JPH11344276A - 液化ガスの冷熱供給装置およびその運転制御方法 - Google Patents

液化ガスの冷熱供給装置およびその運転制御方法

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JPH11344276A
JPH11344276A JP15121998A JP15121998A JPH11344276A JP H11344276 A JPH11344276 A JP H11344276A JP 15121998 A JP15121998 A JP 15121998A JP 15121998 A JP15121998 A JP 15121998A JP H11344276 A JPH11344276 A JP H11344276A
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refrigerant
cold heat
cold
liquefied gas
flow rate
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JP15121998A
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Inventor
Keiji Teramoto
本 敬 二 寺
Rikuo Minegishi
岸 陸 雄 峯
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JGC Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 冷熱利用施設の利用状況が変動しても、液化
ガスの気化量を安定化でき、気化ガス利用施設に気化ガ
スを安定供給可能で、しかも冷熱利用施設側へ一定の冷
熱を安定供給可能な液化ガスの冷熱供給装置及びその運
転制御方法の提供。 【解決手段】 液化ガス保有冷熱を冷熱利用施設2に供
給する装置であって、液化ガスを冷媒と熱交換させ液化
ガスを気化させ冷媒を冷却する熱交換器3と、交換器3
で冷熱を利用施設2に送る供給回路8と、施設2で利用
済みの冷媒を交換器3に還流させる環流回路9とを設
け、径路9内に冷媒を予め加温する冷媒ヒータ5を設
け、ヒータ5で加温された冷媒の一部を径路9から分岐
し施設2において利用済みの冷媒と合流させる径路14
を設けると共に、径路8から分岐して熱交換器3からの
冷媒の一部を利用済みの冷媒と合流させる冷媒バイパス
回路20を設けたことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液化ガス、例え
ば、液化天然ガス(LNG)が保有する冷熱を、冷熱利
用施設に供給する液化ガスの冷熱供給装置およびその運
転制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、都市ガスなどの燃料用に天然
ガスが多く用いられているが、通常、天然ガスは輸送や
貯蔵の容易性の面から、液化させて液化天然ガスの状態
で取り扱われており、燃料用ガスとして使用する際に
は、液化天然ガスを気化させる必要がある。そのため、
従来より気化熱源として、空気、海水、工業用水を用
い、液化天然ガスを気化するための気化装置が実用化さ
れているが、いずれも冷熱が与えられた工業用水や海水
などは有効に利用されず、周囲の環境中に捨てられてい
るのが現状である。
【0003】このため、従来よりこの冷熱を有効利用す
るための冷熱利用システムが、例えば、特開昭63−2
63368号公報、「冷凍(REFRIGERATION)」Vol.5
7,No.652、pp.122-128,Feb.1982などにおいて提案さ
れている。
【0004】これらの冷熱利用システムでは、液化天然
ガスを、例えば、フロンや塩化カルシウム(CaC
2 )などの二次冷媒と熱交換して、冷却された二次冷
媒を冷凍倉庫や、人工アイススケートリンクなどの冷熱
利用施設(以下、単に「冷熱利用施設」と言う)に送っ
て、これらの冷熱利用施設にて冷熱を利用するシステム
となっている。
【0005】すなわち、図3に示したように、従来の冷
熱利用システム100では、図示しない液化天然ガスタ
ンクなどに貯留された液化天然ガス(例えば、約−16
0℃)が、需要に応じて液化天然ガスライン101を介
して、プレート式の第1の熱交換器102に導入され、
この熱交換器102において、例えば、フロンなどの冷
媒と熱交換することにより気化され、さらに、海水など
を熱源とするオープンラック式の第2の熱交換器103
において、0℃以上に昇温され完全に気化され、気化さ
れた天然ガスは、都市ガス、燃料ガス等として天然ガス
ライン104を介して、図示しないユーザー(需要先)
に供給されるようになっている。一方、熱交換器102
において、液化天然ガスの冷熱によって、例えば、−5
8℃から−65℃まで冷却された冷媒は、いったん冷媒
レシーバ(ブラインドラム)105に貯留された後、循
環ポンプ106によって冷熱供給ライン107を介し
て、冷熱利用施設108に供給され、冷熱が利用され
る。そして、冷熱が利用され、例えば、−58℃まで昇
温された冷媒は、冷熱利用施設108から、冷媒戻りラ
イン109を介して、再び第1の熱交換器102に返送
される。
【0006】なお、第1の熱交換器102と冷媒レシー
バ105との間には、温度センサ、制御装置からなる温
度調節計110が設けられており、第1の熱交換器10
2にて冷却された冷媒の温度が測定され、この測定結果
に基づいて、流量調整バルブ112を調整して所定の冷
媒温度が得られるように制御している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
冷熱利用システム100において、冷熱供給側の設備で
は、液化天然ガスを気化させることにより発生した天然
ガス(NG)を都市ガス等の製品ガスとしてユーザーに
安定して供給する必要がある。また、熱交換に使用され
る第1の熱交換器102が、プレート式の熱交換器であ
るためその構造上、流入する冷媒の温度および流量の負
荷変化に対する許容範囲に一定の制約がある。従って、
このような冷熱利用システム100では、第1の熱交換
器102において気化させる液化天然ガスの量を一定に
保つとともに、熱交換器102に流入する冷媒の温度お
よび流量を、一定制限以上の幅で変動させない安定した
運転が望まれる。
【0008】しかしながら、冷熱を利用する冷熱利用施
設108では、例えば、低温倉庫や冷凍食品製造工場な
どでは、昼間の操業時に需要量や荷物の搬入出量が多い
など、また季節や昼夜の気温変化等により冷熱の利用状
況、すなわち冷熱負荷(以下、「負荷率」と言う。)が
変動するとともに、冷熱利用施設108から返送される
冷熱利用済みの冷媒の温度が変動する。また、従来の冷
熱利用システムでは、例えば、単一製品の貯蔵を目的と
する冷凍倉庫のような運用上冷熱負荷が安定するもので
あったが、昨今では、貯蔵品目の多様化および使用温度
レベルの多様化、また貯蔵品の出入庫時の温度変化以外
にフリージング等の異なる操作があり、冷媒の流量や温
度条件の変動が避けられなくなってきている。
【0009】このような負荷率の変動に伴い、冷熱利用
施設108から熱交換器102に返送される冷媒の流量
や温度が変化した場合には、熱交換器102において気
化される液化天然ガスの気化量も変動するので、熱交換
器102では所定の量の液化天然ガスを気化させること
ができなくなる。
【0010】そのため、従来の冷熱利用システム100
では、冷媒に冷熱を供給するための第1の熱交換器10
2の後段に、気化加温用の第2の熱交換器103を直列
に設けて、第1の熱交換器102で気化しきれなかった
液化天然ガスを、第2の熱交換器103で気化させるよ
うになっている。
【0011】このように二段の熱交換器を直列に配設す
ることにより、所定量の液化天然ガスを完全に気化する
ことは可能であるが、第1の熱交換器102に限らず、
第2の熱交換器103においても、超低温仕様が要求さ
れるため、高価な熱交換器の組み合わせが必要であり、
冷熱供給側の設備自体が高価なものとなる。
【0012】また、負荷率が急激に変動し、その変動幅
が大きい場合には、熱交換器102に返送される冷媒の
流量や温度が急変するため、熱交換器への負担も大き
く、設備の寿命を低下させることとなっていた。
【0013】さらに、負荷率の変動に対応しきれない場
合を回避するため、冷熱を利用する冷熱利用施設108
に対し、負荷の変動速度、変動幅や冷媒の使用温度につ
いて運用上の制限を求める必要もあった。
【0014】本発明は、このような実状に鑑みて、冷熱
利用目的の多様化などに対応して、冷熱利用施設側の冷
熱の使用状況の変動に応じて、冷媒の供給(返送)の温
度や流量が変動しても、液化ガスの気化量を安定化で
き、気化ガス利用施設に気化ガスを安定して供給するこ
とができるとともに、冷熱利用施設側へ一定の冷熱を安
定して供給することが可能な、安価で、かつ装置寿命の
長い液化ガスの冷熱供給装置およびその運転制御方法を
提供することを目的としている。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は、前述した課題
および目的を達成するために発明なされたものであっ
て、本発明の冷熱供給装置は、液化ガスが保有する冷熱
を冷熱利用施設に供給する液化ガスの冷熱供給装置であ
って、液化ガスを冷媒と熱交換させて液化ガスを気化さ
せて冷媒を冷却する冷熱供給用熱交換器と、冷熱供給用
熱交換器にて冷却された冷媒を冷熱利用施設に送る冷熱
供給経路と、冷熱利用施設において利用された冷熱利用
済みの冷媒を冷熱供給用熱交換器に環流させる冷熱環流
経路とを設け、冷媒環流経路内には、冷熱供給用熱交換
器に導入する前の冷媒を予め加温する冷媒ヒータを設
け、冷媒ヒータにて加温された冷媒の一部を冷媒環流経
路から分岐して、冷熱利用施設において利用された冷熱
利用済みの冷媒と合流させる冷媒循環経路を設けるとと
もに、冷熱供給経路から分岐して冷熱供給用熱交換器か
らの冷媒の一部を冷熱利用済みの冷媒と合流させる冷媒
バイパス経路を設けたことを特徴とする。
【0016】好ましくは、冷熱利用済みの冷媒、冷媒循
環経路からの冷媒および冷媒バイパス経路からの冷媒と
の混合液を貯留する冷媒レシーバを冷媒環流経路内に設
け、冷媒レシーバを経由して冷媒が冷媒ヒータに導入さ
れる。
【0017】また、本発明の液化ガスの冷熱供給装置の
運転制御方法は、液化ガスが保有する冷熱を冷熱利用施
設に供給する液化ガスの冷熱供給装置であって、液化ガ
スを冷媒と熱交換させて液化ガスを気化させて冷媒を冷
却する冷熱供給用熱交換器と、冷熱供給用熱交換器にて
冷却された冷媒を冷熱利用施設に送る冷熱供給経路と、
冷熱利用施設において利用された冷熱利用済みの冷媒を
冷熱供給用熱交換器に環流させる冷熱環流経路とを設
け、冷媒環流経路内には、冷熱供給用熱交換器に導入す
る前の冷媒を予め加温する冷媒ヒータを設け、冷媒ヒー
タにて加温された冷媒の一部を冷媒環流経路から分岐し
て、冷熱利用施設において利用された冷熱利用済みの冷
媒と合流させる冷媒循環経路を設けるとともに、冷熱供
給経路から分岐して冷熱供給用熱交換器からの冷媒の一
部を、冷熱利用済みの冷媒と合流させる冷媒バイパス経
路を設けた冷熱供給装置において、冷熱利用施設の冷熱
利用状況に応じて、冷媒循環経路と冷媒バイパス経路を
流れる冷媒の流量を調整することを特徴とする。
【0018】好ましくは、冷熱供給用熱交換器に送られ
る冷媒の温度が、液化ガスの全量を気化させるのに十分
な温度である。また、好ましくは、冷媒循環経路を流れ
る冷媒と冷熱利用済みの冷媒とを合流させるに際して、
冷媒循環経路を流れる冷媒の流量が、冷媒ヒータに導入
される冷媒の温度を所定温度以上に維持できる流量であ
る。
【0019】このように構成される液化ガスの冷熱供給
装置およびその運転制御方法では、冷熱供給用熱交換器
にて冷却された冷媒は、冷熱供給経路を介して冷熱利用
施設に供給され冷熱が消費される。一方、冷熱利用済み
の冷媒は、冷媒環流経路を介して冷媒ヒータにて、液化
ガスの所定量を、好ましくは全量を気化させるのに十分
な温度まで加温され、冷熱供給用熱交換器に送られる。
この際に、冷媒ヒータにて加温された冷媒の一部が、冷
媒循環経路を介して冷熱利用済みの冷媒と合流するとと
もに、冷熱利用施設の負荷変動(負荷率の変動)に応じ
て、冷熱供給用熱交換器からの冷媒の一部が、冷媒バイ
パス経路を介して冷熱利用済みの冷媒と合流する。これ
により、冷熱利用施設での冷熱利用状況、すなわち、冷
熱利用側で必要とされる冷媒の供給流量や温度が変化し
て、冷熱利用施設から冷媒環流経路に返送される冷媒の
流量や温度が変化しても、冷媒ヒータに環流される冷媒
を所定の温度以上に保つことが可能になるとともに、冷
熱供給用熱交換器に導入される冷媒の温度および流量が
一定となり、冷媒ヒータでの冷媒の加温動作、および冷
熱供給用熱交換器での熱交換動作を確実なものにし、液
化ガスの所定量、好ましくは全量を確実に気化させるこ
とができる。
【0020】液化ガスの冷熱供給装置は、通常、冷熱利
用施設側での使用温度が一定、あるいは使用温度の変動
幅がごく限られた条件下で運転される場合が多い。この
利用条件において、具体的には、冷熱利用施設での使用
温度の変動が生じた場合、冷熱利用施設から冷媒環流経
路に返送される冷媒の温度が変動するが、後述のよう
に、この温度の変動に応じて、冷媒循環経路を流れる冷
媒の流量等を変化させることも可能であるが、例えば、
冷媒循環経路を流れる冷媒の流量を、使用温度の変動す
る幅を加味して一定の流量を予め選定し、この選定した
一定流量で流すことにより対応することができる。
【0021】すなわち、冷熱利用施設から冷媒環流経路
に返送される冷媒の温度の変動にかかわらず、冷媒の冷
媒循環経路を流れる冷媒の流量を一定に維持するように
冷媒循環量調整手段を動作させて調整するとともに、冷
熱利用施設の負荷変動(使用温度の変動)に応じて、冷
媒バイパス量調整手段を動作させて、冷媒バイパス経路
を流れる冷媒の流量を調整する。この場合、通常、冷媒
バイパス経路を流れる冷媒の流量設定値の変更をともな
うことなく調整される。これにより、冷熱供給用熱交換
器に環流される冷媒の流量を一定にするように制御する
ことができる。
【0022】また、冷熱利用施設から冷媒環流経路に返
送される冷媒の流量および/または温度の変動に応じ
て、冷媒循環経路を流れる冷媒の流量を調整する冷媒循
環量調整手段を設けるとともに、冷熱利用施設の負荷変
動に応じて冷媒バイパス経路を流れる冷媒の流量を調整
する冷媒バイパス量調整手段を設けて、これらの流量を
調整するようにしてもよい。
【0023】すなわち、冷熱利用施設での冷熱利用状況
が変動して、冷熱利用施設から冷媒環流経路に返送され
る冷媒の流量が変化した場合、返送される冷媒の流量の
変化に応じて、冷媒循環量調整手段を動作させて、冷媒
ヒータで加温された冷媒の一定量が、返送される冷媒
(冷熱利用済みの冷媒)に合流されるように、冷媒循環
経路を流れる冷媒の流量を調整して、冷媒ヒータに環流
される冷媒を所定温度以上に保つようにするとともに、
冷熱利用施設の負荷変動(使用される冷媒流量の変動)
に応じて、冷媒バイパス量調整手段を動作させて、冷媒
バイパス経路を流れる冷媒の流量を調整することにより
冷熱供給用熱交換器に環流される冷媒流量を一定にする
ように制御することができる。
【0024】以上のように、冷媒循環経路を流れる冷媒
の流量と冷熱供給用熱交換器に送られる冷媒の流量を一
定に保つことにより、また冷媒ヒータで加温された冷媒
の一部を冷熱利用済み冷媒に合流させて冷媒を所定の温
度以上に保つことにより、液化ガスの気化量を安定化さ
せることができる。そのため、気化ガスを安定して供給
することができるとともに、冷熱利用施設側へ一定の冷
熱を安定して供給することが可能となる。
【0025】本発明においては、上記のような利用条
件、すなわち、冷熱利用施設側での冷媒の使用温度がほ
ぼ一定の場合に限らず、使用温度の変更、すなわち変動
幅の大きい場合に対しても、その変更度合に応じて、液
化ガスによって冷却される冷媒の温度、冷媒循環経路を
流れる冷媒の流量、冷媒ヒータに環流される冷媒の流量
および冷熱供給用熱交換器に導入される冷媒の流量の設
定条件を適宜変更することで対応できる。
【0026】例えば、冷熱利用施設での冷媒利用状況が
変更されて、冷熱利用施設から冷媒環流経路に返送され
る冷媒の温度が変化した場合、この返送される冷媒の温
度変化に応じて、冷媒循環量調整手段を動作させて、冷
媒循環経路を流れる冷媒の流量を調整して冷媒ヒータに
環流される冷媒の流量を調整するとともに、冷熱利用施
設での使用温度の変更に応じて、冷熱供給用熱交換器に
導入される冷媒の温度を適宜変化させ、これに応じて冷
媒バイパス量調整手段を動作させて、冷媒バイパス経路
を流れる冷媒の流量を調整することにより冷熱供給用熱
交換器に導入される冷媒の流量を調整する。
【0027】この運転条件の変更度合によっては、液化
ガスの気化量の変化を伴うが、後述の実施例からも明ら
かなように、使用温度が約10℃前後の範囲内での変更
に対しては、液化ガスの気化量は殆ど変化なく、安定し
て一定量の気化ガスを供給することが可能である。
【0028】冷熱利用施設での冷媒利用状況が変化し
て、冷熱利用側に供給される冷媒の流量と使用温度の変
更を伴う場合には、上記と同様にして、その変更度合に
応じて、液化ガスによって冷却される冷媒の温度、冷媒
循環経路を流れる冷媒の流量、冷媒ヒータに環流される
冷媒の流量および冷熱供給用熱交換器に導入される冷媒
の流量の設定条件を適宜変更することで対応できる。
【0029】本発明においては、これらの利用条件の変
更操作は、手動で行うこともできるが、利用条件の変更
頻度が大きいような場合、あるいは冷熱供給装置で気化
させる液化ガスの量に制限がある場合には、冷媒の流量
および温度条件の設定操作を自動化することが好まし
い。
【0030】また、本発明における冷熱供給装置および
その運転制御方法においては、冷熱利用側に影響を及ぼ
すことなく、また冷熱供給装置内の機器に影響を与えな
いような速度で運転条件の変更を行うことが可能であ
る。
【0031】このように、本発明においては、冷熱利用
施設の冷熱利用状況の一定の利用条件下における変動へ
の対応に限らず、変更(大幅な変動)に対しても、その
変更度合に応じて、冷媒循環量調節手段を動作させて冷
媒循環経路を流れる流量を調整することにより、また冷
媒バイパス量調整手段を動作させて、冷媒バイパス経路
を流れる冷媒の流量を調整することにより、冷熱供給装
置の運転を良好に制御することができる。従って、気化
ガスの利用施設側への気化ガスの安定供給が可能とな
り、一方冷熱利用側への冷熱の安定供給も可能となる。
【0032】なお、本発明において、冷熱利用施設から
冷媒環流経路に返送される冷媒の流量および/または温
度の変動に応じて、冷媒循環経路を流れる冷媒の流量を
調整する方法としては、冷媒環流経路に返送される冷媒
の流量や温度を実際に測定して、その結果に基づいて調
整を行う方法に限らず、結果として冷媒環流経路に返送
される冷媒の変動に応じて調整が行われる方法であれば
よい。例えば、冷熱利用施設に供給される冷媒の流量、
温度を測定して、その結果に基づいて調整する等の方法
によって行うようにしてもよい。
【0033】また、冷媒利用施設の負荷変動に応じて冷
媒バイパス経路を流れる冷媒の流量を調整する場合、そ
の負荷変動を、冷媒環流経路に返送される冷媒の流量、
温度の測定データから、あるいは冷熱利用施設に供給さ
れる冷媒の流量、温度の測定データから捕らえるように
してもよく、また冷熱利用施設側からの直接的指示等に
より捕らえることができる。
【0034】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
の液化ガスの冷熱供給装置およびその運転制御方法の実
施の形態(実施例)について説明する。
【0035】図1は、本発明の液化ガスの冷熱供給装置
の第1の実施例の概略を示すブロック図である。図1に
おいて、符号1は、本発明の液化ガスの冷熱供給装置の
全体を示している。冷熱供給装置1は、液化ガスが保有
する気化時に生じる冷熱を、冷熱利用施設2に供給する
冷熱供給装置である。なお、この場合、液化ガスとして
は、例えば、液化天然ガス(LNG)が用いられるが、
これ以外でも、冷媒と熱交換することによって気化して
冷媒を冷却することが可能な液化ガスであれば、例え
ば、液化窒素ガス、液化酸素ガス、液化石油ガスなどが
使用可能であり、特に限定されるものではない。
【0036】冷熱供装置1は、図1に示したように、冷
熱供給用の熱交換器3を備えており、図示しない貯留タ
ンクに貯留された液化ガスが、液化ガス導入ライン4を
介して、熱交換器3に導入される。そして、この熱交換
器3では、導入された液化ガスと、冷媒ヒータ5から冷
媒導入ライン6を介して導入された冷媒との間で熱交換
が行われて、液化ガスが気化して気化ガスとなり、気化
ガス搬送ライン7を介して、例えば、都市ガス、燃料ガ
ス等として適宜加工されて、図示しないガス会社、工場
などのユーザー(需要先)に供給される。一方、熱交換
器3において、液化ガスとの熱交換によって冷却された
冷媒は、冷熱供給経路8を介して、冷熱利用施設2に供
給される。
【0037】この場合、使用される冷媒としては、特に
限定されるものではなく、冷熱利用施設2で必要とされ
る冷媒使用温度、液化ガスの種類などによって、適宜選
択可能であって、例えば、フロン22などのフロン、プ
ロパン、ブタン等の液化石油ガス、l−プロパノール、
メタノール、エタノールなどの低級アルコールおよびそ
の水溶液、アセトアルデヒド、塩化カルシウム、エチレ
ングリコール、プロピレングリコールなどの水溶液が使
用可能である。
【0038】また、熱交換器3としては、液化ガスの使
用に適するものであれば、特に限定されず、例えば、プ
レート式、フィンチューブ式などの熱交換器が使用可能
である。
【0039】冷熱利用施設2としては、例えば低温・冷
凍倉庫、凍結食品の製造工場、地域冷房、人工アイスス
ケートリンク、人工スキー場などのような、雪や氷など
を人工的に作るレジャー施設などの冷熱利用施設であ
り、特に限定されるものではない。
【0040】この冷熱利用施設2では、供給された冷媒
を用いて物品の冷却を行うなど冷熱が利用され、冷熱が
利用され昇温された冷熱利用済みの冷媒は、冷熱利用施
設2から、冷媒環流経路9における環流ライン13を介
して、冷媒レシーバ10に導入されて、冷媒レシーバ1
0に一時貯留された後、循環ポンプ11を介して、冷媒
ヒータ5に返送される。
【0041】冷媒ヒータ5では、冷熱利用施設2から返
送された冷媒を、熱交換器3において液化ガスの所定
量、好ましくは全量を気化させるのに十分な所定の温度
まで加温した後、冷媒環流経路9における冷媒導入ライ
ン6を介して再び熱交換器3に導入されるようになって
いる。なお、この冷媒ヒータ5での加温温度は、液化ガ
ス、冷媒などの種類などによって適宜選定されるもので
あって、一例を挙げれば0℃に設定される。
【0042】また、冷媒導入ライン6から分岐して、冷
媒環流経路9の冷熱利用施設2と冷媒レシーバ10との
間の環流ライン13に至る冷媒循環経路14が設けられ
ており、この冷媒循環経路14を介して、冷媒ヒータ5
で所定の温度に加温された冷媒の一部が、冷熱利用施設
2から返送された冷媒と合流して、冷媒レシーバ10に
導入されるようになっている。
【0043】すなわち、冷熱利用施設2の利用状況に応
じて、冷熱利用施設2から冷媒環流経路9(環流ライン
13)を介して冷媒ヒータ5に返送(環流)される冷媒
の温度、すなわち、冷媒環流時の冷媒温度(環流温度T
o)も変化するが、この環流温度Toの変化に対し、冷
媒ヒータ5で加温された冷媒の一部を、冷熱利用施設2
から冷媒環流経路9(環流ライン13)を介して返送さ
れる冷媒に合流(混合)することによって、冷媒ヒータ
5に返送される冷媒温度を一定の温度以上に保持するよ
うになっている。その結果、冷媒ヒータ5にて加温して
冷媒を一定の温度、すなわち、熱交換器3において液化
ガスの所定量、好ましくは全量を気化させるのに十分な
所定の温度に維持しやすく、冷媒導入ライン6を介して
所定温度の冷媒を熱交換器3に常に安定して導入するこ
とができる。なお、冷媒レシーバ10は、環流ライン1
3を介して返送される冷熱利用済みの冷媒と、冷媒導入
ライン6から分岐された所定温度の冷媒とを、あるいは
後述の冷媒バイパス経路20を介してバイパスされる冷
却された冷媒を混合する際に、または混合した後に設け
ることが好ましい。このように、これら冷媒を混合する
ことにより冷媒ヒータ5に導入される前に予め冷媒を所
定の温度以上、好ましくは−45℃以上に維持するよう
になっている。
【0044】具体的には、冷熱利用施設2での使用温度
(冷熱利用施設2で必要とされる冷媒の導入温度Ti)
が一定の場合、あるいはその温度の変動幅が小さい場合
には、冷媒環流経路9の循環ポンプ11と冷媒ヒータ5
との間の環流ライン16に設けた流量計と制御装置とか
らなる流量調節計17によって、冷媒環流経路9を流れ
る冷媒の流量(F)を検知して、その検知結果に基づい
て、冷媒循環経路14の途中に設けられた流量調整バル
ブ18の開度を調整することにより、一定量の加温され
た冷媒を環流ライン13に戻すようになっている。
【0045】これにより、冷媒環流経路9を流れる冷媒
の流量(F)が調整され、この流量Fに応じて冷媒循環
経路14を流れる冷媒の流量(F2)が調整されるとと
もに、冷媒導入ライン6を介して熱交換器3に導入され
る冷媒の流量(F4)が常に一定の流量となるように調
整されるようになっている。さらに、冷熱供給経路8か
ら分岐して、冷媒循環経路14に合流するように、冷媒
バイパス経路20が設けられており、この冷媒バイパス
経路20、冷媒循環経路14を介して、熱交換器3にお
いて冷却された冷媒の一部が、冷熱利用施設2から返送
された冷熱利用済みの冷媒と合流して、冷媒レシーバ1
0に導入されるようになっている。
【0046】冷熱利用施設2での使用温度の変動が小さ
い場合において、その変動に応じて、熱交換器3に導入
される冷媒の流量の変動を生じるときは、冷熱供給経路
8に設けられた流量調節計23によって、冷熱供給経路
8を流れる冷媒の流量を検知して、その検知結果に基づ
いて、冷媒バイパス経路20に設けられた流量調整バル
ブ25の開度を調整して、熱交換器3に導入される冷媒
の流量(F4)が一定の流量になるように調整される。
このような場合、通常、冷媒バイパス経路20を流れる
流量の設定値を変更することなく調整することができ
る。
【0047】冷熱利用施設2の利用状況に応じて、冷熱
利用施設2における最大規模での利用を100としてと
きの負荷率(利用率)が変動するが、例えば、負荷率が
減少した場合には、冷媒利用施設2に供給する流量を減
少しなければならないが、その結果冷熱供給用熱交換器
3に送られる冷媒量が減少し、安定した液化ガスの気化
量を確保することができない。また、この負荷率の減少
が急激な場合には、熱交換器3に大きな負担をかける。
【0048】そのため、負荷率の変化に応じて、熱交換
器3にて冷却された冷媒の一部を冷媒バイパス経路20
を介して、冷媒循環経路14にバイパスしてその流量
(F3)を調整するとともに、それに伴って、冷媒導入
ライン19を介して、冷熱利用施設2に供給される冷媒
の流量をこの負荷率に見合った流量(F1)とするよう
になっている。これにより、冷熱供給用熱交換器3に導
入される冷媒の流量を安定させている。
【0049】具体的には、冷熱供給経路8の冷媒バイパ
ス経路20よりも上流側に、流量計、制御装置からなる
流量調節計23を設けている。この流量調節計23で
は、熱交換器3において冷却され、冷熱供給経路8内を
流れる冷媒の量を測定するとともに、冷熱利用施設2で
の負荷率のデータに基づいて、負荷率に応じた冷熱利用
施設2で必要とされる冷媒量を算出して、その結果に基
づいて、冷媒バイパス経路20に設けられた流量調整バ
ルブ25の開度を調整する。その結果、熱交換器3にて
冷却された冷媒の冷媒循環経路14にバイパスするバイ
パス流量(F3)、およびそれに伴い冷媒導入ライン1
9を介して冷熱利用施設2に供給される冷媒の流量F1
が適切に制御されるようになっている。
【0050】なお、冷熱利用施設2での負荷率のデータ
の流量調節計23への取込みは、手動で行ってもよく、
あるいは冷熱利用施設側から自動的に行われるようにし
てもよい。
【0051】これらの一連の制御によって、冷熱利用施
設2への冷媒供給量F1、あるいは、冷媒環流時の冷媒
温度(環流温度To)が変化した場合にも、冷媒導入ラ
イン6を介して、所定温度および所定の流量の冷媒を熱
交換器3に常に安定して導入することができ、熱交換器
3で熱交換され気化される液化ガスの気化量を安定化す
ることができるとともに、熱交換器3への負荷もなく、
その操業安定性に優れる。
【0052】なお、冷熱利用施設2への冷媒の導入温度
を必要とされる所定の温度(導入設定温度Ti)に制御
するために、熱交換器3での液化ガスの気化量を調節す
るようになっている。具体的には、温度センサ、制御装
置からなる温度調節計21にて熱交換器3で冷却された
冷媒の温度を測定し、この温度が導入設定温度Tiより
も低い場合に、液化ガス導入ライン4に設けられた流量
調節弁22の開度を下げて、熱交換器3へ供給される液
化ガスの量を減少させて、熱交換される冷媒の温度を上
げ、逆に、測定結果が導入設定温度Tiよりも高い場合
には、流量調節弁22の開度を上げて、熱交換器3へ供
給される液化ガスの量を増加させて、熱交換される冷媒
の温度を下げるようになっている。
【0053】なお、本態様では、冷熱利用施設2で必要
とされる冷媒の導入温度Tiが一定の場合、あるいはそ
の温度の変動幅が小さい場合についての運転制御方法に
ついて示したが、冷媒の導入温度Tiが変更される場
合、それに応じて、温度調節計21、冷媒環流経路9お
よび冷媒循環経路14の各流量F、F2の調節計17お
よび熱交換器3に導入される冷媒量F4の調節計23の
設定条件を手動で変更させればよい。あるいは、図2に
示したように、冷媒の導入温度Tiの変更を自動的に制
御するようにしてもよい。
【0054】具体的には、冷熱利用施設2より、冷媒の
導入温度Tiの変更要請の信号を入力ライン24を介し
て温度調節計21に取り込み、設定条件を変えることに
より導入温度Tiを徐々に変更された要請値に変えてゆ
く。同時に温度調節計21で測定される冷熱供給経路8
を流れる冷媒の温度、流量計26で測定される冷熱利用
施設2に供給される冷媒の流量F1および温度センサ1
2で測定される冷媒環流経路9の環流ライン13に返送
される冷熱利用済み冷媒の温度Toを制御装置15に伝
送し、変更された条件での流量調節計17および23の
設置箇所で必要とする冷媒流量を算出する。その結果に
基づいて、流量調節計23によって冷媒バイパス経路2
0に設けられた流量調整バルブ25の開度および流量調
節計17によって冷媒循環経路14に設けられた流量調
整バルブ18の開度を調整するようになっている。
【0055】その結果、熱交換器3にて冷却された冷媒
を冷媒循環経路14にバイパスするバイパス流量(F
3)および加温された冷媒を冷媒循環経路14へ流す流
量(F2)が適切に制御される。
【0056】なお、本実施例では、熱交換器3にて冷却
された冷媒の一部を冷媒バイパス経路20を、冷媒循環
経路14に至るようにしたが、冷媒バイパス経路20を
冷媒環流経路9の環流ライン13に至るようにしてもよ
い。
【0057】さらに、本実施例では、以上の流量調整バ
ルブ弁の開閉動作を自動で行うようにしたが、手動で行
っても自動で行ってもよいことは勿論である。なお、本
発明に係る液化天然ガスの冷熱供給システムの好ましい
実施態様について説明したが、本発明はこれに限定され
ることなく、本願の範囲を逸脱しない範囲で種々の変更
が可能であることは言うまでもない。
【0058】
【実施例】図2に示すような本発明に係る液化ガスの冷
熱供給装置を用いて液化ガスとして液化天然ガスを用
い、冷媒としてフロン22を用い、冷熱利用施設2とし
て下記の条件で冷凍倉庫に適用した場合についての実施
例1〜3の計算結果を表2に示した。
【0059】 最大冷凍負荷 :1,000,000 kcal/h 最小冷凍負荷 :無負荷 冷媒ヒータ加温温度:0℃(エンタルピー:100kcal/h) 導入設定温度 :−60℃、−70℃、−80℃ なお、各実施例1〜3では、下記の表1に示すように運
転条件を設定して比較した。
【0060】
【表1】
【0061】
【実施例1】導入設定温度を−60℃とし、かつ、環流
設定温度を−30℃として冷熱供給を行った。
【0062】そこで、冷熱利用側で必要とされる冷媒量
に応じて、負荷率を100%、50%、0%として冷熱
供給を行ったところ、各配管を流れる冷媒量および冷媒
レシーバ10内の冷媒温度が、表2に示すように、負荷
率の変化に応じて変化した。また、液化天然ガスは、負
荷率に依存することなく、11トン毎時(t/h)で気
化した。
【0063】
【実施例2】導入設定温度を−70℃とし、かつ、環流
設定温度を−40℃として冷熱供給を行った。
【0064】実施例1と同様に、負荷率を100%、5
0%、0%として冷熱供給を行ったところ、各配管を流
れる冷媒量および冷媒レシーバ10内の冷媒温度が、表
2に示すように、負荷率の変化に応じて変化した。ま
た、液化天然ガスは、負荷率に依存することなく、13
トン毎時で気化した。
【0065】
【実施例3】導入設定温度を−80℃とし、かつ、環流
設定温度を−50℃として冷熱供給を行った。
【0066】実施例1と同様に、負荷率を100%、5
0%、0%として冷熱供給を行ったところ、各配管を流
れる冷媒量および冷媒レシーバ10内の冷媒温度が、表
2に示すように、負荷率の変化に応じて変化した。ま
た、液化天然ガスは、負荷率に依存することなく、14
トン毎時で気化した。
【0067】
【表2】
【0068】表2から分かるように、冷媒の導入(環
流)温度および負荷率の違いにもかかわらず、実施例1
〜3の何れの場合においても、冷媒レシーバ10内の冷
媒温度は、−45℃以上であり、また、何れの場合にお
いても、熱交換器3に導入される冷媒の流量F4(F1
+F3)は一定量であった。
【0069】従って、本発明によれば、冷熱利用施設2
の利用状況、すなわち、負荷率の変動(変更)に伴っ
て、冷媒の供給(返送)流量や供給(返送)温度が変動
(変更)するにも関わらず、熱交換器3および冷媒ヒー
タ5に余計な負荷がかからず、熱交換器3の安定した動
作を実現することができ、これによりユーザ先に安定し
た気化ガス供給を行うことができるとともに、冷熱利用
施設2への冷媒の安定供給を確実に実施することがで
き、しかも設備寿命を長くすることが可能であることが
わかる。
【0070】
【発明の効果】本発明の液化ガスの冷熱供給装置および
その運転制御方法によれば、冷熱利用施設2から返送さ
れる冷熱利用済みの冷媒の環流温度に応じて、冷媒ヒー
タ5で所定の温度に加温された冷媒の一部を、冷媒循環
経路14を介して冷熱利用施設2から返送された冷媒と
その流量を制御して合流するようにして、冷媒ヒータ5
へ返送される冷媒の温度を所定範囲内の温度にするよう
になっている。
【0071】従って、冷媒ヒータ5では、冷媒が、例え
ば−45℃以上で確実に保持されて送られるため、伝熱
管材質として、比較的安価な炭素鋼からなる熱交換器を
用いることができ、例えば、海水を用いて加温するよう
に構成された散水式のいわゆるオープンラック型、トロ
ンボーン型などの種々の冷媒ヒータを用いることができ
る。
【0072】また、冷熱利用施設2の利用状況に応じ
て、冷熱利用施設2へ導入される冷媒の流量(F1)の
変化や冷熱利用施設2から冷媒ヒータ5に返送(環流)
される冷媒環流時の冷媒温度(環流温度To)が変化し
ても、冷媒ヒータ5で加温された冷媒が、常に一定の温
度で一定の流量で熱交換器3に導入されるため、熱交換
器3で熱交換され気化される液化ガスの気化量を安定化
することができるとともに、熱交換器3への負荷もなく
寿命が長くなり、その操業安定性に優れる。
【0073】このように、本発明によれば、冷熱利用施
設2の利用状況、すなわち、負荷率の変動に関わらず、
熱交換器3の安定した動作を実現することができ、これ
によりユーザ先に安定した気化ガス供給を行うことがで
きるとともに、冷熱利用施設2への冷媒の安定供給を確
実に実施することができる。
【0074】特に、冷熱利用施設2の負荷率が0%であ
っても、本冷熱供給装置を安定に運転することが可能で
あり、例えば将来冷熱利用計画がある場合、その計画が
実現するまでの間、当面ベースロード用の液化ガス気化
設備として使用することも可能である。
【0075】さらに、冷媒を流す配管、およびその他の
装置の材質も、従来は全体を超低温仕様にしなければな
らなかったが、本願においては熱交換器3、熱交換器3
と冷熱利用施設2とを連結する冷媒導入ライン19、お
よび冷媒バイパス経路20のみを超低温仕様にし、残り
の配管、装置としては通常の低温仕様のものを用いれば
足りるため、冷熱供給装置のコストを抑えることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の液化ガスの冷熱供給装置の第
1の実施例の概略を示すブロック図である。
【図2】図2は、本発明の液化ガスの冷熱供給装置の第
2の実施例の概略を示すブロック図である。
【図3】図3は、従来の液化天然ガスの冷熱供給システ
ムの一例を示すブロック図である。
【符号の説明】
1・・・・冷熱供給装置 2・・・・冷熱利用施設 3・・・・熱交換器 4・・・・液化ガス導入ライン 5・・・・冷媒ヒータ 6・・・・冷媒導入ライン 8・・・・冷熱供給経路 9・・・・冷媒環流経路 10・・・・冷媒レシーバ 11・・・・循環ポンプ 14・・・・冷媒循環経路 17・・・・流量調節計 18,22,25・・・・流量調整バルブ 19・・・・冷媒供給ライン 20・・・・冷媒バイパス経路 21・・・・温度調節計 23・・・・流量調節計 Ti・・・・導入設定温度 To・・・・環流温度

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液化ガスが保有する冷熱を冷熱利用施設
    に供給する液化ガスの冷熱供給装置であって、 液化ガスを冷媒と熱交換させて液化ガスを気化させて冷
    媒を冷却する冷熱供給用熱交換器と、 冷熱供給用熱交換器にて冷却された冷媒を冷熱利用施設
    に送る冷熱供給経路と、 冷熱利用施設において利用された冷熱利用済みの冷媒を
    冷熱供給用熱交換器に環流させる冷熱環流経路とを設
    け、 冷媒環流経路内には、冷熱供給用熱交換器に導入する前
    の冷媒を予め加温する冷媒ヒータを設け、 冷媒ヒータにて加温された冷媒の一部を冷媒環流経路か
    ら分岐して、冷熱利用施設において利用された冷熱利用
    済みの冷媒と合流させる冷媒循環経路を設けるととも
    に、 冷熱供給経路から分岐して冷熱供給用熱交換器からの冷
    媒の一部を冷熱利用済みの冷媒と合流させる冷媒バイパ
    ス経路を設けたことを特徴とする液化ガスの冷熱供給装
    置。
  2. 【請求項2】 冷熱利用済みの冷媒、冷媒循環経路から
    の冷媒および冷媒バイパス経路からの冷媒との混合液を
    貯留する冷媒レシーバを冷媒環流経路内に設け、冷媒レ
    シーバを経由して冷媒が冷媒ヒータに導入されることを
    特徴とする請求項1に記載の液化ガスの冷熱供給装置。
  3. 【請求項3】 冷媒循環経路を流れる冷媒の流量を一定
    に維持するように調整する冷媒循環量調整手段を設ける
    とともに、冷熱利用施設の負荷変動に応じて冷媒バイパ
    ス経路を流れる冷媒の流量を調整する冷媒バイパス量調
    整手段を設けたことを特徴とする請求項1または2に記
    載の液化ガスの冷熱供給装置。
  4. 【請求項4】 冷熱利用施設から冷媒環流経路に返送さ
    れる冷媒の流量および/または温度の変動に応じて、冷
    媒循環経路を流れる冷媒の流量を調整する冷媒循環量調
    整手段を設けるとともに、冷熱利用施設の負荷変動に応
    じて冷媒バイパス経路を流れる冷媒の流量を調整する冷
    媒バイパス量調整手段を設けたことを特徴とする請求項
    1または2に記載の液化ガスの冷熱供給装置。
  5. 【請求項5】 液化ガスが保有する冷熱を冷熱利用施設
    に供給する液化ガスの冷熱供給装置であって、 液化ガスを冷媒と熱交換させて液化ガスを気化させて冷
    媒を冷却する冷熱供給用熱交換器と、 冷熱供給用熱交換器にて冷却された冷媒を冷熱利用施設
    に送る冷熱供給経路と、 冷熱利用施設において利用された冷熱利用済みの冷媒を
    冷熱供給用熱交換器に環流させる冷熱環流経路とを設
    け、 冷媒環流経路内には、冷熱供給用熱交換器に導入する前
    の冷媒を予め加温する冷媒ヒータを設け、 冷媒ヒータにて加温された冷媒の一部を冷媒環流経路か
    ら分岐して、冷熱利用施設において利用された冷熱利用
    済みの冷媒と合流させる冷媒循環経路を設けるととも
    に、 冷熱供給経路から分岐して冷熱供給用熱交換器からの冷
    媒の一部を、冷熱利用済みの冷媒と合流させる冷媒バイ
    パス経路を設けた冷熱供給装置において、 冷熱利用施設の冷熱利用状況に応じて、冷媒循環経路と
    冷媒バイパス経路を流れる冷媒の流量を調整することを
    特徴とする液化ガスの冷熱供給装置の運転制御方法。
  6. 【請求項6】 冷熱供給用熱交換器に送られる冷媒の温
    度が、液化ガスの全量を気化させるのに十分な温度であ
    ることを特徴とする請求項5に記載の液化ガスの冷熱供
    給装置の運転制御方法。
  7. 【請求項7】 冷媒循環経路を流れる冷媒と冷熱利用済
    みの冷媒とを合流させるに際して、冷媒循環経路を流れ
    る冷媒の流量が、冷媒ヒータに導入される冷媒の温度を
    所定温度以上に維持できる流量であることを特徴とする
    請求項5または6に記載の液化ガスの冷熱供給装置の運
    転制御方法。
  8. 【請求項8】 冷媒循環経路を流れる冷媒の流量を一定
    に維持するように調整するとともに、冷熱利用施設の負
    荷変動に応じて冷媒バイパス経路を流れる冷媒の流量を
    調整することを特徴とする請求項5、6または7のいず
    れかに記載の液化ガスの冷熱供給装置の運転制御方法。
  9. 【請求項9】 冷熱利用施設から冷媒環流経路に返送さ
    れる冷媒の流量および/または温度の変動に応じて、冷
    媒循環経路を流れる冷媒の流量を調整するとともに、冷
    熱利用施設の負荷変動に応じて冷媒バイパス経路を流れ
    る冷媒の流量を調整することを特徴とする請求項5、6
    または7のいずれかに記載の液化ガスの冷熱供給装置の
    運転制御方法。
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