JP2002088355A - アルミン酸塩蛍光体の製造方法 - Google Patents
アルミン酸塩蛍光体の製造方法Info
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Abstract
び希ガスランプなどの真空紫外線励起発光素子に好適な
粒径を有し、発光輝度が高いアルミン酸塩蛍光体を製造
する方法および該方法による蛍光体を提供する。 【解決手段】平均一次粒子径が0.05μm以上0.3
μm未満のα−アルミナ粉末を原料として用いるアルミ
ン酸塩蛍光体(蓄光材用アルミン酸塩蛍光体を除く)の
製造方法。組成式x1M1O・y1MgO・z1Al2O3:
Eu,Mn(M1がBa、SrおよびCaの一種以上)
または、組成式x2CeO1.5・y2M2O・z2Al
2O3:Tb,Mn(M2がMgおよび/またはMn)で
示される上記のアルミン酸塩蛍光体の製造方法。上記の
製造方法による一次粒子径が0.05μm以上0.3μ
m以下の粒子が80質量%以上含まれるアルミン酸塩蛍
光体。
Description
レイパネル(以下「PDP」という)などの発光タイプ
の各種ディスプレイおよび希ガスランプなどの真空紫外
線励起発光素子に好適に用いられるアルミン酸塩蛍光体
の製造方法に関する。
紫外線によって蛍光体を励起して発光させる機構を有す
る真空紫外線励起発光素子の開発が盛んに行われてい
る。その代表例がPDPの開発である。PDPは、陰極
線管(CRT)やカラー液晶ディスプレイでは実現困難
な画面の大型化が可能なフラットパネルディスプレイで
あり、公共スペースにおける表示用や大画面のテレビ用
として期待されている。PDPは多数の微小放電空間
(以下「表示セル」と略すことがある)をマトリックス
状に配置して構成された表示素子である。各表示セル内
には放電電極が設けられ、各表示セルの内壁には蛍光体
が塗布されている。各表示セル内の空間にはHe−X
e、Ne−Xe、Ar等の希ガスが封入されており、放
電電極に電圧を印加することにより希ガス中で放電が起
こり、真空紫外線が放射される。この真空紫外線により
蛍光体が励起され、可視光を発する。発光する表示セル
の位置を指定することにより画像が表示される。光の三
原色である青、緑、赤にそれぞれ発光する蛍光体を使用
することにより、フルカラーの表示を行うことができ
る。
て希ガスランプがある。希ガスランプは、希ガス中の放
電により真空紫外線を発生し、蛍光体により真空紫外線
を可視光に変換する機構により発光するランプである。
希ガスランプは水銀を使用しないので、環境問題の観点
から注目されている。
線等によって励起されるアルミン酸塩蛍光体は既に提案
されている。青色発光蛍光体としては、組成式x1M1O
・y 1MgO・z1Al2O3で示される複合酸化物を基体
とし、付活剤としてEuを含有する化合物が提案されて
おり、代表的なものとして、M1がBaである化合物
(BaMgAl10O17:Eu、BaMgAl14O23:E
u等)を挙げることができる。緑色発光蛍光体として
は、組成式x1M1O・y1MgO・z1Al2O3で示され
る複合酸化物を基体とし、付活剤としてMnを含有する
化合物が提案されており、代表的なものとして、M1が
Baである化合物(BaAl12O19:Mn、BaMgA
l14O23:Mn等)を挙げることができる。
るアルミン酸塩蛍光体を構成する金属元素を含む化合物
を、目的のアルミン酸塩蛍光体が生成するよう所定の割
合で混合し、還元性を有する雰囲気中で焼成することに
より得ることができる。例えば、組成式Ba0.9Eu0.1
MgAl10O17で表されるアルミン酸塩蛍光体は、バリ
ウム化合物、ユーロピウム化合物、マグネシウム化合
物、アルミニウム化合物をBa:Eu:Mg:Al=
0.9:0.1:1:10となるような割合で混合し、
生成した混合物を水素を含む雰囲気すなわち還元性を有
する雰囲気中で焼成することにより製造することができ
る。
ルを作製する際、高い発光輝度が要求される。従来のP
DP等の表示セルに用いられる蛍光体は、一次粒子径が
2〜5μm程度であり、表示セルの背面板側すなわち表
示セルの側面および低面に塗布されている。最近になっ
て、PDPの発光輝度をさらに高くするために、蛍光体
粒子をPDP内の表示セルの側面および底面だけでな
く、前面板側すなわち表示セルの上面にも塗布すること
が求められてきており、これらの要求を満たすのに好適
な粒径を持ち、高い発光輝度を有する蛍光体粒子が求め
られている。
P等の発光タイプの各種ディスプレイおよび希ガスラン
プなどの真空紫外線励起発光素子に好適な粒径を有し、
発光輝度が高いアルミン酸塩蛍光体およびその製造方法
を提供することにある。
況下、鋭意研究を重ねた結果、一定の範囲の平均一次粒
径を有するα−アルミナを原料として用いて製造したア
ルミン酸塩蛍光体は、発光輝度が高いので、PDP等の
発光タイプの各種ディスプレイおよび希ガスランプなど
の真空紫外線励起発光素子に用いられる蛍光体として好
適であり、また平均一次粒子径が小さく、かつ粗粒の少
ないアルミン酸塩蛍光体は発光輝度が高く、さらに特に
PDPの前面板に蛍光体層を付着させる場合等の、付着
性が良好で可視光を透過することが要求される用途に、
極めて好適であることを見出し、本発明を完成するに至
った。
05μm以上0.3μm未満のα−アルミナ粉末を原料
として用いるアルミン酸塩蛍光体(蓄光材用アルミン酸
塩蛍光体を除く)の製造方法を提供する。また本発明
は、アルミン酸塩蛍光体が、組成式x1M1O・y1Mg
O・z1Al2O3(M1がBa、SrおよびCaからなる
群から選ばれる少なくとも一種の金属元素であり、0.
5≦x1≦4.5、0≦y1≦4、0.5≦z1≦20)
で示される複合酸化物を基体とし、Euおよび/または
Mnを付活剤として含有する上記のアルミン酸塩蛍光体
の製造方法を提供する。また本発明は、アルミン酸塩蛍
光体が、組成式x2CeO1.5・y2M2O・z2Al2O3
(M2がMgおよび/またはMnであり、0.9≦x2≦
1.1、0.9≦y2≦1.1、z2が5.5)で示され
る複合酸化物を基体としてTbおよび/またはMnを付
活剤として含有する上記のアルミン酸塩蛍光体の製造方
法を提供する。また本発明は、一次粒子径が0.05μ
m以上0.3μm以下の粒子が80質量%以上含まれる
アルミン酸塩蛍光体を提供する。また本発明は、上記蛍
光体を使用する真空紫外線励起発光素子を提供する。さ
らに本発明は、一次粒子径が0.05μm以上0.3μ
m以下の粒子が80質量%以上含まれ、可視光を透過す
るアルミン酸塩蛍光体を提供する。なお、平均一次粒子
径とは走査型電子顕微鏡により撮影された写真から求め
た粒子径の数平均値である。
する。本発明のアルミン酸塩蛍光体は蓄光材用を除いた
アルミン酸塩蛍光体である。本発明のアルミン酸塩蛍光
体の製造方法において、原料のα−アルミナ粉末の平均
一次粒子径の範囲は、0.05μm以上0.3μm未満
であり、好ましくは0.07μm以上0.28μmであ
り、さらに好ましくは0.1μm以上0.25μm以下
である。原料のα−アルミナ粉末の平均一次粒子径が
0.05μm未満であるとアルミン酸塩蛍光体の合成が
困難であり、0.3μm以上であると、光の透過率が低
下するので、特にPDPの前面板に蛍光体層を付着させ
る場合等の用途に適当でなくなる。
めには、用いる原料のα−アルミナ粉末のアルミナ純度
は99.9質量%以上が好ましい。
て、組成式x1M1O・y1MgO・z1Al2O3(M1は
Ba、SrおよびCaからなる群から選ばれる少なくと
も一種の金属元素)により示される複合酸化物を基体と
し、Euおよび/またはMnを付活剤として含有する蛍
光体を挙げることができ、この場合0.5≦x1≦4.
5、0≦y1≦4、0.5≦z1≦20であることが好ま
しい。
て、組成式x11(Ba,Sr)O・y 11MgO・z11A
l2O3で示される複合酸化物を基体としてEuおよび/
またはMnを付活剤として含有する蛍光体を挙げること
ができ、この場合0.9≦x11≦1.7、1.5≦y11
≦2.1、z11が8であることが好ましい。この場合E
uの含有量は0.01x11以上0.2x11以下、Mnの
含有量は0.15Y11以下の範囲であることが好まし
い。
て、組成式x12(Ba,Ca)O・z 12Al2O3で示さ
れる複合酸化物を基体とし、Euおよび/またはMnを
付活剤として含有する蛍光体を挙げることができ、この
場合1.0≦x12≦1.5、z 12が6であることが好ま
しい。この場合Euの含有量は0.01x12以上0.1
5x12以下、Mnの含有量は0.20x12以下の範囲で
あることが好ましい。
は、組成式x13SrO・z13Al2O3で示される複合酸
化物を基体とし、Euおよび/またはMnを付活剤とし
て含有する蛍光体を挙げることができ、この場合x13が
3.9≦x13≦4.1、z 13が7であることが好まし
い。この場合Euの含有量は0.02x13以上0.06
x13以下、Mnの含有量は0.1x13以下の範囲である
ことが好ましい。
て、組成式x2CeO1.5・y2M2O・z2Al2O3(M2
はMgおよび/またはMn)で示される複合酸化物を基
体とし、Tbおよび/またはMnを付活剤として含有す
る化合物を挙げることができ、この場合0.9≦x2≦
1.1、0.9≦y2≦1.1、z2が5.5であること
が好ましい。この場合Tbの含有量は0.3x2以上
0.5x2以下、Mnの含有量は0.15y2以下の範囲
であることが好ましい。
a、Mg、Ceの化合物粉末としては、水酸化物、炭酸
塩、硝酸塩、ハロゲン化物、シュウ酸塩など高温で分解
し酸化物になりうる化合物かあるいは酸化物が使用でき
る。
ては、水酸化物、炭酸塩、硝酸塩、ハロゲン化物、シュ
ウ酸塩など高温で分解し酸化物になりうる化合物かある
いは酸化物が使用できる。
ては、通常工業的に使用されている、例えば、ボールミ
ル、V型混合機、または攪拌装置等の方法を用いること
ができる。
900℃から1600℃の温度範囲にて0.5〜50時
間焼成することによりアルミン酸塩蛍光体を得ることが
できる。原料として水酸化物、炭酸塩、硝酸塩、ハロゲ
ン化物、シュウ酸塩など高温で分解し酸化物になりうる
ものを使用した場合、本焼成の前に、600℃から80
0℃の温度範囲にて仮焼することも可能である。。焼成
においては例えば、原料をアルミナボートに充填し、所
定のガス雰囲気中で所定の温度で焼成することができ
る。また必要に応じて、原料に酸化ホウ素、フッ化アル
ミニウム等の反応促進剤(フラックス)を混合すること
により、さらに結晶性が良好で輝度が高い本発明の蛍光
体が得られることがある。
やジェットミル等を使用して粉砕したり、水等で洗浄す
ることができ、また必要に応じ分級することもできる。
得られる蛍光体の結晶性を高めるために、必要に応じて
再焼成を行うこともできる。
O17:Eu、BaMgAl14O23:Eu等)用に混合調
製した原料を焼成するときは、還元性雰囲気中で、10
00℃〜1700℃の温度範囲、0.5〜50時間の範
囲で1回以上焼成するのが好ましい。還元性雰囲気を得
る方法として、原料が充填されたボート内に黒鉛を入れ
る方法、窒素と水素あるいは希ガスと水素の混合雰囲気
中で焼成する方法等が挙げられる。また、これらの雰囲
気に水蒸気が含まれていても良い。
Mn、BaMgAl14O23:Mn等)用に混合調製した
原料を焼成するときは、大気雰囲気もしくは酸素雰囲気
中で、1000〜1700℃の温度範囲、0.5〜40
時間の範囲で1回以上焼成する条件が好ましい。
径が0.05μm以上0.3μm以下の範囲の粒子を8
0質量%以上含み、好ましくは一次粒子径が0.07μ
m以上で0.28μm以下の粒子を80質量%以上含
み、通常の方法により得られたアルミン酸塩蛍光体の一
次粒子径よりも小さく、粗粒が少ない。このように、蛍
光体の一次粒子径を小さくかつ粗粒を少なくすることに
より、発光輝度が高くなる。さらに例えば、PDPの表
示セル等の微小放電空間内に効率良く蛍光体を塗布する
ことが可能となり、発光輝度の高いPDPなどの発光タ
イプの各種ディスプレイを作製することが可能となる。
合、粒子に可視光を透過することが要求される用途に極
めて適している。本発明のアルミン酸塩蛍光体は好まし
くは一次粒子径が0.05μm以上で0.3μm未満の
粒子が80質量%以上含まれるので、大部分の粒子が可
視光の波長より小さいためと思われるが、可視光を透過
することができるため、可視光を透過する用途に極めて
適している。
体は、一次粒子径が小さくかつ粗粒が少ないために、特
に真空紫外線励起下で発光特性に優れ、PDPなどの各
種ディスプレイに用いることができる真空紫外線励起発
光素子用蛍光体として極めて有用である。また本発明に
おけるアルミン酸塩蛍光体は、真空紫外線励起下のみな
らず、紫外線、陰極線あるいはX線励起下においても優
れた発光特性を示す。すなわち、本発明は真空紫外線、
紫外線、陰極線あるいはX線などの幅広いエネルギーに
よって励起可能で、優れた発光特性を示すアルミン酸塩
蛍光体の製造方法を提供するものである。
粒子同士の凝集が弱く、粉砕等の後の工程の簡略化も可
能となる。
明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。本実施例では、特開平7−206430号公報
に開示された方法により製造され、実質的に破砕面を有
さない粒子からなり、純度は99.99質量%であり、
平均一次粒子径が0.2μmのα−アルミナ粉末を原料
として用いた。本実施例では、α−アルミナ粉末および
蛍光体粉末の平均一次粒子径の測定は、走査型電子顕微
鏡(日本電子株式会社製JSM−T220型)を用いて
得られた粉末の写真を画像解析することにより行った。
と炭酸バリウム2.52g、酸化ユーロピウム0.25
g、塩基性炭酸マグネシウム1.38gをボールミルに
より混合し、得られた混合物をアルミナボートに仕込
み、水素2体積%−アルゴン98体積%よりなる弱還元
雰囲気中において1450℃で2時間焼成し、粉末を得
た。得られた粉末の走査型電子顕微鏡写真を用いて一次
粒子径を測定した結果、得られた粉末のすべての粒子の
一次粒子径は0.3μm以下であった。得られた粉末の
平均一次粒子径は0.2μmであった。X線回折の測定
(微小X線回折装置:株式会社リガク製Ru−200に
よる相同定評価)により、得られた粉末はBaMgAl
10O17:Eu単一相の青色発光のアルミン酸塩蛍光体の
粉末であることがわかった。
10-2Torr)以下の気圧の真空槽内でエキシマ14
6nmランプ(ウシオ電機製)を用いて紫外線を照射
し、色彩輝度計(TOPCON製BM−7型)を使用し
て輝度を測定したところ、青色の強い発光を示し、発光
輝度は28.1cd/m2であった。また、この蛍光体
を254nmまたは365nmの紫外線により励起した
場合も、両方の場合とも高輝度の青色発光を示した。
外は全て実施例1と同様にして、蛍光体粉末を得て、
6.7Pa(5×10-2Torr)以下の真空槽内でエ
キシマ146nmランプ(ウシオ電機社製)を用いて紫
外線を照射したところ、発光輝度は25.1cd/m2
であった。
つ一次粒子同士の凝集が極めて弱く発光輝度の高いアル
ミン酸塩蛍光体を製造することができる。このアルミン
酸塩蛍光体はPDPなどの各種ディスプレイおよび希ガ
スランプなどの真空紫外線励起発光素子に用いられる蛍
光体として工業上極めて有用なものである。
Claims (8)
- 【請求項1】平均一次粒子径が0.05μm以上0.3
μm未満のα−アルミナ粉末を原料として用いることを
特徴とするアルミン酸塩蛍光体(蓄光材用アルミン酸塩
蛍光体を除く)の製造方法。 - 【請求項2】α−アルミナ粉末が実質的に破砕面を有し
ないα−アルミナ粒子からなる請求項1記載のアルミン
酸塩蛍光体の製造方法。 - 【請求項3】α−アルミナ粉末の純度が99.9質量%
以上である請求項1または2記載のアルミン酸塩蛍光体
の製造方法。 - 【請求項4】アルミン酸塩蛍光体が、組成式x1M1O・
y1MgO・z1Al2O3(M1はBa、SrおよびCa
からなる群から選ばれる少なくとも一種の金属元素であ
り、0.5≦x1≦4.5、0≦y1≦4、0.5≦z1
≦20)で示される複合酸化物を基体とし、Euおよび
/またはMnを付活剤として含有する請求項1〜3のい
ずれかに記載のアルミン酸塩蛍光体の製造方法。 - 【請求項5】アルミン酸塩蛍光体が、組成式x2CeO
1.5・y2M2O・z2Al2O3(M2はMgおよび/また
はMnであり、0.9≦x2≦1.1、0.9≦y2≦
1.1、z2=5.5)で示される複合酸化物を基体と
し、Tbおよび/またはMnを付活剤として含有する請
求項1〜3のいずれかに記載のアルミン酸塩蛍光体の製
造方法。 - 【請求項6】一次粒子径が0.05μm以上0.3μm
以下の粒子が80質量%以上含まれることを特徴とする
アルミン酸塩蛍光体。 - 【請求項7】請求項6に記載のアルミン酸塩蛍光体を含
有する真空紫外線励起発光素子。 - 【請求項8】一次粒子径が0.05μm以上0.3μm
以下の粒子が80質量%以上含まれ、可視光を透過する
アルミン酸塩蛍光体。
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