JP2002080308A - 動物用害虫防除剤 - Google Patents

動物用害虫防除剤

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JP2002080308A
JP2002080308A JP2001195509A JP2001195509A JP2002080308A JP 2002080308 A JP2002080308 A JP 2002080308A JP 2001195509 A JP2001195509 A JP 2001195509A JP 2001195509 A JP2001195509 A JP 2001195509A JP 2002080308 A JP2002080308 A JP 2002080308A
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Yosaburo Uchiumi
与三郎 内海
Tomoya Deguchi
智也 出口
Masaru Tauchi
賢 田内
Junichi Matsumoto
淳一 松本
Masaru Nishikawa
勝 西川
Masaharu Kamei
正治 亀井
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Earth Corp
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Earth Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 犬、猫等の動物の害虫であるノミ、ダニ、
蚊等に対して高い防除効果を発揮する動物用害虫防除剤
を提供することである。 【解決手段】 2−(4−エトキシフェニル)−2−メ
チルプロピル 3−フェノキシベンジル エーテル(一
般名:エトフェンプロックス)および6−(プロピルピ
ペロニル)−ブチルカルビチルエーテル(一般名:ピペ
ロニルブトキシド)を含有した動物用害虫防除剤であ
り、液剤、エアゾール剤、首輪等の形態で使用される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、犬、猫等の動物に
適用する、ノミ、ダニ、蚊等の害虫の駆除や予防のため
に使用される動物用害虫防除剤に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、犬、猫等の愛玩動物の害虫で
あるノミ等の駆除や予防のために、各種害虫防除剤が使
用されている。これらの防除剤に含有される害虫防除成
分としては、種々のピレトリン系またはピレスロイド系
殺虫剤が知られており、例えばピレトリン(天然品であ
る除虫菊エキス)、フェノトリン(3−フェノキシベン
ジルd−シス/トランス−クリサンテマートの一般
名)、ペルメトリン(3−フェノキシベンジル 2,2
−ジメチル−3−(2,2−ジクロロビニル)シクロプ
ロパンカルボキシレートの一般名)等が従来から使用さ
れている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、犬、
猫等の動物に適用する、ノミ、ダニ、蚊等の害虫に対し
て高い防除効果を発揮する動物用害虫防除剤を提供する
ことである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明の動物用害虫防除剤は、2−(4−エトキシフ
ェニル)−2−メチルプロピル 3−フェノキシベンジ
ル エーテル(一般名:エトフェンプロックス、以下、
エトフェンプロックスという)および6−(プロピルピ
ペロニル)−ブチルカルビチルエーテル(一般名:ピペ
ロニルブトキシド、以下、単にPBという)を含有する
ことを特徴とする。
【0005】上記エトフェンプロックスは、ピレスロイ
ド様の殺虫成分であるが、ノミに対して蘇生率が高いこ
とから動物用ノミ防除剤としては従来使用されていなか
ったものである。しかるに、本発明者らは、エトフェン
プロックスをPBと組み合わせることにより、ノミ防除
効果が著しく向上するという新たな事実を見出し、本発
明を完成するに至ったのである。なお、前記PBの化合
物名は5−[2−(2−ブトキシメトキシ)エトキシメ
チル]−6−プロピル−1,3−ベンゾジオキソールと
記載することもできる。しかも、上記のようにエトフェ
ンプロックスをPBと組み合わせることにより、ノミだ
けでなく、ダニ、蚊などの害虫に対しても高い防除効果
を有することを見出した。
【0006】本発明の動物用害虫防除剤は、いかなる形
態でも使用可能であり、例えば液剤、エアゾール剤、首
輪等の形態で好適に使用される。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の動物用害虫防除剤は、害
虫防除成分としてのエトフェンプロックスと、PBとを
含有するものである。PBはエトフェンプロックスに対
する溶媒としての機能も有し、エトフェンプロックスが
析出するのを防止する。なお、エトフェンプロックスに
は光学異性体、幾何異性体等の異性体も包含される。
【0008】エトフェンプロックスとPBとの割合は重
量比で1:0.1〜1:99程度、好ましくは1:0.
75〜1:20程度である。
【0009】また、本発明においては、上記成分に加え
て、昆虫幼若ホルモン様物質を含有させるのが好まし
い。昆虫幼若ホルモン様物質としては、例えばメトプレ
ン、S−メトプレン、ピリプロキシフェン、フェノキシ
カーブ等が挙げられる。これらの昆虫幼若ホルモン様物
質は孵化抑制効果もあることから、該昆虫幼若ホルモン
様物質を加えることにより害虫防除効果を一層高めるこ
とができる。昆虫幼若ホルモン様物質の含有量は、エト
フェンプロックスと昆虫幼若ホルモン様物質との重量比
で1:0.001〜1:50程度、好ましくは1:0.
01〜1:10程度であるのが適当である。
【0010】本発明の動物用害虫防除剤は、液剤、エア
ゾール剤、首輪等の任意の形態で使用可能である。液剤
には、例えば油剤、乳剤、水和剤、水中懸濁剤等が含ま
れる。使用する溶剤としては、例えば水、アルコール
類、ケトン類、エーテル類、芳香族炭化水素類、脂肪族
炭化水素類等が挙げられる。
【0011】具体的には、例えばイソパラフィン系のF
P25、FP20(いずれも出光石油化学株式会社製の
商品名)の他、エタノール、イソプロパノール等の速乾
性溶剤;イソパラフィン系のIPソルベント2028
(出光石油化学株式会社製の商品名)、流動パラフィン
等の中乾性溶剤等がいずれも好適に使用可能である。こ
れらは単独で用いるほか、2種以上を混合して使用して
もよい。混合溶剤としては、例えば前記FP25(50
%分留温度が180℃のイソパラフィン系溶剤)とIP
ソルベント2028(50%分留温度が235℃のイソ
パラフィン系溶剤)との混合溶剤等が挙げられる。
【0012】また、他の溶剤として、1,3−ブチレン
グリコール、プロピレングリコール、炭酸エチル、各種
シリコーンオイル等を単独で使用してもよく、あるいは
前記速乾性溶剤および/または中乾性溶剤と併用しても
よい。特に、シリコーンオイルと共に酸化チタン、酸化
亜鉛等を使用すると、光に対する安定性が向上した害虫
防除剤が得られる。
【0013】エトフェンプロックスまたはエトフェンプ
ロックスと昆虫幼若ホルモン様物質とからなる害虫防除
成分は液剤総量に対して0.01〜99重量%、好まし
くは0.1〜50重量%の割合で含有されるのがよい。
【0014】液剤には、さらにミリスチン酸エステルを
含有させるのが好ましい。このミリスチン酸エステル
は、害虫防除成分の拡散性および効力の持続性を向上さ
せる働きがある。このため皮膚浸透性のない液剤であっ
ても使用可能となり、皮膚浸透性薬剤を使用することに
よってひき起こされる皮膚刺激性を低減できる。
【0015】前記ミリスチン酸エステルとしては、例え
ばミリスチン酸メチル、ミリスチン酸エチル、ミリスチ
ン酸イソプロピル、ミリスチン酸ブチル、ミリスチン酸
ペンチル、ミリスチン酸ヘキシル等のエステル部分が炭
素数1〜6の低級アルキル基で構成されたミリスチン酸
エステルが挙げられる。
【0016】ミリスチン酸エステルは液剤総量に対して
0.1〜50重量%、好ましくは1〜20重量%の割合
で含有されているのがよい。ミリスチン酸エステルの配
合量が前記範囲を下回る場合には充分な拡散性が得られ
ないおそれがある。一方、前記範囲を超える場合には、
溶剤への溶解性に劣るおそれがあり、また動物の毛等の
体表がべとつくおそれもある。
【0017】本発明にかかる液剤を使用して動物に害虫
防除処理を施す場合には、動物の体表の一部に本発明の
液剤を塗布するだけでよい。塗布部位は特に限定され
ず、背中、腹部、頸部、尻尾等の適宜な部位にスポット
状ないし線状にすればよい。好ましくは、本発明の液剤
を動物の頭部から尻尾にわたって背中に連続または不連
続な線状に塗布するのがよい。不連続な線状とは、例え
ば点線状に塗布することを意味する。塗布する線は1本
に限られず、複数本であってもよい。特に大型犬等の場
合には2本線以上塗布するのが好ましい。塗布は、例え
ば刷毛、スポイト等を使用して塗布するほか、噴霧、滴
下等の適宜な手段を採用することができる。塗布にあた
っては、動物の皮膚面に直接塗布するのがよい。
【0018】塗布量は、使用する薬剤の種類や濃度によ
って異なるため、特に限定されないが、通常動物1匹当
たり0.1〜30ml程度であるのが適当である。ま
た、本発明では、前記各成分と共に、粉末成分を添加す
るのが好ましい。すなわち、前記液剤中に粉末成分を分
散させることにより、液剤を動物の体表に塗布し乾燥さ
せると、粉末成分が残り、これが体表を広く拡散する。
このとき、粉末成分には液剤に含有されていた害虫防除
成分およびミリスチン酸エステルが付着しているので、
粉末成分の拡散により、防除効果をより一層高めること
ができる。
【0019】粉末成分としては、例えば無水ケイ酸(球
状シリカ)、ゼオライト、軽質無水ケイ酸、ベントナイ
ト、タルク、カオリン、炭酸カルシウム等の無機粉末、
あるいはポリエチレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニ
ル、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル等の有機粉
末が挙げられ、特に前記害虫防除成分およびミリスチン
酸エステルを粉末成分に強固に保持させるために、吸着
性を有する粉末成分、例えば無水ケイ酸、ゼオライト等
を使用するのが好ましい。使用する粉末成分の粒径は特
に制限されないが、約1〜200μm、好ましくは約3
〜20μmであるのがよい。
【0020】本発明の液剤に前記粉末成分を含有させる
場合、粉末成分の含有量は、液剤総量に対して約0.5
〜50重量%、好ましくは約2〜20重量%であるのが
よい。粉末成分の含有量がこれより少ない場合には、粉
末成分を添加することによる効果が不充分となるおそれ
がある。また、粉末成分を含有させる場合には、粉末成
分の分散性を向上させるために、界面活性剤を添加する
のが好ましい。
【0021】このようにして得られる本発明にかかる害
虫防除液剤は動物の適宜な部位に塗布するだけでよいの
で、防除処理が簡単であり、しかも長期間(通常30〜
120日程度)にわたって効力が持続するという利点が
ある。また、害虫防除成分に皮膚浸透性を付与する必要
がないので、動物への皮膚刺激性が少なくなり、家庭等
でも安心して使用できる。
【0022】次に、本発明の害虫防除剤をエアゾール剤
の形態で使用する場合について説明する。エアゾール剤
は有効成分を溶剤、噴射剤等と混合して形成される。有
効成分としてのエトフェンプロックスとPBは前記液剤
の場合と同様の割合で含有してもよい。また、他の有効
成分として昆虫幼若ホルモン様物質も液剤の場合と同様
の割合で含有させることができる。
【0023】溶剤としては、液剤と同様の溶剤が使用可
能であり、さらに通常のエアゾールに使用される溶剤、
例えばキシレン、トルエン等の芳香族炭化水素、クロロ
ベンゼン類、クロロエチレン類、塩化メチレンジシクロ
ヘキサン等の塩素置換芳香族炭化水素もしくは塩素置換
脂肪族炭化水素、鉱油留分のようなパラフィン類、ブタ
ノール、グリコール等のアルコール類もしくはそのエー
テル類、エステル類、アセトン、メチルエチルケトン、
メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン
類、ジメチルホルムアミド、ジメチスルホキシド等が挙
げられる。
【0024】噴射剤としては、フロンガス等のハロゲン
置換炭化水素、ブタン、プロパン、LPG(液化石油ガ
ス) 、ジメチルエーテル、二酸化炭素、窒素などが挙げ
られる。
【0025】また、これらの成分に加えて、前記したミ
リスチン酸エステルや粉末成分を液剤と同様な目的でか
つ同様な配合量で配合してもよい。エアゾール剤の噴霧
部位および噴霧量は、液剤の塗布部位や塗布量とほぼ同
じでよい。
【0026】次に、本発明の害虫防除剤を、動物の首に
巻き付ける首輪の形態で使用する場合について説明す
る。首輪の形態で使用するとは、害虫防除剤が首輪の形
状に成形されている場合と、害虫防除剤をテープ等の形
状に成形し、この成形物を通常の首輪に接着剤等で固定
する場合とがある。
【0027】首輪やテープ等の成形物は、前記した有効
成分を適当な基材と混合することによって製造される。
このような基材としては、例えばポリ塩化ビニル、ポリ
エチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリスチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体など
の熱可塑性樹脂が挙げられる。この熱可塑性樹脂に有効
成分等を混合し所定形状に成形するか、あるいは熱可塑
性樹脂成形体に有効成分等を含浸させるなどして成形物
を得る。成形物へのエトフェンプロックスの含有量は、
成形物100重量部に対して約0.1〜50重量部、好
ましくは1〜20重量部程度であるのがよい。また、P
Bおよび必要に応じて使用される昆虫幼若ホルモン様物
質はそれぞれエトフェンプロックスに対して液剤と同様
な割合で使用される。
【0028】なお、本発明の害虫防除剤には、前記した
成分と共に、必要に応じて他の害虫防除成分を含有させ
てもよい。このような害虫防除成分としては、例えばピ
レスロイド系薬剤、カーバメート系薬剤、S−421、
IBTA、IBTE等が挙げられる。
【0029】前記ピレスロイド系薬剤としては、具体的
には以下の薬剤が例示される。これらの化合物は光学異
性体、幾何異性体等の異性体であっても使用可能であ
る。 (1) ピレトリン(天然品である除虫菊エキスの一般
名); (2) 3−フェノキシベンジル d−シス/トランス−ク
リサンテマート(一般名フェノトリン、商品名スミスリ
ン、住友化学工業株式会社製); (3) 3−フェノキシベンジル 2,2−ジメチル−3−
(2,2−ジクロロビニル)シクロプロパンカルボキシ
レート(一般名ペルメトリン、商品名エクスミン、住友
化学工業株式会社製); (4) 1−エチニル−2−メチルペント−2−エニル−
2,2−ジメチル−3−シクロプロパンカルボキシレー
ト(一般名エンペントリン、商品名ベーパスリン、住友
化学工業株式会社製); (5) 3−アリル−2−メチルシクロペンタ−2−エン−
4−オン−1−イルdl−シス/トランス−クリサンテ
マート(一般名アレスリン、商品名ピナミン、住友化学
工業株式会社製); (6) (S)−2−メチル−4−オキソ−3−(2−プロ
ピニル)シクロペント−2−エニル(1R)−シス/ト
ランス−クリサンテマート(一般名プラレトリン); (7) 5−ベンジル−3−フリルメチル d−シス/トラ
ンス−クリサンテマート(一般名レスメトリン、商品名
クリスロンフォルテ、住友化学工業株式会社製)等; (8) d−トランス−2,3,5,6−テトラフルオロベ
ンジル−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジ
メチル−1−シクロプロパンカルボキシラート(一般名
トランスフルトリン)
【0030】また、前記カーバメート系の薬剤として
は、例えばプロポクサー、カルバリル等が挙げられる。
さらに、本発明においては、PBと共に、必要に応じて
IBTA、IBTE、リーセン、S−421等の効力増
強剤、安定剤(ブチルヒドロキシアニソール、ジブチル
ヒドロキシトルエン、トコフェロール、γ−オリザノー
ル等の酸化防止剤、紫外線吸収剤等)、香料、種々の界
面活性剤等を添加してもよい。
【0031】
【実施例】以下、実施例および比較例を挙げて本発明を
詳細に説明する。
【0032】<ノミに対する効力評価> 実施例1 (エトフェンプロックスに対するPBの添加効果)表1
に示すように、エトフェンプロックスとPBとを重量比
で1:1の割合で混合し、アセトンに溶解させた。つい
で、供試虫(ネコノミ成虫)1頭をピンセットでつま
み、所定濃度に希釈したアセトン溶液に約1秒間浸漬処
理した後、直ちにティッシュペーパー上に供試虫を置
き、余分な薬液を除去した。その後、底面に直径7cm
の濾紙(No.2)を敷いた2つのプラスチックシャー
レ(直径9cm、高さ1.8cm)内に供試虫を10頭
ずつ収容し、試験開始から24時間後および48時間後
の供試虫の死亡率(ノックダウン虫数と致死虫数との合
計値/供試虫数の百分率)を調べた。試験は約25℃の
恒温室内で行った。また、使用したネコノミ成虫は、繭
から脱出後、24時間以内の未吸血個体(雌雄混合)を
用いた。試験結果を表1に示す。
【0033】実施例2 エトフェンプロックスとPBとを重量比で1:5の割合
で混合したほかは、実施例1と同様にしてネコノミ成虫
に対する活性を調べた。試験結果を表1に示す。
【0034】実施例3 エトフェンプロックスとPBとを重量比で1:0.75
の割合で混合したほかは、実施例1と同様にしてネコノ
ミ成虫に対する活性を調べた。試験結果を表1に示す。
【0035】比較例1 エトフェンプロックスを単独で用いたほかは、実施例1
と同様にしてネコノミ成虫に対する活性を調べた。試験
結果を表1に示す。
【表1】
【0036】また、各実施例および比較例1で得た死亡
率の数値をプロビット変換し、50%致死濃度(LC50
値)を求めた。その結果を表2に示す。表2において、
括弧内の数値はエトフェンプロックス単独使用での24
時間後および48時間後のLC50値をそれぞれ1とした
場合の相対効力比を示す。
【表2】
【0037】また、実施例1と同様にして、ピレトリン
(除虫菊エキス)、フェノトリン、ペルメトリンについ
ても活性(24時間後のLC50値および相対効力比)を
評価した。その結果を表3に示す。
【表3】
【0038】実施例4 (ネコノミ成虫に対する駆除試験)FP−25:IPソ
ルベント2028(前出)=1:1(容量比)の混合物
からなる溶剤に、エトフェンプロックスを5.0重量
%、PBを7.5重量%の濃度で溶解して試料液剤を調
製し、これを用いて以下の駆除試験を行った。すなわ
ち、供試動物(犬および猫)にネコノミ成虫(雌25
匹、雄25匹)を寄生させ、約22℃の恒温室内に設置
した金属製飼育ケージに収容した。寄生から2日後、供
試動物の体表からすき櫛を用いてネコノミ成虫を回収し
寄生虫数を調べた。そして、ネコノミ成虫を供試動物に
再寄生させ、このときの寄生虫数を供試虫数とした。ネ
コノミ成虫を再寄生させてから3時間以上経過した後、
供試動物の頭から尻尾の付け根にかけて供試液剤を線状
に塗布した。塗布はスポイトによって行った。塗布量は
犬で1匹当たり約3.6ml、猫で1匹当たり約1.2
mlとした。処理後、供試動物を前記と同じ約22℃の
恒温室内に設置した金属製飼育ケージに収容した。薬剤
処理から3日後に前記と同様にして寄生虫数を調べ、寄
生率(寄生虫数/供試虫数の百分率)を求めた。試験結
果を表4に示す。
【0039】比較例2 供試液剤による処理を行わなかった他は実施例4と同様
にして試験し、寄生率を求めた。試験結果を表4に示
す。
【表4】
【0040】実施例5 (ネコノミ成虫に対する再寄生防止試験)実施例4と同
じ供試液剤を用いて、供試動物の頭部から尻尾の付け根
にかけて供試液剤を線状に塗布した。塗布量は犬で1匹
当たり約3.6ml、猫で1匹当たり約1.2mlとし
た。ついで、供試動物を約22℃の恒温室内に設置した
金属製飼育ケージに収容した。薬剤処理から7日後およ
び14日後に、供試動物の腹部にネコノミ成虫40頭
(雌20頭、雄20頭)を放飼し、放飼3日後に実施例
4と同様にして寄生虫数を調べ、寄生率(寄生虫数/供
試虫数の百分率)を求めた。試験結果を表5および表6
に示す。
【0041】比較例3 供試液剤による処理を行わなかった他は実施例5と同様
にして試験し、寄生率を求めた。試験結果を表5および
表6に示す。
【表5】
【表6】
【0042】<ダニに対する効力評価> 実施例6 (フタトゲチマダニ成虫に対する効力試験)エトフェン
プロックスとPBとを重量比で1:1の割合で混合し、
アセトンで所定濃度に希釈して害虫防除剤を得た。つい
で、供試虫(フタトゲチマダニ成虫)3頭の背面に、各
個体に対する処理量(エトフェンプロックスの処理量)
が表7に示す量となるように、上記害虫防除剤を塗布
し、これらの供試虫をガラス管内に収容して、24時間
後のノックダウン率(ノックダウン虫数/供試虫数の百
分率)と、5日後の死亡率(致死虫数/供試虫数の百分
率)を調べた。試験は、温度が25±2℃、湿度が約1
00%RHに保たれたガラス管内で行った。また、フタ
トゲチマダニ成虫としては、温度が25±2℃、湿度が
約100%RHの雰囲気内で累代飼育された単為生殖系
統で、脱皮後数ヶ月を経過した未吸血個体を用いた。試
験結果を表7に示す。
【0043】比較例4 フェノトリンをアセトンで所定濃度に希釈したものを害
虫防除剤として使用し、フェノトリン処理量が表7に示
す量となるようにした他は、実施例6と同様にして供試
虫(フタトゲチマダニ成虫)に対する活性を調べた。試
験結果を表7に示す。
【0044】比較例5 害虫防除剤を供試虫に塗布しなかった他は、実施例6と
同様にして、供試虫の24時間後のノックダウン率と、
5日後の死亡率を調べた。試験結果を表7に示す。
【表7】
【0045】実施例7 (フタトゲチマダニ成虫に対する効力試験)エトフェン
プロックスとPBの含有量がともに10重量%となるよ
うに適量のジエチレングリコールモノエチルエーテル
(以下、EDGという)で希釈して害虫防除剤である供
試製剤を得た。ついで、供試虫(フタトゲチマダニ成
虫)10頭の背面に、上記供試製剤を、各個体に対して
マイクロシリンジを用いて3μLずつ塗布し、これらの
供試虫をガラス管内に収容して、経時的にノックダウン
率と、24時間後の死亡率を調べた。試験は、温度が2
5±2℃で、湿度が約100%RHに保たれたガラス管
内で行った。また、フタトゲチマダニ成虫としては、温
度が25±2℃、湿度が約100%RHの雰囲気内で累
代飼育された単為生殖系統で、脱皮後数ヶ月を経過した
未吸血個体を用いた。試験結果を表8に示す。
【0046】比較例6 供試製剤を供試虫に塗布しなかった他は、実施例7と同
様にして、経時的にノックダウン率と、24時間後の死
亡率を調べた。試験結果を表8に示す。
【表8】
【0047】実施例8 (フタトゲチマダニ成虫に対する駆除試験)エトフェン
プロックスとPBの含有量がともに10重量%となるよ
うに適量のEDGで希釈して害虫防除剤である供試製剤
を得た。これを用いて以下の駆除試験を行った。供試動
物である犬の体表を探索し、フタトゲチマダニ成虫の寄
生状況を調査した後、寄生しているフタトゲチマダニ成
虫に上記供試製剤をスポイトにより1滴滴下(約0.0
5g)した。供試製剤を滴下してから1日後にフタトゲ
チマダニ成虫の供試犬からの離脱状況と、その生死を調
べた。試験は、供試犬を約25℃の恒温室内に設置した
金属製飼育ケージ(サイズ:75×62×75cm)に
入れた状態で行った。また、フタトゲチマダニ成虫とし
ては、温度が25±2℃、湿度が約100%RHの雰囲
気内で累代飼育された単為生殖系統で、脱皮後数ヶ月を
経過した未吸血個体を用いた。試験結果を表9に示す。
【0048】比較例7 供試製剤を供試虫に滴下しなかった他は、実施例8と同
様にして、フタトゲチマダニ成虫の供試犬からの離脱状
況と、その生死を調べた。試験結果を表9に示す。な
お、フタトゲチマダニ成虫の咬着部位は全て供試犬の耳
であった。
【表9】
【0049】<蚊に対する効力評価> 実施例9 (ヒトスジシマカ雌成虫に対する効力試験)エトフェン
プロックスとPBの含有量がともに10重量%となるよ
うに適量のEDGで希釈して害虫防除剤である供試製剤
を得た。これを用いて以下の効力試験を行った。供試動
物であるマウスの頸部から尻尾の付け根にかけて上記供
試製剤0.2mLを塗布し、このマウス1頭を金網に収
容した。この薬剤処理マウスを収容した金網を、供試虫
であるヒトスジシマカ雌成虫10頭を入れたナイロンゴ
ース製ケージ(サイズ:21×21×21cm)内に収
容し、収容してから24時間後のノックダウン率および
死亡率を調べた。試験は、25℃の恒温室内で行った。
また、ヒトスジシマカ雌成虫としては、徳島県下で採集
し累代飼育している系統で、25±2℃、14時間照明
・10時間暗黒の条件で飼育した孵化後7〜8日齢の未
吸血個体を用いた。なお、マウスの尻尾の部分はアルミ
箔で覆い、その部位からの吸血を防いだ。試験結果を表
10に示す。
【0050】比較例8 供試製剤により処理を行わなかった他は、実施例9と同
様にして、24時間後のノックダウン率および死亡率を
調べた。試験結果を表10に示す。
【表10】
【0051】処方例1〜3 本発明における動物用害虫防除剤を液剤の形態で使用す
る際の処方例を表11に示す。
【表11】
【0052】
【発明の効果】本発明によれば、エトフェンプロックス
をPBと混合して使用することにより、犬、猫等の動物
の害虫であるノミ、ダニ、蚊等に対する防除効果を著し
く向上させることができるという効果がある。また、本
発明では、エトフェンプロックスにPBを混合すること
により比較的少量のエトフェンプロックスで高い害虫防
除効果を発揮させることができるので経済的であるとい
う効果もある。さらに、PBはエトフェンプロックスの
溶剤としても機能するので、エトフェンプロックスの析
出が防止され、薬剤の安定性が向上する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A01N 47/12 A01N 47/12 Z (72)発明者 西川 勝 徳島県板野郡藍住町乙瀬字青木52−6 (72)発明者 亀井 正治 徳島県那賀郡鷲敷町大字中山字柳沢26番地 Fターム(参考) 4H011 AC02 AC04 BA01 BA06 BB03 BB06 BB08 BB09 BB13 BC06 DA11 DA13 DF03

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】2−(4−エトキシフェニル)−2−メチ
    ルプロピル 3−フェノキシベンジル エーテルおよび
    6−(プロピルピペロニル)−ブチルカルビチルエーテ
    ルを含有することを特徴とする動物用害虫防除剤。
  2. 【請求項2】昆虫幼若ホルモン様物質を含有した請求項
    1記載の動物用害虫防除剤。
  3. 【請求項3】首輪の形態で使用される請求項1または2
    記載の動物用害虫防除剤。
  4. 【請求項4】ミリスチン酸エステルを含有した請求項1
    〜3のいずれかに記載の動物用害虫防除剤。
  5. 【請求項5】ノミ、ダニまたは蚊の防除剤である請求項
    1〜4のいずれかに記載の動物用害虫防除剤。
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