JP2002085420A - 超音波凝固切開装置とその方法 - Google Patents

超音波凝固切開装置とその方法

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JP2002085420A
JP2002085420A JP2000283294A JP2000283294A JP2002085420A JP 2002085420 A JP2002085420 A JP 2002085420A JP 2000283294 A JP2000283294 A JP 2000283294A JP 2000283294 A JP2000283294 A JP 2000283294A JP 2002085420 A JP2002085420 A JP 2002085420A
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Manabu Ishikawa
学 石川
Taro Miyazawa
太郎 宮澤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、生体組織の十分な凝固処置を瞬時に
行い、且つ速やかに生体組織を切開出来る超音波凝固切
開装置とその方法を提供することを最も主要な特徴とす
る。 【解決手段】超音波振動子から出力される超音波振動を
処置部18に伝えるプローブ15における処置部18の
周辺部位に超音波振動の伝達時に発熱する発熱部20を
設けたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、超音波振動の利用
により生体組織を凝固・切開する超音波手術用の超音波
凝固切開装置とその方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、外科手術等では、例えば特表平
8−505801号公報に示されているように超音波振
動を利用した超音波凝固切開装置が広く使用されてい
る。この超音波凝固切開装置には、超音波振動するプロ
ーブの先端部に把持部材が開閉可能に連結されている。
そして、この装置の使用時にはプローブの先端部と把持
部材との間に生体組織を挟持する状態で把持し、超音波
振動の伝達時に生体組織の把持部で生じる摩擦熱により
生体組織を低温凝固させ、さらにこの生体組織の凝固部
を超音波振動により切開するようになっている。
【0003】また、別の従来技術として、鉗子の処置部
に熱源を加える事により従来の電気メスより安定した凝
固能を得ようとした熱メスと呼ばれる凝固処置用の装置
が開発されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の超音波凝固切開
装置では、生体組織を凝固させる凝固処置が可能になる
までには生体組織と接触する処置部の温度が一定温度に
到達する必要がある。そして、処置部の温度がこの凝固
処置が可能な温度に上昇するまでには一定の待ち時間が
必要となる。さらに、実際に生体組織の凝固処置を行う
場合には処置部の温度が凝固処置が可能な一定の凝固処
置温度に到達した後、その一定の凝固処置温度の状態で
一定時間保持する必要も生じている。そのため、生体組
織の凝固処置に要する作業時間が長くなる問題がある。
【0005】また、生体組織の把持力量や、プローブの
振幅の大きさ、周波数、プローブや把持部材の形状など
の条件によって、一定の凝固処置温度で保持する時間は
変化し、生体組織に与えるエネルギーの量も異なる。そ
のため、処置部を操作する術者の使い方によっても、処
置時に生体組織に与えるエネルギーの量は変わってく
る。例えば、血管をプローブと把持部材とで把持しなが
ら左右に小刻みにスライドさせるような使い方は、プロ
ーブと生体組織との間で発生した摩擦熱を逃がしやすい
ので、生体組織の凝固処置に要する作業時間が長くな
る。その結果として血管を完全に凝固出来ないまま切開
してしまう可能性がある。
【0006】特に、大血管や管腔臓器などの凝固・切開
を行う場合には、生体組織を把持している処置部におい
て、ある一定の凝固処置温度を確実に保たなければ十分
な凝固が出来ない事がわかっている。従って、十分な凝
固・切開能力を得るためには、装置の能力だけでなく、
術者の使い方によっても大きく影響されることになる。
これは、術者が装置を操作する際の術者の使い勝手とし
ても好ましくなく、操作の熟練も必要となる問題があ
る。
【0007】また、熱メス装置は、凝固能力は十分であ
るが、切開機能がないために一度生体組織を凝固した後
に別の鉗子あるいは別の工程で凝固部を切離させる面倒
な作業が必要になる問題がある。
【0008】さらに、この熱メス装置による凝固処置時
には、生体組織がメス先端にこびり付きやすい為、使用
を重ねる間に、凝固や切開能力が劣化してしまうという
可能性もある。
【0009】本発明は上記事情に着目してなされたもの
で、その目的は、生体組織の十分な凝固処置を瞬時に行
い、且つ速やかに生体組織を切開出来る超音波凝固切開
装置とその方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、超音
波振動を発生させる超音波振動発生部と、先端部に被処
置部に接触する処置部が配設され、前記超音波振動発生
部から出力される超音波振動を前記処置部に伝える超音
波振動伝達部と、この振動伝達部の先端の前記処置部と
の間で生体組織を把持可能に支持された把持部材とを備
えた超音波凝固切開装置において、前記超音波振動伝達
部における前記処置部の周辺部位に超音波振動の伝達時
に発熱する発熱部を設けたことを特徴とする超音波凝固
切開装置である。そして、本請求項1の発明では、超音
波振動の伝達時には超音波振動伝達部における処置部の
周辺部位の発熱部を発熱させることにより、生体組織の
十分な凝固処置を瞬時に行うようにしたものである。
【0011】請求項2の発明は、超音波振動を発生させ
る超音波振動発生部と、先端部に被処置部に接触する処
置部が配設され、前記超音波振動発生部から出力される
超音波振動を前記処置部に伝える超音波振動伝達部と、
この振動伝達部の先端の前記処置部に、前記超音波振動
伝達部との間で生体組織を把持可能に連結された把持部
材とを備えた超音波凝固切開装置において、前記把持部
材は、剛性体と、前記被処置部に接触する把持面と、こ
れらの剛性体と把持面との間に介設され、生体組織を把
持する際に前記被処置部の形状に合わせて弾性変形して
前記把持面全体を略均一に前記被処置部に接触させる弾
性変形体とを具備することを特徴とする超音波凝固切開
装置である。そして、本請求項2の発明では、超音波凝
固切開処置時に、振動伝達部の先端の処置部と把持部材
との間で生体組織を把持する際に、把持部材の剛性体
と、被処置部に接触する把持面との間の弾性変形体を被
処置部の形状に合わせて弾性変形させて把持面全体を略
均一に被処置部に接触させることにより、安定した凝固
切開能力を発揮させるようにしたものである。
【0012】請求項3の発明は、超音波振動伝達部の先
端部の処置部と、把持部材との間で生体組織を把持する
把持工程と、超音波振動発生部から出力される超音波振
動を前記超音波振動伝達部を介して前記処置部に伝える
超音波振動伝達工程と、前記超音波振動の伝達時に前記
超音波振動伝達部における前記処置部の周辺部位の発熱
部を発熱させ、この発熱部の熱によって生体組織を凝固
する超音波凝固工程と、前記超音波振動伝達部によって
前記処置部に伝達される超音波振動により、生体組織の
切除を行う超音波切開工程とを具備したことを特徴とす
る超音波凝固切開方法である。そして、本請求項3の発
明では、超音波凝固切開処置時に、把持工程で超音波振
動伝達部の先端部の処置部と、把持部材との間で生体組
織を把持したのち、超音波振動伝達工程で超音波振動発
生部から出力される超音波振動を超音波振動伝達部を介
して処置部に伝える。さらに、この超音波振動の伝達時
に超音波凝固工程によって超音波振動伝達部における処
置部の周辺部位の発熱部を発熱させ、この発熱部の熱に
よって生体組織を凝固する。その後、超音波切開工程で
は超音波振動伝達部によって処置部に伝達される超音波
振動により、生体組織の切除を行うようにしたものであ
る。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の第1の実施の形態
を図1乃至図4を参照して説明する。図1は本実施の形
態の超音波凝固切開装置のハンドピース1を示すもので
ある。このハンドピース1は図2に示すハンドルユニッ
ト2と、図3に示すプローブユニット3および振動子ユ
ニット4とを備えている。そして、この超音波凝固切開
装置のハンドピース1の上記各ユニット2,3,4は図
1で示す状態に組み立てられるようになっている。
【0014】また、図2に示すようにハンドルユニット
2には振動子保持部5を有した操作部本体6と、この操
作部本体6に固定された前側の固定ハンドル7と、回動
する後ろ側の可動ハンドル8とが設けられている。ここ
で、可動ハンドル8は操作部本体6にねじ止めされた軸
ピン9に枢着され、回動できるようになっている。
【0015】さらに、操作部本体6の前端には細長い挿
入シース部10の基端部が回転ノブ11を介して連結さ
れている。ここで、挿入シース部10と回転ノブ11は
操作部本体6に対して同軸的に回転可能に取着されてい
る。
【0016】また、図3に示すように振動子ユニット4
には円筒状カバー12内に超音波振動子(超音波振動発
生部)が配置されている。この超音波振動子は電気信号
を機械的振動に変換する素子を含んだ例えばランジュバ
ン型の超音波振動子によって形成されている。この超音
波振動子の前端にはホーンが連結されている。そして、
このホーンの先端にはプローブユニット3の後端部がね
じ込み状態で連結されている。なお、超音波振動子の電
極には高周波供給コード13の一端部が接続されてい
る。この高周波供給コード13の他端部は図1に示すよ
うに高周波電源の電源装置14に接続されている。
【0017】また、プローブユニット3には、超音波振
動を伝達する棒状のプローブ(振動伝達部材)15が設
けられている。このプローブ15は音響効果が高く、生
体適合性のよいチタン材やアルミニウム材等で形成され
ている。そして、このプローブ15の後端部には超音波
振動子の前端のホーンにねじ込み状態で連結される連結
部16が形成されている。
【0018】さらに、プローブ15は先端側部品15a
と後端側部品15bとによって構成されている。これら
の2部品15a,15b間は例えば、ねじ止めと接着に
より固定的に連結されている。
【0019】また、図4はプローブユニット3の超音波
振動の伝達状態を示すものである。ここで、プローブユ
ニット3の後端部の連結部16の位置には振動の腹とな
る第0腹部17a、後端側部品15bの略中央位置には
振動の節となる第1節部17b、先端側部品15aと後
端側部品15bとの連結部には振動の腹となる第1腹部
17c、先端側部品15aの略中央位置には振動の節と
なる第2節部17d、先端側部品15aの先端部の位置
には振動の腹となる第2腹部17eがそれぞれ配置され
ている。そして、本実施の形態のプローブ15は第0腹
部17aと第1腹部17cとの間が半波長であり、後端
側部品15bで構成されている。さらに、第1腹部17
cと第2腹部17eとの間も半波長であり、先端側部品
15aで構成されている。
【0020】さらに、プローブ15の先端部には被処置
部に接触する処置部18が配設されている。この処置部
18の外径寸法D1はプローブ15の先端近傍の他の部
分の外径寸法D2より大きな形状(D1>D2)に形成
されている。そのため、この処置部18は単位長さ当た
りの質量が大きい。
【0021】また、このプローブ15には超音波振動子
で発生した超音波振動の振幅が伝達されるようになって
いる。ここで、プローブ15の第1節部17bと第1腹
部17cとの間には振幅の変成比を拡大させる形状、例
えば先細状のテーパー部19が形成されている。そし
て、超音波振動子で発生した超音波振動はこのプローブ
15を介して振幅を拡大した状態で処置部18に伝える
ようになっている。
【0022】また、プローブ15の第2腹部17eの近
傍に配置されている処置部18の質量を大きくする事で
振動系にとってはプローブ15の先端に負荷が加えられ
た状態となる。そのため、超音波発振時には第2節部1
7d、あるいは第2節部17dから第2腹部17eの間
のいづれかの場所においてより大きな圧力変動が加わ
り、局部的に発熱を生じさせる事ができる。これによ
り、プローブ15における処置部18の周辺部位には超
音波振動の伝達時に発熱する発熱部20が形成されてい
る。そして、この発熱部20の熱は、プローブ15の先
端の外径の太い処置部18に伝熱されるようになってい
る。
【0023】また、ユニット2,3,4を図1で示す組
み立て状態に組み立てた際、プローブ15の先端の処置
部18はハンドルユニット2の挿入シース部10の先端
部から外部側に突出されるようになっている。そして、
ハンドルユニット2の挿入シース部10の先端部にはこ
の処置部18との間で生体組織を把持可能に支持されて
いるジョー(把持部材)21が配設されている。ここ
で、挿入シース部10の先端部にはジョー21の基端部
が支軸22を介して回動可能に連結されている。
【0024】さらに、挿入シース部10の内部にはこの
ジョー21を操作する図示しないワイヤ状の操作駆動軸
が配設されている。そして、この操作駆動軸の先端部に
ジョー21の基端部が連結されている。この操作駆動軸
の基端部は可動ハンドル8に連結されている。そして、
この可動ハンドル8の操作に連動して操作駆動軸が軸方
向に押し引き操作されることにより、この操作駆動軸の
軸方向の移動動作に応じてジョー21が支軸22を中心
に回動駆動されてプローブ15の先端の処置部18に対
して開閉操作されるようになっている。これにより、ジ
ョー21がプローブ15の先端の処置部18との間で生
体組織を把持可能に支持されている。
【0025】次に、上記構成の作用について説明する。
本実施の形態の超音波凝固切開装置のハンドピース1の
使用時にはハンドルユニット2と、プローブユニット3
と、振動子ユニット4とが図1で示す組み立て状態に組
み立てられる。この状態で、生体組織の超音波凝固切開
処置が行われる。
【0026】また、超音波凝固切開処置時には、まず、
生体組織を把持する把持工程が行われる。この把持工程
では、ハンドルユニット2の固定ハンドル7に対して可
動ハンドル8を開閉させる操作が行われる。このとき、
開いている可動ハンドル8を閉じる操作に連動して操作
駆動軸が手元側に引っ張り操作されることにより、この
操作駆動軸の軸方向の移動動作に応じてジョー21が支
軸22を中心に回動駆動されてプローブ15の先端の処
置部18に対して閉操作される。これにより、ジョー2
1とプローブ15の先端の処置部18との間で生体組織
が把持される。
【0027】このようにプローブ15と、ジョー21と
の間で生体組織を把持したのち、超音波振動伝達工程が
行われる。この超音波振動伝達工程では超音波振動子か
ら出力される超音波振動がプローブ15を介して処置部
18に伝えられる。この超音波振動の伝達時には生体組
織を把持するプローブ15の処置部18と、ジョー21
との間で生じる摩擦熱によって生体組織の把持部分がタ
ンパク凝固変生される超音波凝固工程が行われる。
【0028】さらに、超音波発振時には質量が大きいプ
ローブ15の処置部18の超音波振動によってこのプロ
ーブ15の第2節部17d、あるいは第2節部17dか
ら第2腹部17eの間のいづれかの場所においてより大
きな圧力変動が加わり、プローブ15における処置部1
8の周辺部位の発熱部20に局部的に発熱が生じる。こ
の発熱部20の熱は、プローブ15の先端の処置部18
に伝熱される。そして、この超音波凝固工程によってプ
ローブ15の先端の処置部18の周辺部位の発熱部20
を発熱させ、この発熱部20の熱を生体組織の凝固に利
用することができる。
【0029】また、生体組織の凝固処置が終了すると、
その後、超音波切開工程が行われる。この超音波切開工
程ではプローブ15によって処置部18に伝達される超
音波振動による切断作用により、生体組織の切除が行わ
れる。
【0030】さらに、生体組織の凝固切開処置時に発熱
される発熱部20の温度は、80℃〜250℃程度に出
力を制御する事で、より効果的な凝固・切開能が得られ
る。なお、このときの発熱部20の温度は、例えば、卵
管凝固等の処置時では、130℃前後が好ましく、ま
た、血管や臓器の凝固接合・及び切開の処置時には、1
00℃以上の発熱があると、安定した能力が発揮され
る。
【0031】但し、発熱部20の温度があまり高温にな
りすぎると、先端処置部18以外の部分にも伝熱が進む
ので、共振周波数の異常変動を生じさせ、超音波振動が
不可能になる。また、プローブ15の処置部18が意図
しない生体組織との接触で、熱影響を与えてしまう恐れ
がある事から、プローブ15の先端の発熱が生じる発熱
部20の領域は、20mm前後とし、発熱温度は200
℃以下に制御する事が、最適な使用状態となる。
【0032】そこで、上記構成のものにあっては次の効
果を奏する。すなわち、本実施の形態の超音波凝固切開
装置のハンドピース1ではプローブ15における処置部
18の周辺部位に超音波振動の伝達時に発熱する発熱部
20を設けたので、超音波振動を加える事でプローブ1
5の先端の発熱部20を発熱させることができる。その
ため、超音波凝固切開処置時にはハンドルユニット2の
固定ハンドル7に対して可動ハンドル8を閉じることで
プローブ15と、ジョー21との間で生体組織を把持し
た状態で、プローブ15と生体組織との間で生じる摩擦
熱と、発熱部20の熱とが複合的に生体組織に寄与し、
生体組織を十分に凝固する処置を短時間で瞬時に行うこ
とができる。さらに、プローブ15と、ジョー21との
間で生体組織を把持した状態を保つ事で超音波振動の作
用で生体組織をスピーディーに切離することができる。
【0033】また、図5は第1の実施の形態の超音波凝
固切開装置のプローブユニット3の第1の変形例を示す
ものである。本変形例のプローブユニット3は第1の実
施の形態のプローブ15の形状を次の通り若干変更した
ものである。
【0034】すなわち、本変形例では第1の実施の形態
と同様にプローブ15の第1節部17bと第1腹部17
cとの間には振幅の変成比を拡大させる形状、例えば先
細状のテーパー部19が形成されている。
【0035】さらに、本変形例ではプローブ15の先端
の処置部18の後方にこの処置部18の外径寸法よりも
大径な変成比拡大部31が形成されている。そして、プ
ローブ15の第2節部17dの近傍ではこの変成比拡大
部31によって振幅の変成比を拡大するようになってい
る。
【0036】また、本変形例ではプローブ15の超音波
振動伝達時には質量が大きいプローブ15の変成比拡大
部31の超音波振動によってこのプローブ15の第2節
部17dの近傍の場所においてより大きな圧力変動(振
幅)が加わる。そのため、プローブ15における変成比
拡大部31に局部的に発熱が生じるので、この変成比拡
大部31の熱は、プローブ15の先端の処置部18に伝
熱される。
【0037】そこで、上記構成のものにあっては次の効
果を奏する。すなわち、本変形例では超音波凝固切開処
置時にはハンドルユニット2の固定ハンドル7に対して
可動ハンドル8を閉じることでプローブ15と、ジョー
21との間で生体組織を把持した状態で、プローブ15
と生体組織との間で生じる摩擦熱と、変成比拡大部31
から処置部18に伝熱される熱とを複合的に生体組織に
寄与させることができるので、本変形例でも第1の実施
の形態と同様に生体組織を十分に凝固する処置を短時間
で瞬時に行うことができる。
【0038】また、図6は第1の実施の形態の超音波凝
固切開装置のプローブユニット3の第2の変形例を示す
ものである。本変形例のプローブユニット3は第1の実
施の形態のプローブ15の形状を次の通り若干変更した
ものである。
【0039】すなわち、本変形例のプローブ15では後
端側部品15bの第0腹部17aと第1節部17bとの
間にこのプローブ15の最大の外径部41が形成されて
いる。さらに、本変形例のプローブ15の先端側部品1
5aには後端側部品15bの最大外径部41の外径寸法
D3よりも外径寸法D4が十分小さい最小外径部42が
形成されている。
【0040】そのため、本変形例のプローブ15では振
幅拡大率が十分大きくなる事から、第2腹部17eの近
傍での負荷応力状態も過大に高まるので、結果として第
2腹部17eの近傍で発熱を生じ、その熱がプローブ1
5の先端の処置部18に伝達され、良好な凝固・切開能
力を得ることができる。
【0041】また、図7(A)〜(C)は本発明の第2
の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第1の
実施の形態(図1乃至図4参照)の超音波凝固切開装置
のハンドピース1の構成を次の通り変更したものであ
る。
【0042】すなわち、本実施の形態では図7(A)に
示すようにプローブ15の第1腹部17cから第2腹部
17eにかけての半波長の先端側部品15aは、第0腹
部17aから第1腹部17cにかけての半波長の後端側
部品15bとは別材質の部材で構成されている。例え
ば、超音波伝達部材の材料として一般的にはチタン合
金:Ti−6Al−4Vaを用いるが、本実施の形態で
は第1腹部17cから第2腹部17eにかけての先端側
部品15aはステンレス合金が用いられている。
【0043】このステンレス合金は、チタン合金と固有
音響インピーダンス(密度×音速)がほぼ等しいために
共振する事が可能となる。例えば、プローブユニット3
の超音波振動の振幅が50μm以上に出力を大きくさせ
るとステンレス材内の内部摩擦がチタン材より早期に蓄
積するので、第2節部17dの近傍で熱量が蓄積され、
発熱を容易に発生させることができる。そのため、この
熱をプローブ15の先端の処置部18全域に伝熱させる
ことができるので、本実施の形態でも第1の実施の形態
と同様の効果が得られる。なお、チタン合金と異なる素
材としては、ステンレス合金の他、炭素鋼、アルミ合金
材等を用いても同様の効果が得られる。
【0044】さらに、第1腹部17cから第2腹部17
eにかけての先端側部品15aの表面には生体組織が付
着することを防止する付着防止材である、例えばテフロ
ンコーティング材がコーティングされている。これによ
り、十分発熱したプローブ15に生体組織が付着して、
凝固・切離を妨げる事を防止することができる。
【0045】また、本実施の形態では図7(B)に示す
ようにハンドルユニット2の挿入シース部10の先端部
にはプローブ15の先端の処置部18の外周面側を覆う
断面形状が略半円形状のプローブ保護部材51が固定的
に取り付けられている。このプローブ保護部材51は図
7(C)に示すようにジョー21とは反対側に配置され
ている。
【0046】そこで、上記構成のものにあっては次の効
果を奏する。すなわち、本実施の形態ではプローブ15
の先端の処置部18の外周面側を覆うプローブ保護部材
51を設けたので、超音波凝固切開処置時にはプローブ
15の先端の処置部18の周囲の被処置部以外の生体組
織とプローブ15との間にプローブ保護部材51を配置
させることができる。そのため、プローブ15の先端の
処置部18が高温に発熱した場合であっても、術者が意
図しない被処置部以外の生体組織にプローブ15の先端
の処置部18が接触してしまうことを防止することがで
きる。
【0047】なお、プローブ保護部材51はハンドルユ
ニット2の挿入シース部10の先端部に固定的に取り付
けられているが、このプローブ保護部材51を挿入シー
ス部10の先端部に着脱可能に取り付けてもよい。この
場合にはプローブ保護部材51の摩耗及び汚れの状態に
より取り替えも可能となる。
【0048】また、図8は本発明の第3の実施の形態を
示すものである。本実施の形態は第1の実施の形態(図
1乃至図4参照)の超音波凝固切開装置のハンドピース
1の構成を次の通り変更したものである。
【0049】すなわち、本実施の形態ではプローブ15
の先端の処置部18に従順部材61が固定されている。
この従順部材61の材料は、例えば、テフロン(登録商
標)やシリコンゴム、あるいは耐熱性プラスチック材な
どが好ましい。そして、本実施の形態では従順部材61
はプローブ15の先端の処置部18に接着固定されてい
る。なお、従順部材61の固定方法は接着固定に限定さ
れるものではなく、ねじ固定等であってもよい。
【0050】そこで、上記構成のものにあっては次の効
果を奏する。すなわち、本実施の形態のプローブ15の
処置部18に固定した従順部材61は、プローブ15の
超音波振動速度に追従出来ないため、プローブ15の先
端の処置部18と従順部材61との固定面がプローブ1
5の超音波振動により摩擦を生じ、著しく発熱する。そ
のため、この熱を生体組織の凝固能を向上させる事に寄
与させることができる。
【0051】また、図9(A)〜(C)乃至図10
(A)〜(C)は本発明の第4の実施の形態を示すもの
である。本実施の形態は第1の実施の形態(図1乃至図
4参照)の超音波凝固切開装置のハンドピース1におけ
る挿入シース部10の先端部のジョー21の構成を次の
通り変更したものである。
【0052】すなわち、本実施の形態のジョー21は図
9(B)に示すように金属やプラスティック材等の剛性
体より構成されるベース部材71と、このベース部材7
1におけるプローブ15の処置部18との対向面側に配
置され、生体組織と接触する柔潤材(例えばテフロンな
ど)からなる接触部材72と、その両者間に配接される
弾性体よりなる袋状部材73とから構成される。この袋
状部材73には、気体または液体またはゲル剤等の内部
充填材が封入されている。そして、この袋状部材73は
内部充填材の流動により変形自在となっている。
【0053】次に、上記構成の本実施の形態の作用につ
いて説明する。本実施の形態のハンドピース1の使用時
には、図9(A)に示すようにジョー21を開いた状態
から可動ハンドル8を閉じる動作にともない図9(C)
に示すようにジョー21を閉操作してプローブ15の処
置部18とジョー21との間で生体組織を把持する。こ
こで、例えば図10(A)に示すように厚さが均一でな
い生体組織Hをプローブ15の処置部18とジョー21
との間で把持する場合には図10(A)中に矢印aで示
すようにジョー21を閉じる際の把持力が生体組織Hに
作用すると生体組織Hの表面形状に合わせて袋状部材7
3内の内部充填材が流動し、変形する。なお、図10
(B)は図10(A)の状態でジョー21の把持力aに
対してプローブ15ヘの作用力b及び袋状部材73内の
内部充填材にかかる力cをそれぞれ示すものである。そ
して、このときの袋状部材73の変形動作にともない接
触部材72の把持面が生体組織Hの表面に対して適切な
接触状態を保つことができるので、接触部材72の把持
面全体について均一な力を伝達することが可能である。
【0054】加えて、袋状部材73の材質・肉厚等を選
択し、張力を規定することで、規定値以上の把持力で生
体組織Hを把持しようとした場合には、図10(C)に
示すように袋状部材73自体が膨張し、この膨張部73
aによって応力を逃がすことで規定値以上の力が生体組
織Hに及ぶことを防止することができる。
【0055】また、図11(A)〜(C)および図12
(A),(B)は第4の実施の形態(図9(A)〜
(C)乃至図10(A)〜(C)参照)の超音波凝固切
開装置のハンドピース1におけるジョー21の変形例を
示すものである。本変形例は第4の実施の形態の袋状部
材73の形状を図11(B)に示すように略H字状に形
成したH型袋状部材81を設けたものである。このH型
袋状部材81の両側部81a,81bは図11(A)に
示すようにベース部材71および接触部材72の外側部
に合わせて配置されている。
【0056】そこで、上記構成のものにあっては次の効
果を奏する。すなわち、本変形例では生体組織Hをプロ
ーブ15の処置部18とジョー21との間で把持する場
合に図12(B)に示すようにH型袋状部材81の変形
方向を意図的に規定できる。ここで、図11(D)に示
すように略矩形状の袋状部材73を使用した場合にはこ
の矩形状の袋状部材73の変形時に図11(E)に示す
ようにこの袋状部材73の中央部分が膨らむことによ
り、この袋状部材73の安定性が悪くなる。これに対し
て、本変形例のH型袋状部材81ではこのH型袋状部材
81の変形時にもこのH型袋状部材81の中央部分が膨
らむことを防止することができる。そのため、本変形例
のH型袋状部材81を使用することにより、接触部材7
2の把持面の安定性をより向上させることができ、生体
組織Hに加わる把持力を均一、かつ一定にすることがで
きるので、安定した凝固切開能力を発揮できると共に、
意図しない変形による生体組織Hの切れ残り等も防止で
きる。
【0057】さらに、接触部材72の把持面がプローブ
15の処置部18と接触することによる摩耗も接触部材
72の把持面全域について均等に進ませることができる
ので、製品の寿命も向上する効果がある。
【0058】また、図13および図14は本発明の第5
の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第1の
実施の形態(図1乃至図4参照)の超音波凝固切開装置
のハンドピース1のハンドルユニット2における挿入シ
ース部10の先端部のジョー21の構成を次の通り変更
したものである。
【0059】すなわち、本実施の形態のジョー21は図
14に示すように例えばステンレス金属などの剛性体に
よって形成されたベース部材91と、このベース部材9
1におけるプローブ15の処置部18との対向面側に配
置され、生体組織と接触する柔潤材(例えばテフロンな
ど)からなる接触部材92と、その両者間に挟まれる発
熱体(発熱素子)93とによって構成されている。この
発熱体93は図示しないニクロム線等で、熱エネルギが
伝達され、発熱する。
【0060】次に、上記構成の作用について説明する。
本実施の形態ではプローブ15が超音波振動している時
に、発熱体93への出力が印加され、発熱体93が発熱
する。
【0061】この状態で、プローブ15の処置部18と
ジョー21との間で生体組織を把持すると発熱体93か
らの熱で生体組織は凝固され、その後、プローブ15の
超音波振動で切離できる。なお、発熱体93の出力のO
N/OFFは、超音波振動のON/OFFに同期しても
良いし、可動ハンドル8の動きに応じてON/OFFさ
せても良い。
【0062】また、本実施の形態の発熱体93は、薄い
テフロン部材からなる接触部材92の裏側に配設される
ことで、表側にも伝熱される。なお、この発熱体93は
テフロン材からなる接触部材92の表面に一部露出され
る事で、生体組織への伝達性は更に高まる。
【0063】そこで、上記構成のものにあってはジョー
21のベース部材91と接触部材92との間に発熱体9
3を設けたので、超音波凝固切開処置時にはハンドルユ
ニット2の固定ハンドル7に対して可動ハンドル8を閉
じることでプローブ15と、ジョー21との間で生体組
織を把持した状態で、プローブ15と生体組織との間で
生じる摩擦熱と、発熱体93の熱とが複合的に生体組織
に寄与し、生体組織を十分に凝固する処置を短時間で瞬
時に行うことができる。さらに、プローブ15と、ジョ
ー21との間で生体組織を把持した状態を保つ事で超音
波振動の作用で生体組織をスピーディーに切離すること
ができる。
【0064】さらに、本発明は上記実施の形態に限定さ
れるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種
々変形実施できることは勿論である。次に、本出願の他
の特徴的な技術事項を下記の通り付記する。 記 (付記項1) 超音波振動を発生させる超音波振動素子
部と、超音波振動を術部に伝える超音波伝達部材と、こ
の伝達部の先端部に配設され、その超音波伝達部材との
間で生体組織を把持する可動自在な把持部材とを備えた
超音波凝固切開システムにおいて、前記超音波伝達部材
の処置部自身の一部が発熱する事を特徴とする超音波凝
固切開装置。
【0065】(付記項2) 超音波振動を発生させる超
音波振動素子部と、超音波振動を術部に伝える超音波伝
達部材と、この伝達部の先端部に配設され、その超音波
伝達部材との間で生体組織を把持する可動自在な把持部
材とを備えた超音波凝固切開システムにおいて、前記超
音波伝達部材の処置部自身の一部が発熱する事を利用し
て生体組織を凝固し、且つ超音波振動により、組織切除
を行う事を特徴とする超音波凝固切開装置とその方法。
【0066】(付記項3) 超音波振動を発生させる超
音波振動素子部と、超音波振動を術部に伝える超音波伝
達部材と、この伝達部の先端部に配設され、その超音波
伝達部材との間で生体組織を把持する可動自在な把持部
材とを備えた超音波凝固切開システムにおいて、前記把
持部材は剛性体と、弾性体からなる袋状部材と、従順部
材とからなる把持面とから構成される超音波凝固切開装
置。
【0067】(付記項4) 付記項1において、前記超
音波伝達部材の処置部自身の一部が、その他超音波伝達
部材とは異種材料である事を特徴とする超音波凝固切開
装置。
【0068】(付記項5) 付記項1において、前記超
音波伝達部材の処置部自身の一部に生体組織付着防止部
材がコーティングされている事を特徴とする超音波凝固
切開装置。
【0069】(付記項6) 付記項1において、前記超
音波伝達部材の処置部自身の一部が発熱し、且つ、生体
組織への伝熱を防止する伝熱遮断部材を備えた事を特徴
とする超音波凝固切開装置。
【0070】(付記項7) 付記項1において、前記超
音波伝達部材の処置部自身の先端部質量が、その他プロ
ーブの質量より大きく、且つ、超音波振動時に発熱させ
る事を特徴とする超音波凝固切開装置。
【0071】(付記項8) 付記項1において、前記超
音波伝達部材の処置部表面の一部が、130℃〜200
℃となる事を特徴とする超音波凝固切開装置。
【0072】(付記項9) 付記項5において、前記超
音波伝達部材の生体組織防止部材は、テフロンである事
を特徴とする超音波凝固切開装置。
【0073】(付記項10) 付記項1において、前記
把持部材に発熱体を設けた事を特徴とする超音波凝固切
開装置。
【0074】(発明の属する技術分野) 本発明は、超
音波手術装置、特に超音波の利用により生体組織を凝固
・切開する超音波凝固・切開装置についての発明であ
る。
【0075】(付記項1〜10の従来技術) 従来、外
科手術等では、超音波振動を利用した超音波凝固・切開
装置が使用されている。この超音波凝固・切開装置は、
超音波振動するプローブと把持部材により生体組織を把
持し、そこで生じる摩擦熱により生体組織を低温凝固さ
せ、超音波振動により切開する装置である。この装置
は、生体組織を凝固させるまでには一定温度に到達する
必要があり、また、この温度に到達するには一定時間が
必要となる。更に、一定温度に到達した後、一定時間保
持する必要も生じている。
【0076】この時間は組織の把持力量やプローブの振
幅の大きさ、周波数、プローブや把持部材の形状によっ
て、生体組織に与えるエネルギーは異なる。また、術者
の使い方によっても、生体組織に与えるエネルギーは変
わってくる。例えば、血管をプローブと把持部材とで把
持しながら左右に小刻みにスライドさせるような使い方
は、プローブと組織の間で発生した摩擦熱を逃がしてし
まい、結果として血管を完全に凝固出来ないまま切開し
てしまう恐れもある。特に、大血管や管腔臓器などの凝
固・切開を行うには、生体組織を把持している処置部に
おいて、ある一定温度を確実に保たなければ十分な凝固
が出来ない事がわかっている。
【0077】従って、十分な凝固・切開能力を得るため
には、装置の能力だけでなく、術者の使い勝手によって
も大きく影響されていた。この事は術者の使い勝手とし
ても好ましくなく、操作の熟練も必要となる。
【0078】ここで、また別の技術として、従来の鉗子
処置部に熱源を加える事により従来の電気メスより安定
した凝固能を得ようとした熱メスと呼ばれる装置が開発
されている。この装置は、凝固は十分であるが、切開機
能が保持されていないために一度凝固した後に別の鉗子
あるいは別の工程で凝固部を切離させる必要があった。
また、この装置の凝固は、組織がメス先端にこびり付く
為、使用を重ねる間に、凝固や切開能力が劣化してしま
うという問題点もあった。
【0079】(付記項1〜10の目的) 本発明は、上
記従来技術に鑑みてなされたものであり、十分な凝固を
瞬時に行い、且つ速やかに組織を切開出来る超音波凝固
・切開装置の発明に関してである。
【0080】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、超音波振動発
生部から出力される超音波振動を被処置部に接触する先
端の処置部に伝える超音波振動伝達部における処置部の
周辺部位に超音波振動の伝達時に発熱する発熱部を設け
たので、生体組織の十分な凝固処置を瞬時に行い、且つ
速やかに生体組織を切開することができる。
【0081】請求項2の発明によれば、超音波凝固切開
処置時に、振動伝達部の先端の処置部と把持部材との間
で生体組織を把持する際に、把持部材の剛性体と、被処
置部に接触する把持面との間の弾性変形体を被処置部の
形状に合わせて弾性変形させて把持面全体を略均一に被
処置部に接触させるようにしたので、安定した凝固切開
能力を発揮させることができる。
【0082】請求項3の発明によれば、超音波凝固切開
処置時に、把持工程で超音波振動伝達部の先端部の処置
部と、把持部材との間で生体組織を把持したのち、超音
波振動伝達工程で超音波振動発生部から出力される超音
波振動を超音波振動伝達部を介して処置部に伝え、さら
に、この超音波振動の伝達時に超音波凝固工程によって
超音波振動伝達部における処置部の周辺部位の発熱部を
発熱させ、この発熱部の熱によって生体組織を凝固した
後、超音波切開工程では超音波振動伝達部によって処置
部に伝達される超音波振動により、生体組織の切除を行
うようにしたので、生体組織の十分な凝固処置を瞬時に
行い、且つ速やかに生体組織を切開することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態の超音波凝固切開
装置のハンドピースを示す側面図。
【図2】 第1の実施の形態の超音波凝固切開装置のハ
ンドルユニットを示す側面図。
【図3】 第1の実施の形態の超音波凝固切開装置のプ
ローブユニットおよび振動子ユニットを示す側面図。
【図4】 第1の実施の形態の超音波凝固切開装置のプ
ローブユニットの超音波振動の伝達状態を説明するため
の説明図。
【図5】 第1の実施の形態の超音波凝固切開装置のプ
ローブユニットの第1の変形例における超音波振動の伝
達状態を説明するための説明図。
【図6】 第1の実施の形態の超音波凝固切開装置のプ
ローブユニットの第2の変形例における超音波振動の伝
達状態を説明するための説明図。
【図7】 本発明の第2の実施の形態を示すもので、
(A)は超音波凝固切開装置のプローブユニットの超音
波振動の伝達状態を説明するための説明図、(B)はプ
ローブ先端の処置部を示す側面図、(C)は同斜視図。
【図8】 本発明の第3の実施の形態の超音波凝固切開
装置のプローブユニットを示す側面図。
【図9】 本発明の第4の実施の形態を示すもので、
(A)は超音波凝固切開装置のハンドピースの先端のジ
ョーの開状態を示す斜視図、(B)はジョーの分解斜視
図、(C)はハンドピースの先端のジョーの閉状態を示
す斜視図。
【図10】 第4の実施の形態の超音波凝固切開装置の
使用状態を説明するもので、(A)は超音波凝固切開装
置のプローブ先端の処置部で生体組織を把持した状態を
示す要部の横断面図、(B)はジョーの把持力の作用を
説明するための説明図、(C)は袋状部材の変形状態を
説明するための説明図。
【図11】 第4の実施の形態の超音波凝固切開装置に
おけるジョーの変形例を示すもので、(A)はジョーの
分解斜視図、(B)はジョーの袋状部材の平面図、
(C)は(B)の11C−11C線断面図、(D)は矩
形状の袋状部材の平面図、(E)は(D)の11E−1
1E線断面図。
【図12】 (A)は図11の変形例のH型袋状部材を
示す斜視図、(B)はプローブ先端の処置部で生体組織
を把持した状態を示す要部の横断面図。
【図13】 本発明の第5の実施の形態の超音波凝固切
開装置のハンドルユニットを示す側面図。
【図14】 第5の実施の形態の超音波凝固切開装置の
ハンドピースの先端のジョーを示す側面図。
【符号の説明】
4 振動子ユニット 15 プローブ(振動伝達部材) 18 処置部 20 発熱部 21 ジョー(把持部材)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 超音波振動を発生させる超音波振動発生
    部と、 先端部に被処置部に接触する処置部が配設され、前記超
    音波振動発生部から出力される超音波振動を前記処置部
    に伝える超音波振動伝達部と、 この振動伝達部の先端の前記処置部との間で生体組織を
    把持可能に支持された把持部材とを備えた超音波凝固切
    開装置において、 前記超音波振動伝達部における前記処置部の周辺部位に
    超音波振動の伝達時に発熱する発熱部を設けたことを特
    徴とする超音波凝固切開装置。
  2. 【請求項2】 超音波振動を発生させる超音波振動発生
    部と、 先端部に被処置部に接触する処置部が配設され、前記超
    音波振動発生部から出力される超音波振動を前記処置部
    に伝える超音波振動伝達部と、 この振動伝達部の先端の前記処置部に、前記超音波振動
    伝達部との間で生体組織を把持可能に連結された把持部
    材とを備えた超音波凝固切開装置において、 前記把持部材は、剛性体と、前記被処置部に接触する把
    持面と、これらの剛性体と把持面との間に介設され、生
    体組織を把持する際に前記被処置部の形状に合わせて弾
    性変形して前記把持面全体を略均一に前記被処置部に接
    触させる弾性変形体とを具備することを特徴とする超音
    波凝固切開装置。
  3. 【請求項3】 超音波振動伝達部の先端部の処置部と、
    把持部材との間で生体組織を把持する把持工程と、 超音波振動発生部から出力される超音波振動を前記超音
    波振動伝達部を介して前記処置部に伝える超音波振動伝
    達工程と、 前記超音波振動の伝達時に前記超音波振動伝達部におけ
    る前記処置部の周辺部位の発熱部を発熱させ、この発熱
    部の熱によって生体組織を凝固する超音波凝固工程と、 前記超音波振動伝達部によって前記処置部に伝達される
    超音波振動により、生体組織の切除を行う超音波切開工
    程とを具備したことを特徴とする超音波凝固切開方法。
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