JP2002071683A - 液体展開用シート - Google Patents
液体展開用シートInfo
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Abstract
測定精度に優れた液体展開用シートを提供する。 【解決手段】基材の少なくとも片面に液体受容層を設け
てなる液体展開用シートにおいて、液体受容層が少なく
ともアニオン系界面活性剤を含有する液体展開用シート
であり、その液体受容層の表面抵抗値が1×1012Ω以
下で、臨界表面張力は35mN/m以上であることが好
ましく、また、液体受容層の付着量は0.1〜5g/m
2であることが好ましい。
Description
液や尿等の生体液の特定成分を検査・定量する際に好適
に用いられる生体液展開用シート、特に血液検査、さら
には血糖値検査用に用いられる検査シート用の液体展開
用シートに関するものである。
液を測定器の先の試験紙に付けて、光学的な方法で測定
されていた。
バラツキが大きく、かつ血液(検体)量が多く必要で、
さらに試験紙への血液の濡れ性が悪い等の問題を有して
いた。
点を解決し、少量の検体量で測定でき、検体吸収速度が
速く、検体の濡れ性も良好で、この結果測定精度の高い
バイオセンサ用の生体液展開用シートを提供することを
目的とし、特に電極方式(電気伝導度測定)の検査シー
トにおいて、検査シートの吸引孔から血液が素早く導入
・展開し、かつ電気伝導性に優れた生体液展開用シート
を提供することを目的とするものである。
対極/スペーサー/カバーから構成されている(特開平
3−54447号公報、特開平10−227755号公
報、特開平11−42098号公報等)。本発明の他の
目的は、この検査シートカバー用等に好適に用いられる
液体展開用シートを提供することにある。
本発明の液体展開用シートは、基材の少なくとも片面に
液体受容層を設けてなる液体展開用シートにおいて、該
液体受容層が少なくともアニオン系界面活性剤を含有す
ることを特徴とする液体展開用シートである。
は、液体受容層の表面抵抗値が1×1012Ω以下である
こと、液体受容層の臨界表面張力が35mN/m以上で
あること、液体受容層の付着量が0.1〜5g/m2で
あること、液体が血液や尿等の生体液であることが好ま
しい態様として含まれている。
容層は、有機系バインダーや無機系バインダー等を主と
した膜からなり、中でもバインダーと界面活性剤の混合
物からなることが好ましく、特に、アニオン系界面活性
剤を含有する液体受容層が好適である。
材の少なくとも片面にアニオン系界面活性剤を含有する
液体受容層を設けてなる液体展開用シートであり、かつ
該液体受容層は有機系バインダーや無機系バインダー等
を主体とした膜で構成されている。
しては、例えば、ポリエステル樹脂、エチレン−酢酸ビ
ニル共重合樹脂、アイオノマ−樹脂、ウレタン樹脂、ナ
イロン樹脂、エチレン−アクリル酸共重合樹脂、エチレ
ン−アクリル酸エチル共重合樹脂、エチレン−アクリル
酸メチル共重合樹脂、エチレン−メタクリル酸共重合樹
脂、エチレン−ビニルアルコ−ル共重合樹脂、ポリビニ
ルブチラ−ル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアルキレン
オキシド樹脂、ゼラチン等の有機系バインダー、ジルコ
ニウム、珪素、アルミニウム、チタン原子等を含む無機
系バインダーが挙げられるが、中でもポリエステル樹脂
が基材との接着力や、生体液の塗れ・展開性から好まし
く用いられる。
ンダーに、表面抵抗値、臨界表面張力調整剤、液体の濡
れ・展開剤として、アニオン系界面活性剤を添加する。
アニオン系界面活性剤としては、例えば「実用プラスチ
ック事典 材料編」((株)産業調査会 1996年)
や「13398の化学商品」(化学工業日報社 199
8年)に記載のアニオン系界面活性剤が挙げられる。
活性剤としては、アルキルスルホン酸系、アルキルベン
ゼンスルホン酸系、アルキル硫酸エステル系、アルキル
エトキシ硫酸エステル系、アルキルリン酸エステル系等
の界面活性剤が挙げられる。中でも特に、高級アルコー
ル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル等を、五酸化
リンやオキシ塩化リン等でエステル化して得られるリン
酸エステル系の界面活性剤が電気伝導性、生体液の塗れ
・展開性から好ましく用いられる。
高級アルコールリン酸モノエステルジナトリウム塩、高
級アルコールリン酸ジエステルナトリウム塩、高級アル
コールエチレンオキサイド付加物のリン酸エステル塩等
が挙げられる。
有量は、通常0.1〜20部であり、好ましくは0.5
〜10部、より好ましくは1〜7部である。
より多いと、基材との接着性が低下したり、ブロッキン
グしやすくなったりして好ましくない。また、アニオン
系界面活性剤の含有量が上記範囲より少ないと、所望の
表面抵抗値が得ら難く、また液体の濡れ性・展開性が悪
化し、電気伝導性が低くなり測定精度の低下や測定時間
が長くなったりして好ましくない。
チックフィルム、合成紙、紙または表面処理が施された
複合シートが好ましく用いられるが、中でも寸法安定性
や耐久性等の点からプラスチックフィルムが好ましく用
いられる。
リエステル、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステ
ルアミド、ポリエーテル、ポリイミド、ポリアミドイミ
ド、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリ−ρ−フェ
ニレンスルフィド、ポリエーテルエステル、ポリ塩化ビ
ニル、ポリ(メタ)アクリル酸エステル等が挙げられ
る。また、これらの共重合体やブレンド物やさらに架橋
した化合物を用いることもできる。
も、ポリエステル、例えば、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリエチレン2,6−ナフタレート、ポリエチレン
α,β−ビス(2−クロルフェノキシ)エタン4,4’
−ジカルボキシレート、ポリブチレンテレフタレートな
どからなるフィルムが好ましく、これらの中で機械的特
性、作業性などの品質、経済性などを総合的に勘案する
と、ポリエチレンテレフタレートからなるフィルムが特
に好ましく用いられる。
0μm〜500μm、好ましくは20μm〜300μ
m、より好ましくは30μm〜200μmであることが
望ましい。
受容層の表面抵抗値は1×1012Ω以下であり、好まし
くは5×1011Ω以下である。表面抵抗値が上記範囲よ
り高いと、液体の濡れ性・展開性の悪化や、電気伝導性
の低下による測定精度の低下や測定時間が長くなったり
して好ましくない。
界面活性剤を用いる場合は、表面抵抗値の下限は1×1
04Ω程度である。表面抵抗値をこれ以上低くするには
多量の界面活性剤を必要とし、基材との密着性低下やブ
ロッキングが生じたりして好ましくない。
N/m以上であることが好ましく、より好ましくは40
mN/m以上である。臨界表面張力が上記範囲より低い
と、液体の濡れ性・展開性が悪化し、液体が測定極まで
浸透せずに値が測定できなくなり好ましくない。また、
臨界表面張力は高い程良いが、通常、上限値は100m
N/m程度である。
/m2であることが好ましく、より好ましくは0.5〜
5g/m2である。付着量が上記範囲より少ないと加工
時の擦り傷等により付着層の脱落や、ピンホールが発生
し易くなり測定精度が低下し好ましくない。また、付着
量が上記範囲より多くなると作業性が悪くなったり、ブ
ロッキングを生じやすくなり好ましくない。
は、上述の有機系バインダーや無機系バインダーを主体
とした塗液を、塗布、貼着した塗膜で構成される。
層を構成する成分を含む塗布液を基材に塗布し塗膜とす
ることで形成することができる。塗布液は、例えば、バ
インダーと界面活性剤を混合して、トルエンやメチルエ
チルケトン(MEK)等の有機溶剤や水等の溶媒で所望
の濃度に希釈して得ることができる。
グラビアコート法、リバースコート法、キスコート法、
ダイコート法、およびバーコート法などの方法を用いる
ことができる。この際、基材上には塗布液を塗布する前
に、必要に応じて空気中あるいはそのほかの雰囲気中で
のコロナ放電処理や、プライマー処理などの表面処理を
施すことによって、塗布性が良化するのみならず、液体
受容層をより強固に基材上に形成することができる。な
お、塗布液濃度、塗膜乾燥条件は特に限定されるもので
はないが、塗膜乾燥条件は基材の諸特性に悪影響を及ぼ
さない範囲で行なうことが望ましい。一般的に、塗布液
濃度は1〜50%、塗膜乾燥条件は70〜160℃/1
0秒から5分程度とすることが好ましい。
布液で予め膜状物を作り、それを基材に貼着することで
形成することができる。貼着する場合は、Si等の離型
フィルムに塗布液を塗工し、基材に転写する方法が採用
される。
の生体試料や食品工業における原料や製品、果汁等の試
料中に含まれる特定成分の検査・定量する際に用いら
れ、中でも好適には、血液や尿等の生体液の特定成分を
検査・定量する際に用いられる生体液展開用シートとし
て用いられる。
説明する。
デル TR−2)(HI−RESISTANCE TE
STER MODEL TR−2)を用いて測定した。
工業(株)製)を用いて測定した。
(A)、次に塗布前の基材100cm2の重量を測定し
(B)、(A−B)×100で付着量(g/m2)を算
出した。
GIES)社製の牛胎児血清0.05mlを液体受容層
面に滴下し、滴下5秒後の血清の広がり状態で血液の濡
れ性・展開性を判定した。判定基準は次のとおりであ
る。 血清の広がり10mm以上 : ○ 血清の広がり 9mm以下 : × (実施例1)東レ(株)製ポリエチレンテレフタレート
フィルム“ルミラー”(タイプ100T60、厚さ10
0μm)を基材とし、また、塗布液として、ポリエステ
ル樹脂(バインダー)(高松油脂(株)製 ペスレジン
S140)とリン酸エステル系界面活性剤(三洋化成工
業(株)製 ケミスタット3500・・・高級アルコー
ルエチレンオキサイド付加物のリン酸エステル塩)を、
固形分比で100/5の割合で調合し、トルエンで15
%に希釈したものを用意した。15%に希釈した塗布液
をグラビアコータにて基材に塗布し、120℃で30秒
乾燥して本発明の液体展開用シ−トを得た。乾燥後の付
着量は1.5g/m2であった。得られた液体展開用シ
ートの特性は、表1に示したとおり、液体の濡れ性・展
開性(血清の広がり14mm)が優れたものであった。
ステル系界面活性剤の代わりにスルホン酸系界面活性剤
(三洋化成工業(株)製 サンモリンOT−70)を用
いた以外は、同様にして、本発明の液体展開用シ−トを
得た。乾燥後の付着量は1.5g/m2であった。得ら
れた液体展開用シートの特性は表1に示したとおり、液
体の濡れ性・展開性(血清の広がり12mm)が優れた
ものであった。
レフタレートフィルム“ルミラー”(タイプ100T6
0、厚さ100μm)を基材とし、塗布液として、ポリ
エステル樹脂(高松油脂(株)製 ペスレジンS14
0)をトルエンで15%に希釈したものを用意した。1
5%に希釈した塗布液をグラビアコータにて基材に塗布
した。120℃で30秒乾燥した。乾燥後の付着量は
1.5g/m2であった。得られたシートの特性は表1
に示したとおり、血清の広がりが5mmであり、液体の
濡れ性・展開性が劣るものであった。
れ性・展開性が非常に優れたものであり、特に血液や尿
等生体液の検査用として好ましく用いられる。さらに
は、食品の原料や製品中の特定成分の検査用などの用途
においても好ましく用いることができる。
Claims (9)
- 【請求項1】 基材の少なくとも片面に液体受容層を設
けてなる液体展開用シートにおいて、該液体受容層が少
なくともアニオン系界面活性剤を含有することを特徴と
する液体展開用シート。 - 【請求項2】 液体受容層の表面抵抗値が1×1012Ω
以下であることを特徴とする請求項1記載の液体展開用
シート。 - 【請求項3】 液体受容層の臨界表面張力が35mN/
m以上であることを特徴とする請求項1または2記載の
液体展開用シート。 - 【請求項4】 液体受容層の付着量が0.1〜5g/m
2であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記
載の液体展開用シート。 - 【請求項5】 液体受容層が、アニオン系界面活性剤を
0.1〜20部含有することを特徴とする請求項1〜4
のいずれかに記載の液体展開用シート。 - 【請求項6】 液体が生体液であることを特徴とする請
求項1〜5のいずれかに記載の液体展開用シート。 - 【請求項7】 液体展開用シートが生体液展開用シート
であることを特徴とする請求項6の液体展開用シート。 - 【請求項8】 生体液展開用シートが血液あるいは尿検
査用シートであることを特徴とする請求項7記載の液体
展開用シート。 - 【請求項9】 基材がプラスチックフィルムであること
を特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の液体展開
用シート。
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