JP2002076395A - 光電変換装置 - Google Patents

光電変換装置

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JP2002076395A
JP2002076395A JP2000258025A JP2000258025A JP2002076395A JP 2002076395 A JP2002076395 A JP 2002076395A JP 2000258025 A JP2000258025 A JP 2000258025A JP 2000258025 A JP2000258025 A JP 2000258025A JP 2002076395 A JP2002076395 A JP 2002076395A
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granular crystal
crystal semiconductor
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conversion device
conductive layer
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JP2000258025A
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Takeshi Kyoda
豪 京田
Makoto Sugawara
信 菅原
Hisao Arimune
久雄 有宗
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Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低コストの光電変換装置を提供することを目
的とする。 【解決手段】 一方の電極を兼ねる基板上に粒状結晶半
導体を多数配置して接合し、この粒状結晶半導体間に絶
縁体を充填し、この粒状結晶半導体の上部に他方の電極
を設けた光電変換装置において、前記粒状結晶半導体の
中心部が第1導電形から成るとともに外郭が第2導電形
から成り、この粒状結晶半導体における前記基板との接
合部周辺の第2導電形の外郭が、前記絶縁体と前記粒状
結晶半導体の反応によって除去されていることを特徴と
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光電変換装置に関
し、特に太陽光発電に使用される粒状結晶半導体を用い
た光電変換装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の粒状結晶半導体を用いた光電変換
装置を図6、図7、図8、図9に示す。例えば図6に示
すように、第1のアルミニウム箔11に開口を形成し、
その開口にp形の上にn形表皮部22を持つシリコン球
2を結合し、球2の裏側のn形表皮部22を除去し、第
1のアルミニウム箔11の裏面側に酸化物層3を形成
し、シリコン球2の裏側のp形領域21部分の酸化物層
3を除去し、第2のアルミニウム箔10と接合する光電
変換装置が開示されている(例えば特開昭61−124
179号公報参照)。
【0003】また、図7に示すように、基板1上に低融
点金属層13を形成し、この低融点金属層13上に第1
導電形の粒状結晶半導体23を配設し、該粒状結晶半導
体23上に第2導電形のアモルファス導電層12を上記
低融点金属層13との間に絶縁層3を介して形成する光
電変換装置が開示されている(例えば特許264180
0号公報参照)。なお、図7中、18はアモルファス導
電層12上に形成された透明導電膜18である。
【0004】また、図8に示すように、基板1上に高融
点金属層14と低融点金属層13と半導体微小結晶粒1
5を堆積させ、半導体の微小結晶粒15を融解させて飽
和させた上で徐々に冷却させて半導体を液相エピタキシ
ャル成長させることによって多結晶薄膜15を形成する
方法が開示されている(例えば特公平8−34177号
公報参照)。
【0005】また、図9に示すように、p形基板18の
表裏両面にn形を呈する元素を拡散させてn形層19を
形成することでpn接合を形成し、裏面にpn接合を貫
通して内部のp形層18と連結された導電性拡散領域9
を形成し、導電性拡散領域の周辺にガラス系絶縁材3を
形成及び焼成することでpn接合を分離する方法が開示
されている(例えば特公昭61−59678号、特開平
10−233518号公報参照)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図6に
示すような光電変換装置においては、第1のアルミニウ
ム箔11に開口を形成し、その開口にシリコン球を押し
込んで接合させる必要があるため、シリコン球の球径に
均一性が要求され、高コストになるという問題点があっ
た。また、接合させるときの処理温度がアルミニウムと
シリコンの共晶温度である577℃以下であるため、接
合が不安定となる問題があった。
【0007】また、図7に示すような光電変換装置によ
れば、第1導電形の粒状結晶半導体23上に第2導電形
のアモルファス導電層12を設けるため、安定なpn接
合を形成するためにアモルファス導電層12の形成前に
粒状結晶半導体23表面を十分にエッチング及び洗浄す
る必要があった。また、アモルファス導電層12の光吸
収が大きいことに起因して膜厚を薄くしなければなら
ず、導電層12の膜厚が薄い場合、欠陥に対する許容度
も小さくなり、洗浄工程や製造環境の管理を厳しくする
必要があった。その結果、高コストになるという問題が
あった。
【0008】また、図8に示すような光電変換装置によ
れば、低融点金属13が第1導電形の液相エピタキシャ
ル多結晶層15中に混入するために性能が落ち、絶縁体
が無いために下部電極14との間にリークが発生すると
いう問題があった。
【0009】また、図9に示すような光電変換装置によ
れば、粒状結晶半導体2、23を使用する場合、pn接
合を貫通して内部層と連結した導電性拡散領域9を形成
するのは製造上難しく、基板と粒状結晶半導体を接合さ
せる際にpn接合部そのものが熔解して破壊されてしま
う。
【0010】本発明は上記従来技術における問題点に鑑
みてなされたものであり、その目的は、低コストの光電
変換装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に係る光電変換装置は、一方の電極を兼ね
る基板上に粒状結晶半導体を多数配置して接合し、この
粒状結晶半導体間に絶縁体を充填し、この粒状結晶半導
体の上部に他方の電極を設けた光電変換装置において、
前記粒状結晶半導体の中心部が第1導電形から成るとと
もに外郭が第2導電形から成り、この粒状結晶半導体に
おける前記基板との接合部周辺の第2導電形の外郭が、
前記絶縁体と前記粒状結晶半導体の反応によって除去さ
れていることを特徴とする。
【0012】前記基板と前記粒状結晶半導体は両者の溶
融した合金部によって接合されていることが望ましい。
【0013】また、前記粒状結晶半導体上から前記絶縁
体上にかけてSiから成る第2導電形の導電層を形成す
ることが望ましい。
【0014】また、前記粒状結晶半導体上から前記絶縁
体上にかけて透明導電層を形成してもよい。
【0015】また、前記粒状結晶半導体上から前記絶縁
体上にかけてSiから成る第2導電形の導電層と透明導
電層とを形成してもよい。
【0016】また、前記粒状結晶半導体における前記第
2導電形の導電層との接触部が凸曲面状を有しているこ
とが望ましい。
【0017】また、前記粒状結晶半導体における前記透
明導電層との接触部が凸曲面状を有していることが望ま
しい。
【0018】また、前記第2導電形の導電層上に保護層
を形成してもよい。
【0019】また、前記透明導電層上に保護層を形成し
てもよい。
【0020】また、前記粒状結晶半導体の平均粒径は1
0μm〜500μmであることが望ましい。
【0021】本発明の光電変換装置によれば、基板上
に、中心部が第1導電形から成り、外郭が第2導電形か
ら成ることによってあらかじめpn接合を有する粒状結
晶半導体を配置し、基板と前記粒状結晶半導体を両者の
溶融した合金部によって接合させ、この粒状結晶半導体
間にガラス材料から成る絶縁体を充填したことにより、
従来の特開昭61−124179号公報、特許2641
800号公報、特公平8−34177号公報、特公昭6
1−59678号公報、特開平10−233518号公
報で開示されている光電変換装置と比較して製造マージ
ンが大きく、低コストの製造が可能となる。つまり、粒
状結晶半導体を低い粒径精度で製造すればよく、絶縁体
により正電極と負電極の分離が確実にされ、pn接合を
貫通して内部層と連結した導電性拡散領域を形成しなく
てもよく、しかも粒状結晶半導体のpn接合の分離を行
うことができるため低コストの製造が可能となる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明を詳
細に説明する。
【0023】図1及び図4において、1は基板、2は中
心部21が第1導電形で外郭22が第2導電形の粒状結
晶半導体、3はガラス材料から成る絶縁体、4は導電
層、5は保護層、6は基板1と粒状結晶半導体の接合部
である。
【0024】基板1は金属、セラミック、樹脂等から成
る。基板1は下部電極を兼ねるために特性として導電性
を持つものであれば良く、図4に示すごとく材質が金属
の場合は基板1の構成は単層又は他の金属との複層にす
る。なお、基板1がセラミックや樹脂などの絶縁体の場
合には、その表面に図1に示す導電層1‘を形成する必
要がある。
【0025】粒状結晶半導体2は、中心部がSi、Ge
にp形を呈するB、Al、Ga等、又はn形を呈する
P、As等が微量含まれているものであり、外郭はS
i、Geにn形を呈するP、As等、又はp形を呈する
B、Al、Ga等が微量含まれているものである。
【0026】粒状結晶半導体2の形状としては多角形を
持つもの、曲面を持つもの等があるが、例えば後述する
絶縁体層3上から粒状結晶半導体2を押し込んで基板1
に接触させる際に、絶縁体層3を効率よく押しのけるた
めに、曲面を持つもの特に球状であるものがよい。
【0027】そして、基板1と粒状結晶半導体2が接触
した状態で基板1の材料であるAlとSiとの共晶温度
である577℃を越える温度で焼成することによって接
合部6を形成するが、接合部6は基板1の材料であるA
lと基板1と接触している部分の粒状結晶半導体2の材
料とが共に溶解して溶融した合金部であり、基板1との
接触部にある粒状結晶半導体2のpn接合部を破壊させ
る効果がある。また、合金部に接触している第1導電形
の中心部21の面では、基板1の材料であるアルミニウ
ムが拡散しp+層を形成していることが考えられる。し
かしながら、単に導電性拡散領域を形成するのであれ
ば、AlとSiとの共晶温度である577℃以下でもで
きるが、基板1と粒状結晶半導体2の接合が弱いため
に、基板1から粒状結晶半導体2が脱離してしまい、太
陽電池としての構造を維持できなくなる。
【0028】粒状結晶半導体2の粒径分布としては均
一、不均一を問わないが、均一の場合は粒径を揃えるた
めの工程が必要になるため、より安価に製造するために
は不均一な方が有利である。なお、絶縁体層3上から粒
状結晶半導体2を押し込んで基板1に接触させる際に、
不均一の場合でも粒状結晶半導体2を押し込む冶具に柔
軟性のある材料を使用することで、充分に基板1に接触
させることが可能となる。更に凸曲面を持つことによっ
て光の光線角度の依存性も小さい。
【0029】また、粒子の平均粒径は10〜500μm
が良く、10μm未満では押しつける際に押し付け治具
に絶縁体層3が付着して粒状結晶半導体2の表面が汚染
され、500μmを越えると従来形の平面板の光電変換
装置で使用される半導体原料の使用量と変わらなくな
り、半導体原料の節約の意味で粒子を適用する利点がな
くなる。
【0030】絶縁体3は、正極負極の分離を行うための
絶縁材料からなるが、例えばSiO 2、B23、Al2
3、CaO、MgO、P25、Li2O、SnO、Pb
O、ZnO、BaO、Bi23等を任意な成分とする主
材料のガラス材料を用いた絶縁材料等がある。絶縁体3
は基板1上に形成したときに、ある程度の固さ又は粘性
が必要であり、押し込まれた粒状結晶半導体2を一時的
に保持する必要がある。そして、基板1と粒状結晶半導
体2の間の接合部6を形成する際の加熱温度で融解して
粒状結晶半導体2を部分的に覆う特性を持つものであ
る。更に、上記加熱温度で絶縁体3が粒状結晶半導体2
と接触している部分で絶縁体3と粒状結晶半導体2の表
面が反応することにより、粒状結晶半導体2のpn接合
部が除去されることにより、粒状結晶半導体2のpn接
合を分離する働きを持つ。このことによって、別途エッ
チング等の手法でpn接合を分離することが不要とな
る。
【0031】導電層4は、Siから成る第二導電形の導
電層及び/又は透明導電層から成る。第二導電形の導電
層で形成する場合、気相成長法等で例えばシラン化合物
の気相にn形を呈するリン系化合物の気相、又はp形を
呈するホウ素系化合物の気相を微量導入して形成する。
膜質としては結晶質、非晶質、または結晶質と非晶質と
の混在のいずれでもよい。また、透明導電層で形成する
場合、スパッタリング法や気相成長法等の成膜方法ある
いは塗布焼成等により形成し、SnO2、In23、I
TO、ZnO、TiO2等から選ばれる1種又は複数の
酸化物系膜を形成する。透明導電層は膜厚を選べば反射
防止膜としての効果も期待できる。なお、導電層4は透
明であることが必要であり、粒状結晶半導体2が無い部
分で入射光の一部が導電層4を透過し、下部の基板1で
反射して粒状結晶半導体2に照射されることで、光電変
換装置全体に照射される光エネルギ−を効率よく粒状結
晶半導体2に照射することが可能となる。
【0032】なお、粒状結晶半導体2表面に直接形成す
る導電層4としては第二導電形の導電層がより望まし
い。
【0033】上記加熱温度で絶縁体3と粒状結晶半導体
2の表面が反応することにより、粒状結晶半導体2のp
n接合部が除去される際に、絶縁体3と粒状結晶半導体
2表面の境に若干の不純物順位等の欠陥部が形成され
る。そして絶縁体3と粒状結晶半導体2表面に透明導電
層を形成すると上記欠陥部と透明導電層との間でいくら
かのリークが発生すると考えられる。一方、絶縁体3と
粒状結晶半導体2表面に第二導電形の導電層4を形成す
ることにより、いくらかのリークが押さえられるためと
考えられる。
【0034】第二導電形の導電層4は、導電性の兼ね合
いから層中の微量元素の濃度は高くても良く、例えば1
E16〜1E21atm/cm3台程度である。更に、
導電層4は粒状結晶半導体2の表面に沿って形成し、粒
状結晶半導体2の凸曲面形状に沿って形成することが望
ましい。粒状結晶半導体2の凸曲面状の表面に沿って形
成することによってpn接合の面積を広く稼ぐことがで
き、粒状結晶半導体2の内部で生成したキャリアを効率
よく収集することが可能となる。
【0035】保護層5は透明誘電体の特性を持つものが
良く、CVD法やPVD法等で例えば酸化珪素、 酸化
セシウム、 酸化アルミニウム、 窒化珪素、 酸化チタ
ン、SiO2-TiO2、 酸化タンタル、酸化イットリウ
ム等を単一組成又は複数組成で単層又は組み合わせて結
晶質と非晶質とが混在する導電層4上に形成する。保護
層5が透明誘電体である必要性は、光の入射面に接して
いるために、透明性が必要であることと、導電層4と外
部との間のリークを防止するためである。なお、保護層
5の膜厚を最適化すれば反射防止膜としての機能も期待
できる。
【0036】なお、直列抵抗値を低くするために、導電
層4又は保護層5の上に一定間隔のフィンガ−やバスバ
−といったパタ−ン電極を設け、変換効率を向上させる
ことも可能である。
【0037】
【実施例】次に、本発明の光電変換装置の実施例を説明
する。
【0038】〔例1〕実施例として以下のようにして作
製した試料1を用いた。なお、その作製フローを実施例
5を例に図2に示す。
【0039】鉄を含む基板1上にアルミニウム層1‘を
50μmの厚みに形成し、その上にペースト状の絶縁低
融点ガラスの絶縁層3を100μmの厚みに形成して8
0℃で乾燥させた(a)。その上に直径250μmの中
心がp形で外郭がn形のシリコン粒子2を密に配置して
押し付け(b)、ガラス層3を排除すると同時にアルミ
ニウム層1'に接触させた(c)。次に、絶縁低融点ガ
ラスの軟化点以上でAlとSiの共晶温度である577
℃を越える温度で加熱し、基板1とp形シリコン粒子2
の間にAlとSiの溶融した合金部を形成して基板1と
シリコン粒子2の間のpn接合部を破壊させた(d)。
【0040】実施例1は、試料1の各シリコン粒子2の
表面をAgペーストで接続したものである。
【0041】実施例2は、試料1上にn形非晶質シリコ
ンの導電層を100nm形成したものである。
【0042】実施例3は、試料1上にn形結晶質シリコ
ンの導電層を400nm形成したものである。
【0043】実施例4は、試料1上にn形結晶質と非晶
質の混晶のシリコンの導電層を300nm形成したもの
である。
【0044】実施例5は、試料1上にn形結晶質と非晶
質の混晶のシリコンの導電層を200nm形成し
(e)、その上に保護層として窒化硅素を400nm形
成した(f)ものである。
【0045】実施例6は、試料1上にn形結晶質と非晶
質の混晶のシリコンの導電層を200nm形成し、その
上に透明導電層としてITOを400nm形成したもの
である。
【0046】実施例7は、試料1上にn形結晶質と非晶
質の混晶のシリコンの導電層を200nm形成し、その
上に透明導電層としてZnOを400nm形成したもの
である。
【0047】実施例8は、試料1上にn形結晶質と非晶
質の混晶のシリコンの導電層を300nm形成し、その
上に透明導電層としてTiを5nm形成したものであ
る。
【0048】実施例9は、試料1上にn形結晶質と非晶
質の混晶のシリコンの導電層を300nm形成し、その
上に透明導電層としてAuを5nm形成したものであ
る。
【0049】実施例10は、試料1上にn形結晶質と非
晶質の混晶のシリコンの導電層を300nm形成し、そ
の上に透明導電層としてPtを5nm形成したものであ
る。
【0050】実施例11は、試料1上に透明導電層とし
てITOを600nm形成したものである。
【0051】実施例12は、試料1上に透明導電層とし
てAuを5nm形成したものである。
【0052】実施例13は、試料1上に透明導電層とし
てITOを400nm形成し、その上に保護層として窒
化硅素を200nm形成したものである。
【0053】実施例14は、試料1上に透明導電層とし
てAuを5nm形成し、その上に透明導電層としてIT
Oを600nm形成したものである。
【0054】実施例15は、試料1上にn形結晶質と非
晶質の混晶のシリコンの導電層を200nm形成し、透
明導電層としてITOを200nm形成し、その上に保
護層として窒化硅素を200nm形成したものである。
【0055】実施例16は、試料1上にn形結晶質と非
晶質の混晶のシリコンの導電層を200nm形成し、透
明導電層としてAuを5nm形成し、その上に保護層と
して窒化硅素を400nm形成したものである。
【0056】比較例1は、加熱温度を567℃(Alと
Siの共晶温度である577℃以下の例)とした以外は
試料1及び実施例1と同ようにして作製した(図3)。
【0057】比較例2の断面図を図5に示す。直径25
0μmのp形のみのシリコン粒子23を使用した以外は
試料1と同ように作製し、シリコン粒子23の絶縁層3
から突出している部分を研磨して平坦にし、研磨したシ
リコン粒子23と絶縁層3の上に実施例5と同ようにし
て、n形結晶質と非晶質の混晶のシリコンの導電層4を
200nm形成し、その上に保護層5として窒化硅素を
400nm形成したものである。
【0058】なお、上記実施例1及び比較例1以外は基
板と導電層から電極7をとった。
【0059】以上のようにして作製した試料(n=5)
に垂直に光を入射させて測定した変換効率の結果を表1
にまとめる。
【0060】
【表1】
【0061】比較例1では、試料作製時にシリコン粒子
の基板からの脱離が著しく変換効率も3.3%と悪かっ
たが、実施例1では脱離の問題もなく変換効率も7.2
%と良かった。両試料のシリコン粒子と基板との接合確
認を行ったが、比較例1では図3に示すようにシリコン
粒子と基板との間で両者の合金部が形成されていないた
めに半数以上のシリコン粒子が基板から浮いており、そ
の他は基板と接触しているだけであった。一方実施例1
のものでは図2に示すように全てのシリコン粒子と基板
との間で両者の合金部が形成されており、合金部を介し
てシリコン粒子と基板が接合していた。このことより、
シリコン粒子と基板との間で両者の合金部を形成して接
合することにより、シリコン粒子の基板からの脱離問題
もなく、変換効率が向上することがわかった。
【0062】実施例2から16及び比較例2について
も、シリコン粒子の脱離問題はなく、各層を更に形成す
ることによって変換効率が向上することがわかった。な
お、実施例11から14のごとく直接透明導電層を形成
するよりは、他の実施例の方が変換効率は向上してい
る。これは、シリコン粒子のpn接合部の一部を絶縁層
で除去した際に、絶縁層とシリコン粒子表面の境に若干
の不純物順位等が形成され、その部分と透明導電層が接
触することによっていくらかのリークが発生したためで
はないかと考えられる。シリコン粒子表面にn形のシリ
コン導電層を形成することによってリークが押さえられ
たものと考えられる。
【0063】最後に、比較例2はシリコン粒子の絶縁層
から突出している部分を研磨して平坦にしたものである
が、垂直入射では実施例5と同等レベルの変換効率が得
られた。そこで、入射光の角度を45度にして実施例1
と比較例4を再度測定した結果を表2に示す。
【0064】
【表2】
【0065】比較例2は平坦面を持っているために入射
光の角度依存性が高く、変換効率の低下が著しいが、実
施例5では曲面を持っているために入射光の角度依存性
が低く、変換効率の低下も小さくて優れている。
【0066】なお、基板として本実施例以外に、図4に
示す様な裏面を酸化させたアルミニウム基板、Cu板に
アルミニウム層50μm形成した基板、及びアルミナ基
板にアルミニウム層50μm形成した基板を用いても本
実施例と同様の結果が得られた。
【0067】これで、本発明の光電変換装置は、透明導
電層がなくても良好な変換効率特性を有する光電変換装
置となることが確認できた。
【0068】
【発明の効果】以上のように、本発明の光電変換装置に
よれば、一方の電極を兼ねる基板上に粒状結晶半導体を
多数配置して接合し、この粒状結晶半導体間に絶縁体を
充填し、この粒状結晶半導体の上部に他方の電極を設け
た光電変換装置において、前記粒状結晶半導体の中心部
が第1導電形から成るとともに外郭が第2導電形から成
り、この粒状結晶半導体における前記基板との接合部周
辺の第2導電形の外郭が、前記絶縁体と前記粒状結晶半
導体の反応によって除去されていることから、電極に穴
を開ける必要がなく、基板と粒状結晶半導体との安定し
た接合が得られ、あらかじめpn接合が形成されている
ことでpn接合形成時の洗浄工程や製造環境の管理を緩
和でき、また粒状結晶半導体がない部分の入射光を利用
することができ、その結果、より安価で、良好な変換効
率を達成することがでる。
【0069】また、本発明の光電変換装置によれば、形
状の自由度があり、入射する光線角度の依存性が少ない
光電変換装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光電変換装置の実施の形態を示す断面
図である。
【図2】本発明の光電変換装置の作製フローを示す断面
図である。
【図3】比較例1の光電変換装置を示す断面図である。
【図4】本発明の光電変換装置の他の実施の形態を示す
断面図である。
【図5】比較例2の光電変換装置を示す断面図である。
【図6】従来例1の光電変換装置を示す断面図である。
【図7】従来例2の光電変換装置を示す断面図である。
【図8】従来例3の光電変換装置を示す断面図である。
【図9】従来例4の光電変換装置を示す断面図である。
【符号の説明】
1 ・・・・基板 1'・・・・基板導電膜 2 ・・・・中心部が第1導電形で外郭が第2導電形の粒状
結晶半導体 3 ・・・・絶縁体 4 ・・・・導電層 5 ・・・・保護層 6 ・・・・基板と粒状結晶半導体の合金接合部 21 ・・粒状結晶半導体の第1導電形の中心部 22 ・・粒状結晶半導体の第2導電形の外郭
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 有宗 久雄 滋賀県八日市市蛇溝町長谷野1166番地の6 京セラ株式会社滋賀工場八日市ブロック 内 Fターム(参考) 5F051 AA01 AA03 AA04 AA05 BA11 DA20 FA11 GA03

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一方の電極を兼ねる基板上に粒状結晶半
    導体を多数配置して接合し、この粒状結晶半導体間に絶
    縁体を充填し、この粒状結晶半導体の上部に他方の電極
    を設けた光電変換装置において、前記粒状結晶半導体の
    中心部が第1導電形から成るとともに外郭が第2導電形
    から成り、この粒状結晶半導体における前記基板との接
    合部周辺の第2導電形の外郭が、前記絶縁体と前記粒状
    結晶半導体の反応によって除去されていることを特徴と
    する光電変換装置。
  2. 【請求項2】 前記基板と前記粒状結晶半導体は両者の
    溶融した合金部によって接合されていることを特徴とす
    る請求項1に記載の光電変換装置。
  3. 【請求項3】 前記粒状結晶半導体上から前記絶縁体上
    にかけてSiから成る第2導電形の導電層を形成したこ
    とを特徴とする請求項1に記載の光電変換装置。
  4. 【請求項4】 前記粒状結晶半導体上から前記絶縁体上
    にかけて透明導電層を形成したことを特徴とする請求項
    1に記載の光電変換装置。
  5. 【請求項5】 前記粒状結晶半導体上から前記絶縁体上
    にかけてSiから成る第2導電形の導電層と透明導電層
    とを形成したことを特徴とする請求項1に記載の光電変
    換装置。
  6. 【請求項6】 前記粒状結晶半導体における前記第2導
    電形の導電層との接触部が凸曲面状を有していることを
    特徴とする請求項3または請求項5に記載の光電変換装
    置。
  7. 【請求項7】 前記粒状結晶半導体における前記透明導
    電層との接触部が凸曲面状を有していることを特徴とす
    る請求項4に記載の光電変換装置。
  8. 【請求項8】 前記第2導電形の導電層上に保護層を形
    成したことを特徴とする請求項3または請求項6に記載
    の光電変換装置。
  9. 【請求項9】 前記透明導電層上に保護層を形成したこ
    とを特徴とする請求項4、請求項5、または請求項7に
    記載の光電変換装置。
  10. 【請求項10】 前記粒状結晶半導体の平均粒径が10
    μm〜500μmであることを特徴とする請求項1に記
    載の光電変換装置。
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JP2006245134A (ja) * 2005-03-01 2006-09-14 Clean Venture 21:Kk 光電変換装置およびその光電変換素子の製造方法
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