JP2002089556A - リニアガイド用シール装置 - Google Patents

リニアガイド用シール装置

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JP2002089556A
JP2002089556A JP2000284054A JP2000284054A JP2002089556A JP 2002089556 A JP2002089556 A JP 2002089556A JP 2000284054 A JP2000284054 A JP 2000284054A JP 2000284054 A JP2000284054 A JP 2000284054A JP 2002089556 A JP2002089556 A JP 2002089556A
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guide rail
lip
sealing device
slider
ball groove
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JP2000284054A
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English (en)
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Atsushi Matsumoto
淳 松本
Kenji Kano
健司 狩野
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NSK Ltd
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NSK Ltd
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C29/00Bearings for parts moving only linearly
    • F16C29/08Arrangements for covering or protecting the ways
    • F16C29/084Arrangements for covering or protecting the ways fixed to the carriage or bearing body movable along the guide rail or track
    • F16C29/086Seals being essentially U-shaped, e.g. for a U-shaped carriage

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Bearings For Parts Moving Linearly (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】リップ部全域に亘って所要のシール性能を確保
可能なリニアガイド用シール装置を提供する。 【解決手段】案内レール側面に設けられた略半円状のボ
ール溝をシールするリップ部8についてのみスライダ移
動方向Sに沿った断面形状を変更して当該リップ部8の
接触圧を相対的に高くなるように調整した。すなわち、
ボール溝1cの上側半分に接触するリップ部8につい
て、スライダ移動方向S(案内レールの長手方向)から
みて、ボール溝の下側半分に接触するリップ部8の先端
部よりも、ボール溝の上側半分に接触するリップ部8の
先端部の円弧の半径を大きく設定した。これにより、案
内レール側面のボール溝における下側接触部分のシール
性の低下と、案内レール上面のシール性の低下を同時に
防ぐ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、案内レールの延び
方向に沿ってスライダが、相対的に、直線運動や円弧運
動等の移動を行うリニアガイドに装着されるリニアガイ
ド用シール装置に関する。
【0002】
【従来の技術】工作機械、産業機械、測定機器などに使
用されるリニアガイドは、例えば図1に示すように、軸
方向に長く延びる案内レール1と、その上に移動可能に
跨架した横断面略コ字状のスライダ2とを備えている。
上記スライダ2の移動方向両端面には、それぞれ板状の
シール装置3が取り付けられ、当該シール装置3によっ
て、案内レール1とスライダ2との間のすき間の開口を
シールして、案内レール1とスライダ2との間のすき間
への外部からの異物の侵入の防止、または当該すき間か
ら外部への潤滑剤の流出を防止している。
【0003】図1中、符号4は、潤滑剤を供給するため
のグリスニップルを、符号5はエンドキャップをそれぞ
れ示している。上記シール装置3は、例えば、図2に示
すように、断面略コ字状で且つ板状の芯材6(例えば鋼
板から形成される。)に、ニトリルゴムやウレタン系ゴ
ムからなる断面略コ字状のシール材7が被着して構成さ
れ、スライダ2の端面にボルト止めによって固定されて
いる(図1参照)。
【0004】上記シール材7の内周部はリップ部8を構
成する。そのリップ部8は、スライダ2の移動方向Sか
ら見て、上記案内レール1における上面1a及び左右側
面1bの周方向に沿った輪郭形状(スライダ移動方向S
に直交する切断面での輪郭形状)と略同じ形状となって
いる。つまり、リップ部8は、案内レール1外面周方向
に沿って延びるように配置され、案内レール1の上面1
a及び左右側面1bに押し付けられることで、弾性変形
した状態で当該案内レール1の外面1a、1bに当接し
ている。符号Hは、リップ部8に対する案内レール1の
外面の基準レベルを示す。
【0005】ここで、従来にあっては、図2のように、
リップ部8のスライダ移動方向Sに沿った断面形状は、
リップ部8の延在方向全域に亘って略一様となるように
設計されて、どの位置においてもリップ部8の同一変形
量に対する弾性力が略等しくなるようにしてある。つま
り、リップ部8は周方向全周に亘って剛性が等しいと共
に、案内レール1に当接した際の変形量が周方向全周に
亘って等しくなるように設計されている。
【0006】また、案内レール1の側面に設けた転動体
転動溝であるボール溝1cの一部が、ボール(転動体)
の略半分を収容可能な断面略半円状の場合には、図3に
示すように、当該ボール溝1cをシールできるように、
当該ボール溝1c部分のリップ部8の先端形状(符号D
参照)は、当該ボール溝1cの輪郭に沿うような略半円
状となっている。符号8aは、ボールを保持するための
ピアノ線などからなる保持器が配置されるワイヤ溝部を
シールするリップ部分を示している。
【0007】ここで、案内レール1へのスライダ2の跨
架は、図1に示すように案内レール1の上側からスライ
ダ2が跨架される場合に限定されない。案内レール1の
下側からスライダ2が跨架される構造の場合もあり、ま
た、リニアガイドの使用状況によっては案内レール1の
軸が上下に配置される場合もある。このため、以下の説
明では、分かりやすくするために、図1に示すように、
案内レール1に対し上側からスライダ2が跨架されて、
案内レール1の上面1a及び左右側面1bがスライダ2
内面と対向するように配置した状態を想定して説明す
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】シール装置3は案内レ
ール1と対向する内周面が略コ字形状をしているため、
つまり上側から及び下側から案内レール1と接触してシ
ールする面積が上下非対称であるので、案内レール1に
下側から接触する面積よりも、案内レール1に上側から
接触する面積の方が広い。
【0009】このとき、従来においては、リップ部8の
剛性及び断面形状が延在方向全域に亘って略等しいと共
に、案内レール1と接触した際にリップ部8は全周に亘
って同程度の弾性変形量となるように設計されているこ
とから、反力として、案内レール1からシール装置3に
入力される付勢力は、シール面積に比例して、シール装
置3を上向きに押し上げる力の方がシール装置3を下向
きに押し下げる力よりも大きい。
【0010】すなわち、案内レール1からシール装置3
に入力される上向きの付勢力が下向きの付勢力よりも大
きいために、全体として、シール装置3を上側に押し上
げる力が案内レール1から反力として当該シール装置3
に入力される。このため、シール装置3をスライダ2に
取り付ける際や、取付け後であっても常に上側に押し上
げる力が負荷されていることから、シール装置3は、案
内レール1に対し、想定していた位置よりも上方に変位
してしまうおそれがある。
【0011】このようにシール装置3が上方に変位して
しまうと、案内レール1に上側から接触するリップ部8
のシール性能は、案内レール1に下側から接触するリッ
プ部8のシール性能よりも劣ることとなり、案内レール
1との接触部の全面に渡って同一のシール性能を得るこ
とができないという問題がある。ここで、従来、上記案
内レール1側面の略半円状のボール溝1cに当接するリ
ップ部8において、ボール溝1cの上側半分に接触する
部分及びボール溝1cの下側半分に接触する部分の上下
方向(案内レール1周方向)に沿った輪郭形状は、単一
円の円弧、または、異なる中心でかつ同一半径を持つ2
つ円の円弧(ゴシック形状)の組合せで構成されてい
る。
【0012】このようなボール溝1cをシールするシー
ル装置3においては、案内レール1上面との接触部分が
弾性変形するため、上述のように、この部分でシール装
置3を上方に押し上げる力が案内レール1上面から反力
として入力され、上述のようにシール装置3は上方に移
動し、案内レール1側面のボール溝1cの上側部分との
接触部分の変形量が、下側部分との接触部分の変形量よ
りも大きくなってしまう。したがって、この場合、案内
レール1側面のボール溝1cの下側との接触部で、シー
ル装置3の変形量すなわち接触圧が小さくなり、この部
分でのシール性が劣ってしまう。そうかといって、案内
レール1上面との接触部分を弾性変形させないと、この
部分でのシール性が劣ってしまう。
【0013】本発明は、上記のような問題点について着
目してなされたもので、リップ部の周方向全域に亘って
所要のシール性能を確保可能なリニアガイド用シール装
置を提供することを課題としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1に記載した発明は、案内レールに跨架され
て案内レールの長手方向に案内されるスライダの端面に
取付けられて、スライダと案内レールとの間のすき間を
シールするリニアガイド用シール装置であって、弾性体
からなるリップ部が、上記案内レール外面の周方向に沿
って延在し先端部が上記案内レール外面に所定の接触圧
を持って当接するシール装置において、上記スライダを
跨架する案内レールの面を上方に向けた場合に、上記リ
ップ部の断面形状をリップ部の延在方向において部分的
に異ならせることで、案内レールから相対的にシール装
置に入力される付勢力における上下方向の差及び左右方
向の差の少なくとも一方の差が小さくなるように、延在
方向に沿ったリップ部の接触圧を調整することを特徴と
するものである。
【0015】ここで、上記リップ部の断面形状とは、ス
ライダの移動方向に沿って切断した際の断面形状であ
る。本発明は、例えば、案内レール外面に形成された転
動体案内溝などの溝をシールするリップ部の断面形状を
他の部分と異ならせることで実現する。又は、案内レー
ルの周方向に沿った輪郭形状における直線部(例えば上
面)に接触するリップ部の断面形状を他の部分と異なら
せることで実現する。
【0016】また、リップ部の断面形状を異ならせる手
段としては、例えば、次のようなものがある。 リップ部先端部における、スライダ移動方向に沿った
傾きを変更することで行う。この場合、案内レールに下
側から接触するリップ部の案内レール外面に対する傾き
を、案内レールに上側から接触するリップ部の案内レー
ル外面に対する傾きよりも大きく設定することで一部の
断面形状を変更すると、案内レールに下側から接触する
リップ部の案内レール側への突出量が相対的に増加し
て、案内レールに下側から接触する部分の接触圧を、案
内レールに上側から接触する部分の接触圧よりも大きく
調整することができる。
【0017】リップ部先端部の肉厚を変更することで
行う。この場合、案内レールに下側から接触するリップ
部の先端の肉厚を、案内レールに上側から接触するリッ
プ部の先端の肉厚よりも厚くするように一部の断面形状
を変更すると、案内レールに下側から接触する部分の接
触圧を、案内レールに上側から接触する部分の接触圧よ
りも大きく調整することができる。
【0018】リップ部の根元の肉厚を変更することで
行う。この場合、案内レールに下側から接触するリップ
部の根元部分の肉厚を、案内レールに上側から接触する
リップ部の肉厚よりも厚く設計するように一部の断面形
状を変更すると、案内レールに下側から接触するリップ
部の接触圧を、案内レールに上側から接触するリップ部
の接触圧よりも大きく調整することができる。
【0019】リップ部のスライダ移動方向の長さを変
更することで行う。この場合、案内レールに下側から接
触するリップ部の長さを、案内レールに上側から接触す
るリップ部の長さよりも短く設定するように一部の断面
形状を変更すると、案内レールに下側から接触するリッ
プ部の接触圧を、案内レールに上側から接触するリップ
部の接触圧よりも大きく調整することができる。
【0020】スライダ移動方向に並ぶリップ数(案内
レール外面に接触する接触部の数、以下同様である)を
変更することで行う。例えば、案内レールに下側から接
触するリップ部のリップ数を、案内レールに上側から接
触するリップ部のリップ数よりも多く設定するように一
部の断面形状を変更することで、案内レールに下側から
接触するリップ部の接触圧を、案内レールに上側から接
触するリップ部の接触圧よりも大きく調整することがで
きる。
【0021】案内レールとの接触面積が異なるように
断面形状を変更することで行う。この場合、案内レール
に下側から接触するリップ部における案内レールと接触
する部分のスライダ移動方向に沿った長さを、案内レー
ルに上側から接触する部分における案内レールと接触す
る部分のスライダ移動方向に沿った長さよりも長くなる
ように設計するように周方向における一部の断面形状を
変更することで、案内レールに下側から接触するリップ
部の接触圧を、案内レールに上側から接触するリップ部
の接触圧よりも大きく調整することができる。
【0022】上記案内レールと接触する部分のスライダ
移動方向に沿った長さの設定は、例えば、リップ部の先
端部付近に、案内レール外面に略平行な対向面を有する
部分を有する断面形状とし、当該対向面のスライダ移動
方向に沿った長さを調整すればよい。次に、請求項2に
記載した発明は、請求項1に記載した構成に対し、案内
レールの側面に設けられた転動体転動溝の少なくとも一
つが、スライダ移動方向に直交する断面において転動体
の略半分を収容可能な断面形状となっているリニアガイ
ドに使用されるシール装置において、上記転動体の略半
分を収容可能な断面形状の転動体転動溝に当接するリッ
プ部の断面形状について、当該転動体転動溝に下側から
接触する部分と転動体転動溝に上側から接触する部分と
を異なる形状としたことを特徴とするものである。
【0023】ここで、案内レール側面に設けられた転動
体転動溝の一部若しくは全部が、ゴシック形状または単
一円弧形状であり略半円形のボール溝の場合には、ボー
ル溝の上側半分に接触するリップ部と、ボール溝の下側
半分に接触するリップ部の形状を、非対称とすれば良
い。またこのとき、案内レール側面に設けられた略半円
形のボール溝に接触するリップ部のうち、ボール溝の上
側半分および下側半分にそれぞれ接触するリップの先端
部の周方向に沿った輪郭を、それぞれ単一円の円弧形状
から構成し、ボール溝の上側半分に接触するリップの先
端部の半径を、下側に接触するリップ部先端部の半径よ
りも大きく設定することで、ボール溝をシールする部分
では、案内レールに下側から接触する部分の接触圧を、
案内レールに上側から接触する部分の接触圧よりも大き
く調整することができる。
【0024】さらに、案内レール側面に設けられた略半
円形のボール溝に接触するリップ部のうち、ボール溝の
上側半分に接触するリップの先端部の周方向に沿った輪
郭を、単一円弧形状から構成して、その円弧中心が、ボ
ール溝の中心よりも上方に位置することで、ボール溝を
シールする部分では、案内レールに下側から接触する部
分の接触圧を、案内レールに上側から接触する部分の接
触圧よりも大きく調整することができる。
【0025】ここでボール溝の中心とは、ボール溝がゴ
シック形状である場合には、上側円弧の中心と下側円弧
の中心の中点を示し、ボール溝が単一円弧形状である場
合には、単一円弧の中心を示す。次に、請求項3に記載
した発明は、案内レールに跨架されて案内レールの長手
方向に案内されるスライダの端面に取付けられて、スラ
イダと案内レールとの間のすき間をシールするリニアガ
イド用シール装置であって、弾性体からなるリップ部
が、上記案内レール外面の周方向に沿って延在し先端部
が上記案内レール外面に所定の接触圧を持って当接し、
そのリップ部が、当該リップ部よりも硬度の高い芯材で
支持されるするシール装置において、上記スライダを跨
架する案内レールの面を上方に向けた場合に、案内レー
ルに下側から接触するリップ部におけるリップ先端部か
ら芯材までの距離を、案内レールに上側から接触するリ
ップ部におけるリップ先端部から芯材までの距離よりも
短くしたことを特徴とするものである。
【0026】ここで、上記リップ先端部から芯材までの
距離とは、案内レールの法線方向での距離である。本発
明によれば、案内レールに下側から接触するリップ部に
おけるリップ先端部から芯材までの距離が相対的に短く
なることから、当該案内レールに下側から接触するリッ
プ部の剛性及び弾性力が相対的に高く設定される。
【0027】次に、請求項4に記載した発明は、案内レ
ールに跨架されて案内レールの長手方向に案内されるス
ライダの端面に取付けられて、スライダと案内レールと
の間のすき間をシールするリニアガイド用シール装置で
あって、弾性体からなるリップ部が、上記案内レール外
面の周方向に沿って延在し先端部が上記案内レール外面
に所定の接触圧を持って当接するシール装置において、
上記スライダを跨架する案内レールの面を上方に向けた
場合に、案内レールに上側から接触するリップ部の接触
圧を、案内レールに下側から接触するリップ部の接触圧
よりも小さくしたことを特徴とするものである。
【0028】ここで、接触圧の変更は、上述の請求項1
〜請求項3で述べたようなリップ部のスライダ移動方向
に沿った断面形状の形状変更や芯材の位置の変更の他、
リップ部を構成する素材の変更などによっても達成する
ことができる。なお、断面形状の変更としては、一部に
すぐり(中空部)を設けることで達成しても良い。本発
明によれば、リップ部の撓みによって案内レールから反
力としてシール装置に入力される上下方向の付勢力の差
や左右方向の付勢力の差が無くなるか小さくなるので、
シール装置の目的とする位置からの上下方向や左右方向
への変位の発生が抑えられて、シール部全域に亘って所
定のシール性能が確保可能となる。
【0029】また、半円状のボール溝など、案内レール
側面に対し転動体を略半分収容可能な転動体転動溝を有
するリニアガイドであっても、当該転動体転動溝の下側
接触部のシール性能の低下を抑えることができる。ま
た、一般には、シール部は左右対称であるので左右方向
の付勢力の差は余り問題とならないので、上下方向の付
勢力の差だけを問題にすればよい。そして、シール装置
が案内レールから受ける反力は上方に押し上げる力が大
きいので、案内レールに上側から接触するリップ部の接
触圧が相対的に小さくなるように調整すればよい。
【0030】
【発明の実施の形態】次に、本発明の第1実施形態につ
いて図面を参照しつつ説明する。なお、上記従来例と同
様な部品などについては同一の符号を付して説明する。
本実施形態は、案内レール1の側面に略半円状のゴシッ
ク形状のボール溝1cが形成されたリニアガイドに使用
されるシール装置3であって、図2に示すような従来例
のシール装置3に本発明を適用したものである。
【0031】そして、本実施形態においては、図4に示
すように、略半円状のボール溝1cをシールするリップ
部8についてのみスライダ移動方向Sに沿った断面形状
を変更してリップ部8の接触圧を調整したものである。
すなわち、当該ボール溝1cの上側半分に接触する部
分、つまりボール溝1cに下側から接触するリップ部8
について、接触圧が相対的に大きくなるように、スライ
ダ2の移動方向(案内レール1の長手方向)からみて、
ボール溝1cの下側半分に接触するリップ部8の先端部
(リップ部8の先端部の案内レール1側の角部、以下同
様)の周方向に沿った輪郭の半径R1よりも、ボール溝
1cの上側半分に接触するリップ部8の先端部の円弧の
半径R2の方を大きくしたものである。
【0032】これによって、ボール溝1cの上側半分に
接触する部分においては、例えばスライダ2の移動方向
に沿った案内レール1と対向する面8bの傾きが大きく
なるため、当該ボール溝1cの上側半分に接触する部分
の突出量が相対的に多くなり、ボール溝1cの上側に接
触する部分の変形量が、下側に接触する部分の変形量よ
りも大きくなる。この結果、案内レール1からシール装
置3を下向きに押す反力が従来よりも大きくなり、シー
ル装置3が上方に移動することを防げるか上方への変位
量を小さく抑えることができる。
【0033】これにより、案内レール1側面のボール溝
1cにおける下側接触部分のシール性の低下と、案内レ
ール1上面のシール性の低下を、同時に防ぐことができ
る。ここで、上記実施形態では、案内レール1側面のボ
ール溝1cは、ワイヤ溝部(保持器のための空間)を有
するゴシック形状としているが、ワイヤ溝部が無い場合
や、単一円弧形状の場合、さらには転動体がころの場合
における転動体転動溝形状(断面矩形の半分の形状な
ど)であっても、同様の効果を得ることができる。
【0034】次に、本発明の第2実施形態について図面
を参照しつつ説明する。なお、上記従来例や実施形態と
同様な部品などについては同一の符号を付して説明す
る。第2実施形態の基本構成は、上記第1実施形態と同
様であるが、図5に示すように、案内レール1側面のゴ
シック形状の略半円形状のボール溝1cに接触するリッ
プ部8のうち、ボール溝1cの上側半分に接触するリッ
プ部8の先端部の周方向に沿った輪郭を規制する円弧の
中心点P1をボール溝1cの中心P0よりも上方に変位
させることで、ボール溝1cの上側半分に接触するリッ
プ部8だけ断面形状を変更したものである。
【0035】ここで、円弧の半径Rの大きさは変更して
いないが、第1実施形態のようにボール溝1cの上側半
分に接触するリップ部8の先端部側の半径を大きく設定
しても良い。その他の構成については、上記第1実施形
態と同様である。ここで、ボール溝1cの中心とは、ボ
ール溝1cがゴシック形状である場合には、上側円弧の
中心と下側円弧の中心の中点を示し、ボール溝1cが単
一円弧形状である場合には、単一円弧の中心を示す。
【0036】この実施形態によると、第1実施形態と同
様に、ボール溝1cの上側に接触する部分の変形量が、
下側に接触する部分の変形量よりも大きくなるので、シ
ール装置3を下向きに押す力が大きくなって、第1実施
形態と同様の作用・効果を有する。次に、本発明の第3
実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、上
記従来例や実施形態と同様な部品などについては同一の
符号を付して説明する。
【0037】本実施形態は、従来例における図1に示す
シール装置3に対して、本発明を適用したものである。
すなわち、図6に示すように、案内レール1に下側から
接触するリップ部8について、その他の部分、例えば案
内レール1に上側から接触するリップ部8よりも、スラ
イダ移動方向Sからみたリップ部8全体の傾きを大きく
設定して(図6(c)参照)、案内レール1に下側から
接触するリップ部8だけ断面形状を異ならしたものであ
る。
【0038】これによって、案内レール1に下側から接
触するリップ部8での案内レール1側への突出量が相対
的に増加して、シール装置3を案内レール1に取り付け
た際に、案内レール1に下側から接触するリップ部8の
変形量が、案内レール1に上側から接触するリップ部8
よりも大きくなって接触圧が増大する。この結果、シー
ル装置3が上方に移動しにくくなり、案内レール1上面
のシール性の低下を防ぐことができる。
【0039】また、図2に示すような、案内レール1側
面にボール溝1cを有するリニアガイドに適用した場合
においては、ボール溝1cの下側部分のシール性の低下
を防げる。次に、本発明の第4実施形態について図面を
参照しつつ説明する。なお、上記従来例や実施形態と同
様な部品などについては同一の符号を付して説明する。
【0040】本実施形態の基本構成は、第3実施形態と
同様であるが、図7に示すように、案内レール1に上側
から接触するリップ部8の先端部の肉厚と比べて、案内
レール1に下側から接触するリップ部8の先端部の肉厚
を増するように(図7(c)参照)、案内レール1に下
側から接触するリップ部8の断面形状だけを異ならした
ものである。図7では、案内レール1と対向する面8b
のスライダ移動方向Sに沿った傾斜だけを、案内レール
1に下側から接触するリップ部8の方が大きくなるよう
に設定することで先端部の肉厚を厚くすることで実現し
ている場合を例示している。
【0041】この実施形態によると、シール装置3を案
内レール1に取り付けた際に、案内レール1に下側から
接触するリップ部8の変形量(押圧力)が、案内レール
1に上側から接触するリップ部8の変形量よりも大きく
なるので、案内レール1を下向きに押し下げる力が増す
ため、シール装置3が上方に移動しにくくなり、案内レ
ール1上面のシール性の低下を防ぐことができる。
【0042】また、側面にボール溝1cを有するリニア
ガイドに適用した場合には、ボール溝1c下側のシール
性の低下を防げる。次に、本発明の第5実施形態につい
て図面を参照しつつ説明する。なお、上記従来例や実施
形態と同様な部品などについては同一の符号を付して説
明する。本実施形態は、第4実施形態の方式を、図2に
示すような案内レール1側面にボール溝1cが形成され
たリニアガイド用のシール装置3に適用したものであ
る。
【0043】すなわち、図8に示すように、案内レール
1と上向きに接触するリップ部8のうち、ボール溝1c
の上半分と接触するリップ部8だけ、リップ部8の先端
部の肉厚が厚くなるように断面形状を異ならしたもので
ある(図8(c)参照)。このようにすることで、上記
実施形態と同様の作用効果を得るが、この実施態様は、
ワイヤ溝とボール溝1cを別に加工する場合に、ボール
溝1cとワイヤ溝との相対位置の精度が悪くなることに
対応するためである。
【0044】次に、本発明の第6実施形態について図面
を参照しつつ説明する。なお、上記従来例や実施形態と
同様な部品などについては同一の符号を付して説明す
る。本実施形態の基本構成は上記第5実施形態と同様で
あるが、図9に示すように、ボール溝1cの上半分と接
触するリップ部8のリップ先端部の肉厚を増加すると共
に、案内レール1のワイヤ溝部分の上面に接触する、つ
まり下側から接触するリップ部8aについても、リップ
部8の先端部の肉厚を厚くして(図9(c)参照)、当
該ボール溝1cの上側半分及びワイヤ溝の上面に当接す
るリップ部8の断面形状のみ異ならせたものである。
【0045】このようにすることで、上記実施形態と同
様の作用効果が得られるが、この実施態様は、ワイヤ溝
をシールするリップ部分8aとボール溝1cをシールす
るリップ部分(D)とを同時に加工する場合などにおい
て、当該ボール溝1cとワイヤ溝との相対位置の精度が
良い場合に有効である。次に、本発明の第7実施形態に
ついて図面を参照しつつ説明する。なお、上記従来例や
実施形態と同様な部品などについては同一の符号を付し
て説明する。
【0046】本実施形態の基本構成は、第5実施形態と
同様であるが、図10に示すように、案内レール1に下
側から接触するリップ部8の根元部の肉厚を、案内レー
ル1に上側から接触するリップ部8の根元部の肉厚より
も厚くして(図10(c)参照)、案内レール1に下側
から接触するリップ部8の断面形状のみ異ならしたもの
である。図10では、符号Eのように、案内レール1と
は反対側に出っ張るようにリップ根元部の肉厚を増した
場合を例示している。
【0047】この実施形態によると、シール装置3を案
内レール1に取り付けた際に、案内レール1に下側から
接触するリップ部8が、案内レール1に上側から接触す
るリップ部8よりも剛性が高くなって変形しにくくなる
と共に弾性力も相対的に大きくなり、この結果、シール
装置3が上方に移動しにくくなって、案内レール1上面
のシール性の低下を防ぐことができる。
【0048】また、側面にボール溝1cを有するリニア
ガイドに提供した場合には、ボール溝1c下側のシール
性の低下を防げる。次に、本発明の第8実施形態につい
て図面を参照しつつ説明する。なお、上記従来例や実施
形態と同様な部品などについては同一の符号を付して説
明する。本実施形態は、第7実施形態の方式を、図2に
示すような案内レール1側面に略半円状のボール溝1c
が形成されたリニアガイド用のシール装置3に適用した
ものである。
【0049】すなわち、図11に示すように、案内レー
ル1に下側から接触するリップ部8のうち、ボール溝1
cの上側部部と接触するリップ部8についてのみリップ
部8の根元部分の肉厚を増して(図11(c)参照)、
ボール溝1cの上側部部と接触するリップ部8の断面形
状のみ異ならしたものである。符号Fが肉厚を増やした
部分である。
【0050】構成及び作用効果は、第7実施形態と同様
である。次に、本発明の第9実施形態について図面を参
照しつつ説明する。なお、上記従来例や実施形態と同様
な部品などについては同一の符号を付して説明する。基
本構成は第7実施形態と同様であるが、案内レール1に
下側から接触するリップ部8の根元部の肉厚を増加させ
る際に、図12に示すように、案内レール1に上側から
接触するリップ部8の根元部の肉厚と比べて、案内レー
ル1側に出っ張るように(図12(c)参照)、リップ
部8の根元部の肉厚を増すことで、案内レール1に上側
から接触するリップ部8の断面形状のみを異ならしたも
のである。符号Gが肉厚を増やした部分である。
【0051】作用効果は、上記第7実施形態と同様であ
る。次に、本発明の第10実施形態について図面を参照
しつつ説明する。なお、上記従来例や実施形態と同様な
部品などについては同一の符号を付して説明する。基本
構成は、第7実施形態と同様であるが、図13に示すよ
うに、案内レール1に下側から接触するリップ部8の根
元部の肉厚を増加させる際に、案内レール1とは反対側
の部分に段状の肉盛りJを設けて出っ張らせて(図13
(c)参照)、案内レール1に下側から接触するリップ
部8の断面形状のみ異ならしたものである。
【0052】図14は、本実施形態の構成を、ボール溝
1cの上半分と接触するリップ部8に設ける場合の例を
示すものである。作用効果は、上記第7実施形態と同様
である。次に、本発明の第11実施形態について図面を
参照しつつ説明する。なお、上記従来例や実施形態と同
様な部品などについては同一の符号を付して説明する。
【0053】本実施形態は、図2に示すような、案内レ
ール1側面に略半円状のボール溝1cを有するリニアガ
イドに使用するシール装置3である。そして、図15に
示すように、案内レール1に下側から接触するリップ部
8のうちボール溝1cと接触するリップ部8についてだ
け、根元部の肉厚が、案内レール1に上側から接触する
リップの根元部の肉厚と比べて、案内レール1と反対側
に出っ張るように、リップ根元部の肉厚を増すと同時
に、リップ先端部の肉厚も、案内レール1と反対側に出
っ張るように肉厚を増したものである(図15(c)参
照)。つまり、案内レール1に下側から接触するリップ
部8のみ、リップ部8全体の肉厚が厚くなるように断面
形状を異ならして接触圧を大きくしたものである。符号
Kが肉厚を増加した部分である。
【0054】作用効果は、他の実施形態と同様である。
次に、本発明の第12実施形態について図面を参照しつ
つ説明する。なお、上記従来例や実施形態と同様な部品
などについては同一の符号を付して説明する。本実施形
態では、図16に示すように、案内レール1に下側から
接触するリップ部8のスライダ移動方向Sへの長さを、
案内レール1に上側から接触するリップ部8のスライダ
移動方向Sへの長さと比べて短くなるように(図16
(c)参照)、案内レール1に下側から接触するリップ
部8のみ断面形状を異ならしたものである。但し、案内
レール1への突出量は、案内レール1に上側から接触す
るリップ部8と等しく設定する。
【0055】この実施形態によると、シール装置3を案
内レール1に取り付けた際に、案内レール1と上向きに
接触するリップが、案内レール1と下向きに接触するリ
ップよりも変形しにくくなって同じ弾性変形に対する弾
性力が大きくなる結果、シール装置3が上方に移動しに
くくなり、案内レール1上面のシール性の低下を防ぐこ
とができる。
【0056】この実施形態においては、案内レール1に
下側から接触するリップ部8のスライダ移動方向Sへの
長さについて、リップの延在方向に沿って連続的に変化
させているが、段をつけるように長さを変化させても良
い。図17に、半円状のボール溝1cの上側に接触する
リップ部8だけスライダ移動方向Sへの長さ短くなるよ
うに断面形状を変更した例を示す。
【0057】次に、本発明の第13実施形態について図
面を参照しつつ説明する。なお、上記従来例や実施形態
と同様な部品などについては同一の符号を付して説明す
る。本実施形態は、図18に示すように、案内レール1
に下側から接触するリップ部8のリップ数を、案内レー
ル1に上側から接触するリップ部8のリップの数と比べ
て多くなるように、案内レール1に下側から接触するリ
ップ部8の断面形状のみを異ならせることで、案内レー
ル1に下側から接触するリップ部8の接触圧を相対的に
大きくなるように調整したものである。
【0058】すなわち、スライダ2の移動方向に沿っ
て、案内レール1に下側から接触するリップ部8につい
てだけ、別のリップMを案内レール1側に突出させてリ
ップ数を増加したものである。図19は、略半円形状の
ボール溝1cの上側部分に接触するリップ部8について
のみ、リップ数が増えるように断面形状を変更した例を
示している。
【0059】この実施形態によると、シール装置3を案
内レール1に取り付けた際に、案内レール1と上向きに
接触するリップが、案内レール1と下向きに接触するリ
ップよりも変形しにくくなって同じ変形に対する弾性力
が大きくなる結果、シール装置3が上方に移動しにくく
なり、案内レール1上面のシール性の低下を防ぐことが
できる。
【0060】側面にボール溝1cを有するリニアガイド
装置においては、ボール溝1c下側のシール性の低下を
防げる。さらに、この実施形態によると、案内レール1
に下側から接触する部分の面積が増えるため、この部分
での接触圧力を小さくすることができ、摩耗の進行の程
度を緩和することができる。
【0061】ここで、本実施形態では、リップ数を、案
内レール1に上側から接触するリップ部8では1個、案
内レール1に下側から接触するリップ部8では2個とし
た場合を例示しているが、これ以外の組合せでも良い。
次に、本発明の第14実施形態について図面を参照しつ
つ説明する。なお、上記従来例や実施形態と同様な部品
などについては同一の符号を付して説明する。
【0062】本実施形態は、図20に示すように、リッ
プ部8先端部における案内レール1と対向する面8bに
案内レール1外面と平行な面を形成し、当該案内レール
1外面に略平行に接触する平行接触部8dを設けた場合
の例である。そして、案内レール1に下側から接触する
リップ部8の平行接触部8dのスライダ移動方向Sの長
さを、案内レール1に上側から接触するリップ部8の平
行接触部8dのスライダ移動方向Sの長さよりも大きく
したものである。
【0063】この実施形態によると、シール装置3を案
内レール1に取り付けた際に、案内レール1に下側から
接触するリップ部8が、案内レール1に上側から接触す
るリップ部8よりも変形しにくくなるので、シール装置
3が上方に移動しにくくなり、案内レール1上面のシー
ル性の低下を防ぐことができる。側面にボール溝1cを
有するリニアガイド装置においては、ボール溝1c下側
のシール性の低下を防げる。
【0064】さらに、この実施形態によると、案内レー
ル1と上向きに接触する部分の面積が増えるため、この
部分での接触圧力を小さくすることができ、摩耗の進行
の程度を緩和することができる。この実施形態において
は、案内レール1に上側から接触するリップ部8の先端
部にも平行接触部を設けているが、案内レール1に上側
から接触するリップ部8の先端部には平行接触部を設け
ないようにして接触圧を相対的に低くしても良い。
【0065】次に、本発明の第15実施形態について図
面を参照しつつ説明する。なお、上記従来例や実施形態
と同様な部品などについては同一の符号を付して説明す
る。本実施形態では、図21に示すように、案内レール
1に下側から接触するリップ部8におけるリップ部8先
端から芯材6までの距離Lを、案内レール1に上側から
接触するリップ部8におけるリップ先端から芯材6まで
の距離よりも短くしたものである。
【0066】案内レール1に下側から接触するリップ部
8を支持する芯材6部分についてのみ、案内レール1と
の対向距離を短くなることで、相対的に当該案内レール
1に下側から接触するリップ部8のみ、肉厚が薄くなっ
て剛性が高く設定され、接触圧が増大するように調整さ
れる。この実施形態によると、シール装置3を案内レー
ル1に取り付けた際に、案内レール1に下側から接触す
るリップ部8が、案内レール1に上側から接触するリッ
プ部8よりも変形しにくく同じ変形に対する弾性力が大
きくなる結果、シール装置3が上方に移動しにくくな
り、案内レール1上面のシール性の低下を防ぐことがで
きる。
【0067】側面にボール溝1cを有するリニアガイド
装置においては、ボール溝1c下側のシール性の低下を
防げる。上記各実施形態では、基本とするリップ部8形
状が、案内レール1側の面8bと、案内レール1と反対
側の面とで、それぞれー定の傾きになっているがこれに
限定されるものではない。各面の傾きは一定である必要
はなく、図22のような傾きが一定でないリップ形状に
ついても、上記各実施形態を適用することができる。
【0068】また、上記実施形態では、基本とするリッ
プ部8が1個のものを例示したが、これに限定されな
い。複数枚、リップ部8がスライダ移動方向Sに並ぶ構
成の場合についても、各リップ部8について、個々に上
記各実施形態を適用できる。また、上記各実施形態にお
けるシール装置3では、全て芯材6を有する構造となっ
ているが、芯材6を有さない構造のシール装置3につい
ても、上記実施形態を適用することができる。
【0069】上記の実施形態では、案内レール1の側面
に設けられたボール溝1cが、片側の側面で2個の合計
4個の場合についてのみ示したが、ボール溝1cの合計
数が2個あるいは6個またはそれ以外の場合について
も、同様の構成を実施することができる。上記の各実施
形態を適当に組み合わせて適用することもできる。
【0070】上記の実施形態は、案内レール1側面の、
ボール溝1cが設けられた部分が、図23に示すような
案内レール1下面に対して垂直でない、つまり略台形形
状をした案内レール1を有するリニアガイド装置につい
ても適用することができる。また、上記全実施形態で
は、上下方向の案内レール1からの付勢力の差が小さく
するように、リップ部8の断面積等を調整することでリ
ップ部8の接触圧を調整する場合を例示しているが、左
右方向の付勢力の差が小さくする場合にも適用できる。
上記各実施形態では、案内レール1の左右側面が対称な
形状の場合であるので、左右方向の案内レール1からの
付勢力を積極的に調整する必要はないが、例えば案内レ
ール1の左右側面に設けるボール溝1cの数が違う場合
には、本発明を適用して案内レール1からシール装置3
に入力する付勢力の左右差が小さくなるように、案内レ
ール1に横方向から接触する部分のリップ部8の接触圧
を調整する。
【0071】なお、ボール溝1cの円弧に接触する部分
のリップ部8は、案内レール1に斜め方向から接触する
ため、案内レール1に上側若しくは下側から接触すると
共に、案内レール1に横方向から接触することとなる。
ここで、接触圧を調整する方法としては、上述の他、例
えば、一部のリップ部8にだけ、スグリを設けたり弾性
係数の異なる素材を採用して剛性を変更するなどで対応
しても良い。
【0072】また、上記実施形態では、案内レール1に
下側から接触する部分の断面形状を変更することでリッ
プ部8の接触圧を調整する場合を例示しているが、案内
レール1に上側から接触する部分の断面形状を変更する
ことでリップ部8の接触圧を調整するようにしても良
い。
【0073】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明を採用
すると、シール装置の目的とする位置からの変位を抑え
ることができることで、案内レールとのシール性の低下
を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】リニアガイド及びシール装置を示す斜視図であ
る。
【図2】従来のシール装置を示す図であって、(a)は
正面図を、(b)は(a)におけるA−A断面図若しく
はA′−A′断面図を、(c)は(a)におけるB−B
断面図を示している。
【図3】略半円状のボール溝を持った案内レールを備え
たリニアガイド用の従来のシール装置を示す図であっ
て、(a)は正面図を、(b)は(a)におけるA−A
断面図若しくはA′−A′断面図を、(c)は(a)に
おけるB−B断面図を示している。
【図4】本発明に基づく第1実施形態に係るシール装置
を示す図であって、(a)は正面図を、(b)は(a)
におけるA−A断面図を、(c)は(a)におけるB−
B断面図を示している。
【図5】本発明に基づく第2実施形態に係るシール装置
を示す図であって、(a)は正面図を、(b)は(a)
におけるA−A断面図を、(c)は(a)におけるB−
B断面図を示している。
【図6】本発明に基づく第3実施形態に係るシール装置
を示す図であって、(a)は正面図を、(b)は(a)
におけるA−A断面図若しくはA′−A′断面図を、
(c)は(a)におけるB−B断面図を示している。
【図7】本発明に基づく第4実施形態に係るシール装置
を示す図であって、(a)は正面図を、(b)は(a)
におけるA−A断面図若しくはA′−A′断面図を、
(c)は(a)におけるB−B断面図を示している。
【図8】本発明に基づく第5実施形態に係るシール装置
を示す図であって、(a)は正面図を、(b)は(a)
におけるA−A断面図若しくはA′−A′断面図を、
(c)は(a)におけるB−B断面図を示している。
【図9】本発明に基づく第6実施形態に係るシール装置
を示す図であって、(a)は正面図を、(b)は(a)
におけるA−A断面図若しくはA′−A′断面図を、
(c)は(a)におけるB−B断面図を示している。
【図10】本発明に基づく第7実施形態に係るシール装
置を示す図であって、(a)は正面図を、(b)は
(a)におけるA−A断面図若しくはA′−A′断面図
を、(c)は(a)におけるB−B断面図を示してい
る。
【図11】本発明に基づく第8実施形態に係るシール装
置を示す図であって、(a)は正面図を、(b)は
(a)におけるA−A断面図を、(c)は(a)におけ
るB−B断面図を示している。
【図12】本発明に基づく第9実施形態に係るシール装
置を示す図であって、(a)は正面図を、(b)は
(a)におけるA−A断面図若しくはA′−A′断面図
を、(c)は(a)におけるB−B断面図を示してい
る。
【図13】本発明に基づく第10実施形態に係るシール
装置を示す図であって、(a)は正面図を、(b)は
(a)におけるA−A断面図若しくはA′−A′断面図
を、(c)は(a)におけるB−B断面図を示してい
る。
【図14】本発明に基づく第10実施形態に係る別のシ
ール装置を示す図であって、(a)は正面図を、(b)
は(a)におけるA−A断面図若しくはA′−A′断面
図を、(c)は(a)におけるB−B断面図を示してい
る。
【図15】本発明に基づく第11実施形態に係るシール
装置を示す図であって、(a)は正面図を、(b)は
(a)におけるA−A断面図を、(c)は(a)におけ
るB−B断面図を示している。
【図16】本発明に基づく第12実施形態に係るシール
装置を示す図であって、(a)は正面図を、(b)は
(a)におけるA−A断面図若しくはA′−A′断面図
を、(c)は(a)におけるB−B断面図を示してい
る。
【図17】本発明に基づく第12実施形態に係る別のシ
ール装置を示す図であって、(a)は正面図を、(b)
は(a)におけるA−A断面図若しくはA′−A′断面
図を、(c)は(a)におけるB−B断面図を示してい
る。
【図18】本発明に基づく第13実施形態に係るシール
装置を示す図であって、(a)は正面図を、(b)は
(a)におけるA−A断面図若しくはA′−A′断面図
を、(c)は(a)におけるB−B断面図を示してい
る。
【図19】本発明に基づく第13実施形態に係る別のシ
ール装置を示す図であって、(a)は正面図を、(b)
は(a)におけるA−A断面図若しくはA′−A′断面
図を、(c)は(a)におけるB−B断面図を示してい
る。
【図20】本発明に基づく第14実施形態に係るシール
装置を示す図であって、(a)は正面図を、(b)は
(a)におけるA−A断面図若しくはA′−A′断面図
を、(c)は(a)におけるB−B断面図を示してい
る。
【図21】本発明に基づく第15実施形態に係るシール
装置を示す図であって、(a)は正面図を、(b)は
(a)におけるA−A断面図若しくはA′−A′断面図
を、(c)は(a)におけるB−B断面図を示してい
る。
【図22】リップ部の別の形状を示す断面図である。
【図23】案内レールの他の形状を示す図である。
【符号の説明】
S スライダ移動方向 1 案内レール 1a 上面 1b 側面 1c ボール溝(転動体転動溝) 2 スライダ 3 シール装置 5 エンドキャップ 6 芯材 7 シール材 8 リップ部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3J016 AA08 BB03 CA02 3J104 AA03 AA23 AA36 AA65 AA69 AA74 AA76 BA62 DA04 EA01 EA02 EA04

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 案内レールに跨架されて案内レールの長
    手方向に案内されるスライダの端面に取付けられ、スラ
    イダと案内レールとの間のすき間をシールするリニアガ
    イド用シール装置であって、弾性体からなるリップ部
    が、上記案内レール外面の周方向に沿って延在し先端部
    が上記案内レール外面に所定の接触圧を持って当接する
    シール装置において、 上記スライダを跨架する案内レールの面を上方に向けた
    場合に、 上記リップ部の断面形状をリップ部の延在方向において
    部分的に異ならせることで、案内レールから相対的にシ
    ール装置に入力される付勢力における上下方向の差及び
    左右方向の差の少なくとも一方の差が小さくなるよう
    に、延在方向に沿ったリップ部の接触圧を調整すること
    を特徴とするリニアガイド用シール装置。
  2. 【請求項2】 案内レールの側面に設けられた転動体転
    動溝の少なくとも一つが、スライダ移動方向に直交する
    断面において転動体の略半分を収容可能な断面形状とな
    っているリニアガイドに使用されるシール装置におい
    て、 上記転動体の略半分を収容可能な断面形状の転動体転動
    溝に当接するリップ部分の断面形状について、当該転動
    体転動溝に下側から接触する部分と転動体転動溝に上側
    から接触する部分とを異なる形状としたことを特徴とす
    る請求項1に記載したリニアガイド用シール装置。
  3. 【請求項3】 案内レールに跨架されて案内レールの長
    手方向に案内されるスライダの端面に取付けられて、ス
    ライダと案内レールとの間のすき間をシールするリニア
    ガイド用シール装置であって、弾性体からなるリップ部
    が、上記案内レール外面の周方向に沿って延在し先端部
    が上記案内レール外面に所定の接触圧を持って当接し、
    そのリップ部が、当該リップ部よりも硬度の高い芯材で
    支持されるシール装置において、 上記スライダを跨架する案内レールの面を上方に向けた
    場合に、 案内レールに下側から接触するリップ部分におけるリッ
    プ先端部から芯材までの距離を、案内レールに上側から
    接触するリップ部分におけるリップ先端部から芯材まで
    の距離よりも短くしたことを特徴とするガイドレール用
    シール装置。
  4. 【請求項4】 案内レールに跨架されて案内レールの長
    手方向に案内されるスライダの端面に取付けられて、ス
    ライダと案内レールとの間のすき間をシールするリニア
    ガイド用シール装置であって、弾性体からなるリップ部
    が、上記案内レール外面の周方向に沿って延在し先端部
    が上記案内レール外面に所定の接触圧を持って当接する
    シール装置において、 上記スライダを跨架する案内レールの面を上方に向けた
    場合に、 案内レールに上側から接触するリップ部の接触圧を、案
    内レールに下側から接触するリップ部の接触圧よりも小
    さくしたことを特徴とするリニアガイド用シール装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2004316762A (ja) * 2003-04-15 2004-11-11 Nippon Bearing Co Ltd 摺動装置
WO2023162510A1 (ja) * 2022-02-25 2023-08-31 日本トムソン株式会社 直動案内ユニット

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