JP2002074762A - 光ディスクの貼り合わせ方法及びその装置 - Google Patents

光ディスクの貼り合わせ方法及びその装置

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JP2002074762A
JP2002074762A JP2000264158A JP2000264158A JP2002074762A JP 2002074762 A JP2002074762 A JP 2002074762A JP 2000264158 A JP2000264158 A JP 2000264158A JP 2000264158 A JP2000264158 A JP 2000264158A JP 2002074762 A JP2002074762 A JP 2002074762A
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disk substrate
adhesive
disk
peripheral portion
outer peripheral
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English (en)
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Noboru Murayama
昇 村山
Shinji Kobayashi
慎司 小林
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 2枚のディスク基板を接着剤を介して貼り合
わせるとき、接着剤の中への空気の混入を防止する。 【解決手段】 貼り合わせ面6aに接着剤8を円環状に
塗布した第1ディスク基板6を回転させ、円環状に塗布
された接着剤8の外周側上面部にリング状の盛り上がり
部8aを形成する。第1ディスク基板6と第2ディスク
基板7とを貼り合わせるとき、第2ディスク基板7が最
初に接着剤8と接触する領域、所謂、ファーストタッチ
ダウン領域を狭くすることができ、これにより、第1デ
ィスク基板6と第2ディスク基板7とを接着剤8を介し
て貼り合わせるときにおける接着剤8の中への空気の混
入が著しく少なくなり、接着剤8中への空気の混入防止
を有効に行える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、2枚のディスク基
板を貼りあわせることにより製造するDVDなどの光デ
ィスクの貼り合わせ方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、2枚のディスク基板(第1ディス
ク基板と第2ディスク基板)を接着剤で貼り合わせるこ
とにより製造した大記憶容量の光ディスク(例えば、D
VD)が普及しており、2枚のディスク基板を貼り合わ
せる接着剤としては、紫外線硬化樹脂接着剤(ラジカル
重合であるかカチオン重合であるかを問わない)が用い
られている。そして、このような接着剤を一方又は両方
のディスク基板の貼り合わせ面に塗布して2枚のディス
ク基板を貼り合わせ、その後、紫外線を照射して接着剤
を硬化させることにより光ディスクを製造している。
【0003】ここで、接着剤による2枚のディスク基板
の貼り合わせ時の様子を図4に基づいて説明する。一方
のディスク基板(第1ディスク基板)1を貼り合わせ面
1aを上向きにして配置し、この貼り合わせ面1aに円
環状に接着剤2を塗布し、貼り合わせる面3aを下向き
として他方のディスク基板(第2ディスク基板)3を上
方から下降させ、第1ディスク基板1と第2ディスク基
板3とを接着剤2を介して貼り合わせる。
【0004】なお、第1ディスク基板1の貼りあわせ面
1aに接着剤2を円環状に塗布するときには、回転テー
ブル(図示せず)上に載置固定した第1ディスク基板1
を回転テーブルと共に垂線回りに回転させながら行う。
また、第2ディスク基板2を下降させて第1ディスク基
板1に貼り合わせるときには、第1ディスク基板1の回
転を停止させた状態で行う。
【0005】第1ディスク基板1と第2ディスク基板2
との貼り合わせ時において、第2ディスク基板3が最初
に接着剤2に接触する領域、所謂、ファーストタッチダ
ウン領域は図4(b)に示す“a”であり、そのファー
ストタッチダウン領域“a”が広い。そして、このファ
ーストタッチダウン領域“a”が広くなることにより、
ファーストタッチダウン時において接着剤2の中に空気
が混入されやすくなる。
【0006】接着剤の中に空気が混入されると、この接
着剤を硬化させるときに空気が膨張し、第1ディスク基
板1と第2ディスク基板3とが剥がれ易くなったり、第
1ディスク基板1又は第2ディスク基板3が変形して光
ディスクの記憶性能が低下したり、空気中に含まれる水
分によって記憶領域が腐食したりする。
【0007】このため、2枚のディスク基板1,3の貼
り合わせ時には、接着剤2の中に空気が含まれないよう
にする様々な工夫が施されている。
【0008】2枚のディスク基板1,3の貼り合わせ時
に接着剤2の中に空気が混入されないようにした光ディ
スクの貼り合わせ方法、貼り合わせ装置の発明として
は、特開平9−293282号公報、特開平11−66
645号公報、特開平9−63127号公報等に記載さ
れたものが知られている。
【0009】特開平9−293282号公報に記載され
た発明は、図4において説明したファーストタッチダウ
ン領域が広くなると接着剤の中に空気が混入されやすく
なるという観点から、このファーストタッチダウン領域
を狭くするため、接着剤を塗布するときにファーストタ
ッチダウン領域が狭くなるように接着剤を塗布してい
る。具体的には、接着剤の塗布を2段階に行っている。
【0010】特開平11−66645号公報に記載され
た発明は、一方のディスク基板の貼り合わせ面に接着剤
を円環状に塗布し、他方のディスク基板を一方のディス
ク基板に貼り合わせるときに、他方のディスク基板が円
環状の接着剤に接触する前に、2枚のディスク基板と円
環状の接着剤とに囲まれた接着剤より内側の空間(内側
空間)の圧力をその接着剤の外側の空間(外側空間)の
圧力よりも低くし、この圧力差で接着剤を吸引して接着
剤を他方のディスク基板に接着させるようにしている。
【0011】特開平9−63127号公報に記載された
発明は、2枚のディスク基板を接着剤を介して貼り合わ
せたとき、2枚のディスク基板に回転速度差が生ずるよ
うに少なくとも一方のディスク基板を回転させることに
より、円環状に塗布した接着剤を2枚のディスク基板の
間で空気の混入を防止しつつ広げて接着剤層を形成する
ようにしたものである。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述した各発
明にはそれぞれ以下に示すような問題がある。
【0013】特開平9−293292号公報に記載され
た発明によれば、ファーストタッチダウン領域を狭くす
ることにより、2枚のディスク基板の貼り合わせ時にお
ける接着剤への空気の混入が防止されるようになる。し
かし、塗布した接着剤の形状が、ファーストタッチダウ
ン領域が狭くなるように維持されている短時間のうちに
2枚のディスク基板を貼り合わせなければならず、ま
た、接着剤の粘度や周囲の温度条件によってファースト
タッチダウン領域が狭くなるように接着剤が維持される
時間が変化する。このため、接着剤への空気の混入防止
を安定して行うことは難しい。
【0014】特開平11−66645号公報に記載され
た発明によれば、一方のディスク基板に円環状に塗布し
た接着剤を光ディスクの中心穴側から吸引力を作用させ
ることにより他方のディスク基板に接着させるため、接
着剤が光ディスクの中心穴側へ漏れ出しを生じ易い。ま
た、吸引力の作用時において、外側空間内の空気が他方
のディスク基板に接着した接着層に孔を空けて内側空間
側へ吸引されることがあり、このときに、接着剤への空
気の混入が生じやすい。
【0015】特開平9−63127号公報に記載された
発明によれば、2枚のディスク基板を貼り合わせる時に
接着剤の中への空気の混入を防止するのではなく、接着
剤の中に混入した空気を押し出して排出するという発明
であり、ディスク基板自体がもつうねりや反り等の表面
特性の影響を受けやすく、接着剤の中に一旦混入した空
気の残留量のばらつきが大きくなる。
【0016】そこで本発明は、2枚のディスク基板を接
着剤を介して貼り合わせるとき、接着剤の中への空気の
混入を防止することができる光ディスクの貼り合わせ方
法を提供することを目的とする。
【0017】また本発明は、2枚のディスク基板を接着
剤を介して貼り合わせるとき、接着剤の中への空気の混
入を防止することができる光ディスクの貼り合わせ装置
を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
第1ディスク基板と第2ディスク基板とを接着剤を介し
て貼り合わせる光ディスクの貼り合わせ方法において、
貼り合わせ面に円環状に前記接着剤が塗布された前記第
1ディスク基板を前記貼り合わせ面を上向きとして垂線
回りに回転させ、その回転に伴う遠心力で円環状に塗布
された前記接着剤の外周側上面部にリング状の盛り上が
り部を形成する工程と、前記盛り上がり部が形成された
前記接着剤の上から前記第2ディスク基板を貼り合わせ
る工程と、を有する。
【0019】したがって、貼り合わせ面に接着剤を円環
状に塗布した第1ディスク基板を回転させ、円環状に塗
布された接着剤の外周側上面部にリング状の盛り上がり
部を形成することにより、第1ディスク基板と第2ディ
スク基板とを貼り合わせるとき、第2ディスク基板が最
初に接着剤と接触する領域、所謂、ファーストタッチダ
ウン領域が狭くなる。これにより、第1ディスク基板と
第2ディスク基板とを接着剤を介して貼り合わせるとき
における接着剤の中への空気の混入が著しく少なくな
り、接着剤中への空気の混入防止を有効に行える。
【0020】請求項2記載の発明は、請求項1記載の光
ディスクの貼り合わせ方法において、前記第2ディスク
基板を貼り合わせる工程において、前記第2ディスク基
板を前記第1ディスク基板と同期した回転速度で回転さ
せるようにした。
【0021】したがって、第2ディスク基板の貼り合わ
せ面が接着剤に接触したとき、接着剤の内部で急激な剪
断力の変化が発生せず、盛り上がり部の形を崩すことな
く第1ディスク基板と第2ディスク基板との貼り合わせ
をスムーズに行える。
【0022】請求項3記載の発明は、請求項1又は2記
載の光ディスクの貼り合わせ方法において、前記第1デ
ィスク基板を、外周部が内周部より下がった状態で保持
するようにした。
【0023】第1ディスク基板と第2ディスク基板とを
貼り合わせる場合において、第1ディスク基板が水平状
態に保持されていると、第2基板を第1基板に貼り合わ
せるときに第2基板の外周部が自重により下方に撓んだ
ときに、第2ディスク基板が最初に接着剤と接触する前
後のタイミングで第2ディスク基板の外周部が第1ディ
スク基板の外周部に接触し、第1ディスク基板の外周側
と第2ディスク基板の外周側と円環状の接着剤とに囲ま
れた部分に軽度の密閉空間が生ずることがある。このよ
うな密閉空間が生ずると、第1ディスク基板と第2ディ
スク基板との間の接着剤が押し延ばされて接着剤層が形
成されるとき、密閉空間内の空気の圧力が接着剤層の形
成の妨げとなり、また、その密閉空間内の空気が接着剤
の中に混入しやすくなる。しかし、前記第1ディスク基
板の外周部が内周部より下がった状態で保持されている
ことにより、第2ディスク基板が最初に接着剤と接触す
る前後のタイミングで第2ディスク基板の外周部が第1
ディスク基板の外周部に接触するということが防止さ
れ、そのような接触によって、第1ディスク基板の外周
側と第2ディスク基板の外周側と円環状の接着剤とに囲
まれた部分に密閉空間が生ずるということが防止され
る。このため、密閉空間が生ずることによる不都合の発
生、例えば、密閉空間内の空気の圧力によって接着剤層
の形成が妨げられることや、密閉空間内の空気が接着剤
の中に混入することが防止される。
【0024】請求項4記載の発明は、請求項3記載の光
ディスクの貼り合わせ方法において、内周部に対する外
周部の下がり量を調節可能とした。
【0025】したがって、第1ディスク基板の内周部に
対する外周部の下がり量を調節することにより、第2デ
ィスク基板の厚さ寸法の違いなどにより第2ディスク基
板の撓み量が異なる場合であっても、第1ディスク基板
の外周側と第2ディスク基板の外周側と円環状の接着剤
とに囲まれた部分に密閉空間が生ずるということを確実
に防止できる。
【0026】請求項5記載の発明は、請求項1ないし4
のいずれか一記載の光ディスクの貼り合わせ方法におい
て、前記第2ディスク基板の貼り合わせ時に、前記第1
ディスク基板と前記第2ディスク基板と円環状の前記接
着剤とに囲まれた前記接着剤より内側の空間の空気を吸
引するようにした。
【0027】したがって、第1ディスク基板と第2ディ
スク基板とにより接着剤が押し延ばされて、接着剤の塗
布位置よりも内周側への接着剤層の形成が助長されると
ともに、この接着剤の押し延ばし時における接着剤の中
への空気の混入が防止される。
【0028】請求項6記載の発明は、第1ディスク基板
と第2ディスク基板とを接着剤を介して貼り合わせる光
ディスクの貼り合わせ装置において、垂線回りに回転駆
動される回転テーブルと、前記回転テーブル上に設けら
れ、貼り合わせ面に円環状に前記接着剤が塗布された前
記第1ディスク基板を外周部が内周部より下がった状態
で保持する傾斜保持手段と、を有する。
【0029】したがって、第1ディスク基板と第2ディ
スク基板とを接着剤を介して貼り合わせる場合には、貼
り合わせ面に接着剤が円環状に塗布された第1ディスク
基板を傾斜保持手段で保持し、回転テーブルを回転駆動
させることにより第1ディスク基板を傾斜保持手段と共
に回転駆動させ、回転駆動されている第1ディスク基板
の貼り合わせ面と第2ディスク基板の貼り合わせ面とを
接着剤を介して押し付けることにより行う。このとき、
第1ディスク基板が内周部より外周部が下がった状態で
傾斜保持手段で保持されているので、第2ディスク基板
が最初に接着剤と接触する前後のタイミングで第2ディ
スク基板の外周部が第1ディスク基板の外周部に接触す
るということが防止され、そのような接触によって、第
1ディスク基板の外周側と第2ディスク基板の外周側と
円環状の接着剤とに囲まれた部分に密閉空間が生ずると
いうことが防止される。このため、密閉空間が生ずるこ
とによる不都合、例えば、密閉空間内の空気の圧力が第
1ディクス基板と第2ディスク基板との間で接着剤が押
し延ばされて接着剤層が形成されることの抵抗になるこ
とや、密閉空間内の空気が接着剤の中に混入することが
防止される。
【0030】請求項7記載の発明は、請求項6記載の光
ディスクの貼り合わせ装置において、前記傾斜保持手段
は、内周部に対する外周部の下がり量を調節可能であ
る。
【0031】したがって、傾斜保持手段によって第1デ
ィスク基板の内周部に対する外周部の下がり量を調節す
ることにより、第2ディスク基板の厚さ寸法の違いなど
により第2ディスク基板の撓み量が異なる場合であって
も、第1ディスク基板の外周側と第2ディスク基板の外
周側と接着剤とに囲まれた部分に密閉空間が生ずるとい
うことを確実に防止できる。
【0032】
【発明の実施の形態】本発明の一実施の形態を図1ない
し図3に基づいて説明する。図1は2枚のディスク基板
を貼り合わせることにより光ディスクの一例であるDV
Dを製造するための光ディスクの貼り合わせ装置の要部
を示す縦断正面図、図2は2枚のディスク基板を貼り合
わせる作業工程を示す工程図、図3は2枚のディスク基
板の貼り合わせ時の様子を説明する説明図である。
【0033】光ディスク貼り合わせ装置は、図1に示す
ように、下部構造部4と上部構造部5とにより構成され
ている。下部構造部4は、第1ディスク基板6をその片
面である貼り合わせ面6aが上向きとなるように保持し
て垂線回りに回転させる部分である。上部構造部5は、
第2ディスク基板7をその片面である貼り合わせ面7a
が下向きとなるように保持して垂線回りに回転させると
ともに、保持した第2ディスク基板7を下方へ移動させ
ることにより接着剤8を介して1ディスク基板6への貼
り合わせを行う部分である。
【0034】下部構造部4は、回転テーブル9、この回
転テーブル9の中心部に連結された回転軸10、回転軸
10と回転テーブル9との連結部及び回転軸10を囲む
ラビリンスホルダ11等により構成されている。回転軸
10にはモータ(図示せず)が連結され、このモータの
駆動により回転軸10と回転テーブル9とが垂線回りに
回転駆動される。
【0035】回転テーブル9は、第1ディスク基板6が
載置固定される部分であり、その中心部には第1ディス
ク基板6を位置決めする位置決めピン部12が形成さ
れ、その外周部には傾斜保持手段である静電吸着リング
13が取り付けられている。静電吸着リング13は静電
気力によって第1ディスク基板6を吸着固定する部材で
あり、第1ディスク基板6をその外周部がその内周部よ
り下がった状態で吸着固定する形状に形成されている。
また、この静電吸着リング13は複数種類の形状のもの
が交換自在に準備されており、各静電吸着リング13
は、第1ディスク基板6を吸着固定したときに、その第
1ディスク基板6の内周部に対する外周部の下がり量が
異なるように形成されている。
【0036】また、回転テーブル9におけるこの回転テ
ーブル9上に載置固定された第1ディスク基板6の中心
部側に対向する位置には、真空吸引により第1ディスク
基板6を吸引固定するための吸引孔14が形成されてい
る。さらに、回転テーブル9には、第1ディスク基板6
と第2ディスク基板7とを接着剤8を介して貼り合わせ
るとき、第1ディスク基板6と第2ディスク基板7と後
述するように円環状に塗布された接着剤8とに囲まれた
空間であって円環状の接着剤8より内側の部分から空気
を真空吸引するための吸引孔15が形成されている。
【0037】さらに、下部構造部4を構成する部材とし
て、回転テーブル9上に載置固定された第1ディスク基
板6の貼り合わせ面6a上に接着剤8を円環状に塗布す
るための塗布ノズル16が移動自在に設けられている
(図2(a)参照)。塗布ノズル16を所定の塗布位置
(図2(a)に示す位置)へ移動させ、第1ディスク基
板6が載置固定された回転テーブル9を回転させながら
塗布ノズル16から接着剤8を吐出させることにより、
接着剤8は第1ディスク基板6の貼り合わせ面6a上に
円環状に塗布される。
【0038】上部構造部5は、第2ディスク基板6を保
持するホルダ部17、ホルダ部17に連結された回転軸
18、位置決めピン19等により構成されている。回転
軸18にはこの回転軸18を垂線回りに回転駆動させる
モータ(図示せず)と、回転軸18及びホルダ部17を
上下方向へ往復動させるアクチュエータ(図示せず)と
が連結されている。
【0039】ホルダ部17の先端(下端)には、ゴム材
などで形成されて保持する第2ディスク基板7の上方の
面の接触するタッチリング20が取り付けられ、このタ
ッチリング20及びホルダ部17には、真空吸引により
第2ディスク基板7を吸引固定するための吸引孔21が
形成されている。位置決めピン19は、ホルダ部17及
び回転軸18が下降したときに位置決めピン部12に当
接して下降位置を規制する部材であり、当接時の緩衝部
材としてスプリング22が巻き付けられている。
【0040】つぎに、上述した光ディスク貼り合わせ装
置を用いて行う第1ディスク基板6と第2ディスク基板
7とを貼り合わせる作業工程を図2を参照して説明す
る。
【0041】まず、回転テーブル9上に第1ディスク基
板6を載置固定した後、塗布ノズルを所定の塗布位置へ
移動させ、第1ディスク基板6を回転テーブル9と共に
回転させながら塗布ノズル16から接着剤8を吐出させ
る(図2(a))。これにより、接着剤8は第1ディク
ス基板6の貼り合わせ面6a上に円環状に塗布される
(図2(b))。なお、回転テーブル9上に載置固定さ
れた第1ディスク基板6は、その外周部側を静電吸着リ
ング13で吸着固定されていることにより、外周部が内
周部より下がっている。
【0042】つぎに、塗布ノズル16を退避位置へ移動
させ、第2ディスク基板7を保持した上部構造部5を下
降させ、第1ディスク基板6の貼り合わせ面6aと第2
ディスク基板7の貼り合わせ面7aとが所定寸法“t”
離反して対向する位置で上部構造部5を停止させる(図
2(c))。なお、この状態においては、第2ディスク
基板7の貼り合わせ面7aは接着剤8に対して離反して
いる。
【0043】つぎに、回転テーブル9と上部構造部5と
を垂線回りに同期した回転速度で回転させ(図2
(d))、回転させながら上部構造部5を下降させる
(図2(e))。円環状に接着剤8を塗布した第1ディ
スク基板6を回転させることにより、図2(d)、図2
(e)及び図3に示すように、円環状に塗布された接着
剤8の外周側上面部にリング状の盛り上がり部8aが形
成される。
【0044】このため、第2ディスク基板7が最初に接
着剤8と接触する領域、所謂、ファーストタッチダウン
領域“A”が狭くなる(図3(b)参照)。これによ
り、第1ディスク基板6と第2ディスク基板7とを接着
剤8を介して貼り合わせるとき、接着剤8の中への空気
の混入が著しく少なくなる。
【0045】また、第2ディスク基板7を第1ディスク
基板6と同期した回転速度で回転させることにより、第
2ディスク基板7の貼り合わせ面7aが接着剤8に接触
したとき、接着剤8の内部で急激な剪断力の変化が発生
せず、盛り上がり部8aの形を崩すことなく第1ディス
ク基板6と第2ディスク基板7との貼り合わせをスムー
ズに行える。
【0046】そして、第2ディスク基板7の貼り合わせ
面7aが接着剤8に接触した後は、引き続き第2ディス
ク基板7を下降させて接着剤8を第1ディスク基板6と
第2ディスク基板7とにより押し延ばして接着剤層8b
(図2(f)参照)を形成するとともに、図2(e)に
示すように、第1ディスク基板6と第2ディスク基板7
と円環状の接着剤8とに囲まれた空間であって円環状の
接着剤8より外側の部分と、第1ディスク基板6と第2
ディスク基板7と円環状の接着剤8とに囲まれた空間で
あって円環状の接着剤8より内側の部分から、矢印で示
す向きに空気の吸引を行う。この空気の吸引を行うこと
により、第1ディスク基板6と第2ディスク基板7とに
よる接着剤8の押し延ばしが助長されるとともに、この
押し延ばし時における接着剤8の中への空気の混入が防
止される。
【0047】なお、第1ディスク基板6と第2ディスク
基板7との貼り合わせ時において、第2ディスク基板7
の外周部が自重により下方に撓みやすく、特に、DVD
の製造に用いられる第1・第2ディスク基板6,7はそ
の厚さ寸法が0.6mmと薄く、撓みを生じやすい。し
かし、第2ディスク基板7の外周部が下方へ撓んでも、
第1ディスク基板6が静電吸着リング13により吸着固
定されてその外周部が内周部より下がった状態となって
いるので、第2ディスク基板7の接着剤8に対するファ
ーストタッチダウンの前後のタイミングで第2ディスク
基板7の外周部が第1ディスク基板6の外周部に接触す
るということが防止され、そのような接触によって、第
1ディスク基板6の外周側と第2ディスク基板7の外周
側と円環状の接着剤8とに囲まれた部分に密閉空間が生
ずるということが防止される。このため、密閉空間が生
ずることによる不都合の発生、例えば、密閉空間内の空
気の圧力によって接着剤層8bの形成が妨げられること
や、密閉空間内の空気が接着剤8の中に混入されること
が防止される。
【0048】
【発明の効果】請求項1記載の発明の光ディスクの貼り
合わせ方法によれば、貼り合わせ面に接着剤を円環状に
塗布した第1ディスク基板を回転させ、円環状に塗布さ
れた接着剤の外周側上面部にリング状の盛り上がり部を
形成することにより、第1ディスク基板と第2ディスク
基板とを貼り合わせるとき、第2ディスク基板が最初に
接着剤と接触する領域、所謂、ファーストタッチダウン
領域を狭くすることができ、これにより、第1ディスク
基板と第2ディスク基板とを接着剤を介して貼り合わせ
るときにおける接着剤の中への空気の混入が著しく少な
くなり、接着剤中への空気の混入防止を有効に行える。
【0049】請求項2記載の発明によれば、請求項1記
載の光ディスクの貼り合わせ方法において、第2ディス
ク基板を貼り合わせる工程において、第2ディスク基板
を第1ディスク基板と同期した回転速度で回転させるよ
うにしたので、第2ディスク基板の貼り合わせ面が接着
剤に接触したとき、接着剤の内部で急激な剪断力の変化
が発生せず、盛り上がり部の形を崩すことなく第1ディ
スク基板と第2ディスク基板との貼り合わせをスムーズ
に行える。
【0050】請求項3記載の発明によれば、請求項1又
は2記載の光ディスクの貼り合わせ方法において、第1
ディスク基板を、外周部が内周部より下がった状態で保
持するようにしたので、第2ディスク基板が最初に接着
剤と接触する前後のタイミングで第2ディスク基板の外
周部が第1ディスク基板の外周部に接触するということ
を防止でき、そのような接触によって、第1ディスク基
板の外周側と第2ディスク基板の外周側と円環状の接着
剤とに囲まれた部分に密閉空間が生ずるということを防
止でき、そのような密閉空間が生ずることによる不都合
の発生、例えば、密閉空間内の空気の圧力によって接着
剤層の形成が妨げられることや、密閉空間内の空気が接
着剤の中に混入することを防止できる。
【0051】請求項4記載の発明によれば、請求項3記
載の光ディスクの貼り合わせ方法において、内周部に対
する外周部の下がり量を調節可能としたので、第2ディ
スク基板の厚さ寸法の違いなどにより第2ディスク基板
の撓み量が異なる場合であっても、内周部に対する外周
部の下がり量を調整することにより、第1ディスク基板
の外周側と第2ディスク基板の外周側と円環状の接着剤
とに囲まれた部分に密閉空間が生ずるということを確実
に防止できる。
【0052】請求項5記載の発明によれば、請求項1な
いし4のいずれか一記載の光ディスクの貼り合わせ方法
において、第2ディスク基板の貼り合わせ時に、第1デ
ィスク基板と第2ディスク基板と円環状の接着剤とに囲
まれた円環状の接着剤より内側の空間の空気を吸引する
ようにしたので、第1ディスク基板と第2ディスク基板
とにより接着剤が押し延ばされて接着剤層が形成される
とき、接着剤の塗布位置よりも内周側への接着剤層の形
成を助長することができるとともに、この接着剤の押し
延ばし時における接着剤の中への空気の混入を防止する
ことができる。
【0053】請求項6記載の発明の光ディスクの貼り合
わせ装置によれば、第1ディスク基板と第2ディスク基
板とを接着剤を介して貼り合わせるために、貼り合わせ
面に接着剤が円環状に塗布された第1ディスク基板を傾
斜保持手段で保持し、回転テーブルを回転駆動させるこ
とにより第1ディスク基板を傾斜保持手段と共に回転駆
動させ、回転駆動されている第1ディスク基板の貼り合
わせ面と第2ディスク基板の貼り合わせ面とを接着剤を
介して押し付けるとき、第1ディスク基板が内周部より
外周部が下がった状態で傾斜保持手段で保持されている
ので、第2ディスク基板が最初に接着剤と接触する前後
のタイミングで第2ディスク基板の外周部が第1ディス
ク基板の外周部に接触するということを防止でき、その
ような接触によって、第1ディスク基板の外周側と第2
ディスク基板の外周側と円環状の接着剤とに囲まれた部
分に密閉空間が生ずるということを防止でき、密閉空間
が生ずることによる不都合の発生、例えば、密閉空間内
の空気の圧力が第1ディクス基板と第2ディスク基板と
の間で接着剤が押し延ばされて接着剤層が形成されるこ
との抵抗になることや、密閉空間内の空気が接着剤の中
に混入することを防止できる。
【0054】請求項7記載の発明によれば、請求項6記
載の光ディスクの貼り合わせ装置において、傾斜保持手
段は、内周部に対する外周部の下がり量を調節可能であ
るので、第2ディスク基板の厚さ寸法の違いなどにより
第2ディスク基板の撓み量が異なる場合であっても、内
周部に対する外周部の下がり量を調整することにより、
第1ディスク基板の外周側と第2ディスク基板の外周側
と円環状の接着剤とに囲まれた部分に密閉空間が生ずる
ということを確実に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態の光ディスクの貼り合わ
せ装置の要部を示す縦断正面図である。
【図2】2枚のディスク基板を貼り合わせる作業工程を
示す工程図である。
【図3】2枚のディスク基板の貼り合わせ時の様子を説
明する説明図であり、(a)は縦断正面図、(b)はフ
ァーストタッチダウン領域を示す平面図である。
【図4】従来例における2枚のディスク基板の貼り合わ
せ時の様子を説明する説明図であり、(a)は縦断正面
図、(b)はファーストタッチダウン領域を示す平面図
である。
【符号の説明】
6 第1ディクス基板 6a 貼り合わせ面 7 第2ディスク基板 8 接着剤 8a 盛り上がり部 9 回転テーブル 13 傾斜保持手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J040 MA10 MB05 PA25 PA35 PB01 PB11 5D121 AA07 EE22 FF01 FF09 FF11 FF18

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1ディスク基板と第2ディスク基板と
    を接着剤を介して貼り合わせる光ディスクの貼り合わせ
    方法において、 貼り合わせ面に円環状に前記接着剤が塗布された前記第
    1ディスク基板を前記貼り合わせ面を上向きとして垂線
    回りに回転させ、その回転に伴う遠心力で円環状に塗布
    された前記接着剤の外周側上面部にリング状の盛り上が
    り部を形成する工程と、 前記盛り上がり部が形成された前記接着剤の上から前記
    第2ディスク基板を貼り合わせる工程と、を有すること
    を特徴とする光ディスクの貼り合わせ方法。
  2. 【請求項2】 前記第2ディスク基板を貼り合わせる工
    程において、前記第2ディスク基板を前記第1ディスク
    基板と同期した回転速度で回転させるようにしたことを
    特徴とする請求項1記載の光ディスクの貼り合わせ方
    法。
  3. 【請求項3】 前記第1ディスク基板を、外周部が内周
    部より下がった状態で保持するようにしたことを特徴と
    する請求項1又は2記載の光ディスクの貼り合わせ方
    法。
  4. 【請求項4】 内周部に対する外周部の下がり量を調節
    可能としたことを特徴とする請求項3記載の光ディスク
    の貼り合わせ方法。
  5. 【請求項5】 前記第2ディスク基板の貼り合わせ時
    に、前記第1ディスク基板と前記第2ディスク基板と円
    環状の前記接着剤とに囲まれた前記接着剤より内側の空
    間の空気を吸引するようにしたことを特徴とする請求項
    1ないし4のいずれか一記載の光ディスクの貼り合わせ
    方法。
  6. 【請求項6】 第1ディスク基板と第2ディスク基板と
    を接着剤を介して貼り合わせる光ディスクの貼り合わせ
    装置において、 垂線回りに回転駆動される回転テーブルと、 前記回転テーブル上に設けられ、貼り合わせ面に円環状
    に前記接着剤が塗布された前記第1ディスク基板を内周
    部より外周部が下がった状態で保持する傾斜保持手段
    と、を有することを特徴とする光ディスクの貼り合わせ
    装置。
  7. 【請求項7】 前記傾斜保持手段は、内周部に対する外
    周部の下がり量を調節可能であることを特徴とする請求
    項6記載の光ディスクの貼り合わせ装置。
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