JP2002082099A - 中ぐり軸の超音波探傷装置 - Google Patents

中ぐり軸の超音波探傷装置

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JP2002082099A
JP2002082099A JP2000271647A JP2000271647A JP2002082099A JP 2002082099 A JP2002082099 A JP 2002082099A JP 2000271647 A JP2000271647 A JP 2000271647A JP 2000271647 A JP2000271647 A JP 2000271647A JP 2002082099 A JP2002082099 A JP 2002082099A
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JP2000271647A
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English (en)
Inventor
Koji Sakakibara
孝二 榊原
Shigeaki Matsumoto
重明 松本
Yasukazu Fujii
靖一 藤井
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Nippon Steel Corp
Central Japan Railway Co
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
Central Japan Railway Co
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Publication date
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    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N2291/00Indexing codes associated with group G01N29/00
    • G01N2291/04Wave modes and trajectories
    • G01N2291/044Internal reflections (echoes), e.g. on walls or defects
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N2291/00Indexing codes associated with group G01N29/00
    • G01N2291/26Scanned objects
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  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Ultrasonic Waves (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 中ぐり軸の超音波探傷装置において、メンテ
ナンスが簡単でデータの信頼性が高いものを提供する。 【解決手段】 超音波振動子16は、前後2列にわたっ
て、探傷ヘッド11の中心軸周りに等角度おきに配置さ
れている。前列の超音波振動子16aは、所定角度だけ
前方に向かって斜め入射となるような姿勢で16個配置
され、後列の超音波振動子16bは、所定角度だけ後方
に向かって斜め入射となるような姿勢で16個配置され
ている。超音波発生制御手段は、個々の超音波振動子1
6に対して送信パルスを位相制御することにより順次超
音波を発射させる。この結果、超音波が探傷ヘッド11
の中心軸周りに回転しながら発生する。このとき、同時
に探傷ヘッド11を軸方向に沿って移動させれば、中ぐ
り軸の内部2aを内側からスパイラル状に超音波探傷で
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鉄道車両等に用い
られる内部が中空になった中ぐり軸を超音波により探傷
する超音波探傷装置に関する。
【0002】
【従来の技術】新幹線鉄道車両の車軸には、軽量化等の
観点から内部が中空の中ぐり軸が使用されている。この
中ぐり軸は、車両走行に伴い、軸表面上、軸周方向に沿
って傷が発生することがある。このため、中ぐり軸につ
いては、所定走行距離ごとの交番検査において傷の有無
を検査し、傷が発生していた場合には列車の運行規制を
する等してその中ぐり軸を交換している。
【0003】従来、このような中ぐり軸を超音波により
探傷する超音波探傷装置としては、特開平6−2655
28号公報に開示されたものが知られている。この超音
波探傷装置は、図7(a)及び(b)に示すように、左
右両側に車輪1が嵌合された中ぐり軸2の内部2aを軸
方向に沿って移動可能な探傷ヘッド101と、中ぐり軸
2の内部2aにオイルを供給するオイル供給路102
と、この探傷ヘッド101の中心軸周りに背中合わせの
状態で配置された2つの超音波振動子103と、探傷ヘ
ッド101を軸回転させるための回転モータ104a
と、探傷結果の出力等を行うコンピュータ105とを備
えている。
【0004】この探傷ヘッド101は、フレキシブルチ
ューブ106の巻き解き又は巻き取りによって軸方向に
沿って移動可能である。更に、回転モータ104aは、
フレキシブルチューブ106の末端に接続されている
が、この回転モータ104aによってフレキシブルシャ
フト104b(フレキシブルチューブ106内に挿通さ
れている)が回転駆動されると、その回転が各種ギア1
04cによって探傷ヘッド101に伝えられ、探傷ヘッ
ド101が回転する。
【0005】この超音波探傷装置を用いて中ぐり軸2の
探傷を行う場合、オイル供給路102からオイルを供給
して中ぐり軸2の内部2aをオイルで充たし、探傷ヘッ
ド101をオイルに浮かせた状態で、回転モータ104
aの回転によりフレキシブルシャフト104bやギア1
04cを介して探傷ヘッド101を回転させながら、フ
レキシブルチューブ106の巻き解き動作により探傷ヘ
ッド101を軸方向に移動させる。これにより、超音波
振動子103は中ぐり軸2の内部2aを内側からスパイ
ラル状に探傷する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
超音波探傷装置では、以下のような問題点があった。第
1に、各種ギア104cが摩耗するため、これらの交換
作業等が必要となり、メンテナンスが煩雑になるという
問題があった。第2に、回転モータ104aの回転ムラ
やスリップが発生することがあり、データの信頼性が十
分高いとはいえないという問題があった。第3に、探傷
ヘッド101を回転させるには探傷ヘッド101をオイ
ルに浮かせる必要があるため、探傷ヘッド101と中ぐ
り軸2の内部2aとの隙間がある程度大きくなってしま
い、やはりデータの信頼性が十分高いとはいえないとい
う問題があった。
【0007】本発明は上記問題点を解決することを課題
とするものであり、中ぐり軸の超音波探傷装置におい
て、メンテナンスが簡単でデータの信頼性が高いものを
提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】上記課題
を解決するため、本発明は、内部が中空の中ぐり軸を探
傷するための超音波探傷装置において、前記中ぐり軸の
内部を軸方向に沿って移動可能な探傷ヘッドと、前記探
傷ヘッドの中心軸周りに等間隔おきに複数配置された超
音波振動子と、前記複数の超音波振動子に対して順次一
方向にずらしながら超音波を発射させることにより、超
音波が前記探傷ヘッドの中心軸周りに回転しながら発生
するように制御する超音波発射制御手段とを備えたこと
を特徴とする。
【0009】本発明の超音波探傷装置は、中心軸周りに
等間隔おき(等角度おき)に複数配置された超音波振動
子に対して順次一方向にずらしながら超音波を発射させ
ることにより、超音波が探傷ヘッドの中心軸周りに回転
しながら発生する。例えば、個々の超音波振動子に対し
て送信パルスを位相制御することにより順次超音波を発
射させる。このとき、同時に探傷ヘッドを軸方向に沿っ
て移動させれば、中ぐり軸の内部を内側からスパイラル
状に超音波探傷できる。そして、超音波が中ぐり軸の内
部で反射した反射波を検出すれば、中ぐり軸の傷の有無
を判断できる。例えば、中ぐり軸の内部に傷がない場合
の反射波と検査対象の中ぐり軸を探傷したときの反射波
とを比較することにより、中ぐり軸の傷の有無を判断で
きる。
【0010】本発明の超音波探傷装置によれば、中ぐり
軸の内部を内側からスパイラル状に超音波探傷する際、
探傷ヘッド自身を軸周りに回転させる必要がないことか
ら従来のような回転モータや各種ギア等が不要となるた
め、メンテナンスが簡単でデータの信頼性を上げること
ができる。また、探傷ヘッド自身を軸周りに回転させる
場合に比べて、探傷ヘッドと中ぐり軸の内部との隙間を
小さくすることができ、この点でもデータの信頼性が向
上する。なお、超音波振動子は中心軸周りに等間隔おき
に8個以上設けられていることが好ましい。
【0011】ところで、複数の超音波振動子に対して、
1つずつ順に超音波を発射させるとすれば、順次、超音
波を発射した超音波振動子の位置に鋭い音圧ピークが発
生していくというパターンになりやすい。このため、周
方向に沿って超音波の音圧をみたときに音圧の高い部分
と低い部分との差が大きくなりやすい。そこで、本発明
の超音波探傷装置では、超音波発射制御手段は、複数の
超音波振動子のうち連続して並んだ複数個の組に対して
一度に超音波を発射させ、その組を順次一方向にずらし
ていくことにより、超音波が前記探傷ヘッドの中心軸周
りに回転しながら発生するように制御することが好まし
い。この場合、超音波を発射した複数個の超音波振動子
の位置に音圧ピークが発生するが、1個の超音波振動子
の位置に音圧ピークが発生する場合に比べて、なだらか
なピーク形状になるため、周方向に沿って超音波の音圧
をみたときに音圧の高い部分と低い部分との差が小さく
なる。したがって、探傷の精度をより高くすることがで
きる。
【0012】本発明の超音波探傷装置において、超音波
振動子は、所定角度だけ前方に向かって斜め入射となる
ような姿勢で中心軸周りに等間隔おきに複数配置される
と共に、所定角度だけ後方に向かって斜め入射となるよ
うな姿勢で中心軸周りに等間隔おきに複数配置されてい
ることが好ましい。つまり、超音波振動子は、前方に向
かって斜め入射となるような姿勢で配置された列と、後
方に向かって斜め入射となるような姿勢で配置された列
の2列で構成されている。この場合、中ぐり軸に発生す
る傷の向きによって、例えば前方に向かって斜め入射と
なるような姿勢の超音波振動子が発射した超音波の反射
波に基づいて傷の有無を判断する際に傷なしと誤認する
ようなおそれがある場合でも、後方に向かって斜め入射
となるような姿勢の超音波振動子が発射した超音波の反
射波に基づけば傷ありと明確に認識できるため、探傷の
精度をより高くすることができる。
【0013】本発明の超音波探傷装置において、超音波
振動子は、凸レンズ状に加工されていることが好まし
い。この場合、超音波振動子がフラットに加工されてい
る場合に比べて、中ぐり軸の内周面に照射される超音波
ビームが広がるため、探傷範囲を大きくすることができ
る。このとき、超音波振動子の曲率半径を決めるにあた
っては、探傷範囲の大きさに加えて、超音波ビームの音
圧入射効率(振動子から出た音が再び振動子に戻る割
合)をも考慮することが好ましい。
【0014】本発明の超音波探傷装置において、超音波
振動子は、セラミックス素子をポリマーで包み込んだコ
ンポジット振動子であることが好ましい。この場合、超
音波振動子の形状を比較的自由に変更することができる
ため、上述のように凸レンズ状に加工する場合に有利で
ある。
【0015】なお、本発明の超音波探傷装置において、
超音波発射制御手段により超音波振動子が発射した超音
波の反射波に基づいて中ぐり軸の傷の有無を判断する判
断手段を設けてもよい。例えば、判断手段は、CPU、
ROM、RAM、ハードディスク等を備えたコンピュー
タにより構成してもよく、中ぐり軸の内部に傷がない場
合の反射波の音圧ピークと、検査対象の中ぐり軸を探傷
したときの反射波の音圧ピークとを比較することによ
り、中ぐり軸の傷の有無を判断してもよい。もちろんオ
ペレータが超音波の反射波に基づいて傷の有無を判断し
てもよいが、判断手段がこの判断を行うことにより人為
的な誤判断を防止できる。更に、傷ありと判断したとき
の軸方向位置及び周方向位置を表示するようにしてもよ
い。
【0016】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の好適な実施形態
を図面に基づいて説明する。 [第1実施形態]図1は本実施形態の超音波探傷装置の
全体構成を表す説明図、図2は同じくブロック図、図3
は探傷ヘッドの断面図、図4は図3のA−A断面図であ
る。本実施形態の超音波探傷装置10は、探傷ヘッド1
1と、超音波振動子16と、探傷器25と、コンピュー
タ30を備えている。
【0017】探傷ヘッド11は、図1に示すように、左
右両側に車輪1(図1では一方のみ示す)を有する中ぐ
り軸2の内部2aの径よりもやや小さい径を持つ略円筒
状に形成され、後端にガイドチューブ13が固着されて
いる。このガイドチューブ13は、上下各3つのローラ
14aで構成された送り機構14により正逆いずれかの
方向に送られる。この送り機構14により、ガイドチュ
ーブ13が中ぐり軸2の内部2aへ送り込まれると、探
傷ヘッド11は中ぐり軸2の内部2aを軸方向に沿って
前進し、ガイドチューブ13が中ぐり軸2の内部2aか
ら抜き取られると、探傷ヘッド11は中ぐり軸2の内部
2aを軸方向に沿って後退する。なお、ガイドチューブ
13、送り機構14は、キャスタ付き台車15に搭載さ
れている。
【0018】超音波振動子16は、図3及び図4に示す
ように、探傷ヘッド11の中ほどやや先端寄りに設けら
れた探触部17において、前後2列にわたって、探傷ヘ
ッド11の中心軸周りに等角度おきに複数配置されてい
る。これらの超音波振動子16は、アクリル樹脂製のカ
バー17aによって覆われている。前列の超音波振動子
16aは、円錐面に貼り付けられ、所定角度だけ前方に
向かって斜め入射となるような姿勢で配置されている。
また、後列の超音波振動子16bも、円錐面に貼り付け
られ、所定角度だけ後方に向かって斜め入射となるよう
な姿勢で配置されている。各超音波振動子16は、セラ
ミックス素子(素子材質としては例えばジルコンチタン
酸鉛など)をポリマーで包み込んだコンポジット振動子
であり、中ぐり軸2の内部2の壁面に照射される超音波
ビームが広がるように凸レンズ状に形成されているが、
音圧入射効率(振動子から出た音が再び振動子に戻る割
合)も考慮してその曲率半径が定められている。そし
て、カバー17aと超音波振動子16との間には接着剤
が充填されており、空気層は介在していない。なお、本
実施形態では前列及び後列の超音波振動子16a,16
bはそれぞれ16個ずつ合計32個配置されているが、
個数はこれに限定されるものではない。
【0019】探傷ヘッド11のうち、探触部17の前側
及び後側には、中ぐり軸2の内壁と密着する前側オイル
シール18及び後側オイルシール19が設けられてい
る。また、探傷ヘッド11には、両オイルシール18,
19に挟まれた空間Sにオイルを圧送して供給するオイ
ル供給通路20と、前記空間Sからオイルを吸引して排
出するオイル排出通路21とが設けられ、更に、前側オ
イルシール18よりも先端側からエアやオイルを吸引し
て排出する二次排出通路22が設けられている。二次排
出通路22は、前記空間S内のオイルが前側オイルシー
ル18のシール面を漏れ出て先端側に達したとき、その
オイルをエアと共に吸い込んで排出するための通路であ
る。更にまた、探傷ヘッド11の先端面には、残圧排気
ポート23が設けられている。この残圧排気ポート23
は、中ぐり軸2の内部2aが探傷ヘッド11の挿入側の
み開口され、その反対側が閉塞されている場合、探傷ヘ
ッド11が内部2aの奧へと前進したときに内圧が上が
らないようにしたり、探傷ヘッド11が内部2aから開
口側へと後退したときに内圧が下がらないようにしたり
するための空気抜きの役割等を果たす。なお、オイル排
出通路21,二次排出通路22,残圧排気ポート23は
探傷ヘッド11の内部で繋がっている。
【0020】探傷器25は、図1に示すようにキャスタ
付き台車15に搭載されている。この探傷器25は、図
2に示すように、各超音波振動子16ごとに設けられた
送受信回路26と、コンピュータ30から入力される位
相制御信号に基づいて送信パルスを発生させて送受信回
路26へ送る送信パルス発生器27と、各送受信回路2
6を介して受信した各超音波振動子16からの信号を増
幅・検波してコンピュータ30へ出力する受信増幅器2
8とを備えている。
【0021】コンピュータ30は、図1に示すようにキ
ャスタ付き台車15に搭載されている。このコンピュー
タ30は、図2に示すように、探傷器25の送信パルス
発生器27に送信パルスの位相制御信号を送ったり、受
信増幅器28から信号を受信して表示ディスプレイ31
に表示したりする。また、送り機構14を構成するロー
ラ14aにはロータリエンコーダ14bが取り付けられ
ており、コンピュータ30はこのロータリエンコーダ1
4bから信号を受信して探傷ヘッド11の軸方向移動距
離を算出する。なお、探傷器25及びコンピュータ30
が本発明の超音波発射制御手段に相当する。
【0022】次に、本実施形態の超音波探傷装置10を
用いて中ぐり軸2を探傷する手順を説明する。まず、中
ぐり軸2の内部2aの一端を開口し、その端部にアダプ
タ40を取り付ける。このアダプタ40は探傷ヘッド1
1を中ぐり軸2の内部2aから抜き出すときのオイル回
収を容易にする役割を果たすものであり、このためアダ
プタ40の底部にはオイル回収パン41が設けられ、こ
こに溜まったオイルは回収チューブ42を通じて回収さ
れる。また、超音波探傷装置10のキャスタ付き台車1
5を利用して、この中ぐり軸2の内部2aの端部近傍に
超音波探傷装置10を移動する。
【0023】そして、探傷ヘッド11の先端をアダプタ
40に挿入し、送り機構14のローラ14aを駆動させ
てガイドチューブ13を中ぐり軸2の内部2aに送り込
む。すると、探傷ヘッド11はアダプタ40を経て中ぐ
り軸2の内部2aに至り、この内部2aを前進する。こ
の内部2aが探傷ヘッド11の挿入側のみ開口され、そ
の反対側が閉塞されている場合であっても、探傷ヘッド
11が内部2aの奧へと前進すると、探傷ヘッド11の
先端側は残圧排気ポート23を介して外気と通じている
ため、探傷ヘッド11の先端側の内圧が上がって探傷ヘ
ッド11が前進しなくなることはない。
【0024】さて、探傷ヘッド11が中ぐり軸2の内部
2aに挿入され、探触部17の空間Sが閉空間となった
以降は、この空間Sが絶えずオイルで充たされるよう
に、オイル供給通路20からのオイル供給量とオイル排
出通路21からのオイル排出量を調節する。空間Sをオ
イルで充たすのは、超音波振動子16から発射された超
音波がこの空間Sを伝播して中ぐり軸2の内壁に達する
ようにするためである。なお、前側オイルシール18か
ら漏れだしたオイルは、二次排出通路22によって排出
される。
【0025】これに伴い、コンピュータ30は、探傷器
25の送信パルス発生器27に送信パルスの位相制御信
号を送る。すると、探傷器25の送信パルス発生器27
は、この位相制御信号にしたがって各送受信回路26を
介して各列の超音波振動子16を順次一方向にずらしな
がら振動させる。このとき、前列の超音波振動子16a
は斜め前方に超音波を発射し、後列の超音波振動子16
bは斜め後方に超音波を発射する。
【0026】ここで、送信パルスの切替周波数をfs
(kHz)とすると、超音波振動子16は周方向に16
個並んでいることから超音波ビームの回転数N(rp
m)は下記数1から求められる。
【0027】
【数1】 また、超音波ビームの有効ビーム幅W(mm)を実験的
に求めれば、中ぐり軸2の内壁全面をもれなく探傷する
際の探傷速度V(m/min)は下記数2から求められ
る。したがって、送り機構14はこの探傷速度V又はそ
れ以下となるようにガイドチューブ13を送り込むよう
に設定される。この結果、探傷ヘッド11により、中ぐ
り軸2の内部2aを内側からスパイラル状に超音波探傷
できる。
【0028】
【数2】 そして、探傷器25の受信増幅器28は、各送受信回路
26を介して受信した各超音波振動子16からの信号を
増幅・検波してコンピュータ30へ出力する。コンピュ
ータ30は、受信増幅器28から受信した信号を受信し
て表示ディスプレイ31に表示する。表示に当たって
は、XYZ座標を用い、X軸を軸方向位置、Y軸を周方
向位置、Z軸を出力差とする。
【0029】ここで出力差は次のようにして得られる。
即ち、予め中ぐり軸2の内部2aに傷が全くないものに
つき、この超音波探傷装置10により超音波探傷を行
い、そのときの受信信号をコンピュータ30の記憶装置
(ハードディスク等)にブランクとして記憶しておく。
そして、検査対象の中ぐり軸2の内部2aにつき、超音
波探傷を行い、そのときの受信信号とブランクの受信信
号とを比較し、両信号の出力差を得る。
【0030】これにより、Z軸のピーク部分が傷のある
位置を示すことになるから、X軸、Y軸の値によってそ
の位置を特定すればよい。なお、コンピュータ30は、
ローラ14aに取り付けられたロータリエンコーダ14
bから受信した信号に基づいて探傷ヘッド11の軸方向
位置を算出するが、周方向位置についてはどの超音波振
動子16から超音波を発射させたかがわかっているため
その超音波振動子16の位置を認識すればよい。
【0031】そして、探傷ヘッド11が中ぐり軸2の他
端に達したら、今度は送り機構14によりガイドチュー
ブ13を逆向きに、つまりガイドチューブ13を中ぐり
軸2の内部2aから抜き取るように送る。すると、探傷
ヘッド11は中ぐり軸2の内部2aを後退する。この内
部2aが探傷ヘッド11の挿入側のみ開口され、その反
対側が閉塞されている場合であっても、探傷ヘッド11
が後退すると探傷ヘッド11の先端側は残圧排気ポート
23を介して外気と通じているため、探傷ヘッド11の
先端側の内圧が下がって探傷ヘッド11が後退しなくな
ることはない。その後の探傷動作は前進時と同様である
ため、省略する。
【0032】以上詳述したように、本実施形態の超音波
探傷装置10によれば、中ぐり軸2の内部2aを内側か
らスパイラル状に超音波探傷する際、探傷ヘッド11を
軸周りに回転させる必要がないことから従来のような回
転モータ104aや各種ギア104c等が不要となるた
め、メンテナンスが簡単でデータの信頼性を上げること
ができる。また、従来のように探傷ヘッド101を軸周
りに回転させる場合に比べて、本実施形態では探傷ヘッ
ド11と中ぐり軸2の内壁との隙間を小さくすることが
でき、この点でもデータの信頼性が向上する。
【0033】また、超音波振動子16は、前方に向かっ
て斜め入射となるような姿勢で配置された前列の超音波
振動子16aと、後方に向かって斜め入射となるような
姿勢で配置された後列の超音波振動子16bとで構成さ
れているため、中ぐり軸2に発生する傷の向きによっ
て、例えば超音波振動子16aが発射した超音波の反射
波に基づいて傷の有無を判断する際に傷なしと誤認する
ようなおそれがある場合でも、超音波振動子16bが発
射した超音波の反射波に基づけば傷ありと明確に認識で
きる。このため、探傷の精度をより高くすることができ
る。
【0034】更に、超音波振動子16は、凸レンズ状に
加工されているため、フラットに加工されている場合に
比べて、中ぐり軸2の内壁に照射される超音波ビームが
広がり、探傷範囲を大きくすることができる。即ち、図
5は超音波ビームのシミュレーション結果を表す説明図
であり、(a)は超音波振動子16がフラットな場合、
(b)は超音波振動子16が凸レンズ状の場合である
が、明らかに凸レンズ状の方が探傷範囲が広いことがわ
かる。
【0035】更にまた、超音波振動子16は、セラミッ
クス素子をポリマーで包み込んだコンポジット振動子で
あるため、形状を比較的自由に変更することができ、上
述のように凸レンズ状に加工する場合に有利である。そ
してまた、両オイルシール18,19に挟まれた空間S
にオイルを給排するオイル供給通路20とオイル排出通
路21を備えているため、超音波振動子16から発射さ
れた超音波が中ぐり軸2の内周面に確実に伝播される。
この空間Sをオイルで充たしただけでオイルの給排を行
わないとすると、オイルシール18,19からオイルが
僅かに漏れ出して空間Sに空気層が生じ、超音波の伝播
を阻害するおそれがあるため好ましくない。また、オイ
ルシール18,19のシール性を高くし過ぎると、探傷
ヘッド11がスムーズに移動しなくなるため好ましくな
い。
【0036】[第2実施形態]第2実施形態は、ブロッ
クシフト励振法を採用した以外は、第1実施形態と同様
である。このため、ここではブロックシフト励振法につ
いてのみ説明する。ブロックシフト励振法とは、超音波
振動子16を順次1つずつ振動させるのではなく、連続
して並んだ複数個の超音波振動子16を1組とし、その
組を順次一方向にずらしながら振動させる方法である。
組をずらす場合、順次一方向に超音波振動子1個分ずつ
ずらしてもよいし、2個分あるいはそれ以上ずつずらし
てもよい。
【0037】例えば、図6(a)は、ブロックシフト励
振法を採用しなかった場合の周方向角度とエコー強度
(音圧レベル)との関係を表すグラフであり、図6
(b)は、ブロックシフト励振法を採用した場合の周方
向角度とエコー強度との関係を表すグラフである。この
2つのグラフから明らかなように、ブロックシフト励振
法を採用した場合には、山と谷との差dが極力抑えられ
る。このため、第2実施形態によれば、第1実施形態と
同様の作用効果が得られるほか、探傷感度が一層向上
し、精度が高くなる。
【0038】つまり、探傷ヘッド11の中心軸周りに狭
い間隔おきに多数の超音波振動子16を設置するのであ
れば、特にブロックシフト励振法を採用しなくても山と
谷との差dを小さく抑えることができるが、できるだけ
少ない超音波振動子16を設置するのであれば、ブロッ
クシフト励振法を採用して山と谷との差dを小さく抑え
るのが得策といえる。
【0039】尚、本発明の実施の形態は、上記実施形態
に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に
属する限り種々の形態を採り得ることはいうまでもな
い。例えば、コンピュータ30は表示ディスプレイ31
に探傷結果を表示する以外に、その探傷結果をプリンタ
に印刷出力するようにしてもよい。
【0040】また、中ぐり軸2の内部2aの両端が開放
されている場合には、探傷ヘッド11の先端面に設けた
残圧排気ポート23を省略してもよい。更に、上記実施
形態において、コンピュータ30は超音波振動子16が
発射した超音波の反射波に基づいて中ぐり軸2の傷の有
無を判断してもよい。例えば、中ぐり軸2に傷がない場
合の反射波の音圧ピークと、検査対象の中ぐり軸2を探
傷したときの反射波の音圧ピークとを比較することによ
り、中ぐり軸の傷の有無を判断してもよい。もちろんオ
ペレータが超音波の反射波に基づいて傷の有無を判断し
てもよいが、コンピュータ30がこの判断を行うことに
より人為的な誤判断を防止できる。更に、傷ありと判断
したときの軸方向位置及び周方向位置を表示するように
してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施形態の超音波探傷装置の全体構成を
表す説明図である。
【図2】 第1実施形態の超音波探傷装置のブロック図
である。
【図3】 探傷ヘッドの断面図である。
【図4】 図3のA−A断面図である。
【図5】 超音波ビームのシミュレーション結果を表す
説明図である。
【図6】 周方向角度と音圧レベルとの関係を表すグラ
フである。
【図7】 従来例の説明図である。
【符号の説明】
1・・・車輪、2・・・中ぐり軸、10・・・超音波探
傷装置、11・・・探傷ヘッド、13・・・ガイドチュ
ーブ、14・・・送り機構、14a・・・ローラ、14
b・・・ロータリエンコーダ、15・・・キャスタ付き
台車、16,16a,16b・・・超音波振動子、17
・・・探触部、18・・・前側オイルシール、19・・
・後側オイルシール、20・・・オイル供給通路、21
・・・オイル排出通路、22・・・二次排出通路、23
・・・残圧排気ポート、25・・・探傷器、26・・・
送受信回路、27・・・送信パルス発生器、28・・・
受信増幅器、30・・・コンピュータ、31・・・表示
ディスプレイ、40・・・アダプタ、41・・・オイル
回収パン、42・・・回収チューブ。
フロントページの続き (72)発明者 松本 重明 兵庫県尼崎市扶桑町1番8号 住友金属テ クノロジー株式会社内 (72)発明者 藤井 靖一 兵庫県尼崎市扶桑町1番8号 住友金属テ クノロジー株式会社内 Fターム(参考) 2G047 AA07 AB01 AC08 BB02 BC07 DB02 DB05 DB18 EA10 GB02 GB25 GB35 GE05 GF15 GJ08

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部が中空の中ぐり軸を探傷するための
    超音波探傷装置において、 前記中ぐり軸の内部を軸方向に沿って移動可能な探傷ヘ
    ッドと、 前記探傷ヘッドの中心軸周りに等間隔おきに複数配置さ
    れた超音波振動子と、 前記複数の超音波振動子に対して順次一方向にずらしな
    がら超音波を発射させることにより、超音波が前記探傷
    ヘッドの中心軸周りに回転しながら発生するように制御
    する超音波発射制御手段とを備えたことを特徴とする超
    音波探傷装置。
  2. 【請求項2】 前記超音波発射制御手段は、前記複数の
    超音波振動子のうち連続して並んだ複数個の組に対して
    一度に超音波を発射させ、その組を順次一方向にずらし
    ていくことにより、超音波が前記探傷ヘッドの中心軸周
    りに回転しながら発生するように制御することを特徴と
    する請求項1記載の超音波探傷装置。
  3. 【請求項3】 前記超音波振動子は、所定角度だけ前方
    に向かって斜め入射となるような姿勢で中心軸周りに等
    間隔おきに複数配置されると共に、所定角度だけ後方に
    向かって斜め入射となるような姿勢で中心軸周りに等間
    隔おきに複数配置されていることを特徴とする請求項1
    又は2記載の超音波探傷装置。
  4. 【請求項4】 前記超音波振動子は、凸レンズ状に加工
    されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに
    記載の超音波探傷装置。
  5. 【請求項5】 前記超音波振動子は、セラミックス素子
    をポリマーで包み込んだコンポジット振動子であること
    を特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の超音波探
    傷装置。
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