JP2002080743A - 顔料組成物の製法及びその顔料組成物 - Google Patents

顔料組成物の製法及びその顔料組成物

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JP2002080743A
JP2002080743A JP2000274275A JP2000274275A JP2002080743A JP 2002080743 A JP2002080743 A JP 2002080743A JP 2000274275 A JP2000274275 A JP 2000274275A JP 2000274275 A JP2000274275 A JP 2000274275A JP 2002080743 A JP2002080743 A JP 2002080743A
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JP2000274275A
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Terunori Wada
輝紀 和田
Mayumi Hamaya
真由美 濱谷
Tetsuya Nanba
哲也 難波
Mitsuharu Hino
光晴 日野
Takuya Kotani
卓也 小谷
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Artience Co Ltd
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Toyo Ink Mfg Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】容易に且つ効率よく水分離性を向上させ、濃
度、光沢等に優れ、かつ乾燥後も分散性の優れた顔料組
成物およびその製造方法を提供すること 【解決手段】アゾ顔料のカップリング反応前、又はカッ
プリング反応中に常温固体の非水溶性樹脂を添加混合
し、カップリング反応における顔料粒子の生成と同時
に、顔料と樹脂の混合処理することを特徴とする顔料組
成物の製法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アゾ顔料に常温固
体の非水溶性樹脂を処理した顔料組成物および顔料組成
物の製造方法である。
【0002】さらに詳細には、塗料、インキ、プラスチ
ック用着色剤、捺染、カラートナーやその他の色材用と
して適性の優れた顔料組成物に関するものである。
【0003】
【従来の技術】通常、顔料を各種用途に展開する方法と
しては、乾燥顔料を用いる方法と水分を含んだウエット
ケーキ顔料を用いる場合がある。乾燥顔料の場合、乾燥
により顔料の一次粒子が凝集し、その後の分散・練肉工
程によっても、十分に微細な粒子を得ることが難しい。
一方、ウエットケーキ顔料を用いる場合は、顔料の乾燥
工程を経ないため、分散体中の顔料粒子は均一微細であ
り、着色力、色相、透明性等の効果において優れた製品
が得られる。
【0004】しかしながら、どちらの場合も合成して得
られた顔料の水性懸濁液を脱水することにより水分を減
少させなければならず、フィルタープレス等の過大な濾
過機が必要であり、該水性懸濁液の含有塩分等の除去、
精製工程に多くの時間と大きな動力が必要である。ま
た、この生成物について長時間脱水を行っても、含水率
70%の脱水が限度であり、40%以下にすることは困
難な状態であった。
【0005】そこで従来の各種色材用顔料組成物を製造
するに際し、上記顔料の乾燥凝集を解決し、分散性、濃
度、光沢等に優れた顔料組成物を得るための処理が行わ
れてきた。
【0006】これまで開示された顔料処理剤としては、
ロジン、ロジン誘導体、アミン、顔料誘導体、合成樹脂
等があり、その処理方法としては、ロジンにおいてはア
ルカリ金属塩として水に溶解させたものを顔料の水性懸
濁液に加え、ついで酸により顔料表面に析出させる方
法、ロジン誘導体、合成樹脂においてはその水性分散体
を顔料の水性懸濁液中に添加する方法が知られている。
【0007】また、特開平5−230390号公報で
は、ロジンを用い、エマルジョン化して水系での顔料水
性懸濁液に加えて処理を行う製造方法が、特開平7−7
0460号公報では、ロジン変性フェノール樹脂を、ロ
ジンの水可溶性塩に分散して顔料水性懸濁液に添加する
ことにより処理を行う製造方法等が多数示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従来よりも容易に且つ
効率よく水分離性を向上させ、濃度、光沢等に優れ、か
つ乾燥後も分散性の優れた顔料組成物およびその製造方
法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の課
題を解決するため、アゾ顔料のカップリング反応前、又
はカップリング反応中に常温固体の非水溶性樹脂を添加
混合することで、顔料粒子の生成と同時に常温固体の非
水溶性樹脂とを顔料と混合処理して得られた顔料組成物
が、非常に分散性、濃度、光沢等の優れていることを見
いだし、本発明に至った。
【0010】すなわち、第1の発明は、アゾ顔料のカッ
プリング反応前、又はカップリング反応中に常温固体の
非水溶性樹脂を添加混合し、カップリング反応における
顔料粒子の生成と同時に、顔料と樹脂の混合処理するこ
とを特徴とする顔料組成物の製法である。
【0011】第2の発明は、顔料と樹脂の混合処理にお
ける温度が常温固体の非水溶性樹脂が軟化しない温度で
あることを特徴とする第1発明記載の顔料組成物の製法
である。
【0012】第3の発明は、アゾ顔料のカップリング反
応前、又はカップリング反応中に常温固体の非水溶性樹
脂を添加混合し、カップリング反応における顔料粒子の
生成と同時に、顔料と樹脂の混合処理を行うに当たり、
顔料固形分100重量%に対し、常温固体の非水溶性樹
脂が500重量%以下であることを特徴とする顔料組成
物である。
【0013】第4の発明は、第3発明記載の顔料組成物
がウエットケーキであることを特徴とする顔料組成物で
ある。
【0014】第5の発明は、第3発明記載の顔料組成物
を乾燥することにより、粉末、顆粒、ペレット形状の何
れかであることを特徴とする顔料組成物である。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明におけるアゾ顔料として
は、溶性アゾ顔料、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料等が
あげられる。
【0016】本発明における溶性アゾ顔料とは、可溶性
基を有する芳香族アミンのジアゾニウム塩とカップラー
成分とをカップリングさせたアゾ染料をレーキ用金属塩
によりレーキ化して得られるレーキ顔料である。
【0017】可溶性基を有する芳香族アミンとしては、
例えば1−アミノ−4−メチルベンゼン−2−スルホン
酸、1−アミノ−4−メチル−5−クロロベンゼン−2
−スルホン酸、1−アミノ−4−クロロ−5−メチルベ
ンゼン−2−スルホン酸、1−アミノ−4−メチルベン
ゼン−3−スルホン酸、1−アミノ−3−メチルベンゼ
ン−4−スルホン酸、2−アミノナフタレン−1−スル
ホン酸等があげられる。カップラー成分はβ−オキシナ
フトエ酸が代表的であるが、β−ナフトールなどでもよ
く、また上記カップラー成分の誘導体、例えば、低級ア
ルキル基、アルコキシ基またはハロゲン原子で置換され
た化合物であってもよく、その他顔料の表面処理剤など
と共に任意に単独または2種類以上のカップラー成分を
組み合わせて使用できる。
【0018】顔料レーキ化用金属としては、カルシウ
ム、バリウム、ストロンチウム、マンガン等が例示され
る。
【0019】本発明における不溶性アゾ顔料とは、アニ
リン類又はベンジジン類のジアゾ成分とアセトアセトア
ニリド類、ピラゾロン誘導体、β−ナフトール類、ナフ
トールAS類などを含むカップラー成分とをカップリン
グさせることで得られる顔料である。
【0020】アニリン類又はベンジジン類のジアゾ成分
としては、アニリン、3,3’−ジクロロベンジジン、
2,2’、5,5’−テトラクロロベンジジン、3,
3’−ジアニシジン等があげられる。カップラー成分は
アセトアセトアニリド、アセトアセト−o−トルイジ
ド、アセトアセト−m−キシリジド、アセトアセト−o
−アニシジド、アセトアセト−2,5−ジメトキシアニ
リド、アセトアセト−p−アニシジド、アセトアセト−
2,5−ジメトキシ−4−クロロアニリド、アセトアセ
ト−o−クロロアニリドなどでもよく、また上記カップ
ラー成分の誘導体、例えば、低級アルキル基、アルコキ
シ基またはハロゲン原子で置換された化合物であっても
よく、その他顔料の表面処理剤などと共に任意に単独ま
たは2種類以上のカップラー成分を組み合わせて使用で
きる。
【0021】本発明における縮合アゾ顔料とは、芳香族
アミンをジアゾ化したものと、カップラー成分とをカッ
プリングさせ、さらにこれらを縮合させることで得られ
る顔料であるが、縮合した後にカップリングを行う方法
でもよい。
【0022】芳香族アミン類としては、3−アミノ−
3’,4−ジクロロ−2−メチル−安息香酸アミド、3
−アミノ−4,5’−ジクロロ−2−メチル−安息香酸
アミド、2−クロロ−アミノベンゼン、2,5−ジクロ
ロアミノベンゼン、3−アミノ−4−メチル−安息香酸
−2−クロロエチル、3−アミノ−4−クロロ−安息香
酸プロピル等があげられる。カップラー成分はアセトア
セトアニリド、アセトアセト−o−トルイジドなどのよ
うなアセトアセトアニリド類や、β−オキシナフトエ酸
やβ−ナフトールなどのナフトール類などがあげられ
る。また上記カップラー成分の誘導体、例えば、低級ア
ルキル基、アルコキシ基またはハロゲン原子で置換され
た化合物であってもよく、その他顔料の表面処理剤など
と共に任意に単独または2種類以上のカップラー成分を
組み合わせて使用できる。
【0023】本発明のアゾ顔料は、公知の製造方法によ
り製造できる。すなわち、芳香族アミン類を常法に従っ
てジアゾ化し、一方、カップラー成分を常法に従って調
製し、両者を常法に従ってカップリングすればよい。こ
のとき、カップラー成分中、ジアゾ成分中、または緩衝
溶液中など、任意に単独または2種以上の成分中に、常
温固体の非水溶性樹脂を添加混合しておくことで、カッ
プリング反応における顔料粒子の生成と同時に、顔料の
処理を行うことができる。また、溶性アゾ顔料の製法と
しては、この後得られた染料を顔料レーキ化用金属によ
りレーキ化する。また、ジアゾ成分中に予め顔料レーキ
化用金属を加えておき、カップリングさせてもよい。
【0024】また、常温固体の非水溶性樹脂は、塗料、
インキ、プラスチック用着色剤、捺染、カラートナーな
どの目的とする用途に用いられる各種の樹脂そのもの、
あるいはそれら各種の樹脂、溶剤およびその他の添加剤
との相溶性を有し、得られる製品の物性を損なわないも
のであればよい。上記のような樹脂としては、ロジン変
性フェノール樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、石油樹
脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂、メラミン
樹脂、ケトン樹脂、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合樹
脂、ブチラール樹脂、塩素化ポリプロピレン樹脂、アク
リル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウ
レタン樹脂、スチレン・マレイン酸樹脂、天然樹脂、フ
ェノール樹脂、ウレタン樹脂、塩化ビニル樹脂、エポキ
シ樹脂、アミノ樹脂などがあげられ、任意に単独または
2種類以上の樹脂成分を組み合わせて使用できる。
【0025】このとき、顔料の微細化、安定化等に関す
る助剤としての、界面活性剤、分散剤、溶剤等を含んで
いてもよい。これら助剤の例としては、ナフタレンスル
ホン酸ナトリウムのホルマリン縮合物、リグニンスルホ
ン酸ナトリウム、アルキルアリールスルホン酸ナトリウ
ムのようなアニオン界面活性剤、ポリオキシエチレンア
ルキルエーテル、ポリオキシエチレンアリールエーテ
ル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルのよ
うな非イオン界面活性剤、モノアルキルアンモニウムク
ロライド、ジアルキルアンモニウムクロライドのような
カチオン界面活性剤、レシチン、アルキルジアミン、ア
ルキルトリアミン、ナフテン酸金属せっけん、アルキル
アミン脂肪酸塩のような分散剤、トルエン、キシレンの
ような芳香族炭化水素類、鉱物油等の脂肪族炭化水素
類、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−
プロパノール、ペンタエリスリトール、2−ブテン−
1,4−ジオール、のようなアルコール類、メチルエチ
ルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルエチルヘキ
サノンのようなケトン類、ジエチルエーテル、メチルビ
ニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、のようなエ
ーテル類、酢酸メチル、酢酸エチルのようなエステル類
などの従来公知の溶剤を用いることができる。また、大
豆油、桐油、アマニ油などの乾性油やこれらの乾性油を
変性したものでもよく、半乾性油や不乾性油も使用する
ことができる。
【0026】これらの常温固体の非水溶性樹脂は常温に
て固体状態で安定に保てるものであればよい。この時の
樹脂径は、平均粒径が20mm以下であり、好ましくは
10mm以下、さらに好ましくは1mm以下である。処
理温度としては、樹脂の固着を防ぐため、常温固体の非
水溶性樹脂が軟化しない温度において行うことが好まし
い。
【0027】顔料のカップリング前に添加する常温固体
の非水溶性樹脂の配合量は、顔料100重量%に対し5
00重量%以下、好ましくは150重量%以下である。
500重量%以上の場合は、得られる顔料組成物の用途
が限定される。
【0028】本発明の顔料組成物は、そのままの水性懸
濁液の状態で使用することができるが、容易に且つ効率
よく水分離性の向上した顔料組成物であるため、デカン
テーション等により容易にウエットケーキとして使用す
ることができる。このときの含水率としては、使用する
顔料の種類によって異なるが、通常90重量%以下で使
用し、特に50重量%以下が好ましく、この値は使用す
るウエットケーキの取り扱い性に起因する。
【0029】また、本発明の顔料組成物を乾燥し、粉
末、顆粒、ペレット形状としても使用できる。
【0030】
【実施例】以下、実施例に基づき本発明をより詳細に説
明するが、本発明はこれによって限定されるものではな
い。実施例において「部」はすべて重量部、「%」はす
べて重量%を示す。
【0031】
【実施例1】氷水580部に35%塩酸30部と3,
3’−ジクロロベンジジン32.6部を加え、続いて、
亜硝酸ナトリウム13.8部を加えてテトラゾ化し、テ
トラゾ溶液を得た。次に、水300部に水酸化ナトリウ
ム17部を加えた苛性ソーダ溶液に、36.3部のアセ
トアセトアニライドを溶解し、カップラー液とした。こ
のアルカリ溶液に、最大粒径1mm、平均粒径が0.5
mmのロジン変性フェノール樹脂(軟化点160℃)を
60部添加混合した80%酢酸35部を添加し、カップ
ラーを酸析して下漬液を調整した。この下漬液にテトラ
ゾ溶液を20℃に調製して注入し、カップリングさせる
ことにより、ロジン変性フェノール樹脂により処理され
た顔料組成物(顔料:樹脂=100:100)が120
部得られた。得られた顔料組成物をフィルタープレスに
よって脱水することで含水率42.0%となった。
【0032】このウエットケーキ100部に対し、油性
ワニス50部を加え、ニーダーを用いて60℃でフラッ
シングを行った。このときの一次排水をデカンテーショ
ンにより除き、ついで二次排水として真空脱水を行い、
油性ワニス131部、AFソルベント26部を加え、ベ
ースインキを作製した。得られたインキの分散度をグラ
インドメーターで測定したところ、5μmであった。
【0033】
【実施例2】80%酢酸に対し、最大粒径0.5mm、
平均粒径が0.1mmのロジン変性フェノ−ル樹脂(軟
化点160℃)30部を混合した以外は実施例1と同様
に処理を行った。得られた顔料組成物(顔料:樹脂=1
00:50)をフィルタープレスによって脱水すること
で含水率38.0%となった。このウエットケーキ10
0部に対し、油性ワニス50部を加え、ニーダーを用い
て60℃でフラッシングを行った。このときの一次排水
をデカンテーションにより除き、ついで二次排水として
真空脱水を行い、油性ワニス131部、AFソルベント
26部を加え、ベースインキを作製した。得られたイン
キの分散度をグラインドメーターで測定したところ、5
μmであった。
【0034】
【実施例3】80%酢酸に対し、最大粒径1mm、平均
粒径が0.5mmの石油樹脂(軟化点100℃)60部
を混合した以外は実施例1と同様に処理を行った。得ら
れた顔料組成物(顔料:樹脂=100:100)をフィ
ルタープレスによって脱水することで含水率45.0%
となった。このウエットケーキ100部に対し、油性ワ
ニス50部を加え、ニーダーを用いて60℃でフラッシ
ングを行った。このときの一次排水をデカンテーション
により除き、ついで二次排水として真空脱水を行い、油
性ワニス131部、AFソルベント26部を加え、ベー
スインキを作製した。得られたインキの分散度をグライ
ンドメーターで測定したところ、5μmであった。
【0035】
【比較例1】下漬液に常温固体の非水溶性樹脂を添加混
合していない以外は実施例1と同様にしてカップリング
を行った。得られた顔料組成物をフィルタープレスによ
って脱水することで、含水率74.0%となった。この
ウエットケーキを用いて実施例1と同様に、ベースイン
キを作製した。
【0036】
【実施例4】氷水580部に35%塩酸30部と3,
3’−ジクロロベンジジン32.6部を加え、続いて、
亜硝酸ナトリウム13.8部を加えてテトラゾ化し、水
を加えて10℃、0.125モル/リットルのテトラゾ
溶液を得た。次に、水300部に水酸化ナトリウム17
部を加えた苛性ソーダ溶液に、36.3部のアセトアセ
トアニライドを溶解し、25℃、0.25モル/リット
ルのカップラー液とした。さらに、緩衝溶液として、最
大粒径1mm、平均粒径が0.5mmのロジン変性フェ
ノール樹脂(軟化点160℃)を60部添加混合した8
0%酢酸30部と水酸化ナトリウム8部と水とからなる
24℃、pH4.7の緩衝溶液500部を調整し、攪拌
機を有する反応器に仕込んだ。このpH緩衝溶液中の互
いに離れた位置に出口を持つ2本の注入管をセットし、
テトラゾ水溶液とカップラー水溶液とをそれぞれの注入
管を通してpH緩衝溶液中に注入を行った。これらの溶
液は同時に注入を開始し、定量ポンプにより同じ体積流
量(19.3ml/分)で40分注入し、同時に注入を
終了した。注入の間、液面より採取した反応液からはテ
トラゾは検出されなかった。この時点でのカップラー基
準のカップリング反応率は96.5%であった。その
後、反応系内にテトラゾが極僅か認められるまでテトラ
ゾ溶液のみを追加注入した結果、カップラー基準のカッ
プリング反応率は98.6%であり、ロジン変性フェノ
ール樹脂により処理された顔料組成物が124部得られ
た。なお、テトラゾの検出はβ−ナフトールによる発色
反応を用いて行い、カップリング反応率は液体クロマト
で分析して得た未反応カップラー量から求めた。得られ
た顔料組成物をフィルタープレスによって脱水すること
で含水率40.0%となった。
【0037】このウエットケーキ100部に対し、油性
ワニス50部を加え、ニーダーを用いて60℃でフラッ
シングを行った。このときの一次排水をデカンテーショ
ンにより除き、ついで二次排水として真空脱水を行い、
油性ワニス131部、AFソルベント26部を加え、ベ
ースインキを作製した。得られたインキの分散度をグラ
インドメーターで測定したところ、5μmであった。
【0038】
【比較例2】緩衝溶液に常温固体の非水溶性樹脂を添加
混合していない以外は実施例4と同様にしてカップリン
グを行った。得られた顔料組成物をフィルタープレスに
よって脱水することで、含水率72.0%となった。こ
のウエットケーキを用いて実施例1と同様に、ベースイ
ンキを作製した。 〈評価〉実施例1〜4と比較例1で得られたベースイン
キ58部に油性ワニス35部、AFソルベント7部を添
加し、タックが6.0になるよう調整を行い、顔料濃度
7%の印刷用インキを得た。その結果を表1に示す。
【0039】
【表1】
【0040】(分散度)グラインドメーターを用いて各
ベースインキの分散度値(単位μm)を測定した。値が
小さい程分散度が優れていることを示す。比較例1、2
に対し、実施例1〜4は優れた分散度を示した。 (着色力)RIテスター(石川島産業機械(株)製)に
て展色されたアート紙のマクベス濃度を測定した。値が
高いほど高着色を示す。比較例1、2に対し、実施例1
〜4は高着色であった。 (透明度)RIテスターにて展色されたアート紙の透明
性をクリプトメーター(日本電色工業(株)製)で測定
した。値が高いほど透明であり、印刷インキとしては、
値が高い程適正が優れていることを示す。比較例1、2
に対し、実施例1〜4は透明であった。 (光沢)RIテスターにて展色されたアート紙の光沢を
デジタル変角光沢計(日本電色工業(株)製)で測定し
た。値が高いほど光沢があることを示す。比較例1、2
に対し、実施例1〜4は光沢が優れていた。
【0041】
【実施例5】1−アミノ−4−メチルベンゼン−2−ス
ルホン酸38部を冷却後、常法に従ってジアゾ成分を得
た。一方、β−オキシナフトエ酸38部を用いて常法に
従って下漬液を得た。これに、最大粒径1mm、平均粒
径が0.5mmのロジン変性フェノール樹脂(軟化点1
60℃)を42.4部添加混合し、次いでジアゾ成分を
カップリングさせ、染料を得た。これに、ロジンソープ
8.4部を加え、pH11.0にした後、35%塩化カ
ルシウム水溶液120部を加え、レーキ化を行い、ロジ
ン変性フェノール樹脂により処理された顔料組成物が1
27.2部得られた。得られた顔料組成物をフィルター
プレスによって脱水することで含水率45.0%となっ
た。
【0042】このウエットケーキ100部に対し、油性
ワニス30部を加え、ニーダーを用いて60℃でフラッ
シングを行った。このときの一次排水をデカンテーショ
ンにより除き、ついで二次排水として真空脱水を行い、
油性ワニス30部、AFソルベント5部を加え、ベース
インキを作製した。得られたインキの分散度をグライン
ドメーターで測定したところ、7.5μm以下であっ
た。
【0043】
【比較例3】下漬液に常温固体の非水溶性樹脂を添加混
合していない以外は実施例5と同様にしてカップリング
を行った。得られた顔料組成物をフィルタープレスによ
って脱水することで、含水率78.0%となった。この
ウエットケーキを用いて実施例5と同様に、ベースイン
キを作製した。 〈評価〉実施例5と比較例1で得られたベースインキ8
0部に油性ワニス5部、AFソルベント15部を添加
し、タックが6.0になるよう調整を行い、顔料濃度1
5%の印刷用インキを得た。その結果を表2に示す。
【0044】
【表2】
【0045】(分散度)グラインドメーターを用いて各
ベースインキの分散度値(単位μm)を測定した。値が
小さい程分散度が優れていることを示す。比較例3に対
し、実施例5は優れた分散度を示した。 (着色力)RIテスター(石川島産業機械(株)製)に
て展色されたアート紙のマクベス濃度を測定した。値が
高いほど高着色を示す。比較例3に対し、実施例5は高
着色であった。 (透明度)RIテスターにて展色されたアート紙の透明
性をクリプトメーター(日本電色工業(株)製)で測定
した。値が高いほど透明であることを示す。比較例3に
対し、実施例5は透明であった。 (光沢)RIテスターにて展色されたアート紙の光沢を
デジタル変角光沢計(日本電色工業(株)製)で測定し
た。値が高いほど光沢があることを示す。比較例3に対
し、実施例5は光沢が優れていた。
【0046】
【実施例6】1−アミノ−4−メチルベンゼン−2−ス
ルホン酸95部の酸析を行い、冷却後、常法に従ってジ
アゾ成分を得た。一方、β−オキシナフトエ酸95部を
用いて常法に従って下漬液を得た。これに、最大粒径1
mm、平均粒径が0.5mmのポリエチレン樹脂(軟化
点130℃)を106部添加混合し、次いでジアゾ成分
をカップリングさせ、染料を得た。これに、ロジンソー
プ21部を加え、pH11.0にした後、35%塩化カ
ルシウム水溶液300部を加え、レーキ化を行い、ポリ
エチレン樹脂により処理された顔料組成物が318部得
られた。得られた顔料組成物をフィルタープレスによっ
て脱水することで含水率40.0%となった。これを乾
燥した顔料組成物3部に対し、ポリエチレン樹脂195
部、ワックス2部をヘンシェルミキサーで混合し、二軸
同方向回転スクリュー押し出し機で練肉・押出した後、
ペレタイザーでカットしてプラスチック用着色剤を得
た。
【0047】
【比較例4】下漬液に樹脂を加えない以外は実施例5と
同様にして行った。得られた顔料組成物をフィルタープ
レスによって脱水することで含水率72.5%となっ
た。これを乾燥した顔料2部に対し、ポリエチレン樹脂
196部、ワックス2部をヘンシェルミキサーで混合
し、二軸同方向回転スクリュー押し出し機で練肉・押出
した後、ペレタイザーでカットしてプラスチック用着色
剤を得た。得られた顔料組成物は次の方法により評価を
行った。 〈評価〉結果を表3に示す。
【0048】
【表3】
【0049】(分散度)得られたプラスチック用着色剤
をスライドグラスにのせて加熱溶融させて光学顕微鏡に
て粒の数を観察した。粒の数が少ない程分散度が優れて
いることを示す。比較例4に対し、実施例6は粒の数が
少なく、良好な分散度を示していた。 (フィルム分散)プラスチック用着色剤及びポリエチレ
ン樹脂を顔料濃度が1%となるようにヘンシェルミキサ
ーで混合し、二軸同方向回転スクリュー押し出し機で練
肉・押出した後、ペレタイザーでカットしてインフレ−
ションフィルム作成機にて厚さ50μmのインフレーシ
ョンフィルムを作成し、面積50cm2中のフィルム中
のブツの個数を測定した。ブツの個数が少ない程分散度
が優れていることを示す。比較例4に対し、実施例6は
ブツの個数が少なく、良好な分散性を示していた。 (着色力)顔料/酸化チタン/ポリエチレン樹脂=0.
05/0.70/99.25の組成で混合し試験用加熱
2本ロールで5分間混合、練肉し、厚さ1mmのプレス
シートを作成した。得られた厚さ1mmのプレスシート
の着色力を測定した。値が高いほど高着色を示す。比較
例4に対し、実施例6は高着色であった。
【0050】
【発明の効果】本発明によれば、アゾ顔料のカップリン
グ反応前、又はその途中に常温固体の非水溶性樹脂を添
加混合することで、カップリング反応における顔料粒子
の生成と同時に顔料を処理することで、従来よりも容易
に且つ効率よく水分離性を向上させ、さらに高濃度、高
光沢であり、かつ乾燥後も優れた分散性を示すことがで
きるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 日野 光晴 東京都中央区京橋二丁目3番13号 東洋イ ンキ製造株式会社内 (72)発明者 小谷 卓也 東京都中央区京橋二丁目3番13号 東洋イ ンキ製造株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アゾ顔料のカップリング反応前、又はカッ
    プリング反応中に常温固体の非水溶性樹脂を添加混合
    し、カップリング反応における顔料粒子の生成と同時
    に、顔料と樹脂の混合処理することを特徴とする顔料組
    成物の製法。
  2. 【請求項2】顔料と樹脂の混合処理における温度が常温
    固体の非水溶性樹脂が軟化しない温度であることを特徴
    とする請求項1記載の顔料組成物の製法。
  3. 【請求項3】アゾ顔料のカップリング反応前、又はカッ
    プリング反応中に常温固体の非水溶性樹脂を添加混合
    し、カップリング反応における顔料粒子の生成と同時
    に、顔料と樹脂の混合処理を行うに当たり、顔料固形分
    100重量%に対し、常温固体の非水溶性樹脂が500
    重量%以下であることを特徴とする顔料組成物。
  4. 【請求項4】請求項3記載の顔料組成物がウエットケー
    キであることを特徴とする顔料組成物。
  5. 【請求項5】請求項3記載の顔料組成物を乾燥すること
    により、粉末、顆粒、ペレット形状の何れかであること
    を特徴とする顔料組成物。
JP2000274275A 2000-09-11 2000-09-11 顔料組成物の製法及びその顔料組成物 Pending JP2002080743A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN116082881A (zh) * 2022-11-01 2023-05-09 中山市富日印刷材料有限公司 一种色彩饱和度高的偶氮宝红基础墨及制备工艺

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