JP2002075360A - 電 池 - Google Patents

電 池

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JP2002075360A
JP2002075360A JP2000260145A JP2000260145A JP2002075360A JP 2002075360 A JP2002075360 A JP 2002075360A JP 2000260145 A JP2000260145 A JP 2000260145A JP 2000260145 A JP2000260145 A JP 2000260145A JP 2002075360 A JP2002075360 A JP 2002075360A
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JP
Japan
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positive electrode
active material
nickel sulfide
battery
electrode mixture
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JP2000260145A
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English (en)
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Kaneyasu Chiyou
金保 趙
Hideki Nishihama
秀樹 西濱
Tatsu Nagai
龍 長井
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Maxell Holdings Ltd
Original Assignee
Hitachi Maxell Ltd
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Publication date
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

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  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 イオウ系の正極活物質を用いて、高容量で、
かつ充放電が可能な電池を提供する。 【解決手段】 正極と、負極と、電解質を有する電池に
おいて、上記正極の活物質として、一般式NiSy (式
中、y≧1.0)で示されるニッケル硫化物を用いる。
上記正極は正極集電体の少なくとも一方の面に正極合剤
層を形成したものであって、上記正極合剤層は一般式N
iSy で示されるニッケル硫化物と導電体とバインダー
を含む正極合剤を薄膜状に形成したものであることが好
ましく、また、その正極合剤層の厚みは5〜200μm
であることが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ニッケル硫化物を
正極活物質とする電池に関するものである。
【0002】
【従来の技術】市場における携帯式電子デバイスの急速
拡大に伴い、その電源として使用される電池の高性能化
への要求がますます強くなり、しかし、その一方で、よ
り環境に優しい電池の開発が求められている。そのよう
な状況の中で、非水二次電池の正極活物質として、低コ
ストで環境負荷が小さく、しかも高容量であるイオウ
(硫黄)やその誘導体に対する期待が高まっている。
【0003】このイオウの二電子反応を電池で利用でき
るならば、理論的には元素イオウは1675mAh/g
という大きなエネルギー密度を有する活物質となる。し
かし、イオウは絶縁性の高い絶縁体であるため、アルカ
リ金属硫化物への還元反応を利用するアルカリ金属−イ
オウ電池では、イオウと反応性を持たない導電助剤を大
量に共存させる必要があり、そのため、実際には低い利
用率しか得られないのが現状である。また、イオウは可
逆性に乏しく、しかも、高温下のイオウやその誘導体は
活性が高いため、電池ケースなどが侵食されるという問
題があり、民生用の小型電池への応用は困難であると言
われている。
【0004】しかし、近年は、400〜1600mAh
という高いエネルギー密度を有する種々の有機イオウ化
合物が二次電池材料として提案され、スコタイム(Sk
otheim)らは室温下でも高い容量を示すイオウ系
非水二次電池を開発したと発表している(特表平11−
514128号公報、米国特許第5,441,831号
明細書など)。しかし、これらの有機イオウ化合物は、
主としてSw (wは3以上)セグメントを有していて、
充放電の繰り返しに伴いイオウが分子から切断されて電
解液中に溶解し、電極の安定性を欠く要因となり、現状
では実用化が困難である。
【0005】一方、従来から、無機イオウ化合物、例え
ば、硫化銅、硫化鉄、二硫化鉄などが一次電池の正極活
物質として使用されている。しかし、これらの無機イオ
ウ化合物は、従来、成形体にし、正極として使用されて
いるが、充放電の繰り返しにより崩れやすく、二次電池
では実用化に至っていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な従来のイオウ系正極活物質に関する問題点を解決し、
イオウ系で充放電が可能な正極活物質を見出し、高容量
で、かつ充放電が可能な電池を提供することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、一般式NiS
y (式中、y≧1.0)で示されるニッケル硫化物を正
極活物質として用いることにより、上記課題を解決した
ものである。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明において、正極活物質とし
て用いるニッケル硫化物は、一般式NiSy(式中、y
≧1.0)で示される化合物であり、yは1以上の数
で、それ以外は特に要求されないが、yが大きくなりす
ぎると電解液にイオウ(S)のセグメントが溶出しやす
くなり、また、yが小さすぎるとサイクル特性が低下す
る傾向があることから、一般式NiSy で示されるニッ
ケル硫化物としては、y=1〜10の範囲内のものが好
ましく、y=1〜5の範囲内のものがより好ましく、y
=1〜3の範囲内のものがさらに好ましい。この一般式
NiSy で示されるニッケル硫化物は主として粉体で、
そのサイズは特に要求されないが、0.1〜10μmが
好ましい。
【0009】正極は、例えば、上記一般式NiSy で示
されるニッケル硫化物に、必要に応じて、粉状または繊
維状の導電体、バインダーなどを加えて混合した正極合
剤を溶剤に分散させて正極合剤含有ペーストを調製し
(バインダーはあらかじめ溶剤に溶解させておいてから
正極活物質である一般式NiSy で示されるニッケル硫
化物などと混合してもよい)、得られた正極合剤含有ペ
ーストをアルミニウム箔などの正極集電体に塗布し、乾
燥して正極合剤層を形成し、必要に応じて、加圧成形す
る工程を経ることによって作製される。ただし、正極の
作製方法は、上記例示の方法に限られることなく、他の
方法によってもよい。もとより、正極合剤中には上記一
般式NiSy で示されるニッケル硫化物、導電体、バイ
ンダー以外のものも含有させることができる。
【0010】しかし、上記のように、正極合剤を一旦ペ
ーストにし、その正極合剤含有ペーストを正極集電体に
塗布し、乾燥して正極合剤層を形成し、加圧成形する工
程を経て正極を作製する場合は、正極合剤層を薄膜状に
形成することができ、一般式NiSyで示されるニッケ
ル硫化物の特性をより好適に発揮させることができる。
【0011】上記正極合剤層の厚みとしては、5μm以
上が好ましく、10μm以上がより好ましく、また、2
00μm以下が好ましく、100μm以下がより好まし
い。つまり、正極合剤層の厚みを5μm以上にすること
によって、一般式NiSyで示されるニッケル硫化物の
有する高容量でかつ充放電が可能であるという優れた特
性を適正に発揮させることができ、また、200μm以
下にすることによって高い放電容量を確保することがで
きる。
【0012】上記導電体としては、例えば、黒鉛、カー
ボンブラックのような炭素材料や導電性ポリマーなどが
好適に用いられ、上記導電性ポリマーとしては、例え
ば、ポリアセン、ポリアセチレン、ポリアニリン、ポリ
ピロールなどのような共役構造を有するポリマーやそれ
らのメチル、ブチル、ベンジルなどの側鎖を有する誘導
体などが好適に用いられる。そして、上記のバインダー
としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン、無定形ポリ
エーテル、ポリアクリルアミド、セルロースのような殿
粉または糖の誘導体、ゴム系のラテックス、溶媒に溶解
性を有するポリアニリン、ポリピロールまたはそれらの
化合物のコポリマーまたは架橋により形成される化合物
などが挙げられ、これらのバインダーは、正極活物質に
対して化学的に安定でかつ強い接着力を有する高分子化
合物であることが好ましい。
【0013】正極合剤中における一般式NiSyで示さ
れるニッケル硫化物、導電体、バインダーの組成は、一
般式NiSyで示されるニッケル硫化物が50〜95重
量%、導電体が1〜40重量%、バインダーが1〜30
重量%が好ましい。上記のように一般式NiSyで示さ
れるニッケル硫化物は、正極合剤中で50〜95重量%
が好ましいが、これは一般式NiSyで示されるニッケ
ル硫化物を50重量%以上にして高容量を確保し、95
重量%以下にすることによって一般式NiSyで示され
るニッケル硫化物の利用率を高く保つためであり、この
一般式NiSyで示されるニッケル硫化物の正極合剤中
の含有量としては、70〜90重量%がより好ましく、
80〜90重量%がさらに好ましい。
【0014】また、導電体の正極合剤中の含有量は、1
〜40重量%が好ましいが、この導電体は必要な導電性
が確保することができれば、少ない方が高容量化を図る
上で好ましく、1〜15重量%がより好ましい。
【0015】上記正極集電体としては、例えば、アルミ
ニウム、ニッケル、銅、ステンレス鋼などの金属の箔、
パンチドメタル、エキスパンドメタル、網などを用い得
るが、特にアルミニウム箔が好ましい。
【0016】負極の活物質としては、例えば、リチウ
ム、ナトリウムなどのアルカリ金属、カルシウム、マグ
ネシウムなどのアルカリ土類金属、それらとアルミニウ
ムなどの合金、黒鉛、熱分解炭素類、コークス類、ガラ
ス状炭素類、有機高分子化合物の焼成体、メソカーボン
マイクロビーズ、炭素繊維、活性炭、グラファイトなど
の炭素質材料、スズ(錫)またはケイ素(珪素)を含む
酸化物、リチウムコバルトの窒素化合物、ポリアセン、
ポリアセチレン、ポリアニリン、ポリチオフィン、ポリ
ピロールなどのような共役構造を有するポリマーやそれ
らのメチル、ブチル、ベンジルなどの側鎖を有する誘導
体などからなる導電性ポリマーなどを用いることがで
き、特にリチウム、リチウム合金、リチウムイオンをド
ープ・脱ドープすることができる炭素質材料などが好ま
しい。
【0017】負極の作製方法は、用いる負極活物質の種
類によって次の2つに大別される。例えば、負極活物質
として金属や合金を用いる場合、金網、エキスパンドメ
チル、パンチングメタルなどの金属多孔体からなる負極
集電体に負極活物質の金属や合金を圧着して負極を作製
する方法が採用される。また、負極活物質として炭素質
材料などを用いる場合は、上記炭素質材料などからなる
負極活物質に、必要に応じて、正極の場合と同様のバイ
ンダーなどを加え、混合して負極合剤を調製し、それを
溶剤に分散させてペーストにし(バインダーはあらかじ
め溶剤に溶解させておいてから負極活物質などと混合し
てもよい)、得られた負極合剤含有ペーストをニッケル
箔や銅箔などからなる負極集電体に塗布し、乾燥して負
極合剤層を形成し、必要に応じて加圧成形する工程を経
ることによって作製される。ただし、負極の作製方法
は、上記例示の方法に限られることなく、他の方法によ
ってもよい。
【0018】電解質としては、液状電解質(以下、「電
解液」という)やゲルポリマー電解質などが好適に用い
られる。
【0019】上記電解質として、まず、電解液から説明
すると、電解液は溶媒成分にリチウム塩などの電解質塩
を溶解させることによって構成される。
【0020】電解液の溶媒成分としては、エーテル、エ
ステル、カーボネート類などが好適に用いられる。特に
誘電率の高いエステル(誘電率30以上)を混合して用
いることが好ましい。このような誘電率の高いエステル
としては、例えば、エチレンカーボネート、プロピレン
カーボネート、ブチレンカーボネート、γ−ブチロラク
トンやエチレングリコールサルファイトなどのイオウ系
エステルなどが挙げられ、特に環状のエステルが好まし
く、とりわけエチレンカーボネートなどの環状カーボネ
ートが好ましい。
【0021】また、溶媒成分としては、上記溶媒以外に
も、例えば、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネ
ート、メチルエチルカーボネート、プロピオン酸メチル
などの鎖状のアルキルエステル類やリン酸トリメチルな
どの鎖状リン酸トリエステルなどを用いることができ、
そのほか、1,2−ジメトキシエタン、1,3−ジオキ
ソラン、テトラヒドロフラン、2−メチル−テトラヒド
ロフラン、ジエチルエーテルなども用いることができ
る。さらに、アミン系またはイミド系有機溶媒やスルホ
ランなどのイオウ系有機溶媒なども用いることができ
る。
【0022】また、添加剤としてC=C不飽和結合を有
する化合物を電解液中に添加すると、高容量化を図るた
めに負極合剤層を高密度に形成した場合でもサイクル特
性の低下を抑制できるので好ましい。このようなC=C
不飽和結合を有する化合物としては、特にフッ素化され
た化合物が好ましく、さらにエステル結合を有するもの
がより好ましく、その好適な具体例としては、例えば、
H(CF2 4 CH2OOCCH=CH2 、F(C
2 8 CH2 CH2 OOCCH=CH2 などのC=C
不飽和結合を有するエステルが挙げられる。
【0023】上記溶媒成分に溶解させる電解質塩として
は、リチウム、ナトリウムなどのアルカリ金属やマグネ
シウムなどのアルカリ土類金属のハロゲン塩または過塩
素酸塩、トリフロロメタンスルホン酸塩を代表とする含
フッ素化合物の塩などが好適に用いられる。このような
電解質塩の具体例としては、例えば、LiF、LiC
l、LiClO4 、Mg(ClO4 2 、LiPF6
LiBF4 、LiAsF 6 、LiSbF6 、LiCF3
SO3 、LiC4 9 SO3 、LiCF3 CO2、Li
2 2 4 (SO3 2 、LiN(RfSO2 )(R
f′SO2 )、LiN(RfOSO2 )(Rf′OSO
2 )、LiC(RfSO2 3 、LiCn 2n+1SO3
(n≧2)、LiN(RfOSO2 2 〔ここでRfと
Rf′はフルオロアルキル基〕などが挙げられ、これら
はそれぞれ単独でまたは2種以上混合して用いることが
できる。そして、この電解質塩としては、特に炭素数2
以上の含フッ素有機リチウム塩が好ましい。つまり、上
記含フッ素有機リチウム塩はアニオン性が大きく、かつ
イオン分離しやすいので上記溶媒成分に溶解しやすいか
らである。電解液中における電解質塩の濃度は、特に限
定されるものではないが、0.3mol/l以上が好ま
しく、0.4mol/l以上がより好ましく、また、
1.7mol/l以下が好ましく、1.5mol/l以
下がより好ましい。
【0024】ゲルポリマー電解質は、上記電解液をゲル
化剤でゲル化したものに相当する。そのゲル化にあたっ
ては、例えば、ポリエチレンオキサイド、ポリアクリル
ニトリルなどの直鎖状ポリマーまたはそれらのコポリマ
ー、紫外線や電子線などの活性光線の照射によりポリマ
ー化する多官能モノマー(例えば、ペンタエリスリトー
ルテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテト
ラアクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテト
ラアクリレート、ジペンタエリスリトールヒドロキシペ
ンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアク
リレートなどの四官能以上のアクリレートおよび上記ア
クリレートと同様の四官能以上のメタクリレートなど)
やアミン化合物の活性水素とウレタンのイソシアネート
基との反応を利用してポリマー化するモノマーなどが用
いられる。ただし、モノマーの場合、該モノマーがその
ままでゲル化剤になるのではなく、それらをポリマー化
したポリマーがゲル化剤として作用する。特にこのゲル
ポリマー電解質としては、上記のようにアミン化合物の
活性水素とウレタンのイソシアネート基との反応を利用
してポリマー化したウレア構造を有するポリマーと電解
質塩および非水溶媒で構成されるゲルポリマー電解質が
好適に用いられる。
【0025】
【実施例】つぎに、実施例を挙げて本発明をより具体的
に説明する。ただし、本発明はそれらの実施例のみに限
定されるものではない。なお、以下の実施例において、
溶液または分散液の濃度を示す%や組成などを示す%は
特にその基準を付記しないかぎり重量%を表している。
【0026】実施例1 正極活物質として、一般式NiSy においてy=1に相
当する硫化ニッケル(NiS)を用い、この硫化ニッケ
ル15gとグラファイト2.7gとアセチレンブラック
0.3gを混合容器に入れ、乾式で10分間混合してか
ら15mlのN−メチル−2−ピロリドンを添加して3
0分間混練した。ついでポリフッ化ビニリデンを12%
含有するN−メチル−2−ピロリドン溶液16.7gを
加えてさらに1時間混練して正極合剤含有ペーストを調
製した。
【0027】得られた正極合剤含有ペーストを厚さ20
μmのアルミニウム箔(サイズ:250mm×220m
m)からなる正極集電体に塗布し、100℃のホットプ
レートの上で10分間乾燥したのち、さらに120℃で
10時間真空乾燥してN−メチル−2−ピロリドンを除
去して正極合剤層を形成した後、常温で加圧成形して、
正極合剤層の厚みを20μmに調整して正極とした。
【0028】負極は、アルゴンガス雰囲気中で厚さ10
0μmの金属リチウム箔をニッケル網(サイズ:250
mm×220mm)上に載せてローラーで加圧して、金
属リチウム箔をニッケル網に圧着することによって作製
した。
【0029】電解液は、エチレンカーボネートとメチル
エチルカーボネートとの体積比1:2の混合溶媒に、L
iPF6 を1.2mol/l溶解させた溶液を用いた。
【0030】そして、上記正極と負極を厚さ25μmの
微孔性ポリエチレンフィルムからなるセパレータを介し
てアルゴンガス雰囲気中で積層し、その積層電極体をナ
イロンフィルム−アルミニウム箔−変性ポリオレフィン
樹脂フィルムの三層ラミネートフィルムからなる一対の
包装体に入れ、上記の電解液を注入した後、正極および
負極からそれぞれ端子を引き出した状態で密閉して図1
に示す非水二次電池を作製した。
【0031】ここで、図1に示す非水二次電池について
説明すると、正極1はアルミニウム箔からなる正極集電
体1aの一方の面に硫化ニッケル(NiS)を活物質と
する正極合剤層1bを形成してなり、負極2はニッケル
網からなる負極集電体2aの一方の面に金属リチウム箔
2bを圧着してなり、これらの正極1と負極2は微孔性
ポリエチレンフィルムからなるセパレータ3を介して積
層され、ナイロンフィルム−アルミニウム箔−変性ポリ
オレフィン樹脂フィルムの三層ラミネートフィルムから
なる一対の包装体4、4内に収容され、また、その包装
体4、4内には前記の電解液が注入され、正極1からは
正極端子5を引き出し、負極2からは負極端子6を引き
出した状態で密閉して非水二次電池が構成されている。
【0032】これをさらに詳しく説明すると、前記正極
1と負極2との積層にあたっては、正極1の正極合剤層
1bと負極2の金属リチウム箔2bとがセパレータ3を
介して対向するようにして積層され、ナイロンフィルム
−アルミニウム箔−変性ポリオレフィン樹脂フィルムの
三層ラミネートフィルムからなる2枚の包装体4、4
は、それらの変性ポリオレフィン樹脂フィルムが互いに
向き合うように配置され、その接合部が熱融着されて電
池内部が密閉状態になるようにしている。そして、正極
端子5の一方の端部は正極集電体1aに接続され、他方
の端部は包装体4、4の接合部の一部を通って電池外部
に引き出され、負極端子6の一方の端部は負極集電体2
aに接続され、他方の端部は包装体4、4の接合部の一
部を通って電池外部に引き出されている。なお、この図
1は実施例1の非水二次電池を模式的に示したものであ
り、各部材の厚みの比率などは必ずしも正確ではない。
【0033】上記実施例1の電池を正極活物質1g当た
り60、120、240、600mAに相当する電流値
で充放電を行い(放電の終止電圧は1.0V)、これを
5サイクル繰り返し、その放電容量を測定し、正極活物
質の単位重量当たりの放電容量を調べた。その結果を表
1に示す。ただし、表1では1サイクル目の放電容量を
初期容量とし、また、5サイクル目の放電容量を5サイ
クル目の容量として示している。
【0034】
【表1】
【0035】表1に示すように、実施例1の電池は、正
極活物質1g当たりの電流値が60mA、120mA、
240mA、600mAのいずれにおいても、初期容量
が高く、高容量であり、また、5サイクル目の容量も高
く、600mA/gという大電流で充放電を繰り返して
も容量の劣化は少なかった。
【0036】比較例1 硫化ニッケル(NiS)に代えて硫化銅(CuS)を活
物質として用いた以外は、実施例1と同様に正極を作製
し、その正極を用いた以外は、実施例1と同様に非水二
次電池を作製した。
【0037】この比較例1の電池を実施例1と同様の条
件下で充放電して、1サイクル目と5サイクル目の放電
容量を測定した。その結果を表2に実施例1の場合と同
様の表示方法で示す。
【0038】
【表2】
【0039】表2に示すように、この比較例1の電池
は、初期容量は530mAh/g以上で高容量であるも
のの、表1にその測定結果を示す実施例1の電池に比べ
て、5サイクル目の容量が小さく、二次電池としての適
性を欠いていた。
【0040】実施例2〜6 正極合剤層の厚みを5μm、50μm、100μm、2
00μmに変更した以外は実施例1と同様に正極を作製
し、それらの正極を用いた以外は実施例1と同様に非水
二次電池を作製した。
【0041】この実施例2〜6の電池を正極活物質1g
当たり120mAに相当する電流値で充放電を行い(放
電の終止電圧は1.0V)、この充放電を5サイクル繰
り返し、その1サイクル目の放電容量と5サイクル目の
放電容量を測定した。その結果を表3に実施例1の場合
と同様の表示方法で示す。
【0042】
【表3】
【0043】表3に示すように、実施例2〜6の電池
は、いずれも、高い初期容量を有し、かつ5サイクル目
の容量も高く、正極合剤層が200μmまで厚くなって
も正極活物質の利用率に大きな低下が認められず、高容
量が得られることを示していた。
【0044】実施例7 硫化ニッケル15gとグラファイト2.7gとアセチレ
ンブラック0.3gとカルボキシメチルセルロース0.
8gを混合容器に入れ、乾式で10分間混合してから、
15mlの純水を添加して30分間混練した。ついで固
形分60%のポリテトラフルオロエチレン分散液2.0
gを加えてさらに1時間混練して正極合剤含有ペースト
を調製した。この正極合剤含有ペーストを用いた以外は
実施例1と同様に正極を作製し、その正極を用いた以外
は実施例1と同様に非水二次電池を作製した。
【0045】この実施例7の電池を正極活物質1g当た
り120mAに相当する電流値で充放電を行ない(放電
の終止電圧は1.0V)、5サイクル目の放電容量を測
定し、それより正極活物質単位重量当たりの放電容量を
求めたところ、583mAh/gと高容量であった。
【0046】実施例8〜12 この実施例8〜12では、一般式NiSy で示されるニ
ッケル硫化物のy値の異なるものを合成し、それらの正
極活物質としての特性を評価する。
【0047】一般式NiSで示されるニッケル硫化物の
合成:硫化ナトリウムの九水和物(Na2 S・9H
2 O)60gを重量比1:1で混合したエタノールと純
水との混合溶剤100gに溶解させ、これに10gの元
素イオウを添加して室温下で2時間反応させた。溶剤を
真空中により除去した後、残留物をDMF(N,N′−
ジメチルホルムアミド)250mlに溶解させ、硝酸ニ
ッケルの水和物〔Ni(NO3 2 ・6H2 O〕73g
を加え、室温下で1時間反応させた。これに純水100
gを加えて沈殿させてから、遠心分離して、ニッケル硫
化物の沈殿物を得た。
【0048】その後、水、アセトン、メタノールで順に
洗浄して40℃で一晩真空乾燥し、茶色の固体化合物3
6gを得た。
【0049】得られた化合物について元素分析を行い、
その組成を求めたところNiS2.1であった。同様に元
素イオウとニッケル硝酸塩のモル比を変えながら、yが
1.0、2.6、3.0、5.0のニッケル硫化物を合
成した。
【0050】上記ニッケル硫化物を用い、実施例1の正
極合剤の配合において、ニッケル硫化物を75%、ポリ
フッ化ビニリデンを10%に、グラファイトとアセチレ
ンブラックを15%にし、ニッケル硫化物の種類を表5
に示すように変えた以外は実施例1と同様に正極を作製
し、その正極を用いた以外は実施例1と同様に非水二次
電池を作製した。
【0051】この実施例8〜12の電池を正極活物質1
g当たり120mAに相当する電流値で充放電を行い
(放電の終止電圧は1.0V)、1サイクル目の放電容
量と5サイクル目の放電容量を測定した。その結果を表
4に実施例1の場合と同様の表示方法で示す。
【0052】
【表4】
【0053】表4に示す結果から明らかなように、実施
例8〜12の電池は、いずれも高容量で、かつ充放電が
可能であった。また、一般式NiSy のy値が1〜3の
範囲内にある実施例8〜11は特に良好な特性を有して
いた。
【0054】実施例13〜18 実施例1の正極合剤の配合において、ポリフッ化ビニリ
デンを10%に、グラファイトとアセチレンブラックの
重量比を9:1にして、このグラファイトとアセチレン
ブラックで構成される導電体と正極活物質の硫化ニッケ
ル(NiS)の正極合剤中の含有量を導電体の含有量が
表5に示す値になるように変え、それ以外は実施例1と
同様に正極を作製し、その正極を用いた以外は実施例1
と同様に非水二次電池を作製した。
【0055】この実施例13〜18を電池をそれぞれ正
極活物質1g当たり120mAに相当する電流値で充放
電を行い(放電の終止電圧は1.0V)、その1サイク
ル目と5サイクル目の正極活物質単位重量当たりの放電
容量を調べて、その結果を表5に実施例1の場合と同様
の表示方法で示す。
【0056】
【表5】
【0057】ちなみに、導電体をまったく配合しなかっ
た場合の初期容量は308mAh/gで、5サイクル目
の容量は272mAh/gであり、これに比べると、導
電体を配合した実施例13〜18の電池は、初期容量、
5サイクル目の容量とも高かった。また、正極合剤中の
導電体の含有量を40%まで高めても正極活物質1g当
たりの容量の大きな低下は認められないものの、正極合
剤中の導電体の含有量が多くなると、そのぶん正極活物
質の含有量が低下して電池としての容量が低下するた
め、導電体は正極合剤中に5〜15%前後添加するのが
より好ましいと考えられる。
【0058】上記の実施例では、5サイクル目の放電容
量を調べるなど、一般式NiSy で示されるニッケル硫
化物を二次電池の正極活物質として評価して充放電が可
能であることを示したが、上記一般式で示されるニッケ
ル硫化物は、一次電池の正極活物質としても用いること
が可能であり、その場合には高容量の電池が得られる。
【0059】
【発明の効果】以上説明したように、本発明では、高容
量で、かつ充放電が可能な電池を提供することができ
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る非水二次電池の一例を模式的に示
す断面図である。
【符号の説明】
1 正極 1a 正極集電体 1b 正極合剤層 2 負極 2a 負極集電体 2b 金属リチウム箔 3 セパレータ 4 包装体 5 正極端子 6 負極端子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 長井 龍 大阪府茨木市丑寅一丁目1番88号 日立マ クセル株式会社内 Fターム(参考) 5H029 AJ03 AJ05 AK05 AL12 AM03 AM05 AM07 HJ01 HJ02 HJ04 5H050 AA07 AA08 BA15 CA11 CB12 HA01 HA02 HA04

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式NiSy (式中、y≧1.0)で
    示されるニッケル硫化物を活物質とする正極と、負極
    と、電解質を有することを特徴とする電池。
  2. 【請求項2】 正極が正極集電体の少なくとも一方の面
    に正極合剤層を形成してなり、上記正極合剤層が一般式
    NiSy で示されるニッケル硫化物と導電体とバインダ
    ーを含む正極合剤を薄膜状に形成したものである請求項
    1記載の電池。
  3. 【請求項3】 正極合剤中の各成分の組成が、一般式N
    iSy で示されるニッケル硫化物は50〜95重量%
    で、導電体は1〜40重量%で、バインダーは1〜30
    重量%である請求項2記載の電池。
  4. 【請求項4】 正極合剤層の厚みが5〜200μmであ
    る請求項2記載の電池。
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