JP2002086729A - 液体吐出ヘッド、その製造方法及び液体吐出装置 - Google Patents

液体吐出ヘッド、その製造方法及び液体吐出装置

Info

Publication number
JP2002086729A
JP2002086729A JP2001208411A JP2001208411A JP2002086729A JP 2002086729 A JP2002086729 A JP 2002086729A JP 2001208411 A JP2001208411 A JP 2001208411A JP 2001208411 A JP2001208411 A JP 2001208411A JP 2002086729 A JP2002086729 A JP 2002086729A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
liquid
movable member
heating element
flow path
liquid flow
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001208411A
Other languages
English (en)
Inventor
Masahiko Ogawa
正彦 小川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2001208411A priority Critical patent/JP2002086729A/ja
Publication of JP2002086729A publication Critical patent/JP2002086729A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
    • B41J2/01Ink jet
    • B41J2/135Nozzles
    • B41J2/14Structure thereof only for on-demand ink jet heads
    • B41J2/14016Structure of bubble jet print heads
    • B41J2/14032Structure of the pressure chamber
    • B41J2/14048Movable member in the chamber

Landscapes

  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 発熱体での気泡生成による発生圧力を効率的
に吐出口7に導き、液体を吐出させる。 【解決手段】 気泡を生成する発熱体が形成された基板
1上に、液体流路9を構成する液体流路壁12が、液体
流路9の端部には吐出口7が形成されている。発熱体の
上流側(吐出口7の反対側)には、液体流路9を塞ぐよ
うに可動部材11が形成され、さらにその上流側には可
動部材11の上流側への変位を制限する狭窄部13が形
成されている。気泡生成時には、可動部材11により液
体の上流側への移動が妨げられ、吐出口7に液体を効率
的に移動させて吐出させることができ、消泡時には、可
動部材11が下流側に変位して効率的に液体流路9内に
液体を充填できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、紙、プラスチック
シート、布、物品などを包含する被記録媒体に対して、
例えば、インクなどの機能性液体などを吐出して付着さ
せることにより、文字、記号、画像などの記録、印刷な
どを行う液体吐出ヘッド、その製造方法及び液体吐出装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】液体吐出ヘッド(インクジェット記録ヘ
ッド)としては、例えば、発熱体からの熱エネルギーを
利用してインクを発泡させ吐出して、画像を記録するも
のがある。
【0003】従来、このようなインクジェット記録ヘッ
ドには、例えば、図9に示すような、インクを吐出させ
るための発泡用の発熱体108が搭載されている基板1
01の上に、インク導入口103、共通液室104、液
体流路105、吐出口107を有する天板102を載せ
て構成するインクジェット記録ヘッドがある。
【0004】このようなインクジェット記録ヘッドにお
いては、今後、ますます高画質、高解像度、高速度など
の様々な記録性能が求められる。このような記録性能を
実現するために、多数の吐出口107を有し、小さいイ
ンク液滴を吐出できるインクジェット記録ヘッドを構成
する必要がある。
【0005】このようなインクジェット記録ヘッドで
は、解像度を高くするために、吐出するインク滴を小さ
くする方法として、発泡用の発熱体の面積を単純に小さ
くする方法がとられているが、発熱体の面積を小さくす
ると、発熱体の発生する熱エネルギーのうち、発泡に寄
与するエネルギーの割合がだんだん減少していくため、
所望の発泡が得られなくなる。充分な発泡エネルギーを
発生させるためには、発熱体の面積を大き目に設定する
必要があり、発熱体の面積を大きくすると消費エネルギ
ーが増加してしまう。また、発熱体の面積を小さくする
と気泡自体が小さくなるために、発泡が吐出に寄与する
効率が落ちることになる。また、高速な記録を可能とす
るために、ノズルの配設密度を高くすると、発熱体の数
が増加する一方、前記のように発熱体の面積はそれ程小
さくできないので、消費エネルギーが大きくなるという
問題があった。
【0006】これに対して、発泡による発生圧力を効率
的に吐出口へ導き、エネルギー効率を高めることができ
るインクジェット記録ヘッドとして、ヨーロッパ公開特
許0436047号公報には、液体流路内の、共通液室
から発熱体までの間に、発熱体の駆動により圧力が発生
した際には液体流路を遮断し、液体を吐出した後、共通
液室から発熱体へのインクの流れが生じるリフィルの際
には、液体の流れを許容する各種の弁機構を設けたイン
クジェット記録ヘッドが開示されている。このインクジ
ェット記録ヘッドは、発熱体の駆動により発生した圧力
が、吐出口の反対側である共通液室側へ逃げることを抑
止し、発生圧力を効率的に吐出口側へ導き、エネルギー
効率を向上させることを目的として構成されている。
【0007】また、USP4514742号公報には、
発熱体を用いず、電気機械変換体であるピエゾ素子を利
用した、ピエゾ素子が発生させる圧力をインクに作用さ
せインク液滴を吐出するインクジェット記録ヘッドとし
て、インクを圧力室に補給するためのインク補給路と、
インクを吐出するための圧力を発生させるピエゾ素子を
有する圧力室と、の間にピエゾ素子の駆動により圧力が
発生した際にはインク供給路を遮断し、液体を吐出した
後、インク供給路から圧力室へのインクの流れが生じる
リフィルの際には、液体の流れを許容する各種の弁機構
を設けたインクジェット記録ヘッドが開示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記のヨーロ
ッパ公開特許0436047号公報に開示された弁機構
は、液体流路を塞ぐ弁部材として、液体流路の高さと同
じ高さの弁部材を用いているが、弁部材が流路の上下面
と接触した状態で移動することになり、弁部材の移動の
際に流路の上下面と弁部材との間に摩擦が生じるため、
弁部材がスムースに移動できるようにすることは困難で
あり、実用的ではない。
【0009】また、同公報には、共通液室と発熱体との
間に加え、発熱体と吐出口との間にも弁機構を設ける構
成が開示されている。しかし、この弁機構は定常状態で
液体流路を塞ぐように構成されたものであり、リフィル
の際には、弁部材を移動させる力が加わらなければ液体
の流れは生じない。そこで、消泡よって圧力低下が生じ
る発熱体部分には、弁機構の前後で発生する圧力差によ
って弁部材を移動させ、液体をリフィルさせることがで
きても、吐出口部分へリフィルを生じさせる力は、液体
の表面張力のみであり、大きな力ではないので、吐出口
部分に液体を充分にリフィルさせることができない懸念
がある。
【0010】また、前記のUSP4514742号公報
では、弁機構として、液体流路を一部狭くするような形
状の弁座と、インクの流れが生じていない定常状態でこ
の弁座に密着するようにして液体流路を遮断する、弾性
体からなる板状の弁部材とを設けた構成が開示されてい
る。この弁部材は、リフィルの際に液体の流れによって
変位し、液体の流れを許容するものであるが、定常状態
で液体流路を遮断するように弁座側へ付勢されているた
め、リフィルの際の変形にはある程度の力が必要であ
り、充分にリフィルが行われないうちに再び液体流路を
遮断して液体の補給特性を悪化させる懸念がある。
【0011】また、同公報では、中央部に穴が開いた形
状の弁部材を有し、定常状態で液体流路の中心部を開放
する構成の弁機構が開示されているが、この構成では、
発熱体の駆動により発生した圧力が、弁部材が変形して
弁座に密着するまでの間は、共通液室側に逃げてしまう
ので、エネルギー効率を向上させる効果が小さくなって
しまう。
【0012】さらに、同公報では、弁機構が設けられた
液体流路を迂回する別の通路を設けた構成を開示してい
るが、この構成では、発熱体の駆動により発生した圧力
の一部が、この別通路から逃げてしまうため、エネルギ
ー効率を向上させる効果が小さくなってしまい、また、
弁部材を変形させる弁部材の前後の圧力差がこの通路を
介して緩和されてしまい、弁部材を充分に変位させるこ
とができずに弁機構の機能が低下してしまう懸念があ
る。
【0013】そこで、本発明の目的は、流路内の構造上
の特性を有効に利用することにより上記従来例の課題を
解決し、エネルギー効率を向上させることができ、しか
も液体のリフィルをスムースに行うことができる新規な
弁機構を備えたインクジェット記録ヘッドを提供するこ
とにある。
【0014】本発明の別の観点からの目的は、電気熱変
換体(発熱体)が液体に生じさせる膜沸騰により形成さ
れる気泡が、流路の高さに応じて、この気泡が発生する
面(発熱体の表面)からの高さ成分においてほぼ上限が
決まることから、膜沸騰により形成される気泡に対し
て、効率よい規制を行うことができる可動部材を有する
インクジェット記録ヘッドを提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】前記の課題を解決するた
め、本発明による液体吐出ヘッドは、液体を滴として吐
出する吐出口と、該吐出口に連通し、液体に熱エネルギ
ーを与えることによって気泡を発生させるための発熱体
を備えた液体流路と、該液体流路に供給する液体を保持
する共通液室とを有する液体吐出ヘッドにおいて、前記
液体流路内には、前記発熱体と前記共通液室との間に配
された狭窄部と、該狭窄部と前記発熱体との間に、前記
液体流路の前記発熱体が設けられた面から液体の供給方
向に関して略垂直方向に立ち上がるように形成され、液
体の供給方向に関して前記狭窄部と所定の間隔を有し、
自由端が前記液体流路の前記発熱体が設けられた面と対
向する面に対して微小間隙を有する、変位可能な板状の
可動部材とを有することを特徴とする。
【0016】この構成によれば、発熱体が気泡を発生さ
せ圧力を発生する際、可動部材が、発生圧力により狭窄
部側へ変位し液体流路を実質的に塞ぎ、液体流路の吐出
口とは反対側の共通液室側(上流側)への液体の移動を
妨げるので、発泡により発生する圧力の上流側への拡散
を抑止でき、発生圧力を効率的に吐出口側(下流側)へ
導くことができる。特に、発泡初期には、気泡は発熱体
が設けられた面(下面)付近で水平に広がろうとする
が、可動部材は下面から立ち上がるように形成されてお
り、したがって下面付近は可動部材により効果的に塞ぐ
ことができるので、発泡初期の気泡により生じる圧力波
の上流方向への拡散を大幅に減じることができる。
【0017】また、気泡の成長に際しても、可動部材と
液体流路の発熱体が設けられた面に対向する面(天井)
方向へは液体は移動できないので気泡は主として水平方
向に広がろうとし天井までは到達しない。そして、この
天井近辺には液体が殆ど流れない微小な(10μm程
度)層が形成される。しかも、気泡から液体へは主とし
て気泡表面の法線方向に圧力が伝達されるので、この層
においては、液体流路方向への液体の流れがほとんどな
い。そしてこの層から流路中央部に向かって、徐々に液
体が流れ易くなっている。本発明において、天井との間
に微小間隙を形成する可動部材の高さは、液体流路方向
への液体の流れが大きい領域が位置する高さ、すなわ
ち、液体吐出過程で気泡が最大に成長する際(最大発泡
時)の気泡の高さを下限として形成されることが望まし
い。そしてこの微小間隙が前記した液体の殆ど流れない
層が存在するのに充分な高さを確保し得るように、可動
部材の高さの上限が定められることが望ましい。可動部
材と天井との間の微小間隙をこのように設定することに
より、気泡の成長過程において可動部材の変位が狭窄部
により妨げられる時には、可動部材が無い場合に液体流
路方向への液体の大きな流れが生じ得る領域は、高さ方
向に関しては可動部材により実質的に塞がれるため、気
泡成長過程においては微小間隙から上流側への液体の拡
散がほとんど生じない。(ただし、可動部材の側方を通
過する液体の流れは存在し得る。)一方、液体を吐出し
た後には、消泡による圧力低下のために発熱体側へ液体
が移動しようとする力により、可動部材が発熱体側へ撓
み変形し、可動部材と天井との間の間隔が広がり、可動
部材の自由端が低い位置に来るため、液体流路方向への
液体の大きな流れが生じ得る領域が部分的に開放され、
液体を共通液室から液体流路内に効率的に導くことがで
きる。
【0018】このように、本発明によるインクジェット
記録ヘッドは、発熱体が発泡により圧力を発生する際に
は、液体が上流側へ拡散することを抑止でき、液体の吐
出後には、効率的に液体流路内に液体を導くことができ
るので、液体吐出過程全体では、液体が共通液室側から
吐出口側へ効果的に移動するようにでき、インク吐出後
に液体流路内に液体が充填されるまでの時間を短くする
ことができる。
【0019】前記のように、液体流路方向への液体の流
れがほとんど生じない領域は、天井からの距離が10μ
m程度以内の領域であり、可動部材と天井との間の微小
間隙は、可動部材が変形していない状態で、2μm以上
かつ15μm以下となるようにすることが望ましい。ま
た、可動部材が狭窄部側へ変位した際に、この微小間隙
が過大にならないようにするため、可動部材と狭窄部と
の間の流路方向の距離は10μm以下とすることが望ま
しい。
【0020】また、発熱体を長期間続けて駆動すると、
従来のものは、熱が蓄積されてインクジェット記録ヘッ
ド内の温度が高くなることがある。この場合には、発熱
体に同じ駆動エネルギーを与えても、温度が低い場合に
比べて気泡が大きく成長し、このために液体の吐出量が
変化する。これに対し、本発明のインクジェット記録ヘ
ッドでは、上述した通り、エネルギー効率が良くなるた
め、従来と同じ液体の吐出量、吐出速度を出そうとすれ
ば、発熱体の面積を小さくすることができる。すなわ
ち、従来のインクジェット記録ヘッドより駆動エネルギ
ーを小さくすることができる。したがって、発熱体を長
時間続けて駆動しても、インクジェット記録ヘッド内へ
の熱の蓄積が小さいため、液体の吐出量の増加が小さく
抑えられる。
【0021】本発明のインクジェット記録ヘッドにおい
て、空間的エネルギー損失が生じることにより、気泡が
成長するときに、上流側への圧力の拡散を抑止する効果
が薄れてしまい、また、気泡が消泡に向かうときに、可
動部材が発熱体側に変形する効果が薄れてしまうので、
発熱体の可動部材側の端部と可動部材との距離は30μ
m以下とすることが望ましい。
【0022】可動部材の材料としては、窒化シリコンま
たは酸化シリコンまたは炭化シリコンのいずれかを用い
ることができる。
【0023】また、本発明の液体吐出ヘッドの、別の観
点からの特徴は、前記可動部材が、前記液体流路の、前
記発熱体が設けられた面に対向する面に接触することな
く変位するものであり、前記略垂直方向における前記可
動部材の高さが、前記発熱体が液体に膜沸騰を生じさせ
てから該膜沸騰により形成される気泡が最大の大きさに
成長するまでの間中、前記略垂直方向における前記気泡
の高さよりも高いことである。このような可動部材を設
けることで、可動部材が、気泡の成長に伴う、吐出口に
対して反対側の後方領域(リフィル側)におよぶ圧力波
や流体の流れに対しての流体抵抗素子として作用すると
共に、リフィル時には可動部材が変形もしくは変位し
て、リフィル効果を向上させることができる。
【0024】本発明による液体吐出ヘッドの製造を、液
体流路の側壁の形成工程と可動部材の形成工程とを、半
導体製造プロセスを用いて同時に行えば、液体流路壁と
可動部材とを同時に形成するので、効率的な製造を行う
ことができる。また、半導体製造プロセスでは、エッチ
ングのマスクパターンなどを変えることにより、同一の
製造ラインで、異なる形状の構成物を容易に形成するこ
とができるので、液体流路壁および可動部材の形状が異
なるインクジェット記録ヘッドを容易に製造することが
できる。また、基板上に発熱体とその駆動回路を形成す
る半導体製造プロセスにより液体流路壁を形成するの
で、これらの寸法精度が高い液体吐出ヘッドを製造でき
る。
【0025】また、本発明による液体吐出装置は、上記
の液体吐出ヘッドを搭載して、被記録媒体に滴を付着さ
せる液体吐出装置であって、前記被記録媒体を搬送する
装置を有することを特徴とするものである。
【0026】なお、本明細書において、可動部材が液体
の供給方向に対して略垂直方向に立ち上がっているとい
うことは、液体の供給方向に対して垂直な方向からの可
動部材の立ち上がり方向の傾きが10程度以内であるこ
とを意味している。
【0027】また、本明細書において、発熱体が設けら
れた面とは、発熱体の下地となっている面、発熱体の表
面及び発熱体を保護する保護層の表面など、発熱体が設
けられた面の上層及び下層にある、それら層の厚さの値
が可動部材の高さの値と比べて実質的に無視できる層の
表面を含むものであることを意味している。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。
【0029】図1〜3に本発明の一実施例のインクジェ
ット記録ヘッドを示す。図1は、インクジェット記録ヘ
ッドの液体流路9部分の斜視図、図2はその平面図、図
3はこの液体流路9の上面に配置される天板2を示して
いる。
【0030】図2に示すように、基板1には規定の間隔
で一列に発泡用の発熱体8が形成されており、基板1上
に、発熱体8に対応する間隔で形成された液体流路壁1
2によって液体流路9が形成されている。液体流路壁1
2の液体流路9端部に当たる部分には、液体(インク)
を吐出するための吐出口7が形成されている。液体流路
9の途中、発熱体8の上流側(吐出口7の反対側)に
は、液体流路9の一部を塞ぐように可動部材11が形成
されており、液体流路9を上流側の液体流路9aと下流
側の液体流路9bとに区分している。可動部材11は、
基板1上に、力が加わっていない状態で基板1に対して
略垂直方向に立ち上がるように形成されており、固定さ
れた底部を支点として、インクの流れ方向に変位(弾性
変形)可能である。可動部材11の上流側には、可動部
材11の上流側への変位を妨げるように液体流路9の幅
を狭くするような形状の狭窄部13が形成されている。
狭窄部13と可動部材11との間には、L1の間隔が設
けられており、また、可動部材11の高さは液体流路壁
12の高さよりH1だけ低くなっている。この液体流路
壁12の上面に、各液体流路9に連通する共通液室4と
インクジェット記録ヘッドの外部から共通液室4にイン
クを導入するインク導入口3とを有する天板2が接合さ
れ、インクジェット記録ヘッドが構成される。この構成
では、天板2の位置を液体流路9の位置に厳密に合わせ
る必要がないので、位置合わせが容易であり、製造が非
常に容易である。また、可動部材11の高さは液体流路
壁12の高さよりH1だけ低くなっているので、可動部
材11は天板2に接触することなくスムースに移動可能
である。
【0031】次に、発熱体8によりインクを加熱して発
泡させ、インクを吐出させる様子を図4,5を参照して
説明する。図4はインク吐出工程を順に示したインクジ
ェット記録ヘッドの断面図である。図5は可動部材11
付近の拡大図であり、図5(a)は気泡が最大になった
状態、図5(b)は消泡時の状態を示している。
【0032】図4(a)は、液体流路9にインクが満た
されている、発熱体8の駆動前の状態を示している。こ
の状態では、インクと空気が接する部分であるメニスカ
ス14は、吐出口7の部分で安定しており、可動部材1
1も力を受けずに安定している。
【0033】不図示の駆動回路により発熱体8に通電す
ると、発熱体8は発熱し、温度が上昇する。発熱体8の
上部のインクとの界面温度が、インクの膜沸騰温度にな
るとインクは膜沸騰をし、図4(b)に示すように、発
泡を始める。発泡により生じた気泡は、発熱体8上から
放射状に広がろうとするが、上方には天井があるのでイ
ンクはこの方向にはほとんど移動できず、このため気泡
は横方向に大きく成長しようとする。ここで、可動部材
11が設けられていない場合には、発熱体8から共通液
室4へ向かう上流方向の液体流路9aの流路抵抗に比
べ、発熱体8から吐出口7へ向かう下流方向の液体流路
9bの流路抵抗は、吐出口7があるために相対的に大き
いので、気泡は上流方向の液体流路9aの下面をはうよ
うに大きく成長し、圧力は上流方向に逃げてしまう。こ
れに対して、本実施例のインクジェット記録ヘッドで
は、液体流路9aの特に下側を効果的に塞ぐ可動部材1
1が設けられているため、気泡の上流側への成長を効果
的に抑制し、圧力を吐出口7側へ導くことができる。特
に、発泡の初期段階では、気泡は下面付近に水平に広が
ろうとするので、この際の圧力波の上流方向への拡散を
大幅に減じることができる。
【0034】このように、可動部材11を設けることに
より、吐出させるインクの吐出量と吐出スピードを増大
する作用が得られる。したがって、同じ吐出量、吐出ス
ピードを得るために必要な発熱体8の発生エネルギー
は、可動部材11が設けられていないインクジェット記
録ヘッドに比べ、可動部材11が設けられている本実施
例のインクジェット記録ヘッドのほうが少なくて済み、
発熱体8の面積を小さくしたり、発熱体8への駆動エネ
ルギーを小さくしたりしても同じ吐出量、吐出スピード
を得ることができ、すなわちインクジェット記録ヘッド
の消費エネルギーを小さくできる。
【0035】なお、発熱体8と可動部材11との流路方
向の距離L2が長い場合には、空間的エネルギー損失が
生じることにより、上流側への気泡成長を抑止する効果
が薄れてしまう。そこで、発熱体8の上流側端部と可動
部材11との距離L2は30μm以下とすることが望ま
しい。
【0036】ここで、図4(b),(c),(d)に示
すように、気泡が成長すると、可動部材11は、上流側
方向に加わる圧力により変位して可動部材11と天井と
の間の間隔はH1からH2へと大きくなるが、狭窄部1
3によって可動部材11の変位は制限されるので、H1
からH2への変化はあまり大きなものではない。また、
通常、天井近辺には、インクの流れがほとんど生じない
微小な(10μm程度)層ができ、しかも、インクは気
泡の表面の法線方向に加わる圧力によって移動し、また
前記のように気泡は天井方向へは大きく成長しないた
め、図5(a)に示すように、気泡が最大に成長して
も、この層にはインクの流れがほとんどない。そして、
この層から流路中央部に向かって、徐々に液体が流れ易
くなっている。そこで、本実施例では、可動部材11が
無い場合にインクの大きな流れが起こり得る領域、すな
わち図5(a)に示す最大気泡の高さよりも下方にあた
る領域は、高さ方向に関しては可動部材11により実質
的に塞がれるように可動部材11および微小間隙の大き
さを設定し、この微小間隙から上流側へインクがほとん
ど拡散しないようにしている。このため、可動部材11
と天井との間の微小間隙から上流側へインクが逃げるこ
とによる損失は小さい。
【0037】このように、可動部材11と天井との間の
微小間隙から上流側へインクが逃げないようにするた
め、可動部材11と天井との間の距離H1は2〜10μ
m程度とすることが望ましく、また、可動部材11が上
流側に変位した際の可動部材11と天井との距離H2を
余り大きくしないために、狭窄部13と可動部材11と
の流路方向の距離L1は10μm程度以下とすることが
望ましい。
【0038】泡の消泡時には、図4(e),(f),
(g)に示すように、可動部材11は、下流側に引っ張
られて湾曲し、これによって可動部材11と天井との間
の距離はH3,H4へと大きくなり流路面積が大きくな
るので上流側の流抵抗は小さくなる。さらに、図5
(b)に示すように、可動部材11の自由端が低い位置
に来て、インクの大きな流れが生じ得る領域が部分的に
開放されるので、上流側の液体流路9aから効率的にイ
ンクを導いてリフィルできる。
【0039】このように、本実施例のインクジェット記
録ヘッドでは、気泡の成長時には、上流側へ流れるイン
クの量を低減して下流側へ効率的にインクを導くことが
でき、気泡の消泡時には可動部材11が変位することに
よりインクを下流側へ効率的に導くことができるので、
インク吐出過程の全体で見ると、インクを下流側に移動
させることになり、図4(g)に示すように、泡の消泡
部分15は、発熱体8の中心線Z−Z’よりも下流側の
ほうに位置し、また、インク吐出後のメニスカス14の
吐出口7の後方への後退量は小さい。
【0040】以上説明したように、本実施例によれば、
インクジェット記録ヘッドに可動部材11を設けること
により、発泡によるインクの移動を効率的に吐出口7に
導き、インクを吐出させることができ、消費エネルギー
を小さくし、駆動コストを小さくすることができる。特
に、インク吐出口7の数が多く、高解像度、高画質記録
を行うインクジェット記録ヘッドにおいて、発熱体8の
面積を小さくすることができ、顕著に消費エネルギーを
小さくできる。さらに、インク吐出後のメニスカス14
の吐出口7からの後退量を小さくできるので、吐出口7
の近くにメニスカスが戻った状態(図4(a)の状態)
になるまでの時間が短くて済む。このためインクの吐出
の繰り返しを速く行うことができ、高い周波数で液滴吐
出を繰り返し行う、高速記録動作が可能となる。
【0041】また、気泡の成長過程および消泡過程で、
可動部材11の根元部分には圧力が加わるが、図4に示
すように、可動部材11の根元付近では直進しようとす
るインクの流れが阻止されるために渦状のインクの流れ
が生じ、このため可動部材11の根元部分に加わる圧力
はあまり大きくはならず、可動部材11の耐久性に与え
る影響は小さい。また、可動部材11の変位量も余り大
きくないので、変位の支点となる根元部分に加わる応力
は小さく、本実施例のインクジェット記録ヘッドにおけ
る可動部材11の耐久性は高い。
【0042】次に、図1〜3に示したインクジェット記
録ヘッドの可動部材11の製造方法を、図6を参照して
説明する。
【0043】図6(a)は、発泡用の発熱体8が搭載さ
れている基板1の上部断面を示している。この基板1の
上に、アルミニウムの層をスパッターにより形成して、
それをエッチングし、次工程で形成する窒化シリコン膜
(第1のSiN膜)17をエッチングする際に基板1に
ダメージを与えないようにする第1のエッチングストッ
プ層16を図6(b)に示すように形成する。それから
その上に、プラズマCVD(Chemical Vapor Depositio
n)などで図6(c)に示すように第1のSiN膜17
を高速成膜する。この第1のSiN膜17が可動部材1
1、液体流路壁12の材料となる。そして、その上にア
ルミニウムの層をスパッターにより形成して、それをエ
ッチングし、可動部材11と天板2との間に可動部材1
1が変位可能になるように微小間隙を空けるための第2
のエッチングストップ層18を図6(d)に示すように
形成する。そしてその上に、図6(e)に示すように、
再度、窒化シリコン膜(第2のSiN膜)19を高速成
膜する。その上にアルミニウムの層をスパッターにより
形成して、それをエッチングして、第1,第2のSiN
膜17,19のエッチング用のエッチングマスク層20
を図6(f)に示すように形成する。そして、図6
(g)に示すように、第1,第2のSiN膜17,19
を第1,第2のエッチングストップ層16,18の部分
まで高速エッチングし、最後に、第1,第2のエッチン
グストップ層16,18とエッチングマスク層20のア
ルミニウムを除去して図6(h)に示すように可動部材
11、液体流路壁12を形成する。この液体流路壁12
の高さは、第1,第2のSiN膜17,19の成膜の厚
さになり、吐出量、吐出スピード、最小繰り返し発泡時
間などを所望の値とするように考慮して設定する。
【0044】このように、一般的な半導体製造プロセス
により、可動部材11と液体流路壁12とを同時に製造
できる。この半導体製造プロセスでは、可動部材11や
液体流路壁12などのパターンが異なる場合でも、ほと
んど同様の過程で製造を行うことができるので、インク
ジェット記録ヘッドが搭載されるインクジェット記録装
置(プリンター)の仕様に応じて、最適なインクジェッ
ト記録ヘッドを同一の製造ラインで容易に製造できる。
【0045】また、駆動回路と発泡用の発熱体8と液体
流路壁12とを1枚のシリコンウエハ上に半導体製造プ
ロセスで製造できるため、工程上の寸法精度が著しく向
上し、高密度でかつ、インク吐出の安定性の高いインク
ジェット記録ヘッドを製造できる。
【0046】図7に、本発明の他の実施例による液体吐
出ヘッドの断面図を示す。同図において、図1〜3に示
した実施例と同様の部分については、同一の符号を付
し、説明を省略する。
【0047】図7に示したインクジェット記録ヘッド
は、図1〜3に示したものとインクの吐出方向が90度
異なる。すなわち、図1〜3に示したインクジェット記
録ヘッドは、発熱体8が形成された面に平行な方向にイ
ンクを吐出するのに対し、図6に示したインクジェット
記録ヘッドには、発熱体8が形成された面に垂直な方向
に吐出口7が設けられており、この方向にインクを吐出
する。
【0048】図7(a)に示したインクジェット記録ヘ
ッドは、液体流路9の一方向(図7(a)右方向)から
インクを導いて吐出させるものであり、発熱体8の右側
に可動部材11と狭窄部13とが設けられ、反対側は壁
になっている。一方、図7(b)に示したインクジェッ
ト記録ヘッドは、液体流路9の両方向からインクを導く
ものであり、発熱体8の両方向に可動部材11と狭窄部
13とが設けられている。
【0049】このように、インク吐出方向が異なるイン
クジェット記録ヘッドでも、吐出動作は、図4,5に示
した動作と実質的に同様になり、図1〜3に示したイン
クジェット記録ヘッドと同様に、可動部材11を設ける
ことにより、消費エネルギーが小さく、高い周波数で液
滴吐出を繰り返し行うことができる。
【0050】なお、図7(a),(b)のいずれのイン
クジェット記録ヘッドでも、図1〜3に示したインクジ
ェット記録ヘッドと同様に、天井と可動部材11との距
離H1は、2〜15μm程度、狭窄部13と可動部材1
1との距離L1は10μm程度以下、発熱体8と可動部
材11との距離L2は30μm程度以下とすることが望
ましい。
【0051】図8は、上記のインクジェット記録ヘッド
を備えたヘッドカートリッジ210を搭載したインクジ
ェット記録装置200を示す斜視図である。図8に示さ
れるインクジェット記録装置では、互いに平行なリード
スクリュー204およびガイド軸205が筐体に備えら
れている。リードスクリュー204およびガイド軸20
5には、キャリッジ201がリードスクリュー204お
よびガイド軸205と平行な方向に移動可能に取り付け
られている。キャリッジ201は、キャリッジモーター
(不図示)によってリードスクリュー204が回転され
ることで平行移動させられる。
【0052】キャリッジ201には、図1に示したよう
なインクジェット記録ヘッドを備えたヘッドカートリッ
ジ210が搭載されている。インクジェット記録ヘッド
の吐出面の移動軌跡面の近傍には、紙押さえ板209が
備えられている。
【0053】また、インクジェット記録装置には、被記
録媒体である記録用紙206をインクジェット記録ヘッ
ドの記録領域に向けて搬送する給紙ローラ207と、イ
ンクジェット記録ヘッドにより記録された記録用紙20
6を排出するための排紙ローラ208とが備えられてい
る。給紙ローラ207および排紙ローラ208は、不図
示のモータにより回転される。そのモータや、給紙ロー
ラ207および排紙ローラ208などから、ヘッドカー
トリッジ210のインクジェット記録ヘッドから吐出さ
れた液体を受ける記録用紙206を搬送する被記録媒体
搬送機構が構成されている。そして、被記録媒体搬送機
構による記録用紙206の搬送方向と交差する方向にキ
ャリッジ201が往復移動する。
【0054】インクジェット記録ヘッドから吐出される
インクが、インクジェット記録ヘッドの吐出口面と対向
する記録用紙206に付着することによって、記録用紙
206の表面に記録画像が形成される。インクジェット
記録ヘッドによる記録用紙206への記録と連動して、
モータにより回転される給紙ローラ207および排紙ロ
ーラ208と、紙押さえ板209とによって記録用紙2
06がインクジェット記録装置の外部に排出される。
【0055】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
発泡により発生する圧力が、吐出口の反対側に逃げてし
まうのを抑止し、特に、発泡初期の液体流路の底面付近
を水平に広がる圧力波の拡散を効果的に抑止し、圧力が
効率的に吐出口側へ向かうようにすることができ、イン
クジェット記録ヘッドの消費エネルギーを少なくするこ
とができる。
【0056】また、本発明のインクジェット記録ヘッド
では、上述した通り、エネルギー効率が良くなるため、
従来と同じ液体の吐出量、吐出速度を出そうとすれば、
発熱体の面積を小さくすることができる。すなわち、従
来のインクジェット記録ヘッドより駆動エネルギーを小
さくすることができる。したがって、発熱体を長時間続
けて駆動しても、インクジェット記録ヘッド内への熱の
蓄積が小さいため、液体の吐出量の増加が小さく抑えら
れる。
【0057】また、本発明によるインクジェット記録ヘ
ッドは、発泡による発生圧力により液流路内の液体が共
通液室側に移動することを抑止でき、液体吐出後の液体
流路への液体充填にかかる時間を短くすることができる
ので、短い周期で発泡を繰り返し行うことができる。す
なわち、消費エネルギーが少なく、高速度の記録が可能
なインクジェット記録ヘッドとすることができ、今後の
多数のノズルを有するインクジェット記録ヘッドに対し
て好適に適用できる。
【0058】また、可動部材が液体流路を塞いでいる状
態でも天井付近に微小間隙が有り、インクジェット記録
ヘッドを連続使用して、ヘッド内の温度が上がり、ヘッ
ド内の温度が通常の使用状態よりも高くなり、発泡によ
る気泡が大きくなる場合には、発泡の圧力の一部を微小
間隙から共通液室側へ逃がすことができ、ヘッド内の温
度上昇による液体吐出量の増加量を小さく抑えることが
できる。
【0059】また、本発明のインクジェット記録ヘッド
の、別の観点からの特徴は、可動部材が、気泡発生面に
対向する流路壁面に対して非接触を維持し、かつ前記発
熱体が膜沸騰を生じさせることにより形成される気泡
の、気泡発生面からの高さ成分以上の高さ成分を有する
ように起立していることである。このような可動部材を
設けることで、可動部材が、気泡の成長に伴う、吐出口
に対して反対側の後方領域(リフィル側)におよぶ圧力
波や流体の流れに対しての流体抵抗素子として作用する
と共に、リフィル時には可動部材が変形もしくは変位し
て、リフィル効果を向上させることができ、液滴吐出の
繰り返し周波数を高くすることができる。
【0060】さらに、製造工程上では、駆動回路と発泡
用発熱体と液体流路壁とを1枚のシリコンウエハ上に半
導体製造プロセスで製造できるため、工程上の寸法精度
が著しく向上し、高密度でかつ、インク吐出の安定性の
高いインクジェット記録ヘッドを製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例によるインクジェット記録ヘ
ッドの液体流路部分の斜視図である。
【図2】図1のインクジェット記録ヘッドの液体流路部
分の平面図である。
【図3】図1のインクジェット記録ヘッドの天板の斜視
図である。
【図4】図1のインクジェット記録ヘッドの液体吐出工
程を示す模式図である。
【図5】図1のインクジェット記録ヘッドの可動部材付
近の断面図であり、図5(a)は最大発泡状態、図5
(b)は消泡状態を示している。
【図6】図1のインクジェット記録ヘッドの製造工程を
示す模式図である。
【図7】本発明の他の実施例によるインクジェット記録
ヘッドの液体流路部分の断面図である。
【図8】本発明の一実施例によるインクジェット記録装
置を示す斜視図である。
【図9】従来例のインクジェット記録ヘッドの模式図で
ある。
【符号の説明】
1,101 基板 2,6,102 天板 3,103 インク導入口 4,104 共通液室 7,107 吐出口 8,108 発熱体 9,9a,9b,105 液体流路 11 可動部材 12 液体流路壁 13 狭窄部 14 メニスカス 15 消泡部分 16,18 エッチングストップ層 17,19 Sin膜 20 エッチングマスク層 200 インクジェット記録装置 201 キャリッジ 204 リードスクリュー 205 ガイド軸 206 記録用紙 207 給紙ローラ 208 排紙ローラ 209 紙押さえ板 210 ヘッドカートリッジ

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液体を滴として吐出する吐出口と、該吐
    出口に連通し、液体に熱エネルギーを与えることによっ
    て気泡を発生させるための発熱体を備えた液体流路と、
    該液体流路に供給する液体を保持する共通液室とを有す
    る液体吐出ヘッドにおいて、 前記液体流路内には、前記発熱体と前記共通液室との間
    に配された狭窄部と、該狭窄部と前記発熱体との間に、
    前記液体流路の前記発熱体が設けられた面から液体の供
    給方向に関して略垂直方向に立ち上がるように形成さ
    れ、液体の供給方向に関して前記狭窄部と所定の間隔を
    有し、自由端が前記液体流路の前記発熱体が設けられた
    面と対向する面に対して微小間隙を有する、変位可能な
    板状の可動部材とを有することを特徴とする液体吐出ヘ
    ッド。
  2. 【請求項2】 前記可動部材が、気泡の発生に基づいて
    前記狭窄部を実質的に塞ぐように変位し、気泡の収縮に
    基づいて前記微小間隙を増大させるように前記発熱体側
    に変位するものである、請求項1記載の液体吐出ヘッ
    ド。
  3. 【請求項3】 前記略垂直方向における前記可動部材の
    高さは、前記発熱体が液体に膜沸騰を生じさせてから該
    膜沸騰により形成される気泡が最大の大きさに成長する
    までの間中、前記略垂直方向における前記気泡の高さよ
    りも高い、請求項1または2記載の液体吐出ヘッド。
  4. 【請求項4】 前記微小間隙は、前記略垂直方向に関し
    て、前記液体流路における液体が実質的に流動しない層
    に前記可動部材が触れないような間隔をもつ、請求項1
    から3のいずれか1項記載の液体吐出ヘッド。
  5. 【請求項5】 前記微小間隙が、前記可動部材が変位し
    ていない状態で、2μm以上15μm以下である、請求
    項1から4のいずれか1項記載の液体吐出ヘッド。
  6. 【請求項6】 前記可動部材と前記狭窄部との間の、液
    体の供給方向に関する間隔が10μm以下である、請求
    項1から5のいずれか1項記載の液体吐出ヘッド。
  7. 【請求項7】 前記可動部材と前記発熱体の前記可動部
    材側の端部との間の液体の供給方向に関する間隔が30
    μm以下である、請求項1から6のいずれか1項記載の
    液体吐出ヘッド。
  8. 【請求項8】 前記可動部材の材料が、窒化シリコン、
    酸化シリコン及び炭化シリコンの少なくとも1つからな
    る、請求項1から7のいずれか1項記載の液体吐出ヘッ
    ド。
  9. 【請求項9】 液体を滴として吐出する吐出口と、該吐
    出口に連通し、液体に熱エネルギーを与えることによっ
    て気泡を発生させるための発熱体を備えた液体流路と、
    該液体流路に供給する液体を保持する共通液室と、前記
    液体流路内の前記共通液室と前記発熱体との間に、前記
    液体流路の前記発熱体が設けられた面から液体の供給方
    向に対して略垂直方向に立ち上がるように形成され、自
    由端が前記液体流路の前記発熱体が設けられた面と対向
    する面に対して微小間隙を有する、変位可能な板状の可
    動部材とを有する液体吐出ヘッドであって、 前記可動部材は、前記液体流路の、前記発熱体が設けら
    れた面に対向する面に接触することなく変位するもので
    あり、前記略垂直方向における前記可動部材の高さは、
    前記発熱体が液体に膜沸騰を生じさせてから該膜沸騰に
    より形成される気泡が最大の大きさに成長するまでの間
    中、前記略垂直方向における前記気泡の高さよりも高い
    ことを特徴とする液体吐出ヘッド。
  10. 【請求項10】 前記液体流路の側壁と前記可動部材と
    は、同一の製造工程で形成されたものである、請求項1
    から9のいずれか1項記載の液体吐出ヘッド。
  11. 【請求項11】 前記製造工程は、半導体製造プロセス
    である、請求項10記載の液体吐出ヘッド。
  12. 【請求項12】 請求項1から11のいずれか1項記載
    の液体吐出ヘッドを搭載して、滴を被記録媒体に付着さ
    せる液体吐出装置であって、被記録媒体を搬送する機構
    を有することを特徴とする液体吐出装置。
JP2001208411A 2000-07-12 2001-07-09 液体吐出ヘッド、その製造方法及び液体吐出装置 Pending JP2002086729A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001208411A JP2002086729A (ja) 2000-07-12 2001-07-09 液体吐出ヘッド、その製造方法及び液体吐出装置

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000211404 2000-07-12
JP2000-211404 2000-07-12
JP2001208411A JP2002086729A (ja) 2000-07-12 2001-07-09 液体吐出ヘッド、その製造方法及び液体吐出装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002086729A true JP2002086729A (ja) 2002-03-26

Family

ID=26595879

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001208411A Pending JP2002086729A (ja) 2000-07-12 2001-07-09 液体吐出ヘッド、その製造方法及び液体吐出装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002086729A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015534513A (ja) * 2012-09-12 2015-12-03 船井電機株式会社 マイクロ流体吐出ヘッドのためのメンテナンスバルブ

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015534513A (ja) * 2012-09-12 2015-12-03 船井電機株式会社 マイクロ流体吐出ヘッドのためのメンテナンスバルブ

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4152000B2 (ja) インクジェットプリントヘッド内のインク圧を調整するインク圧調整システムおよびインクジェットプリントヘッド内の液圧を制御する方法
KR101257840B1 (ko) 리스트릭터용 압전 액츄에이터를 구비한 잉크젯 헤드
JP2003025577A (ja) 液体吐出ヘッド
JPH0952364A (ja) 液体吐出ヘッド、液体吐出ヘッドを用いたヘッドカートリッジ、液体吐出装置、液体吐出方法および記録方法
JP2001225475A (ja) 液体吐出ヘッド、液体吐出装置及び前記液体吐出ヘッドの製造方法
JP3372740B2 (ja) 液体吐出ヘッド及び液体吐出装置
JP3797648B2 (ja) 液体吐出ヘッド及び該液体吐出ヘッドを用いた記録装置
JPH1076654A (ja) 液体吐出方法、液供給方法、液体吐出ヘッド、該液体吐出ヘッドを用いた液体吐出ヘッドカートリッジ、及び液体吐出装置
KR100388180B1 (ko) 액체 토출 헤드의 제조 방법
EP1274584B1 (en) Ink jet ejector
JPH09136415A (ja) インクジェットプリントヘッド、インクジェットプリンタおよびインクジェットプリントヘッドのメンテナンス方法
JP3891561B2 (ja) インクジェット記録ヘッド
JP2002086729A (ja) 液体吐出ヘッド、その製造方法及び液体吐出装置
US6460978B2 (en) Liquid discharge head having narrowed portion of liquid flow path between liquid chamber and movable member, method of manufacture therefor, and liquid discharge apparatus having such head
JP2001038908A (ja) 液体吐出ヘッド、ヘッドカートリッジおよび液体吐出装置
JP2002046271A (ja) 液体吐出ヘッドおよび液体吐出装置
US6435670B1 (en) Liquid discharge head, liquid discharge method, liquid discharge apparatus, recovery method for liquid discharge head, and fluid structure body
JP3432077B2 (ja) 液体吐出ヘッド、液体吐出装置および液体吐出方法
JP3459803B2 (ja) 回復方法、および液体吐出ヘッド
JP3535816B2 (ja) 液体吐出ヘッド、液体吐出装置、および液体吐出方法
JP3535817B2 (ja) 液体吐出方法、液体吐出ヘッド、液体吐出装置
JP2002046272A (ja) 液体吐出ヘッド、液体吐出装置および液体吐出方法
JP3507421B2 (ja) 液体吐出ヘッド、液体吐出装置および液体吐出方法
JP2005125696A (ja) インクジェット記録ヘッド
JP2001225471A (ja) 液体吐出ヘッド及び液体吐出装置