JPH08283758A - 天然ガスの熱量調整時におけるタンクへの返送方法 - Google Patents

天然ガスの熱量調整時におけるタンクへの返送方法

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JPH08283758A
JPH08283758A JP10782395A JP10782395A JPH08283758A JP H08283758 A JPH08283758 A JP H08283758A JP 10782395 A JP10782395 A JP 10782395A JP 10782395 A JP10782395 A JP 10782395A JP H08283758 A JPH08283758 A JP H08283758A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 LNGタンク内の蒸発ガス中にミストを発生
することを防止する。 【構成】 LNGタンク1から払い出された液化天然ガ
スLNGを気化器2で気化して天然ガスNGとする。天
然ガスNGを熱量調整部9で熱量調整する際、気化した
ガスの組成変動で熱量調整制御の外乱を避けるため、天
然ガスNGを一時的に気化ガス戻り配管17を通してL
NGタンク1へ返送する。このLNGタンク1へ返送す
る天然ガスNGに液化天然ガスLNGを混合して、天然
ガスNG中の重質成分のみを液化させる。液化した重質
成分を液化天然ガス中に溶解させてからLNGタンク1
へ戻すようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はLNGタンクから払い出
された液化天然ガスLNGを気化器で気化した後、熱量
調整をして出荷するガス供給設備において、気化器始動
時に気化ガス組成が変動して熱量調整制御の外乱となる
ことを避けるために、気化した天然ガスを一時的にLN
Gタンクに戻すときに用いる天然ガスの熱量調整時にお
けるタンクへの返送方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種ガス供給設備としては、図
4に概略を示す如く、LNGタンク1の下部位置に、気
化器2を配管3にて接続し、LNGタンク1内の液化天
然ガスLNGをポンプ4により配管3を通して払い出し
て気化器2へ導くようにし、該気化器2に導かれる液化
天然ガスLNGは、配管3の途中にある流量計5で流量
を計測して流量制御器6により流量調節弁7を調節する
ことにより流量がコントロールされるようにしてある。
又、上記気化器2で液化天然ガスLNGが天然ガスNG
に気化されると、天然ガスNGは、送ガス管8により熱
量調整部9に導かれ、一方、該熱量調整部9には、天然
ガスより高い一定の発熱量を示すガス、たとえば、LP
Gの如き増熱ガス10と、天然ガスより低い一定の発熱
量を示すか又は発熱量零のガス、たとえば、空気の如き
希釈ガス11とを配管12,13を介し供給して、上記
天然ガスNGと混合させることにより天然ガスNGの発
熱量を調整し、しかる後、供給管14より需要先へと出
荷するようにしたものがある。
【0003】上記の如き液化天然ガスLNGを気化器2
で気化した後、熱量調整部9で熱量調整して出荷するガ
ス供給設備において、気化器2を始動するときは、配管
3の途中の自動開閉弁15を開にし、ポンプ4を起動し
てLNGタンク1内の液化天然ガスLNGを流量調節弁
7で流量をコントロールしながら気化器2へ送るように
するが、気化器2を始動して液化天然ガスLNGを天然
ガスNGに気化するとき、気化された天然ガスNGの組
成が変動して熱量調整部9での天然ガスNGの発熱量調
整が乱れて来ることがある。
【0004】そのため、従来では、かかる状態を避ける
べく気化開始後、気化した天然ガスNGの発熱量が安定
するまでの間、天然ガスNGをLNGタンクへ戻すよう
にするため、送ガス管8の逆止弁16の上流側位置とL
NGタンク1とを気化ガス戻り配管17で接続し、該気
化ガス戻り配管17の途中に圧力調節弁18、自動開閉
弁21を設け、圧力調節弁18を、送ガス管8内の天然
ガスの圧力を圧力計19で計測して圧力制御器20で調
整するようにし、自動開閉弁21を開にして天然ガスN
Gを一時的にLNGタンク1へ戻すようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来の天然
ガスNGを一時的にLNGタンク1に戻す場合、気化さ
れた天然ガスNGを常温のままLNGタンク1に戻して
いるので、次のような問題が生じている。すなわち、天
然ガスNGには、液化天然ガスLNGの成分であるプロ
パン、ブタン、ペンタン等の重質成分が含まれており、
一方、LNGタンク1内にある蒸発ガス(BOG:主成
分はメタン)は低温であるため、天然ガスNGがLNG
タンク1に戻されて上記蒸発ガスと混合すると、天然ガ
スNGは蒸発ガスにより冷却されて天然ガス中の重質成
分が液化してミストになり易く、ミストを含む天然ガス
が蒸発ガスと混合することから蒸発ガス中にミストを発
生するおそれがある。蒸発ガス中にミストが発生する
と、蒸発ガスがLNGタンク1から出てBOG圧縮機に
吸入される過程でミストが凝縮し、途中の配管でドレン
となったり、BOG圧縮機の吸入フィルターを詰まらせ
たりするという問題がある。
【0006】そこで、本発明は、天然ガスをLNGタン
クへ返送するときにミスト発生の要因となる天然ガス中
の重質成分を液化して液化天然ガスLNG中に溶解させ
てLNGタンク内の蒸発ガス中にミストを発生させるこ
とを防止するようにしようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、LNGタンクから払い出した液化天然ガ
スを気化器で気化し、気化した天然ガスを熱量調整する
ときに天然ガスを一時的にLNGタンクへ戻す天然ガス
返送方法において、上記LNGタンクへ天然ガスを戻す
ための気化ガス戻り配管に、ミキサを設け、該ミキサの
上流側位置の気化ガス戻り配管に液化天然ガス配管を接
続して、返送される天然ガスに所定量の液化天然ガスを
混入して混合させ、該天然ガス中の重質成分を液化させ
て液化天然ガス中に溶解させてからLNGタンクへ戻す
ようにする方法とする。
【0008】又、天然ガス戻り配管を通りLNGタンク
へ返送される天然ガス量に対し、約30%程度の液化天
然ガスを混合させて天然ガス中の重質成分のみを液化さ
せるようにするとよい。
【0009】更に、LNGタンクから払い出した液化天
然ガスを気化器で気化し、気化した天然ガスを熱量調整
するときに天然ガスを一時的にLNGタンクへ戻す天然
ガス返送方法において、上記気化ガス戻り配管を、LN
Gタンク内の液層中に挿入して、返送される天然ガスを
直接LNGタンク内の液層中に吹き込ませることにより
冷却し、該天然ガス中の重質成分を液化させて液層中に
溶解させるようにする方法とすることもできる。
【0010】
【作用】LNGタンクへ返送される途中の気化ガスに液
化天然ガスを混合させ、ミスト発生の要因となる重質成
分を液化天然ガス中に溶解させてLNGタンクへ戻す
と、LNGタンク内の蒸発ガス中のミスト発生を抑える
ことができる。
【0011】又、天然ガス量に対して液化天然ガスの量
を約30%程度として混合させると、天然ガス中の重質
成分のみを液化させることができる。
【0012】更に、気化ガスをLNGタンクの液層中に
吹き込むようにして戻すと、気化ガス中の重質成分がL
NGタンクの液層中で溶解し、蒸発ガス中のミスト発生
を抑えることができる。
【0013】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。
【0014】図1は本発明の一実施例を示すもので、図
4に示した天然ガスの熱量調整時におけるタンクへの返
送方法と同様な構成において、気化ガス戻り配管17の
自動開閉弁21とLNGタンク1との間の位置に、ミキ
サ22を設置し、該ミキサ22の上流側位置に、液化天
然ガス配管23を接続し、該液化天然ガス配管23から
導かれて来た液化天然ガスLNGを、気化ガス戻り配管
17を通りLNGタンク1へ戻される途中の天然ガスN
G中に導入し、ミキサ22で天然ガスNGと液化天然ガ
スLNGとを混合して天然ガスを冷却させ、天然ガス中
の液化天然ガスの成分である重質成分(プロパン、ブタ
ン、ペンタン等)を液化させて液化天然ガス中に溶解
(吸収)させてからLNGタンク1へ戻すようにする。
その他の構成は図4に示すものと同じであり、同一のも
のには同一符号が付してある。
【0015】なお、上記気化ガス戻り配管17に接続す
る液化天然ガス配管23は、上流側に冷却操作弁を持つ
液化天然ガス配管(図示せず)を接続して、液化天然ガ
スを液化天然ガス配管23に流すようにするか、あるい
は、常時液化天然ガスが流れているタンクへ接続されて
いる液化天然ガス配管(図示せず)に上流側を合流させ
るようにして、液化天然ガスを液化天然ガス配管23に
流すようにする。
【0016】今、気化器2を始動して液化天然ガスLN
Gを気化し、気化した天然ガスNGを熱量調整部9で熱
量調整を行う際に天然ガスNGを一時的に気化ガス戻り
配管17よりLNGタンク1に戻すとき、戻される天然
ガスNGに対して所定量の液化天然ガスLNGを液化天
然ガス配管23を流してミキサ22にて天然ガスNGに
混合させると、気化ガス戻り配管17内で天然ガスNG
が冷却され、該天然ガスNG中の重質成分が液化して液
化天然ガスLNG中に溶解される。この状態で天然ガス
NGと液化天然ガスLNGとの混合流体が、気化ガス戻
り配管17からLNGタンク1内へ戻される。
【0017】LNGタンク1に戻された天然ガスNGと
液化天然ガスLNGとの混合流体のうち、天然ガスNG
は、LNGタンク1内の蒸発ガスBOGと同じ主成分の
ガスとなって該蒸発ガス中に混合されるが、LNGタン
ク1内に戻された天然ガスNG中には重質成分が含まれ
ていないので、蒸発ガス中にミストを発生させるような
ことはない。一方、上記天然ガスNGの冷却で液化した
重質成分を吸収した液化天然ガスLNGは、LNGタン
ク1内の液層中に入り込み、ポンプ4にて気化器2へと
払い出されることになる。
【0018】上記において、気化ガス戻り配管17より
LNGタンク1内へ戻される天然ガスNGを冷却して重
質成分のみを選択的に液化させるためには、所定量の液
化天然ガスLNGが必要である。本発明では、LNGタ
ンク1へ戻される天然ガスNGの量に対して約30%程
度の液化天然ガスLNGを混合させるようにして、天然
ガスNG中の重質成分のみを液化させるようにする。
【0019】上記液化天然ガスLNGの量を、天然ガス
NG量に対して約30%程度とするのは、次の理由によ
る。
【0020】すなわち、液化天然ガスLNGの気化ガス
である天然ガスNGについては、その成分によって異な
るものの、常温から−50℃程度に冷却すると、部分的
に液化が始まる(露点温度)。
【0021】この温度よりも更に冷却温度を下げると、
液化する量が更に増加するが、この場合、どの程度液化
するかは、冷却温度によって決定される。
【0022】ここでは、冷却温度を、露点温度(−50
℃)よりも更に−30℃低い温度、すなわち、−80℃
とする。
【0023】又、冷却熱量qは、 q=0.6×{10−(−80)}=54Kcal/kg ガス比熱:0.6Kcal/kg℃ 天然ガスNGを冷却するために必要な液化天然ガスLN
G量は、次のようにして求める。
【0024】液化天然ガス潜熱を120Kcal/kg、ガス
比熱を0.7Kcal/kg℃(低温域)、液化天然ガス温度
(−160℃)と冷却温度(−80℃)の温度差を80
℃とすると、 W1 ×54=W2 (120+0.7×80) 但し、W1 :返送される天然ガスNG量 W2 :冷却するための液化天然ガスLNG量 となり、返送される天然ガスNGを冷却するための液化
天然ガスLNGの量(W2 )は、天然ガス量(W1 )に
対して、 W2 /W1 ≒0.3 つまり、30%程度の量となり、気化ガス戻り配管17
を通りLNGタンク1へ戻される天然ガス量に対して約
30%程度の液化天然ガスLNGを混合させれば、返送
される天然ガスNG中の重質成分を選択的に液化させる
ことができる。よって、天然ガス量に対して液化天然ガ
ス量を約30%程度とする。
【0025】なお、気化ガス戻り配管17に接続されて
いる液化天然ガス配管23に、冷却操作弁をもつ液化天
然ガス配管を接続して液化天然ガスを流すようにした場
合には、天然ガスを冷却するために必要な液化天然ガス
量は上記計算で求めた所定量以上流すようにし、又、上
記液化天然ガス配管23をLNGタンク1へ接続されて
常時液化天然ガスを流している液化天然ガス配管と合流
させた場合において、液化天然ガス量が不足するような
ときは、冷却操作弁をもつ液化天然ガス配管を接続して
液化天然ガスを補充させるようにする。
【0026】次に、図2は本発明の他の実施例を示すも
ので、気化ガス戻り配管17をLNGタンク1の屋根を
貫通させて底部近くまで挿入させ、天然ガスNGをLN
Gタンク1内の液層中に直接吹き込むようにしたもので
ある。
【0027】図2に示す実施例の場合、LNGタンク1
に返送される天然ガスNGは、LNGタンク1内の液層
中に直接吹き込まれることによって該LNGタンク1内
の液化天然ガスLNGと混合して冷却されることになる
ので、冷却されて液化した天然ガス中の重質成分はその
まま液化天然ガスLNG中に溶解し、重質成分が液化し
て除去された天然ガスは、LNGタンク1内の蒸発ガス
BOGと同じ主成分のガスとなるので、蒸発ガスと混合
しても該蒸発ガス中にミストが発生することを防止する
ことができる。
【0028】又、図3は本発明の更に他の実施例を示す
もので、LNGタンク1の液層中での天然ガスNGと液
化天然ガスLNGとの混合をより効率的に行わせるよう
にするため、上端を液面上に突出させるように設置した
筒24の内部に気化ガス戻り配管17を挿入し、返送さ
れる天然ガスNGを筒24内の液化天然ガスLNG中に
吹き込むようにしたものである。
【0029】図3の実施例の場合は、LNGタンク1に
返送された天然ガスNGは直接LNGタンク1内の液層
中に吹き込まれるが、周囲が筒24で囲まれているた
め、筒24内の液化天然ガスLNGとの接触混合が行わ
れ、天然ガスNGは冷却されて重質成分が液化されて液
化天然ガスLNG中に溶解し、一方、ガスは筒24内を
浮上してLNGタンク1の上部へ出て蒸発ガスBOGと
混合することになるが、重質成分が含まれていないの
で、蒸発ガス中にミストを発生することがなくなる。
【0030】
【発明の効果】以上述べた如く、本発明の天然ガスの熱
量調整時におけるタンクへの返送方法によれば、返送さ
れる天然ガスに所定量の液化天然ガスを混合して天然ガ
スを冷却し、天然ガス中の重質成分のみを液化して液化
天然ガス中に溶解させてからLNGタンクへ戻すように
したり、あるいは、天然ガスを直接LNGタンクの液層
中に吹き込ませて戻し、液層中で天然ガスを冷却して重
質成分を液化させて液層中に溶解させるようにするの
で、天然ガス中の重質成分のみを液化して液化天然ガス
に溶解させ、LNGタンク内の蒸発ガスBOGに混合す
る天然ガスには重質成分が含まれていないものにするこ
とができて、蒸発ガス中のミスト発生を防止することが
でき、又、天然ガス中の重質成分のみを液化させるだけ
であるため、天然ガス戻り配管中で天然ガスを冷却させ
る場合には、天然ガス全量を液化する場合に比して、液
化天然ガス量を少なくできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す概要図である。
【図2】本発明の他の実施例を示すLNGタンク部の概
略図である。
【図3】本発明の更に他の実施例を示すLNGタンク部
の概略図である。
【図4】従来の天然ガスの熱量調整時に天然ガスを一時
的にLNGタンクへ返送するようにした例を示す概要図
である。
【符号の説明】
1 LNGタンク 2 気化器 9 熱量調整部 17 気化ガス戻り配管 22 ミキサ 23 液化天然ガス配管 24 筒 LNG 液化天然ガス NG 天然ガス

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 LNGタンクから払い出した液化天然ガ
    スを気化器で気化し、気化した天然ガスを熱量調整する
    ときに天然ガスを一時的にLNGタンクへ戻す天然ガス
    返送方法において、上記LNGタンクへ天然ガスを戻す
    ための気化ガス戻り配管に、ミキサを設け、該ミキサの
    上流側位置の気化ガス戻り配管に液化天然ガス配管を接
    続して、返送される天然ガスに所定量の液化天然ガスを
    混入して混合させ、該天然ガス中の重質成分を液化させ
    て液化天然ガス中に溶解させてからLNGタンクへ戻す
    ようにすることを特徴とする天然ガスの熱量調整時にお
    けるタンクへの返送方法。
  2. 【請求項2】 天然ガス戻り配管を通りLNGタンクへ
    返送される天然ガス量に対し、約30%程度の液化天然
    ガスを混合させて天然ガス中の重質成分のみを液化させ
    るようにする請求項1記載の天然ガスの熱量調整時にお
    けるタンクへの返送方法。
  3. 【請求項3】 LNGタンクから払い出した液化天然ガ
    スを気化器で気化し、気化した天然ガスを熱量調整する
    ときに天然ガスを一時的にLNGタンクへ戻す天然ガス
    返送方法において、上記気化ガス戻り配管を、LNGタ
    ンク内の液層中に挿入して、返送される天然ガスを直接
    LNGタンク内の液層中に吹き込ませることにより冷却
    し、該天然ガス中の重質成分を液化させて液層中に溶解
    させるようにすることを特徴とする天然ガスの熱量調整
    時におけるタンクへの返送方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016191024A (ja) * 2015-03-31 2016-11-10 東京瓦斯株式会社 ガス調整装置、燃焼システム及びプログラム

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