JP2002070929A - 液封防振装置 - Google Patents
液封防振装置Info
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Abstract
材にした場合には、長辺部に沿って長い範囲を挟持され
ること、ストッパ突起が環状に連続することにより、主
液室の液圧が変化してもこれに対応して曲がりにくくな
るので、このような非円形の弾性膜を曲がり易くする。 【構成】弾性膜27を長辺部57と短辺部58を有する
長円形状とし、その本体部50の表側中央部に長辺部5
7と平行する曲げ溝51を設ける。弾性膜27の裏側に
は曲げ溝51を挟んで平行する一対のストッパ突起5
2、52を一体に突出形成し、各長さ方向両端を自由端
とし、短辺部側にストッパ突起を設けない不連続構造に
する。本体部50は小振幅の振動入力に対して曲げ溝5
1を起点に剪断的に折れ曲がって低動バネを実現し、大
振幅振動入力に対してストッパ突起が仕切部材16側へ
押し当てられ弾性変形することにより動バネ定数を非線
形的に変化させて高減衰にする。
Description
により弾性変形自在な弾性膜を設けた液封防振装置に係
り、特に弾性膜を非円形部材としたものに関する。
弾性膜の弾性変形で吸収するとともに、弾性膜の副液室
側表面に環状壁をなすストッパ突起を一体形成し、所定
以上の弾性変形特に仕切部材側等へ当接させてバネ定数
を非線形的に変化させることは公知である。
条件によりこのような円形の弾性膜を配置できず、弾性
膜を長円形のような長辺部と短辺部を揺する非円形部材
にしなければならない場合がある。しかし、従来の円形
弾性膜を単に長円形等の非円形部材にした場合には、長
辺部に沿って長く仕切部材に挟持されること、ストッパ
突起が環状に連続することにより、主液室の液圧が変化
してもこれに対応して曲がることが難しく、その結果、
内圧上昇を吸収しにくくなるおそれがある。そこで、本
願発明は非円形部材の弾性膜を用いても内圧上昇の変化
に追随して容易に曲がることにより内圧上昇を吸収で
き、かつ所定の弾性変形量を超えると従来同様にバネ定
数を非線形的に変化させるようにすることを目的とす
る。
本願発明に係る液封防振装置は、振動発生側又は振動受
け側のいずれか一方側へ取付けられる第1取付部材と、
他方側へ取付けられる第2取付部材と、これらの間に介
在される弾性本体部材とを備え、弾性本体部材を壁の一
部とする主液室と、この主液室と仕切部材で仕切られ、
可撓膜部材で覆われる副液室と、これら両液室を連過す
る減衰オリフィス通路と、前記仕切部材に設けられて前
記主液室の内圧変動により弾性変形する弾性膜とを備え
たものにおいて、前記弾性膜を長辺部と短辺部を有する
非円形部材として形成するとともに、弾性膜の中央部に
長辺部と略平行する曲げ溝を形成したことを特徴とす
る。
面に曲げ溝と略平行するストッパ突起を一体に突出形成
するとともに、このストッパ突起を長辺部のみに形成す
ることができる。また、前記弾性膜の周囲は一体に形成
されて連続する環状の周壁をなし、この周壁を仕切部材
で挟持するとともに仕切部材の挟持部に周壁の変形を許
容するクリアランスを形成することもできる。
フィス通路を設け、第1のオリフィス通路は主液室と副
液室を常時連通する減衰オリフィス通路とし、第2のオ
リフィス通路は開閉自在とし、第3のオリフィス通路は
弾性変形自在の弾性膜で一部を覆うことにより主液室と
副液室の連通を断つとともに、この弾性膜を前記非円形
部材として形成することもできる。
弾性膜は長辺部と略平行する中央部の曲げ溝を曲げ起点
曲げ起点として剪断的に折れ曲がり変形する。このた
め、弾性膜が長辺部と短辺部を有する非円形部材であっ
ても、主液室の内圧上昇に追随して容易に曲がることが
でき、低動バネ化して主液室の内圧上昇を吸収できる。
ストッパ突起を突出形成すれば、主液室に大きな振動が
入力すると、ストッパ突起が仕切部材側へ当接し、これ
により弾性膜のバネ定数が非線形的的に変化して大入力
を吸収できる。しかも、ストッパ突起を長辺部側にのみ
設け、短辺部側へ設けない不連続形状とすることによ
り、弾性膜の曲げをさらに容易にできる。
周壁とのクリアランスを形成することにより、弾性膜の
変形をより一層容易にできる。
フィス通路を設け、第1のオリフィス通路は主液室と副
液室を常時連通する減衰オリフィス通路とし、第2のオ
リフィス通路は開閉自在とし、第3のオリフィス通路は
弾性変形自在の弾性膜で一部を覆うことにより主液室と
副液室の連通を断つように構成する場合、この弾性膜を
前記非円形部材として形成することにより、円形部材で
は設けることのできないような前記仕切部材の限られた
スペースでもレイアウト可能である。
成された一実施例を図面に基づいて説明する。図1はこ
のエンジンマウントの全断面図、図2は図1のA部拡大
図である。まず、図1において、符号1はボルト部2で
エンジン側へ取付けられる第1取付部材、3はボルト4
で車体側へ取付けられる第2取付部材、5は弾性本体部
材であり、ゴム等の適宜弾性部材からなり、略円錐状の
ドーム部6とこれに連続する筒状部7を有する。
接着一体化され、剛体壁8の外周側は第2取付部材3の
一部として形成された筒部3aと重なって一体化されて
いる。これら筒部3a及び剛体壁8の一部には円形穴9
が形成され、ここを覆う筒状部7の部分が可動膜10を
なし、弾性変形自在になっている。
漏斗状をなすホルダー11で覆われ、その中央部から外
方から突出するパイプ部12は切換バルブ14aへ接続
され、この切換バルブ14aで大気開放とエンジンの吸
気負圧等の負圧源に対する接続とが切り換えられる。
切換バルブの切換により大気開放状態と負圧状態とに変
化する。また、ホルダー11と可動膜10の間にはゴム
等の弾性部材からなる可動膜ストッパ15が設けられ、
可動膜10の弾性変形を所定量で規制するようになって
いる。
れ、仕切部材16と弾性本体部材5との間に弾性本体部
材5を壁の一部とする主液室20が形成される。仕切部
材16の主液室20と反対側にはダイアフラム21で覆
われた副液室22が形成され、これら主液室20及び副
液室22内には非圧縮性の液体が封入される。仕切部材
16は上部仕切17、中間仕切り18及び下部仕切19
の3部材を重ね合わせた構造であり、各部材はそれぞれ
合成樹脂等の適宜剛性材料から形成される。
間仕切り18と下部仕切19の間には螺旋状の減衰オリ
フィス通路23が形成され、その一端は上部仕切17と
中間仕切り18の間に形成された共通通路24へ通じ、
他端は下部仕切19の一部に形成された開口部(図では
見えない)で副液室22へ通じている。
された第2のオリフィス通路であるアイドルオリフィス
通路25及び第3のオリフィス通路としてのオリフィス
ホール26へ順次連通し、オリフィスホール26が主液
室へ開口することにより常時主液室20と副液室22を
連通してサスペンション振動等の比較的低周波数でかつ
振幅の大きな振動に対して減衰力を発生してこれを吸収
するようになっている。
性部材からなる弾性膜27で覆われて幅液室22側と連
通を断たれている。この弾性膜27の膜振動によりオリ
フィスホール26内における液体が発進時等の比較的高
周波域にて液柱共振を発生するようになっている。
ドルオリフィス通路25の開口部が臨み、かつアイドル
オリフィス通路25は前記したように共通通路24を経
て減衰オリフィス通路23へ連通している。これらの開
口面積は図示されないが、オリフィスホール26>アイ
ドルオリフィス通路25>減衰オリフィス通路23の順
とすることにより、各液柱共振の共振周波数をこの順に
小さくなるようにチューニングしてある。
22側の出口28をダイアフラム21の中央部に形成さ
れた厚肉部21aで開閉され、開いたときは主液室20
と副液室22を連通してアイドル時の振動を減衰オリフ
ィス通路23よりも高周波側で液柱共振して吸収する。
30で行われる。開閉部材30はリターンスプリング3
1により厚肉部21aを出口28の周囲へ密着させる側
へ付勢されるとともに、底部材33との間に閉鎖された
空間である作動室32を形成し、底部材33の中央部に
形成されたパイプ部34と連通する。パイプ部34は切
換バルブ14bへ接続し、大気開放状態と負圧状態を切
り換える。作動室32と制御室13内をそれぞれ同期し
て切り換える場合には切換バルブ14a及び14bを共
通化できる。
材30をリターンスプリング31に抗して図の下方へ引
き下げ、その結果、厚肉部21aを出口28の周囲から
離して出口28を開放し、アイドルオリフィス通路25
を主液室20及び副液室22と連通させる。
されたカシメフランジ8aと、下部円筒部材35の上部
とをカシメることにより、カシメフランジ8aと下部円
筒部材35の内周側に一体化された固定フランジ部材3
6の間に挟持固定される。また、開閉部材30と底部材
33の各外周部は重ね合わされて下部円筒部材35の図
中下部内周に一体化されているリング部材37の上下端
をカシメることによって固定される。符号38はリング
部材37と部分的に重なるよう下部円筒部材35に形成
された通気穴である。
筒部材35、固定フランジ部材36及びリング部材37
はいずれも金属等剛性のある適宜材料で構成される。ま
た、図中の符号39は略皿状をなす中高周波デバイスで
あり、中高周波域においてドーム部6との間で液柱共振
を生じるようになっている。
部50がオリフィスホール26の中間部を横断して閉じ
るとともに、その中央部の主液室20側に曲げ溝51が
形成されている。
表面には中央部を挟んで一対のストッパ突起52、52
が突出形成され、その先端外側には当接斜面53、53
がそれぞれ形成されている。ストッパ突起52,52の
間は湾曲する凹部54になっている。また、本体部50
の周囲は環状の薄肉部55をなし、この薄肉部55より
外側の縁部に本体部50を環状に囲む縦壁状の周壁56
が形成されている。
見た平面形状を示し、図4は図3の4−4線に沿う断面
図であり、短辺側断面を示し図2の断面部と同じであ
る。図5は図3の5−5線に沿う断面図であり長辺側断
面を示し、図6は弾性膜27の底面図である。
辺部57と短辺部58を有する長円形状をなし、曲げ溝
51は長辺部57と平行に長辺部57の範囲に形成され
る。なお、本願において短辺部58は平行する長辺部5
7、57の端部間を連結するアール部分であり、短辺側
とは平行する長辺部57、57の端部間を連結する直線
と短辺部58で囲まれた部分である。
1を挟んで対をなし、曲げ溝51並びに長辺部57と平
行に形成される。各ストッパ突起52の長さ方向両端は
自由端をなし、短辺部58側にこれら対向する自由端間
を連結するストッパ突起は形成されていない。
続して弾性膜27の表裏に形成され、周壁56は長く表
裏へ突出する。本実施例における突出長さはストッパ突
起52の突出量よりも長くなっている。
に、図の上方側は、上部仕切17の二股部60に形成さ
れた環状溝61に嵌合される。二股部60の内、内周部
62はオリフィスホール26の中間部で通路断面積を狭
くする段部をなし、その環状溝61に臨む面は斜面63
をなし、斜面63の先端は薄肉部55へ近接している。
この斜面63は、本来仮想線のように直立する周壁56
を外方へ曲げるとともに、先端側は周壁56との間にク
リアランス64を形成し、周壁56が内方へ折れ曲がる
ように弾性変形することを許容している。
下部仕切19の二股部65に形成された環状溝66に嵌
合され、二股部65の内周部67はストッパ突起52と
の間に所定のクリアランスを形成するべく先端側の薄肉
部55に近接する部分は幅狭部をなすとともに、中間部
は当接斜面53に対面する斜面上の段部68をなし、こ
れにより下方は広幅部になっている。
き、左右のストッパ突起52,52が互いに外方へ開
き、図の仮想線のように変形するとき、まず当接斜面5
3が段部68へ当接してストッパ突起52の先端部が弾
性変形し、さらに弾性変形するとストッパ突起52全体
が内周部67の先端側である細幅部へ押し当てられて変
形するようになっている。
20へ比較的小さな振動入力があると、この振動入力に
対応して内圧上昇し、弾性膜27の本体部50を図2の
上方から下方へ押す。すると本体部50は中央部に曲げ
溝51が長辺部57と平行に形成されているため、図2
及び図4の短辺部側断面において、曲げ溝51を起点と
して剪断的に折れ曲がる。
的に仕切り部材16側へ固定されているにもかかわら
ず、主液室20の内圧上昇に対応して容易に弾性変形し
て内圧上昇を吸収でき、低動バネ化を実現する。
方向両端を自由端とし、短辺部側にストッパ突起52を
形成しない不連続形状にすることにより、短辺部58方
向における曲げをより容易にしている。
斜面63で外方へ開くように倒すことにより、弾性膜2
7の初期バネ定数を大きくするとともに、クリアランス
64を設けることにより、本体部50側が弾性変形する
とき、周壁56の弾性変形によりこれをより一層容易に
弾性変形できるようにしている。
トッパ突起52、52は各先端側が互いに離れる方向へ
開くので、当接斜面53がまず内周部67の段部68へ
当接してストッパ突起52の先端側を弾性変形すること
により、弾性膜27のバネ定数を大きくする。
ば、ストッパ突起52、52は全体が内周部67の細幅
部へ押し当てられて弾性変形をするので、さらにバネ定
数が大きくなる。
の大きさに対応して非線形的にバネ定数を変化させ、バ
ネ定数を大きくすることにより減衰オリフィス通路23
へ流れ込む液体流量を大きくして液柱共振を減衰オリフ
ィス通路23中で発生させることにより大きな減衰力を
発生させて吸収する。
係を示すグラフ、図8は大振幅時の減衰特性を示すグラ
フであり、実線は本実施例、破線は比較例として同じ長
円形状で、曲げ溝51を設けずかつストッパ突起を環状
に形成したものを示す。図7では本実施例が顕著な低動
バネを実現でることを示し、図8では従来と遜色のない
高減衰を実現できることを示す。
振動入力に対して低動バネ、大きな振動入力に対しては
比較的大きな減衰力の発生による従来と同様の高減衰を
発揮でき、理想的な低動バネ・高減衰特性を得ることが
できる。
路23、アイドルオリフィス通路25及びオリフィスホ
ール26と3つのオリフィス通路を横並びに形成しても
オリフィスホール26に設ける弾性膜27を長円形の非
円形部材とすることにより、円形の弾性膜では困難なレ
イアウト条件でも弾性膜27を配置できる。
材、7:筒状部、9:円形穴、10:可動膜、13:制
御室、14:切換バルブ、15:可動膜ストッパ1
6:、仕切部材、20:主液室、21:ダイアフラム、
22:副液室、23:減衰オリフィス通路、24:共通
通路、25:アイドルオリフィス通路、26:オリフィ
スホール、27:弾性膜、28:出口、30:開閉部
材、40:接触面、41:突起、42:不連続部、4
3:ストッパホール、44:間隙、50:弾性膜の本体
部、51:曲げ溝、52:ストッパ突起、周壁56、5
7:長辺部、58:短辺部、64:クリアランス
Claims (4)
- 【請求項1】 振動発生側又は振動受け側のいずれか一
方側へ取付けられる第1取付部材と、他方側へ取付けら
れる第2取付部材と、これらの間に介在される弾性本体
部材とを備え、弾性本体部材を壁の一部とする主液室
と、この主液室と仕切部材で仕切られ、可撓膜部材で覆
われる副液室と、これら両液室を連過する減衰オリフィ
ス通路と、前記仕切部材に設けられて前記主液室の内圧
変動により弾性変形する弾性膜とを備えた液封防振装置
において、前記弾性膜を長辺部と短辺部を有する非円形
部材として形成するとともに、弾性膜の中央部に長辺部
と略平行する曲げ溝を形成したことを特徴とする液封防
振装置。 - 【請求項2】 前記弾性膜の曲げ溝と反対側の面に曲げ
溝と略平行するストッパ突起を一体に突出形成するとと
もに、このストッパ突起を長辺部のみに形成することを
特徴とする請求項1に記載した液封防振装置。 - 【請求項3】 前記弾性膜の周囲は一体に形成されて連
続する環状の周壁をなし、この周壁を仕切部材で挟持す
るとともに仕切部材の挟持部に周壁の変形を許容するク
リアランスを形成したことを特徴とする請求項1に記載
した液封防振装置。 - 【請求項4】 前記仕切部材に第1乃至第3のオリフィ
ス通路を設け、第1のオリフィス通路は主液室と副液室
を常時連通する減衰オリフィス通路とし、第2のオリフ
ィス通路は開閉自在とし、第3のオリフィス通路は弾性
変形自在の弾性膜で一部を覆うことにより主液室と副液
室の連通を断つとともに、この弾性膜を前記非円形部材
として形成したことを特徴とする請求項1に記載した液
封防振装置。
Priority Applications (5)
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Cited By (2)
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WO2020039648A1 (ja) * | 2018-08-24 | 2020-02-27 | 住友理工株式会社 | 流体封入式防振装置 |
-
2000
- 2000-08-31 JP JP2000263529A patent/JP4358417B2/ja not_active Expired - Fee Related
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