JP2002080536A - 二液アクリルウレタン塗料用樹脂組成物 - Google Patents

二液アクリルウレタン塗料用樹脂組成物

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JP2002080536A
JP2002080536A JP2000272701A JP2000272701A JP2002080536A JP 2002080536 A JP2002080536 A JP 2002080536A JP 2000272701 A JP2000272701 A JP 2000272701A JP 2000272701 A JP2000272701 A JP 2000272701A JP 2002080536 A JP2002080536 A JP 2002080536A
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monomer
coating film
meth
acrylate
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JP2000272701A
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Kazuya Sugimoto
和也 杉本
Yutaka Miyata
豊 宮田
Kazuyoshi Nomura
和義 野村
Noriyuki Shimura
法之 志村
Katsumi Tsukamoto
勝美 塚本
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Asia Industry Co Ltd
Original Assignee
Asia Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた耐候性及び耐溶剤性を有すると共に、
耐汚染性、洗浄回復性、塗膜靭性にも優れた二液アクリ
ルウレタン塗料用樹脂組成物の提供。 【解決手段】 単量体成分として、シクロアルキル基を
有する重合性不飽和単量体(A)及び水酸基を有する重
合性不飽和単量体(B)を含み、水酸基価が25〜34
0(mgKOH/g)であるアクリルポリオール樹脂組
成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アクリルポリオー
ル樹脂組成物、及び該アクリルポリオール樹脂組成物と
ポリイソシアネート化合物を含む二液アクリルウレタン
塗料用樹脂組成物に関する。本発明によれば、耐汚染
性、洗浄回復性、塗膜靭性、耐溶剤性、乾燥性、硬度、
光沢、耐候性等の塗料に必要な性能の全てにおいて優れ
る二液のアクリルウレタン塗料用樹脂組成物を提供する
ことができる。
【0002】
【従来の技術】アクリルウレタン樹脂塗料は、優れた塗
膜特性を有するため、建築外装用、建材用、木工用、金
属製品用、皮革用等の塗料として、また、自動車のプラ
スチック部品用、自動車補修用等の仕上げ塗料として広
範囲に使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、塗料及
びインキ分野においては、これまで以上の高品質化及び
高性能化の要求が高まってきており、アクリルポリオー
ルを用いた従来の二液アクリルウレタン樹脂塗料に対し
ては、耐候性、耐溶剤性等の一層の向上が望まれてい
る。更に、従来の二液アクリルウレタン樹脂塗料は樹脂
の架橋密度が低く、樹脂塗膜として充分な耐汚染性、洗
浄回復性、物理性能(靭性)が得られないということが
分かってきた。
【0004】本発明者等は、かかる点に鑑み鋭意研究を
重ねた結果、シクロアルキル基と特定量の水酸基を有す
るアクリルポリオール樹脂組成物を二液アクリルウレタ
ン塗料において用いると、塗料物性として必要な耐候性
及び耐溶剤性等に優れると共に、充分な耐汚染性、洗浄
回復性、物理性能(靭性)をも有する塗料が得られると
いうこと見い出し、本発明を完成した。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、単
量体成分として、シクロアルキル基を有する重合性不飽
和単量体(A)及び水酸基を有する重合性不飽和単量体
(B)を含み、水酸基価が25〜340(mgKOH/
g)であるアクリルポリオール樹脂組成物に関する。
【0006】なお、上記アクリルポリオール樹脂組成物
は、単量体成分として、更に、前記単量体(A)及び
(B)と共重合可能な重合性不飽和単量体(C)を含ん
でいてもよい。
【0007】また、本発明は、上記アクリルポリオール
樹脂組成物及びポリイソシアネート化合物を含み、水酸
基/イソシアネート基当量比が0.5〜2.0である、
二液アクリルウレタン塗料用樹脂組成物に関する。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明に用いられるシクロアルキ
ル基を有する重合性不飽和単量体(A)としては、特に
制限はないが、例えば、シクロヘキシル(メタ)アクリ
レート、メチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、
ターシャリーブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレー
ト等が挙げられる。なお、これらは、単独で用いてもよ
く、また2種類以上を併用してもよい。これらの中で
も、シクロヘキシル(メタ)アクリレートを用いること
が、塗料物性の点から好ましい。
【0009】単量体(A)の含有量は、アクリルポリオ
ール樹脂組成物を構成する単量体成分全体に対し、5.
0〜64.0重量%の範囲であることが好ましい。単量
体(A)の含有量が、5.0重量%未満の場合は、塗膜
における硬度、光沢、仕上がり感(肉持ち性)、耐溶剤
性、耐候性等の性能が充分に発揮されず、64.0重量
%以上の場合は、乾燥性及びレベリング性等の塗装作業
性に不具合を生じるため好ましくない。また、耐汚染性
と塗膜靭性とのバランスという点から、単量体(A)の
含有量を、アクリルポリオール樹脂組成物を構成する単
量体成分全体に対して、10〜40重量%の範囲にする
ことがより好ましい。
【0010】次に、水酸基を有する重合性不飽和単量体
(B)としては、特に制限はないが、一級水酸基を有す
る重合性不飽和単量体、二級水酸基を有する重合性不飽
和単量体を用いることが好ましい。これらの単量体は、
単独で用いてもよいが、ポリイソシアネート化合物との
反応性及び安定性の点から、適宜組み合わせて用いるこ
ともでき、二級水酸基を有する重合性不飽和単量体を多
く用いると、ポリイソシアネート化合物との反応性を低
下させることが可能となる。
【0011】ここで、一級水酸基を有する重合性不飽和
単量体としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メ
タ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)ア
クリレート、カプロラクトン変性ヒドロキシ(メタ)ア
クリレート〔ダイセル化学(株)製のε−カプロラクト
ン付加モノマー〕、N−メチロール化アクリルアマイド
の如きメチロール基含有化合物、ヒドロキシエチルビニ
ルエーテルなどの水酸基含有ビニル系モノマー類等があ
るが、これらに限定されるものではない。これらは、単
独使用でも2種以上の併用でもよい。
【0012】また、二級水酸基を有する重合性不飽和単
量体としては、例えば、2−ヒドロキシプロピル(メ
タ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アク
リレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート
等があるが、これらに限定されるものではない。これら
は、単独使用でも2種以上の併用でもよい。
【0013】上記の単量体の中でも、塗料の耐汚染性、
洗浄回復性及び塗膜靭性等の点から、単量体(B)とし
て、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキ
シエチルメタクリレート又はカプロラクトン変性ヒドロ
キシメタクリレート(ダイセル化学(株)製、商品名:
FM−3)を用いることが好ましい。
【0014】この単量体(B)は、二液アクリルウレタ
ン塗料用樹脂組成物に架橋点を付与するために用いられ
るものであるため、本発明においては、アクリルポリオ
ール樹脂組成物における水酸基価を25〜340(mg
KOH/g)にする必要がある。水酸基価をかかる範囲
にすることにより、架橋による塗料用樹脂組成物の充分
な硬化が行われ、得られる塗膜の耐汚染性、洗浄回復性
及び塗膜靭性等を向上させることが可能となる。
【0015】また、水酸基価の下限は、塗膜の耐汚染
性、洗浄回復性及び塗膜靭性をより向上させるという点
から、60(mgKOH/g)とすることが好ましく、
より好ましくは70(mgKOH/g)、最も好ましく
は80(mgKOH/g)である。また、水酸基価の上
限は、塗膜の耐汚染性、洗浄回復性及び塗膜靭性と耐候
性とのバランスという点から、240(mgKOH/
g)とすることが好ましく、より好ましくは210(m
gKOH/g)、最も好ましくは195(mgKOH/
g)である。
【0016】ここで、アクリルポリオール樹脂組成物の
水酸基価(mgKOH/g)とは、1gのアクリルポリ
オール樹脂組成物(固形分)試料が含有する水酸基の量
を示す値である。水酸基価(mgKOH/g)の測定方
法としては、アクリルポリオール樹脂組成物試料に、例
えばピリジン及び無水酢酸からなるアセチル化剤を加
え、加熱溶解及びアセチル化反応を行い、無水酢酸が分
解した後の過剰の酢酸を1NのKOH標定液で逆滴定
し、KOHのmg数に換算することによって求められ
る。
【0017】なお、単量体(B)の含有量については、
特に制限はなく、アクリルポリオール樹脂組成物の水酸
基価が上記範囲であれば良いのであるが、耐汚染性と塗
膜靭性とのバランスの点から、アクリルポリオール樹脂
組成物を構成する単量体成分全体に対し36〜70重量
%の範囲で用いることが好ましく、より好ましくは36
〜50重量%である。
【0018】さらに、本発明のアクリルポリオール樹脂
組成物においては、上記した単量体(A)及び(B)に
加えて、必要に応じ、これらの単量体(A)及び(B)
と共重合可能な重合性不飽和単量体(C)を単量体成分
として含んでいてもよい。
【0019】このような重合性不飽和単量体(C)とし
ては、例えばビニル系モノマー等が挙げられ、具体的に
は、スチレン、α−メチルスチレン、p−tert−ブ
チルスチレン、ビニルトルエン等の芳香族系ビニル系モ
ノマー;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)
アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、i
−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)
アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ジブロ
モプロピル(メタ)アクリレート、トリブロモフェニル
(メタ)アクリレートまたはアルコキシアルキル(メ
タ)アクリレート等の(メタ)アクリレート類;マレイ
ン酸、フマル酸もしくはイタコン酸等の不飽和ジカルボ
ン酸と1価アルコールとのジエステル類;酢酸ビニル、
安息香酸ビニル等のビニルエステル類;パーフルオロシ
クロヘキシル(メタ)アクリレート、ジ−パーフルオロ
シクロヘキシルフマレートまたはN−i−プロピルパー
フルオロオクタンスルホンアミドエチル(メタ)アクリ
レート等の(パー)フルオロアルキル基含有のビニルエ
ステル類;ビニルエーテル類;(メタ)アクリレート
類;もしくは不飽和ポリカルボン酸エステル類などの含
フッ素化合物;または(メタ)アクリロニトリル、塩化
ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニルもしくはフッ化
ビニリデンなどのオレフィン類等の官能基を持たないビ
ニル系モノマー類;ビニルエトキシシラン、γ−メタク
リロキシプロピルトリメトキシシランなどのシリコン系
モノマー類;2−(メタ)アクリロイロキシエチルアシ
ッドホスフェート、ジブチル(2−(メタ)アクリロイ
ロキジエチル)ホスフェート、(メタ)アクリルアミ
ド、ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−t−ブチル
(メタ)アクリルアミド等のアミド基含有ビニル系モノ
マー類;ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、
ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のジアル
キルアミノアルキル(メタ)アクリレート類、等が挙げ
られる。これらの中でも、塗料物性の点から、メチルメ
タクリレート、n−ブチルメタクリレート、エチル(メ
タ)アクリレート、n−プロピルアクリレート、i−プ
ロピルアクリレート等を用いることが好ましい。なお、
本発明においては、重合性の不飽和単量体として、紫外
線吸収性単量体成分や紫外線安定性単量体成分を用いる
必要はない。
【0020】ここで、単量体(C)の量については、特
に制限はないが、塗料の物性等との関係から、アクリル
ポリオール樹脂組成物を構成する単量体成分全体に対
し、5〜59重量%の範囲で使用することが好ましく、
より好ましくは10〜30重量%である。
【0021】本発明においては、上述の単量体の中で
も、単量体(A)としてシクロヘキシルメタクリレート
(単量体(A)、(B)及び(C)の合計量に対し20
〜40重量%)、単量体(B)として2−ヒドロキシエ
チルメタクリレート(単量体(A)、(B)及び(C)
の合計量に対し36〜50重量%)、単量体(C)とし
てメチルメタクリレート及びn−ブチルアクリレートを
(単量体(A)、(B)及び(C)の合計量に対し10
〜44重量%)を含み、水酸基価が150〜220(m
gKOH/g)であるアクリルポリオール樹脂組成物を
用いると、塗膜の耐汚染性、洗浄回復性及び塗膜靭性が
非常に良好となるため好適である。
【0022】本発明のアクリルポリオール樹脂組成物の
製造方法については、従来公知の方法に従えばよく、例
えば、上述の各単量体成分を、塗料の要求性能等に応じ
て適宜選択し、溶剤中に入れ、ラジカル発生剤等の重合
開始剤を用いて共重合することで得ることができる。
【0023】ここで、本発明において用いられるラジカ
ル発生剤としては、アゾビスイソブチロニトリル、ベン
ゾイルパーオキシド、t−ブチルパーベンゾエート、t
−ブチルハイドロパーオキシド、ジ−t−ブチルパーオ
キシド、クメンハイドロパーオキシドなどを単独もしく
は数種類を混合して使用することができる。
【0024】また、溶剤としては、例えば、トルエン、
キシレン、その他の芳香族系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブ
チル、セルソルブアセテートなどのエステル系溶剤;メ
チルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン
(MIBK)などのケトン系溶剤等を挙げることがで
き、これらの1種または2種以上の混合物を使用するこ
とができる。
【0025】次に、本発明の二液アクリルウレタン塗料
用樹脂組成物は、上記したアクリルポリオール樹脂組成
物とポリイソシアネート化合物を含んでいる。ここで、
本発明に用いられるポリイソシアネート化合物として
は、2個以上のイソシアネート基を有するものであれば
特に制限はない。例えば、トリメチレンジイソシアネー
ト、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、トリレ
ンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイ
ソシアネート(MDI)、ポリメリックMDI、イソホ
ロンジイソシアネート(IPDI)、ノルボルナンジイ
ソシアネート(NBDI)、メチル−2,6−ジイソシ
アネートヘキサノエート(リシンジイソシアネート、L
DI)、2−イソシアネートエチル−2,6−ジイソシ
アネートカプロエート(リシントリイソシアネート、L
TI)又はこれらの変性体を挙げることができる。
【0026】また、本発明の二液アクリルウレタン塗料
用樹脂組成物においては、アクリルポリオール樹脂組成
物由来の水酸基と、ポリイソシアネート化合物由来のイ
ソシアネート基とが含まれるが、この水酸基/イソシア
ネート基当量比が0.5〜2.0となるように、アクリ
ルポリオール樹脂組成物及びポリイソシアネート化合物
が配合されていることが好ましい。なお、このポリイソ
シアネート化合物は、使用時においてアクリルウレタン
塗料用樹脂組成物と混合する(いわゆる、「二液システ
ム」のアクリルウレタン塗料)ことが好ましい。
【0027】更に、本発明の二液アクリルウレタン塗料
用樹脂組成物は、デスパロンKS−860(楠本化成
(株))、デスパロン#1830(楠本化成(株))等
の顔料分散剤;デスパロンL−1980−50(楠本化
成(株))等のレベリング剤;2−(2’−ヒドロキシ
−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール(Tin
uvin−P、Ciba Specialty)、2,
4−ジヒドロキシベンゾフェノン(ASL−23、湘南
化学)等のベンゾトリアゾール系等の紫外線吸収剤;ア
デカスタブLA−77(旭電化(株))、Tinuvi
n 622LD(Ciba Specialty)等の
ヒンダードアミン系等の光安定剤;ジブチルチンジアセ
テート(DBTA)、ジブチルチンジラウレート(DB
TDL)、トリエチルアミン等の硬化促進剤;デスパロ
ンOX−710(楠本化成(株))等の消泡剤;デスパ
ロンAS−415(楠本化成(株))等の増粘剤;二酸
化チタン(TiO2)等の無機顔料;フタロシアニンブ
ルー、キナクリドン(大日本インキ(株))等の有機顔
料;トリエチルホスフェート(TEP、大八化学
(株))、フタル酸ジシクロヘキシル(DCHP、大阪
有機化学(株))等の可塑剤等といった公知の塗料用添
加剤を使用することができる。なお、用いる量は、本発
明の目的に反しない程度であれば特に制限はないが、例
えば、紫外線吸収剤は、アクリルウレタン塗料用樹脂組
成物に対し0.5〜2重量%、光安定剤は、アクリルウ
レタン塗料用樹脂組成物に対し0.5〜2重量%、硬化
促進剤は、アクリルウレタン塗料用樹脂組成物に対し1
00〜1000ppmの量で使用することができる。
【0028】このように、本発明の二液アクリルウレタ
ン塗料用樹脂組成物は、例えば、顔料を混合してエナメ
ル塗料としてもよく、また、顔料を混合せずクリヤー塗
料としてもよい。さらに、塗料の性能を改良する目的
で、可塑剤、他の樹脂、共重合体を適宜併用することも
できる。本発明の塗料用樹脂組成物は、スプレー、ロー
ラーなど公知の方法で塗装できる。
【0029】本発明の二液アクリルウレタン塗料用樹脂
組成物の用途については、特に制限はないが、本発明の
二液アクリルウレタン塗料用樹脂組成物は、耐汚染性、
洗浄回復性及び塗膜靭性において非常に優れるため、特
に、建築物外装用トップコート(着色塗料及びクリヤー
コートとして)、スポーツ用品のトップコート、玩具類
のトップコート、家具類のトップコート等に好適に用い
られる。
【0030】
【実施例】以下に、本発明を参考例及び比較例により、
一層、具体的に説明することにするが、本発明はこれら
実施例に限定されるわけではない。また、以下におい
て、部および%は、特に断りの無い限り、すべて重量基
準であるものとする。
【0031】<実施例1>攪拌装置、温度計、冷却管お
よび窒素ガス導入管を備えた4ツ口フラスコに、トルエ
ン50部及び酢酸ブチル50部を仕込み、100℃にま
で昇温した。そこに、ヘキサメチレンメタクリレート
(CHMA)20部、2−ヒドロキシエチルメタクリレ
ート(2−HEMA)40部、メチルメタクリレート
(MMA)20部、ブチルアクリレート(n−BA)2
0部及びアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)1部
からなる混合物を、4時間に亘って滴下した。混合物の
滴下終了後も100℃で4時間の間反応させて、加熱残
分が50.0%で、25℃における粘度が5000mP
a・s、25℃のアクリルポリオール樹脂溶液を得た。
なお、以下の方法で測定した樹脂溶液の水酸基価は8
5.9(樹脂固形分の水酸基価:171.8)であっ
た。
【0032】上記樹脂2〜3gを300ml摺合わせ三
角フラスコに精秤した。そこにアセチル化剤(ピリジ
ン:無水酢酸=4:1)を10ml加え、1分間放置し
た。沸石を入れ上昇管を三角フラスコに取り付けた後、
三角フラスコを度々振りながら約120℃のホットプレ
ート上で30分アセチル化反応を行った。アセチル化が
終わったら自然冷却させ、その後上昇管をつけたまま氷
水で冷却した。上昇管及び三角フラスコの摺合わせを2
5mlのピリジン(冷却)で洗浄し、次に50ml蒸留
水(冷却)で上昇管及びフラスコの摺合わせを洗浄し
た。上昇管をはずし、指示薬として4〜5滴の1%フェ
ノールフタレインを加え、1N−NaOHで滴定を行
い、紅色が30秒間続いた点を終点とした。同様な方法
でブランク試験を行い、以下の式より、アクリルポリオ
ール樹脂組成物の水酸基価を求めた。
【0033】 水酸基価=[(B−A)×56.1×f]×N/E (A:樹脂試料の滴定に要した1N−KOHのml、
B:ブランクの滴定に要した1N−KOHのml、f:
1N−KOHのファクター、E:樹脂試料の採取量
(g))
【0034】<実施例2〜4、比較例1〜3>実施例1
の方法と同様の方法で、表1に示した重合性不飽和単量
体及び重合開始剤組成により、実施例2〜4、比較例1
〜3の樹脂溶液を得た。
【0035】
【表1】
【0036】<実施例5〜8、比較例4〜6>実施例1
〜4及び比較例1〜3で得られたアクリルポリオール樹
脂溶液に、それぞれ酸化チタンを不揮発分中顔料濃度が
40%となるように配合し、サンドミルで分散を行い、
実施例5〜8の塗料及び比較例4〜6の白塗料を得た。
得られた各白塗料に対し、多官能イソシアネート(コロ
ネードHX、日本ポリウレタン(株)製)をそれぞれの
水酸基に対してイソシアネート基が当量になるように配
合して混合した。さらに、各白塗料をトルエン/酢酸ブ
チル:7/3のシンナーで希釈し、エアースプレーが可
能な粘度とした。次いで、各白塗料を、エアースプレー
でリン酸亜鉛処理板に乾燥膜厚40μとなるように塗装
し、60℃で30分間強制乾燥して各種性能試験用の試
験片を作成した。
【0037】塗膜性能は、以下に示す性能試験方法によ
り評価した。
【0038】<スプレー作業性>スプレー時における塗
膜のレベリング性、吹付け安定性、隠蔽性等の作業性を
◎〜×の4段階で評価した。
【0039】<乾燥性>強制乾燥直後における塗膜状態
を指圧によって判定し、ベタツキの程度により4段階で
評価した。 ◎;ベタツキなし ○;ほとんどベタツキなし △;若干ベタツキあり ×;塗料が指に付着
【0040】<仕上がり感>塗膜の肉持ち感、隠蔽性、
レベリング性、泡の有無等を目視により比較判定し、◎
〜×の4段階で評価した。
【0041】<光沢>塗膜表面の初期光沢値を、JIS
K5400.7.6の測定方法に従い、日本電色工業
(株)のグロスメータを用いて測定し、以下の様に4段
階で評価した。 ◎;60度鏡面光沢測定値…85以上 ○;60度鏡面光沢測定値…75〜84 △;60度鏡面光沢測定値…60〜74 ×;60度鏡面光沢測定値…60未満
【0042】<密着性>塗装基材としてスレート板を用
いエポキシ系プライマーで表面処理を行った後、スプレ
ー塗装を行い十分に硬化させた後、基盤目試験(JIS
K54008.5の碁盤目試験試験法に準拠;25個
の碁盤目(縦5分割×横5分割))により密着性を評価
した。具体的には、碁盤目上に25個の碁盤目全体を覆
うようセロハンテープを密着させ、密着後のセロハンテ
ープの一端を持って塗面に直角方向に瞬間的に引き剥が
した。塗膜が全く剥がれない場合を0とし、剥がれが生
じた場合には、その剥がれた碁盤目の数で密着性を示し
た。測定結果を4段階に分けて評価した。 ◎;塗膜の剥がれ…0 ○;塗膜の剥がれ…1〜4 △;塗膜の剥がれ…5〜15 ×;塗膜の剥がれ…16〜25
【0043】<耐溶剤性>キシレンを用いて塗膜のラビ
ングテストを行い、その外観を以下の4段階で判定し
た。 ◎;塗膜に変化なし ○;塗膜の変化はほとんどなし △;塗膜が若干溶け、溶解したあとが残る ×;塗膜の一部が溶解し、ベタツキを生じる
【0044】<塗膜靭性>ガラス板上に作製した塗膜の
表面をステンレス棒2φで擦り、塗膜表面の傷付き易さ
の程度を以下の4段階で判定した。 ◎;塗膜の傷や割れがほとんど認められない ○;塗膜の傷や割れが若干認められる △;塗膜にひび割れが生じる ×;塗膜が白化(微細な粉末が生じる)
【0045】<耐候性>屋外暴露後(1年後)の光沢保
持率を測定し、以下の4段階で評価した。なお、光沢の
測定には、日本電色工業製のグロスメータを用い、初期
光沢値に対する光沢保持率を求めた。 ◎;光沢保持率…95%以上 ○;光沢保持率…90%以上、95%未満 △;光沢保持率…75%以上、90%未満 ×;光沢保持率…75%未満
【0046】<耐汚染性>屋外暴露後(1年後)の試験
片の白色度を試験片初期白色度と比較し、白色度と初期
白色度の差ΔLを求め、以下の4段階で評価した。試験
片白色度の測定には、色差計(日本電色工業製)を用い
た。なお、ΔLが小さい程、耐汚染性が良好である。 ◎;ΔL…5未満 ○;ΔL…5以上、10未満 △;ΔL…10以上、15未満 ×;ΔL…15以上
【0047】<洗浄回復性>屋外暴露後(1年後)の試
験片表面を、水道水で流しながら軽く筆で擦り、洗浄
し、試験片初期白色度とこの洗浄後の試験片表面の白色
度との差ΔLを求め、以下の4段階で評価した。なお、
試験片白色度の測定には、耐汚染性の評価同様、色差計
(日本電色工業製)を用いた。 ◎;ΔL…2未満 ○;ΔL…2以上、5未満 △;ΔL…5以上、10未満 ×;ΔL…10以上
【0048】
【表2】
【0049】
【発明の効果】本発明のアクリルポリオール樹脂組成物
は高い水酸基価を有しているため、このアクリルポリオ
ール樹脂組成物及びポリイソシアネート化合物を含む二
液アクリルウレタン塗料用樹脂組成物は、作業性、乾燥
性、肉持ち性等の仕上がり感、光沢、密着性、耐溶剤
性、塗膜靭性、耐候性、耐汚染性、洗浄回復性といった
塗料に必要となる性能全てにおいて非常に優れている。
特に、本発明の二液アクリルウレタン塗料用樹脂組成物
は、従来のものでは達成し得なかった耐汚染性、洗浄回
復性、塗膜靭性にも優れるため、屋外で使用されるスポ
ーツ用具、玩具、木工家具のトップコート等といった用
途にも応用が可能となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08F 214/22 C08F 214/22 216/14 216/14 218/08 218/08 218/10 218/10 220/24 220/24 220/28 220/28 220/34 220/34 220/38 220/38 220/44 220/44 220/56 220/56 220/58 220/58 222/14 222/14 230/02 230/02 230/08 230/08 C08G 18/62 C08G 18/62 C09D 133/00 C09D 133/00 175/04 175/04 (72)発明者 志村 法之 埼玉県北葛飾郡鷲宮町桜田4−3−1−15 −401 (72)発明者 塚本 勝美 埼玉県久喜市大字西188−20 Fターム(参考) 4J034 BA03 DA01 DB03 DQ15 HA06 HA07 HC03 HC12 HC17 HC22 HC46 HC52 HC61 HC64 HC67 HC71 HC73 RA07 4J038 DG191 GA03 GA06 GA09 GA12 GA13 GA14 GA15 4J100 AB02R AB03R AB04R AC03R AC04R AC23R AC24R AE09Q AG04R AG08R AL03R AL05R AL08P AL08Q AL08R AL11Q AL34R AL39R AM02R AM15R AM17R AM19R AM21Q AP16R BA03Q BA04R BA21Q BA31R BA59R BA63R BA77R BB03R BB18R BC04P BC04R BC43R CA03 CA04 CA05 CA06 JA01

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単量体成分として、シクロアルキル基を
    有する重合性不飽和単量体(A)及び水酸基を有する重
    合性不飽和単量体(B)を含み、水酸基価が25〜34
    0(mgKOH/g)であるアクリルポリオール樹脂組
    成物。
  2. 【請求項2】 単量体成分として、更に、前記単量体
    (A)及び(B)と共重合可能な重合性不飽和単量体
    (C)を含む、請求項1記載のアクリルポリオール樹脂
    組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の樹脂組成物及び
    ポリイソシアネート化合物を含み、水酸基/イソシアネ
    ート基当量比が0.5〜2.0である、二液アクリルウ
    レタン塗料用樹脂組成物。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010247055A (ja) * 2009-04-14 2010-11-04 Nippon Bee Chemical Co Ltd 塗膜形成方法、塗装物品及び遊戯器具

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JP2010247055A (ja) * 2009-04-14 2010-11-04 Nippon Bee Chemical Co Ltd 塗膜形成方法、塗装物品及び遊戯器具

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