JP2002078462A - ポテトチップスの製造方法 - Google Patents

ポテトチップスの製造方法

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JP2002078462A JP2000270138A JP2000270138A JP2002078462A JP 2002078462 A JP2002078462 A JP 2002078462A JP 2000270138 A JP2000270138 A JP 2000270138A JP 2000270138 A JP2000270138 A JP 2000270138A JP 2002078462 A JP2002078462 A JP 2002078462A
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Susumu Kiyokawa
清川  晋
Taro Kiyokawa
太郎 清川
Chizuko Kiyokawa
千鶴子 清川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 食用油の含浸率の少ないポテトチップスを製
造する。 【解決手段】 じゃがいもを所定の厚さにスライスして
ポテトスライスを形成し、これを乾燥して含水率を5〜
20%とする第1の工程と、前記第1の工程で得られた固
くなったポテトスライスを水に浸して柔軟にする第2の
工程と、前記第2の工程により浸漬処理されたポテトス
ライスを食用油で揚げる第3の工程とからなるポテトチ
ップスの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポテトチップスの
製造方法に関し、更に詳しくは、低含油量で口あたりの
良いポテトチップスを製造する方法を提供するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】ポテトチップスは、じゃがいもを原料と
するスナック食品であり、子供から大人まで多くの人達
に食されている。このポテトチップスを製造するには原
料であるじゃがいもを水洗し、これを必要に応じて皮む
きした後に所定の厚さにスライスし、これを加熱された
食用油(油)中で揚げるフライ工程において、ポテトス
ライスの内部の水分を蒸発させると共に、この食用油を
含浸させてポテトチップスを製造している。
【0003】一般にスライスしたポテトスライスは約85
重量%もの水分を含有しており、これを食用油で揚げた
後の水分は約5%以下となっている。このポテトスライ
ス中から水分が蒸発する操作は、高温の食用油によって
ポテトスライス中の水分を蒸発させる水と食用油との交
換操作を意味しており、従って、通常のポテトチップス
においては約30〜50%の食用油を含んでいる。
【0004】また、ポテトチップスの味は、じゃがいも
の味よりも食用油の味が主体で、品質の良い食用油を使
用することによって味の良いポテトチップスを得ること
ができる。しかし、食用油の含有量が多くなると、ポテ
トチップス硬度が低下すると共に表面に食用油が付着し
てパリットした、ないしはシャキッとした歯ざわりが失
なわれる欠点がある。
【0005】また、大量の食用油を含んでいるポテトチ
ップスを食することは、ポテトの薄片に担持された食用
油を食することを意味しており、従って、ポテトチップ
スを食することは、必要以上に体内に脂肪分を摂取する
ことになるので、健康上からも大量に食することができ
ない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】近時、ヘルシーな食品
として脂肪分の少ない食品が望まれており、従ってこの
ポテトチップスにおいても食用油の含有量の少ないもの
が望まれ、これの製造方法が色々と検討されている。
【0007】ポテトチップス中の脂肪分、つまり食用油
の量を減少させる方法としては、ポストスライスを従来
のフライ工程よりも高温の食用油浴中で短時間で処理
し、更にこれにマイクロ波を照射して仕上げる方法が提
案されている。
【0008】この方法はフライ工程の食用油の温度が高
温で、処理時間が短いために、従来のポテトチップスに
比較して含油分を少なくできるが、この減少量は期待さ
れたものよりも少ない量であるものと思われる。
【0009】また、ポテトスライスに球状蛋白質のコー
テイングを施し、このコーテイング上に食用油の層を形
成し、更にこのコーテイング処理したポテトスライスを
マイクロ波加熱する方法が提案されている。
【0010】この方法は、ポテトスライスの表面にタン
パク質コーテイングしたポテトチップスが得られること
になり、味覚が低下する上に歯ざわりも悪くなるという
問題がある。
【0011】前記ポテトチップスの製造方法は、何れも
マイクロ波を照射して短時間に高温加熱して処理するこ
とが前提としており、この高温処理により澱粉が変質し
てポテトチップスの硬度が低下して柔軟になり、これが
歯ざわりに大きな影響を与えてパリットした、ないしは
シャキッ歯ざわりがなくなってしまうという問題があ
る。
【0012】特に、ポテトスライスに球状蛋白質のコー
テイングを施したものをフライ処理する方法は、澱粉が
ゼラチン化し、ポテトチップスの表面にねばねばした薄
い層を形成する傾向があり、これは当然、味覚を低下さ
せる上に、歯ざわりが悪化するという問題がある。
【0013】また、前記のように従来のポテトチップス
の製造方法は、ポテトスライスを一気に加熱して含まれ
ている水分を急速に蒸発させ、食用油と水分とを短時間
に交換させることを前提としているものである。従っ
て、食用油の含有量の調節が殆んどできないという問題
と共に、製造されたポテトチップスに、歯ざわりに影響
を与える目的で腰を持たせることが実質的に困難であ
る。
【0014】ポテトチップスを製造するためには、フラ
イ工程が必須であるが、この工程の前において、あるい
はこの工程においてポテトスライスの澱粉が、β−澱粉
からα−澱粉に変質する高温の処理が行われることか
ら、ポテトチップス中の食用油の含有量を減少させるこ
とが殆んど困難である上に、腰があって歯ざわりが良く
パリットした食感のあるポテトチップスの製造は困難で
あったのである。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は、ポテトチップ
スの含油量の調節が可能であり、味を出す程度の少量の
食用油を含浸させ、しかも、パリットした歯ざわりのあ
るポテトチップスの製造方法を提供するものである。
【0016】また、ポテトチップスに味付けするために
各種の香辛料やノリや塩等を表面にコーテイングないし
付着させることができ、本発明におけるポテトチップス
の製造方法によれば、これらの味を引立たせることがで
きるポテトチップスを提供するものである。
【0017】本発明にかかる含油量の調節方法は、多数
の実験による知見から得られたものであって、ポテトス
ライスを高温にさらすことなく乾燥することによって、
一旦食用油が内部まで含浸しない状態を形成する。そし
てこれを水で膨潤させることによって食用油と交換でき
る水をポテトスライス内に含ませ、更にこれを高温の食
用油中でフライ処理するものである。
【0018】前記方法は、生のじゃがいもから得られた
ポテトスライスを一旦乾燥させて元の食用油が含浸され
易い状態から、殆ど含浸できない状態としておく。
【0019】そしてこれを再び食用油が含浸され易い状
態に戻す手順を採用しており、そのために乾燥したポテ
トスライスを水に浸すことによって、あたかも濡れた厚
手の布のように破れ難く(破損しない)取扱い易い状態
を形成すると共に、膨潤する水の量、即ち含油量を調節
するようにした点に特徴がある。
【0020】本発明は3つの下記の工程から構成されて
いる。 (ア)第1の工程は、じゃがいもを水洗し、必要に応じ
て皮をむき、これを所定の厚さにスライスする。そして
このポテトスライスの澱粉が変化しない条件以下におい
て大量の水分が放出される方法を採用して乾燥すること
である。
【0021】この第1工程においてはじゃがいもを0.5
〜1.5mm、好ましくは 0.5〜0.8 mmにスライスす
る。この厚さは、食感に重要な影響を与えるもので、0.
5 mm未満であると紙を噛むような感じとなり、1.5 m
mより厚くなるとポテトチップス独特のパリットした、
ないしはシャキッとした感じがなくなる上に、フライ処
理が困難となる。
【0022】そして乾燥工程においては、含有水分率
(第1の水分含有率)が5%〜20%(重量%)、好まし
くは15%前後に乾燥する。この乾燥工程においては、ポ
テトスライスの澱粉の性質が変化しない低温で乾燥する
ことが必要である。そしてこの乾燥には、遠赤外線の加
熱と、45〜65℃、好ましくは50℃の温風の両者を併用し
て乾燥室内を50℃以下の温度とするのが良い。
【0023】この場合、必要に応じて乾燥室内を水柱で
50〜100mmの減圧下に保持することによってポテトス
ライスからの水分の蒸発を早めることができる。
【0024】ポテトスライス中の第1の水分含有率が5
%より低いと、乾燥されたポテトスライスの硬度が高
く、密度も高い。従って、後述する第3の工程において
水分を再び含ませるのに時間がかかる上に、必要とする
水分含有率に調節し難い。
【0025】また、20%より多い場合は、ポテトチップ
スが含む食用油分が多くなって、パリットしたものや、
シャキッとしたものを製造することは困難となる。 (イ)第2の工程は、フライ工程の前処理として重要な
工程であって、第1の工程で乾燥したポテトスライスの
水分率調整を行うことである。この水分率調整は、前記
のように乾燥工程によって第1の水分含有率に調整され
たポテトスライスを、水に浸して膨潤させて第2の水分
含有量に調整することである。この膨潤操作は、元のポ
テトスライスの状態となることを意味しておらず、元の
状態のポテトスライスは水分を含んだ割れ易い薄板状な
いしウエハ状であるのに対して、水で膨潤されたポテト
スライスは、あたかも大きなシワや波形を持つ煎餅が、
濡れた布のようにクシャクシャの状態となり、簡単に手
に持ったり、これを絞って必要以上の水分を抜くことが
できる状態となる。
【0026】なお、このクシャクシャで取扱い性の良い
ポテトスライスは、後述する第3のフライ工程において
高温の食用油に送り込まれると、元の平板状に短時間で
復元するという特徴を有しており、特に味つけ等の後加
工が容易となる上に、製品としての外観上も全く問題が
ない。 (ウ)次に本発明の第3の工程は、第1の工程で乾燥さ
れて第1の水分含有率に調整されたポテトスライスを、
第2の工程で水に浸して膨潤させて第2の水分含有率と
したものを、フライ工程においてたっぷりした高温の食
用油中で揚げることにある。 (オ)第1の工程における水分率を調整するための乾燥
工程は、ポテトスライスを構成している澱粉がゼラチン
化しない低温で行なうことが必要であり、この工程によ
って水分含有率が5%〜20%、好ましくは15%前後に調
整されることである。
【0027】従って、この第1の工程を実施するための
手段は、ポテトスライスを構成する澱粉が可及的にα−
澱粉、あるいはノリ化しない低温で乾燥させることが必
要である。
【0028】この第1の工程における乾燥温度と水分率
の調整は、製品の歯ざわりに大きく影響を与えるもので
あり、例えば、この工程における水分含有量が25%ない
し30%にもなると、乾燥されたポテトスライスは、油っ
ぼく、シンナリとした柔軟性を持つものとなる。
【0029】また、高度(例えば水分含有率が5%未
満)に乾燥したポテトスライスをフライ処理すると、粉
っぽく、パサバサし、しかもこのフライ処理において短
時間にコゲ目が付き変色する欠点がある。
【0030】そしてこの工程の前段階、ないしは第2の
工程の後、あるいはこの第2の工程において、製品とな
るポテトチップスの味付けを行うことができる。
【0031】例えば3%の食塩水にビタミンCを添加し
た処理水に短時間浸して処理したり、ニンニク、トウガ
ラシ、アオノリ、カラシその他の香辛料を入れた処理水
に浸したり、スプレー法や散布等の他の方法による味つ
けを併用すると、簡略化された工程で美味な製品を得る
ことができることから好都合である。 (カ)前記第2の膨潤工程は、第1の乾燥工程によって
乾燥されたポテトスライスを水中に短時間、例えば3〜
5分間、浸漬して再び膨潤させることによって第2の水
分含有率とするものであり、この工程は、続く第3のフ
ライ工程を円滑に行うための前処理工程としてのもので
ある。
【0032】この膨潤工程においては、第1の工程にお
いて一旦乾燥されて比較的大きなシワが発生しているポ
テトスライスに、水分が浸透して注入され、シンナリと
してシワシワの状態に変化する。
【0033】この乾燥したポテトスライスを再び水分を
注入することは、その後の高温の処理に重要である。つ
まり、乾燥したポテトスライスは、熱容量が極めて小さ
いものであるから、高温の食用油中に送入すると短時間
に加熱され、褐色に変色し、粉っぽく、パサパサした固
く、食用油を殆ど含まないものになってしてしまう。
【0034】これに対して水分を浸透させることによっ
て水の通路が形成され、そして第3のフライ工程におい
てこの水分の交代として食用油が容易に進入できる
「道」を付けることを意味する。
【0035】そしてこの第2の膨潤工程は、製品である
ポテトチップスへの食用油の含浸量を調節し、この食用
油による味や食感に大きく影響を与えるものである。
【0036】この膨潤工程は、前記のように乾燥された
ポテトスライスが元の水分を含有する程度まで水中に浸
漬することを意味するものではなく、必要とする食用油
と交換される水分を呼び込む程度で良く、外見的には、
第1の乾燥工程でシャキッとしていたものが、シンナリ
してクシャクシャとなる程度である。
【0037】従って、この水に浸漬して膨潤処理に必要
な時間は、乾燥されたポテトスライスの厚さにもよる
が、3〜5分程度である。しかし、これはじゃがいもの
本質的な性質や乾燥の状態等によって適宜に変更する必
要がある。 (キ)中間処理について 前記第2の膨潤工程の後は、ポテトスライスの表面に水
分が付着しているので、これをそのまま第3のフライ工
程に移送すると、フライ処理にムラが発生し易いことか
ら、水切りを行なう(水切り処理)。そしてフライ工程
における処理を確実なものとするために、これを電子レ
ンジで短時間(約20〜30秒)温める(予備加熱処
理)。
【0038】更に、前記のように処理されたポテトスラ
イスを、そのままフライ工程で処理した場合、食用油が
付着するのに時間がかかったり、付着にムラが発生して
フライ処理ムラやポテトチップスの外観、更に食味にも
影響を及ぼすことがあるので、これを防止する意味でフ
ライ工程で使用する食用油を表面に付着させると(食用
油の塗布処理)フライ処理を均一に行うことができる。 (ク)前記第2の膨潤工程によって水分を付与されたポ
テトスライスは、前記中間処理を経て第3の工程であ
る、高温の食用油中においてフライ処理される。
【0039】このフライ処理には、170℃〜200℃
前後に加熱された食用油をたっぷりと使用し、これの中
に前記ポテトスライスを入れて揚げるものである。
【0040】前記第2の膨潤工程において、乾燥された
ポテトスライス中の第2の水分含有率が調整されるが、
この水分の調整により、第3の工程であるフライ処理に
おいてポテトチップス中に含まれる食用油の含有量を調
整できるのである。 (ケ)以上のように、本発明に係るポテトチップスの製
造方法は、じゃがいもをスライスしたポテトスライス
を、そのまま高温の食用油中でフライしたり、マイクロ
波加熱等で急速に高温に加熱することによって澱粉に質
的な変化を与えるものではない。
【0041】第1の工程においては第1の水分含有率で
ある5〜20%になるまで水分を乾燥調整し、第2の膨潤
工程で、前記のように乾燥したポテトスライスに膨潤処
理して第2の水分含有率(この膨潤操作の後は、固くて
煎餅のように乾燥したポテトスライスが、あたかも乾燥
カンピョウを水に漬けて戻したような状態となり、手荒
く取扱っても破れることがなくなり、絞ることすら可能
となる。また、この絞りや圧搾操作で水分量を調整する
ことが可能となる。)とすることによって、第3の工程
のフライ工程において、ポテトスライスに浸透する食用
油の量を巧妙に調整することができる点に特徴がある。
【0042】本発明によれば、製品であるポテトチップ
スに含有される食用油の量が、従来のものに比較して少
ないばかりでなく、腰があり、パリットとした爽やかな
歯ざわりと食感を与えるポテトチップスを提供すること
ができるものである。
【0043】特に本発明によると、薄手で歯ざわりの良
いポテトチップスでも容易に製造することが可能とな
る。
【0044】
【発明の実施の形態】図面を参照して本発明の実施の形
態を説明する。
【0045】図1は本発明に係るポテトチップスの製造
工程の概略を示すもので、符号Aの工程において、原料
であるじゃがいもPを洗浄し、必要に応じて皮むきす
る。
【0046】そして符号Bの工程において0.8 、0.5m
mの2種類の厚さにスライスしてポテトスライスSを製
造する。
【0047】このポテトスライスSをビタミンCを配合
した3%の食塩水に30分間浸して軽く味付けをおこなっ
た。
【0048】そして符号Cの工程において、減圧できる
乾燥装置Kの乾燥室1の天井面に空気加熱装置2(下面
に乾燥室1に向けてアルミ板や鉄板等の金属板の表面に
セラミックスを溶射した遠赤外線ヒータ7を配置し、こ
のヒータの背面に発熱体と空気ダクト2を設け、このダ
クト2の一方より乾燥室1内の空気を吸引し、これをダ
クト2中を通過する間に発熱体7aで加熱し、そしてダ
クト2の他方より乾燥室1内に排出し、被乾燥物と接触
させながら循環させるように構成されており、前記遠赤
外線ヒータ7の表面より多量の遠赤外線を乾燥室1内に
放射する)を配置し、その下方にポテトスライスSを搬
送するコンベアベルト3(他の形式のものでも良く、ま
た、移動式のラックでも良い)を配置している。
【0049】そして乾燥室1の一端に設けてある供給装
置4より被乾燥物であるポテトスライスSを重ならない
ように前記コンベアベルト3に供給し、所定の速度で一
方より他方に搬送しながら乾燥する。
【0050】乾燥室1には給気ブロア5と、この給気ブ
ロア5より遙かに大きな排気能力を持つ排気ブロア6が
設けられ、乾燥室1内に前記給気ブロア5ないし給気口
を調節して給気しながら、前記排気ブロア6で大量排気
を行なって乾燥室1内を水柱で100mmに減圧して蒸気
圧を低下させるようにしてある。
【0051】前記のようにベルトコンベア3の上方には
遠赤外線ヒータ7が設けられているので、これからポテ
トスライスSに大量の遠赤外線Rを放射する。これと同
時に空気加熱装置2の一方よりフアン8によって吸引さ
れた室内の循環加熱空気を空気ダクト2を通過する間に
55℃に加熱し、噴出口9より乾燥室1内に噴出してポテ
トスライスSと接触させながら乾燥室1内を循環すると
共に、前記のように一部を排気する。
【0052】なお、この乾燥装置Kは前記のように減圧
状態を保持するようになっている関係で原料供給部11
と乾燥物取出部12と乾燥室1内を仕切って、乾燥室1
内に圧力変化がなるべく起きないように配慮されてい
る。
【0053】なお、前記乾燥工程における他の条件とし
ては、外気温度が26℃、外気湿度が89.6%、乾燥室内の
温度50℃であった。
【0054】前記符号Aの工程から符号Cの工程は、本
発明においては第1の乾燥工程である。この第1の工程
でじゃがいもをスライスして乾燥処理されたポテトスラ
イスS1は取出装置13より外部に取出される。
【0055】次に、乾燥したポテトスライスS1は、符
号Dで示す本発明の第2の工程において処理されること
になるが、この工程においては、タンク15に収容され
ている水中にコンベアのような搬送装置16で搬送され
て常温の水中に所定時間(ポテトスライスの状態を観察
しながら、約3〜5分の短時間だけ浸漬され、膨潤して
ポテトスライスS2となる。このポテトスライスS2
は、前記のように水に浸された厚手の布のような、シナ
シナないしクシャクシャした状態に変化するそして前記
ポテトスライスS2は〔中間工程〕である水切りを行な
い、更に、符号Eの工程で電子レンジ17によってマイ
クロ波の処理を約20秒程度の加熱処理を行なって、浸透
して膨潤した水分を平均化することにって食用油の導入
路を形成したポテトスライスS3を形成する。
【0056】なお、第1の乾燥工程から、この水分の平
均化の処理の間に、ポテトスライスS2の表面には、微
細な凹凸が発生して舌ざわりが良くなっている。
【0057】次に、符号Fの工程において油タンク18
内の食用油に軽くまぶして表面に食用油の薄い層を形成
する。この処理は、次のフライ処理の際にポテトスライ
スS3に速やかに食用油を接触させ、均一な加熱による
フライ処理を行うためのものである。
【0058】そして符号Gで示す本発明の第3の工程で
ある、フライ装置19の油タンクの中の高温の食用油2
0中に前記ポテトスライスS3を投入し、短時間の揚げ
処理を行なってポテトチップスS4とする。
【0059】なお、前記のように符号Bの工程で食塩水
等の処理を行うことができるが、後の符号Dの処理工程
において、乾燥されたポテトスライスS1を浸漬する水
の中に塩やビタミンを入れたり、あるいは香辛料を入れ
たりすることができる。
【0060】更に、符号Gで示すフイラ処理したポテト
チップスに、調味料や香辛料等の味付けを行っても良い
ことは勿論である。
【0061】前記のような工程を経て、じゃがいもから
製造されたポテトチップスの食用油の含油率を測定して
見ると、約10%程度の食用油を含んでおり、従来のポテ
トチップスの35%〜50%に比較して、極めて少ない含油
率であることが確認された。
【0062】前記フライ工程においては、従来のポテト
チップスの製造方法であるとフライ処理する際に食用油
が減少することが確認されているが、本発明の方法によ
ると食用油が実質的に減少していないことが確認されて
いる。
【0063】また、本発明で得られたポテトチップス
を、紙の上に積み上げてこのポテトチップスから紙に移
行する食用油の量を目視で確認すると、従来のものは食
用油が大量に滲出したが、本発明のものは実質的に滲出
しておらず、紙は乾いたままであり、このことから、本
発明のものは含油量が極めて少ないことが確認された。
【0064】また、本発明に係る含油率の少ないポテト
チップスは、手に触っても食用油が実質的に付着せず、
乾燥した状態であった。しかし、これを食して見ると、
食用油が持つ独特の風味を十分に感ずると共に、食感が
パリッとして軽快で、食するのに違和感は全く感じなか
った。
【0065】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係るポテト
チップスの製造方法は、本発明は、じゃがいもを所定の
厚さにスライスしてポテトスライスを形成し、これを乾
燥して含水率を5〜20%とする第1の工程と、前記第1
の工程で得られた固くなったポテトスライスを水に浸し
て柔軟にする第2の工程と、前記第2の工程により浸漬
処理されたポテトスライスを食用油で揚げる第3の工程
とから構成されている。
【0066】従って、第1の工程において含水率を所定
の値になるように乾燥させ、これを第2の工程において
水を膨潤させることによって、第3のフライ工程におい
て含浸する食用油の量を著しく少なくすることができ、
ヘルシーなポテトチップスを得ることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るポテトチップスの製造方法の概要
を示す図である。
【符号の説明】
S ポテトスライス S1 乾燥したポテトスライス S2 水に浸したポテトスライス S3 食用油をまぶしたポテトスライス S4 ポテトチップス(製品)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 清川 太郎 埼玉県草加市弁天4丁目20−28 (72)発明者 清川 千鶴子 埼玉県草加市弁天4丁目20−2 Fターム(参考) 4B016 LC08 LE01 LG06 LP03 LP07 LP08 LP13

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 じゃがいもを所定の厚さにスライスして
    ポテトスライスを形成し、これを乾燥して含水率を5〜
    20%とする第1の工程と、前記第1の工程で得られた固
    くなったポテトスライスを水に浸して柔軟にする第2の
    工程と、前記第2の工程により浸漬処理されたポテトス
    ライスを食用油で揚げる第3の工程とからなるポテトチ
    ップスの製造方法。
  2. 【請求項2】 じゃがいもを 0.5〜1.5 mmの厚さにス
    ライスしてポテトスライスを形成し、これを遠赤外線の
    照射と熱風を併用して乾燥室内の温度を50℃以下の澱粉
    が変質しない温度でスライスポテトを乾燥して含水率を
    15〜20%とする第1の工程と、前記第1の工程で得られ
    たポテトスライスを170 〜220℃の温度に加熱された食
    用油で揚げることを特徴とする請求項1記載のポテトチ
    ップスの製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006133481A1 (en) * 2005-06-14 2006-12-21 Boutique Snacks Pty Ltd Processed potato product
JP2015503910A (ja) * 2011-12-22 2015-02-05 メルニークズック,ターニャ マリア クリスプ食品の調製のための方法及び装置
CN106417505A (zh) * 2016-10-10 2017-02-22 山东盛康机械科技有限公司 薯片薯条加工线体

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