JP3891561B2 - インクジェット記録ヘッド - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクを吐出してインク液滴を形成し、記録を行うインクジェット記録装置に用いるインクジェット記録ヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】
プリンタや複写機、ファクシミリ等のプリント装置では、画像情報に基づいて、紙やプラスチック薄板、あるいは布帛などのプリント媒体(記録シート、または記録媒体とも呼ばれる。)上にドットパターンからなる画像をプリントしていくように構成されている。
【0003】
かかるプリント装置は、そのプリント方式によってインクジェット方式,ワイヤドット方式,サーマル方式及びレーザビーム方式などに分けることができる。
【0004】
そのうち、インクジェット方式によるものは、プリントヘッドからプリント媒体上にインクを吐出してプリント(記録)を行うものであり、高精細な画像を高速でプリントすることができ、さらに、ノンインパクト方式であるため騒音が少なく、しかも多色のインクを使用してカラー画像をプリントするのが容易であるなどの利点を有している。インクジェット方式の中でも、特に、インクをヒータで膜沸騰させたときの発泡エネルギーによりインクをノズルから吐出するいわゆるバブルジェット方式が有効である。
【0005】
図9に従来のバブルジェット方式のインクジェット記録ヘッド(「バブルジェットプリントヘッド」とも称す。)を示す。図9(a)は従来ヘッドの複数ノズルのうちの1つを表した平面透視図、同図(b)は同図(a)の吐出口及びインク流路を通って切断したときの断面図、同図(c)は同図(b)のZ−Z’線に沿った断面図である。なお、図において流路構成部材107は透明部材として示している。
【0006】
図9に示すようにバブルジェットプリントヘッドは基板101の上層に電気熱変換素子であるヒータ102を有する。そして基板101上には、ヒータ102の配置面に面して形成されヒータ102を内包する空間部である発泡室103と、発泡室103からインクを所定の方向に吐出させるためのインク吐出ノズル104と、ヒータ102の配置面に面して発泡室103に供給室105からインクを導く供給路106とを形成する平板状の流路構成部材107が設けられている。なお、本明細書では、発泡室(103)から、インク液滴をヘッド外部に吐出する開口である吐出口(108)までの間の部分をインク吐出ノズル(104)と記述する。
【0007】
上記バブルジェット方式の記録ヘッドにおいて、より高い解像度でのプリントを達成するためには、液滴を小さくし、プリント媒体に形成されるドット径を小さくする必要がある。このように液滴を小さくしようとした場合には、インク吐出ノズル先端の開口である吐出口の面積を小さくすることにより可能となる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、液滴を小さくしようとした場合に特に以下のような問題があった。吐出口の面積を小さくすることにより、吐出方向の粘性抵抗が上昇し吐出させるためには多大なパワーが必要になっていた。粘性抵抗は式1で表されるが、
【0009】
【式1】
Figure 0003891561
η:インク粘度 S(x):断面積 G(x):形状係数
例えば、吐出口径がφ10μmよりも小さくなると吐出方向の粘性抵抗が極めて高くなるために、特に顕著であった。また、吐出方向への流抵抗が増加したことにより、エネルギー発生素子としての電気熱変換素子によって発泡した時にインクが吐出口側へ流れにくく、むしろ供給路側へ流れやすくなるために、供給路側への発泡の成長も大きくなっていた。従来は、供給路側への発泡の成長を抑制し、吐出口側へ発泡を成長させやすくし、吐出口側へのエネルギー配分を増やすために、吐出口とは反対側の供給路の流路幅を狭めていたが、単に流路幅を狭めることにより、吐出後に吐出口部へインクを再充填させるための時間が多くかかり、吐出周波数特性(「f特性」とも称す。)が低下していた。
【0010】
さらには、小液滴化によって液滴を吐出させるために多大なパワーを必要とすると、エネルギー発生素子が電気熱変換素子であった場合には、投入電力の増加により素子基板の温度上昇が発生し、その結果発泡が不安定になり吐出不良が発生する。そこで温度上昇を防止するために時間をかけてゆっくりと記録することとなり、記録速度が低下するという問題が浮上する。
【0011】
また、インクジェット記録ヘッドにおいては、ゴミが吐出口部に混入することによって吐出不良が発生することが分かっている。従来、このようなゴミ不良に対しては、図9(a)に示すように供給路106の入口に供給路106の高さにわたって柱を所定の間隔で配置してフィルタ109とすることにより、ゴミの混入を防止していた。
【0012】
しかしながら、f特性を得るためには、供給路の流抵抗を下げる構造として供給路の高さを高くする必要があり、かつフィルタ109を構成する柱の太さ(径)が供給路の高さ方向に沿って一定のために、図9(b)に示すように供給路106の高さによってフィルタ109の柱間の隙間の長さが決まってしまい、目的とするフィルタ機能を十分に持たせることができない場合があった。また、吐出口径が小さくなるほどフィルタの開口面積を小さくする必要があるが、供給路に設けたフィルタの柱の太さ(径)が供給路の高さ方向に沿って一定であるために単純にフィルタを構成する柱間の隙間を小さくする対策しかなく、その結果、吐出後に吐出口部へインクを再充填させるための時間が多くかかり、吐出周波数特性(「f特性」とも称す。)が低下してしまう事があった。
【0013】
そこで本発明の目的は、上述した実状に鑑み、小液滴化に際しても、吐出パワー、フィルタ性能および吐出周波数特性を向上させることが可能な流路構造を持つインクジェット記録ヘッドを提供することにある。
【0022】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の第1態様は、熱エネルギーにより液体に気泡を発生させる複数の吐出エネルギー発生素子を有する素子基板と、該素子基板の前記吐出エネルギー発生素子が形成されている面に、前記吐出エネルギー発生素子を内包する複数の発泡室および該各発泡室に液体を導くための複数の供給路を形成し、かつ、前記各発泡室をヘッド外部に連通させる複数のノズルを有する流路構成基板と、前記吐出エネルギー発生素子が形成されている面に開口され、前記各供給路に液体を供給する供給口と、を備えたインクジェット記録ヘッドにおいて、
前記供給路の前記供給口側端部と前記供給口の前記供給路側開口縁との間の流路に、該流路の液流方向に対して直角な流路断面の面積を前記素子基板の前記吐出エネルギー発生素子が形成されている面と垂直な方向に関して段階的に変化させる流路構造体が設けられていることを特徴とする。
【0023】
また、本発明の第2態様は、熱エネルギーにより液体に気泡を発生させる複数の吐出エネルギー発生素子を有する素子基板と、該素子基板の前記吐出エネルギー発生素子が形成されている面に、前記吐出エネルギー発生素子を内包する複数の発泡室および該各発泡室に液体を導くための複数の供給路を形成し、かつ、前記各発泡室をヘッド外部に連通させる複数のノズルを有する流路構成基板と、前記吐出エネルギー発生素子が形成されている面に開口され、前記各供給路に液体を供給する供給口と、を備えたインクジェット記録ヘッドにおいて、
前記供給路の前記供給口側端部と前記供給口の前記供給路側開口縁との間の流路において、前記素子基板の前記吐出エネルギー発生素子が形成された面に前記流路の一部を塞ぐ第1構造体が設けられ、かつ、該第1構造体から前記流路構成基板に柱状に前記流路の一部を塞ぐ第2構造体が設けられたことを特徴とする。
【0024】
また、本発明の第3態様は、熱エネルギーにより液体に気泡を発生させる複数の吐出エネルギー発生素子を有する素子基板と、該素子基板の前記吐出エネルギー発生素子が形成されている面に、前記吐出エネルギー発生素子を内包する複数の発泡室および該各発泡室に液体を導くための複数の供給路を形成し、かつ、前記各発泡室をヘッド外部に連通させる複数のノズルを有する流路構成基板と、前記吐出エネルギー発生素子が形成されている面に開口され、前記各供給路に液体を供給する供給口と、を備えたインクジェット記録ヘッドにおいて、
前記供給路の前記供給口側端部と前記供給口の前記供給路側開口縁との間の流路において、前記流路構成基板に前記流路の一部を塞ぐ第1構造体が設けられ、かつ、該第1構造体から前記素子基板の前記吐出エネルギー発生素子が形成された面に柱状に前記流路の一部を塞ぐ第2構造体が設けられたことを特徴とする。
【0025】
上記の第態様のインクジェット記録ヘッドにおいて、前記第1構造体には液体の流れ方向に切り欠き部が設けられていることが好ましい。
【0026】
上記の第及び第の態様のインクジェット記録ヘッドにおいて、前記第2構造体が設けられた部分の、液流方向に対して直角な流路断面の形状が正方形であることが好ましい。
【0027】
上記の第〜第の態様のインクジェット記録ヘッドにおいて、前記供給路の前記供給口側端部と前記供給口の前記供給路側開口縁との間の流路の、液流方向に対して直角な流路断面において、前記素子基板の前記吐出エネルギー発生素子が形成されている面に接する流路の幅が、前記吐出エネルギー発生素子が形成された面に対向した前記流路構成基板の面に接する流路の幅よりも狭いことが好ましい。
【0028】
また、上記の第2および第3の態様のインクジェット記録ヘッドにおいて、前記第1構造体が四角柱で、前記第2構造体が円柱であることが好ましい。
【0029】
さらに、上述した各種態様のインクジェット記録ヘッドは前記吐出エネルギー発生素子によって発生する気泡を大気に連通させて液滴を吐出するものであることが好ましい。
【0030】
ここで、本発明のインクジェット記録ヘッドによって解決される課題について述べる。
【0031】
上述した構成によるインクジェット記録ヘッドは、発泡室よりも供給室側の流路(吐出口への液流方向とは反対側の流路)において、液流方向に対して直角な流路断面の形状(面積)を、素子基板の吐出エネルギー発生素子が形成されている面と垂直な方向に関して段階的に変化させたことを特徴とする。また、その流路断面において、素子基板の吐出エネルギー発生素子が形成されている面に接する流路の幅(断面積)が、前記吐出エネルギー発生素子が形成された面に対向した流路構成基板の面に接する流路の幅(断面積)よりも狭いことを特徴とする。
【0032】
小液滴化によって液滴を吐出させるために多大なパワーを必要としていたが、流抵抗を効率良く上げるためには、液流方向に対して直角な流路断面形状において電気熱変換素子に近い流路断面積を小さくすることが有効である。これは、電気熱変換素子面上での発泡初期状態において、電気熱変換素子に近い側に、供給路側への発泡の抑制を行い吐出口側へ泡を成長させるために、供給路の流路断面積が狭いかもしくは供給路の一部を塞ぐような構造が必要である。従来の構造では気泡は吐出口側とは反対の供給路側にも成長していたのに対し、本発明の構造においては供給路側への気泡の成長を抑制できるため、気泡の大部分が吐出口側へ成長し、吐出パワーを向上することができた。特に大気と連通するインクジェット記録ヘッドにおいては、図9に示したような従来形状では、吐出口側への気泡の成長が十分でなく、本発明のように従来よりも電気熱変換素子寄りに、供給路内に流路断面積を小さくする流路構造体を形成することにより吐出口側への気泡の成長が促進された。
【0033】
また、発泡室よりも供給室側の流路の断面積全体を狭くすると極端に吐出周波数特性(f特性)が低下してしまう。そこで発明者の検討から、発泡室よりも供給室側の流路の一部の断面積を狭くし、それ以外を広くすることにより気泡の供給路側への気泡の成長を効果的に抑制できることが分かった。特に詳細に検討を行ったところ、前記流路の一部の、相対的に断面積が広い部分を流体が通ったときに巻き上がる流れが発生していた。この流れによって、前記流路の一部の、相対的に断面積が狭い部分からの流れがより抑制され、上述した、液流方向に対して直角な流路断面形状において電気熱変換素子に近い流路断面積を小さくする以上に、気泡の供給路側への成長を抑制する効果が得られることが発明者の検討によって突き止められた。
【0034】
すなわち、吐出後にインクがインク供給室から吐出口まで充填されるリフィル工程において、前記流路の一部の、相対的に断面積が狭い部分では流抵抗が高く、かつ角部があるとインクが残りやすいことが発明者の検討で観察できた。このことから、素子基板の吐出エネルギー発生素子が形成された面に前記流路の一部を塞ぐ第1構造体を設け、該第1構造体に液体の流れ方向に切り欠き部が形成することで、前記流路の一部の、相対的に断面積が狭い部分を設けることにより、供給室側への気泡の成長を抑制しつつ、その狭い部分のインクの残りによってその部分でのメニスカスの復帰を促進できることが分かった。よって、吐出効率を上げるために電気熱変換素子面上に流路の一部を塞ぐ第1構造体を形成する上、その第1構造体に隙間があることはf特性との両立が図れ、効果的であることが発明者の検討より明らかになった。
【0035】
また、インクジェット記録ヘッドにおいては、ゴミが吐出口部に混入することに対しても、図8(b)に示すように液流方向に対して直角な流路断面上で一部の流路高さを変え、かつその領域にフィルタを目的とした柱状の構造物を形成することにより、供給路5などの流路の高さを維持しつつゴミに対するフィルタ性能を得ることができた。すなわち、流路高さに依存せずにフィルタ性能を向上できた。本発明では、図8(a)の従来構造のようにフィルタの開口となる円柱3b間の隙間形状が流路高さに依存しないので、フィルタ性能を向上させるのにフィルタの開口形状を所望の形で小さくすることができる。同じ流路断面積にてf特性を維持するためには、角部での流体が動かないよどみ領域を最小限にできることから特にフィルタの開口形状を正方形にすることが好ましいが、本発明の構成によれば、図8(b)に示すとおり、液流方向に対して直角な流路断面におけるフィルタ部分の開口形状を正方形にしてf特性を維持しつつ、ゴミに対するフィルタ性能を得ることが可能になった。
【0036】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0037】
参考例1
図1は本発明の参考例1によるインクジェット記録ヘッドの斜視図、図2は図1のA−A’線に沿った断面を示している。なお、本図およびこの他において、電気熱変換素子を駆動するための電気的な配線等は図示していない。例えば、ガラス、セラミックス、プラスチックあるいは金属等からなる基板34が用いられる。基板34の材質は、本発明の本質ではなく、流路構成部材の一部として機能し、吐出エネルギー発生素子および、後述するインク流路、インク吐出口を形成する材料層の支持体として機能し得るものであれば、特に限定されるものではない。そこで、本形態では、Si基板(ウエーハ)を用いた場合で説明する。図2に示すように基板34の一面には、インク吐出に作用する吐出エネルギー発生手段である電気熱変換素子1と、長細い矩形のインク供給口6とが形成されている。インク供給口6は基板4に形成された長溝状の貫通孔からなるインク供給室4の開口である。電気熱変換素子1は、インク供給口6の長手方向の両側にそれぞれ1列ずつ千鳥状に電気熱変換素子の間隔が600dpiのピッチで各列256個ずつ、2列で合計512個配列されている。さらに基板34の一面には流路構成部材7が設けられ、その上に吐出口プレート8が接合されている。流路構成部材7にはインク供給口6から供給するインクを各々の電気熱変換素子1上の発泡室に導く複数のインク供給路5が形成されている。そして吐出口プレート8には、流路構成部材7の発泡室を外部に連通するようにインク吐出ノズルが形成されており、吐出口プレート7表面に露出するインク吐出ノズル先端の開口がインク滴の吐出口26となっている。
【0038】
図3(a)は本参考例のインクジェット記録ヘッドの複数のノズルのうちの1つを基板と垂直な方向に切断したときの縦断面図、同図(b)は当該ノズルを基板と垂直な方向から見た平面透視図、同図(c)は同図(a)のZ−Z’線に沿った断面図である。なお、図において吐出口プレート8は透明部材として示している。
【0039】
図3に示すように、本参考例のインクジェット記録ヘッドは基板34の上層に電気熱変換素子(例えばヒータ)1を有する。そして基板34上には、電気熱変換素子1の配置面に面して形成され電気熱変換素子1を内包する空間部である発泡室2と、発泡室2からインクを所定の方向に吐出させるためのインク吐出ノズル9と、電気熱変換素子1の配置面に面して発泡室2に供給室4からインクを導く供給路5とを形成する平板状の吐出口プレート8が設けられている。図3では吐出口プレート8が流路構成部材を兼ねており、図2に示したように吐出口プレートと流路構成部材が別部材となっていないが、同一部材でも別部材と同様の効果が得られる。また、電気熱変換素子1は18μmの正方形であり、インク供給路5の高さは10μm、流路構成部材を兼ねる吐出口プレート8の厚みは10μm、吐出口径は直径10μmである。
【0040】
さらに、供給路5内に、液流方向に対して直角な流路断面の面積を小さくすると同時にその面積(形状)を変えるための流路構造体3が備えられており、供給路5の流路構造体3が設けられた部分では、供給路5の液流方向に対して直角な流路断面の面積が基板34の電気熱変換素子1が形成されている面と垂直な方向に関して段階的に変化している。具体的には、流路構造体3は、供給路5の一部を塞ぐ第1構造体である平坦な四角柱3aと、供給路5の一部を塞ぐ第2構造体である複数の円柱3bからなる。四角柱3aは、基板34上に供給路5の全幅で形成されており、液流方向に対して直角な流路断面の面積をゼロとするように、供給路5の基板34側を塞いでいる。複数の円柱3bは、四角柱3a上に供給路5の中心に対して対称に配置され、四角柱3aから吐出口プレート8へと供給路5の高さ方向に延びている。つまり、流路構造体3が設けられた部分の、液流方向に対して直角な流路断面の形状(面積)は、四角柱3aの領域では流路断面を塞ぐ形状で、さらに円柱3bの部分では円柱3b間の流路断面を正方形として、段階的に変化している。
【0041】
なお、図には2つの円柱3bが所定の間隔で配置されているが、円柱3bの数および形状は特に限定されない。また本明細書において、供給路5の幅方向とは、供給路5の流れ方向と直角で、かつ基板34の主面と平行な方向をいい、供給路5の高さとは、供給路5の流れ方向と直角で、かつ基板34の主面と垂直な方向をいう。
【0042】
参考例において、図3(b)に示されるN1〜N7の各位置の、電気熱変換素子中心Oからインク供給路5の長さ方向の距離はN1=11μm、N2=9μm、N3=27μm、N4=32μmである。N5=37μm、N6=43μm、流路構造体3の円柱3bの径はφ8μmである。また、電気熱変換素子中心Oから、基板34の主面に略平行で且つインク供給路5の長さ方向と直角な方向の位置N7までの距離は7.5μmである。
【0043】
そのために、図3(c)で示したように、四角柱3a上の円柱3b間の隙間は1辺が7μmの正方形になっている。基板34の主面と略垂直な方向に関して、四角柱3aの厚みは3μmで、円柱3bの高さは7μmである。
【0044】
本形態においては、電気熱変換素子1によりインクを膜沸騰させたときの発泡がインク吐出ノズル9を通って大気と連通する吐出方式(いわゆるバブルスルー方式)となっている。
【0045】
このような形状のインク供給路を有するインクジェット記録ヘッドにおいて、発明者が詳細に検討を行ったところ、気泡の供給路5側への成長を抑制したことが観察され、また、吐出速度が11m/sが12m/sへ向上し、効果が確認できた。これは、発泡室2の上流側の供給路8内に流路構造体3を有することにより、供給路8の一部の流路断面積が相対的に狭くなったためである。
【0046】
また、流路構造体3はフィルタの役割を担っており、フィルタの開口となる円柱3b間の隙間形状が供給路5の高さに依存しないので、フィルタ性能を向上させるのにフィルタの開口形状を正方形の形で小さくすることができる。フィルタの開口形状を正方形にすると、角部での流体が動かないよどみ領域を最小限にできるので、開口形状が長方形に比べてf特性を向上させることが可能である。
【0047】
参考例2
図4(a)は本発明の参考例2によるインクジェット記録ヘッドの複数のノズルのうちの1つを基板と垂直な方向に切断したときの縦断面図、同図(b)は当該ノズルを基板と垂直な方向から見た平面透視図、同図(c)は同図(a)のZ−Z’線に沿った断面図である。以下では参考例1と異なる点を主に説明する。
【0048】
参考例では電気熱変換素子1は18μmの正方形であり、インク供給路5の高さは10μm、流路構成部材を兼ねる吐出口プレート8の厚みは10μm、吐出口径は直径9μmである。
【0049】
そして図4に示すように、供給路5内に、液流方向に対して直角な流路断面を小さくすると同時にその面積(形状)を変えるための流路構造体3が備えられており、供給路5の流路構造体3が設けられた部分では、供給路5の液流方向に対して直角な流路断面の面積が基板34の電気熱変換素子1が形成されている面と垂直な方向に関して段階的に変化している。具体的には、流路構造体3は、供給路5の一部を塞ぐ第1構造体である平坦な四角柱3aと、供給路5の一部を塞ぐ第2構造体である複数の円柱3bからなる。本参考例の四角柱3aは、基板34上に供給路5の幅方向に形成されているが、参考例1と異なり、中央が供給路5の長さ方向に沿って所定の幅に切り欠かれている。複数の円柱3bは、四角柱3a上に供給路5の中心に対して対称に配置され、供給路5の高さ方向に延びている。つまり、流路構造体3が設けられた部分の、液流方向に対して直角な流路断面の形状(面積)は、四角柱3aの切り欠き部の領域では流路を形成し、さらに円柱3bの部分では該切り欠き部の流路断面積よりも大きい正方形の流路断面として、段階的に変化している。
【0050】
図4には四角柱3aの切り欠かれていない部分にそれぞれ一つずつ円柱3bが配置されているが、円柱3bの数および形状は特に限定されない。
【0051】
参考例において、図4(b)に示されるN1〜N7の各位置の、電気熱変換素子中心Oからインク供給路5の長さ方向の距離はN1=11μm、N2=9μm、N3=27μm、N4=32μmである。N5=37μm、N6=43μm、流路構造体3の円柱3bの径はφ8μmである。また、電気熱変換素子中心Oから、基板34の主面に略平行で且つインク供給路5の長さ方向と直角な方向の位置N7までの距離は7.5μmである。基板34の主面と略垂直な方向に関して、四角柱3aの厚みは3μmで、円柱3bの高さは7μmである。これらの寸法は参考例1と同じである。本参考例の特徴である流路構造体3の四角柱3aにおける切り欠きの間隔は4μmである。
【0052】
参考例において、検討を行ったところ、気泡のインク供給室側への成長において参考例1と同等の効果が確認でき、また、吐出速度も11m/sが12m/sへ向上し、効果が確認できた。この構成においては単純に、発泡室2よりも供給室4側にある流路の断面積だけを考えると、供給室4側への気泡の成長は第1の実施形態と比較して大きくなるはずであるが、発明者が観察を行ったところ、参考例1と同等の気泡の成長量であった。そこで、詳細に検討を行ったところ、発泡時の供給室4側への液体の流れが流路構造体3を通過する際、流路構造体3の流路断面積が相対的に大きい部分となる円柱3bの部分における流体の流れによって、基板34上の四角柱3aの切り欠き部からの発泡時の流れを阻害するように巻き込む流れが発生しているために気泡の成長が抑制されていると発明者は想定している。すなわち、この巻き込む流れによって、相対的に流路断面積を狭い領域となる流路構造体3の四角柱3aの切り欠き部からの流れがより抑制され、参考例1と同等の効果が得られた。
【0053】
さらに、発泡後の吐出口へのインク再充填時(以下、リフィルという)においては、参考例1と比べて、基板34上の四角柱3aの切り欠き部からのインクの供給も得られ、参考例1よりもより早くリフィルが完了した。これは、発泡時に発生した巻き込む流れが、リフィル時の遅い流れにおいては発生しにくいからである。また、吐出速度の上昇も11m/s→12m/sと参考例1と同等の効果が得られた。また、発泡室2近傍の供給路5内に流路構造体3を設けることにより、発泡時の液体の流れによってゴミをインク供給室4側へ押しやることができ、ゴミの混入により吐出の不具合の発生を防止できた。
【0054】
(第の実施形態)
図5(a)は本発明の第の実施形態によるインクジェット記録ヘッドの複数のノズルのうちの1つを基板と垂直な方向に切断したときの縦断面図、同図(b)は当該ノズルを基板と垂直な方向から見た平面透視図、同図(c)は同図(a)のZ−Z’線に沿った断面図である。また、図6は本実施形態のノズルの変形例を示している。以下では参考例1と異なる点を主に説明する。特に本実施形態では、流路構造体3を供給路5内ではなく、供給路5と供給室4の開口との間に設けたことを特徴としている。
【0055】
本実施形態では電気熱変換素子1は18μmの正方形であり、インク供給路5の高さは10μm、流路構成部材を兼ねる吐出口プレート8の厚みは10μm、吐出口径は直径8μmである。
【0056】
そして図5に示すように、供給路5と供給室4の開口との間の流路に、この流路の、液流方向に対して直角な流路断面を小さくすると同時にその面積(形状)を変えるための流路構造体3が備えられており、前記流路の流路構造体3が設けられた部分では、供給路5の液流方向に対して直角な流路断面の面積が基板34の電気熱変換素子1が形成されている面と垂直な方向に関して段階的に変化している。具体的には、流路構造体3は、供給路5と供給室4の開口との間の流路の一部を塞ぐ第1構造体である平坦な四角柱3aと、供給路5と供給室4の開口との間の流路の一部を塞ぐ第2構造体である複数の円柱3bからなる。四角柱3aは、基板34上に供給路5の幅方向に形成されており、液流方向に対して直角な流路断面の面積をゼロとするように、前記供給路5と供給室4の開口との間の流路の基板34側を塞いでいる。複数の円柱3bは、四角柱3a上に供給路5の中心に対して対称に配置され、四角柱3aから吐出口プレート8へと供給路5の高さ方向に延びている。つまり、流路構造体3が設けられた部分の、液流方向に対して直角な流路断面の形状(面積)は、四角柱3aの領域では流路断面を塞ぐ形状で、さらに円柱3bの部分では円柱3b間の流路断面を正方形として、段階的に変化している。
【0057】
なお、図5には2つの円柱3bが所定の間隔で配置されているが、円柱3bの数および形状は特に限定されない。
【0058】
本実施形態において、図5(b)に示されるN1〜N7の各位置の、電気熱変換素子中心Oからインク供給路5の長さ方向の距離はN1=11μm、N2=9μm、N3=48μm、N4=57μm、N5=66μmであり、N6=43μm、流路構造体3の円柱3bの径はφ14μmである。また、電気熱変換素子中心Oから、基板34の主面に略平行で且つインク供給路5の長さ方向と直角な方向の位置N7までの距離は10μmである。このことから、四角柱3a上の円柱3b間の隙間は6μmである。また、基板34の主面と略垂直な方向に関して、四角柱3aの厚みは4μmで、円柱3bの高さは6μmである。
【0059】
本実施形態では、供給路5と供給室4の開口との間に、供給路5の供給室4側の開口形状を変更するための流路構造体3を設けたことにより、フィルタ機能を発揮する柱3b間の隙間の形状が基板34の主面と吐出口プレート8の裏面の間の高さに依存しないので、図5(c)に示すように柱3b間の隙間形状を正方形の形で小さくすることができ、ゴミの進入が供給路5内にくることが無かった。ゴミが供給路5内にくることが無くなることにより、ゴミの一時的なトラップによって発泡時にインク供給室4側の流体抵抗が上がることによる吐出速度の上昇等の影響を小さくでき、また流路構造体3でトラップしたゴミが供給路5内よりも動きやすく、その結果、同じ吐出口への影響が低減された。また、ゴミがトラップされた状態による吐出への影響を小さくできた。流路構造体3にトラップされたゴミもインク供給室4側へ戻った。
【0060】
また、図6に示すように、流路構造体3の四角柱3aを吐出口プレート8の裏面にて供給路5の幅方向に形成し、複数の円柱3bを四角柱3a上に供給路5の中心に対して対称に配置し、かつ四角柱3aから基板34へと供給路5の高さ方向に形成した構造においても、図5の形態と同様の効果が得られた。
【0061】
(第の実施形態)
図7(a)は本発明の第の実施形態によるインクジェット記録ヘッドの複数のノズルのうちの1つを基板と垂直な方向に切断したときの縦断面図、同図(b)は当該ノズルを基板と垂直な方向から見た平面透視図、同図(c)は同図(a)のZ−Z’線に沿った断面図である。以下では参考例1と異なる点を主に説明する。特に本実施形態では、流路構造体3を供給路5内ではなく、供給路5と供給室4の開口との間に設けたことを特徴としている。
【0062】
本実施形態では電気熱変換素子1は18μmの正方形であり、インク供給路5の高さは10μm、流路構成部材を兼ねる吐出口プレート8の厚みは10μm、吐出口径は直径8μmである。
【0063】
そして図7に示すように、供給路5と供給室4の開口との間の流路に、この流路の、液流方向に対して直角な流路断面を小さくすると同時にその面積(形状)を変えるための流路構造体3が備えられており、前記流路の流路構造体3が設けられた部分では、供給路5の液流方向に対して直角な流路断面の面積が基板34の電気熱変換素子1が形成されている面と垂直な方向に関して段階的に変化している。具体的には、流路構造体3は、供給路5と供給室4の開口との間の流路の一部を塞ぐ第1構造体である平坦な四角柱3aと、供給路5と供給室4の開口との間の流路の一部を塞ぐ第2構造体である複数の円柱3bからなる。四角柱3aは、基板34上に供給路5の幅方向に形成されていて、中央が供給路5の長さ方向に沿って所定の幅に切り欠かれている。複数の円柱3bは、四角柱3a上に供給路5の中心に対して対称に配置され、供給路5の高さ方向に延びている。図7には四角柱3aの切り欠かれていない部分にそれぞれ一つずつ円柱3bが配置されているが、円柱3bの数および形状は特に限定されない。
【0064】
特に本実施形態では円柱3bは径が拡大するように形成されている。
【0065】
本実施形態において、図7(b)に示されるN1〜N7の各位置の、電気熱変換素子中心Oからインク供給路5の長さ方向の距離はN1=11μm、N2=9μm、N3=48μm、N4=57μm、N5=66μmであり、N6=43μm、流路構造体3の円柱3bの最大径はφ14μmである。また、電気熱変換素子中心Oから、基板34の主面に略平行で且つインク供給路5の長さ方向と直角な方向の位置N7までの距離は10μmである。このことから、四角柱3a上の円柱3b間の隙間は6μmである。また、基板34の主面と略垂直な方向に関して、四角柱3aの厚みは4μmで、円柱3bの高さは6μmである。
【0066】
上述した実施形態にも言えるが、本発明のインクジェット記録ヘッドは、一つの製法例として、エネルギー発生素子を形成した基板上に感光性材料にてインク流路の型をパターンニングし、次いで型パターンを被覆するように前記基板上に被覆樹脂層を塗布形成し、該被覆樹脂層に前記インク流路の型に連通するインク吐出孔を形成した後、型に使用した感光性材料を除去して作られる(特公平6−45242号公報参照)。この製造方法では感光性材料としては、除去の容易性の観点からポジ型レジストが用いられている。この製法によると、半導体のフォトリソグラフィーの手法を適用しているので、インク流路、吐出孔等の形成に関して極めて高精度で微細な加工が可能である。
【0067】
また、本実施形態に係る記録ヘッドの製造方法は、基本的に特開平4−10940号公報、特開平4−10941号公報に開示されたインクジェット記録方法をインク吐出手段とする記録ヘッドの製造方法に準ずることが好ましい。これら各公報は、ヒータによって生じた気泡を外気に通気させる構成におけるインク滴吐出方法である。この方法において、従来、ポジ型レジストでインク流路の型を形成した後、型上に樹脂を被覆して吐出口プレート(流路構成部材)を形成する場合には、レジストの感度にもよるが光が当たる部分が露光および現像されてなくなるために、フィルタ機能を発揮させる孤立した流路構造体の側面に図7に示すようにテーパ形状が形成されてしまう。
【0068】
よって、このようなテーパ形状の場合にはゴミのトラップに関して柱間の隙間が大きくなってしまっていたが、本実施形態のように流路構造体3の円柱3bの径がその長さ方向に拡大している場合に、円柱3b間の隙間が広がっている側に位置する基板34の主面に四角柱3aを形成することにより、ゴミの供給路5への進入を防止できた。
【0069】
また、四角柱3aの中央に、供給路5の長さ方向に沿って所定の幅の切り欠きを設けることで、発泡による流体の供給室4側への流れを抑制でき、参考例2と同様の効果を得た。
【0070】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のインクジェット記録ヘッドは、液体に気泡を発生させる複数の熱エネルギー発生素子が形成されている素子基板と、該素子基板の熱エネルギー発生素子の形成面に該熱エネルギー発生素子を内包する複数の発泡室、および該各発泡室に液体を導くための複数の供給路を形成し、かつ、前記各発泡室をヘッド外部に連通させる複数のノズルを形成した流路構成基板とを備え、前記発泡室の上流側流路の一部の、液流方向に対して直角な流路断面の面積(形状)を、前記素子基板の熱エネルギー発生素子の形成面と垂直な方向に関して段階的に変えて小さくしたものである。こうした構成により、次のような効果を奏する。
(1)インク供給室側への気泡の成長を抑制でき、吐出パワーを向上することができた。
(2)流路の一部の流路断面積を狭くし、その流路の一部において、狭くした領域以外を相対的に広くすることにより気泡のインク供給室側への気泡の成長を効果的に抑制しつつ、f特性(吐出周波数特性)を向上することができた。
(3)流路高さに依存せずにゴミのフィルタ性能を向上できた。
(4)同時に流路断面形状を正方形にすることにより、f特性に最も効率的な形状にしつつゴミのフィルタ性能を向上することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の参考例1によるインクジェット記録ヘッドの斜視図である。
【図2】図1のA-A’線に沿った断面図である。
【図3】 (a)は参考例1のインクジェット記録ヘッドの複数のノズルのうちの1つを基板と垂直な方向に切断したときの縦断面図、同図(b)は当該ノズルを基板と垂直な方向から見た平面透視図、同図(c)は同図(a)のZ−Z’線に沿った断面図である。
【図4】 (a)は本発明の参考例2によるインクジェット記録ヘッドの複数のノズルのうちの1つを基板と垂直な方向に切断したときの縦断面図、同図(b)は当該ノズルを基板と垂直な方向から見た平面透視図、同図(c)は同図(a)のZ−Z’線に沿った断面図である。
【図5】 (a)は本発明の第の実施形態によるインクジェット記録ヘッドの複数のノズルのうちの1つを基板と垂直な方向に切断したときの縦断面図、同図(b)は当該ノズルを基板と垂直な方向から見た平面透視図、同図(c)は同図(a)のZ−Z’線に沿った断面図である。
【図6】 第の実施形態のノズルの変形例を示す図である。
【図7】 (a)は本発明の第の実施形態によるインクジェット記録ヘッドの複数のノズルのうちの1つを基板と垂直な方向に切断したときの縦断面図、同図(b)は当該ノズルを基板と垂直な方向から見た平面透視図、同図(c)は同図(a)のZ−Z’線に沿った断面図である。
【図8】インクジェット記録ヘッドのノズル流路の従来構造と本発明の構造を比較説明するための図である。
【図9】従来のバブルジェット方式のインクジェット記録ヘッドを示す図である。
【符号の説明】
1 電気熱変換素子
2 発泡室
3 流路構造体
3a 四角柱
3b 柱
4 供給室
5 供給路
6 インク供給口
7 流路構成部材
8 吐出口プレート
9 インク吐出ノズル
26 吐出口
34 基板

Claims (8)

  1. 熱エネルギーにより液体に気泡を発生させる複数の吐出エネルギー発生素子を有する素子基板と、該素子基板の前記吐出エネルギー発生素子が形成されている面に、前記吐出エネルギー発生素子を内包する複数の発泡室および該各発泡室に液体を導くための複数の供給路を形成し、かつ、前記各発泡室をヘッド外部に連通させる複数のノズルを有する流路構成基板と、前記吐出エネルギー発生素子が形成されている面に開口され、前記各供給路に液体を供給する供給口と、を備えたインクジェット記録ヘッドにおいて、
    前記供給路の前記供給口側端部と前記供給口の前記供給路側開口縁との間の流路に、該流路の液流方向に対して直角な流路断面の面積を前記素子基板の前記吐出エネルギー発生素子が形成されている面と垂直な方向に関して段階的に変化させる流路構造体が設けられていることを特徴とするインクジェット記録ヘッド。
  2. 熱エネルギーにより液体に気泡を発生させる複数の吐出エネルギー発生素子を有する素子基板と、該素子基板の前記吐出エネルギー発生素子が形成されている面に、前記吐出エネルギー発生素子を内包する複数の発泡室および該各発泡室に液体を導くための複数の供給路を形成し、かつ、前記各発泡室をヘッド外部に連通させる複数のノズルを有する流路構成基板と、前記吐出エネルギー発生素子が形成されている面に開口され、前記各供給路に液体を供給する供給口と、を備えたインクジェット記録ヘッドにおいて、
    前記供給路の前記供給口側端部と前記供給口の前記供給路側開口縁との間の流路において、前記素子基板の前記吐出エネルギー発生素子が形成された面に前記流路の一部を塞ぐ第1構造体が設けられ、かつ、該第1構造体から前記流路構成基板に柱状に前記流路の一部を塞ぐ第2構造体が設けられたことを特徴とするインクジェット記録ヘッド。
  3. 熱エネルギーにより液体に気泡を発生させる複数の吐出エネルギー発生素子を有する素子基板と、該素子基板の前記吐出エネルギー発生素子が形成されている面に、前記吐出エネルギー発生素子を内包する複数の発泡室および該各発泡室に液体を導くための複数の供給路を形成し、かつ、前記各発泡室をヘッド外部に連通させる複数のノズルを有する流路構成基板と、前記吐出エネルギー発生素子が形成されている面に開口され、前記各供給路に液体を供給する供給口と、を備えたインクジェット記録ヘッドにおいて、
    前記供給路の前記供給口側端部と前記供給口の前記供給路側開口縁との間の流路において、前記流路構成基板に前記流路の一部を塞ぐ第1構造体が設けられ、かつ、該第1構造体から前記素子基板の前記吐出エネルギー発生素子が形成された面に柱状に前記流路の一部を塞ぐ第2構造体が設けられたことを特徴とするインクジェット記録ヘッド。
  4. 前記第2構造体が設けられた部分の、液流方向に対して直角な流路断面の形状が正方形である、請求項またはに記載のインクジェット記録ヘッド。
  5. 前記第1構造体には液体の流れ方向に切り欠き部が設けられている、請求項に記載のインクジェット記録ヘッド。
  6. 前記供給路の前記供給口側端部と前記供給口の前記供給路側開口縁との間の流路の、液流方向に対して直角な流路断面において、前記素子基板の前記吐出エネルギー発生素子が形成されている面に接する流路の幅が、前記吐出エネルギー発生素子が形成された面に対向した前記流路構成基板の面に接する流路の幅よりも狭い、請求項からのいずれか1項に記載のインクジェット記録ヘッド。
  7. 前記第1構造体が四角柱で、前記第2構造体が円柱である、請求項から6のいずれか1項に記載のインクジェット記録ヘッド。
  8. 前記吐出エネルギー発生素子によって発生する気泡を大気に連通させて液滴を吐出する請求項1からのいずれか1項に記載のインクジェット記録ヘッド。
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