JP2002081598A - 都市ガスの製造方法及びその装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 液化天然ガスを気化して都市ガスを製造する
ときに、都市ガスの需要変動や気化器の起動・停止に際
しても都市ガスの熱量変動を抑制し、大気温度によらず
気化器の出口温度をほぼ一定にし、安定した都市ガスの
製造を可能にする都市ガスの製造方法及びその装置を提
供しようとするものである。 【解決手段】 需要の低い時間帯においては、液化天然
ガスを複数の気化器のうち必要な数の第１の気化器に供
給し、液化天然ガスの供給を停止したその他の気化器で
ある第２の気化器には、第１の気化器から流出するガス
を供給して第２の気化器内に滞留する成分を掃気し、第
２の気化器に供給する熱媒の流量を制御して気化器出口
のガス温度を調節し都市ガスとして供給し、一定時間経
過した後、液化天然ガスの供給先を第１の気化器から第
２の気化器に変更して同様に都市ガスとして供給する都
市ガスの製造方法である。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、液化天然ガスから
都市ガスを製造する際に、都市ガスの需要変動に対応し
ながら、需要変動時に生ずる都市ガスの熱量変動を抑制
する都市ガスの製造方法及びその装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】液化天然ガスから都市ガスを製造する方
式には、液化天然ガスを熱交換器で加熱して蒸発させ、
熱量を調節して都市ガスとして供給する方法がある。そ
して、液化天然ガスの気化潜熱を大気より得る方式とし
ては、空温式蒸発器を用いる方法がある。しかし、液化
天然ガスの沸点はおよそ−１６２℃とかなり低温である
ため長期連続使用中に熱交換器表面に大気中の水分が氷
結して蓄積し、液化天然ガスの蒸発能力が大幅に低下す
るという問題があった。

【０００３】そこで、複数の空温式蒸発器を設けて、熱
交換器表面に水分が氷結した蒸発器への液化ガスの供給
を停止し、他の蒸発器から流出するガスを加熱器で加熱
し、先の停止した蒸発器に供給して蒸発器に付着した氷
を解氷し、前記蒸発器からの流出ガスを都市ガス等に使
用する液化ガスの気化供給方法が提案された（特開昭６
０−４６９６号公報）。

【０００４】図３は、上記公報に記載の液化ガスの気化
供給装置の系統図を示したものである。この装置は２系
列の空温式蒸発装置からなり、液化ガス貯槽１８から液
化ガスを第１の熱交換器１９Ａに供給して大気と間接的
に熱交換を行い、液化ガスを蒸発させ系外に気化ガスと
して回収導管２０より回収する。他方、液化ガスの蒸発
に際して熱交換器表面に氷が付着した第２の熱交換器１
９Ｂには、液化ガス貯槽１８から液化ガスの一部を加熱
器２１で加熱した比較的高温のガスを供給して氷を解凍
して、系外に気化ガスとして回収導管２０より回収す
る。そして、熱交換器出口に温度計２２Ａ，２２Ｂを設
け、解氷完了を検知するとともに、加熱器２１出口に設
けた温度計２３で加熱器２１からの流出ガスの温度を検
知して、解氷期間中前記流出ガスの温度を維持できるよ
うに、加熱器２１への外部エネルギーの供給量を制御器
２４で制御する。また、第１の熱交換器１９Ａの出口に
設けた温度計２２Ａで熱交換器表面への氷の付着状態を
検知して、液化ガスの供給先を第１の熱交換器１９Ａか
ら第２の熱交換器１９Ｂに切り換え、第１の熱交換器１
９Ａの熱交換器表面に付着した氷を上記と同様に解凍す
る。このように２つの熱交換器を交互に使用して液化ガ
スの気化を連続的に行うものである。

【０００５】図４は、上記公報に記載の液化ガスの気化
供給装置の別の系統図を示したものである。この装置は
２系列の空温式蒸発装置からなり、液化ガス貯槽１８か
ら液化ガスを第１の熱交換器１９Ａに供給して大気と間
接的に熱交換を行い、液化ガスを蒸発させ、第１の熱交
換器１９Ａからの流出ガスを加熱器２１で加熱した後、
熱交換器表面に氷が付着した第２の熱交換器１９Ｂに供
給して氷を解凍した後、系外に気化ガスとして回収導管
２０より回収するものである。そして、熱交換器出口に
温度計２２Ａ，２２Ｂを設け、解氷完了を検知するとと
もに、解氷に必要な加熱器２１への供給エネルギー量を
検知してこれを調節するものである。この装置も図６の
装置と同様に２つの熱交換器を交互に使用して液化ガス
の気化を連続的に行うものである。

【０００６】しかし、都市ガスの需要変動や気化器の起
動・停止のため負荷変更を行うと、蒸発器からの流出ガ
スの成分組成が変化し、系外に流出するガスの熱量が変
動する。因みに、液化天然ガスがメタン、エタン、プロ
パン、ブタン、ペンタンなどからなる多成分系混合物で
ある。そして、液化天然ガスの成分は炭素数が多くなる
と蒸気圧が低くなり蒸発しにくくなり、他方、熱量は高
くなる。したがって、蒸発器内の流速が遅く内部流体の
ピストンフローが成立していない起動時には、低蒸気圧
成分が蒸発器内に残留し、蒸発器から流出するガスの熱
量は低い方向に変動する。蒸発器の負荷を増やしてゆく
と、蒸発器内に残留していた低蒸気圧成分がピストンフ
ローにより押し出されて、蒸発器から流出するガスの熱
量は高い方向に変動する。逆に、蒸発器の負荷を下げて
いくと、低蒸気圧成分が残留しやすくなり、熱量は低い
方向に変動する。また、空気温度式気化器は流出するガ
スの温度が大気温度による影響を受け、変動する。

【０００７】これらの装置を用いて気化ガスを都市ガス
として利用するときには、ガスの熱量変動を抑制するた
め、負荷変動速度を極端に遅くし、熱量変動をならす運
転が必要となる。また、液化プロパンを添加して熱量調
整を行う場合には、前記の気化ガスの温度の変化によ
り、液化プロパンの気化量が変動し、ガスの熱量を一定
に維持することが難しい。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、上
記の液化ガスの気化方法の欠点を解消し、液化天然ガス
を気化して都市ガスを製造するときに、都市ガスの需要
変動や気化器の起動・停止に際しても気化器の出口温度
をほぼ一定にし、都市ガスの熱量変動を抑制し、安定し
た都市ガスの製造を可能にする都市ガスの製造方法及び
その装置を提供しようとするものである。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本発明は、都市ガスの需
要変動や気化器の起動・停止時において、気化器の出口
若しくは気化器流出管の気化器の近くに設けた温度セン
サーにより流出ガスの温度を検知し、気化器や過熱器へ
の熱媒供給管の流量調節弁を調節したり、気化器の燃焼
器への燃料供給管の流量調節弁を調節することにより、
気化器から流出するガスの温度を１０〜３０℃の範囲の
一定温度に保持することを可能にし、流出ガスの温度変
化に伴うガス組成の変化、即ち熱量変動を抑制し、安定
した都市ガスを製造することに成功したものである。本
発明の構成は、以下のとおりである。

【００１０】(1) 液化天然ガスを気化して都市ガスを製
造する方法において、熱媒配管を備えた複数の気化器を
用意し、都市ガスの需要変動に応じて液化天然ガスを１
つ以上の気化器に供給し、該気化器に供給する熱媒の流
量を制御して気化器出口のガス温度を調節し都市ガスと
して供給し、また、需要の低い時間帯においては、需要
量に応じた液化天然ガスを前記複数の気化器のうち必要
な数の第１の気化器に供給し、液化天然ガスの供給を停
止したその他の気化器である第２の気化器には、第１の
気化器から流出するガスを供給して第２の気化器内に滞
留する成分を掃気し、第２の気化器に供給する熱媒の流
量を制御して気化器出口のガス温度を調節し都市ガスと
して供給し、一定時間経過した後、液化天然ガスの供給
先を第１の気化器から第２の気化器に変更し、第２の気
化器から流出するガスを第１の気化器に供給して第１の
気化器内に滞留する成分を掃気し、第１の気化器に供給
する熱媒の流量を制御して気化器出口のガス温度を調節
し都市ガスとして供給することを特徴とする都市ガスの
製造方法。

【００１１】(2) 前記気化器からの流出ガスを１０〜３
０℃の範囲の温度に保持することを特徴とする前記(1)
記載の都市ガスの製造方法。 (3) 前記気化器からの流出ガスの温度を測定して前記気
化器に供給する熱媒の流量を制御して前記流出ガスの温
度を一定に保持することを特徴とする前記(1)又は(2)
記載の都市ガスの製造方法。 (4) 前記気化器からの流出ガスの熱量を測定して、該流
出ガスに高熱量の液化ガスを加えて熱量を一定に保持し
た後、都市ガスとして供給することを特徴とする前記
(1) 〜(3) のいずれか１つに記載の都市ガスの製造方
法。

【００１２】(5) 液化天然ガスを気化して都市ガスを製
造する装置において、熱媒配管を備えた複数の気化器を
用意し、前記液化天然ガス供給管を分岐した導入管にそ
れぞれ切換弁を設け、該導入管をそれぞれの気化器に接
続し、各気化器の流出管にもそれぞれ切換弁を設け、該
流出管を都市ガス供給管に接続し、前記気化器の流出管
の切換弁の前段で分岐したバイパス導管に切換弁を設
け、該バイパス導管を他の気化器の導入管に接続して、
気化器の流出ガスを他の気化器に供給して他の気化器内
に滞留する成分の掃気を可能とし、前記気化器の流出管
に温度センサーを設けて気化器からの流出ガスの温度を
検知可能とし、前記気化器の熱媒配管への熱媒の供給管
に流量調節弁を付設し、前記温度センサーの信号により
前記流量調節弁を制御して気化器からの流出ガスの温度
を調節可能とし、都市ガスの需要変動に応じて気化器前
後の切換弁を開閉することにより、液化天然ガスを導入
する気化器の数を制御可能とし、また、需要の低い時間
帯においては、気化器前後の切換弁を切り換えることに
より、需要量に応じて液化天然ガスを供給する気化器の
数を制御し、その際気化器と他の気化器を接続する導管
の切換弁を順次切り換えることにより、液化天然ガスを
供給する前記気化器の流出ガスを、液化天然ガスの供給
を停止した他の気化器に供給し、他の気化器内に滞留す
る成分の掃気を可能とすることを特徴とする都市ガスの
製造装置。

【００１３】(6) 前記気化器を、空温式蒸発器と、熱媒
配管を内部に備えた過熱器を直列に接続してなる気化器
に置換し、前記熱媒配管に接続する熱媒供給管に流量調
節弁を設け、前記過熱器の流出管に温度センサーを設
け、前記温度センサーの信号により前記流量調節弁を制
御して前記過熱器からの流出ガスの温度を調節可能とし
たことを特徴とする請求項５記載の都市ガスの製造装
置。 (7) 前記熱媒として温風又は温水を用いたことを特徴と
する前記(5) 又は(6)記載の都市ガスの製造装置。

【００１４】(8) 前記気化器を、空温式蒸発器と、燃焼
器を備えた過熱器を直列に接続してなる気化器に置換
し、前記燃焼器への燃料供給管に流量調節弁を設け、前
記過熱器の流出管に温度センサーを設け、前記温度セン
サーの信号により前記流量調節弁を制御し燃料の供給量
を調節して前記過熱器からの流出ガスの温度を調節可能
としたことを特徴とする前記(5) 記載の都市ガスの製造
装置。

【００１５】(9) 前記気化器の流出管に接続する都市ガ
ス供給管に高熱量の液化ガス導入管を接続し、前記液化
ガス導入管に流量調節弁を付設し、前記気化器流出管に
熱量計を付設し、前記熱量計の信号により前記液化ガス
導入管に流量調節弁を制御して都市ガスの熱量調整を可
能にしたことを特徴とする前記(5) 〜(8) のいずれか１
つに記載の都市ガスの製造装置。

【００１６】

【発明の実施の形態】図１は、本発明の都市ガス製造方
法を実施する装置の１例を示す系統図であって、気化器
１Ａ，１Ｂを有する装置である。気化器１Ａ，１Ｂには
それぞれ熱媒配管２Ａ，２Ｂを備えており、熱媒配管２
Ａ，２Ｂには流量調節弁３Ａ，３Ｂが付設されている。
液化天然ガス供給管１は分岐された導入管５Ａ，５Ｂを
介して気化器１Ａ，１Ｂに接続される。気化器１Ａ，１
Ｂからの流出ガスは、流出管６Ａ，６Ｂを介して天然ガ
ス導出管８に接続される。なお、流出管６Ａ，６Ｂには
温度センサー７Ａ，７Ｂが設けられている。そして、流
出管６Ａ，６Ｂは分岐されてバイパス管９Ａ，９Ｂを介
して気化器１Ｂ，１Ａの導入管５Ｂ，５Ａに接続され、
気化器から流出したガスを他の気化器に導入可能とす
る。なお、気化器１Ａ，１Ｂの導入管５Ａ，５Ｂ、流出
管６Ａ，６Ｂ、及びバイパス管９Ａ，９Ｂには切換弁を
それぞれ設ける。そして、流出管６Ａ，６Ｂの温度セン
サー７Ａ，７Ｂの信号で流量調節弁３Ａ，３Ｂを制御し
て熱媒の供給量を調節して気化器からの流出ガス温度を
一定にする。天然ガス導出管８は液化ガスの補給器１０
に接続され、補給器１０は都市ガス供給管１１に接続さ
れる。液化ガスの補給器１０には、流量調節弁１３を備
えた液化ガス補給管１２が接続され、天然ガス導出管８
に設けた熱量計１４の信号で流量調節弁１３を制御し液
化ガスの供給量を調節して都市ガスの熱量調整を行う。
液化ガスとしては液化プロパンガス等の高熱量の液化ガ
スが用いられる。都市ガス供給管１１にも熱量計１５を
設けて供給される都市ガスの熱量を確認することが好ま
しい。

【００１７】図１の装置の操作手順は次のとおりであ
る。都市ガスの需要変動に応じて上記の切換弁を制御
し、需要の高い時間帯は、液化天然ガス４は導入管５
Ａ，５Ｂ、流から気化器１Ａ及び１Ｂに同時に供給さ
れ、流出管６Ａ及び６Ｂからの流出ガスを天然ガス導出
管８に導出する。その際に流出管６Ａ、６Ｂの温度セン
サーの信号で気化器１Ａ、１Ｂの熱媒配管２Ａ、２Ｂの
流量調節弁３Ａ、３Ｂを制御して、流出管６Ａ及び６Ｂ
からの流出ガスの温度を一定に維持する。そして、天然
ガス導出管８の熱量計１４の信号で液化ガス供給管１２
の流量調節弁１３を調節して熱量調節をして都市ガス供
給管１１に供給する。その際に、気化器からの流出ガス
の温度がほぼ一定であるため、熱量調整のために補給さ
れる液化ガスの蒸発を安定させることができ、一定熱量
の都市ガスを供給することができる。流出ガスの温度が
変動すると、熱量調整のために加える液化ガスの蒸発が
安定せず、都市ガスの熱量の変動の原因となる。

【００１８】需要の低い時間帯は、上記の切換弁を切り
換えて、一方の気化器１Ｂへの液化天然ガスの供給を停
止し、他方の気化器１Ａのみ液化天然ガスを供給し、気
化器１Ａから流出するガスをバイパス管９Ａを介して気
化器１Ｂに導入して、気化器１Ｂ内に滞留する高沸点成
分を掃気して、流出管６Ｂから天然ガス導出管８に導出
する。その際に、熱媒配管２Ｂの流量調節弁３Ｂを制御
して気化器１Ｂに供給する熱媒の熱量を制御することに
より、気化器１Ｂの出口ガス温度をほぼ一定に維持す
る。一定時間経過した後、液化天然ガス４の供給先を気
化器１Ａから気化器１Ｂに変更し、気化器１Ｂから流出
するガスをバイパス管９Ｂを介して気化器１Ａに供給し
て気化器１Ａ内に滞留する高沸点成分を掃気し、気化器
１Ａに供給する熱媒の熱量を前記と同様に制御して気化
器１Ａの出口ガス温度を一定に維持する。このように、
２つの気化器を交互に切り換えることにより、気化器内
に滞留する高い沸点成分を掃気し、かつ気化器から流出
するガス温度を一定に維持することにより、一定の熱量
の都市ガスを安定に供給することを可能にする。

【００１９】図２は、本発明の都市ガス製造方法を実施
するためのもう１つの装置の系統図である。図２の装置
は、気化器を空温式の蒸発器１６Ａ，１６Ｂと、熱媒配
管を内部に備えた過熱器１７Ａ，１７Ｂを直列に接続し
て構成したことを特徴とし、その他の構成は図１の装置
と全く同じであり、操作手順も同じである。なお、図２
の装置の過熱器において、熱媒配管の代わりに、燃焼器
を設けた過熱器を使用することも可能である。また、図
１の気化器や図２の過熱器に供給する熱媒は、温風や温
水などを使用できるが、これらに限定されない。起動時
は、常温の蒸発器に液化天然ガスを導入すると、高蒸気
圧成分が優先的に蒸発し、低蒸気圧成分は蒸発器内に残
留するため、流出ガスの熱量は低い方向に変動する。液
化天然ガスの供給を続けると、蒸発器内に残留していた
低蒸気圧成分も蒸発して押し出され、流出ガスの熱量は
高い方向に変動する。その後、蒸発器内の負荷がほぼ一
定の間は流出ガスの熱量は液化天然ガスの熱量と同じと
なり安定する。

【００２０】このように、図１の装置を用いることによ
り、気化器内に滞留する低蒸気圧成分を容易に掃気する
ことができ、都市ガスの需要変動や装置の起動時や停止
時においても、気化器から流出するガスの熱量変動を抑
制することが可能になり、都市ガスの熱量調整を確実に
行うことができるようになった。

【００２１】

【発明の効果】本発明は、上記の構成を採用することに
より、液化天然ガスを気化して都市ガスを製造するとき
に、都市ガスの需要変動や気化器の起動・停止に際して
も都市ガスの熱量変動を抑制し、大気温度によらず気化
器の出口温度をほぼ一定にし、安定した都市ガスの製造
を可能にした。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の都市ガス製造方法を実施するための装
置の系統図である。

【図２】本発明の都市ガス製造方法を実施するためのも
う１つの装置の系統図である。

【図３】従来の液化ガス気化供給装置の系統図である。

【図４】従来の液化ガス気化供給装置のもう１つの系統
図である。

【符号の説明】

１Ａ，１Ｂ 気化器、 ２Ａ，２Ｂ 熱媒配管、 ３
Ａ，３Ｂ 流量調節弁、４ 液化天然ガス、 ５Ａ，５
Ｂ 導入管、 ６Ａ，６Ｂ 流出管、 ７Ａ，７Ｂ 温
度センサー、 ８ 天然ガス導出管、 ９Ａ，９Ｂ バ
イパス管、 １０ 液化ガス補給器、 １１ 都市ガス
供給管、 １２ 液化ガス補給管、 １３ 流量調節
弁、 １４，１５ 熱量計、 １６Ａ，１６Ｂ エアフ
ィン式の蒸発器、 １７Ａ，１７Ｂ 過熱器、 １８
液化ガス貯槽、 １９Ａ 第１の熱交換器、 １９Ｂ
第２の熱交換器、 ２０ 回収導管、 ２１ 加熱器、
２２Ａ，２２Ｂ 温度計、 ２３ 加熱器出口の温度
計、 ２４ 制御器。

フロントページの続き (72)発明者 森 博一 東京都新宿区西新宿３−７−１ 東京ガ ス・エンジニアリング株式会社内 Ｆターム(参考） 3E073 BB00 DB06 DB07 DC04 DC13 DC31 DD06

Claims (9)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 液化天然ガスを気化して都市ガスを製造
   する方法において、熱媒配管を備えた複数の気化器を用
   意し、都市ガスの需要変動に応じて液化天然ガスを１つ
   以上の気化器に供給し、該気化器に供給する熱媒の流量
   を制御して気化器出口のガス温度を調節し都市ガスとし
   て供給し、また、需要の低い時間帯においては、需要量
   に応じた液化天然ガスを前記複数の気化器のうち必要な
   数の第１の気化器に供給し、液化天然ガスの供給を停止
   したその他の気化器である第２の気化器には、第１の気
   化器から流出するガスを供給して第２の気化器内に滞留
   する成分を掃気し、第２の気化器に供給する熱媒の流量
   を制御して気化器出口のガス温度を調節し都市ガスとし
   て供給し、一定時間経過した後、液化天然ガスの供給先
   を第１の気化器から第２の気化器に変更し、第２の気化
   器から流出するガスを第１の気化器に供給して第１の気
   化器内に滞留する成分を掃気し、第１の気化器に供給す
   る熱媒の流量を制御して気化器出口のガス温度を調節し
   都市ガスとして供給することを特徴とする都市ガスの製
   造方法。
2. 【請求項２】 前記気化器からの流出ガスを１０〜３０
   ℃の範囲の温度に保持することを特徴とする請求項１記
   載の都市ガスの製造方法。
3. 【請求項３】 前記気化器からの流出ガスの温度を測定
   して前記気化器に供給する熱媒の流量を制御して前記流
   出ガスの温度を一定に保持することを特徴とする請求項
   １又は２記載の都市ガスの製造方法。
4. 【請求項４】 前記気化器からの流出ガスの熱量を測定
   して、該流出ガスに高熱量の液化ガスを加えて熱量を一
   定に保持した後、都市ガスとして供給することを特徴と
   する請求項１〜３のいずれか１項に記載の都市ガスの製
   造方法。
5. 【請求項５】 液化天然ガスを気化して都市ガスを製造
   する装置において、熱媒配管を備えた複数の気化器を用
   意し、前記液化天然ガス供給管を分岐した導入管にそれ
   ぞれ切換弁を設け、該導入管をそれぞれの気化器に接続
   し、各気化器の流出管にもそれぞれ切換弁を設け、該流
   出管を都市ガス供給管に接続し、前記気化器の流出管の
   切換弁の前段で分岐したバイパス導管に切換弁を設け、
   該バイパス導管を他の気化器の導入管に接続して、気化
   器の流出ガスを他の気化器に供給して他の気化器内に滞
   留する成分の掃気を可能とし、前記気化器の流出管に温
   度センサーを設けて気化器からの流出ガスの温度を検知
   可能とし、前記気化器の熱媒配管への熱媒の供給管に流
   量調節弁を付設し、前記温度センサーの信号により前記
   流量調節弁を制御して気化器からの流出ガスの温度を調
   節可能とし、都市ガスの需要変動に応じて気化器前後の
   切換弁を開閉することにより、液化天然ガスを導入する
   気化器の数を制御可能とし、また、需要の低い時間帯に
   おいては、気化器前後の切換弁を切り換えることによ
   り、需要量に応じて液化天然ガスを供給する気化器の数
   を制御し、その際気化器と他の気化器を接続する導管の
   切換弁を順次切り換えることにより、液化天然ガスを供
   給する前記気化器の流出ガスを、液化天然ガスの供給を
   停止した他の気化器に供給し、他の気化器内に滞留する
   成分の掃気を可能とすることを特徴とする都市ガスの製
   造装置。
6. 【請求項６】 前記気化器を、空温式蒸発器と、熱媒配
   管を内部に備えた過熱器を直列に接続してなる気化器に
   置換し、前記熱媒配管に接続する熱媒供給管に流量調節
   弁を設け、前記過熱器の流出管に温度センサーを設け、
   前記温度センサーの信号により前記流量調節弁を制御し
   て前記過熱器からの流出ガスの温度を調節可能としたこ
   とを特徴とする請求項５記載の都市ガスの製造装置。
7. 【請求項７】 前記熱媒として温風又は温水を用いたこ
   とを特徴とする請求項６記載の都市ガスの製造装置。
8. 【請求項８】 前記気化器を、空温式蒸発器と、燃焼器
   を備えた過熱器を直列に接続してなる気化器に置換し、
   前記燃焼器への燃料供給管に流量調節弁を設け、前記過
   熱器の流出管に温度センサーを設け、前記温度センサー
   の信号により前記流量調節弁を制御し燃料の供給量を調
   節して前記過熱器からの流出ガスの温度を調節可能とし
   たことを特徴とする請求項６記載の都市ガスの製造装
   置。
9. 【請求項９】 前記気化器の流出管に接続する都市ガス
   供給管に高熱量の液化ガス導入管を接続し、前記液化ガ
   ス導入管に流量調節弁を付設し、前記気化器流出管に熱
   量計を付設し、前記熱量計の信号により前記液化ガス導
   入管に流量調節弁を制御して都市ガスの熱量調整を可能
   にしたことを特徴とする請求項５〜８のいずれか１項に
   記載の都市ガスの製造装置。