部(ポンプ作用部)よりも一旦上方に位置
するような形状に延在させたため、入力回転が発生しな
い停止中においてもオイルポンプ61内の全てのオイル
が自然落下してしまうことがなく、少なくともオイルポ
ンプ61の内接歯車噛合部(ポンプ作用部)、換言すれ
ば吸入ポートおよび吐出ポート間におけるポンプのシー
ル部にはオイルが溜まっていることとなり、オイルポン
プ61を配置した第2軸線O2 が図2〜図4に示すよう
に変速機ケースの比較的高い位置であっても、再始動時
にオイルポンプ61がオイルを吸入し得なくなるような
事態を回避することができる。
【0061】また、オイルポンプ吸入ポート直近の吸入
路部分63と、オイルパン65内におけるオイルストレ
ーナ66との間をパイプ67で接続したから、オイルポ
ンプ吸入路の全長を変速機ケースに形成する場合のよう
に複雑な経路にならず、オイルポンプ61の吸入抵抗を
小さくし得るとともに、変速機ケースにオイルポンプ6
1の吸入路を形成する必要が最小限になって変速機ケー
スの小型化を実現することができる。
【0062】さらに、オイルポンプ吸入ポート直近の吸
入路部分63を前記したごとく中子を用いて変速機ケー
ス本体21に形成したため、当該吸入路部分63を変速
機ケース本体21の成形時に同時に形成することができ
る。
【0063】また上記のパイプ67を図6に示すよう
に、ダブルキャビティー式トロイダル型無段変速ユニッ
ト24のアッパリンク38およびロアリンク39に形成
されている丸み付角部と変速機ケース本体21との間の
スペースに通過させたため、このパイプ67を変速機内
に既存するスペースの有効利用によりスペース効率よく
配置させることができ、オイルポンプ吸入路の一部をパ
イプ67で構成するといえども、その通過スペースのた
めに変速機ケース本体21が大型になることはない。
【0064】さらに、オイルポンプ61の吐出ポートに
連なる吐出路64,69を変速制御用のコントロールバ
ルブ42に至るまでの全長に亘って変速機ケースに形成
したため、オイルポンプの吐出路を変速制御用のコント
ロールバルブ42に至るまでの間における接続箇所が少
なくなり、オイル漏れのトラブルを少なくすることがけ
いる。
【0065】なお、上記オイルポンプ吐出路64,69
の途中69を図3のように変速機ケース本体21の後端
面に開口させ、その開口を図2のごとく後端蓋23で閉
塞させたため、オイルポンプ吐出路64,69をコント
ロールバルブ42に至るまでの全長に亘って変速機ケー
スに形成しても、これを中子を使用することなく変速機
ケースに形成することができる。
【0066】図7は本発明の他の実施の形態を示し、本
実施の形態においてはオイルポンプ吸入ポート直近の吸
入路部分63の途中を63aで示すように変速機ケース
内に前向きに開口させ、この開口を、ハイクラッチ49
のドラムサポート56により閉塞したものである。この
場合、オイルポンプ吸入ポート直近の吸入路部分63を
中子を用いることなく簡単に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施の形態になる無限変速比変速
機を示す要部展開断面図である。
【図2】 同実施の形態になる無限変速比変速機を図1
の左方から見て示す後端面図である。
【図3】 同実施の形態になる無限変速比変速機を図1
のIII−III線上より矢の方向に見て、変速機ケー
ス本体から後端蓋およびポンプハウジングを除去して示
す後端面図である。
【図4】 同実施の形態になる無限変速比変速機を図5
のIV−IV線上で断面とし矢の方向に見て示す断面図
である。
【図5】 同実施の形態になる無限変速比変速機を図4
のV−V線上で断面とし矢の方向に見て示す断面図であ
る。
【図6】 同実施の形態になる無限変速比変速機を図4
のVI−VI線上で断面とし矢の方向に見て示す断面図
である。
【図7】 本発明の他の実施の形態になる無限変速比変
速機を示す図5と同様な断面図である。
【図8】 従来の無限変速比変速機を示す概略伝動系統
図である。
【符号の説明】 21 変速機ケース本体 22 前端蓋 23 後端蓋 24 無段変速ユニット 25 減速機 26 入力軸 27 主軸 31 トロイダル伝動ユニット 32 トロイダル伝動ユニット 33 入力ディスク 34 入力ディスク 35 出力ディスク(無段変速ユニットの出力部材) 36 パワーローラ 37 トラニオン 38 アッパリンク 39 ロアリンク 41 サーボピストン 42 ローディングカム 43 副軸 46 遊星歯車組 46s サンギヤ(第1の要素) 46c キャリア(第2の要素) 46r リングギヤ(第3の要素) 47 動力循環用ロークラッチ 48 出力歯車 49 無段変速ユニット直結用クラッチ 49a クラッチドラム 49b クラッチハブ 52 歯車(動力循環歯車列) 53 アイドラギヤ(動力循環歯車列) 54 動力循環ギヤ(動力循環歯車列) 55 無段変速回転出力歯車 56 ドラムサポート 58 カウンタシャフト 61 オイルポンプ 62 ポンプハウジング 63 オイルポンプ吸入ポート直近の吸入路部分 64 オイルポンプ吐出ポート直近の吐出路部分 65 オイルパン 66 オイルストレーナ 67 パイプ 68 既存のスペース 69 吐出路 69a コントロールバルブ取り付け面 O1 第1軸線 O2 第2軸線 O3 第3軸線 Oi アイドラ軸線 Oc カウンタ軸線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 清水 宏文 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 Fターム(参考) 3J051 AA03 AA08 BA03 BD02 BE09 CA05 CB07 ED15 FA02 3J063 AB12 AB33 AB52 AC04 BA03 BA11 CB36 CC12 CD41 3J552 MA09 MA15 MA30 NA01 NB01 PA67 QA30A QA42B

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1軸線および第2軸線を相互に平行に
    具え、第1軸線上に、エンジンから入力部材に入力され
    る入力回転を無段階に変速して出力部材に至らしめる無
    段変速ユニットを設け、第2軸線上に、無段変速ユニッ
    トの出力部材に駆動結合された第1の要素を有する遊星
    歯車組と、該遊星歯車組の第2の要素に前記入力回転を
    伝達する動力循環用のロークラッチと、該遊星歯車組の
    第3の要素に無段変速ユニットの出力部材の回転を伝達
    する無段変速ユニット直結用のハイクラッチとよりなる
    減速機を設け、前記遊星歯車組に入力される回転を遊星
    歯車組の前記第3の要素から取り出すようにした無限変
    速比変速機において、 変速制御のためのオイルポンプを前記第2軸線上に配置
    するとともに、前記無段変速ユニットの出力部材の回転
    を常時伝達される回転メンバに駆動結合したことを特徴
    とする無限変速比変速機。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記第2軸線上に配
    置した副軸を介して前記無段変速ユニットの出力部材の
    回転を遊星歯車組の前記第1の要素に伝達するようにな
    し、該副軸の軸端に同軸に駆動結合して前記オイルポン
    プを設けたことを特徴とする無限変速比変速機。
  3. 【請求項3】 請求項2において、前記第1軸線上の無
    段変速ユニットを、2個のトロイダル伝動ユニットより
    なり両ユニット間の中央における出力部材から回転を取
    り出すダブルキャビティー式トロイダル型無段変速ユニ
    ットで構成し、 前記動力循環用のロークラッチが前記入力回転を前記遊
    星歯車組の前記第2の要素に伝達し得るよう該入力回転
    を前記第1軸線から第2軸線へ向けて伝達するための動
    力循環歯車列を前記入力回転の入力側における第1軸線
    および第2軸線の前端間に配置し、 第2軸線上には該前端から前記動力循環歯車列に続いて
    前記ロークラッチ、遊星歯車組、ハイクラッチの順に配
    置し、 該ハイクラッチのクラッチドラムおよび前記副軸を介し
    て前記ダブルキャビティー式トロイダル型無段変速ユニ
    ットの出力部材の回転を前記第1の要素に伝達するよう
    構成し、 前記オイルポンプを前記副軸の後端に同軸に駆動結合し
    て配置したことを特徴とする無限変速比変速機。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれか1項におい
    て、前記オイルポンプの吸入ポートおよび吐出ポートに
    連なるよう変速機ケースに形成する吸入路および吐出路
    をそれぞれ、吸入ポートおよび吐出ポートの直近におい
    てオイルポンプのポンプ作用部よりも上方に位置させた
    ことを特徴とする無限変速比変速機。
  5. 【請求項5】 請求項4において、前記吸入ポートに直
    近の吸入路部分と、オイルパン内におけるオイルストレ
    ーナとの間をパイプで接続したことを特徴とする無限変
    速比変速機。
  6. 【請求項6】 請求項5において、前記吸入路部分を中
    子を用いて変速機ケースに形成したことを特徴とする無
    限変速比変速機。
  7. 【請求項7】 請求項5において、前記吸入路部分の途
    中を変速機ケース内に前向きに開口させ、この開口を、
    前記ハイクラッチのドラムサポートにより閉塞したこと
    を特徴とする無限変速比変速機。
  8. 【請求項8】 請求項5乃至7のいずれか1項におい
    て、前記パイプを、前記ダブルキャビティー式トロイダ
    ル型無段変速ユニットのアッパリンクおよびロアリンク
    に形成されている丸み付角部と変速機ケースとの間のス
    ペースに通過させたことを特徴とする無限変速比変速
    機。
  9. 【請求項9】 請求項4乃至8のいずれか1項におい
    て、前記オイルポンプの吐出ポートに連なる吐出路を変
    速制御用のコントロールバルブに至るまでの全長に亘っ
    て変速機ケースに形成したことを特徴とする無限変速比
    変速機。
  10. 【請求項10】 請求項9において、前記吐出路の途中
    を変速機ケースの後端面に開口させ、この開口を後端蓋
    で閉塞させたことを特徴とする無限変速比変速機。
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Cited By (4)

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