JP2002079460A - 両面研磨方法および該両面研磨方法により研磨された薄板 - Google Patents

両面研磨方法および該両面研磨方法により研磨された薄板

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JP2002079460A
JP2002079460A JP2000270926A JP2000270926A JP2002079460A JP 2002079460 A JP2002079460 A JP 2002079460A JP 2000270926 A JP2000270926 A JP 2000270926A JP 2000270926 A JP2000270926 A JP 2000270926A JP 2002079460 A JP2002079460 A JP 2002079460A
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Shigeru Terajima
茂 寺島
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 金属箔等のような薄板であっても、両面平行
にかつ精度の良い両面研磨を行うことができる両面研磨
方法を提供する。 【解決手段】 被研磨金属板1の第一面を第1研磨保持
治具2に熱可塑性接着剤4を介して接着固定し、これを
研磨装置に装着して金属板1の第二面の研磨を行い、そ
の後に、研磨された第二面を第2研磨保持治具9に常温
硬化型接着剤10を介して接着固定した後に、第1研磨
保持治具2を加熱して金属板1の第一面から第1研磨保
持治具2を取り外し、第2研磨保持治具9に接合した金
属板1の第一面の研磨を行う。両接着剤4、10として
硬化条件や剥離条件等の性質が全く異なる種類のものを
用いることにより、研磨保持治具に対して金属板を接
合、剥離する際に、金属板の他の面の接合状態に悪影響
を与えることがなく、面精度を維持して受け渡しがで
き、精度の良い両面研磨を行うことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、両面研磨方法に関
し、特に、金属箔等の薄板の両面を研磨する両面研磨方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】板状の部材を両面研磨する方法は、従来
から数多く提案されており、その代表的な例としては、
半導体ウエハの研磨等に用いられている両面研磨方法、
すなわち、ウエハよりも薄いキャリアにウエハを嵌め込
むように装填し、ウエハの上下両面に研磨剤を注入しな
がら両面を同時に研磨する方法がある。また、被研磨部
材を研磨保持治具に接着剤等にて固定して片面を研磨し
た後に、被研磨部材を研磨保持治具から外し、研磨され
た面を研磨保持治具に固定しなおしてから反対面を研磨
するという方法も知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
た従来技術において、半導体ウエハの研磨にようにキャ
リアを用いる方法は、被研磨部材の厚みが0.5mm程
度の薄板には適用することができるけれども、厚みが
0.1mm以下のような金属箔等の薄板を想定すると、
このような薄板を保持するキャリアを作製することが困
難であって、厚みが0.1mm以下のような金属箔や薄
板の両面研磨には適用できない。
【0004】また、片面を研磨した後に被研磨部材を研
磨保持治具から外し、研磨された面を研磨保持治具に固
定しなおしてから反対面を研磨する方法においては、被
研磨部材を研磨保持治具から取り外す際に、被研磨部材
が金属箔等である場合、被研磨面を研磨されたままの平
面状態に保つことが難しい場合がある。特に、被研磨部
材が金属箔であれば、研磨時に被研磨面に応力が発生
し、研磨保持治具から取り外した際にカールしてしまう
例が多々ある。一度カールしてしまうと最初の被研磨面
を研磨直後の状態に戻すことは非常に困難であり、反対
面を研磨することができなくなってしまう。このような
状況にならないようにするために、被研磨部材の片面を
研磨した後に、研磨保持治具から被研磨部材を取り外す
前に研磨した面を第2の研磨保持治具に固定する必要が
生じてくる。その一例として、特公平4−13094号
公報に開示されているように、融点の異なる熱軟化性の
接着剤を用いる方法が提案されている。すなわち、被研
磨部材を第1接着剤で第1の研磨保持治具に接着して被
研磨部材の一面を研磨した後に、被研磨部材を接着した
第1の研磨保持治具と、軟化点を第1接着剤の軟化点よ
りも高く設定した第2接着剤を塗布した第2の研磨保持
治具とを軟化点以上に加熱し、それらの軟化点以上の温
度で第2の研磨保持治具上の第2接着剤を被研磨部材の
研磨された一面に重ね、その後に、第2の研磨保持治具
を冷却して第2の研磨保持治具に被研磨部材を接着して
時点で第1の研磨保持治具を除去するようにしている。
しかし、この方法を用いると、第2接着剤で接着する際
に必ず第1接着剤の軟化点以上の温度にする必要があ
り、被研磨部材が金属箔等の金属薄板の場合、被研磨部
材内で温度勾配はつきにくいために第1接着剤まで軟化
してしまう。こうなると被研磨部材の最初に研磨した面
の精度は保てなくなってしまい、両面を研磨した後で被
研磨面が平行になっていない場合が生じるという問題点
がある。
【0005】そこで、本発明は、前記のような従来技術
の有する未解決の課題に鑑みてなされたものであって、
金属箔等のような薄板であっても、両面平行にかつ精度
の良い両面研磨を行うことができる両面研磨方法および
該両面研磨方法により両面研磨された薄板を提供するこ
とを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の第1の両面研磨方法は、被研磨部材の第一
面を第1の研磨保持治具に接着固定して被研磨部材の第
二面の研磨を行い、研磨された被研磨部材の第二面を第
2の研磨保持治具に接着固定した後に、被研磨部材の第
一面と第1の研磨保持治具とを取り外し、被研磨部材の
第一面の研磨を行う両面研磨方法において、被研磨部材
の第一面と第1の研磨保持治具とを接着する際に用いる
接着剤と、被研磨部材の第二面と第2研磨保持治具とを
接着する際に用いる接着剤とは、それぞれ、硬化条件と
剥離条件が全く異なる種類の接着剤であることを特徴と
する。
【0007】本発明の第1の両面研磨方法においては、
被研磨部材の第二面と第2研磨保持治具とを接着する際
に用いる接着剤は、常温にて硬化する性質をもつ接着剤
であることが好ましく、また、被研磨部材の第一面と第
1の研磨保持治具とを接着する際に用いる接着剤は、熱
可塑性接着剤または水溶性接着剤であることが好まし
い。
【0008】さらに、本発明の第2の両面研磨方法は、
被研磨部材の第一面を第1の研磨保持治具に接着固定し
て被研磨部材の第二面の研磨を行い、研磨された被研磨
部材の第二面を第2の研磨保持治具に接着固定した後
に、被研磨部材の第一面と第1の研磨保持治具とを取り
外し、被研磨部材の第一面の研磨を行う両面研磨方法に
おいて、被研磨部材の第一面と第1の研磨保持治具とを
接着する際に用いる接着剤を切り代となりうるような十
分な接着厚みをもたせて硬化接着させることを特徴とす
る。
【0009】本発明の第2の両面研磨方法においては、
被研磨部材の第一面と第1の研磨保持治具との取り外し
は、被研磨部材の第一面と第1の研磨保持治具とを接着
固定する十分な接着厚みを有する接着剤層を機械的に切
断して行うことが好ましい。
【0010】本発明の第2の両面研磨方法においては、
被研磨部材の第一面と第1の研磨保持治具とを接着する
際に用いる接着剤は、常温にて硬化する性質をもつ接着
剤であることが好ましく、さらに、被研磨部材の第二面
と第2研磨保持治具とを接着する際に用いる接着剤は、
常温にて硬化する性質をもつ接着剤であることが好まし
い。
【0011】本発明の両面研磨方法においては、前記被
研磨部材が薄板であることが好ましい。
【0012】
【作用】本発明の第1の両面研磨方法によれば、被研磨
部材の第一面と第1研磨保持治具とを接着する第1接着
剤および被研磨金属板の第二面と第2研磨保持治具とを
接着する第2接着剤として、それぞれ硬化条件と剥離条
件等の性質が全く異なる種類の接着剤を用いることによ
り、被研磨部材を研磨保持治具に接合する際や研磨保持
治具から剥離する際に、被研磨部材の他の面を接着固定
している接着、接合状態になんら悪影響を与えることな
く接合や剥離を行うことができ、面精度を維持した状態
で受け渡しを行うことができ、金属箔等のような薄板で
あっても、精度の良い両面研磨を行うことを可能にす
る。
【0013】また、本発明の第2の両面研磨方法によれ
ば、被研磨部材の第一面と第1研磨保持治具とを接着す
る第1接着剤を常温にて硬化する接着剤とし、その層を
切り代となりうるように十分に厚く形成して、研磨保持
治具に対する被研磨部材の受け渡し時に、厚さのある接
着剤層を機械的に切断するようにすることにより、被研
磨部材を研磨保持治具に接合する際や研磨保持治具から
剥離する際に、被研磨部材の他の面を接着固定している
接着、接合状態になんら悪影響を与えることなく接合や
剥離を行うことができ、面精度を維持した状態で受け渡
しを行うことができ、金属箔等のような薄板であって
も、精度の良い両面研磨を行うことを可能にする。
【0014】以上のように、本発明によれば、例えば厚
みが100μm以下の金属箔等の薄板であっても、両面
平行にかつ精度の良い両面研磨を行うことが可能とな
る。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面に基づ
いて説明する。
【0016】本発明の第1の両面研磨方法を図1に図示
する工程図に基づいて説明する。
【0017】図1の(a)に示すように、先ず、両面を
研磨する厚み50μmの被研磨金属板1の片面を研磨す
るために、被研磨金属板1の第一面を第1研磨保持治具
2に接着する。この接着に際して、最初に、平坦な面を
備えた作業台3を加熱して、被研磨金属板1と第1研磨
保持治具2とを接着固定する第1の接着剤である熱可塑
性接着剤4の軟化点以上にし、そして、作業台3の平坦
な面上に被研磨金属板1を置きその温度をなじませる。
次に、加熱ヒーター12によって第1研磨保持治具2を
加熱して熱可塑性接着剤4を着けて軟化させ、そして、
第1研磨保持治具2の平行を出すための基準面5(被研
磨金属板1を接着固定する面の反対側の面)を作業台3
の平坦な面に対して略平行になるように位置合わせし
て、被研磨金属板1と第1研磨保持治具2とを接着させ
る。このとき、第1研磨保持治具2は被研磨金属板1と
同材料を用いることにより、熱膨張差による接着時の歪
みを回避して固定することができる。また、被研磨金属
板1の両面を平行に研磨するためには、第1研磨保持治
具2において、被研磨金属板1を接着固定する面と基準
面5とが平行に作製されていることが好ましい。
【0018】第1研磨保持治具2ごと冷却して熱可塑性
接着剤4が完全に硬化した後に、第1研磨保持治具2を
図1の(b)に示すように研磨装置に装着し、被研磨金
属板1の第二面を研磨する。研磨装置は、図1の(b)
に示すように、駆動手段(不図示)により回転軸7を介
して回転駆動される研磨面を有する研磨定盤6と、被研
磨金属板1を保持するとともに駆動手段(不図示)によ
り回転軸8を介して回転駆動される第1研磨保持治具2
とから構成され、第1研磨保持治具2に保持される被研
磨金属板1を研磨定盤6の研磨面上に押し付け、研磨定
盤6および被研磨金属板1をそれぞれの回転軸7、8を
介して回転させることにより、被研磨金属板1の被研磨
面(第二面)が研磨される。この第二面の研磨に際して
は、第1研磨保持治具2の基準面5を研磨定盤6の研磨
面に対して平行となるように装着し平行を保つようにし
て研磨を行う。この第二面の研磨は、被研磨金属板1の
表面に元々存在している凹凸を完全になくしかつ第1研
磨保持治具2の基準面5と完全に平行になった時点で完
了となる。このとき、被研磨金属板1の厚みは約40μ
mとなった。
【0019】この研磨工程における研磨定盤の研磨面と
研磨保持治具の基準面との平行の取り方の一例を図3を
用いて説明する。
【0020】図3において、オートコリメータ31は、
研磨装置から十分に離れて設置された平坦度の良い定盤
32上に配置され、オートコリメータ32から発せられ
る光線33を被測定面に指向させるミラー34が定盤3
1上を移動可能に設けられている。また、定盤32に
は、光線33を通す穴32a、32bが適宜あけられて
おり、穴32aは研磨定盤6の研磨面を測定する位置
に、穴32bは第1研磨保持治具2の基準面を測定する
位置にそれぞれ設けられている。
【0021】研磨定盤6の研磨面と第1研磨保持治具2
の基準面5とを平行に設定するためには、先ず、ミラー
34を一点鎖線で示す位置(a)に移動させて、オート
コリメータ32から発せられる光線33をミラー34を
介して研磨定盤6の研磨面に照射させて、研磨定盤6の
研磨面を測定し、その面の情報を得る。さらに、研磨定
盤6を回転させて研磨面が変動しないように調整する。
なお、研磨定盤6の研磨面は予め十分な平坦度に仕上げ
ておくことが必要である。次に、ミラー34を実線で示
す位置(b)に移動させて同様に第1研磨保持治具2の
基準面5を測定する。その後に、第1研磨保持治具2の
基準面5が先に測定した研磨定盤6の研磨面と平行とな
るように第1研磨保持治具2を調整し、さらに、基準面
5を回転させて面の振れがないように第1研磨保持治具
2を調整する。このようにして、研磨定盤6の研磨面と
第1研磨保持治具2の基準面5の平行を完全にすること
ができる。
【0022】研磨工程によって被研磨金属板1の第二面
の研磨が完了すると、図1の(c)に図示するように、
第一面の研磨を行うための第2研磨保持治具9を被研磨
金属板1の第二面に接着する。ここで、被研磨金属板1
と第2研磨保持治具9とを接着固定するために使用する
第2の接着剤10として、硬化収縮が少なく、常温にて
硬化しかつ硬化後には十分な接着強度をもつ2液混合硬
化式のエポキシ系接着剤を用いる。この第2研磨保持治
具9の接着に際しては、最初の第二面を研磨する際に用
いた第1研磨保持治具2の基準面5と第2研磨保持治具
9の基準面11とが完全に平行となるように接着を行う
必要がある。
【0023】そして、被研磨金属板1の第二面と第2研
磨保持治具9とを接着する接着剤10が完全に硬化した
後に、最初に接着してある被研磨金属板1の第一面と第
1研磨保持治具2とを剥離する。被研磨金属板1の第一
面と第1研磨保持治具2は前述したように熱可塑性接着
剤4で接着固定してあるので、これを剥離するために、
第1研磨保持治具2のみをヒーター12で加熱する。こ
の際に、第2研磨保持治具9は冷却または常温に保持し
ておくことが望ましい。こうして第二面の研磨に用いた
第1研磨保持治具2が熱可塑性接着剤4の軟化点以上に
なったら、第1研磨保持治具2をすばやく取り外す。
【0024】このように、被研磨金属板1と第2研磨保
持治具9との接合には常温にて硬化する2液混合硬化式
のエポキシ系接着剤を用いることにより、この接合時
に、熱可塑性接着剤である第1接着剤4およびその接合
状態に何ら悪影響を与えることがなく、被研磨金属板1
の研磨された第二面の面精度を維持することができる。
さらに、被研磨金属板1と第2研磨保持治具9との接合
後に被研磨金属板1から第1研磨保持治具2を剥離する
際に、第1研磨保持治具2を第1接着剤4の軟化点以上
に加熱するとしても、第2接着剤10と第1接着剤4は
それぞれ硬化条件や剥離条件が異なっているために、第
2研磨保持治具9と被研磨金属板1との接合状態になん
ら悪影響を与えることなく、第1研磨保持治具2を取り
外すことができる。
【0025】第1研磨保持具2を前述のように取り外す
ことにより、熱可塑性接着剤4は被研磨金属板1の表面
に数多く残るけれども、これらの接着剤4は切削や荒研
磨によって機械的に削り取ることができる。その際に、
接着剤4の残滓と被研磨金属板1を同時に削り、被研磨
金属板1の面が完全に表面に出るようにかつ第2研磨保
持治具9の基準面11と被研磨金属板1の第一面が略平
行になるようにする(図1の(d))。この荒研磨を行
った後に、被研磨金属板1の表面を洗浄する。
【0026】その後に、第2研磨保持治具9を図1の
(e)に図示するように研磨装置に装着して、精密な仕
上げ研磨を行う。この仕上げ研磨は、第2研磨保持治具
9の基準面11と被研磨金属板1の第一面が完全に平行
になるように、そして、被研磨金属板1が所定の厚みと
なるまで、研磨する。本実施例では、厚み20μmとな
るように設定した。このように、被研磨金属板1が所定
の厚みと平行度を達成できたら、研磨を終了する。その
後に、例えば溶剤を用いて、被研磨金属板1の第二面と
第2研磨保持治具9とを剥離する(図1の(f))。こ
のようにして、所定の厚みと平行な両面をもった所望の
金属薄板が得られる。
【0027】以上のように、被研磨金属板1の第一面と
第1研磨保持治具2とを接着する第1接着剤4および被
研磨金属板1の第二面と第2研磨保持治具9とを接着す
る第2接着剤10として、それぞれ、硬化条件と剥離条
件等の性質が全く異なる種類の接着剤を用いることによ
り、被研磨金属板を研磨保持治具に接合する際や研磨保
持治具から剥離する際に、被研磨金属板の他の面を接着
固定している接着や接合状態になんら悪影響を与えるこ
となく接合や剥離を行うことができ、両面平行にかつ精
度の良い両面研磨を行うことができる。
【0028】なお、本実施例では、第1接着剤と第2接
着剤として、熱可塑性接着剤と2液混合式エポキシ系接
着剤とを用いたが、これらに限定されるものではない。
最初に研磨した第二面と第2研磨保持治具とを固定する
第2接着剤としては、常温硬化型のものがよく、例え
ば、主剤と硬化剤からなる2液混合硬化型や紫外線硬化
型、嫌気性硬化型等が挙げられる。また、最初に研磨保
持治具に接着する第1接着剤の例としては、熱可塑性接
着剤、水溶性接着剤等が挙げられる。
【0029】次に、本発明の第2の両面研磨方法につい
て、図2に図示する工程図を用いて説明する。本実施例
は、研磨保持治具に対する被研磨金属板の受け渡しに際
して熱を加えることができない場合に特に有用である。
なお、本実施例において前述した実施例と同様の部材に
は同一符号を用いて説明する。
【0030】図2の(a)に示すように、先ず、厚み5
0μmの被研磨金属板1の片面を最初に研磨するため
に、常温で硬化して硬化収縮が少なくかつ硬化後に十分
な接着強度をもつ第1接着剤21(例えば、2液混合型
のエポキシ系接着剤)を用いて、被研磨金属板1の第一
面を第1研磨保持治具2に接着する。このとき、接着剤
21の厚みを5mm程度に厚くして、十分な硬化時間を
かけて完全に硬化させる。また、第1研磨保持治具2の
平行を出すための基準面5(被研磨金属板1を接着固定
する面の反対側の面)を作業台3の平坦な面に対して略
平行になるように位置合わせして固定する。
【0031】その後に、第1研磨保持治具2を図2の
(b)に示すように研磨装置に装着して、被研磨金属板
1の第二面を研磨する。この際に、第1研磨保持治具2
の基準面5と研磨定盤6の研磨面を確実に平行にして研
磨を行い、この第二面の研磨において、被研磨金属板1
の表面に元々存在している凹凸を完全になくすこと等
は、前述した実施例と同様である。
【0032】こうして被研磨金属板1の第二面の研磨が
完了すると、図2の(c)に示すように、第一面の研磨
を行うための第2研磨保持治具9を被研磨金属板1の第
二面に接着する。このときに用いる第2接着剤22は、
第1接着剤21と同様の、硬化収縮が少ない常温硬化型
でかつ硬化後には十分な接着強度をもつ接着剤である。
この第2接着剤22は、被研磨金属板1の第一面と第1
研磨保持治具2とを接着固定する際に用いた第1接着剤
21と違う性質のものである必要はなく、同じ接着剤を
用いても良い。この第2研磨保持治具9の接着に際して
は、前述した第1実施例と同様に、最初の第二面を研磨
する際に用いた第1研磨保持治具2の基準面5と第2研
磨保持治具9の基準面11とが完全に平行となるように
接着を行う。
【0033】そして、被研磨金属板1の第二面と第2研
磨保持治具9とを接着する第2接着剤22が完全に硬化
した後に、図2の(d)に示すように、最初に接着して
ある被研磨金属板1の第一面と第1研磨保持治具2とを
切り離す。この切り離しに際しては、5mmほどの厚み
のある第1接着剤21の層を機械的に切り取る。この第
1接着剤21の厚みは、機械的に切り取ることができる
範囲の厚さとし、より具体的には鋸等の刃の厚み以上の
厚さであれば良い。第1接着剤層を切り取った後に、被
研磨金属板1の第一面に残っている接着剤21は切削ま
たは荒研磨等の手法にて機械的に削り取る(図2の
(e))。この段階で荒研磨を行って、被研磨金属1と
接着剤の残滓を同時に削り、被研磨金属板面が完全に表
面に出るようにかつ第2研磨保持治具9の基準面11と
被研磨金属板1の第一面が略平行になるようにする。
【0034】その後の工程は、図2には図示しないけれ
ども、前述した実施例と同様であって、第2研磨保持治
具9を研磨装置に装着して、被研磨金属板1の第一面の
仕上げ研磨を行い、第2研磨保持治具9の基準面11と
被研磨金属板1の第一面が完全に平行になるようにそし
て被研磨金属板1が所定の厚みとなるまで研磨する。研
磨終了後に、例えば溶剤を用いて、被研磨金属板1の第
二面と第2研磨保持治具9とを剥離する。このようにし
て、所定の厚みと平行な両面をもつ所望の金属薄板が得
られる。
【0035】以上のように、本実施例においては、第1
接着剤と第2接着剤として、必ずしも異種の接着剤とす
る必要はなく、特に、第1接着剤を常温にて硬化する接
着剤とし、その層を切り代となりうるように厚く形成し
て、研磨保持治具に対する被研磨金属板の受け渡し時
に、厚みのある接着剤層を機械的に切断することによ
り、被研磨金属板を研磨保持治具に接合する際や研磨保
持治具から剥離する際に、被研磨金属板の他の面を接着
固定している接着、接合状態になんら悪影響を与えるこ
となく、接合や剥離を行うことができ、さらに、第1お
よび第2接着剤として共に常温で硬化する接着剤を用い
ることによって熱を加えることなく研磨保持治具に対す
る被研磨金属板の受け渡しを行うことができ、両面平行
でかつ精度の良い両面研磨を行うことができる。
【0036】また、第1接着剤層を十分な厚みに形成す
るために、補助材料を接着と同時に固めると、硬化収縮
等の影響を減らしてより接着剤層の厚みを正確に確保し
て接着できる。例えば、樹脂製のハニカム構造体を接着
剤で固め込んでもよい。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の第1の両
面研磨方法によれば、第1接着剤および第2接着剤とし
て、それぞれ、硬化条件と剥離条件等の性質が全く異な
る種類の接着剤を用いることにより、被研磨部材を研磨
保持治具に接合する際や研磨保持治具から剥離する際
に、被研磨部材の他の面を接着固定している接着や接合
状態になんら悪影響を与えることなく接合や剥離を行う
ことができ、面精度を維持した状態で受け渡しを行うこ
とが可能となり、両面平行にかつ精度の良い両面研磨を
行うことができる。
【0038】また、本発明の第2の両面研磨方法によれ
ば、被研磨部材の第一面と第1研磨保持治具とを接着す
る第1接着剤を常温にて硬化する接着剤とし、その層を
切り代となりうるように十分に厚く形成して、研磨保持
治具に対する被研磨部材の受け渡し時に、厚さのある接
着剤層を機械的に切断するようにすることにより、被研
磨部材を研磨保持治具に接合する際や研磨保持治具から
剥離する際に、被研磨部材の他の面を接着固定している
接着、接合状態になんら悪影響を与えることなく接合や
剥離を行うことができ、面精度を維持した状態で受け渡
しを行うことが可能となり、両面平行にかつ精度の良い
両面研磨を行うことができる。
【0039】以上のように、本発明によれば、例えば厚
みが100μm以下の金属箔等の薄板であっても、両面
平行にかつ精度の良い両面研磨を行うことが可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の両面研磨方法を示す工程図であ
る。
【図2】本発明の第2の両面研磨方法を示す工程図であ
る。
【図3】本発明の両面研磨方法における研磨の際に研磨
面と研磨保持治具の基準面の平行を得る方法例を示す概
略図である。
【符号の説明】
1 被研磨金属板(被研磨部材) 2 第1研磨保持治具 3 作業台 4 第1接着剤 5 基準面 6 研磨定盤 9 第2研磨保持治具 10 第2接着剤 11 基準面 12 加熱ヒーター 21 第1接着剤 22 第2接着剤 31 オートコリメータ 32 定盤 34 ミラー

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被研磨部材の第一面を第1の研磨保持治
    具に接着固定して被研磨部材の第二面の研磨を行い、研
    磨された被研磨部材の第二面を第2の研磨保持治具に接
    着固定した後に、被研磨部材の第一面と第1の研磨保持
    治具とを取り外し、被研磨部材の第一面の研磨を行う両
    面研磨方法において、 被研磨部材の第一面と第1の研磨保持治具とを接着する
    際に用いる接着剤と、被研磨部材の第二面と第2研磨保
    持治具とを接着する際に用いる接着剤とは、それぞれ硬
    化条件と剥離条件が全く異なる種類の接着剤であること
    を特徴とする両面研磨方法。
  2. 【請求項2】 被研磨部材の第二面と第2研磨保持治具
    とを接着する際に用いる接着剤が常温にて硬化する性質
    をもつ接着剤であることを特徴とする請求項1記載の両
    面研磨方法。
  3. 【請求項3】 被研磨部材の第一面と第1の研磨保持治
    具とを接着する際に用いる接着剤が熱可塑性接着剤また
    は水溶性接着剤であることを特徴とする請求項1または
    2記載の両面研磨方法。
  4. 【請求項4】 被研磨部材の第一面を第1の研磨保持治
    具に接着固定して被研磨部材の第二面の研磨を行い、研
    磨された被研磨部材の第二面を第2の研磨保持治具に接
    着固定した後に、被研磨部材の第一面と第1の研磨保持
    治具とを取り外し、被研磨部材の第一面の研磨を行う両
    面研磨方法において、 被研磨部材の第一面と第1の研磨保持治具とを接着する
    際に用いる接着剤を切り代となりうるような十分な接着
    厚みをもたせて硬化接着させることを特徴とする両面研
    磨方法。
  5. 【請求項5】 被研磨部材の第一面と第1の研磨保持治
    具との取り外しは、被研磨部材の第一面と第1の研磨保
    持治具とを接着固定する十分な接着厚みを有する接着剤
    層を機械的に切断して行うことを特徴とする請求項4記
    載の両面研磨方法。
  6. 【請求項6】 被研磨部材の第一面と第1の研磨保持治
    具とを接着する際に用いる接着剤が常温にて硬化する性
    質をもつ接着剤であることを特徴とする請求項4または
    5記載の両面研磨方法。
  7. 【請求項7】 被研磨部材の第二面と第2研磨保持治具
    とを接着する際に用いる接着剤が常温にて硬化する性質
    をもつ接着剤であることを特徴とする請求項4ないし6
    のいずれか1項に記載の両面研磨方法。
  8. 【請求項8】 前記被研磨部材が薄板であることを特徴
    とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載の両面研
    磨方法。
  9. 【請求項9】 請求項1ないし8のいずれか1項に記載
    の両面研磨方法によって両面研磨されていることを特徴
    とする薄板。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2015162807A1 (ja) * 2014-04-22 2015-10-29 デクセリアルズ株式会社 半導体装置の製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2015162807A1 (ja) * 2014-04-22 2015-10-29 デクセリアルズ株式会社 半導体装置の製造方法
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