JP2002089705A - 自動変速機の制御装置 - Google Patents

自動変速機の制御装置

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JP2002089705A
JP2002089705A JP2000278741A JP2000278741A JP2002089705A JP 2002089705 A JP2002089705 A JP 2002089705A JP 2000278741 A JP2000278741 A JP 2000278741A JP 2000278741 A JP2000278741 A JP 2000278741A JP 2002089705 A JP2002089705 A JP 2002089705A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】摩擦係合要素の掛け替えによって変速を行う構
成であって、油の供給路にアキュムレータを備えると共
に、締結側の作動圧の立ち上がりに応じて解放側のアキ
ュムレータ背圧をドレンするタイミングバルブを備えた
自動変速機の制御装置において、エンジン回転の空吹け
を短時間に収束させる。 【解決手段】変速時に、解放側のアキュムレータ背圧の
ドレン前であるか否か(変速開始から所定時間内である
か否か)を判別することで、主にトルクを伝達している
のが解放側であるか締結側であるかを判別する。そし
て、空吹けが発生したときに、主にトルク伝達を行って
いる側の摩擦係合要素のアキュムレータ背圧をステップ
的に増大させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動変速機の制御
装置に関し、詳しくは、変速制御時における空吹けの発
生を抑制する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、異なる2つの摩擦係合要素の
締結制御と解放制御とを同時に行う摩擦係合要素の掛け
替えによって変速を行うよう構成された自動変速機が知
られている。上記の摩擦係合要素の掛け替え変速を行う
変速制御装置としては、例えば特開平11−03032
4号公報に開示されるように、各摩擦係合要素への油の
供給路にアキュムレータを備え、該アキュムレータの背
圧を制御することで油圧の上昇や下降の勾配を抑制する
よう構成されると共に、締結側摩擦係合要素の作動圧の
立ち上がりに応じて解放側摩擦係合要素のアキュムレー
タ背圧をドレンするタイミングを決定するタイミングバ
ルブを備えるものがあった。
【0003】一方、上記の摩擦係合要素の掛け替え変速
を行う変速制御装置において、変速時における空吹けの
発生を抑制する技術として、特開平7−012210号
公報,特開平5−039843号公報及び特開2000
−055180号公報に開示されるようなものがあっ
た。前記特開平7−012210号公報に開示されるも
のでは、圧力スイッチによって締結側摩擦係合要素の油
圧の上昇を検出して、解放側摩擦係合要素の油圧を抜く
タイミングを決定するようにしている。
【0004】また、特開平5−039843号公報に開
示されるものでは、解放側の摩擦係合要素のスリップ量
が閾値以上であるときに、解放側摩擦係合要素の油圧を
上昇させる一方、前記スリップ量の変化率が0以下であ
るときに、解放側摩擦係合要素の油圧を低下させるよう
にしている。更に、特開2000−055180号公報
に開示されるものでは、締結側摩擦係合要素のストロー
ク完了を予測し、ストローク完了に調時させてライン圧
の低下を開始させるようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、圧力スイッチ
を用いる構成では、圧力スイッチが一般に高価であるた
め、自動変速機のシステムコストが上昇してしまうとい
う問題があった。また、解放側の摩擦係合要素のスリッ
プ量に応じて油圧を制御する構成では、微小スリップ量
を保持するように解放側摩擦係合要素の油圧を制御して
収束させるため、変速時間が間延びしてしまい、変速性
能を悪化させる可能性があった。
【0006】更に、締結側摩擦係合要素のストローク完
了に調時させてライン圧の低下を開始させる構成では、
ストローク完了時の予測誤差などにより、安定的に空吹
けの発生を抑制することができず、また、トルクフェー
ズにおけるライン圧(元圧)の低下は、クラッチ油圧の
応答性を低下させ、更なる空吹けを助長してしまう可能
性があった。
【0007】また、特開平11−030324号公報に
開示されるように、締結側摩擦係合要素のアキュムレー
タ背圧を基準に、解放側摩擦係合要素のアキュムレータ
背圧をドレンするタイミングを制御する構成では、締結
側のアキュムレータ背圧を最適に設定することで、締結
側のトルク容量が確保されるタイミングで解放側のトル
ク容量を下げることができるが、車両を放置している間
に摩擦係合要素及び油圧経路内の油が抜けるため、運転
開始後にはじめて変速するときに締結側の油圧応答が遅
くなって、大きな空吹けを発生させる可能性があった。
【0008】本発明は上記問題点に鑑みなされたもので
あり、特に、締結側摩擦係合要素の作動圧の立ち上がり
に応じて解放側摩擦係合要素のアキュムレータ背圧をド
レンするタイミングを決定するタイミングバルブを備え
た自動変速機の制御装置において、コストアップや変速
時間の間延びを招くことなく、然も、安定的に空吹けの
発生を抑制できるようにすることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】そのため、請求項1記載
の発明では、変速中に、解放側摩擦係合要素と締結側摩
擦係合要素のうちのどちらが主にトルクを伝達している
かを判別し、空吹けの発生から収束するまでの間、主に
トルクを伝達している方の摩擦係合要素のアキュムレー
タ背圧をステップ的に増大補正する構成とした。
【0010】かかる構成によると、変速前期の解放側の
摩擦係合要素が主にトルクを伝達する状態では、空吹け
が発生すると、解放側のアキュムレータ背圧をステップ
的に増大補正することで解放側の作動圧を増大させ、空
吹けの収束を図る。一方、変速の進行に伴ってトルク伝
達の分担が解放側から締結側にシフトするので、変速後
期の締結側の摩擦係合要素が主にトルクを伝達する状態
では、空吹けが発生すると、締結側のアキュムレータ背
圧をステップ的に増大補正することで締結側の作動圧を
増大させ、空吹けの収束を図る。
【0011】請求項2記載の発明では、前記解放側摩擦
係合要素と締結側摩擦係合要素のうちのどちらが主にト
ルクを伝達しているかを、変速開始からの経過時間に基
づいて判別する構成とした。かかる構成によると、変速
開始からの経過時間が所定時間よりも短い変速前期は、
解放側が主にトルクを伝達し、変速開始からの経過時間
が所定時間よりも長い変速後期は、締結側が主にトルク
を伝達しているものと判別される。
【0012】請求項3記載の発明では、前記解放側摩擦
係合要素と締結側摩擦係合要素のうちのどちらが主にト
ルクを伝達しているかを、締結側摩擦係合要素のアキュ
ムレータ背圧を制御するデューティソレノイドの制御値
に基づいて判別する構成とした。かかる構成によると、
締結側のアキュムレータ背圧が変速開始からの経過時間
に応じて制御される場合であれば、アキュムレータ背圧
を制御するデューティソレノイドの制御値に基づき、変
速開始からの時間、引いては、解放側と締結側とのいず
れが主にトルクを伝達しているかが推定されることにな
る。
【0013】請求項4記載の発明では、前記解放側摩擦
係合要素と締結側摩擦係合要素のうちのどちらが主にト
ルクを伝達しているかを、前記タイミングバルブによる
ドレン前であるかドレン後であるかによって判別する構
成とした。かかる構成によると、締結側の作動圧が充分
に増大してから解放側のアキュムレータ背圧がタイミン
グバルブによりドレンされるから、ドレン前は解放側が
トルクを主に伝達し、ドレン後は締結側がトルクを主に
伝達していると判別される。
【0014】請求項5記載の発明では、各摩擦係合要素
に対する油の給排をオン・オフ的に切替えるシフトソレ
ノイドと、前記タイミングバルブにおけるドレン処理の
許可・禁止を切替えるタイミングソレノイドと、を備
え、解放側の摩擦係合要素のアキュムレータ背圧を増大
補正するときに、前記シフトソレノイドを変速開始前の
状態に戻し、かつ、前記タイミングソレノイドにより前
記タイミングバルブにおけるドレン処理を禁止する構成
とした。
【0015】かかる構成によると、解放側が主にトルク
を伝達する状態で空吹けが発生すると、解放側のアキュ
ムレータ背圧をステップ的に増大補正して、空吹けの収
束を図るが、解放側摩擦係合要素においては、シフトソ
レノイドによって油圧がドレンされる側に切替えられて
いるため、そのままでは解放側の作動圧を十分に増大さ
せることが困難である。そこで、シフトソレノイドを変
速開始前の油圧が供給される状態に戻し、かつ、前記タ
イミングバルブにおけるドレン処理を禁止してアキュム
レータ背圧を制御できる状態を確保した上で、解放側摩
擦係合要素のアキュムレータ背圧をステップ的に上昇さ
せる。
【0016】請求項6記載の発明では、前記アキュムレ
ータ背圧のステップ的な増大補正量を、エンジン回転速
度と作動油の温度との少なくとも一方に応じて決定する
構成とした。かかる構成によると、解放側又は締結側の
摩擦係合要素のアキュムレータ背圧をステップ的に増大
補正するときの補正量を、エンジン駆動されるオイルポ
ンプの吐出量に相関するエンジン回転速度、及び/又
は、作動油の粘性に相関する油温に応じて決定する。
【0017】請求項7記載の発明では、変速開始から所
定期間だけ締結側摩擦係合要素のアキュムレータ背圧を
最大油圧に制御する構成とする一方、前記所定期間をエ
ンジン回転速度と作動油の温度との少なくとも一方に応
じて決定する構成とした。かかる構成によると、変速開
始から所定期間だけ締結側摩擦係合要素のアキュムレー
タ背圧を最大油圧に制御するプリチャージ制御により、
締結側摩擦係合要素に対する油の充填を行い、また、前
記プリチャージ制御の期間を、エンジン駆動されるオイ
ルポンプの吐出量に相関するエンジン回転速度、及び/
又は、作動油の粘性に相関する油温に応じて決定する。
【0018】請求項8記載の発明では、空吹けの発生
を、変速機構の入力軸回転速度と、変速機構の出力軸回
転速度及び変速前のギヤ比から算出される基準入力軸回
転速度との偏差に応じて検出する構成とした。かかる構
成によると、出力軸回転速度及び変速前のギヤ比から、
変速機構のギヤ比が変速前のギヤ比を維持する場合の入
力軸回転速度を算出し、これを基準入力軸回転速度(基
準タービン回転速度)として、実際の入力軸回転速度
(タービン回転速度)との偏差を求め、実際の入力軸回
転速度が基準入力軸回転速度を所定以上に上回ったとき
に空吹けの発生を検出し、アキュムレータ背圧の増大補
正を開始する。
【0019】請求項9記載の発明では、空吹けの収束
を、変速機構の入力軸回転速度と、変速機構の出力軸回
転速度及び変速前のギヤ比から算出される基準入力軸回
転速度との偏差の微分値に基づいて検出する構成とし
た。かかる構成によると、変速機構のギヤ比が変速前の
ギヤ比を維持する場合の入力軸回転速度である基準入力
軸回転速度から実際の入力軸回転速度が離れつつあるの
か、基準入力軸回転速度に実際の入力軸回転速度が近づ
きつつあるのかを、実際の入力軸回転速度と基準入力軸
回転速度との偏差の微分値に基づいて判断して、空吹け
の収束を検出するとアキュムレータ背圧の増大補正を中
止する。
【0020】請求項10記載の発明では、空吹けの発生
及び収束を、変速機構の入力軸回転速度及び出力軸回転
速度から算出されるギヤ比と所定値との比較に基づいて
検出する構成とした。かかる構成によると、変速機構の
入力軸回転速度及び出力軸回転速度からギヤ比を算出
し、出力軸回転速度に対して入力軸回転速度が増大して
ギヤ比(ギヤ比=入力軸回転速度/出力軸回転速度)が
所定値よりも増大したときに空吹けの発生を検出し、入
力軸回転速度の減少によりギヤ比が所定値よりも小さく
なったときに空吹けの収束を検出する。
【0021】
【発明の効果】請求項1〜4記載の発明によると、主に
トルクを伝達している側の摩擦係合要素の作動圧を増大
補正するので、伝達トルク容量の増大を応答良く実現し
て空吹けを応答良く収束させることができるという効果
がある。請求項5記載の発明によると、解放側のアキュ
ムレータ背圧を確実かつ応答良く立ち上げて、締結側の
作動圧が充分に増大する前の状態において、空吹けを応
答良く収束させることができるという効果がある。
【0022】請求項6記載の発明によると、アキュムレ
ータ背圧の上昇制御を、オイルポンプの吐出量や作動油
の粘性の変化に応じて最適に制御して、伝達トルク容量
を過不足なく増大させることができるという効果があ
る。請求項7記載の発明によると、締結側摩擦係合要素
に油をプリチャージすることで、締結側摩擦係合要素に
おける油圧の応答性を確保でき、以って、空吹けの発生
をより効果的に抑制できるという効果がある。
【0023】請求項8記載の発明によると、空吹けの発
生を、車速が変化しても精度良くかつ応答良く検出する
ことができるという効果がある。請求項9記載の発明に
よると、空吹けの収束を、入力軸回転速度が変速前の回
転速度に近づく傾向に切り換わった時点として、応答良
くかつ精度良く検出することができるという効果があ
る。
【0024】請求項10記載の発明によると、空吹けの
発生及び収束を、車速の変化に関わらずに簡易に検出す
ることができるという効果がある。
【0025】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を説明
する。図1は、実施の形態における車両の駆動系を示す
ものであり、エンジン101の出力軸には、トルクコン
バータ102を介して自動変速機103が接続され、該
自動変速機103の出力軸によって図示しない車両の駆
動輪が回転駆動される。
【0026】前記自動変速機103は、変速機構部10
3Aと、コントロールバルブ部103Bとからなり、前
記コントロールバルブ部103Bは、A/Tコントロー
ラ104によって制御される。前記A/Tコントローラ
104はマイクロコンピュータを内蔵し、A/T油温セ
ンサ105,アクセル開度センサ106,車速センサ1
07,タービン回転センサ108,エンジン回転センサ
109,エアフローメータ110等からの検出信号の演
算処理によって、前記コントロールバルブ部103Bに
制御信号を出力する。
【0027】図2は、変速機構部103Aを示すスケル
トンである。前記変速機構部103Aは、2組の遊星歯
車G1,G2、3組の多板クラッチ(ハイクラッチH/
C,リバースクラッチR/C,ロークラッチL/C)、
1組のブレーキバンド2&4/B、1組の多板式ブレー
キ(ロー&リバースブレーキL&R/B)、1組のワン
ウェイクラッチL/OWCで構成される。
【0028】前記2組の遊星歯車G1,G2は、それぞ
れ、サンギヤS1,S2、リングギヤr1,r2及びキ
ャリアc1,c2よりなる単純遊星歯車である。前記遊
星歯車組G1のサンギヤS1は、リバースクラッチR/
Cにより入力軸INに結合可能に構成される一方、ブレ
ーキバンド2&4/Bによって固定可能に構成される。
【0029】前記遊星歯車組G2のサンギヤS2は、入
力軸INに直結される。前記遊星歯車組G1のキャリア
c1は、ハイクラッチH/Cにより入力軸INに結合可
能に構成される一方、前記遊星歯車組G2のリングギヤ
r2が、ロークラッチL/Cにより遊星歯車組G1のキ
ャリアc1に結合可能に構成され、更に、ロー&リバー
スブレーキL&R/Bにより遊星歯車組G1のキャリア
c1を固定できるようになっている。
【0030】そして、出力軸OUTには、前記遊星歯車
組G1のリングギヤr1と、前記遊星歯車組G2のキャ
リアc2とが一体的に直結されている。上記構成の変速
機構部103Aにおいて、前進の1速〜4速及び後退
は、図3に示すように、各クラッチ・ブレーキの締結状
態の組み合わせによって実現される。
【0031】図3において、丸印が締結状態を示し、記
号が付されていない部分は解放状態とすることを示す
が、特に、1速におけるロー&リバースブレーキL&R
/Bの黒丸で示される締結状態は、1レンジでのみの締
結を示すものとする。前記図3に示す各クラッチ・ブレ
ーキの締結状態の組み合わせに示すように、例えば、2
速から3速へのアップシフト時には、ロークラッチL/
Cの締結状態を保持したまま、ブレーキバンド2&4/
Bの解放すると同時に、ハイクラッチH/Cの締結を行
う。上記のように、クラッチ・ブレーキ(摩擦係合要
素)の締結と解放とを同時に制御して摩擦係合要素の掛
け替えを行う変速を掛け替え変速と称するものとする。
【0032】図4は、前記コントロールバルブ部103
Bの詳細を示すものである。図4に示すコントロールバ
ルブ部103Bには、シフトバルブ(A)1と、シフト
バルブ(B)2と、L/C&H/C用アキュムコントロ
ールバルブ3と、2&4/B用アキュムコントロールバ
ルブ4と、L/Cタイミングバルブ(A)5と、L/C
タイミングバルブ(B)6と、2&4/Bタイミングバ
ルブ(A)7と、2&4/Bタイミングバルブ(B)8
と、L/Cアキュムレータ9と、2&4/Bアキュムレ
ータユニット10と、H/Cアキュムレータユニット1
1が設けられている。
【0033】前記シフトバルブ(A)1及びシフトバル
ブ(B)2は、シフトソレノイド(A)21及びシフト
ソレノイド(B)22のON・OFFに応じて、1速〜
4速(OD)の各変速段に対応する締結・解放の組み合
わせに応じた油路の切り替えを行なう。具体的には、図
5に示すように、予め各変速段毎に、シフトソレノイド
(A)21及びシフトソレノイド(B)22のON・O
FFの組み合わせが決められており、例えば、2速から
3速へのアップシフト時には、シフトソレノイド(A)
21を継続的にOFFとする一方、シフトソレノイド
(B)22をONからOFFに切替える。
【0034】シフトソレノイド(A)21及びシフトソ
レノイド(B)22のOFF状態では、シフトバルブ
(A)1及びシフトバルブ(B)2において1つの油路
から分岐して設けられる対の油路の下側が選択され、逆
に、シフトソレノイド(A)21及びシフトソレノイド
(B)22のON状態では、前記対の油路の上側が選択
される。
【0035】従って、2速から3速へのアップシフト時
には、ブレーキバンド2&4/Bへの油圧供給路がドレ
ン側(図4中に×印で示される)に接続される一方、ロ
ークラッチL/C及びハイクラッチH/Cの油圧供給路
には、Dレンジ圧PD供給側が接続される。前記L/C
&H/C用アキュムコントロールバルブ3は、PLデュ
ーティソレノイド23により作り出されるソレノイド圧
PSOLAの大きさに応じてライン圧PLを減圧し、L/C
アキュムレータ9及びH/Cアキュムレータユニット1
1の背圧を調圧するアキュムコントロール圧PACCMAを出
力する。
【0036】尚、前記PLデューティソレノイド23に
より作り出されるソレノイド圧PSOLAは、図示しないプ
レッシャレギュレータバルブにより作り出されるライン
圧PLの信号圧となるモディファイヤ圧を調圧するプレ
ッシャモディファイヤバルブ(P.MF.V)へも導か
れる。前記2&4/B用アキュムコントロールバルブ4
は、2&4/Bデューティソレノイド24により作り出
されるソレノイド圧PSOLBの大きさに応じてライン圧P
Lを減圧し、2&4/Bアキュムレータユニット10の
背圧を調圧するアキュムコントロール圧PACCMBを出力す
る。
【0037】前記L/Cタイミングバルブ(A)5は、
L/Cタイミングソレノイド25がOFFの時にL/C
タイミングバルブ(B)6における信号圧油路をドレー
ン側とし、ONの時に前記信号圧油路を連通側とする切
り換えバルブである。前記L/Cタイミングバルブ
(B)6は、4速へのシフトアップ時または4速からの
シフトダウン時、即ち、ロークラッチL/Cの解放又は
締結を行う変速時に、L/Cアキュムレータ9の背圧制
御を行なう。
【0038】前記2&4/Bタイミングバルブ(A)7
は、2&4/Bタイミングソレノイド26がOFFの時
に2&4/Bタイミングバルブ(B)8における信号圧
油路をドレーン側とし、ONの時に前記信号圧油路を連
通側とする切り換えバルブである。前記2&4/Bタイ
ミングバルブ(B)8は、3速へのシフトアップ時また
は3速からのシフトダウン時、即ち、ブレーキバンド2
&4/Bの解放又は締結を行う変速時に、2&4/Bア
キュムレータ10の背圧制御を行なう。
【0039】前記L/Cアキュムレータ9は、その背圧
室にL/Cタイミングバルブ(B)6を介してアキュム
コントロール圧PACCMAが導かれ、ロークラッチL/Cの
締結・解放を滑らかにする。前記2&4/Bアキュムレ
ータユニット10は、その背圧室に2&4/Bタイミン
グバルブ(B)8を介してアキュムコントロール圧PACC
MBが導かれ、ブレーキバンド2&4/Bの締結・解放を
滑らかにする。
【0040】尚、前記2&4/Bアキュムレータユニッ
ト10は、シリンダ内にピストンとばねを組み込むと共
にばねの向きを背圧に対して互いに逆に設定し、棚圧レ
ベルが異なる2段のアキュムレータ特性を得る2つのア
キュムレータ10A,10Bにより構成されている。前
記H/Cアキュムレータユニット11は、その背圧室に
アキュムコントロール圧PACCMAがそのまま導かれ、ハイ
クラッチH/Cの締結・解放を滑らかにする。
【0041】このH/Cアキュムレータユニット11
も、シリンダ内にピストンとばねを組み込むと共にばね
の向きを背圧に対して互いに逆に設定し、棚圧レベルが
異なる2段のアキュムレータ特性を得る2つのアキュム
レータ11A,11Bにより構成されている。ここで、
Dレンジ時に1速〜4速を自動的に変速する変速制御
は、スロットル開度及び車速に基づき予め設定されたシ
フトスケジュールに従って変速指令が出され、この変速
指令による変速段に変速すべく、図5に示した各変速段
毎のシフトソレノイドのON・OFF指令に従って、A
/Tコントロールユニット20からシフトソレノイド
(A)21とシフトソレノイド(B)22に対しONま
たはOFFの指令を出すことで制御される。
【0042】以下、2速から3速へのアップシフト時を
例に変速時の作用を説明すると、2速から3速へのアッ
プシフト時には、シフトソレノイド(A)1を継続的に
OFFとする一方、シフトソレノイド(B)22をON
からOFFに切替えることで、ロークラッチL/Cには
Dレンジ圧PDが継続して供給される一方、ブレーキバ
ンド2&4/Bへの油圧供給路がドレンされると共に、
それまではドレンされていたハイクラッチH/CにDレ
ンジ圧PDが供給されるようになり、ブレーキバンド2
&4/Bの解放とハイクラッチH/Cの締結により、3
速での摩擦係合要素の締結・解放状態に切替えられ、2
速から3速へのシフトアップが行われる。
【0043】また、2速から3速へのアップシフトに伴
って前記ブレーキバンド2&4/Bの解放するときに
は、2&4/Bタイミングバルブ7,8によって、前記
2&4/Bアキュムレータユニット10の背圧をドレー
ンするタイミングが制御されるようになっている。図6
のタイムチャートに示すように、2速から3速へのアッ
プシフト時には、シフトソレノイド(A)1を継続的に
OFFのままとする一方、シフトソレノイド(B)22
をONからOFFに切替え、また、2&4/Bタイミン
グソレノイド26をOFF状態からON状態に切替え
る。
【0044】2&4/Bタイミングソレノイド26がO
FFのときは、2&4/Bタイミングバルブ(B)8に
対する信号圧がドレンされることで、2&4/Bタイミ
ングバルブ(B)8を図4で左方向に付勢するスプリン
グによって、前記2&4/Bアキュムレータユニット1
0の背圧室にはアキュムコントロール圧PACCMBがそのま
ま導かれ、2&4/Bタイミングバルブ(B)8による
ドレン処理は禁止される。
【0045】一方、2&4/Bタイミングソレノイド2
6をONにすると、前記2&4/Bタイミングバルブ
(A)7は、信号圧油路をドレーン側から連通側に切替
え、2&4/Bアキュムレータ背圧をドレンする方向に
作用する信号圧として締結側のハイクラッチ圧PHCが
供給されるようにし、圧力バランスによるドレン処理が
行われ得る状態にする。
【0046】一方、2&4/Bタイミングバルブ(B)
8には、2&4/Bアキュムレータ背圧を供給する方向
に作用する信号圧として、締結側のアキュムコントロー
ル圧PACCMAが供給されるようになっている。これによ
り、締結側のアキュムレータ背圧であるアキュムコント
ロール圧PACCMAと締結側の作動圧であるハイクラッチ圧
PHCとの差圧ΔPが、設定差圧(スプリング荷重やス
プール受圧面積により設定)になるタイミングで、2&
4/Bタイミングバルブ(B)8のスプールが2&4/
Bアキュムレータ背圧をドレーンする側に切り換えられ
る。
【0047】2&4/Bタイミングバルブ(B)8のス
プールが2&4/Bアキュムレータ背圧をドレーンする
側に切り換えられると、2&4/Bアキュムレータ背圧
をドレンする方向に作用する信号圧としてDレンジ圧P
Dが供給されるようになり、これによって2&4/Bア
キュムレータ背圧のドレーン状態が保持される。締結側
であるハイクラッチH/Cは、クラッチピストンのスト
ローク終了後に作動圧が上昇し、この作動圧上昇に伴っ
てアキュムレータ11Bのピストンストローク作動によ
る第1の棚圧特性を示し、さらに、アキュムレータ11
Aのピストンストローク作動による第2の棚圧特性に移
行し、アキュムレータ11Aによるストローク作動が終
了すると一気にライン圧レベルまで作動圧が上昇し、ハ
イクラッチH/Cが締結される。
【0048】一方、解放側であるブレーキバンド2&4
/Bは、ライン圧レベルによる作動圧からアキュムレー
タ背圧レベルまで一気に低下し、締結側の作動圧である
ハイクラッチ圧PHCが2&4/Bタイミングバルブ
(B)8の切り換え圧になると、2&4/Bアキュムレ
ータ背圧がドレーンされることで、ブレーキバンド圧P
24Bは大きな勾配で低下し、解放圧レベルとなってブ
レーキバンド2&4/Bが解放される。
【0049】上記の解放制御時には、予め2&4/Bデ
ューティソレノイド24により作り出されるソレノイド
圧PSOLBを最大圧であるライン圧PLから、そのときの
入力軸トルクに応じた目標ソレノイド圧PSOLBにまで低
下させ、その後、シフトソレノイド(B)22をONか
らOFFに切替えて、ブレーキバンド2&4/Bの作動
圧を、入力軸トルクに応じたアキュムレータ背圧レベル
まで低下させるようにしている。
【0050】尚、ロークラッチL/Cが解放され、ブレ
ーキバンド2&4/Bが締結される3速から4速へのア
ップシフト時にも、上記同様に、L/Cタイミングバル
ブ(B)6において、ロークラッチアキュムレータ背圧
のドレーンタイミング制御が行なわれる。上記のよう
に、解放側摩擦係合要素のアキュムレータ背圧のドレー
ンタイミングを制御すれば、摩擦係合要素のばらつきや
油圧変動に関わらずに、ドレンタイミングを最適に制御
することが可能であるが、特に車両が長時間放置された
後の最初の変速時には、クラッチパック内の油が完全に
抜けていて通常の油圧応答が得られないため、掛け替え
時にトルク容量不足となり、空吹けが発生することがあ
る。
【0051】そこで、本発明では、前記空吹けを、図7
のフローチャートに示すような制御によって抑制するよ
うにしてあり、以下、図6のタイムチャートを参照しつ
つ、空吹け抑制制御を説明する。図7のフローチャート
は、2速から3速へのアップシフト要求時に実行される
ものであり、ステップS1では、ブレーキバンド2&4
/Bを解放し、ハイクラッチH/Cの締結するために、
シフトソレノイド(B)22をONからOFFに切替
え、かつ、2&4/Bタイミングソレノイド26をON
にする。
【0052】ステップS2では、上記制御による2速か
ら3速へのアップシフト中に、空吹けが発生したか否か
を判別する。前記空吹け発生の判別は、自動変速機の出
力軸から回転信号を取り出す車速センサ107の検出信
号(出力軸回転速度)と、変速前の2速におけるギヤ比
とから、基準タービン回転速度NtS(基準入力軸回転
速度)を演算し、タービン回転センサ108で検出され
る実際のタービン回転速度Nt(入力軸回転速度)が、
基準タービン回転速度NtS+所定値HYS(1)より
も高くなったときに(Nt>NtS+HYS(1))、
空吹けの発生を検出する。
【0053】また、車速センサ107の検出信号(出力
軸回転速度)とタービン回転センサ108で検出される
タービン回転速度Nt(入力軸回転速度)とからギヤ比
(ギヤ比=入力軸回転速度/出力軸回転速度)を演算
し、該ギヤ比が、変速前の2速におけるギヤ比を基準に
設定される基準ギヤ比(1)よりも大きくなったとき
に、空吹けの発生を検出するようにしても良い。
【0054】ステップS2で空吹けの発生が検出される
と、ステップS3へ進み、2&4/Bタイミングバルブ
(B)8の作用で、解放側である2&4/Bアキュムレ
ータ背圧がドレンされる前であるかドレンされた後であ
るかを判別する。前記2&4/Bアキュムレータ背圧の
ドレン前であるかドレン後であるかの判別の目的は、解
放側摩擦係合要素であるブレーキバンド2&4/Bと、
締結側摩擦係合要素であるハイクラッチH/Cとのいず
れが主にトルクを伝達している状態であるかを判別する
ことにある。
【0055】2&4/Bタイミングバルブ(B)8はハ
イクラッチH/Cの作動圧PHCが充分に立ち上がって
から2&4/Bアキュムレータ背圧をドレンするので、
2&4/Bアキュムレータ背圧がドレンされる前は、ハ
イクラッチH/Cの作動圧PHCが充分に増大しておら
ず、未だブレーキバンド2&4/Bが主にトルクを伝達
している状態であり、一方、2&4/Bアキュムレータ
背圧がドレンされた後は、ハイクラッチH/Cが主にト
ルクを伝達している状態であると判別される。
【0056】従って、前記2&4/Bアキュムレータ背
圧のドレン前であるかドレン後であるかの判別は、換言
すれば、主にトルクを伝達しているのが解放側であるの
か締結側であるのかを判別することになり、例えば、2
&4/Bタイミングバルブ(B)8のスプールバルブが
2&4/Bアキュムレータ背圧をドレンする位置に変位
したこと検出するスイッチ30の信号に基づいて行わせ
る構成とすることができる。
【0057】但し、この場合、スイッチ30が必要とな
るので、より簡便に、変速開始からの経過時間が予め決
定された判定時間よりも短いか否かを判別し、経過時間
が判定時間よりも短い場合には、解放側が主にトルクを
伝達している(解放側アキュムレータ背圧のドレン前で
ある)と判断し、経過時間が判定時間よりも長い場合に
は、締結側が主にトルクを伝達している(解放側アキュ
ムレータ背圧のドレン後である)と判断させることが好
ましい。
【0058】また、締結側であるハイクラッチH/Cの
アキュムレータ背圧を制御するPLデューティソレノイ
ド23は、変速開始からの経過時間及び入力軸トルクに
基づいて制御されるようになっているので(図6参
照)、前記PLデューティソレノイド23の制御デュー
ティと判定デューティとの比較に基づいて、主にトルク
を伝達しているのが解放側であるのか締結側であるのか
を推定させることも可能である。
【0059】即ち、PLデューティソレノイド23の制
御デューティは、入力軸トルクに応じた初期値を変速開
始から所定時間t1だけ保持したのち、一定の速度で増
大し、タービン回転が変速後のギヤ比相当になってから
所定時間t2後に、締結状態を保持するための入力軸ト
ルクに応じた値にまでステップ変化するようになってい
るので、例えば入力軸トルクに応じて判定デューティを
設定することで、主にトルクを伝達している要素が解放
側から締結側に切り換わるタイミングを、おおよそ判別
することが可能である。
【0060】ステップS3で、2&4/Bアキュムレー
タ背圧がドレンされる前である(変速開始からの経過時
間が判定時間よりも短い)と判別されると、トルクを主
に伝達しているブレーキバンド2&4/Bの作動圧補正
により、空吹けを収束させるべく、ステップS4以降へ
進む。尚、図6は、空吹けが、2&4/Bアキュムレー
タ背圧がドレンされる前(変速開始からの経過時間が判
定時間よりも短い状態)で発生して、ステップS4〜ス
テップS10の処理を行った場合を示している。
【0061】ステップS4では、まず、2&4/Bタイ
ミングソレノイド26をOFFにすることで、解放側で
ある2&4/Bアキュムレータ背圧が、2&4/Bタイ
ミングバルブ(B)8の作用でドレンされることを阻止
する。また、ステップS5では、2&4/Bアキュムレ
ータ背圧を増大させるべく、2&4/Bデューティソレ
ノイド24の制御デューティをステップ的に増大補正す
る。
【0062】具体的には、入力軸トルクに応じたベース
デューティを所定の補正量で補正するようにしてあり、
前記補正量は、図8に示すように、エンジン回転速度と
油温とに応じて設定され、エンジン回転速度が低く油温
が低いときほど補正量が大きくなるようにしてある。本
実施形態において、作動油を供給するオイルポンプはエ
ンジン駆動され、エンジン回転速度が低いときほど、オ
イルポンプの吐出量が少なくなるので、エンジン回転速
度が低いときほど補正量を大きくして、解放側のトルク
容量が速やかに増大するようにしてある。
【0063】また、作動油の温度が低いと、油圧応答が
遅くなるので、油温が低いときほど補正量を大きくし
て、解放側のトルク容量が速やかに増大するようにして
ある。ステップS6では、ブレーキバンド2&4/Bの
油圧供給路がドレンされる状態からDレンジ圧PDが供
給される状態、即ち、2速における状態に戻すべく、2
速から3速へのアップシフト要求に従ってOFFとした
シフトソレノイド(B)22をONに切替える。
【0064】上記のように、2&4/Bアキュムレータ
背圧を増大させ、かつ、シフトソレノイド(B)22を
ONに切替えて、Dレンジ圧PDがブレーキバンド2&
4/Bに供給される状態にすることで、解放側であるブ
レーキバンド2&4/Bの作動圧(伝達トルク容量)を
増大させて、伝達トルク容量不足による空吹け状態の解
消を図る。
【0065】尚、2&4/Bアキュムレータ背圧を増大
させるだけでも、ブレーキバンド2&4/Bのクラッチ
パックからの排出油量をある程度制限することができる
が、空吹けの早期収束には不充分であるため、シフトソ
レノイド(B)22をONに切替えてブレーキバンド2
&4/BのクラッチパックにDレンジ圧PDが供給され
るようにしている。
【0066】ステップS7では、空吹けが収束したか否
かを判別する。この空吹けの収束は、タービン回転速度
Ntと前記基準タービン回転速度NtSとの偏差の微分
値が所定値HYS(2)(例えば0)よりも小さくなっ
たときに(d/dt(Nt−NtS)<HYS
(2))、空吹けの収束を検出する構成とすることがで
きる。これによれば、タービン回転速度Ntが基準ター
ビン回転速度NtSから離れる傾向が、基準タービン回
転速度NtSに向けて戻る傾向に変化したときを、空吹
けの収束として検出させることができる。
【0067】また、車速センサ107の検出信号とター
ビン回転センサ108で検出されるタービン回転速度N
tとからギヤ比(ギヤ比=入力軸回転速度/出力軸回転
速度)を演算し、該ギヤ比が、変速前の2速におけるギ
ヤ比を基準に設定される基準ギヤ比(2)よりも小さく
なったときに、空吹けの収束を検出するようにしても良
い。
【0068】尚、タービン回転速度Ntと前記基準ター
ビン回転速度NtSとの偏差の微分値に基づいて空吹け
の収束を検出する構成であれば、空吹けが収束傾向に反
転した時点を応答良く検出でき、過剰な補正を回避しつ
つ空吹けを短時間に収束させることができ、ギヤ比に基
づいて空吹けの収束を検出させる構成よりも好ましい。
【0069】ステップS7で空吹けの収束が検出される
と、通常の2速から3速への変速制御状態に復帰させる
べく、ステップS8〜10の処理を行う。ステップS8
では、2&4/Bタイミングソレノイド26をONする
ことで、解放側である2&4/Bアキュムレータ背圧
が、2&4/Bタイミングバルブ(B)8の作用でドレ
ンされるようにする。
【0070】ステップS9では、2&4/Bアキュムレ
ータ背圧の増大制御を停止し、2&4/Bアキュムレー
タ背圧をベース値に戻す。ステップS10では、シフト
ソレノイド(B)22をOFFに切替え、ブレーキバン
ド2&4/Bの油圧供給路がドレンされる3速の状態に
戻す。上記のように、解放側であるブレーキバンド2&
4/Bが主にトルクを伝達している状態で空吹けが発生
したときに、シフトソレノイドを元の2速での制御状態
に戻しておいて2&4/Bアキュムレータ背圧を増大さ
せれば、ブレーキバンド2&4/Bの作動圧(トルク容
量)を応答良く増大させて、空吹けを短時間で収束させ
ることができる。
【0071】また、アキュムレータ背圧の増大補正量
を、オイルポンプの吐出量に相関するエンジン回転速度
と、作動油の粘性を示す油温に応じて設定することで、
オーバーシュートさせることなく、伝達トルク容量を空
吹けの収束に充分なだけ増大させることができる。一
方、ステップS3で、2&4/Bアキュムレータ背圧が
ドレンされた後である(変速開始からの経過時間が判定
時間よりも長い)と判別されると、トルクを主に伝達し
ているハイクラッチH/Cの作動圧補正により、空吹け
を収束させるべく、ステップS11以降へ進む。
【0072】ステップS11では、ハイクラッチH/C
のアキュムレータ背圧を増大させるべく、PLデューテ
ィソレノイド23の制御デューティをステップ的に増大
補正する。前記制御デューティの増大補正量は、前記ス
テップS5における処理と同様に、エンジン回転速度と
油温とに応じて設定される。
【0073】ステップS12では、前記ステップS7と
同様にして空吹けの収束を検出する。ステップS12で
空吹けの収束が検出されると、ステップS13へ進ん
で、PLデューティソレノイド23の制御デューティの
ステップ的な増大補正を中止する。
【0074】上記のように、締結側であるハイクラッチ
H/Cが主にトルクを伝達している状態で空吹けが発生
したときに、ハイクラッチH/Cのアキュムレータ背圧
を増大させれば、ハイクラッチH/Cの作動圧(伝達ト
ルク容量)を応答良く増大させて、空吹けを短時間で収
束させることができる。ところで、空吹けの発生は、締
結側の油圧応答の遅れによって発生するものと推定され
るので、締結側であるハイクラッチH/Cに対して背圧
の制御によってプリチャージを行うようにすることが好
ましく、該プリチャージ制御を図9のフローチャートに
従って説明する。
【0075】図9のフローチャートにおいて、ステップ
S21では、2速→3速のアップシフト開始時であるか
否かを判別し、2速→3速のアップシフトが開始される
ときに、ステップS22へ進む。ステップS22では、
エンジン回転速度と油温とに応じてプリチャージ時間T
IM1を設定する。前記プリチャージ時間TIM1は、
図10に示すように、エンジン回転速度が低く油温が低
いときほど長くなるようにしてある。これは、前記補正
量の設定特性と同様に、エンジン回転速度が低いときほ
どオイルポンプの吐出量が少なくなり、作動油の温度が
低いときほど油圧応答が遅くなるためである。
【0076】ステップS23では、2速→3速のアップ
シフトが開始されてからの経過時間を計測するタイマを
カウントアップさせ、ステップS24では、前記タイマ
による計測時間が前記プリチャージ時間TIM1よりも
短いか否かを判別する。前記タイマによる計測時間が前
記プリチャージ時間TIM1よりも短い場合には、ステ
ップS25へ進み、締結側であるハイクラッチH/Cに
対するプリチャージを実行する。
【0077】前記プリチャージは、H/Cアキュムレー
タ背圧を最大圧に増圧することで行われ、具体的には、
PLデューティソレノイド23の制御により、アキュム
コントロール圧PACCMAが最大圧であるライン圧に設定さ
れるようにする。そして、H/Cアキュムレータ背圧を
最大圧とするプリチャージを、前記プリチャージ時間T
IM1だけ継続すると、ステップS24からステップS
26へ進んで、プリチャージを停止させ、H/Cアキュ
ムレータ背圧を入力軸トルクに応じた値に戻す。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態における車両駆動系を示すシステム
図。
【図2】実施形態における変速機構を示すスケルトン
図。
【図3】実施形態における各変速段における各摩擦係合
要素の締結状態の組み合わせを示す図。
【図4】実施形態におけるコントロールバルブ部を示す
油圧回路図。
【図5】実施形態における各変速段におけるシフトソレ
ノイドA,BのON・OFFの組み合わせを示す図。
【図6】実施形態における2速→3速アップシフト時の
制御を示すタイムチャート。
【図7】実施形態における2速→3速アップシフト時の
解放側の制御を示すフローチャート。
【図8】実施形態における背圧制御量の補正量の特性を
示す線図。
【図9】実施形態における2速→3速アップシフト時の
締結側のプリチャージ制御を示すフローチャート。
【図10】前記プリチャージ制御におけるプリチャージ
時間の特性を示す線図。
【符号の説明】
1…シフトソレノイド(A) 2…シフトソレノイド(B) 3…L/C&H/C用アキュムコントロールバルブ 4…2&4/B用アキュムコントロールバルブ 5…L/Cタイミングバルブ(A) 6…L/Cタイミングバルブ(B) 7…2&4/Bタイミングバルブ(A) 8…2&4/Bタイミングバルブ(B) 9…L/Cアキュムレータ 10…2&4/Bアキュムレータユニット 11…H/Cアキュムレータユニット 21…シフトソレノイド(A) 22…シフトソレノイド(B) 23…PLデューティソレノイド 24…2&4/Bデューティソレノイド 25…L/Cタイミングソレノイド 26…2&4/Bタイミングソレノイド 101…エンジン 102…トルクコンバータ 103…自動変速機 103A…変速機構部 103B…コントロールバルブ部 104…A/Tコントローラ 105…A/T油温センサ 106…アクセル開度センサ 107…車速センサ 108…タービン回転センサ 109…エンジン回転センサ G1,G2…遊星歯車 H/C…ハイクラッチ R/C…リバースクラッチ L/C…ロークラッチ 2&4/B…ブレーキバンド L&R/B…ロー&リバースブレーキ L/OWC…ワンウェイクラッチ

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】異なる2つの摩擦係合要素の締結制御と解
    放制御とを同時に行う摩擦係合要素の掛け替えによって
    変速を行う自動変速機であって、各摩擦係合要素への油
    の供給路にアキュムレータを備えると共に、締結側摩擦
    係合要素の作動圧の立ち上がりに応じて解放側摩擦係合
    要素のアキュムレータ背圧をドレンするタイミングを決
    定するタイミングバルブを備えた自動変速機の制御装置
    において、 変速中に、解放側摩擦係合要素と締結側摩擦係合要素の
    うちのどちらが主にトルクを伝達しているかを判別し、
    空吹けの発生から収束するまでの間、主にトルクを伝達
    している方の摩擦係合要素のアキュムレータ背圧をステ
    ップ的に増大補正することを特徴とする自動変速機の制
    御装置。
  2. 【請求項2】前記解放側摩擦係合要素と締結側摩擦係合
    要素のうちのどちらが主にトルクを伝達しているかを、
    変速開始からの経過時間に基づいて判別することを特徴
    とする請求項1記載の自動変速機の制御装置。
  3. 【請求項3】前記解放側摩擦係合要素と締結側摩擦係合
    要素のうちのどちらが主にトルクを伝達しているかを、
    締結側摩擦係合要素のアキュムレータ背圧を制御するデ
    ューティソレノイドの制御値に基づいて判別することを
    特徴とする請求項1記載の自動変速機の制御装置。
  4. 【請求項4】前記解放側摩擦係合要素と締結側摩擦係合
    要素のうちのどちらが主にトルクを伝達しているかを、
    前記タイミングバルブによるドレン前であるかドレン後
    であるかによって判別することを特徴とする請求項1記
    載の自動変速機の制御装置。
  5. 【請求項5】各摩擦係合要素に対する油の給排をオン・
    オフ的に切替えるシフトソレノイドと、前記タイミング
    バルブにおけるドレン処理の許可・禁止を切替えるタイ
    ミングソレノイドと、を備え、 解放側の摩擦係合要素のアキュムレータ背圧を増大補正
    するときに、前記シフトソレノイドを変速開始前の状態
    に戻し、かつ、前記タイミングソレノイドにより前記タ
    イミングバルブにおけるドレン処理を禁止することを特
    徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の自動変速
    機の制御装置。
  6. 【請求項6】前記アキュムレータ背圧のステップ的な増
    大補正量を、エンジン回転速度と作動油の温度との少な
    くとも一方に応じて決定することを特徴とする請求項1
    〜5のいずれか1つに記載の自動変速機の制御装置。
  7. 【請求項7】変速開始から所定期間だけ締結側摩擦係合
    要素のアキュムレータ背圧を最大油圧に制御する構成と
    する一方、前記所定期間をエンジン回転速度と作動油の
    温度との少なくとも一方に応じて決定することを特徴と
    する請求項1〜6のいずれか1つに記載の自動変速機の
    制御装置。
  8. 【請求項8】前記空吹けの発生を、変速機構の入力軸回
    転速度と、変速機構の出力軸回転速度及び変速前のギヤ
    比から算出される基準入力軸回転速度との偏差に応じて
    検出することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つ
    に記載の自動変速機の制御装置。
  9. 【請求項9】前記空吹けの収束を、変速機構の入力軸回
    転速度と、変速機構の出力軸回転速度及び変速前のギヤ
    比から算出される基準入力軸回転速度との偏差の微分値
    に基づいて検出することを特徴とする請求項1〜8のい
    ずれか1つに記載の自動変速機の制御装置。
  10. 【請求項10】前記空吹けの発生及び収束を、変速機構
    の入力軸回転速度及び出力軸回転速度から算出されるギ
    ヤ比と所定値との比較に基づいて検出することを特徴と
    する請求項1〜7のいずれか1つに記載の自動変速機の
    制御装置。
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