JP2002088027A - O−アシル化カリックスアレーン類及びその関連技術 - Google Patents

O−アシル化カリックスアレーン類及びその関連技術

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JP2002088027A
JP2002088027A JP2000272552A JP2000272552A JP2002088027A JP 2002088027 A JP2002088027 A JP 2002088027A JP 2000272552 A JP2000272552 A JP 2000272552A JP 2000272552 A JP2000272552 A JP 2000272552A JP 2002088027 A JP2002088027 A JP 2002088027A
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thermosetting resin
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Shunichiro Yamanaka
俊一郎 山中
Kazuaki Sugata
一明 須方
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Orient Chemical Industries Ltd
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Orient Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱硬化性樹脂組成物に含有させることによ
り、硬化前の組成物の保存安定性が良好であると共に高
い硬化率で硬化可能なものとすることができる。 【解決手段】 カリックスアレーン又はその誘導体を構
成する複数のフェノール単位が2種以上のフェノール単
位からなリ、それらのフェノール単位のうち一部又は全
部のフェノール単位におけるフェノール性水酸基がアシ
ル化されたものであるO−アシル化カリックスアレーン
又はその誘導体、この化合物を有効成分とする熱硬化性
樹脂(好ましくは、エポキシ基を有する熱硬化性樹脂)
用硬化剤、及び前記化合物を含有する熱硬化性組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、O−アシル化カリ
ックスアレーン又はその誘導体、この化合物を有効成分
とする熱硬化性樹脂(好ましくはエポキシ基を有する熱
硬化性樹脂)用硬化剤、及び前記化合物を含有する熱硬
化性組成物に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】カリッ
クスアレーン類は、フェノール性水酸基を有するベンゼ
ン環がオルト位でメチレン鎖により結ばれた環状オリゴ
マーであり、フェノール及びその誘導体とホルムアルデ
ヒドの縮合により様々なカリックスアレーン類が得られ
る。このようなカリックスアレーン及びその誘導体は、
硬化性樹脂組成物、光記録材料、配線材料、製膜材料等
の種々の機能材料としての用途に関し、近年盛んに研究
が行われている。
【0003】このようなカリックスアレーン類の用途の
1つとして、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂用の硬化剤
が挙げられる。従来、この種の硬化剤としては、フェノ
ールノボラック等のフェノール性水酸基を有する化合物
が一般に用いられているが、硬化合成樹脂の耐熱安定性
が低いという問題点があったため、カリックスアレーン
類を硬化剤として用いることが検討された。
【0004】カリックスアレーンを熱硬化性樹脂用の硬
化剤として用いた例として、全ての水酸基がフリーのカ
リックスアレーン誘導体を用いた報告がある(日本化学
会第76春期年会、講演予稿集II,1PB107,p.
1351,1999「カリックスアレーン類を硬化剤に
用いたエポキシ樹脂の硬化反応と硬化物の物性」)。し
かしながらこのカリックスアレーン誘導体を用いた熱硬
化性樹脂組成物は、Tgは高いものの、耐水性(電気絶
縁性に影響を及ぼす)が十分でなく、またエポキシ樹脂
等の熱硬化性樹脂に対する前記カリックスアレーン誘導
体の溶解性が低いため均一な硬化性樹脂組成物を得る上
で大量の希釈溶媒を必要とするという課題を有してい
る。
【0005】また特開平9−263560号公報及び日
本化学会第76春期年会講演予稿集II(1PB107,
p.1351,1999「カリックスアレーン類を硬化
剤に用いたエポキシ樹脂の硬化反応と硬化物の物性」)
には、カリックスアレーンを構成するフェノール単位の
種類が1種類のみであるものをO−アルケニル化又はO
−アルキニル化したカリックスアレーン化合物を、熱硬
化性樹脂用の硬化剤として用いるものが開示されてい
る。このカリックスアレーン化合物によれば、前記のよ
うな課題を解決し得るものの、硬化前の樹脂組成物の保
存安定性、及び硬化率が低い点等に更に改善すべき点が
認められた。
【0006】本発明は、従来技術に存した上記のような
課題に鑑み行われたものであって、その目的とするとこ
ろは、熱硬化性樹脂組成物に含有させることにより、硬
化前の組成物の保存安定性が良好であると共に高い硬化
率で硬化可能なものとすることができる新規なO−アシ
ル化カリックスアレーン又はその誘導体、その化合物を
有効成分とする熱硬化性樹脂(好ましくはエポキシ基を
有する熱硬化性樹脂)用硬化剤、並びに前記化合物を含
有する熱硬化性組成物を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明のO−アシル化カリックスアレーン又はその誘導体
は、カリックスアレーン又はその誘導体を構成する複数
のフェノール単位が2種以上のフェノール単位からな
リ、それらのフェノール単位のうち一部又は全部のフェ
ノール単位におけるフェノール性水酸基がアシル化され
たものであることを特徴とするものである。
【0008】2種以上のフェノール単位というのは、置
換基(そのフェノール単位におけるフェノール性水酸基
の水素についての置換基又は隣接するフェノール単位と
結合するためのメチレン鎖以外の置換基)の有無によ
リ、或いは有する置換基および/またはその位置の異同
により別の構造であると分類されるフェノール単位が2
種以上であることを意味する。
【0009】本発明のO−アシル化カリックスアレーン
又はその誘導体は、熱硬化性樹脂(例えば、エポキシ樹
脂等のエポキシ基を有する熱硬化性樹脂)に対する溶解
性が高いため、それを、エポキシ樹脂にそのまま溶解さ
せることにより、又は、できるだけ少量の可溶化溶媒
(希釈溶媒)を使用して熱硬化性樹脂(例えば、エポキ
シ樹脂等のエポキシ基を有する熱硬化性樹脂)に溶解さ
せることにより、均一性の良好な熱硬化性樹脂組成物を
得ることができる。そのため環境への負荷を低減させる
ことができる。その熱硬化性樹脂組成物の硬化前の保存
中に硬化による組成物の変化が生じることは良好に抑え
られる。すなわち保存安定性が良好である。その熱硬化
性樹脂組成物の硬化率は高く、また、硬化した熱硬化性
樹脂から硬化剤としてのO−アシル化カリックスアレー
ン又はその誘導体が経時的に析出することが防がれる。
この熱硬化性樹脂組成物による硬化樹脂は、高い熱安定
性を有すると共に、バルキーな置換基を有するため耐水
性に優れ、より高い電気絶縁性を有する。
【0010】本発明のO−アシル化カリックスアレーン
又はその誘導体は、下記式(1)で表されるカリックス
アレーン又はその誘導体におけるA個の構成単位(a)
及びB個の構成単位(b)中のフェノール単位[すなわ
ち、構成単位(a)及び構成単位(b)におけるフェノ
ール又はその誘導体]のうち一部[すなわち、構成単位
(a)の一部、構成単位(b)の一部、又は両方のそれ
ぞれ一部]又は全部のフェノール単位のフェノール性水
酸基がアシル化されたものを含む。
【0011】
【化3】 ・・・・(1)
【0012】[式(1)は、A個の構成単位(a)及び
B個の構成単位(b)が結合してなり、AとBの組合せ
が1種又は2種以上である1種又は2種以上の環状化合
物を意味し、各環状化合物において、A及びBはそれぞ
れ0以上の整数、AとBの和は3乃至8の何れかであっ
て、構成単位(a)と構成単位(b)の結合順序は任意
である。
【0013】式(1)中、RとRは互いに異なる置
換基を意味し、R及びRは、それぞれ、水素原子、
枝分かれがあってもよいアルキル基、枝分かれがあって
もよいアルケニル基、置換基を有してもよいフェニル
基、置換基を有してもよいアラルキル基、アリサイクリ
ック基、ハロゲン、ニトロ基、アシル基、アルコキシ
基、トリフルオロメチル基、又はトリメチルシリル基を
表す。]
【0014】次に、本発明の熱硬化性樹脂(好ましく
は、エポキシ基を有する熱硬化性樹脂)用硬化剤は、上
記本発明のO−アシル化カリックスアレーン又はその誘
導体を有効成分とするものである。
【0015】また本発明の熱硬化性樹脂組成物は、熱硬
化性樹脂(好ましくは、エポキシ基を有する熱硬化性樹
脂)と、上記本発明のO−アシル化カリックスアレーン
又はその誘導体を有してなるものである。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明のO−アシル化カリックス
アレーン又はその誘導体は、例えば、カリックスアレー
ン又はその誘導体のうち、そのカリックスアレーン又は
その誘導体を構成する複数のフェノール単位が2種以上
のフェノール単位からなるものについて、フェノール性
水酸基の一部又は全部をアシル化することにより得るこ
とができる。
【0017】構成する複数のフェノール単位が2種以上
のフェノール単位からなるカリックスアレーン又はその
誘導体は、例えば、置換基および/またはその位置が異
なる複数種のフェノールを混合したものとアルデヒド類
とを反応させて得ることができる他、カリックスアレー
ン合成後に種々の置換基を導入することによって、又
は、カリックスアレーンの脱置換基反応などによっても
得ることができる。
【0018】また、このように2種以上のフェノール単
位の組み合わせにより構成されるカリックスアレーン又
はその誘導体をO−アシル化する方法としては、例え
ば、次の及びを挙げることができる。
【0019】 トルエン、キシレン等の非極性溶媒
中、ナトリウムハイドライド(固体又はオイル分散状態
の何れであってもよい)、水酸化カリウム(固体又は水
溶液の何れであってもよい)、炭酸カリウム(固体又は
水溶液の何れであってもよい)等のアルカリ及び相間移
動触媒の存在下、アシル化剤(例えばアセチル基を導入
する場合は無水酢酸又はアセチルクロライド)と、2種
以上のフェノール単位の組み合わせにより構成されるカ
リックスアレーンのフェノール性水酸基の水素を置換反
応させる方法。
【0020】 置換反応により遊離する酸の受容体と
なりうるN−メチルピロリドン、ピリジン、トリエチル
アミン、又はジメチルアセトアミド等の溶媒を用いて、
ハロゲン化アシル又は酸無水物と、2種以上のフェノー
ル単位の組み合わせにより構成されるカリックスアレー
ンのフェノール性水酸基との置換反応によりアシル基を
導入する方法。
【0021】及びの何れの場合にも、窒素気流下で
の反応であることが好ましく、反応温度は室温と反応溶
媒還流温度の間の温度とすることができる。また、HP
LC、TLC等により追跡しながら反応を完結させるこ
とが好ましい。
【0022】本発明のO−アシル化カリックスアレーン
又はその誘導体は、2種以上のフェノール単位の組み合
わせにより構成されるカリックスアレーン又はその誘導
体であって、一部又は全部のフェノール単位におけるフ
ェノール性水酸基がO−アシル化されているものであ
る。本発明のO−アシル化カリックスアレーン又はその
誘導体は、フェノール単位の数の異なるもの又は対応す
るフェノール単位における置換基若しくはその位置が異
なるもの等の2種以上のO−アシル化カリックスアレー
ン又はその誘導体の混合物であってもよい。
【0023】2種以上のフェノール単位の組み合わせと
しては、例えば、フェノール性水酸基若しくはアシル化
されたフェノール性水酸基又は隣接するフェノール単位
と結合するためのメチレン鎖以外の位置に置換基を有す
るフェノール単位と置換基を有さないフェノール単位の
組合せからなるカリックスアレーンでもよく、フェノー
ル性水酸基若しくはアシル化されたフェノール性水酸基
又は隣接するフェノール単位と結合するためのメチレン
鎖以外の位置に置換基を有するフェノール単位同士の組
合せであってその置換基および/またはその位置が異な
るものからなるカリックスアレーンでもよい。
【0024】本発明のO−アシル化カリックスアレーン
又はその誘導体は、下記式(1)で表されるカリックス
アレーン又はその誘導体におけるA個の構成単位(a)
及びB個の構成単位(b)中のフェノール単位のうち一
部又は全部のフェノール単位のフェノール性水酸基がア
シル化されたものを含む。
【0025】
【化4】 ・・・・(1)
【0026】[式(1)は、A個の構成単位(a)及び
B個の構成単位(b)が結合してなり、AとBの組合せ
が1種又は2種以上である1種又は2種以上の環状化合
物を意味し、各環状化合物において、A及びBはそれぞ
れ0以上の整数、AとBの和は3乃至8の何れか(従っ
てA及びBの組み合わせとしては、一方が8で他方が
0、一方が7で他方が0又は1、一方が6で他方が0乃
至2、一方が5で他方が0乃至3、一方が4で他方が0
乃至4、一方が3で他方が0乃至3、一方が2で他方が
1又は2の場合を挙げることができる。)であって、構
成単位(a)と構成単位(b)の結合順序は任意であ
る。
【0027】式(1)中、RとRは互いに異なる置
換基を意味し、R及びRは、それぞれ、水素原子
(H)、枝分かれがあってもよい(すなわち、枝分かれ
を有する又は有しない)アルキル基(例えばメチル基、
エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチ
ル基、t−ブチル基等の炭素数1乃至18のもの)、枝
分かれがあってもよいアルケニル基(例えばアリル基、
プロペニル基、ブテニル等の炭素数1乃至8のもの)、
置換基(例えばアルキル基[例えば炭素数1乃至8のも
の]、アルコキシ基[例えば炭素数1乃至4のもの]、
ハロゲン[例えばF、Cl、Br等]、ニトロ基等の核
置換基)を有してもよい(すなわち、未置換の又は置換
された)フェニル基、置換基(例えば前記フェニル基の
場合と同様のもの)を有してもよいアラルキル基(例え
ばベンジル基、クミル基、トルイル基等)、アリサイク
リック基(例えばシクロプロピル基、シクロペンチル
基、シクロヘキシル基等の炭素数3乃至8のシクロアル
キル基)、ハロゲン(例えばF、Cl、Br等)、ニト
ロ基、アシル基(例えばアセチル、プロピオニル、ブチ
リル、バレリル、ベンゾイル、トルオイル等)、アルコ
キシ基(例えばメトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブト
キシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ等の炭素数1乃
至8のもの)、トリフルオロメチル基、又はトリメチル
シリル基を表す。]
【0028】表1に、式(1)で表されるカリックスア
レーン又はその誘導体の例を示す。但し、勿論本発明は
これらに限定されるものではない。
【0029】
【表1】
【0030】表1中のCA1、CA2及びCA4の構造
は次の通りである。
【0031】
【化5】
【0032】
【化6】
【0033】
【化7】
【0034】表1に示したCA1乃至CA4並びにCA
9乃至CA11は、それぞれA+Bが表記載の一定数に
なるものの混合物を意味し、CA5乃至CA8は、Aと
Bの和が3乃至8の何れかになるものの混合物を意味す
る。
【0035】また、上記式(1)のカリックスアレーン
又はその誘導体がO−アシル化されたものに相当する本
発明のO−アシル化カリックスアレーン又はその誘導体
の模式的な例を乃至に示す。但し、勿論本発明はこ
れらに限定されるものではない。
【0036】これらにおいて、PHは、メチレン鎖で環
状に結合したフェノール単位を構成するベンゼン環を示
し、R、R’は、それぞれPHにおける置換基(Rと
R’は別の置換基)を示し、m、n、p、qは、それぞ
れ0以上の整数を示す(但し、m+n+p+q=A+B
であり、mとnが同時に0になることはなく、pとqが
同時に0になることもない。)。
【0037】なお、メチレン鎖は表示を省略する。
【0038】(アシル-O-PH-R)、(アシル-O-PH-R)
(アシル-O-PH-R')、(アシル-O-PH-R') (アシル-O-PH-R)、(アシル-O-PH-R)、(アシル-O-PH
-R')、(H-O-PH-R') (アシル-O-PH-R)、(H-O-PH-R)、(アシル-O-PH-R')
、(H-O-PH-R') (アシル-O-PH-R)、(アシル-O-PH-R)、(H-O-PH-R')
、(H-O-PH-R') (アシル-O-PH-R)、(H-O-PH-R)、(H-O-PH-R')、(H-
O-PH-R') (アシル-O-PH)、(アシル-O-PH)、(アシル-O-PH-R')
、(アシル-O-PH-R') (アシル-O-PH)、(アシル-O-PH)、(アシル-O-PH-R')
、(H-O-PH-R') (アシル-O-PH)、(H-O-PH)、(アシル-O-PH-R')、(H
-O-PH-R')
【0039】本発明のO−アシル化カリックスアレーン
又はその誘導体におけるO−アシル化率は10%乃至1
00%であることが好ましい。O−アシル化カリックス
アレーン又はその誘導体におけるO−アシル化率という
のは、 [置換水酸基数/(置換水酸基数+未置換水酸基数)]
×100(%) を意味する。O−アシル化率は、例えば、未反応OH基
のアセチル化法により定量することにより求めたり、又
はIRやNMR等におけるOH基の減少率等から見積も
ることができる。
【0040】本発明のO−アシル化カリックスアレーン
又はその誘導体におけるアシル基は、下記式(2)で表
されるものであることが望ましい。
【0041】
【化8】 ・・・・(2)
【0042】[式(2)中、Rは、枝分かれがあって
もよいアルキル基(例えばメチル基、エチル基、n−プ
ロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル
基等の炭素数1乃至18のもの)、枝分かれがあっても
よいアルケニル基(例えばアリル基、プロペニル基、ブ
テニル等の炭素数1乃至8のもの)、置換基(例えばア
ルキル基[例えば炭素数1乃至8のもの]、アルコキシ
基[例えば炭素数1乃至4のもの]、ハロゲン[例えば
F、Cl、Br等]、ニトロ基等の核置換基)を有して
もよいフェニル基、又はアリサイクリック基(例えばシ
クロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基
等の炭素数3乃至8のシクロアルキル基)を表す。]
【0043】次に、式(2)で表されるアシル基の具体
例を示す。但し、勿論本発明はこれらに限定されるもの
ではない。
【0044】
【化9】
【0045】
【化10】
【0046】
【化11】
【0047】
【化12】
【0048】
【化13】
【0049】
【化14】
【0050】
【化15】
【0051】
【化16】
【0052】
【化17】
【0053】上記式(1)で表されるカリックスアレー
ン又はその誘導体におけるA個の構成単位(a)及びB
個の構成単位(b)中のフェノール単位のうち一部又は
全部のフェノール単位のフェノール性水酸基がアシル化
されたO−アシル化カリックスアレーン又はその誘導体
の具体例を表2に示す。但し、勿論本発明はこれらに限
定されるものではない。
【0054】
【表2】 表2に示した化合物例5は、AとBの和が3乃至8の何
れかになるものの混合物を意味し、他の化合物例は、そ
れぞれA+Bが表記載の一定数になるものの混合物を意
味する。
【0055】本発明の熱硬化性樹脂(好ましくはエポキ
シ基を有する熱硬化性樹脂)用硬化剤は、上記本発明の
O−アシル化カリックスアレーン又はその誘導体を有効
成分とするものである。
【0056】また本発明の熱硬化性樹脂組成物は、熱硬
化性樹脂(好ましくはエポキシ基を有する熱硬化性樹
脂)と、上記本発明のO−アシル化カリックスアレーン
又はその誘導体を有してなるものである。この本発明の
熱硬化性樹脂組成物は、他に、充填剤、上記O−アシル
化カリックスアレーン又はその誘導体用の希釈溶媒、及
び着色剤を含有してなるものとすることができる。すな
わち本発明の熱硬化樹脂組成物は、エポキシ樹脂及び硬
化剤としての本発明のO−アシル化カリックスアレーン
又はその誘導体の他に、充填剤(例えば、炭酸カルシウ
ム、二酸化チタン、カオリン、タルク、シリカ、アンチ
モン酸化物、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、ガ
ラス繊維炭素繊維など)、着色剤(例えば、チタンホワ
イト、チタンイエロー、群青、コバルトブルー、べんが
ら、アルミニウム粉、ブロンズ粉等の無機顔料又は金属
粉;カーボンブラック、キノフタロン、ハンザイエロ
ー、ローダミン6Gレーキ、キナクリドン、ローズベン
ガル、フタロシアニン系顔料、ピロロピロール系顔料等
の有機顔料;アゾ系染料、キノフタロン系染料、アント
ラキノン系染料、キサンテン系染料、トリフェニルメタ
ン系染料、フタロシアニン系染料等の各種油溶染料又は
分散染料等の有機染料等)、前記硬化剤用の希釈溶媒
(例えば、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒;ヘキ
サン、ヘプタンなどの炭化水素系溶媒;アセトン、メチ
ルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン
系溶媒;テトラヒドロフラン;クロロホルム;アクリル
グリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、フェ
ニルグリシジルエーテル、ジグリシジルエーテル等のエ
ポキシ基を有する反応性の希釈溶媒;フタル酸ジ−n−
ブチル、フタル酸ブチルベンジル、フタル酸ジオクチ
ル、フタル酸ジ−2−エチルへキシル、フタル酸ジエチ
ル、フタル酸ジシクロへキシル燐酸トリクレシル、燐酸
トリブチルなどの可塑剤系のもの等)を含有してもよ
い。
【0057】本発明の熱硬化性樹脂組成物は、例えば、
エポキシ樹脂及び硬化剤としての本発明のO−アシル化
カリックスアレーン又はその誘導体並びに他の必要な材
料を混合機(例えばニーダー、ブレンダー、ホモジナイ
ザー、乳化器、ボールミル、ミキサー等)又は撹拌装置
等を用いて混合分散および/または溶解させることによ
り調製することができる。
【0058】熱硬化性樹脂の組成はその用途により異な
るが、一般的には、エポキシ基を有する熱硬化性樹脂の
場合の硬化前の組成は、硬化すべき樹脂のエポキシ基
(グリシジル基)のmol数に対するそれと反応し得る
硬化剤の官能基のmol数(この場合カリックスアレー
ンのフェノール性水酸基及びアシル化された水酸基の総
mol数)の比率によりおおむね決定され(一般にはエ
ポキシ基mol数に対し、これと反応し得る硬化剤の官
能基mol数の方が過剰となるよう、つまり未反応グリ
シジル基を残存させないように配合される)、これを基
本組成とし、更に、その用途に従い、難燃剤、希釈剤、
揺変剤、充填剤などが添加される。それらの配合比率及
び種類は、目的により種々である。
【0059】また、熱硬化性樹脂組成物の熱硬化方法に
ついてもその用途により様々である。
【0060】本発明の熱硬化樹脂組成物においては、O
−アシル化率が10%乃至100%であるO−アシル化
カリックスアレーン又はその誘導体を用いることによ
り、硬化率の高い硬化物が得られる。
【0061】本発明の熱硬化樹脂組成物は、例えば、塗
料、医療用材料、接着剤、電気・電子材料(プリント基
板)、フォトレジスト等の他、種々の用途に用いること
ができる。
【0062】
【発明の効果】本発明のO−アシル化カリックスアレー
ン又はその誘導体は、熱硬化性樹脂組成物に含有させる
ことにより、硬化前の組成物の保存安定性を良好なもの
とすると共に高い硬化率で硬化可能なものとすることが
できる。
【0063】本発明の熱硬化性樹脂(好ましくはエポキ
シ基を有する熱硬化性樹脂)用硬化剤は、本発明のO−
アシル化カリックスアレーン又はその誘導体を有効成分
とするため、この硬化剤を含有させた硬化前の熱硬化性
樹脂組成物の保存安定性が良好であると共に、高い硬化
率での硬化を可能ならしめる。
【0064】本発明の熱硬化性組成物は、本発明のO−
アシル化カリックスアレーン又はその誘導体を含有する
ため、硬化前の組成物の保存安定性が良好であると共
に、高い硬化率で硬化可能である。
【0065】
【実施例】次に実施例を挙げて本発明を具体的に説明す
るが、勿論本発明はこれらのみに限定されるものではな
い。実施例1乃至5ではカリックスアレーンO−アシル
化物の製法について説明する。
【0066】実施例1 t−ブチル/t−オクチルカリックス(8)アレーン
(CA1) 2.34g(1.54×10−3mol)
をトルエン 40.0mlに加えたものに対し、PEG
400(ポリエチレングリコール平均分子量400)ジ
エチルエーテル0.25g及び50%w/w水酸化カリウ
ム水溶液 9.0g(0.08mol)を加えて激しく
撹拌しながら外部より冷却して10℃とした。その混合
液に対し、ベンゾイルクロライド3.25g(0.02
3mol)を反応液が10℃を越えないように滴下し
た。滴下終了後の混合液を60℃に昇温させて2.5時
間反応させた後、薄層クロマトグラフィーで未反応物の
ないことを確認した。その反応液を外部より冷却して室
温とした後、それを50mlの水に注加した。形成され
たトルエン層を、塩酸水及び水で順に洗浄した後、分離
し、無水硫酸マグネシウムで一夜乾燥させた。これを分
離濾過し、濾液をエバポレーション後、クロロホルム−
メタノールを用いて再結晶させることにより、白色粉末
3.1g(収率:85.5%)を得た。この白色粉末
は、下記IR及びNMRにより、ベンゾイル化率100
%の化合物であることが確認された。
【0067】(a)生成したO−ベンゾイル化t−ブチ
ル/t−オクチルカリックス(8)アレーンのスペクト
ル IR(KBr):1738cm−1(νC=O)、OH
伸縮無し H−NMR(CDCl) δ6.6乃至7.5(m,7,ArH) δ3.6(br s,2,ArCHAr) δ0.5乃至1.7(m,13,t−C及びC
17) 元素分析 計算値:C,81.60 H,7.53 実測値:C,80.32 H,7.73
【0068】(b)原料のt−ブチル/t−オクチルカ
リックス(8)アレーンのスペクトル IR(KBr):OH基伸縮 3234cm−1 H−NMR(CDCl) δ9.5(br s,1,ArOH) δ7.1(s,2,ArH) δ4.3(br d,1,ArCHAr) δ3.5(br d,1,ArCHAr) δ1.6(s,1,CH,(t−オクチル基)) δ1.2(s,4.5,C(CH,(t−ブチル
基)) δ1.2(s,3,ArC(CH,(t−オクチ
ル基)) δ0.6(s,4.5,C(CH,(t−オクチ
ル基))
【0069】実施例2 t−ブチル/t−アミルカリックス(8)アレーン(C
A3) 2.08g(1.54×10−3mol)をト
ルエン 40.0mlに加えたものに対し、PEG40
0(ポリエチレングリコール平均分子量400)ジエチ
ルエーテル0.25g及び50%w/w水酸化カリウム水
溶液 9.0g(0.08mol)を加えて激しく撹拌
しながら外部より冷却して10℃とした。その混合液に
対し、ベンゾイルクロライド3.25g(0.023m
ol)を反応液が10℃を越えないように滴下した。滴
下終了後の混合液を60℃に昇温させて3.0時間反応
させた後、薄層クロマトグラフィーで未反応物のないこ
とを確認した。その反応液を外部より冷却して室温とし
た後、それを50mlの水に注加した。形成されたトル
エン層を、塩酸水及び水で順に洗浄した後、分離し、無
水硫酸マグネシウムで一夜乾燥させた。これを分離濾過
し、濾液をエバポレーション後、クロロホルム−メタノ
ールを用いて再結晶させることにより、白色粉末 2.
9g(収率:88.4%)を得た。この白色粉末は、下
記IR及びNMRにより、ベンゾイル化率100%の化
合物であることが確認された。
【0070】(a)生成したO−ベンゾイル化のt−ブ
チル/t−アミルカリックス(8)アレーンのスペクト
ル IR(KBr):1741cm−1(νC=O)、OH
伸縮無し H−NMR(CDCl) δ6.7乃至7.5(m,7,ArH) δ3.6(br s,2,ArCHAr) δ0.3乃至1.5(m,10,t−C及びt−
11) 元素分析 計算値:C,81.29 H,7.01 実測値:C,80.17 H,7.15
【0071】(b)原料のt−ブチル/t−アミルカリ
ックス(8)アレーンのスペクトルIR(KBr):O
H基伸縮 3228cm−1 H−NMR(CD2Cl2) δ9.6(br s,1,ArOH) δ7.1(s,1,ArH) δ7.0(s,1,ArH) δ4.3(br d,1,ArCHAr) δ3.5(br d,1,ArCHAr) δ1.5(br m,1,−CHCH,(t−アミ
ル基)) δ1.2(s,3,ArC(CH,(t−アミル
基)) δ1.1(s,4.5,C(CH,(t−ブチル
基)) δ0.5(m,1.5,−CHCH,(t−アミル
基))
【0072】実施例3 t−ブチル/t−オクチルカリックス(8)アレーン
(CA1) 2.34g(1.54×10−3mol)
をトルエン 40.0mlに加えたものに対し、PEG
400(ポリエチレングリコール平均分子量400)ジ
エチルエーテル0.25g及び50%w/w水酸化カリウ
ム水溶液 9.0g(0.08mol)を加えて激しく
撹拌しながら外部より冷却して10℃とした。その混合
液に対し、アセチルクロライド0.78g(0.01m
ol)を反応液が10℃を越えないように滴下した。滴
下終了後の混合液を60℃に昇温させて2.5時間反応
させた後、薄層クロマトグラフィーで未反応物のないこ
とを確認した。その反応液を外部より冷却して室温とし
た後、それを50mlの水に注加した。形成されたトル
エン層を、塩酸水及び水で順に洗浄した後、分離し、無
水硫酸マグネシウムで一夜乾燥させた。これを分離濾過
し、濾液をエバポレーション後、クロロホルム−メタノ
ールを用いて再結晶させることにより、白色粉末 2.
32g(収率:89.2%)を得た。この白色粉末は、
IR及びH−NMRにより、アセチル化率50%の化
合物であることが確認された。
【0073】実施例4 t−ブチル/t−オクチルカリックス(8)アレーン
2.34g(1.54×10−3mol)をトルエン
40.0mlに加えたものに対し、PEG400(ポリ
エチレングリコール平均分子量400)ジエチルエーテ
ル0.25g及び50%w/w水酸化カリウム水溶液
9.0g(0.08mol)を加えて激しく撹拌しなが
ら外部より冷却して10℃とした。その混合液に対し、
アセチルクロライド1.17g(0.015mol)を
反応液が10℃を越えないように滴下した。滴下終了後
の混合液を60℃に昇温させて2.5時間反応させた
後、薄層クロマトグラフィーで未反応物のないことを確
認した。その反応液を外部より冷却して室温とした後、
それを50mlの水に注加した。形成されたトルエン層
を、塩酸水及び水で順に洗浄した後、分離し、無水硫酸
マグネシウムで一夜乾燥させた。これを分離濾過し、濾
液をエバポレーション後、クロロホルム−メタノールを
用いて再結晶させることにより、白色粉末 2.41g
(収率:87.3%)を得た。この白色粉末は、IR及
H−NMRにより、アセチル化率80%の化合物で
あることが確認された。
【0074】実施例5 t−ブチル/t−アミルカリックス(8)アレーン(C
A3) 2.08g(1.54×10−3mol)をト
ルエン 40.0mlに加えた加えたものに対し、PE
G400(ポリエチレングリコール平均分子量400)
ジエチルエーテル0.25g及び50%w/w水酸化カリ
ウム水溶液 9.0g(0.08mol)を加えて激し
く撹拌しながら外部より冷却して10℃とした。その混
合液に対し、ベンゾイルクロライド0.76g(5.3
9×10−3mol)を反応液が10℃を越えないよう
に滴下した。滴下終了後の混合液を60℃に昇温させて
2.5時間反応させた後、薄層クロマトグラフィーで未
反応物のないことを確認した。その反応液を外部より冷
却して室温とした後、それを50mlの水に注加した。
形成されたトルエン層を、塩酸水及び水で順に洗浄した
後、分離し、無水硫酸マグネシウムで一夜乾燥させた。
これを分離濾過し、濾液をエバポレーション後、クロロ
ホルム−メタノールを用いて再結晶させることにより、
白色粉末 2.18g(収率:87.3%)を得た。こ
の白色粉末は、IR及びH−NMRにより、ベンゾイ
ル化率30%の化合物であることが確認された。
【0075】次に、実施例6乃至10では硬化剤として
用いた熱硬化性樹脂組成物の製造実施例について説明す
る。
【0076】実施例6 実施例1で得られた化合物 2.36g エピコート828[油化シェルエポキシ社製のビスフェ
ノール型エポキシ樹脂の商品名](エポキシ当量:18
7g/eq) 1.51g テトラブチルホスホニウムブロマイド 0.1g クロロホルム 50ml
【0077】上記混合液を30分間撹拌して溶解させた
後、ポリテトラフルオロエチレン樹脂製シャーレに注加
し、減圧デシケーター中で溶媒を除去した。これを電気
炉中180℃で5時間加熱硬化させた。
【0078】実施例7 実施例2で得られた化合物 2.19g エピコート828[油化シェルエポキシ社製のビスフェ
ノール型エポキシ樹脂の商品名](エポキシ当量:18
7g/eq) 1.51g テトラブチルホスホニウムブロマイド 0.1g クロロホルム 50ml
【0079】上記混合液を30分間撹拌して溶解させた
後、ポリテトラフルオロエチレン樹脂製シャーレに注加
し、減圧デシケーター中で溶媒を除去した。これを電気
炉中180℃で5時間加熱硬化させた。
【0080】実施例8 実施例3で得られた化合物 1.86g エピコート828[油化シェルエポキシ社製のビスフェ
ノール型エポキシ樹脂の商品名](エポキシ当量:18
7g/eq) 1.51g テトラブチルホスホニウムブロマイド 0.1g クロロホルム 50ml
【0081】上記混合液を30分間撹拌して溶解させた
後、ポリテトラフルオロエチレン樹脂製シャーレに注加
し、減圧デシケーター中で溶媒を除去した。これを電気
炉中180℃で5時間加熱硬化させた。
【0082】実施例9 実施例1で得られた化合物 2.36g エピコート154[油化シェルエポキシ社製のフェノー
ルノボラック型エポキシ樹脂の商品名](エポキシ当
量:178g/eq) 1.44g テトラブチルホスホニウムブロマイド 0.1g クロロホルム 50ml
【0083】上記混合液を30分間撹拌して溶解させた
後、ポリテトラフルオロエチレン樹脂製シャーレに注加
し、減圧デシケーター中で溶媒を除去した。これを電気
炉中180℃で5時間加熱硬化させた。
【0084】実施例10 実施例1で得られた化合物 2.36g エピコート1032S50[油化シェルエポキシ社製の
トリスヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹脂の商品
名](エポキシ当量 176g/eq) 1.44g テトラブチルホスホニウムブロマイド 0.1g クロロホルム 50ml
【0085】上記混合液を30分間撹拌して溶解させた
後、ポリテトラフルオロエチレン樹脂製シャーレに注加
し、減圧デシケーター中で溶媒を除去した。これを電気
炉中180℃で5時間加熱硬化させた。
【0086】比較例1 クレゾールノボラックタイプ硬化剤 2.36g エピコート828[油化シェルエポキシ社製のビスフェ
ノール型エポキシ樹脂の商品名](エポキシ当量:18
7g/eq) 1.51g テトラブチルホスホニウムブロマイド 0.1g クロロホルム 50ml
【0087】上記混合液を30分間撹拌して溶解させた
後、ポリテトラフルオロエチレン樹脂製シャーレに注加
し、減圧デシケーター中で溶媒を除去した。これを電気
炉中180℃で5時間加熱硬化させた。
【0088】比較例2 t−ブチルカリックス(8)アレーン オクタO−アセ
チル化物 2.13g エピコート828[油化シェルエポキシ社製のビスフェ
ノール型エポキシ樹脂の商品名](エポキシ当量:18
7g/eq) 1.51g テトラブチルホスホニウムブロマイド 0.1g クロロホルム 50ml
【0089】上記混合液を30分間撹拌して溶解させた
後、ポリテトラフルオロエチレン樹脂製シャーレに注加
し、減圧デシケーター中で溶媒を除去した。これを電気
炉中180℃で5時間加熱硬化させた。
【0090】比較例3 メチルカリックス(6)アレーン ヘキサO−ベンゾイ
ル化物 1.11g エピコート828[油化シェルエポキシ社製のビスフェ
ノール型エポキシ樹脂の商品名](エポキシ当量:18
7g/eq) 1.51g テトラブチルホスホニウムブロマイド 0.1g クロロホルム 50ml
【0091】上記混合液を30分間撹拌して溶解させた
後、ポリテトラフルオロエチレン樹脂製シャーレに注加
し、減圧デシケーター中で溶媒を除去した。これを電気
炉中180℃で5時間加熱硬化させた。
【0092】下記表3に、実施例6乃至10並びに比較
例1乃至3について、樹脂組成物の保存安定性、並び
に、硬化物の熱分解温度、硬化率、及び吸湿性を測定し
て比較した結果を示す。
【0093】
【表3】
【0094】樹脂組成物の保存安定性:実施例6乃至1
0並びに比較例1乃至3における可溶化溶媒としてクロ
ロホルムの代わりにトルエンを用いて調製した硬化前の
樹脂組成物について、100時間にわたり50℃の温度
を維持することによる硬化率を、FT−IR(フーリエ
変換赤外分光光度計)により測定した。 熱分解温度(Td):実施例6乃至10並びに比較例1
乃至3における各硬化物について、TG/DTA(熱重
量測定/示差熱分析)により測定した。実施例6乃至1
0並びに比較例2及び3において300℃を超えた。 硬化率:実施例6乃至10並びに比較例1乃至3におけ
る各硬化物について、FT−IR(フーリエ変換赤外分
光光度計)により、180℃で5時間の加熱硬化を経た
飽和状態の硬化率を測定した。 硬化物の吸湿性:実施例6乃至10並びに比較例1乃至
3における各硬化物について、50℃・相対湿度80%
で400時間経過後の重量増加率を測定した。実施例6
乃至10において0.1%未満であった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 5/13 C08K 5/13 5/134 5/134 5/136 5/136 5/32 5/32 5/5419 5/5419 C08L 101/00 C08L 101/00 Fターム(参考) 4H006 AA01 AB49 BJ50 BN30 KA14 4J002 AA021 CD001 DA038 DA098 DC008 DE076 DE098 DE118 DE126 DE136 DE138 DE146 DE236 DJ016 DJ036 DJ046 DL006 EH067 EH077 EJ017 EJ047 EJ067 ES007 EX037 FA046 FD016 FD098 FD147 GB01 GH01 GJ01 GP03 GQ01 4J036 AA01 DB05 DB07 DB09 DB10 FA01 FA08 JA01 JA06 JA08 JA09

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】カリックスアレーン又はその誘導体を構成
    する複数のフェノール単位が2種以上のフェノール単位
    からなリ、それらのフェノール単位のうち一部又は全部
    のフェノール単位におけるフェノール性水酸基がアシル
    化されたものであることを特徴とするO−アシル化カリ
    ックスアレーン又はその誘導体。
  2. 【請求項2】下記式(1)で表されるカリックスアレー
    ン又はその誘導体におけるA個の構成単位(a)及びB
    個の構成単位(b)中のフェノール単位のうち一部又は
    全部のフェノール単位のフェノール性水酸基がアシル化
    されたものである請求項1記載のO−アシル化カリック
    スアレーン又はその誘導体。 【化1】 ・・・・(1) [式(1)は、A個の構成単位(a)及びB個の構成単
    位(b)が結合してなり、AとBの組合せが1種又は2
    種以上である1種又は2種以上の環状化合物を意味し、
    各環状化合物において、A及びBはそれぞれ0以上の整
    数、AとBの和は3乃至8の何れかであって、構成単位
    (a)と構成単位(b)の結合順序は任意である。式
    (1)中、RとRは互いに異なる置換基を意味し、
    及びRは、それぞれ、水素原子、枝分かれがあっ
    てもよいアルキル基、枝分かれがあってもよいアルケニ
    ル基、置換基を有してもよいフェニル基、置換基を有し
    てもよいアラルキル基、アリサイクリック基、ハロゲ
    ン、ニトロ基、アシル基、アルコキシ基、トリフルオロ
    メチル基、又はトリメチルシリル基を表す。]
  3. 【請求項3】O−アシル化カリックスアレーン又はその
    誘導体におけるアシル基が、下記式(2)で表されるも
    のである請求項1又は2記載のO−アシル化カリックス
    アレーン又はその誘導体。 【化2】 ・・・・(2) [式(2)中、Rは、枝分かれがあってもよいアルキ
    ル基、枝分かれがあってもよいアルケニル基、置換基を
    有してもよいフェニル基、又はアリサイクリック基を表
    す。]
  4. 【請求項4】O−アシル化率が10%乃至100%であ
    る請求項1、2又は3記載のO−アシル化カリックスア
    レーン又はその誘導体。
  5. 【請求項5】請求項1乃至4の何れかに記載のO−アシ
    ル化カリックスアレーン又はその誘導体を有効成分とす
    る熱硬化性樹脂用硬化剤。
  6. 【請求項6】熱硬化性樹脂と、請求項1乃至4の何れか
    に記載のO−アシル化カリックスアレーン又はその誘導
    体を有してなる熱硬化性樹脂組成物。
  7. 【請求項7】充填剤、上記O−アシル化カリックスアレ
    ーン又はその誘導体用の希釈溶媒、及び着色剤を含有し
    てなる請求項6記載の熱硬化性樹脂組成物。
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