JP2002087472A - 緩衝材 - Google Patents

緩衝材

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JP2002087472A
JP2002087472A JP2000277552A JP2000277552A JP2002087472A JP 2002087472 A JP2002087472 A JP 2002087472A JP 2000277552 A JP2000277552 A JP 2000277552A JP 2000277552 A JP2000277552 A JP 2000277552A JP 2002087472 A JP2002087472 A JP 2002087472A
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JP2000277552A
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English (en)
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Masaaki Sato
正明 佐藤
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 強度を高め、衝撃を繰り返し受けても、その
変形、破損を防止して、耐緩衝性能を高める。 【解決手段】 保持体2と支持体3の両側の2面22,
23、32,33をそれぞれ、複数の折り返し面の重合
により形成する。保持体2の各スリット26、27の外
側に、保持体2の内方に向けて突出可能な部分折り返し
部241、251を形成する。支持体3の両側の2面3
2、33に、各折り返し面の縁部から外側に向けて複数
の突起324、334を異なる突出状態にして設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子機器製品など
の梱包に使用する緩衝材に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、電子機器製品を保管する場合、
あるいは輸送する場合に、電子機器製品をビニール製の
袋で包装して、これを箱と緩衝材により梱包している。
箱はダンボールによって形成され、製品の実寸法よりも
大きい直方体状に組み立てられる。緩衝材は発泡スチロ
ールにより電子機器製品の前部、後部、又は左右側面部
あるいは角部の形状に合う凹部を有するブロック状に形
成されている。電子機器製品を梱包する場合、電子機器
製品は前部、後部、又は左右側面部に緩衝材が嵌め込ま
れて、箱の中に収容される。このようにして電子機器製
品は箱の中で緩衝材により抱持され、電子機器製品の保
存中、又は輸送中に、箱に衝撃を受けた場合でも、電子
機器製品は緩衝材により衝撃が吸収されて、その損傷を
防止される。
【0003】近時、環境対策から所謂容器包装リサイク
ル法が成立したことで、各事業者間でも梱包材料に発泡
スチロールを使用せずに、リサイクルが容易なダンボー
ル等が用いられる傾向にある。
【0004】図14乃至図17に、この種の緩衝材の一
例が示されている。図14に示すように、この緩衝材6
は2種類の成形品61、62から組み立てられている。
図15に示すように、一方の成形品61は保持体であ
り、ダンボールの打ち抜き加工により形成されている。
その平面形状は、梱包物の周囲に沿って当接可能に、略
コ字形に折曲可能な3面611、612、613からな
り、これら3面611、612、613の境界に折曲部
614が形成され、これら3面611、612、613
の上下にそれぞれ3個ずつ、合計6個のスリット61
5、616が穿たれている。なお、両側(図中、左右両
側)の上下各スリット615、616は、各折曲部61
4上に交差状に設けられている。他方の成形品62は支
持体であり、ダンボールの打ち抜き加工により形成され
ている。その平面形状は、梱包物を上下から挟持可能
に、略コ字形に折曲可能な3面621、622、623
からなり、その両側(図中、上下)の2面622、62
3が、折曲後の保持体61の上下の各スリット615、
616に挿通可能に、先端側からスリット624を切り
込まれた左右の突片部625とスリットのない中間の突
片部626とこれら突片部625、626間の切欠部6
27とにより形成されている。
【0005】保持体61は、左右の2面612、613
を中間の1面611に対して直角に折り曲げられて、全
体がコ字形に組み立てられる。支持体62は、上下の2
面622、623を中間の1面621に対して直角に折
り曲げられて、全体がコ字形に組み立てられる。このよ
うにして、図14に示すように、保持体61の上下の各
スリット615、616に、支持体62の各突片部62
5、626を挿通される。ここで、左右の上下各突片部
625はその先端側から切り込まれたスリット624に
保持体61の左右の面612、613を通しながら、各
突片部625の片側半分が保持体61の左右の上下各ス
リット615、616に差し通される。中間の上下各突
片部626は保持体61の中間の上下各スリット61
5、616に差し通される。このようにして両者が組み
付けられる。以下、これを組立体60ということがあ
る。なお、梱包物の梱包には、このような組付体60を
2個1組にして使用する。
【0006】電子機器製品の梱包に際して、図16に示
すように、一方の組立体60の上下の各突片部625、
626間に電子機器製品4の前面側を嵌め込まれて、こ
れら上下の各突片部625、626で電子機器製品4の
前部側が上下から挟持され、他方の組立体60の上下の
各突片部625、626間に電子機器製品4の後部側を
嵌め込まれて、これら上下の各突片部625、626で
電子機器製品4の後部側が上下から挟持され、これらの
組立体60により電子機器製品4は宙に浮いた状態に抱
持される。この状態のまま、図17に示すように、ダン
ボールの箱5の中に詰められる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の緩衝材では、保持体、支持体がそれぞれ、全体を1
枚のダンボールで形成されているため、梱包物を支持す
る突片部の強度と、支持体を支える保持体の両側2面の
強度が低く、一度衝撃を受けると、変形又は破損が発生
し、次の衝撃を受けたときの耐衝撃性能が著しく低下す
るという問題がある。本発明は、このような従来の問題
を解決し、この種の緩衝材において、梱包物を支持する
支持体と支持体を支える保持体の強度を高め、衝撃を繰
り返し受けたときの耐緩衝性能を高めることを目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の緩衝材は、梱包物の周囲に沿って当接可能
に形成された保持体と、前記保持体に交差状に結合さ
れ、前記梱包物を挟持可能に形成された支持体とを具備
し、前記保持体と前記支持体の少なくとも一方に、外力
に抗する補強手段を備えたものである。この構成によ
り、梱包物を支持する支持体と支持体を支える保持体の
強度を高めることができる。本発明の緩衝材は、前記保
持体と前記支持体の少なくとも一方に、前記外力を吸収
する緩衝手段を備えるものである。この構成により、保
持体と支持体による緩衝能力を高めることができる。本
発明の緩衝材は、前記保持体は前記梱包物の周囲に沿っ
て当接可能に平面形状が略コ字形に形成された3面を有
し、前記補強手段として、前記保持体の両側の2面がそ
れぞれ、その面材料を重合して形成されるものである。
この構成により、保持体の強度を高めることができる。
本発明の緩衝材は、前記支持体は前記梱包物を挟持可能
に側面形状が略コ字形に形成された3面を有し、前記補
強手段として、前記支持体の両端側の2面の少なくとも
一方が、面材料を重合して形成されるものである。この
構成により、支持体の強度を高めることができる。本発
明の緩衝材は、前記補強手段として、前記梱包物を挟持
する前記支持体の両端側の2面に外側から当接し、前記
支持体を押さえ可能な柱構造の受け部を備えるものであ
る。この構成により、支持体を支える保持体の強度をさ
らに高めることができる。本発明の緩衝材は、前記緩衝
手段として、前記支持体の中間の面から外側に向けて延
びた第1の突起と、この第1の突起よりもさらに先方ま
で延びた第2の突起とを設け、前記外力に対向して前記
第2の突起が前記第1の突起よりも先に衝突面に衝接し
て緩衝を行うものである。この構成により、支持体によ
る緩衝能力を高めることができる。本発明の緩衝材は、
梱包物の周囲に沿って当接可能に、略コ字形に折曲可能
な3面を有し、これら3面のうち両端側の各面の折曲部
に対して交差状に複数のスリットが形成された板材から
なる保持体と、梱包物を挟持可能に、略コ字形に折曲可
能な3面を有し、その両端側の2面を、折曲後の前記保
持体の各スリットに挿通して組み付け可能に、先端側に
スリットを入れた複数の突片部と各突片部間の切欠部と
により形成された板材からなる支持体とを備え、前記保
持体と前記支持体の両端側の2面はそれぞれ、複数の折
り返し面からなり、これら折り返し面を重合して形成さ
れるものである。この構成により、梱包物を支持する支
持体と支持体を支える保持体の強度を高めることができ
る。本発明の緩衝材は、前記保持体の前記スリットの外
側で、前記3面の折曲部の両側にそれぞれ折り目が設け
られ、前記保持体の内方に向けて突出可能な部分折り返
し部を形成されているものである。この構成により、保
持体の各スリットの外側に部分折り返し部が内方に突出
され、保持体の上下の各スリットに挿通して組み付けら
れた複数の突片部をその上下から押さえて、梱包物を支
持する支持体の強度を高めることができる。本発明の緩
衝材は、前記支持体の両側の2面に、前記各折り返し面
の縁部から外側に向けて複数の突起を備え、前記一方の
折り返し面の突起が前記他方の折り返し面の突起に対し
て異なる突出状態にして形成されるものである。この構
成により、緩衝材に対して特に水平方向の衝撃が加えら
れた場合に、複数の折り返し面のうち、突出量の大きい
突起が箱の内壁に衝接して、変形又は圧潰され、この突
起の変形又は圧潰により、これがクッションになって電
子機器製品への衝撃を吸収することができる。水平方向
の衝撃を繰り返し加えられた場合も、同様にして、順次
突出量の大きい順に各突起が箱の内壁に衝接し、変形又
は圧潰され、電子機器製品への衝撃を吸収することがで
きる。本発明の緩衝材は、前記保持体を前記折曲部と前
記スリットとを含む部分毎に分割可能に、前記保持体の
中間の面に切れ目が設けられ、前記支持体を前記突片部
を対にした部分毎に分割可能に、前記支持体の3面に切
れ目が設けられているものである。この構成により、保
持体、支持体をそれぞれ、その切れ目に沿って切り離
し、分割して、これら分割された保持体と支持体とを組
み付けることにより、梱包物のコーナー処理用の緩衝材
に変えることができる。この場合も同様に、梱包物を支
持する支持体と支持体を支える保持体の強度を高めるこ
とができる。本発明の緩衝材は、前記保持体、前記支持
体の材料にダンボールが用いられるものである。この構
成により、緩衝材を再生紙で形成することができ、ま
た、回収を容易することができるなど、所謂容器リサイ
クル法に適合させることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図を用いて説明する。 (実施の形態1)図1乃至図7に本発明の第1の実施の
形態を示している。図1にその全体構成を示している。
図1において、緩衝材1は2種類の成形品、すなわち保
持体2と支持体3とにより構成される。保持体2は、梱
包物の周囲に沿って当接可能に平面形状が略コ字形に形
成された3面21、22、23を備え、両側(両端側)
の2面22、23はそれぞれ、その面材料を重合して形
成され、外力に抗する補強が施されている。支持体3
は、梱包物を上下から挟持可能に側面形状が略コ字形に
形成された3面31、32、33を有し、その上下両側
(両端側)の2面32、33はそれぞれ、面材料を重合
して形成され、外力に抗する補強を施されている。保持
体2に支持体3は交差状に組み付けられて結合されてい
る。この結合状態にさらに外力に抗する補強を施すた
め、保持体2に、支持体3の上下両側の2面32、33
に外側から当接し、支持体3を上下から押さえる柱構造
の受け部241、251が設けられている。なお、緩衝
材1は、その使用に際して、2個1組として用いられ
る。
【0010】この緩衝材1にはまた、水平方向外側から
の外力を吸収する緩衝手段が設けられている。図2に示
すように、この緩衝手段は、支持体3の両側の2面3
2、33にそれぞれ、中間の面31から外側に向けて延
出された第1の突起325と、この第1の突起325よ
りもさらに先方に延出された第2の突起324とを備え
る。これらの突起325、324は、外力に対向して、
まず第2の突起324が衝突面に衝接して緩衝を行い、
この第2の突起324が損耗した場合に、次に第1の突
起325が衝突面に衝接して緩衝を行う。
【0011】保持体2の組み付け前の基本構成を図3に
示している。保持体2は、ダンボールの打ち抜き加工に
より形成され、その平面形状が、梱包物の周囲に沿って
当接可能に、略コ字形に折曲可能な3面21、22、2
3、すなわち中間の1面21、その左右方向両側の2面
22、23を備える。これら3面21、22、23の境
界に折曲部24、25を形成されるとともに、各折曲部
24、25の上下にそれぞれスリット26、27が交差
状に穿設されている。両側の面22、23はそれぞれ、
2枚の折り返し面221,222、231,232を備
え、その幅方向中間に折り目223、233が縦方向に
向けて設けられていて、この折り目223、233を中
心に2枚の折り返し面221,222、231,232
を重合して形成される。なお、ここで外側の折り返し面
222、232の幅方向の寸法は内側の折り返し面22
1、231の幅方向の寸法よりも少し短く設定されてい
て、折り目223、233を山折りにして外側の折り返
し面222、232が折り返され、外側と内側の各折り
返し面222と221、232と231が重合されたと
きに、外側の折り返し面222、232の側縁部222
S、232Sと内側の折り返し面221、231の側縁
部(内側の折り返し面221、231と中間の面21と
の間の折曲部24、25と同じ。)221S、231S
が一致せず、両者間にずれを生じる寸法設定になってい
る。また、両側の面22、23の外側の折り返し面22
2、232の上下に、内側、外側の各折り返し面22
1,222、231,232の重合により、内側の折り
返し面221、231側のスリット26、27の一部に
対応する部分スリット261、271が側縁部222
S、232Sから切り込まれている。また、この保持体
2には、各スリット26、27の外側(図中、上側のス
リット26にあってはその上側、下側のスリット27に
あってはその下側)で、折曲部24、25の両側にそれ
ぞれ折り目28、29が設けられて、保持体2の内方に
向けて突出可能な部分折り返し部(受け部)241、2
51が形成されている。
【0012】支持体3の組み付け前の基本構成を図4に
示している。支持体3は、ダンボールの打ち抜き加工に
より形成され、その平面形状が、梱包物を上下から挟持
可能に、略コ字形に折曲可能な3面31、32、33、
すなわち中間の1面31、その上下方向両側の2面3
2、33を備える。これら3面31、32、33の境界
に折曲部34、35が形成されている。両側の面32、
33はそれぞれ、2枚の折り返し面321,322、3
31,332からなり、その上下方向中間に折り目32
3、333が横方向に向けて設けられていて、この折り
目323、333を中心に2枚の折り返し面321,3
22、331,332を重合して形成される。これら両
側の2面32、33には、上縁部322S、331S
(折曲部35と同じ。)の左右2箇所にそれぞれ、突起
324、325が形成され、この上縁部322S、33
1Sの左右2箇所に対応する下縁部321S(折曲部3
4と同じ。)、332Sの左右2箇所にそれぞれ、突起
325、324が形成されている。ここで外側の折り返
し面322、332の突起324の突出寸法が内側の折
り返し面321、331の突起325の突出寸法よりも
少し大きく設定されていて、折り目323、333を山
折りにして外側の折り返し面322、332が折り返さ
れ、外側と内側の各折り返し面322と321、332
と331を重合された場合に、図2に示すように、外側
の折り返し面322、332の突起(第2の突起)32
4が内側の折り返し面321、331の突起(第1の突
起)325に対して少し突き出される寸法設定になって
いる。また、図4に示すように、両側の2面32、33
のそれぞれの中央に開口状の切欠部36が打ち抜かれて
いて、その両側にスリット37が折り目323、333
と交差状に穿設されている。なお、これらの切欠部36
やスリット37は折り目323、333を中心に対称形
状になっている。このようにして折り目323、333
を山折りにして外側の折り返し面322、332が折り
返され、外側と内側の各折り返し面322と321、3
32と331が重合されると、両側の2面32、33は
それぞれ、図5に示すように、先端側からスリット37
を切り込まれた左右の突片部38とこれら突片部38間
の切抜部39とを形成され、保持体2の上下の各スリッ
ト26、27に挿通可能になっている。
【0013】これら保持体2と支持体3の組み立て方法
を図5に示している。まず、保持体2は、左右の2面2
2、23をそれぞれ折り目223、233を山折りにし
て、2枚の折り返し面221,222、231,232
を重合され、このようにして形成された2面22、23
を中間の1面21に対して各折曲部24、25を谷折り
にして直角に折り曲げられて、全体がコ字形に組み立て
られる。さらに、各折曲部24、25上下に設けられた
部分折り返し部241、251がこの部分折り返し部2
41、251の折曲部24、25を山折りに返し、その
両側の折り目28、29を谷折りにして折り返され、部
分折り返し部241、251の2面が保持体2の内方に
柱状に突出される(図1参照。)。すなわち、ここに支
持体3のための受け部241、251が形成される。次
いで、支持体3は、上下の2面32、33をそれぞれ折
り目323、333を山折りにして、2枚の折り返し面
321,322、331,332を重合され、このよう
にして形成された2面32、33を中間の1面31に対
して各折曲部34、35を谷折りにして直角に折り曲げ
られて、全体がコ字形に組み立てられる。この両側の2
面32、33により、左右両側に上下一対の突片部3
8、38を形成される。このようにしてから、図1に示
すように、保持体2の上下の各スリット(部分スリット
261、271が重ね合わされている状態)26、27
に、支持体3の各突片部38を挿通される。ここで、左
右の上下各突片部38はその先端側から切り込まれたス
リット37に保持体2の両側の面22、23を通しなが
ら、各突片部38の片側半分が保持体2の左右の上下各
スリット26、27に差し通される。このようにして両
者が組み付けられる。
【0014】次に、この緩衝材1を用いた電子機器製品
の梱包方法とその作用、効果について図6、図7を用い
て説明する。なお、一つの電子機器製品の梱包につき、
組付体10を2個1組として使用する。図6に示すよう
に、一方の組付体10の上下の各突片部38間に電子機
器製品4の前面側を嵌め込まれて、上下の各突片部38
で電子機器製品4の前部側が上下から挟持される。次い
で、他方の組付体10の上下の各突片部38間に電子機
器製品4の後部側を嵌め込まれて、上下の各突片部38
で電子機器製品4の後部側が上下から挟持される。この
ようにして電子機器製品4が、図7に示すように、段ボ
ールの箱5の中に詰められる。箱5の中で電子機器製品
4は緩衝材1により抱持される。
【0015】このようにして梱包された電子機器製品4
は、緩衝材1が保持体2の左右両側の2面22、23と
支持体3の上下両側の2面32、33とをそれぞれ、2
枚の折り返し面221,222、231,232、32
1,322、331,332を重合して形成されている
ことにより、その強度を十分に高めることができる。さ
らに保持体2の各スリット26、27の外側で、3面2
1、22、23の折曲部24、25の両側にそれぞれ折
り目28、29を設けられ、保持体2の内方に向けて突
出可能な部分折り返し部241、251が形成されてい
て、保持体2の組み立てにより各スリット26、27の
外側に部分折り返し部241、251が内方に突出され
ることにより、これが受け部として保持体2の上下の各
スリット26、27に挿通して組み付けられた各突片部
38をその上下から押さえて、梱包物を支持する支持体
3の強度を高めることができる。
【0016】例えば、この電子機器製品4を収容した箱
5が落下して、電子機器製品4を保持している緩衝材1
に対して大きな垂直方向の衝撃を加えられた場合、その
衝撃荷重を保持体2の両側の2面22、23で受ける。
これら2面22、23は十分な強度により、その衝撃に
耐え、変形、破損することがない。一方、電子機器製品
4は支持体3の2組の上下の突片部38に挟持されてい
るので、これがクッションになって電子機器製品4への
衝撃を吸収する。
【0017】また、箱5が転倒して、電子機器製品4を
保持する緩衝材1に対して大きな水平方向の衝撃を加え
られた場合、その衝撃荷重をまず、支持体3の両側の2
面32、33の第2の突起324で受ける。この衝撃に
より第2の突起324が箱5の内壁に衝接し、変形され
る。衝撃が大きい場合、この突起324は圧潰される。
この突起324の変形又は圧潰により、これがクッショ
ンになって電子機器製品4への衝撃を吸収する。また再
び箱5が転倒して、電子機器製品4を保持する緩衝材1
に対して大きな水平方向の衝撃が加えられた場合、その
衝撃荷重を、今度は、支持体3の両側の2面32、33
の第1の突起325で受け、これらの突起325が箱5
の内壁に衝接し、変形される。衝撃が大きい場合、この
突起325は圧潰される。この突起325の変形又は圧
潰により、これがクッションになって電子機器製品4へ
の衝撃を吸収する。このように水平方向の衝撃に対して
2段構えにしているので、電子機器製品4への衝撃を確
実に吸収できる。
【0018】このようにして保持体2、支持体3の強度
を高めたことにより、その緩衝性能を長く維持すること
ができる。特に、保持体2、支持体3の両側の2面をそ
れぞれ、その面材料を重合して形成しているので、両者
の劣化しやすい部分を補強することができ、衝撃を繰り
返し受けたり、水濡れの事故により水分を吸収したりし
ても、変形、破損を防止して、緩衝性能を長く維持する
ことができる。また、保持体2に支持体3を上下から押
さえる受け部241、251を設けているので、両者の
結合構造を補強することができ、衝撃を繰り返し受けた
り、水濡れの事故により水分を吸収したりしても、変
形、破損を防止して、緩衝性能を長く維持することがで
きる。
【0019】さらに、支持体3に、外側に向けて複数の
突起325、324をそれぞれ異なる突出状態にして設
けているので、緩衝材1に対して特に水平方向の衝撃を
加えられた場合に、複数の突起325、324のうち、
まず最も先方に突出する第2の突起324を箱の内壁に
衝接させて、この突起324を変形又は圧潰することに
より、これをクッションにして電子機器製品4への衝撃
を吸収することができる。さらに水平方向の衝撃を繰り
返し加えられた場合でも、同様にして、第2の突起32
4に遅れて第1の突起325を箱の内壁に衝接させて、
この突起325を変形又は圧潰することにより、電子機
器製品4への衝撃を吸収することができる。
【0020】さらに、保持体2、支持体3をそれぞれ、
ダンボールにより形成していることにより、緩衝材1を
再生紙で形成することができ、また、回収を容易にする
ことができるなど、所謂容器リサイクル法の趣旨に適合
させることができる。
【0021】(実施の形態2)図8乃至図13に本発明
の第2の実施の形態を示している。この実施の形態にお
いても、緩衝材1は、ダンボールの打ち抜き成形品の保
持体2と支持体3とを備える。各部の構成は、第1の実
施の形態と同じなので、第1の実施の形態と同じ符号を
付してその重複した説明を省略する。ここで第1の実施
の形態と異なる点は、保持体2を折曲部24、25とそ
の上下のスリット26、27とを含む部分20毎に分割
可能に、図9に示すように、保持体2の中間の面21に
縦方向に切れ目211が設けられていて、支持体3を上
下の突片部38を対にした部分30毎に分割可能に、図
10に示すように、支持体3の3面31、32、33に
縦方向に切れ目311が設けられていることにある。
【0022】このようにしたことにより、保持体2、支
持体3をそれぞれ、図11に示すように、その切れ目2
11、311に沿って切り離し、分割して、これら分割
された保持体2の部分20と支持体3の部分30とをそ
れぞれ組み付けることにより、図12に示すように、梱
包物のコーナー処理用の緩衝材に変更することができ
る。これらの分割緩衝材1は、第1の実施の形態と同様
に、電子機器製品4に取り付けられて、図13に示すよ
うに、ダンボールの箱5に詰められる。なお、このよう
に分割しても、基本的な構造は、第1の実施の形態と同
様なので、強度性に優れ、衝撃を繰り返し受けたり、水
濡れの事故により水分を吸収したりしても、その変形、
破損を防止することができる。
【0023】なお、上記各実施の形態では、保持体2の
左右両側の2面22、23と支持体3の上下両側の2面
32、33とをそれぞれ、2枚の折り返し面221,2
22,231,232、321,322,331,33
2を重合して形成されているが、2枚の折り返し面に限
定されるものではなく、3枚折り、4枚折りであっても
よく、電子機器製品の大きさや重量により適宜選定され
る。
【0024】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
保持体、支持体に外力に抗する補強手段を備えているの
で、保持体、支持体の強度を高め、緩衝性能を長く維持
することができる。特に、保持体、支持体の両端側の2
面をそれぞれ、その面材料を重合して形成しているの
で、両者の劣化しやすい部分を補強することができ、衝
撃を繰り返し受けても、変形、破損を防止して、緩衝性
能を長く維持することができる。また、保持体に支持体
を押さえる受け部を設けているので、両者の結合構造を
補強することができ、衝撃を繰り返し受けても、変形、
破損を防止して、緩衝性能を長く維持することができ
る。さらに、本発明によれば、保持体または支持体に、
外側に向けて複数の突起をそれぞれ異なる突出状態にし
て設けているので、緩衝材に対して特に水平方向の衝撃
を加えられた場合に、複数の突起のうち、まず最も先方
に突出する突起を箱の内壁に衝接させて、この突起を変
形又は圧潰することにより、これをクッションにして電
子機器製品への衝撃を吸収することができる。さらに水
平方向の衝撃を繰り返し加えられた場合でも、同様にし
て、先方に突出する順に各突起を箱の内壁に衝接させ
て、突起を変形又は圧潰することにより、電子機器製品
への衝撃を吸収することができる。さらに、本発明によ
れば、保持体、支持体の中間部に縦方向に切れ目を設け
ているので、保持体、支持体をそれぞれ、その切れ目に
沿って切り離し、分割して、これら分割された保持体と
支持体とを組み付けることにより、梱包物のコーナー処
理用の緩衝材に変更することができ、この場合も同様
に、支持体、保持体の強度を高め、衝撃を繰り返し受け
ても、その変形、破損を防止することができる。さら
に、本発明によれば、保持体、支持体をそれぞれ、ダン
ボールにより形成しているので、緩衝材を再生紙で形成
することができ、また、回収を容易にすることができる
など、所謂容器リサイクル法に適合させることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態における緩衝材の斜
視図
【図2】同緩衝材の支持体に設けた突起の部分拡大斜視
【図3】同緩衝材の保持体の展開図
【図4】同緩衝材の支持体の展開図
【図5】同緩衝材の組み付け前の保持体と支持体の斜視
【図6】同緩衝材により抱持された電子機器製品の斜視
【図7】同緩衝材により抱持された電子機器製品がダン
ボールの箱に詰められる状態の斜視図
【図8】本発明の第2の実施の形態における緩衝材の斜
視図
【図9】同緩衝材の保持体の展開図
【図10】同緩衝材の支持体の展開図
【図11】同緩衝材が分割された態様の斜視図
【図12】同緩衝材により抱持された電子機器製品の斜
視図
【図13】同緩衝材に抱持された電子機器製品がダンボ
ールの箱に詰められる状態の斜視図
【図14】従来の緩衝材の斜視図
【図15】同緩衝材の保持体と支持体の組み付け前の斜
視図
【図16】同緩衝材により抱持された電子機器製品の斜
視図
【図17】同緩衝材に抱持された電子機器製品がダンボ
ールの箱に詰められる状態の斜視図
【符号の説明】
1 緩衝材 2 保持体 21、22、23 面 221、222 折り返し面 221S、222S 側縁部 223 折り目 231、232 折り返し面 231S、232S 側縁部 233 折り目 24、25 折曲部 241、251 部分折り返し部(受け部) 26、27 スリット 261、271 部分スリット 28、29 折り目 20 部分 211 切れ目 3 支持体 31、32、33 面 321、322 折り返し面 322S、331S 上縁部 323、333 折り目 324、325 突起 331、332 折り返し面 321S、332S 下縁部 34、35 折曲部 36 切欠部 37 スリット 38 突片部 39 切抜部 30 部分 311 切れ目

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 梱包物の周囲に沿って当接可能に形成さ
    れた保持体と、前記保持体に交差状に結合され、前記梱
    包物を挟持可能に形成された支持体とを具備し、前記保
    持体と前記支持体の少なくとも一方に、外力に抗する補
    強手段を備えたことを特徴とする緩衝材。
  2. 【請求項2】 前記保持体と前記支持体の少なくとも一
    方に、前記外力を吸収する緩衝手段を備える請求項1に
    記載の緩衝材。
  3. 【請求項3】 前記保持体は前記梱包物の周囲に沿って
    当接可能に平面形状が略コ字形に形成された3面を有
    し、前記補強手段として、前記保持体の両側の2面がそ
    れぞれ、その面材料を重合して形成される請求項1又は
    2に記載の緩衝材。
  4. 【請求項4】 前記支持体は前記梱包物を挟持可能に側
    面形状が略コ字形に形成された3面を有し、前記補強手
    段として、前記支持体の両端側の2面の少なくとも一方
    が、面材料を重合して形成される請求項1乃至3のいず
    れかに記載の緩衝材。
  5. 【請求項5】 前記補強手段として、前記梱包物を挟持
    する前記支持体の両端側の2面に外側から当接し、前記
    支持体を押さえ可能な柱構造の受け部を備える請求項1
    乃至4のいずれかに記載の緩衝材。
  6. 【請求項6】 前記緩衝手段として、前記支持体の中間
    の面から外側に向けて延びた第1の突起と、この第1の
    突起よりもさらに先方まで延びた第2の突起とを設け、
    前記外力に対向して前記第2の突起が前記第1の突起よ
    りも先に衝突面に衝接して緩衝を行う請求項2乃至5の
    いずれかに記載の緩衝材。
  7. 【請求項7】 梱包物の周囲に沿って当接可能に、略コ
    字形に折曲可能な3面を有し、これら3面のうち両端側
    の各面の折曲部に対して交差状に複数のスリットが形成
    された板材からなる保持体と、梱包物を挟持可能に、略
    コ字形に折曲可能な3面を有し、その両端側の2面を、
    折曲後の前記保持体の各スリットに挿通して組み付け可
    能に、先端側にスリットを入れた複数の突片部と各突片
    部間の切欠部とにより形成された板材からなる支持体と
    を備え、前記保持体と前記支持体の両端側の2面はそれ
    ぞれ、複数の折り返し面からなり、これら折り返し面を
    重合して形成されることを特徴とする緩衝材。
  8. 【請求項8】 前記保持体の前記スリットの外側で、前
    記3面の折曲部の両側にそれぞれ折り目が設けられ、前
    記保持体の内方に向けて突出可能な部分折り返し部を形
    成されている請求項7に記載の緩衝材。
  9. 【請求項9】 前記支持体の両側の2面に、前記各折り
    返し面の縁部から外側に向けて複数の突起を備え、前記
    一方の折り返し面の突起が前記他方の折り返し面の突起
    に対して異なる突出状態にして形成される請求項7又は
    8に記載の緩衝材。
  10. 【請求項10】 前記保持体を前記折曲部と前記スリッ
    トとを含む部分毎に分割可能に、前記保持体の中間の面
    に切れ目が設けられ、前記支持体を前記突片部を対にし
    た部分毎に分割可能に、前記支持体の3面に切れ目が設
    けられている請求項7乃至9のいずれかに記載の緩衝
    材。
  11. 【請求項11】 前記保持体、前記支持体の材料にダン
    ボールが用いられる請求項1乃至10のいずれかに記載
    の緩衝材。
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