JP2002088420A - 海中リチウム採取装置 - Google Patents

海中リチウム採取装置

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JP2002088420A
JP2002088420A JP2000278695A JP2000278695A JP2002088420A JP 2002088420 A JP2002088420 A JP 2002088420A JP 2000278695 A JP2000278695 A JP 2000278695A JP 2000278695 A JP2000278695 A JP 2000278695A JP 2002088420 A JP2002088420 A JP 2002088420A
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lithium
adsorbent
seawater
hold
desorption
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JP2000278695A
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Hidekazu Kobayashi
英一 小林
Masami Matsuura
正己 松浦
Kiyoto Oe
清登 大江
Yutaka Tanaka
豊 田中
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 海水中に溶存するリチウム資源を効率よく大
量に採取することができる海中リチウム採取装置を提供
する。 【解決手段】 喫水可変手段を備えた船体2と、該船体
2の船倉部3に設けた船底弁を備えた海水導入路4と、
船倉部3内に張設されたネットと、ネット間に収納され
た粒状のリチウム吸着剤と、船体外から導入した海水を
船倉部3内に圧送し、海水導入路4から導入した海水と
共にリチウム吸着剤を通過させてからオーバーフローさ
せて排水する海水循環手段9と、船倉部3内の残留海水
を排出する排水手段14と、船倉部3内に脱着液を注入
すると共に、リチウムが溶融された脱着液を船倉部3内
から回収する脱着液注入・回収手段18と、脱着液を前
記船倉部内で循環させリチウム吸着剤からリチウムを脱
着させる脱着液循環手段20と、を具備して構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、海水に溶存してい
るリチウムを採取するための海中リチウム採取装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】近年、地球の温暖化を防止するため、二
酸化炭素などの室温効果ガスの排出規制が進められてい
る。このような背景から、太陽光発電や風力発電などク
リーンエネルギーの利用がますます盛んになることが予
想される。しかし、このような発電によって得られる電
力は、自然現象の影響を強く受けるため安定性に欠ける
断続的なものとなり、従って、発電した電力の貯蔵が可
能な蓄電池システムとの併用が必要となる。
【0003】一方、自動車の分野においても、大気汚染
などの環境問題を解決するため、従来の内燃機関エンジ
ンに代えて、蓄電池から電動機に電力を供給して走行す
る電気自動車や、内燃機関と発電機及び電動機とを併用
して走行するハイブリッド車の開発競争が進み、一部実
用化されている。このような電気自動車やハイブリッド
車においては、性能向上の面で蓄電池が重要な鍵を握っ
ている。また、携帯電話機や携帯用パーソナルコンピュ
ータなどの携帯機器分野でも、小型で性能のよい蓄電池
の需要が急速に増加している。
【0004】上述した背景から、鉛蓄電池やニッケル水
素電池などの既存の蓄電池と比較してエネルギー密度が
高く、しかも充電可能回数の面でも優れているリチウム
イオン二次電池が開発されている。このリチウム二次電
池は、小型の携帯機器用にとどまらず、電気自動車用や
電力貯蔵用の大容量二次電池として特に注目され、広い
分野において今後の大幅な利用拡大が見込まれている。
このように、リチウム二次電池は今後のエネルギー政策
上重要になると考えられるが、我が国においては陸上の
リチウム資源に乏しく、リチウムイオン電池を製造する
上で不可欠となるリチウムを実質的には輸入に頼ってい
るというのが現状である。しかし、海水中にはほぼ均一
に170ppbのリチウムが溶存していることが知られ
ており、また、これを吸着する吸着剤の開発も報告され
ている。さらに、海中からリチウムを採取するプロセス
も提案されており、今後は工業レベルでの実用化を可能
にする技術の確立が望まれている。
【0005】以下、海水からのリチウム採取プロセスを
図16のフローチャートに基づいて簡単に説明する。図
示のプロセスでは、吸着工程、脱着工程、不純物除去工
程、濃縮工程及び沈殿工程を経て、パウダー状の炭酸リ
チウムとして取り出される。最初の吸着工程では、海水
と吸着剤とを接触させることにより、海水に溶在してい
るリチウムを吸着剤に吸着する。ここで使用する好適な
吸着剤としては、マンガン酸化物系の粒状吸着剤(マン
ガン酸化物をPVCでバインドしたもの)がある。
【0006】続く脱着工程では、リチウムを吸着した吸
着剤を回収して酸に浸す。ここで使用する好適な酸とし
ては、2パーセントの塩酸水がある。こうして吸着剤か
らリチウムを脱着してなる脱着液は、次の不純物除去工
程へ送られる。また、リチウムを除去された吸着剤は、
回収された後に上述した吸着工程に送られて再利用され
る。一方、不純物除去工程に送られた脱着液は、水酸化
ナトリウム液などのアルカリ溶液を適当に混ぜ合わせる
ことでアルカリ処理を行い、不純物が除去された後に続
く濃縮工程へと送られる。
【0007】濃縮工程へ送られた脱着液は、自然蒸発や
加熱蒸発などの処理過程を経て濃縮液とされ、続く沈殿
工程へと送られる。沈殿工程では、リチウム脱着液を濃
縮させた濃縮液に炭酸ナトリウムなどの炭酸塩を加える
晶析処理が施され、炭酸リチウムを沈殿させて析出す
る。こうして析出された炭酸リチウムは、必要に応じて
精製処理が施され、パウダー状となって回収される。な
お、沈殿工程においては、上澄み液を回収して再度濃縮
工程へ送り、リチウムの回収率を向上させている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述したよ
うに海水からのリチウム採取プロセスが提案されてはい
るものの、これを効率よく量産して工業化に対応できる
ような海中リチウム採取装置の開発及び実用化は未だ十
分になされていないのが現状である。このような背景か
ら、海水中に溶存しているリチウムを効率よく採取し、
リチウム電池等を製造する資源として必要な量を安定的
に供給できる海中リチウム採取装置の開発が望まれてい
る。本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、海
水中に溶存するリチウム資源を効率よく大量に採取する
ことができる海中リチウム採取装置の提供を目的として
いる。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するため、以下の手段を採用した。請求項1に記載の
海中リチウム採取装置は、喫水可変手段を備えた船体
と、該船体の船倉部の底面と海中とを連通させて船底弁
を設けた海水導入路と、前記船倉部の海水入口側及び海
水出口側に張設されたネットと、前記船倉部内の前記ネ
ット間に収納され前記ネットの網目より大きな粒状のリ
チウム吸着剤と、前記船体外から導入した海水を前記船
倉部内に圧送し、前記海水導入路から導入した海水と共
に前記リチウム吸着剤を通過させてから前記船倉部外へ
オーバーフローさせて排水する海水循環手段と、前記船
倉部内の残留海水を排出する排水手段と、前記船倉部内
に脱着液を注入すると共に、リチウムが溶融された脱着
液を前記船倉部内から回収する脱着液注入・回収手段
と、前記脱着液を前記船倉部内で循環させ前記リチウム
吸着剤からリチウムを脱着させる脱着液循環手段と、を
具備して構成したことを特徴とするものである。
【0010】このような請求項1に記載の海中リチウム
採取装置によれば、船体の喫水を増して船底弁を開いて
船倉内へ海水を導入すると共に、海水循環手段を作動さ
せて船倉部内へ海水を圧送すると、リチウム吸着剤を通
過した海水はオーバーフローして船倉部外へ排水され
る。このため、少ない動力で新鮮な海水を導入すること
が可能となり、導入した海水からリチウムを効率よく吸
着することができる。そして、海水中のリチウムを吸着
したリチウム吸着剤は、排水手段を作動させて船倉内の
残留海水を排出した後、脱着液の注入を受ける。この脱
着液は、脱着液循環手段により循環することで脱着液に
リチウムを溶融させるので、リチウムの溶融した脱着液
を船倉内から回収し、リチウム回収装置まで搬送して脱
着液から炭酸リチウムとして取り出すことができる。
【0011】請求項2に記載の海中リチウム採取装置
は、係留手段を備えた船体と、船首側の吸水口から海流
により流入した海水を船尾側に設けた排水口から流出さ
せる前記船体の船倉部と、該船倉部の内部に前記海水が
通過するようネット内に収納して設置された粒状のリチ
ウム吸着剤と、前記船倉部から残留海水を排出する排水
手段と、前記船倉内に脱着液を注入すると共に、リチウ
ムが溶融された脱着液を前記船倉内から回収する脱着液
注入・回収手段と、前記脱着液を前記船倉内で循環させ
前記リチウム吸着剤からリチウムを脱着させる脱着液循
環手段と、を具備して構成したことを特徴とするもので
ある。
【0012】このような請求項2に記載の海中リチウム
採取装置によれば、船体の船首側に設けた吸水口から船
尾側の排水口へ海流を利用して船倉内に新鮮な海水を流
し、動力を用いることなくリチウム吸着剤に海水を導入
することができるため、導入した海水からリチウムを効
率よく吸着することができる。そして、海水中のリチウ
ムを吸着したリチウム吸着剤は、排水手段を作動させて
船倉内の残留海水を排出した後、脱着液の注入を受け
る。この脱着液は、脱着液循環手段により循環すること
で脱着液にリチウムを溶融させるので、リチウムの溶融
した脱着液を船倉内から回収し、リチウム回収装置まで
搬送して脱着液から炭酸リチウムとして取り出すことが
できる。
【0013】請求項3に記載の海中リチウム採取装置
は、複数の中空体を管路で連結してなる係留浮体構造体
と、前記管路に連結される網状袋体の入口及び出口にそ
れぞれ開閉弁を備えた吸着剤ユニットと、前記中空体の
内部に設けられ、粒状のリチウム吸着剤を海水から分離
させるネット部を底面に備えると共に出口に開閉弁を備
えた吸着剤収納部と、海水吸入口から海水を吸入して前
記吸着剤収納部へ供給する海水導入手段と、吸着剤スラ
リーを搬送し、前記吸着剤収納部から前記吸着剤ユニッ
トへ供給、あるいは、前記吸着剤ユニットから前記吸着
剤収納部へ回収する吸着剤スラリー搬送手段と、前記吸
着剤収納部を包含し下部に開閉弁を備えたリチウム脱着
槽と、前記吸着剤収納部に脱着液を供給する脱着液供給
手段と、前記吸着剤収納部で分離した海水及びリチウム
が溶融した脱着液を前記リチウム脱着槽から吸引して送
出する脱着液回収手段と、を具備して構成したことを特
徴とするものである。
【0014】このような請求項3に記載の海中リチウム
採取装置によれば、吸着剤ユニット内のリチウム吸着剤
が係留浮体構造体と共に海中に設置されることで、リチ
ウム吸着剤を新鮮な海水と常に接触させることでリチウ
ムを効率よく吸着することができる。リチウム吸着前の
リチウム吸着剤は、吸着剤収納部から海水と共にスラリ
ー状となって吸着剤スラリー搬送手段により吸着剤ユニ
ットまで供給され、リチウム吸着後のリチウム吸着剤
は、海水と共に吸着剤ユニットからスラリー状となって
吸着剤スラリー搬送手段により吸着剤収納部に回収され
る。そして、海水中のリチウムを吸着して吸着剤収納部
に回収されたリチウム吸着剤は、残留海水を分離した
後、吸着剤収納部を包含するリチウム脱着槽に脱着液の
注入を受ける。この結果、脱着液にはリチウムが溶融さ
れるので、リチウムの溶融した脱着液をリチウム脱着槽
から回収し、リチウム回収装置まで搬送して脱着液から
炭酸リチウムとして取り出すことができる。この場合、
前記係留浮体構造体が喫水可変手段を備えていることが
好ましく、これにより、台風等で波が高い場合に喫水を
変更して海中に沈め、海中リチウム採取装置を保護する
ことができる。
【0015】請求項5に記載の海中リチウム採取装置
は、複数の中空体を管路で連結してなる沖合係留浮沈式
の浮体構造体と、前記管路に連結され入口及び出口にそ
れぞれ開閉弁を備えて海中に設置されたネット内に粒状
の吸着剤を収納してなるリチウム吸着部と、前記中空体
の内部に設けられ、前記リチウム吸着剤を海水から分離
させるネット部を底面に備えると共に出口に開閉弁を備
えた吸着剤収納部と、海水吸入口から海水を吸入して前
記吸着剤収納部へ供給する海水導入手段と、吸着剤スラ
リーを搬送し、前記吸着剤収納部から前記リチウム吸着
部へ供給、あるいは、前記リチウム吸着部から前記吸着
剤収納部へ回収する吸着剤スラリー搬送手段と、前記吸
着剤収納部を包含し下部に開閉弁を備えたリチウム脱着
槽と、前記吸着剤収納部に脱着液を供給する脱着液供給
手段と、前記吸着剤収納部で分離した海水及びリチウム
が溶融した脱着液を前記リチウム脱着槽から吸引して送
出する脱着液回収手段と、を具備して構成したことを特
徴とするものである。
【0016】このような請求項5に記載の海中リチウム
採取装置によれば、ネット内のリチウム吸着剤が沖合係
留浮沈式の浮体構造体と共に沖合の海中に設置されるの
で、リチウム吸着剤は沖合の新鮮な海水と常に接触し
て、リチウムを効率よく吸着することができる。リチウ
ム吸着前のリチウム吸着剤は、吸着剤収納部から海水と
共にスラリー状となって吸着剤スラリー搬送手段により
リチウム吸着部まで供給され、リチウム吸着後のリチウ
ム吸着剤は、海水と共にリチウム吸着部からスラリー状
となって吸着剤スラリー搬送手段により吸着剤収納部に
回収される。そして、海水中のリチウムを吸着して吸着
剤収納部に回収されたリチウム吸着剤は、残留海水を分
離した後、吸着剤収納部を包含するリチウム脱着槽に脱
着液の注入を受ける。この結果、脱着液にはリチウムが
溶融されるので、リチウムの溶融した脱着液をリチウム
脱着槽から回収し、リチウム回収装置まで搬送して脱着
液から炭酸リチウムとして取り出すことができる。この
場合に使用する粒状の吸着剤は、海洋生物によりネット
の目詰まりを防止する観点より、サイズ的には吸着効果
が減少しない範囲でできるだけ大きく、また、吸着面積
を大きくとれるポーラス球状のものが好ましく、これに
より、比較的目の粗いネット内において波浪等の自然エ
ネルギーにより撹拌されるので、新鮮な沖合の海水と接
して効率よくリチウムを回収することができる。
【0017】請求項7に記載の海中リチウム採取装置
は、沖合係留筏方式の浮体と、該浮体に展張したベルト
状のリチウム吸着剤と、を具備して構成したことを特徴
とするものである。
【0018】このような請求項7に記載の海中リチウム
採取装置によれば、ベルト状のリチウム吸着剤を浮体に
展張するという簡単な構成となり、ベルト状のリチウム
吸着剤を着脱して回収する。海中リチウム採取装置から
回収したリチウム吸着剤は、リチウム回収装置まで搬送
されて脱着工程に送られ、脱着液にリチウムを溶融させ
る。そして、海中から採取したリチウムは、脱着液から
炭酸リチウムとして取り出すことができる。この場合、
前記ベルト状のリチウム吸着剤は、支持部材を介して上
下方向に往復し、前記浮体の幅方向または長手方向へ連
続して展張されたもの、あるいは、帯状の両端を支持し
て深さ方向に展張されると共に、前記浮体の幅方向及び
長手方向に多数配列されたものが好ましく、これによ
り、浮体を有効利用してベルト状のリチウム吸着剤を多
数配置することができる。そして、この場合の海中リチ
ウム採取装置においても、前記浮体が喫水可変手段を備
えていることが好ましく、これにより、台風等で波が高
い場合に喫水を変更して海中に沈め、海中リチウム採取
装置を保護することができる。
【0019】請求項11に記載の海中リチウム採取装置
は、係留された一対のブイ間を連結する索部材に、深さ
方向に展張した帯状のリチウム吸着剤を多数並べて支持
させたことを特徴とするものである。
【0020】このような請求項11に記載の海中リチウ
ム採取装置によれば、簡単な装置構成で帯状のリチウム
吸着剤に海中のリチウムを吸着させることができる。リ
チウムを吸着した帯状のリチウム吸着剤は、海中リチウ
ム採取装置から回収してリチウム回収装置まで搬送され
た後、脱着工程に送られて脱着液にリチウムを溶融させ
る。そして、海中から採取したリチウムは、脱着液から
炭酸リチウムとして取り出すことができる。
【0021】請求項12に記載の海中リチウム採取装置
は、海水を取水し駆動源を冷却した温水を排出する船舶
冷却海水系に、前記温水が流れる温水流路を並列にして
流路選択手段を設け、前記温水流路の一方にリチウム吸
着剤を収納した吸着剤ユニットを着脱可能に設置したこ
とを特徴とするものである。
【0022】このような請求項12に記載の海中リチウ
ム採取装置によれば、リチウム吸着効率のよい温海水を
有効利用して、海中のリチウムを効率よく吸着すること
ができる。リチウム吸着剤を収納する吸着剤ユニット
は、リチウム吸着後に容易に交換でき、リチウム回収装
置まで搬送された後、脱着工程に送られて脱着液にリチ
ウムを溶融させる。そして、海中から採取したリチウム
は、脱着液から炭酸リチウムとして取り出すことができ
る。
【0023】請求項13に記載の海中リチウム採取装置
は、リチウム吸着剤を海中に保持すると共に係留手段を
備えた浮体構造物と、該浮体構造物に前記リチウム吸着
剤の搬送および回収を行う吸着剤回収手段とを具備して
構成したことを特徴とするものである。
【0024】このような請求項13に記載の海中リチウ
ム採取装置によれば、リチウム吸着時は係留された浮体
構造物においてリチウム吸着剤を海中に保持し、吸着完
了後のリチウム吸着剤は吸着剤回収手段によって回収さ
れ、リチウム回収装置まで搬送される。そして、リチウ
ム吸着剤を脱着工程に送って脱着液にリチウムを溶融さ
せた後、海中から採取したリチウムは、脱着液から炭酸
リチウムとして取り出される。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る海中リチウム
採取装置の一実施形態を、図面に基づいて説明する。 <第1の実施形態>本発明による海中リチウム採取装置
の第1の実施形態を、図1ないし図3に基づいて説明す
る。なお、図1は平面図、図2は図1のA−A断面図、
図3は図1の海中リチウム採取装置を係留した状態を示
す図である。この海中リチウム採取装置1では、後述す
るバラストタンク等の喫水可変手段を備えた船体2の船
倉部3に、該船倉部3の底面と海中とを連通させる海水
導入路4を設けて船底弁5を取り付けてある。図1及び
図2に示す例では、船体2の中央下部を前後方向に通る
キール2aが設けられ、その上部には左右及び前後方向
にそれぞれ区画された複数の船倉区画3aが形成されて
いる。
【0026】また、船倉部3の周囲には喫水可変手段と
してバラストタンク6が設けられ、同タンクへの注水量
を調整することで船体2の喫水を調整可能としている。
船倉部3においては、各船倉区画3aの海水入口3b及
び海水出口3cにネット7が張設されている。ネット
7,7間の船倉区画3aには粒状のリチウム吸着剤8が
収納されており、ネット7の網目はリチウム吸着剤8の
粒径より小さく設定してあり、海水は通過できるものの
リチウム吸着剤8は通過できないようになっている。
【0027】船体2の適所には、船体2の外から導入し
た海水を船倉部3の各船倉区画3a内に圧送し、船底弁
5を開として海水導入路4から導入した海水と共にネッ
ト7,7間のリチウム吸着剤8を通過させてから船倉部
3の外へオーバーフローさせて排水する海水循環手段9
が設けられている。この海水循環手段9は、海水を吸引
して圧送する海水注入ポンプ10と、船倉区画3aに上
向きの海水流を発生させる海水噴射ノズル11とを具備
し、海水注入ポンプ10と海水噴射ノズル11との間は
適宜バルブを設けた配管により連結されている。海水噴
射ノズル11は、船倉区画3aの底部またはその近傍
に、上向きまたは斜め上向きに取り付けてあり、同海水
噴射ノズル11から勢いよく噴出する海水の流れによっ
て、船倉区画3a内には海水の上昇流が形成される。す
なわち、海水導入路4から導入される海水は、海水噴射
ノズル11から噴射された海水と共に船倉区画3a内を
上昇流となって流れ、ネット7,7間のリチウム吸着剤
8を通過してから船倉部3の上部よりオーバーフローし
て排水される。また、各船倉区画3aに取り付けられる
海水噴射ノズル11の数や配置は、船倉区画3aの容
積、海水噴射ノズル11の吐出圧力や流量などを考慮し
て適宜選択されるものである。なお、図中の符号12は
海水吸入箱、13はストレーナを示している。
【0028】この海水リチウム採取装置1は、船倉部3
内の残留海水を排出するための排水手段14を備えてい
る。この排水手段14は、海水注入ポンプ10及び海水
ストリッピングポンプ15と、船倉区画3aの底部に設
けられた排水吸入口16と、船外へ海水を排出する排水
口17と、これらを連結し適宜バルブが設けられた配管
とを具備して構成される。
【0029】さらに、この海水リチウム回収装置1に
は、海水を排水した後、船倉部3内に希塩酸などの脱着
液を注入してリチウム吸着剤8からリチウムを溶融させ
ると共に、リチウムが溶融された脱着液を船倉部3内か
ら回収する脱着液注入・回収手段18が設けられてい
る。この脱着液注入・回収手段18は、支援船との連結
口19を、適宜バルブが設けられた配管により、上述し
た海水循環手段9及び排水手段14と連結したものであ
る。
【0030】そして、上述した海水循環手段9及び排水
手段14は、適宜バルブの開閉状態を切り換え操作する
ことにより、脱着液注入・回収手段18によって船倉部
3内に注入した脱着液を船倉部3内で循環させてリチウ
ム吸着剤8からリチウムを脱着させる脱着液循環手段2
0となる。この脱着液循環手段20では、海水注入ポン
プ10または海水ストリッピングポンプ15を運転し
て、脱着液を循環させることになる。
【0031】なお、符号の21は海水バラストポンプで
あり、海水吸入箱12から吸入した海水を配管で連結さ
れたバラストタンク6に注入したり、あるいは、配管中
のバルブを開閉操作してバラストタンク6内の海水を排
水したりする機能を備えている。
【0032】このように構成された海中リチウム採取装
置1は、図3に示すように、適当な海域、すなわち常に
新鮮な海水が得られるよう海流のある海上に係留装置2
2を用いて係留される。
【0033】以下、上述した構成の海中リチウム採取装
置の作用を、運転手順に従って説明する。最初に、リチ
ウムを吸着していない(リチウムが脱着された)粒状の
リチウム吸着剤8を、各船倉区画3aのネット7,7間
に充填する。なお、ここで充填するリチウム吸着剤8
は、通常係留位置まで支援船で搬送される。
【0034】この後、新鮮な海水を船倉部3内に導入
し、海水からリチウムを吸着する工程に入る。このリチ
ウム吸着工程では、海水導入路4に設けられた船底弁5
を開とし、さらに、バラストタンク6に海水バラストポ
ンプ21を用いて張水する。この結果、船体2の喫水が
増すことで船倉部3の上部と海面との差が小さくなり、
導入した海水が比較的軽微な上昇流でもオーバーフロー
可能な状態になる。そして、船底弁5が開の状態で海水
注入ポンプ10を運転すると、海水吸入箱12から吸入
された新鮮な海水は、配管を通って海水噴射ノズル11
に導かれ、同ノズル先端より上向きの噴流となって吐出
される。この時、バルブV1,V2,V3,V4は閉と
なる。この海水噴射ノズル11は上向きに取り付けられ
ているので、新鮮な海水が開状態の船底弁5を通って海
水導入路4から船倉区画3aに誘引されやすくなり、か
つまた、ネット7,7間に充填した粒状のリチウム吸着
剤8を撹拌しやすくなる。すなわち、このような方式で
は、海水注入ポンプ10によるリチウム吸着剤8への海
水押込運転がなされているので、ポンプ台数が少なくて
すみ、その分消費動力も少なくなる。
【0035】こうして海水注入ポンプ10を運転するこ
とにより、海水導入路4及び海水噴射ノズル11から新
鮮な海水が継続的に各船倉区画3a内に供給され、船倉
区画3a内を上昇してリチウム吸着剤8を通過する流れ
となり、最終的にはオーバーフローして船外へ排水され
る。このようなリチウム吸着工程の運転状態は、リチウ
ム吸着に必要な期間中(通常は20〜40日程度でリチ
ウム吸着が完了)維持される。
【0036】なお、海水注入ポンプ10、海水ストリッ
ピングポンプ15及び海水バラストポンプ21等の動力
源は、船体2内に装備されている発電装置から供給を受
けるようにしてもよいし、あるいは、図示省略のプッシ
ャー(押船)に装備されている発電装置から供給を受け
るようにしてもよい。
【0037】続いて、上述したリチウム吸着工程が完了
した後に実施される脱水工程について説明する。この脱
水工程は、船倉部3内に残っている海水を船外へ排水す
るもので、まず最初に海水バラストポンプ21を運転
し、バラストタンク6内の海水を排水して船体2の喫水
下げる。そして、船底弁5を閉じてから海水注入ポンプ
10を運転し、船倉部3内の上部及び下部など適所に設
けた排水吸入口16などより海水を吸引して排水する。
なお、この排水作業については、バルブの配置及び配管
系統を考慮することで、海水バラストポンプ21を利用
したり、あるいは両ポンプを併用することも可能であ
る。最後に、船倉部3の底部残水についても海水ストリ
ッピングポンプ15を運転することで船外に排水する。
この結果、船倉部3の内部は海水がほぼ排出された状態
となる。なお、この場合は、バルブV1,V2を開と
し、バルブV3,V4,V5,V6,V7を閉とする。
【0038】続いて、海水中のリチウムを吸着した状態
でネット7,7内にあるリチウム吸着材8より、リチウ
ムを脱着するために所定の希塩酸(通常2〜3パーセン
ト)を船倉部3内に注入する。この希塩酸は、図示省略
の支援船により運搬され、海中リチウム採取装置1に横
付けした支援船からホースにより供給される。なお、海
中リチウム採取装置1側のホース接続口は連結口19と
なる。
【0039】ホースにより連結口19から海中リチウム
採取装置1に供給された希塩酸は、一時船体2内のタン
ク(図示省略)を経て、海水注入ポンプ10や支援船の
供給ポンプにて直接船倉部3(各船倉区画3a)に充填
される。海水注入ポンプ10は、船倉部3内に充填され
た希塩酸を船倉部3の排水吸入口16などより吸引で
き、海水噴射ノズル11より船倉部3内に吐出できるよ
うになっており、船倉部3内の希塩酸を循環させること
によって、リチウム吸着剤8からリチウムを効率よく脱
着させることができるようになっている。このような希
塩酸の循環は通常数時間程度継続すればよく、これによ
りリチウム吸着剤8からリチウムが脱着されて希塩酸に
溶融する。なお、この場合、バルブV1,V3,V4を
閉とし、バルブV2,V5,V6,V7を開とする。
【0040】このようにして希塩酸に溶融させた状態の
リチウムは、上述した希塩酸の循環状態からバルブの開
閉状態を切り換えることで、海水注入ポンプ10で船倉
部3内から吸引し、支援船とホースで接続された連結口
19から回収することができる。また、船倉部3の底部
に残留する希塩酸についても、海水ストリッピングポン
プ15を運転することで、同様に回収できる。なお、こ
のような希塩酸の回収については、上述したように海水
注入ポンプ10及びこれに連結された海水注入配管系統
を流用してもよいし、あるいは、専用の希塩酸排出ポン
プ及びこれに連なる単独の配管系統を設けて、連結口1
9からホースを経て支援船に排送することも可能であ
る。
【0041】<第2の実施形態>本発明による海中リチ
ウム採取装置の第2の実施形態を図4に基づいて説明す
る。なお、図4において(a)は断面図、(b)は係留
状態を示す図である。この海中リチウム採取装置30
は、同装置を所望の海域に係留しておく係留手段31を
備えた船体32に搭載されている。船体32の船倉部3
3は、船首側の吸水口34から海流により流入した海水
を船尾側に設けた排水口35から流出させるように構成
され、船倉部33の内部には新鮮な海水が通過するよう
ネット36,36間に収納して粒状のリチウム吸着剤3
8が設置されている。この場合においても、ネット36
の網目はリチウム吸着剤38の粒径より小さく設定され
ている。なお、海中に開口する吸水口34及び排水口3
5には、それぞれ吸水弁34a及び排水弁35aが設け
られている。
【0042】また、この海中リチウム採取装置30も、
上述した第1の実施形態と同様に、船倉部33から残留
海水を排出する排水手段と、船倉部33内に脱着液を注
入すると共に、リチウムが溶融された脱着液を船倉部3
3内から回収する脱着液注入・回収手段と、脱着液を船
倉部33内で循環させリチウム吸着剤38からリチウム
を脱着させる脱着液循環手段とを具備している。図示の
例では、ポンプ40とこれに連結された配管及びバルブ
により排水手段及び脱着液循環手段が構成され、図示省
略の支援船にホースを介して接続される脱着液連結口4
1に連結されて船倉部33内に至る配管及びバルブによ
り脱着液注入・回収手段を構成している。
【0043】このように構成された海中リチウム採取装
置30では、ネット36,36間にリチウム吸着剤38
を収納した後、吸水弁34a及び排水弁35aを開いて
船倉部33内に新鮮な海水の海流を導入する。この時、
船体32は適当な流速の海流がある海域に係留されてお
り、船首側の吸入口34から船尾側の排水口35へ船倉
部33内を通過して海流が流れるようになっている。こ
のため、特別な動力源を必要とすることなく新鮮な海水
が常に船倉部33内に導入され、そして、この海流がネ
ット36,36間に収納されたリチウム吸着剤38を攪
拌しながら通過するので、リチウム吸着剤38に海中の
リチウムを効率よく吸着させることができる。なお、こ
のようなリチウム吸着工程は、前述した第1の実施形態
と同様に、通常20〜40日程度継続される。
【0044】続いて、上述したリチウム吸着工程が完了
した後に実施される脱水工程について説明する。この脱
水工程は、船倉部33内に残っている海水を船体32の
外へ排水するもので、ポンプ40を運転し、海水吸入口
42から海水を吸引して海水排出口43より船外へ排水
する。この時、吸入弁34a及び排水弁35aは閉じら
れ、バルブ44は開、バルブ45は閉である。
【0045】続いて、海水中のリチウムを吸着した状態
でネット36,36内にあるリチウム吸着材38より、
リチウムを脱着するために脱着液として希塩酸(通常2
〜3パーセント)を船倉部33内に注入する。この希塩
酸は、図示省略の支援船により運搬され、海中リチウム
採取装置30に横付けした支援船から脱着液連結口41
に接続されたホースを経て船倉部33内に供給される。
【0046】ホースにより脱着液連結口41から海中リ
チウム採取装置30に供給された希塩酸は、船倉部33
に充填された後、バルブ44を閉、バルブ45を開とし
てポンプ40を運転することで船倉部33内を循環す
る。このような希塩酸の循環によって、リチウム吸着剤
38からリチウムを効率よく脱着させることができる。
なお、このような希塩酸の循環は、上述した第1の実施
形態と同様に、通常数時間程度継続すればよく、これに
よりリチウム吸着剤38からリチウムが脱着されて希塩
酸に溶融する。
【0047】このようにして希塩酸に溶融させた状態の
リチウムは、支援船と脱着液連結口41との間をホース
で接続して、支援船側のポンプで船倉部33から吸引し
て回収することができる。あるいは、上述した希塩酸の
循環状態からバルブの開閉状態を切り換えて、すなわち
バルブ44を開、バルブ45を閉として、ポンプ40に
より船倉部33内から希塩酸を吸引し、脱水工程と同様
に海水排出口43へ接続したホースにより支援船へ回収
することも可能である。
【0048】<第3の実施形態>本発明による海中リチ
ウム採取装置の第3の実施形態を図5ないし図9に基づ
いて説明する。なお、図5は全体構成を示す斜視図、図
6は要部の構成を示す系統図、図7は吸着剤ユニットの
構成図、図8及び図9は喫水可変手段の構成例を示す図
である。この海中リチウム採取装置50は、四隅に設け
られた中空体51を管路52で連結してなる係留浮体構
造体53に多数の吸着剤ユニット54を連結したもので
ある。各吸着剤ユニット54は、図7に示すように、管
路52に連結される網状袋体54aの入口及び出口にそ
れぞれ開閉弁55a,55bを備えており、好適には適
当なフレーム部材54bに網状袋体54aを支持させる
と共に、同フレーム部材54bに海流を乱すフィン54
cを設けるとよい。なお、網状袋体54の網目は、後述
するリチウム吸着剤の粒径より小さくする必要がある。
【0049】中空体51の内少なくともひとつの内部に
は、粒状のリチウム吸着剤56を海水から分離させるネ
ット部57を底面に備えると共に、出口に開閉弁58を
備えた吸着剤収納部59が設けられている。また、中空
部51の内部には、海水吸入口から新鮮な海水を吸入し
て吸着剤収納部59へ供給する海水導入手段として、海
水ポンプ60、海水吸入箱61及び海水噴射ノズル62
が設けられて配管で接続されている。
【0050】そして、上述した吸着剤収納部59には、
吸着剤スラリー搬送手段として吸着剤移送ポンプ63が
設けられている。この吸着剤移送ポンプ63は、海水導
入手段で導入した海水とリチウム吸着前の粒状のリチウ
ム吸着剤56とが混合されてスラリー状となった吸着剤
スラリーを吸着剤ユニット54まで搬送し、吸着剤収納
部59から吸着剤ユニット54へリチウム吸着剤56を
供給する機能を有している。吸着剤スラリーは管路52
を通って吸着剤ユニット54まで搬送され、海水が網状
袋体54aを通り抜けて流出することで、粒状のリチウ
ム吸着剤56のみが網状袋体54a内に残る。なお、こ
の場合、海水ポンプ60の運転を継続して海水を連続的
に供給すると共に、吸着剤スラリーの流れ方向に応じ
て、たとえば開閉弁55aを開とし、開閉弁55bを閉
とする。
【0051】この吸着剤移送ポンプ63はまた、吸着剤
ユニット54から吸着剤収納部59にリチウムを吸着し
たリチウム吸着剤56を回収する機能も有している。こ
の場合は、開閉弁55aを閉とし、開閉弁55bを開と
して吸着剤移送ポンプ63を運転すれば、網状袋体54
aの周辺から内部に海水が導入されるので、リチウム吸
着剤56が吸着剤スラリーとなって管路52を流れ、吸
着剤収納部59に回収される。吸着剤収納部59では、
海水がネット部57を通って分離され、リチウム吸着済
みのリチウム吸着剤56のみが残る。
【0052】このような吸着剤収納部59は、下部に開
閉弁64を備えたリチウム脱着槽65の内部に収納され
ており、従って、ネット部57を通過して分離した海水
はリチウム脱着槽65に溜まるので、後述する脱着液回
収手段として設けられた脱着液回収ポンプ66を運転す
ることで、海水排出口70より排水される。
【0053】また、この装置では、吸着剤収納部59に
希塩酸などの脱着液を供給する脱着液供給手段を備えて
いる。図示の例では、図示省略の支援船で搬送した脱着
液をホース接続口67から配管を通して、リチウム吸着
済みのリチウム吸着剤が貯蔵されている吸着剤収納部5
9に注入し、浸漬させる。この後、脱着液回収ポンプ6
6を運転して脱着液を循環させ、リチウム吸着剤56か
らリチウムを溶融させる。このようにして得られたリチ
ウムが溶融した脱着液は、開閉弁の開閉状態を適宜切換
操作した後、脱着液回収ポンプ66を運転してリチウム
脱着槽65から吸引し、図示省略の支援船へホース接続
口67から送出することで回収される。
【0054】なお、図中の符号68はリチウム吸着剤5
6を交換する際などに吸着剤スラリーとして支援船に回
収する連結口、69は吸着剤収納部59内の海水分離を
促進するオーバーフロー排水口、70は海水排水口であ
る。
【0055】このような構成の海中リチウム回収装置5
0としても、海水からリチウムを吸着する工程では特に
動力を必要とせず、効率よくリチウムを回収することが
できる。なお、上述した実施形態では、四隅に中空体5
1を設けて管路52で連結した平面視が長方形の係留浮
体構造体53として説明したが、これに限定されること
はなく、多角形など適宜変更が可能である。
【0056】ところで、上述した海中リチウム回収装置
50は、係留浮体構造体53や吸着剤ユニット54など
を保護する上で喫水可変手段を設けることが好ましく、
たとえば台風等で波が高い場合など喫水を増し、海中に
沈めておくとよい。このような喫水可変手段としては、
図8に示すように、別に設けた専用のバラストポンプ7
1を用いて、あるいは上述した海水ポンプ60をバラス
トポンプ71として兼用し、バラストタンク72内の注
水量を変化させて係留浮体構造体53の喫水を調整する
ものがある。ここで、符号の73は海水吸入箱、73a
は吸入箱入口弁、74はストレーナ、75は常時開の空
気抜弁、76は注水弁、77は排水弁、78は排水出口
弁である。注水時には注水弁76を開、排水弁77及び
排水出口弁78を閉とし、吸入箱入口弁73aを開いて
バラストポンプ71で吸入した海水をバラストタンク7
2に注入する。また、排水時には、注水弁76を閉、排
水弁77及び排水出口弁78を開とし、吸入箱入口弁7
3aを閉じてバラストポンプ71を運転すると、バラス
トタンク72内の海水が吸引されて排水される。
【0057】他の喫水可変手段としては、図9に示すよ
うに、圧縮機79を用いてバラストタンク72内の注水
量を変化させるものがある。この場合、注水時にはバラ
ストタンク72の底部近傍に設けた注水・排水開閉弁8
0及び空気抜弁75を共に開とし、圧力元弁81を閉に
すれば、自重により注水・排水開閉弁80よりバラスト
タンク72内に海水が流れ込んで注水量を増す。また、
排水時には空気抜弁75閉、圧力元弁81を開とし、圧
縮機79を運転してバラストタンク72の上部から空気
圧をかけると、バラストタンク72内の海水は開状態と
した注水・排水開閉弁80から流出する。なお、空気圧
縮機79や圧縮空気槽82等は、支援船(図示なし)に
装備し、ホースにて係留浮体構造体53に連結してこの
作業を実施することも可能である。
【0058】図10に示す海中リチウム採取装置50A
は、上述した第3の実施形態の変形例を示すもので、複
数の中空体51Aを管路52で連結してなる沖合係留浮
沈式の浮体構造体53Aとした点、管路52に連結され
入口及び出口にそれぞれ開閉弁55Aを備えて海中に設
置されたネット83a内に粒状の吸着剤を収納してなる
リチウム吸着部83(吸着ユニット54に相当)とした
点が異なっている。図示の例では、リチウム吸着部83
が平面視で4分割されているが、平面視が長方形の浮体
構造体53Aの形状と共に、これに限定されるものでは
ない。
【0059】そして、他の構成については、特に中空体
51Aの内部構造については、図6に示す吸着剤収納部
57、海水導入手段となる海水ポンプ60、吸着剤スラ
リーを搬送する吸着剤スラリー搬送手段となる吸着剤移
送ポンプ63、吸着剤収納部を包含するリチウム脱着槽
65、吸着剤収納部59に脱着液を供給する脱着液供給
手段となるホース接続口67、吸着剤収納部57で分離
した海水及びリチウムが溶融した脱着液を前記リチウム
脱着槽から吸引して送出する脱着液回収手段となる脱着
液回収ポンプ66、及びこれらを連結する配管やバルブ
配置などと基本的に同じである。従って、ここでは図示
及びその詳細な説明は省略する。また、浮体構造体53
Aの浮沈構造についても、図8または図9に示して説明
した喫水可変手段を採用すればよく、従って、これにつ
いても図示及びその詳細な説明は省略する。
【0060】この場合に使用する粒状の吸着剤は、海洋
生物によりネットの目詰まりを防止する観点より、サイ
ズ的には吸着効果が減少しない範囲でできるだけ大き
く、また、吸着面積を大きくとれるポーラス球状のもの
が好ましい。これにより、比較的目の粗いネット83a
を使用でき、しかも沖合に係留することで比較的大きな
波浪等の自然エネルギーを有効に利用して撹拌し、常に
新鮮な沖合の海水と接して効率よくリチウムを回収する
ことができる。
【0061】<第4の実施形態>本発明による海中リチ
ウム採取装置の第4の実施形態を図11に基づいて説明
する。この海中リチウム採取装置90は、沖合係留筏方
式の浮体91と、該浮体91に展張したベルト状のリチ
ウム吸着剤92とを具備して構成される。図示の例で
は、ベルト状のリチウム吸着剤92が、中空の角柱状に
構成された浮体91に対し、上下の長手方向構成部材間
を連結して水平に設けられた複数の支持部材93を介し
て、上下方向に往復しながら長手方向へ連続して展張さ
れている。ベルト状のリチウム吸着剤92は、ローラ等
に巻き付けた状態で支援船により搬送され、着脱式の巻
取装置94を用いて、索方式で展張及び回収を行うよう
に構成されている。
【0062】海中リチウム採取の手順を説明すると、リ
チウムを吸着前のリチウム吸着剤92が沖合に係留され
ている浮体91まで搬送され、同時に巻取装置94が浮
体91に装着される。ベルト状のリチウム吸着剤92
は、索方式により浮体91の一端側から他端側へ上下の
支持部材93を交互に通して、長手方向へ展張される。
この結果、上下方向に複数回往復することで長く連続し
たベルト状のリチウム吸着剤92が展張される。なお、
リチウム吸着剤92の両端は適当な手段によって固定さ
れる。
【0063】こうして複数本のリチウム吸着剤92の展
張が完了すると、巻取装置94を取り外し、所定の期間
海上に係留して新鮮な海水と接触させ、リチウム採取を
継続する。リチウム採取が完了すると、支援船にて巻取
装置94が浮体91に装着され、上述とは逆の工程にて
ベルト状のリチウム吸着剤92は巻き取られ、巻取装置
94共々リチウム吸着剤92を回収し、図示省略のリチ
ウム回収装置まで搬送されて脱着工程に送られる。脱着
工程では、希塩酸などの脱着液にリチウム吸着剤92を
浸漬してリチウムを溶融させ、この脱着液より海中から
採取したリチウムを炭酸リチウムとして取り出すことが
できる。すなわち、この実施形態の海中リチウム採取装
置90は、上述した第1から第3の実施形態とは異な
り、リチウム吸着工程までを実施して脱着工程は装置外
で行われる。なお、上述した説明では、ベルト状のリチ
ウム吸着剤92を長手方向に展張するものとして説明し
たが、リチウム吸着剤92の数が増す分着脱作業の回数
も増すものの、1本当たりが短くてすむという利点もあ
るため短辺側の幅方向に展張してもよい。
【0064】さて、上述した第4の実施形態では、連続
するベルト状のリチウム吸着剤92を展張しているが、
図12に基づいて以下に説明するような構成の変形例も
可能である。すなわち、この海中リチウム採取装置90
Aでは、浮体91Aの上下方向寸法とほぼ同じ長さとし
た帯状のリチウム吸着剤92Aを多数用意し、その両端
を支持して深さ方向に展張させている。図示の例では、
浮体91Aの長手方向の複数の支持部材93Aを上下に
平行に配置して設け、対向する上下一対の支持部材93
A間にリチウム吸着剤92Aの両端をそれぞれ支持させ
て多数並べてある。
【0065】この場合も、前述した第4の実施形態と同
様に、帯状のリチウム吸着剤92Aは支援船で搬送した
ものが展張され、リチウム吸着後は回収されて脱着工程
まで搬送される。なお、この場合においても、帯状のリ
チウム吸着剤92Aを展張させる支持部材93Aは、幅
方向に配置してもよい。
【0066】また、上述した第4の実施形態及びその変
形例についても、浮体91,91Aが喫水可変手段を備
えていることが好ましい。この場合の喫水可変手段は、
図8または図9に示したものが適用可能であり、台風な
どの荒天時には海中に沈下させて、海中リチウム採取装
置を保護することができる。
【0067】<第5の実施形態>本発明による海中リチ
ウム採取装置の第5の実施形態を図13に基づいて説明
する。この海中リチウム採取装置100は、所定の距離
をもって係留された一対のブイ101,101間を連結
する索部材102に、深さ方向に展張した帯状のリチウ
ム吸着剤103を多数並べて支持させた構成、いわゆる
延縄式と呼ばれる構成となっている。このようなリチウ
ム採取装置100を1ユニットとして、図13(b)に
示すように、複数のユニットを並べて設置すれば大量の
リチウム採取が可能となる。
【0068】この第5の実施形態においても、海中リチ
ウム採取装置100ではリチウム吸着工程までを実施
し、リチウム吸着後はリチウム吸着剤103を回収して
支援船等で脱着工程まで搬送する。なお、リチウム吸着
前のリチウム吸着剤103も支援船等で搬送され、所定
の位置に展張される。
【0069】<第6の実施形態>本発明による海中リチ
ウム採取装置の第6の実施形態を図14に基づいて説明
する。この海中リチウム採取装置110は、船舶におい
て海水を取水しディーゼルエンジン等の駆動源を冷却し
た温水を排出する船舶冷却海水系に、温水が流れる温水
流路を並列にした第1温水流路111及び第2温水流路
112を設け、それぞれに開閉弁(流路選択手段)11
3,114を設けてある。このうち、一方の温水流路1
11には、リチウム吸着剤115を収納した吸着剤ユニ
ット116を着脱可能に設置してある。なお、図中の符
号117は海水吸入箱、118はストレーナ、119は
冷却海水ポンプ、120は機関空気冷却器、121は潤
滑油冷却器、122はジャケット清水冷却器、123は
排水口である。なおまた、船舶によっては機関空気冷却
器120、潤滑油冷却器121、ジャケット清水冷却器
122の他、冷却を要する部位を一つのセントラルクー
ラーにまとめて海水にて冷却するシステムもあるが、こ
れにおいても同様に適用可能である。
【0070】このような構成とすれば、冷却海水ポンプ
119の運転により新鮮な海水が船舶冷却水系に導入さ
れ、例えば機関空気冷却器120、潤滑油冷却器121
及びジャケット清水冷却器122で熱交換して温水とな
る。この温海水を吸着剤ユニット116に導入すると、
海水中のリチウムはリチウム吸着剤115に吸着され
る。ところで、海水からリチウムを吸着するには、温度
の高い海水程効率がよいことが知られている。従って、
上述した船舶冷却海水系に吸着剤ユニット116を設置
すれば、特別な加熱装置を設けなくても、換言すれば排
熱を利用して得た温海水から、効率よくリチウムを採取
することができる。また、船舶は外洋を航海するので、
新鮮な海水を容易に導入してリチウムを採取することが
でき、所定期間の航海を終了した後には、吸着剤ユニッ
ト116を交換すればよい。なお、リチウムを吸着した
吸着剤ユニット116は、次の脱着工程に搬送されて処
理される。
【0071】<第7の実施形態>本発明による海中リチ
ウム採取装置の第7の実施形態を図15に基づいて説明
する。この海中リチウム採取装置130は、リチウム吸
着剤131を海中に保持すると共に係留手段132を備
えた浮体構造物133と、該浮体構造物133にリチウ
ム吸着剤131の搬送および回収を行うリチウム回収船
(吸着剤回収手段)134とを具備して構成される。リ
チウム回収船134は、いわゆる母船であり、係留手段
132により所定位置に係留されている浮体構造物13
3に対し、リチウム吸着前のリチウム吸着剤131を搬
送して供給し、所定の設置状態にセットする。
【0072】(a)に示す例では、海流が通過する浮体
構造物133にリチウム吸着剤131を設置し、(b)
に示す例では、ブイなどの浮体構造物133Aに複数の
リチウム吸着剤131を吊り下げている。ここで使用す
るリチウム吸着剤133,133Aは、粒状あるいは帯
状の吸着剤を網状袋体に収納したものなどが採用可能で
ある。なお、リチウムを吸着した吸着剤は、リチウム回
収船134に回収され、同船内で脱着工程を実施しても
よいし、あるいは、他の場所に設置された脱着工程まで
搬送して処理するようにしてもよい。
【0073】このような構成としても、リチウム吸着時
は係留された浮体構造物133,133Aにおいてリチ
ウム吸着剤131を新鮮な海水が流れる海中に保持し、
海中のリチウムを効率よく吸着できる。こうして吸着を
完了した後のリチウム吸着剤131は、リチウム回収船
134によって回収され、脱着工程を備えたリチウム回
収装置まで搬送される。そして、脱着工程において脱着
液にリチウム吸着剤131を浸漬させるなどしてリチウ
ムを溶融させることで、海中から採取したリチウムは、
脱着液から炭酸リチウムとして取り出される。
【0074】なお、上記各実施の形態においては、本発
明の主旨を逸脱しない範囲内であれば、いかなる構成を
採用しても良く、また上記したような構成を適宜選択的
に組み合わせたものとしても良いのは言うまでもない。
【0075】
【発明の効果】本発明の海中リチウム採取装置によれ
ば、以下の効果を奏する。請求項1に記載の海中リチウ
ム採取装置によれば、船体の喫水を増し、船底弁を開い
て船倉内へ海水を導入すると共に、海水循環手段を作動
させて船倉部内へ海水を圧送することによって、新鮮な
海水を船倉内へ導入して少ない動力で循環さることがで
き、リチウム吸着剤を通過させた海水はオーバーフロー
して船倉部外へ排水される。このため、必要なポンプ台
数や消費動力が少なくてすみ、少ない動力で導入した新
鮮な海水からリチウムを効率よく吸着することができる
海中リチウム回収装置を提供できる。また、この海中リ
チウム採取装置においては、リチウムを吸着したリチウ
ム吸着剤から脱着液にリチウムを溶融させることができ
るので、リチウムの溶融した脱着液を船倉内から回収
し、リチウム回収装置まで搬送して脱着液から炭酸リチ
ウムとして取り出すことができる。
【0076】請求項2に記載の海中リチウム採取装置に
よれば、船体の船首側に設けた吸水口から船尾側の排水
口へ流出する新鮮な海水の流れが海流を利用して船倉内
に導入されるので、ポンプ等の特別な海水導入手段が不
要となる。このため、動力を消費することなくリチウム
吸着剤に海水を導入し、その海水からリチウムを効率よ
く吸着することができる。また、この海中リチウム採取
装置においても、リチウムを吸着したリチウム吸着剤か
ら脱着液にリチウムを溶融させることができるので、リ
チウムの溶融した脱着液を船倉内から回収し、リチウム
回収装置まで搬送して脱着液から炭酸リチウムとして取
り出すことができる。
【0077】請求項3に記載の海中リチウム採取装置に
よれば、吸着剤ユニット内のリチウム吸着剤が係留浮体
構造体と共に海中に設置されるため、リチウム吸着剤を
新鮮な海水と常に接触させることでリチウムを効率よく
吸着することができる。そして、リチウム吸着前のリチ
ウム吸着剤及びリチウム吸着後のリチウム吸着剤は、海
水と共にスラリー状となって、吸着剤スラリー搬送手段
により吸着剤収納部から吸着剤ユニットまで供給され、
かつ、吸着剤ユニットから吸着剤収納部に回収されるの
で、操作性の面でも優れている。また、この海中リチウ
ム採取装置においても、リチウムを吸着したリチウム吸
着剤から脱着液にリチウムを溶融させることができるの
で、リチウムの溶融した脱着液を船倉内から回収し、リ
チウム回収装置まで搬送して脱着液から炭酸リチウムと
して取り出すことができる。この場合、係留浮体構造体
に喫水可変手段を設けておくことにより、台風等で波が
高い場合に喫水を変更して海中に沈め、海中リチウム採
取装置を保護することができる。
【0078】請求項5に記載の海中リチウム採取装置に
よれば、ネット内のリチウム吸着剤が沖合係留浮沈式の
浮体構造体と共に沖合の海中に設置されるので、リチウ
ム吸着剤を沖合の新鮮な海水と常に接触させて、リチウ
ムを効率よく吸着することができる。そして、リチウム
吸着前のリチウム吸着剤及びリチウム吸着後のリチウム
吸着剤は、海水と共にスラリー状となって、吸着剤スラ
リー搬送手段により吸着剤収納部から吸着剤ユニットま
で供給され、かつ、吸着剤ユニットから吸着剤収納部に
回収されるので、操作性の面でも優れている。また、こ
の海中リチウム採取装置においても、リチウムを吸着し
たリチウム吸着剤から脱着液にリチウムを溶融させるこ
とができるので、リチウムの溶融した脱着液を船倉内か
ら回収し、リチウム回収装置まで搬送して脱着液から炭
酸リチウムとして取り出すことができる。この場合、リ
チウム吸着剤として、直径数センチメートル程度のポー
ラス球状のものを使用することで、比較的目の粗いネッ
トを使用でき、同ネット内において波浪等の自然エネル
ギーにより撹拌させることが可能となるので、常に新鮮
な沖合の海水と接して効率よくリチウムを回収すること
ができる。
【0079】請求項7に記載の海中リチウム採取装置に
よれば、ベルト状のリチウム吸着剤を浮体に展張すると
いう簡単な構成に加え、ベルト状のリチウム吸着剤自体
を着脱して回収するように構成されている。従って、海
中リチウム採取装置より回収したリチウム吸着剤は、リ
チウム回収装置まで搬送されて脱着工程に送られて処理
されるので、海中リチウム採取装置自体には脱着工程に
必要な装置を搭載しなくてすみ、極めて簡単な装置構成
となる利点がある。この場合、係留浮体構造体に喫水可
変手段を設けておくことにより、台風等で波が高い場合
に喫水を変更して海中に沈め、海中リチウム採取装置を
保護することができる。
【0080】請求項11に記載の海中リチウム採取装置
は、簡単な装置構成で帯状のリチウム吸着剤に海中のリ
チウムを吸着させることができ、リチウムを吸着したリ
チウム吸着剤を回収してリチウム回収装置まで搬送さ
れ、脱着工程に送られて処理される。従って、海中リチ
ウム採取装置自体に特別な動力装置を必要とせず、極め
て簡易な装置により海中からリチウムを採取することが
可能となる。
【0081】請求項12に記載の海中リチウム採取装置
は、船舶の冷却海水系を有効に利用し、リチウム吸着効
率のよい温海水から海中のリチウムを効率よく吸着する
ことができる。リチウム吸着剤を収納する吸着剤ユニッ
トは、リチウム吸着後に容易に着脱交換できるので、所
定期間の航海を終えた船舶から取り外して脱着工程に送
られて処理される。従って、海中リチウム採取装置自体
の装置構成も簡易なものとなり、排熱利用に加え特別な
動力源も必要としないため、相対的には安価なリチウム
採取が可能となる。
【0082】請求項13に記載の海中リチウム採取装置
は、リチウム吸着時は係留された浮体構造物においてリ
チウム吸着剤を海中に保持し、吸着完了後のリチウム吸
着剤は吸着剤回収手段によって回収され、リチウム回収
装置まで搬送される。また、リチウム吸着剤を脱着工程
に送って処理するので、全体的に簡易な装置構成とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る海中リチウム採取装置の第1の
実施形態を示す平面図である。
【図2】 図1のA−A断面図である。
【図3】 図1の海中リチウム採取装置の係留状態を示
す図である。
【図4】 本発明に係る海中リチウム採取装置の第2の
実施形態を示す図で、(a)は断面図、(b)は係留状
態を示す図である。
【図5】 本発明による海中リチウム採取装置の第3の
実施形態を示す斜視図である。
【図6】 図5における中空体内部及び要部の構成例を
示す系統図である。
【図7】 図5における吸着剤ユニットの構成例を示す
図で、(a)は正面図、(b)は側面図である。
【図8】 バラストポンプを用いた喫水可変手段の第1
の構成例を示す図である。
【図9】 圧縮機を用いた喫水可変手段の第2の構成例
を示す図である。
【図10】 図5に示す第3の実施形態の変形例とし
て、海中リチウム採取装置を示す斜視図である。
【図11】 本発明による海中リチウム採取装置の第4
の実施形態を示す斜視図である。
【図12】 図11に示す第4の実施形態の変形例とし
て、海中リチウム採取装置を示す斜視図である。
【図13】 本発明による海中リチウム採取装置の第5
の実施形態を示す図で、(a)は正面図、(b)は平面
図である。
【図14】 本発明による海中リチウム採取装置の第6
の実施形態を示す図で、(a)は船舶冷却海水系に吸着
剤ユニットを設置した構成例を示す図、(b)は吸着剤
ユニットの構成例を示す部分断面図である。
【図15】 本発明による海中リチウム採取装置の第7
の実施形態を示す図で、(a)は海流の通過する浮体構
造物中にリチウム吸着剤を設置した例、(b)は浮体構
造物にリチウム吸着剤を吊り下げた例である。
【図16】 海水からリチウムを採取するプロセスを示
すフローチャートである。
【符号の説明】
1 海中リチウム採取装置 2 船体 3 船倉部 4 海水導入路 5 船底弁 6 バラストタンク(喫水可変手段) 7 ネット 8 リチウム吸着剤 9 海水循環手段 14 排水手段 18 脱着液注入・回収手段 20 脱着液循環手段 30 海中リチウム採取装置 31 係留手段 32 船体 33 船倉部 34 吸入口 35 排水口 36 ネット 38 リチウム吸着剤 50,50A 海中リチウム採取装置 51,51A 中空体 52,52A 管路 53,53A 係留浮体構造体 54 吸着剤ユニット 56 リチウム吸着剤 57 ネット部 59 吸着剤収納部 60 海水ポンプ 63 吸着剤移送ポンプ 65 リチウム脱着槽 66 脱着液回収ポンプ 83 リチウム吸着部 83a ネット 90,90A 海中リチウム採取装置 91,91A 浮体 92,92A リチウム吸着剤 93,93A 支持部材 100 海中リチウム採取装置 101 ブイ 102 索部材 103 リチウム吸着剤 110 海中リチウム採取装置 115 リチウム吸着剤 116 吸着剤ユニット 130 海中リチウム採取装置 131 リチウム吸着剤 132 係留手段 133,133A 浮体構造物 134 リチウム回収船
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B63B 35/44 B63B 35/44 N C01D 15/08 C01D 15/08 C02F 1/28 C02F 1/28 E C22B 3/24 C22B 7/00 G 7/00 3/00 K (72)発明者 大江 清登 東京都千代田区丸の内二丁目5番1号 三 菱重工業株式会社内 (72)発明者 田中 豊 東京都千代田区丸の内二丁目5番1号 三 菱重工業株式会社内 Fターム(参考) 4D024 AA05 AB15 BA14 BB01 CA02 DA07 DB20 4K001 AA34 BA24 DB34 DB35 DB37

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 喫水可変手段を備えた船体と、 該船体の船倉部の底面と海中とを連通させて船底弁を設
    けた海水導入路と、 前記船倉部の海水入口側及び海水出口側に張設されたネ
    ットと、 前記船倉部内の前記ネット間に収納され前記ネットの網
    目より大きな粒状のリチウム吸着剤と、 前記船体外から導入した海水を前記船倉部内に圧送し、
    前記海水導入路から導入した海水と共に前記リチウム吸
    着剤を通過させてから前記船倉部外へオーバーフローさ
    せて排水する海水循環手段と、 前記船倉部内の残留海水を排出する排水手段と、 前記船倉部内に脱着液を注入すると共に、リチウムが溶
    融された脱着液を前記船倉部内から回収する脱着液注入
    ・回収手段と、 前記脱着液を前記船倉部内で循環させ前記リチウム吸着
    剤からリチウムを脱着させる脱着液循環手段と、を具備
    して構成したことを特徴とする海中リチウム採取装置。
  2. 【請求項2】 係留手段を備えた船体と、 船首側の吸水口から海流により流入した海水を船尾側に
    設けた排水口から流出させる前記船体の船倉部と、 該船倉部の内部に前記海水が通過するようネット内に収
    納して設置された粒状のリチウム吸着剤と、 前記船倉部から残留海水を排出する排水手段と、 前記船倉内に脱着液を注入すると共に、リチウムが溶融
    された脱着液を前記船倉内から回収する脱着液注入・回
    収手段と、 前記脱着液を前記船倉内で循環させ前記リチウム吸着剤
    からリチウムを脱着させる脱着液循環手段と、を具備し
    て構成したことを特徴とする海中リチウム採取装置。
  3. 【請求項3】 複数の中空体を管路で連結してなる係
    留浮体構造体と、 前記管路に連結される網状袋体の入口及び出口にそれぞ
    れ開閉弁を備えた吸着剤ユニットと、 前記中空体の内部に設けられ、粒状のリチウム吸着剤を
    海水から分離させるネット部を底面に備えると共に出口
    に開閉弁を備えた吸着剤収納部と、 海水吸入口から海水を吸入して前記吸着剤収納部へ供給
    する海水導入手段と、 吸着剤スラリーを搬送し、前記吸着剤収納部から前記吸
    着剤ユニットへ供給、あるいは、前記吸着剤ユニットか
    ら前記吸着剤収納部へ回収する吸着剤スラリー搬送手段
    と、 前記吸着剤収納部を包含し下部に開閉弁を備えたリチウ
    ム脱着槽と、 前記吸着剤収納部に脱着液を供給する脱着液供給手段
    と、 前記吸着剤収納部で分離した海水及びリチウムが溶融し
    た脱着液を前記リチウム脱着槽から吸引して送出する脱
    着液回収手段と、を具備して構成したことを特徴とする
    海中リチウム採取装置。
  4. 【請求項4】 前記係留浮体構造体が喫水可変手段を
    備えていることを特徴とする請求項3記載の海中リチウ
    ム採取装置。
  5. 【請求項5】 複数の中空体を管路で連結してなる沖
    合係留浮沈式の浮体構造体と、 前記管路に連結され入口及び出口にそれぞれ開閉弁を備
    えて海中に設置されたネット内に粒状の吸着剤を収納し
    てなるリチウム吸着部と、 前記中空体の内部に設けられ、前記リチウム吸着剤を海
    水から分離させるネット部を底面に備えると共に出口に
    開閉弁を備えた吸着剤収納部と、 海水吸入口から海水を吸入して前記吸着剤収納部へ供給
    する海水導入手段と、 吸着剤スラリーを搬送し、前記吸着剤収納部から前記リ
    チウム吸着部へ供給、あるいは、前記リチウム吸着部か
    ら前記吸着剤収納部へ回収する吸着剤スラリー搬送手段
    と、 前記吸着剤収納部を包含し下部に開閉弁を備えたリチウ
    ム脱着槽と、 前記吸着剤収納部に脱着液を供給する脱着液供給手段
    と、 前記吸着剤収納部で分離した海水及びリチウムが溶融し
    た脱着液を前記リチウム脱着槽から吸引して送出する脱
    着液回収手段と、を具備して構成したことを特徴とする
    海中リチウム採取装置。
  6. 【請求項6】 前記粒状の吸着剤をポーラス球状とし
    たことを特徴とする請求項5記載の海中リチウム採取装
    置。
  7. 【請求項7】 沖合係留筏方式の浮体と、該浮体に展
    張したベルト状のリチウム吸着剤と、を具備して構成し
    たことを特徴とする海中リチウム採取装置。
  8. 【請求項8】 前記ベルト状のリチウム吸着剤が、支
    持部材を介して上下方向に往復し、前記浮体の幅方向ま
    たは長手方向へ連続して展張されたことを特徴とする請
    求項7記載の海中リチウム採取装置。
  9. 【請求項9】 前記ベルト状のリチウム吸着剤が、帯
    状の両端を支持して深さ方向に展張されると共に、前記
    浮体の幅方向及び長手方向に多数配列されたことを特徴
    とする請求項7記載の海中リチウム採取装置。
  10. 【請求項10】 前記浮体が喫水可変手段を備えてい
    ることを特徴とする請求項7から9のいずれかに記載の
    海中リチウム採取装置。
  11. 【請求項11】 係留された一対のブイ間を連結する
    索部材に、深さ方向に展張した帯状のリチウム吸着剤を
    多数並べて支持させたことを特徴とする海中リチウム採
    取装置。
  12. 【請求項12】 海水を取水し駆動源を冷却した温水
    を排出する船舶冷却海水系に、前記温水が流れる温水流
    路を並列にして流路選択手段を設け、前記温水流路の一
    方にリチウム吸着剤を収納した吸着剤ユニットを着脱可
    能に設置したことを特徴とする海中リチウム採取装置。
  13. 【請求項13】 リチウム吸着剤を海中に保持すると
    共に係留手段を備えた浮体構造物と、該浮体構造物に前
    記リチウム吸着剤の搬送および回収を行う吸着剤回収手
    段とを具備して構成したことを特徴とする海中リチウム
    採取装置。
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