JPH08233088A - 車両用油圧作動式変速機の油圧制御装置 - Google Patents
車両用油圧作動式変速機の油圧制御装置Info
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Abstract
圧クラッチへの供給油圧は時間に関する値として求めら
れるとの認識の基に、所定時間ごとに係合されている変
速段のときに加算され、解放されている変速段のときに
減算されるタイマカウンタを設け、変速初期のクラッチ
の充填油圧を検知し、既に充填されているときは充填油
圧の供給を中止する。 【効果】 充填されているときに重ねて充填油圧を供給
することがなく、よってクラッチが急激に係合して変速
ショックが生じることがない。また油圧センサを必要と
せずにクラッチの状態を検知できる。
Description
機の油圧制御装置に関し、より詳しくは油圧センサを用
いることなくして、係合時のクラッチ充填用の油圧制御
の要否を判断して充填油圧の供給を決定するようにした
ものに関する。
ッチ、ブレーキなどの摩擦係合要素を備え、該摩擦係合
要素への作動油の給排状態を切り換えて変速を行う車両
用の油圧作動式変速機においては、いわゆる変速ショッ
クを防止するために、係合するクラッチの係合油圧を最
適に制御する必要がある。
シフトバルブが切り替わり、油圧源からの作動油がクラ
ッチのピストン室(シリンダ)に供給され、そこを充填
してピストンがストロークを開始し始めることで係合を
開始する。このように、クラッチのピストンがストロー
クを開始するまで、タイムラグがある。
留する作動油にクラッチの回転による遠心力が作用して
遠心油圧が発生し、それがピストンを僅かにストローク
させてクラッチを弱係合させる不都合を防止するため
に、ピストン室に遠心油圧排出用のチェックバルブが取
りつけてあるクラッチにおいては、係合時にチェックバ
ルブが閉弁するまでの間も、前記タイムラグの要因とな
る。
に、従来は、特開昭60−227048号ないしは特開
昭60−231056号公報に記載の技術の如く、作動
油を急速に充填するために、例えば一定時間の間、高圧
の作動油を供給するように作動油圧制御用電磁弁(リニ
アソレノイドやデューティソレノイド型の電磁弁)を制
御することが、知られている。
た従来技術にあっては、係合時には常に充填用の油圧を
供給するようになっており、供給する前のクラッチの状
態は、全く考慮されていない。即ち、ピストン室に作動
油がなく空の状態なのか、あるいは解放されてから余り
時間が経過しておらず、ピストン室に作動油が残留して
いてほぼ充填が完了している状態にあるかなどは、考慮
されていなかった。
圧(以下、油圧制御の応答性を高める油圧と言う意味
で、これを「応答圧」と呼ぶ)が必要であるが、後者の
場合には不要であり、応答圧を出力するとクラッチが急
激に係合し、かえってショックが発生してしまう恐れが
ある。即ち、後者のような場合には、応答圧を供給せず
に、その後の制御油圧、例えば変速機入力軸などの回転
変化に基づいて所定の特性から決定する制御油圧のみを
供給すれば良い。
した欠点を解消することにあり、クラッチなどの摩擦係
合要素の状態を検知し、それに基づいて応答圧供給の可
否を判断するようにした車両用油圧作動式変速機の油圧
制御装置を提供することにある。
の検知は、実際に係合油圧自体を検出することで行って
も良いが、油圧センサを用いるのは、コスト的に望まし
くない。
ンサを用いることなく、クラッチなどの摩擦係合要素の
状態を検知し、それに基づいて応答圧供給の可否を判断
するようにした車両用油圧作動式変速機の油圧制御装置
を提供することにある。
的を解決するためにこの発明は請求項1項において、複
数の摩擦係合要素を有し、車両走行状態に基づいて該摩
擦係合要素の係合状態を切り換えて変速を行うと共に、
前記摩擦係合要素へ供給される作動油を変速初期におけ
る実際の係合開始までのタイムラグを低減するように制
御する油圧制御手段を備える車両用油圧作動式変速機の
油圧制御装置において、前記摩擦係合要素の駆動力伝達
能力を検知する検知手段と、および、該検知手段により
検知される駆動力伝達能力に応じて前記油圧制御手段の
作動を制御する作動制御手段と、を備える如く構成し
た。
前記摩擦係合要素の少なくとも1つの駆動力伝達能力を
検知し、検知した駆動力伝達能力値が高いとき、前記1
つの摩擦係合要素を係合する変速段への変速時に、前記
油圧制御手段の作動を中止する如く構成した。
前記摩擦係合要素の少なくとも1つの駆動力伝達能力を
検知し、検知した駆動力伝達能力値が高いとき、前記1
つの摩擦係合要素を係合する変速段への変速時に、前記
油圧制御手段の作動を実行する如く構成した。
が、変速初期において作動油を高圧とする如く構成し
た。
り検知される駆動力伝達能力値が、前記摩擦係合要素の
係合油圧に相当する値である如く構成した。
り検知される駆動力伝達能力値は、前記摩擦係合要素が
係合状態に移行するときは所定割合で増加し、解放状態
へ移行するときは所定割合で減少する値である如く構成
した。
り検知される駆動力伝達能力値が、前記油圧制御手段の
制御状態により増加に制限を受ける如く構成した。
圧制御装置においては、摩擦係合要素へ供給される作動
油を変速初期における実際の係合開始までのタイムラグ
を低減するように制御すると共に、前記摩擦係合要素の
駆動力伝達能力を検知し、検知される駆動力伝達能力に
応じて油圧制御手段の作動を制御する如く構成したの
で、油圧クラッチの状態に応じて油圧供給を最適に制御
することができ、例えば油圧クラッチが既に充填されて
いるときは応答圧の供給を停止することが可能となり、
応答圧を出力したために油圧クラッチが急激に係合して
変速ショックが生じることがない。また、駆動力伝達能
力を検知するのに、油圧センサを必要としないことか
ら、コスト的に不利となることがない。尚、ここで「摩
擦係合要素」とはクラッチ、ブレーキなどを意味する。
の少なくとも1つの、より具体的には係合側の摩擦係合
要素の駆動力伝達能力を検知し、検知した駆動力伝達能
力値が高いとき、前記1つの摩擦係合要素を係合する変
速段への変速時に前記油圧制御手段の作動を中止する如
く構成したので、油圧クラッチが既に充填されていると
きは応答圧の供給を停止することが可能となり、応答圧
を出力したために油圧クラッチが急激に係合して変速シ
ョックが生じることがない。
の少なくとも1つの、より具体的には係合側の摩擦係合
要素の駆動力伝達能力を検知し、検知した駆動力伝達能
力値が高いとき、前記1つの摩擦係合要素を係合する変
速段への変速時に前記油圧制御手段の作動を実行する如
く構成したので、油圧クラッチが未だ充填されていない
ときは応答圧を供給して前記したタイムラグを短縮し、
制御応答性を高めることができる。
作動油を高圧とする如く構成したので、油圧クラッチが
未だ充填されていないときは直ちに応答圧を供給するこ
とができ、前記したタイムラグを短縮して制御応答性を
高めることができる。
力値が前記摩擦係合要素の係合油圧に相当する値である
如く構成したので、油圧クラッチの状態を的確に検知す
ることができる。尚、前記摩擦係合要素の係合油圧に相
当する値とは、より具体的には、油圧クラッチへの給排
割合を一定とすれば、係合油圧は時間相当値として求め
られるとの認識の基に、同一変速段であるとき加算され
ると共に、変速段が切り換えられたとき減算されるタイ
マカウンタの値を使用する。
力値は前記摩擦係合要素が係合状態に移行するときは所
定割合で増加し、解放状態へ移行するときは所定割合で
減少する値である如く構成したので、油圧クラッチの状
態を一層的確に検知することができる。
力値が前記油圧制御手段の制御状態により増加に制限を
受ける如く構成したので、油圧クラッチの状態を更に一
層的確に検知することができる。尚、前記油圧制御手段
の制御状態により増加に制限を受けるとは、より具体的
には、前記したタイマカウンタ値において、例えばリニ
アソレノイド出力相当値ないしライン圧相当値を超える
とき、それに制限されることを意味する。
説明する。
変速機の油圧制御装置を全体的に示す概略図である。
は、内燃機関Eのクランクシャフト1にロックアップ機
構Lを有するトルクコンバータ2を介して接続されたメ
インシャフトMSと、このメインシャフトMSに複数の
ギヤ列を介して接続されたカウンタシャフトCSとを備
える。
3、メイン2速ギヤ4、メイン3速ギヤ5、メイン4速
ギヤ6、およびメインリバースギヤ7が支持される。ま
た、カウンタシャフトCSには、メイン1速ギヤ3に噛
合するカウンタ1速ギヤ8、メイン2速ギヤ4と噛合す
るカウンタ2速ギヤ9、メイン3速ギヤ5に噛合するカ
ウンタ3速ギヤ10、メイン4速ギヤ6に噛合するカウ
ンタ4速ギヤ11、およびメインリバースギヤ7にリバ
ースアイドルギヤ13を介して接続されるカウンタリバ
ースギヤ12が支持される。
回転自在に支持されたメイン1速ギヤ3を1速用油圧ク
ラッチC1でメインシャフトMSに結合すると、1速変
速段が確立する。1速用油圧クラッチC1は、2速〜4
速変速段の確立時にも係合状態に保持されるため、カウ
ンタ1速ギヤ8は、ワンウェイクラッチCOWを介して
支持される。
されたメイン2速ギヤ4を2速用油圧クラッチC2でメ
インシャフトMSに結合すると、2速変速段が確立す
る。カウンタシャフトCSに相対回転自在に支持された
カウンタ3速ギヤ10を3速用油圧クラッチC3でカウ
ンタシャフトCSに結合すると、3速変速段が確立す
る。
持されたカウンタ4速ギヤ11をセレクタギヤSGでカ
ウンタシャフトCSに結合した状態で、メインシャフト
MSに相対回転自在に支持されたメイン4速ギヤ6を4
速−リバース用油圧クラッチC4RでメインシャフトM
Sに結合すると、4速変速段が確立する。
持されたカウンタリバースギヤ12をセレクタギヤSG
でカウンタシャフトCSに結合した状態で、メインシャ
フトMSに相対回転自在に支持されたメインリバースギ
ヤ7を前記4速−リバース用油圧クラッチC4Rでメイ
ンシャフトMSに結合すると、後進変速段が確立する。
上記において、クラッチC1,C2,C3,C4Rが、
前記した摩擦係合要素に相当する。
ファイナルドライブギヤ14およびフィイナルドリブン
ギヤ15を介してディファレンシャルDに伝達され、そ
れから左右のドライブシャフト16,16を介して駆動
輪W,Wに伝達される。
に配置されたスロットル弁(図示せず)の付近には、そ
の開度θTHを検出するスロットル開度センサS1が設け
られる。またファイナルドリブンギヤ15の付近には、
ファイナルドリブンギヤ15の回転速度から車速Vを検
出する車速センサS2が設けられる。
回転を通じて変速機の入力軸回転速度NM を検出する入
力軸回転速度センサS3が設けられると共に、カウンタ
シャフトCSの付近にはその回転を通じて変速機の出力
軸回転速度Nc を検出する出力軸回転速度センサS4が
設けられる。
レバー(図示せず)の付近には、P,R,N,D4,D
3,2の6種のポジションの中、運転者が選択したポジ
ションを検出するシフトレバーポジションセンサS5が
設けられる。また内燃機関Eのクランクシャフト1の付
近にはその回転を通じて機関回転数を検出する回転速度
センサS6が設けられる。また、機関冷却水通路などの
適宜位置には機関冷却水の温度を検出する水温センサS
7が設けられる。これらセンサS1などの出力は、EC
U(電子制御ユニット)に送られる。
19、入力回路20および出力回路21からなるマイク
ロ・コンピュータから構成され、前記したセンサS1な
どの出力は、入力回路20を介してマイクロ・コンピュ
ータ内に入力される。
7はシフト位置(変速段)を決定し、出力回路21を通
じて油圧制御回路OのシフトソレノイドSL1,SL2
を励磁・非励磁することによって図示しないシフトバル
ブを切り替え、所定の変速段の油圧クラッチを解放・締
結すると共に、制御ソレノイドSL3,SL4を通じて
トルクコンバータ2のロックアップ機構Lの動作を制御
し、更にリニアソレノイドSL5を通じて後述の如く、
クラッチ油圧を制御する。
的に示す説明回路図である。油圧源(図示せず)より供
給されるライン圧(元圧)は、クラッチプレッシャコン
トロールバルブに送られ、上記したリニアソレノイドS
L5により所定のスロットル圧の範囲内で調節され、ア
キュムレータに並列に接続されたクラッチC1,C2,
C3,C4Rに供給される。
U17が、リニアソレノイドSL5によりクラッチプレ
ッシャコントロールバルブを介してライン圧を調節する
ことで、後述のように目標値に制御される。クラッチC
1,C2,C3,C4Rには図示の如く、遠心油圧排出
用の孔100が穿設され、図示しないチェックバルブ、
例えば特公昭58−26254号公報記載のチェックバ
ルブを介して解放時に、残留する遠心油圧が排出され
る。
機の油圧制御装置の動作を示すメイン・フロー・チャー
トであるが、同図の説明に入る前に、図4以下を参照し
てその動作を概説する。
例にとったときのタイミング・チャートである。また図
5は、図4下部に示す目標クラッチ圧に従って油圧制御
を行ったときのシミュレーションデータ図である。図5
の上部に示すように、変速機出力軸トルクG(車両進行
方向)はほぼ一定となって変速ショックは生じない。
においては、変速指令SRがなされた時点T0で2速ク
ラッチC2への油圧供給は停止され、3速クラッチへの
油圧供給が開始されるように設定される。時刻T0から
時刻T1までの間は3速クラッチC3には充填用の油圧
(前記した応答圧)が供給される。この明細書ではT0
−T1の区間(トルク相区間)を「変速初期」、T1−
T2の区間を変速後半と呼ぶ)。
であるが、供給圧は、図示の如く、、最初は高圧に設定
されると共に、経時的に低圧となるように設定される。
即ち、応答圧はピストンのストロークの遊びを埋めて前
記したライムラグを減少するためのものであると共に、
高圧を供給し続けると時刻T1以前に係合側クラッチが
ストロークを開始して、解放側クラッチとの共噛み期間
が長くなって変速ショックが生じることから、ピストン
ストロークの遊びを埋めた状態を保持し得る程度に、変
速初期において経時的に低くなるよう設定される。
ラッチごと(変速段ごと)にスロットル開度θTHに応じ
て設定されることから、応答圧もそのときのスロットル
開度に応じて決定され、高スロットル開度θTH1 にあっ
ては低スロットル開度θTH2にあるときより、高い応答
圧が供給される。
油圧センサが高価であることから、実施例に係る油圧制
御装置においては、それに代えてタイマカウンタを使用
した。
給すれば、クラッチの油圧も一定の割合で上昇するであ
ろうと考え、図7に示すように、所定時間(図3フロー
・チャートのプログラム起動周期)ごとに、同一の変速
段にあるときは加算され、変速段が切り換えられたとき
は減算されるタイマカウンタを設けた。そして、同図に
示す如く、適宜なスレッシュホールド値YTCLONを設定
し、それを超えるときは、応答圧の供給を不要とした。
尚、図示の簡略上、スレッシュホールド値YTCLONを3速
クラッチ用タイマカウンタ値(TM3rdC)についてのみ示
す。
例に係る車両用油圧作動式変速機の油圧制御装置の動作
を説明する。尚、このプログラムは、20msごとに起
動される。
即ち、図4タイミング・チャートにおいて時刻T0から
T1の間にあるか否かをシステムタイマの値(図4タイ
ミング・チャートに示す)から判断し、肯定されるとき
はS12に進んで前記したタイマカウンタTMCLの値を算
出する(後述)。
ンタTMCLの値がスレッシュホールド値YTCLON以上か否か
判断し、肯定されるときはS16に進んでフラグQDSMの
ビットを1にセットすると共に、否定されるときはS1
8に進んで該フラグQDSMのビットを0にリセットする。
を判断し、1であればS22に進んで応答圧無制御、即
ち、応答圧の供給を中止すると共に、0であればS24
に進んで応答圧有制御、即ち、図4および図6に示した
特性に従って応答圧を供給する。
ときはS26に進んで変速終了(図4タイミング・チャ
ートにおいて時刻T2より後を変速終了とし、前記した
システムタイマの値から判定する)か否か判断する。そ
して肯定されるときは直ちにプログラムを終了すると共
に、否定されるときはS28に進んで変速後半の制御を
行う。
メインシャフトMSの回転変化が目標値となるようにク
ラッチ油圧を制御するイナーシャモード、および、変速
終了直前のクラッチ油圧が滑らかに上昇するように制御
する終期モード、変速の前後の非変速時に出力されるス
ロットル開度に応じる油圧まで上昇させる変速終了付近
の終了モードからなるが、この発明の要旨はそこにはな
いので、詳細な説明は省略する。
イマカウンタTMCLの値の算出作業を示すサブルーチン・
フロー・チャートである。尚、図8以降においては、タ
イマカウンタTMCLを、1速クラッチC1用についてはTM
1STC、2速クラッチC2,C3,C4R用についてはTM
2ndC,TM3rdC,TH4THCと別称する。
たレンジがD4,D3,2のいずれかにあるか否か判断
する。肯定されるときはS102に進み、1速クラッチ
用タイマカウンタTM1STCの値に所定値YTCLKS1 を加算す
る。同時にオーバーフローチェックおよびリミットチェ
ックも行うが、これは後述する。
(図4タイミング・チャートにおける変速指令値SR)
が2速か否か判断し、肯定されるときはS106に進ん
で2速クラッチ用タイマカウンタTM2ndCの値に所定値YT
CLKS2 を加算すると共に(同時に後述するオーバーフロ
ーチェックおよびリミットチェックも行う)、否定され
るときはS108に進んで2速クラッチ用タイマカウン
タTM2ndCの値から所定値YTCLGS2 を減算する(同時に後
述するアンダーフローチェックおよびリミットチェック
も行う)。
が3速か否か判断し、肯定されるときはS112に進ん
で3速クラッチ用タイマカウンタTM3rdCの値に所定値YT
CLKS3 を加算すると共に(同時に後述するオーバーフロ
ーチェックおよびリミットチェックも行う)、否定され
るときはS114に進んで3速クラッチ用タイマカウン
タTM3rdCの値から所定値YTCLGS3 を減算する(同時に後
述するアンダーフローチェックおよびリミットチェック
も行う)。
が4速か否か判断し、肯定されるときはS118に進ん
で4速クラッチ用タイマカウンタTM4THCの値に所定値YT
CLKS4 を加算する。尚、その減算は後述する。
3速に、続いて4速にと変速されるとき、3速クラッチ
用タイマカウンタを例にとって説明すると、3速への変
速指令がなされた時点でプログラムをループするごとに
所定量づつ加算し、4速への変速指令に切り換えられた
時点で所定量づつ減算する。即ち、この実施例では、油
圧クラッチへの作動油の給排割合を一定とすれば、時間
経過を計測することで、当該クラッチの油圧量を推定し
得ると考えた。
否かを問わずに1速クラッチ用タイマカウンタの値を所
定量づつ加算するのは、1速変速段は実施例においてワ
ンウェイクラッチを備えるため、前進レンジで常時係合
しているからである。
0に進んで1速クラッチ用タイマカウンタTM1STCから所
定値YTCLGS1 を減算すると共に(同時に後述するアンダ
ーフローチェックおよびリミットチェックも行う),続
いてS122,S124に順次進んで2速ないし3速ク
ラッチ用タイマカウンタTM2ndC,TH3rdC から所定量YTCL
GS2,3 を減算する。
Rであるか否か判断し、否定されるときは検出したレン
ジはPないしNであって走行レンジではないので、S1
28に進んで4速クラッチ用タイマカウンタTM4THCから
所定値YTCLGS4 を減算する(同時に後述するアンダーフ
ローチェックおよびリミットチェックも行う)。
に進みRVS(リバース)走行の許可モードにあるか否
か判断し、否定されるときは走行しないことからS12
8に進んで4速クラッチ用タイマカウンタTM4THCから所
定値YTCLGS4 を減算すると共に、肯定されるときはS1
18に進んで4速クラッチ用タイマカウンタTM4THCに所
定値YTCLKS4 を加算する。これは、4速クラッチC4R
がリバース走行にも兼用されるためである。
(アンダーフローチェック)およびリミットチェックを
含む、図8フロー・チャートのS102,S106など
の所定値の加減算処理のサブルーチン・フロー・チャー
トである。尚、図9フロー・チャートは2速クラッチC
2用のタイマカウンタの値についてのものであるが、図
示の手順は他のタイマカウンタについても異ならない。
速クラッチ用のタイマカウンタTM2ndCの値が所定値QAT
を超えているか否か判断する。ここで、所定値QATは、
前記したリニアソレノイドSL5へその時点で供給して
いる電流値(ソレノイドのストローク量)に相当する油
圧値を示す。
圧特性を図10に示す如くとするとき、図9フロー・チ
ャートの前半の作業は、タイマカウンタTM2ndCの値をそ
の時点でリニアソレノイドSL5に出力している電流値
I、より具体的にはその時点の電流値I1 に対応するク
ラッチ油圧P1 に相当する値に一致させる作業を意味す
る。
マカウンタTM2ndCの値が所定値QATを超えると判断され
るときはS202に進み、リニアソレノイド出力圧以上
の油圧は期待し得ないので、タイマカウンタTM2ndCの値
から前記加算値YTCLKS2 を減算し、S204に進んで減
算した結果、TM2ndCの値が負となるか否か判断する(S
204のCは負を示す)。
あり得ないことから、肯定されるときはS206に進ん
で算出値TM2ndCの値を0とする。他方、否定されるとき
はS206をスキップする。
2ndCの値を再び前記所定値QATと比較し、算出値がQAT
未満となったときは、S200ないしS202の処理が
タイマカウンタTM2ndCの値をQATに一致させることにあ
り、それ未満にすることではないため、S210に進ん
でQATの値をタイマカウンタTM2ndCの値とする。
値が所定値QAT以下と判断されるときはS212に進
み、前記した加算値YTCLKS2 を加算して値QATに向けて
増加させる。
ウンタの上限値MAXを超えているか否か判断し、肯定
されるときはS216に進んで上限値MAXをタイマカ
ウンタ値とする。尚、S214で否定されるときはS2
16をスキップする。
が前記QATを超えたか否か判断し、肯定されているとき
はS220に進み、S210で述べたと同様の理由から
QATをタイマカウンタ値とする。
ウンタ値が別の上限値YTMCMAX を超えているか否か判断
し、肯定されるときはS224に進んで所定値YTMCMAX
をタイマカウンタ値とする。ここで上限値YTMCMAX は、
図2のライン圧相当値を意味する。即ち、供給油圧はラ
イン圧を超えることはありえないので、ライン圧相当値
YTMCMAX を超えるときは、それ以下に制限する。尚、S
222で否定されるときはS224をスキップする。
る前の油圧クラッチの状態を検知し、それに基づいて応
答圧を供給すべきか否か決定するようにしたので、例え
ば油圧クラッチで遊び部分が既に充填されているにも関
わらず、応答圧を供給し、その結果クラッチが図4タイ
ミング・チャートで時刻T1前に急激に係合して変速シ
ョックを生じるようなことがない。
クラッチの状態を検知するようにしたので、コスト的に
も不利となることがない。
変速段にあっては減算値YTCLGSn と同一としたが、相違
させても良い。更には、加算値YTCLKSn および減算値YT
CLGSn は、同一変速段にあっては常に同一値としたが、
加減算の時点により相違させても良い。
って説明してきたが、他の型式の自動変速機にも応用可
能である。
機の油圧制御装置においては、油圧クラッチの状態に応
じて油圧供給を最適に制御することができ、例えば油圧
クラッチが既に充填されているときは応答圧の供給を停
止することが可能となり、応答圧を出力したために油圧
クラッチが急激に係合して変速ショックが生じることが
ない。また、駆動力伝達能力を検知するのに、油圧セン
サを必要としないことから、コスト的に不利となること
がない。
に充填されているときは応答圧の供給を停止することが
可能となり、応答圧を出力したために油圧クラッチが急
激に係合して変速ショックが生じることがない。
だ充填されていないときは応答圧を供給して前記したタ
イムラグを短縮し、制御応答性を高めることができる。
だ充填されていないときは直ちに応答圧を供給すること
ができ、前記したタイムラグを短縮して制御応答性を高
めることができる。
態を的確に検知することができる。
態を一層的確に検知することができる。
態を更に一層的確に検知することができる。
制御装置を全体的に示す説明図である。
回路図である。
トである。
ング・チャートである。
油圧に従ってシミュレーションを行ったときのデータ図
である。
す特性図である。
を説明するタイミング・チャートである。
算出作業を示すサブルーチン・フロー・チャートであ
る。
加減算およびオーバーフロー(アンダーフロー)チェッ
クおよびリミットチェック作業を示すサブルーチン・フ
ロー・チャートである。
リニアソレノイドの出力−油圧特性図である。
Claims (7)
- 【請求項1】 複数の摩擦係合要素を有し、車両走行状
態に基づいて該摩擦係合要素の係合状態を切り換えて変
速を行うと共に、前記摩擦係合要素へ供給される作動油
を変速初期における実際の係合開始までのタイムラグを
低減するように制御する油圧制御手段を備える車両用油
圧作動式変速機の油圧制御装置において、 a.前記摩擦係合要素の駆動力伝達能力を検知する検知
手段と、および b.該検知手段により検知される駆動力伝達能力に応じ
て前記油圧制御手段の作動を制御する作動制御手段と、
を備えるようにしたことを特徴とする車両用油圧作動式
変速機の油圧制御装置。 - 【請求項2】 前記検知手段が、前記摩擦係合要素の少
なくとも1つの駆動力伝達能力を検知し、検知した駆動
力伝達能力値が高いとき、前記1つの摩擦係合要素を係
合する変速段への変速時に、前記油圧制御手段の作動を
中止することを特徴とする請求項1項記載の車両用油圧
作動式変速機の油圧制御装置。 - 【請求項3】 前記検知手段が、前記摩擦係合要素の少
なくとも1つの駆動力伝達能力を検知し、検知した駆動
力伝達能力値が高いとき、前記1つの摩擦係合要素を係
合する変速段への変速時に、前記油圧制御手段の作動を
実行することを特徴とする請求項1項または2項記載の
車両用油圧作動式変速機の油圧制御装置。 - 【請求項4】 前記油圧制御手段が、変速初期において
作動油を高圧とすることを特徴とする請求項1項ないし
3項のいずれかに記載の車両用油圧作動式変速機の油圧
制御装置。 - 【請求項5】 前記検知手段により検知される駆動力伝
達能力値が、前記摩擦係合要素の係合油圧に相当する値
であることを特徴とする請求項1項ないし4項のいずれ
かに記載の車両用油圧作動式変速機の油圧制御装置。 - 【請求項6】 前記検知手段により検知される駆動力伝
達能力値は、前記摩擦係合要素が係合状態に移行すると
きは所定割合で増加し、解放状態へ移行するときは所定
割合で減少する値であることを特徴とする請求項1項な
いし5項のいずれかに記載の車両用油圧作動式変速機の
油圧制御装置。 - 【請求項7】 前記検知手段により検知される駆動力伝
達能力値が、前記油圧制御手段の制御状態により増加に
制限を受けることを特徴とする請求項6項記載の車両用
油圧作動式変速機の油圧制御装置。
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