JP2002080543A - 不飽和ポリエステル樹脂組成物 - Google Patents

不飽和ポリエステル樹脂組成物

Info

Publication number
JP2002080543A
JP2002080543A JP2000268501A JP2000268501A JP2002080543A JP 2002080543 A JP2002080543 A JP 2002080543A JP 2000268501 A JP2000268501 A JP 2000268501A JP 2000268501 A JP2000268501 A JP 2000268501A JP 2002080543 A JP2002080543 A JP 2002080543A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
unsaturated polyester
acid
resin composition
polyester resin
unsaturated
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000268501A
Other languages
English (en)
Inventor
Sachiko Fujita
幸子 藤田
Takashi Tomiyama
隆史 冨山
Shigeru Motomiya
滋 本宮
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
DIC Corp
Original Assignee
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd filed Critical Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
Priority to JP2000268501A priority Critical patent/JP2002080543A/ja
Publication of JP2002080543A publication Critical patent/JP2002080543A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)
  • Macromonomer-Based Addition Polymer (AREA)
  • Reinforced Plastic Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 硬化物の光沢保持に優れ、塗料、ライニング
材、ゲルコート剤等の被覆用材料、FRP成形材料とし
て各種用途に有用な不飽和ポリエステル樹脂組成物を提
供する。 【解決手段】 (A)不飽和ポリエステルと(B)重合
性不飽和単量体とを含有してなる組成物であり、(A)
不飽和ポリエステルと(B)重合性不飽和単量体との重
量比が(A)/(B)=70/30〜95/5であるこ
とを特徴とし、その硬化物の光沢保持率(ISO基準に
基づいたサンシャシン・ウエザオメーターによる耐候性
試験2000時間後の光沢保持率)が60%以上である
ことを特徴とする不飽和ポリエステル樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光沢保持に優れ、かつ
スチレンモノマー含有量が少ない不飽和ポリエステル樹
脂組成物及びそれを用いた塗料、ライニング材、ゲルコ
ート剤等の被覆材、成形材料、FRP成形品に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来、不飽和ポリエステル樹脂は、硬化
温度条件が幅広い上に硬化速度が速いという優れた成形
性、化学的、物理的、機械的、電気的特性を有するため
各種用途に利用されている。その主な用途は、浴槽、ユ
ニットバス、ボート、漁船、タンク、車両、ハウジング
等のFRPや、注型、塗料、レジンコンクリート等の非
FRP用である。一方、改善を求められる性能の一つに
耐候性が挙げられる。これらの性能向上は、原料組成
面、その他の方法で対応されている。すなわち、原料組
成面からは、脂環式脂肪族系二塩基酸やグリコールある
いは、ネオペンチルグリコールの使用、さらに各種の紫
外線吸収剤の添化などである。しかし、この原料組成面
からの改良は、黄変は改善されているが光沢保持には欠
点を有しており、チョーキング(光沢が低下した結果表
面に粉をふいたような白化現象)といった光沢の低下が
比較的短時間で発生してしまうという問題点を有してお
り、耐候性の要因である黄変と光沢保持、両方を満足さ
せるものではなかった。また、最近環境問題からスチレ
ンモノマの大気中への放出の規制が厳しくなりつつある
ため、低スチレン揮散、低スチレン含有の樹脂が必要と
されている。低スチレン揮散や低スチレン含有の不飽和
ポリエステル樹脂にするためには、DCPD系の低分子
量の不飽和ポリエステルを用いてスチレン含有量を減ら
す方法、パラフィンワックスを添加する方法が知られて
いる。これらの方法ではスチレンモノマの揮散量や含有
量は減らすことはできるが、耐候性を満足させることは
できない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、光沢
保持が改善され、かつスチレンモノマ含有量の少ない不
飽和ポリエステル樹脂組成物及びその応用品を提供する
ことにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく、不飽和ポリエステル樹脂組成物について
鋭意研究した結果、光沢保持に優れ、かつスチレンモノ
マ含有量の少ない不飽和ポリエステル樹脂組成物を見い
出し、本発明を完成するに至った。即ち、本発明は、
A)不飽和ポリエステルと(B)重合性不飽和単量体と
を含有してなる組成物であり、(A)不飽和ポリエステ
ルと(B)重合性不飽和単量体との重量比が(A)/
(B)=70/30〜95/5で、その硬化物の光沢保
持率(ISO基準に基づいたサンシャシン・ウエザオメ
ーターによる耐候性試験2000時間後の光沢保持率)
が60%以上であることを特徴とする不飽和ポリエステ
ル樹脂組成物、及びその被覆材、成形材料、FRP成形
品を提供するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の不飽和ポリエステル樹脂
組成物は、(A)不飽和ポリエステルと(B)重合性不
飽和単量体とを含有し、不飽和ポリエステルと重合性不
飽和単量体とが特定な重量比からなる組成物であり、そ
の硬化物に於いてサンシャイン・ウエザォメーターの耐
候光性試験2000時間後の光沢保持率が60%以上、
好ましくは70%以上である。
【0006】本発明に用いられる不飽和ポリエステル
は、不飽和二塩基酸および/またはその酸無水物および
/または芳香族ジカルボン酸および/またはその酸無水
物、および/または脂肪族ジカルボン酸および/または
その酸無水物、および/または脂環式脂肪族ジカルボン
酸および/またはその酸無水物、および/または脂肪族
系カルボン酸、および/または芳香族系カルボン酸を含
む酸成分と、多価アルコールとを公知の方法で反応させ
て得られる不飽和ポリエステルである。またこのポリエ
ステルの末端に例えば不飽和エポキシ化合物や不飽和イ
ソシアネート化合物を付加させた不飽和ポリエステルア
クリレートでも良い。更にジシクロペンタジエンで末端
を封止しても良い。
【0007】本発明に用いられる不飽和ポリエステルを
縮合反応させる酸成分とアルコールを以下に例示する
が、これに限定されものではない。不飽和二塩基酸およ
び/またはその酸無水物としては、マレイン酸、無水マ
レイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、アコ
ニット酸などのα,β−不飽和二塩基酸やジヒドロムコ
ン酸等のβ,γ−不飽和二塩基酸が用いられる。これら
は2種以上を併用してもよい。これらの中でもマレイン
酸、無水マレイン酸、フマル酸が容易に入手できること
から好ましい。芳香族ジカルボン酸および/またはその
酸無水物は無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル
酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタ
レンジカルボン酸、2,3−ナフタレンジカルボン酸、
2,3−ナフタレンジカルボン酸無水物、4,4'−ビ
フェニルジカルボン酸、トリメット酸、ピロメリット酸
等などが用いられ、これらは2種以上を併用してもよ
い。テトラヒドロ無水フタル酸、ダイマー酸等も挙げら
れる。脂肪族ジカルボン酸および/またはその酸無水物
は、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、メチルコハク酸、
2,2−ジメチルコハク酸、2,3−ジメチルコハク
酸、ヘキシルコハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼ
ライン酸、グルタル酸、2−メチルグルタル酸、3−メ
チルグルタル酸、2,2−ジメチルグルタル酸、3,3
−ジメチルグルタル酸、3,3−ジエチルグルタル酸、
ピメリン酸、スベリン酸、ドデカン二酸などがあげら
れ、これらは2種以上を併用してもよい。脂環式脂肪族
ジカルボン酸および/またはその酸無水物はヘキサヒド
ロ無水フタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、1,4−シク
ロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカ
ルボン酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘ
キサヒドロフタル酸、ヘット酸、1,1−シクロブタン
ジカルボン酸などが用いられる。これらのハロゲン化
物;これらのエステル誘導体も用いられる。これらは2
種以上を併用してもよい。脂肪族系カルボン酸はシクロ
ヘキサンカルボン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン
酸などが挙げられ、これらは2種以上を併用しても良
い。酸成分はこれらの中から適宜選択されるが、耐黄変
性に優れた樹脂組成物を得る場合には芳香族モノカルボ
ン酸、芳香族ジカルボン酸やその無水物などの芳香族系
化合物以外の酸成分を使用するのが好ましい。
【0008】多価アルコールとしては、エチレングリコ
ール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコー
ル、テトラエチレングリコール、1,2−プロピレング
リコール、1,3−プロピレングリコール、ジプロピレ
ングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタ
ンジオール、2,3−ブタンジオール、1,5−ペンタ
ンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプ
タンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノ
ナンジオール、1,10−デカンジオール、4,5−ノ
ナンジオール、ネオペンチルグリコール、2−ブチル−
2−エチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジエ
チル−1,3−プロパンジオール、1,4−シクロヘキ
サンジメタノール、1,2−シクロヘキサンジオール、
1,3−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキ
サンジオール、2−メチル−1,4−ブタンジオール、
2−エチル−1,4−ブタンジオール、3−メチル−
1,5−ペンタンジオール、水素化ビスフェノ-ルA、
水素化ビスフェノ−ルAのエチレンオキサイドもしくは
プロピレンオキサイドもしくはブチレンオキサイド等の
アルキレンオキサイドとの付加物、ビスフェノ−ルAの
エチレンオキサイドもしくはプロピレンオキサイドもし
くはブチレンオキサイド等のアルキレンオキサイドとの
付加物、水素化ビスフェノールF、水素化ビスフェノ−
ルFのエチレンオキサイドもしくはプロピレンオキサイ
ドもしくはブチレンオキサイド等のアルキレンオキサイ
ドとの付加物、ビスフェノ−ルFのエチレンオキサイド
もしくはプロピレンオキサイドもしくはブチレンオキサ
イド等のアルキレンオキサイドとの付加物、エチレング
リコ−ルカ−ボネ−ト等の二価アルコール、グリセリ
ン、トリメチロールプロパン等の三価アルコール、ペン
タエリスリトール等の四価アルコールなどが用いられ
る。これらは2種以上を併用してもよく適宜選択される
が、耐黄変性に優れた樹脂組成物を得る場合には黄変の
原因となる芳香族化合物、即ち光反応により発色団を形
成する芳香族化合物や3級水素を含有し光劣化反応が進
行し易い芳香族化合物は使用しない方が好ましい。ま
た、1,3−プロパンジオールや2,2,−メチルエチ
ルー1,3−ポロパンジオール等の主鎖の炭素数が奇数
で、低融点のグリコールを用いた場合、重合性不飽和単
量体の含有量を低減でき、且つ得られる組成物の粘度を
低くできるという利点がある。即ち、主鎖が奇数の炭素
数のアルコールの方が樹脂の粘度が低くなるのでより好
ましい。尚、不飽和ポリエステルの末端封鎖のために、
ベンジルアルコールや2−エチルヘキシルアルコール、
デシルアルコール、ウンデシルアルコール、ラウリルア
ルコール、トリデシルアルコール、ステアリルアルコー
ル等の一価アルコールも使用可能である。
【0009】酸成分と多価アルコールの反応は、公知の
方法で主に縮合反応を進めることにより行われ、両成分
が反応する際に生ずる水等の低分子を系外へ脱離して進
行させる。酸成分と多価アルコールとの反応割合には特
に制限はない。末端にカルボキシル基を有する段階で不
飽和エポキシ化合物と反応させても良いし、末端に水酸
基を有する段階でイソシアネート基を有する不飽和化合
物または不飽和カルボン酸またはその酸無水物を反応さ
せても良い。更に先にジシクロペンタジエンと無水マレ
イン酸、アルコール又は水を通常のエステル化反応条件
で反応させて、さらに必要に応じて脂肪族系飽和一又は
二塩基酸および/またはその酸無水物、不飽和二塩基酸
および/またはその酸無水物、芳香族系ジカルボン酸お
よび/またはその酸無水物を加えて公知の方法で縮合反
応を行っても良い。
【0010】末端カルボキシル基にメタクリル酸グリシ
ジルエーテル等の不飽和エポキシ化合物を付加させる方
法には特に制限はないが、第4級アンモニウム塩、金属
セッケン、各種アミン類等を触媒として、60〜200
℃で0.5〜4時間反応させることにより行うことがで
きる。付加反応には、不飽和ポリエステルを重合性単量
体に溶解した後、不飽和エポキシ化合物を付加させる方
法と、不飽和ポリエステルに直接不飽和エポキシ化合物
を付加させる方法があるが、どちらの方法を採用しても
よい。
【0011】末端水酸基にイソシアネート基を有する不
飽和化合物を付加させる方法には特に制限はないが必要
に応じて反応触媒を添加して、60〜200℃で0.5
〜8時間反応させることにより行うことができる。付加
反応は不飽和ポリエステルにジイソシアネートを付加さ
せて水酸基を有するエチレン性不飽和単量体を反応させ
る方法、ジイソシアネートと水酸基を有するエチレン性
不飽和単量体の付加物を不飽和ポリエステルに付加させ
る方法、エチレン性不飽和単量体を有するイソシアネー
トを不飽和ポリエステルに付加させる方法等があるがい
ずれの方法を採用しても良い。付加反応には、不飽和ポ
リエステルを重合性単量体に溶解した後、不飽和イソシ
アネート化合物を付加させる方法と、不飽和ポリエステ
ルに直接不飽和イソシアネート化合物を付加させる方法
があるが、どちらの方法を採用してもよい。
【0012】ジイソシアネート化合物としては例えばヘ
キサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシア
ネート、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタン
ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テト
ラメチルキシリレンジイソシアネート等が挙げられる。
水酸基を有するエチレン性不飽和単量体としては 例え
ば(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシエチル、(メタ)
アクリル酸2-ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル
酸3-ヒドロキシプロピル等が挙げられる。不飽和イソ
シアネート化合物としてはイソプロペニルジメチルベン
ジルイソシアネート、カレンズMOI(昭和電工(株)
製)等が挙げられる。
【0013】末端水酸基に(メタ)アクリル酸またはジ
(メタ)アクリル酸無水物等の不飽和カルボン酸または
その酸無水物を反応させる方法には特に制限はないが、
公知のエステル化および/またはエステル交換触媒を用
いて、60〜200℃で0.5〜4時間反応させること
により行うことができる。反応は減圧で行っても良い。
反応には、不飽和ポリエステルを重合性単量体に溶解し
た後、不飽和カルボン酸またはその酸無水物を反応させ
る方法と、不飽和ポリエステルに直接不飽和カルボン酸
またはその酸無水物を反応させる方法があるが、どちら
の方法を採用してもよい。
【0014】重合性不飽和単量体としては、分子内に1
個以上の重合性二重結合を有する、スチレン、p−メチ
ルスチレン、α−メチルスチレン、t−ブチルスチレ
ン、ビニルトルエン、ジビニルベンゼン、クロロスチレ
ン、ジクロロスチレン等のスチレン誘導体、フマル酸モ
ノメチル、フマル酸ジメチル、マレイン酸モノメチル、
マレイン酸ジメチル、フマル酸モノエチル、フマル酸ジ
エチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸ジエチル、
フマル酸モノプロピル、フマル酸ジプロピル、マレイン
酸モノプロピル、マレイン酸ジプロピル、フマル酸モノ
ブチル、フマル酸ジブチル、フマル酸モノオクチル、フ
マル酸ジオクチル、イタコン酸モノメチル、イタコン酸
ジメチル、イタコン酸ジエチル、イタコン酸モノエチ
ル、イタコン酸モノブチル、イタコン酸ジブチル、イタ
コン酸モノプロピル、イタコン酸ジプロピル等のα,β
−不飽和多塩基酸アルキルエステル、ジアリルフタレー
トなどが用いられる。これらは2種以上を併用してもよ
い。
【0015】重合性不飽和単量体の配合量は、不飽和ポ
リエステル/重合性不飽和単量体の重量比が70/30
〜95/5、好ましくは70/30〜85/15となる
量である。重合性不飽和単量体の量が上記の範囲であれ
ば、組成物の硬化物の高い光沢保持率に良い影響を与
え、重合性不飽和単量体、例えばスチレンの低揮散性を
もたらすことができる。
【0016】本発明の組成物としては、粘度が4.5〜
0.2Pa・sとなるように調整されたものが好ましい。
【0017】紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノン
系、ベンゾトリアゾール系、シアノアクリレート系化合
物が挙げられ、紫外線安定剤としては、ヒンダートアミ
ン系が挙げられる。これらは重合可能な反応性やエステ
ル化反応可能な反応性を有していても良く適宜選択され
使用される。
【0018】本発明の不飽和ポリエステル樹脂組成物に
は、必要に応じて、ハイドロキノン、ピロカテコール、
2,6−t−ブチルパラクレゾール等の重合禁止剤、ナ
フテン酸コバルト、オクテン酸コバルト等の金属セッケ
ン類、ジメチルベンジルアンモニウムクロライド等の第
4級アンモニウム塩、アセチルアセトン等のβジケト
ン、ジメチルアニリン、N−エチル−メタトルイジン、
トリエタノールアミン等のアミン類等の硬化促進剤、染
料、顔料、可塑剤、シリカ粉、アスベスト粉等の公知の
揺変剤、充填剤、安定剤、消泡剤、レベリング剤等の各
種添加剤、光沢保持の性能を損ねない範囲でPMMAな
どの熱可塑ポリマーや東亞合成化学工業(株)のマクロ
モノマーAA−6やAA−10を配合することができ
る。
【0019】また、樹脂組成物には硬化剤として各種の
有機過酸化物を配合してもよい。有機過酸化物として
は、メチルエチルケトンパーオキサイド、ベンゾイルパ
ーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイド、ビス
−4−t−ブチルシクロヘキサンジカーボネート、t−
ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサネート等があり、
これらは2種以上を併用してもよい。
【0020】本発明に使用される顔料としては、好まし
くは着色に使用されるもので、例えばチタンホワイト、
ベンガラ、縮合アゾレッド、チタニウムイエロー、コバ
ルトブルー、キナクリドンレッド、カーボンブラック、
鉄黒、ウルトラマリングリーン、ブルー、ペリノン、紺
青、イソインドリノン、クロームグリーン、シアニンブ
ルー、グリーン等が挙げられる。紫外線安定性に優れ、
ポリエステル樹脂の硬化を妨げない物が選択され、色調
に応じて配合される。これらの着色用顔料は、ポリエス
テル樹脂に直接混合分散させるか、飽和、不飽和ポリエ
ステル樹脂ソリッドと予め混練したカラートナーとして
添加することもできる。かかる顔料の添加量は、不飽和
ポリエステルと重合性不飽和単量体とを溶解したもの1
00重量部に対し、顔料1〜50重量部が好ましい。
【0021】また本発明の組成物に用いられる充填材と
しては、例えば炭酸カルシウム、タルク、マイカ、クレ
ー、シリカパウダー、コロイダルシリカ、アスベスト
粉、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、ガラス粉、ア
ルミナ粉、硅石粉、ガラスビーズ、砕砂等が挙げられ、
これらを配合してパテ、シーリング剤や被覆材として使
用することができる。また布、クラフト紙等への含浸補
強する材料としても有効である。
【0022】本発明の不飽和ポリエステル及び重合性不
飽和単量体とを主成分として含有してなる組成物は、そ
の硬化物の光沢保持率(ISO基準に基づいたサンシャ
シン・ウエザオメーターによる耐候性試験2000時間
後の光沢保持率)が60%以上、好ましくは70%以上
である。本発明の組成物がその硬化物の光沢保持率を上
記範囲となるために不飽和ポリエステル及び重合性不飽
和単量体の成分及び含有量等を適宜選択することにより
達成することができる。
【0023】従来の不飽和ポリエステル樹脂組成物が上
記耐候性試験の条件に於いて光沢保持率60%以上のも
のでなく、一方本発明の不飽和ポリエステル樹脂組成物
は、後述の実施例に示すように不飽和ポリエステルを構
成する成分及びその含有量並びに組成物中組成比等を調
整することによって上記光沢保持率を有するものとな
る。同時に重合性不飽和単量体の含有量を特定量にする
ことによって、該単量体の揮散性を低く抑えることがで
きる。
【0024】本発明の組成物には補強材も添加すること
かでき、かかる補強材としては例えばガラス繊維(チョ
ップドストランドマット、ガラスロービングクロス
等)、炭素繊維、有機繊維(ビニロン、ポリエステル、
フェノール等)、金属繊維等が挙げられ、10〜70重
量%併用しFRPとすることができる。
【0025】本発明の樹脂組成物は、FRP,パテ、注
型品や被覆材、例えばゲルコートライニング材等として
用いられる。そうした場合、必要によりさらに、難燃剤
等の添加剤を入れても良い。
【0026】
【実施例】以下、本発明を実施例によって更に詳細に説
明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。また文章中「部」とあるのは、重量部を示すも
のである。
【0027】(実施例1) 不飽和ポリエステル組成物
の製造 温度計、攪拌器、不活性ガス導入口、及び還流冷却器を
備えた2Lの4つ口フラスコにネオペンチルグリコール
458部、1,3-プロパンジオール84部、ヘキサヒ
ドロ無水フタル酸308部、フマル酸348部を仕込
み、窒素ガスを吹き込みながら205℃まで昇温し、1
4時間反応後、スチレンモノマー451部、ハイドロキ
ノン0.12部を加え、不揮発分70%、酸価12の不
飽和ポリエステル樹脂組成物を得た。かかる組成物は、
下記試験により光沢保持率が82%であった。
【0028】(実施例2) 不飽和ポリエステル組成物
の製造 実施例1と同様にして2Lフラスコにネオペンチルグリ
コール458部、3-メチル-1,5-ヘプタンジオール13
0部、エチレングリコール51部、ヘキサヒドロ無水フ
タル酸462部、フマル酸232部を仕込み、210℃
まで昇温し、エステル化反応を行い、12時間反応後、
スチレンモノマー496部、ハイドロキノン0.13部
を加え、不揮発分70%、酸価11の不飽和ポリエステ
ル樹脂組成物を得た。この不飽和ポリエステル樹脂10
0部にチバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)のチヌ
ビン400を0.5部、チバ・スペシャルティ・ケミカ
ルズ(株)のチヌビン123を0.4部、旭電化工業
(株)のLA−82を0.1部加え 不飽和ポリエステ
ル樹脂組成物とした。かかる組成物は、下記試験により
光沢保持率が72%であった。
【0029】(比較例1) 不飽和ポリエステル組成物
の製造 実施例1と同様にしてネオペンチルグリコール208
部、プロピレングリコール76部、ヘキサヒドロフタル
酸無水物154部、無水マレイン酸196部を仕込み、
210℃まで昇温し、エステル化反応を行い、14時間
反応後、スチレンモノマー410部、ハイドロキノン
0.06部を加え、不揮発分60%、酸価5の不飽和ポ
リエステル樹脂組成物を得た。かかる組成物は、下記試
験により光沢保持率が40%であった。
【0030】(試験例)上記不飽和ポリエステル樹脂組
成物を用いて下記の試験を行った。その結果を表1にま
とめる。 〜サンシャイン・ウエザォメーターによる耐候性試験〜 1)試験板の作製 実施例、比較例で得られた不飽和ポリエステル樹脂組成
物に55%メチルエチルケトンパーオキサイド1.0
%、6%ナフテン酸コバルト0.1%を添加して攪拌、
脱泡し、離型剤(フリコートFRP、F−REKOTE社)を
塗布し、厚みを調整するスペーサーを有しシーリーング
したガラス板に樹脂を注ぎ、その後常温で24時間放置
後、60℃で30分更に硬化させ、厚み約3mmの注型
板を得た。
【0031】2)耐候性試験 方法1)で得た試験板から50mm×70mmの試験片
を切り出し、耐候試験片を作製した。耐候試験法として
は、サンシャインウエザオメ-タ-(スガ試験機(株)製
WEL-SUN-HCH-B型)を用いて促進耐候試験を
行った。 試験条件:温度 63±3℃ サイクル 120分中18
分降雨 時間 2000hr なお、試験片は250時間毎にチェックして光沢低下が
著しいものに関しては試験を中止した。
【0032】3)耐候性の評価 試験後の試験片の光沢を測定した。測定機器は、光沢計
は(株)村上色彩技術研究所製 GM5型を使用した。
測定角は、60度で行った。なお、光沢保持率は光沢保
持率=試験後の光沢/試験前の光沢×100 により求
めた。保持率が高いほど光沢が低下しにくいことを示し
ている。
【0033】
【表1】
【0034】またFRPでの耐候性を確認するために、
以下に示す方法でゲルコート積層板を作製した。まずガ
ラス板に離型剤(商品名ボンリース、KOSHIN CHEMICAL
社製)を塗布した後、実施例、比較例の樹脂組成物10
0部に55%メチルエチルケトンパーオキサイド1.0
%、6%ナフテン酸コバルト0.5部を添加して攪拌
し、ガラス板上にスプレー塗布し、その後常温で1時間
放置後、60℃で30分更に硬化させた。次に、450
g/m2ガラスチョップストランドマット(M)、57
0g/m2ガラスロービングクロス(R)に積層用樹脂
(商品名ポリライトFH−286、大日本インキ化学工
業(株)製)を用いて(M)+(R)+(M)の構成で
L型コーナー部で重なり合うように一度に成形した。な
お、この時、6%ナフテン酸コバルト0.2部、55%
メチルエチルケトンパーオキサイド1.0部を用いた。
そして、常温で18時間放置した後、ガラス板よりFR
P成形品を剥離し試験片とした。この試験板から50m
m×70mmの試験片を切り出し、耐候試験片を作製し
た。耐候試験法としては、上記と同様にサンシャインウ
エザオメーター(スガ試験機(株)製WEL−SUN−
HCH−B型)を用いた。
【0035】試験条件:温度 63±3℃ サイクル 1
20分中18分降雨時間 2000hr なお、試験時間250hr毎に目視で確認し、光沢が著し
く低下した場合は試験を中止した。試験結果を表2に示
す。 (耐候性評価)評価については 表面の白化の程度を目
視により観察した。 評価 ◎:白化無し ○:ほとんど白化無し ×:白化
【0036】
【表2】
【0037】
【発明の効果】本発明の樹脂組成物は、硬化物の光沢保
持に優れるため、塗料、ライニング材、ゲルコート剤等
の被覆用材料、FRP成形材料として各種用途に有用で
ある。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成12年11月15日(2000.11.
15)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0004
【補正方法】変更
【補正内容】
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく、不飽和ポリエステル樹脂組成物について
鋭意研究した結果、光沢保持に優れ、かつスチレンモノ
マ含有量の少ない不飽和ポリエステル樹脂組成物を見い
出し、本発明を完成するに至った。即ち、本発明は、
A)不飽和ポリエステルと(B)重合性不飽和単量体と
を含有してなる組成物であり、(A)不飽和ポリエステ
ルと(B)重合性不飽和単量体との重量比が(A)/
(B)=70/30〜95/5で、その硬化物の光沢保
持率(ISO基準に基づいたサンシャン・ウエザオメ
ーターによる耐候性試験2000時間後の光沢保持率)
が60%以上であることを特徴とする不飽和ポリエステ
ル樹脂組成物、及びその被覆材、成形材料、FRP成形
品を提供するものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 5/00 C09D 5/00 Z Fターム(参考) 4F072 AA02 AB04 AB05 AB07 AB09 AB10 AB11 AD38 AE09 AE10 AF03 AF04 AF06 AF14 AF15 AF28 AH21 AH25 AK03 AL02 AL04 AL06 AL09 4J002 CF221 CF231 CF241 CF251 DE148 DE238 DG048 DJ018 DJ028 DJ038 DJ048 DJ058 DL008 EE036 EN007 ET006 EU176 FD018 FD047 FD056 GH01 4J027 AB05 AB06 AB07 AB08 AB15 AB16 AB17 AB18 AB19 AB22 AB23 AB24 AB25 AB26 AB32 BA05 BA17 BA22 CA22 CA25 CA29 CD02 CD08 4J038 DD181 FA042 FA202 JA33 JA66 JB02 JB24 JB35 KA12 NA01 PA19

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)不飽和ポリエステルと(B)重合
    性不飽和単量体とを含有してなる組成物であり、(A)
    不飽和ポリエステルと(B)重合性不飽和単量体との重
    量比が(A)/(B)=70/30〜95/5で、その
    硬化物の光沢保持率(ISO基準に基づいたサンシャシ
    ン・ウエザオメーターによる耐候性試験2000時間後
    の光沢保持率)が60%以上であることを特徴とする不
    飽和ポリエステル樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 紫外線吸収剤及び/又は紫外線安定剤を
    含有することを特徴とする請求項1記載の不飽和ポリエ
    ステル樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 塗料若しくはゲルコート用であることを
    特徴とする請求項1乃至請求項2記載の不飽和ポリエス
    テル樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至請求項2に示される不飽和
    ポリエステル樹脂組成物、補強材及び/または充填材か
    らなる不飽和ポリエステル樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 請求項4の不飽和ポリエステル樹脂組成
    物よりなる成形材料。
  6. 【請求項6】 繊維強化プラスチック成形品の表面に請
    求項1乃至請求項3に示される樹脂組成物からなるゲル
    コート層を有する繊維強化プラスチック成形品。
JP2000268501A 2000-09-05 2000-09-05 不飽和ポリエステル樹脂組成物 Pending JP2002080543A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000268501A JP2002080543A (ja) 2000-09-05 2000-09-05 不飽和ポリエステル樹脂組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000268501A JP2002080543A (ja) 2000-09-05 2000-09-05 不飽和ポリエステル樹脂組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002080543A true JP2002080543A (ja) 2002-03-19

Family

ID=18755274

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000268501A Pending JP2002080543A (ja) 2000-09-05 2000-09-05 不飽和ポリエステル樹脂組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002080543A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006131759A (ja) * 2004-11-05 2006-05-25 Showa Highpolymer Co Ltd シートモールディングコンパウンド

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006131759A (ja) * 2004-11-05 2006-05-25 Showa Highpolymer Co Ltd シートモールディングコンパウンド

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100655765B1 (ko) 불포화 폴리에스테르 수지 조성물
JP2002080543A (ja) 不飽和ポリエステル樹脂組成物
JP4311894B2 (ja) 不飽和ポリエステル樹脂組成物
JP2002105144A (ja) 不飽和ポリエステル樹脂組成物
JP2002069136A (ja) 不飽和ポリエステル樹脂組成物
JP3307036B2 (ja) 着色不飽和ポリエステル樹脂組成物及び塗料もしくはゲルコート剤、成形材料
JP2002080544A (ja) 不飽和ポリエステル樹脂組成物
JP2002069137A (ja) 不飽和ポリエステル樹脂組成物
JP4582420B2 (ja) 不飽和ポリエステル樹脂を用いた被覆材、ゲルコート材及び成形品
JP2002105143A (ja) 不飽和ポリエステル樹脂組成物
JP2002121238A (ja) 耐候性に優れる人工大理石およびその組成物
JP5399267B2 (ja) ゲルコート層を備えた物品および製造方法
JP2002121239A (ja) 土木建築材料用不飽和ポリエステル樹脂組成物
JPH0597945A (ja) 不飽和ポリエステル樹脂組成物
JP2002120788A (ja) 不飽和ポリエステル樹脂製船体
JP2002121372A (ja) 不飽和ポリエステル樹脂製車両部材
JP2007204648A (ja) 成形材料
JPH08188628A (ja) ゲルコート用樹脂組成物およびゲルコート層を有する成形品の製造法
JP2006056975A (ja) 耐水性・耐候性に優れるゲルコート用不飽和ポリエステル樹脂、その製造方法及びその利用
JP3421952B2 (ja) 不飽和ポリエステル樹脂組成物及びそれを用いる成形品
JP3018452B2 (ja) 熱硬化性樹脂組成物
JP3505083B2 (ja) 積層成形品
JP2002121237A (ja) Frp波・平板およびその樹脂組成物
JP2005139256A (ja) シートモールディングコンパウンド
JP2004083705A (ja) 不飽和ポリエステル樹脂製波・平板

Legal Events

Date Code Title Description
RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20050805