JP3477881B2 - 流体封入式マウント装置 - Google Patents

流体封入式マウント装置

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JP3477881B2
JP3477881B2 JP1458195A JP1458195A JP3477881B2 JP 3477881 B2 JP3477881 B2 JP 3477881B2 JP 1458195 A JP1458195 A JP 1458195A JP 1458195 A JP1458195 A JP 1458195A JP 3477881 B2 JP3477881 B2 JP 3477881B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、オリフィス通路を通じて流動せ
しめられる流体の流動作用を利用して防振効果を得るよ
うにした流体封入式マウント装置に係り、特に、オリフ
ィス通路の連通状態を調節することによって防振特性を
切り換えることのできる流体封入式マウント装置に関す
るものである。
【0002】
【背景技術】従来から、振動伝達系を構成する部材間に
介装されて振動の伝達を抑える防振連結体乃至は防振支
持体の一種として、特開昭60−104824号公報等
に開示されているように、防振連結される一方の部材に
取り付けられる第一の取付金具と、防振連結される他方
の部材に取り付けられる第二の取付金具とを、本体ゴム
弾性体により連結する一方、該第二の取付金具によって
支持された仕切部材を挟んだ両側に、壁部の一部が本体
ゴム弾性体によって構成されて振動入力時に内圧変動が
生ぜしめられる受圧室と、壁部の一部が可撓性膜によっ
て構成されて容積変化が容易に許容される平衡室とを画
成して、それら受圧室および平衡室にそれぞれ所定の非
圧縮性流体を封入すると共に、それら受圧室と平衡室を
相互に連通するオリフィス通路を設けてなる構造の流体
封入式マウント装置が知られている。このような流体封
入式マウント装置においては、オリフィス通路を通じて
流動せしめられる流体の共振作用等の流動作用に基づい
て、ゴム弾性体だけでは得ることが困難な防振効果を容
易に得ることができること等から、例えば自動車用エン
ジンマウント等として、好適に用いられている。
【0003】ところで、自動車用エンジンマウントにお
いては、一般に、周波数や振幅が異なった複数種類の振
動が入力され、それらの各振動に対して防振効果が要求
されることとなるが、流体の流動作用に基づく防振効果
が有効に発揮される周波数域が狭く、単一のオリフィス
通路では要求される防振特性を十分に達成することが困
難である場合が多い。
【0004】そこで、特開昭60−113832号公報
や特開昭62−88833号公報,実開昭63−173
47号公報,実開平3−20743号公報等において、
弁手段によってオリフィス通路を連通/遮断制御するこ
とにより、オリフィス通路を通じて流動せしめられる流
体の流動作用に基づいて発揮される防振効果を調節する
ようにしたマウント装置が提案されている。
【0005】ところが、このような構造のマウント装置
にあっては、受圧室または平衡室に弁手段を配する必要
があることに加えて、外部に配設されたアクチュエータ
の駆動力を該弁手段に伝達するための駆動力伝達機構が
必要となるために、構造が極めて複雑となって製作性お
よびコスト性が悪いという問題を有していたのであり、
また、駆動力伝達機構の配設によって流体密性が低下す
るおそれもあった。
【0006】
【解決課題】ここにおいて、本発明は、上述の如き事情
を背景として為されたものであって、その解決課題とす
るところは、簡単な機構によってオリフィス通路の連通
状態を調節することができると共に、受圧室および平衡
室の流体密性も有利に確保され得る流体封入式マウント
装置を提供することにある。
【0007】
【解決手段】そして、かかる課題を解決するために、本
発明の特徴とするところは、互いに所定距離を隔てて配
された第一の取付部材と第二の取付部材を本体ゴム弾性
体にて連結せしめて、該第二の取付部材にて支持された
仕切部材の両側に、本体ゴム弾性体により壁部の一部が
構成された受圧室と、可撓性膜により壁部の一部が構成
された平衡室を形成し、それら受圧室および平衡室に非
圧縮性流体を封入すると共に、該受圧室と該平衡室を相
互に連通するオリフィス通路を設ける一方、該オリフィ
ス通路を連通状態と遮断状態に切換可能とした流体封入
式マウント装置において、可撓性膜の外方に位置する支
持部を第二の取付部材に設けて、該支持部により、可撓
性膜を挟んでオリフィス通路の開口部に対向位置せしめ
られた作用部材を、周壁ゴムを介して弾性支持せしめ
該周壁ゴムの弾性力によって、該作用部材を前記オリフ
ィス通路の開口部に向かって付勢すると共に、該周壁ゴ
ムの内部に密閉された作用空間を形成し、該作用空間に
コイルスプリングを収容配置せしめて、該コイルスプリ
ングと周壁ゴムによる並列ばねの作用により作用部材
を可撓性膜を介してオリフィス通路の開口部に押圧し
該開口部を覆蓋する一方、作用空間を負圧源に接続
する空気通路を設けて、該作用空間に負圧力を及ぼすこ
とにより、作用部材を前記並列ばねの作用に抗してオリ
フィス通路の開口部から離隔させて該開口部を開口せ
しめるようにしたことにある。
【0008】また、本発明の好ましい第一の態様におい
ては、周壁ゴムによって作用部材に及ぼされる付勢力:
F1と、コイルスプリングによって作用部材に及ぼされ
る付勢力:F2の比:F1/F2が、作用部材における
作動ストロークの全長に亘って、1/3≦F1/F2≦
2/3となるように調節される。
【0009】更にまた、本発明の好ましい第二の態様に
おいては、空気通路が、作用部材の内部を貫通して作用
空間に連通せしめられる。
【0010】また、より好ましくは、前記周壁ゴムが、
作用部材をオリフィス通路の開口部から離隔させた際に
剪断変形せしめられる形状とされる。具体的には、かか
る周壁ゴムは、例えば屈曲乃至は湾曲されて軸方向に傾
斜して延びる筒壁部をもって形成される。
【0011】さらに、より好ましくは、互いに異なる周
波数域にチューニングされた二つのオリフィス通路が、
受圧室と平衡室の間に形成されると共に、流路断面積:
Aと流路長さ:Lの比:A/Lが大きく設定された方の
オリフィス通路を、前記作用部材によって開閉するよう
にされる。
【0012】
【作用・効果】このような本発明に従う構造とされた流
体封入式マウント装置においては、可撓性膜をオリフィ
ス通路の連通口に押圧する作用部材を、コイルスプリン
グと周壁ゴムによる付勢力に抗して、作用空間に及ぼさ
れる負圧力に基づき、オリフィス通路の連通口から離隔
させることにより、オリフィス通路を遮断状態から連通
状態に切り換えることが出来るのであり、それ故、作用
空間に対して負圧源を接続/非接続することにより、オ
リフィス通路を連通/遮断することが出来るのである。
【0013】そこにおいて、かかるマウント装置におい
ては、オリフィス通路を連通/遮断するための特別な部
材を受圧室や平衡室の内部に配設する必要がないことか
ら、構造の簡略化とそれに伴う製作性の向上および製作
コストの低減が図られ得ると共に、受圧室および平衡室
の流体密性も有利に確保され得る。
【0014】また、本発明に従う構造とされた流体封入
式マウント装置においては、作用部材を付勢する付勢手
段として周壁ゴムとコイルスプリングによる並列ばねを
採用したことから、コンパクトなサイズで大きな付勢力
を得ることが出来、オリフィス通路の連通/遮断切換え
が確実に行われて安定した防振効果が発揮されるのであ
る。
【0015】また、本発明の好ましい第一の態様に係る
流体封入式マウント装置においては、オリフィス通路の
開口部を覆蓋するために必要な作用部材に対する付勢力
がコイルスプリングと周壁ゴムによって有利に分担され
得て、効率的なコンパクト化が図られ得る。
【0016】更にまた、本発明の好ましい第二の態様に
係る流体封入式マウント装置においては、空気通路を支
持部の側方から取り出すことが出来ることから、支持部
の外側面上に取付ボルト等を立設せしめて、該支持部の
外側面を被連結部材への取付面とすること等も可能とな
り、マウント装置の設計自由度の向上が達成される。
【0017】また、周壁ゴムによって作用部材に及ぼさ
れる付勢力が、主として該周壁ゴムの剪断変形によって
生ぜしめられるように構成すれば、作用部材の作動スト
ロークの全長に亘って安定した付勢力を得ることが出来
ると共に、周壁ゴムの剛性および耐久性を確保しつつ、
コイルスプリングとの関係上で有利な付勢力のチューニ
ングを得ることが出来る。
【0018】更にまた、二つのオリフィス通路を設け、
流路断面積:Aと流路長さ:Lの比:A/Lが大きく設
定されて高周波域側にチューニングされた方のオリフィ
ス通路を作用部材によって開閉するようにすれば、第一
のオリフィス通路と第二のオリフィス通路を択一的に機
能せしめて、第一のオリフィス通路を通じての流体の流
動作用に基づく防振効果と、第二のオリフィス通路を通
じての流体の流動作用に基づく防振効果とを、入力振動
に応じて選択的に発揮させることができる。
【0019】
【実施例】以下、本発明を更に具体的に明らかにするた
めに、本発明の実施例について、図面を参照しつつ、詳
細に説明する。
【0020】先ず、図1には、本発明の一実施例として
の自動車用エンジンマウント10が示されている。この
エンジンマウント10は、パワーユニット側および車体
側の何れか一方に取り付けられる第一の取付金具12
と、パワーユニット側および車体側の何れか他方に取り
付けられる第二の取付金具14とが、それらの間に介装
された本体ゴム16によって弾性的に連結されてなる構
造とされており、パワーユニットを車体に対して防振支
持せしめるようになっている。また、自動車への装着時
には、図2に示されている如く、第一の取付金具12と
第二の取付金具14の間にパワーユニット重量が及ぼさ
れることにより、それら第一の取付金具12と第二の取
付金具14が互いに接近する方向に所定量だけ相対変位
せしめられると共に、そのような装着状態下、防振を目
的とする主たる振動が、図中の略上下方向に入力される
こととなる。なお、以下の本実施例の説明中、上下方向
とは、特に断りのない限り、図1及び図2における上下
方向を表すものとする。
【0021】より詳細には、第一の取付金具12は、略
逆円錐台形状を有しており、大径側端面の中央部分に突
設された取付ボルト18によって、パワーユニット側ま
たはボデー側に取り付けられるようになっている。ま
た、該第一の取付金具12における小径側端面の中央部
分には、支持ロッド20が下方に突出して固設されてお
り、該支持ロッド20の突出先端部に対して、軸直角方
向に広がる傘金具22がかしめ固定されて取り付けられ
ている。
【0022】一方、第二の取付金具14は、大径円筒形
状を有する筒金具24の軸方向下方の開口部に、浅底有
底円筒形状を有する底金具26がかしめ固定されてなる
構造とされており、全体として深底大径の有底円筒形状
を有している。筒金具24は、軸方向中間部分に段差部
28を有しており、該段差部28を挟んで、軸方向上側
が小径部30とされていると共に、軸方向下側が大径部
32とされている。また、小径部30側の開口部には、
湾曲して径内方に突出し小径化されたくびれ部33が形
成されていると共に、大径部32側の開口部には、かし
め部34が形成されている。また一方、底金具26に
は、その開口周縁部にフランジ部36が形成されてお
り、該フランジ部36が筒金具24のかしめ部34にか
しめ固定されることにより、底金具26が筒金具24に
固着されている。更に、底金具26には、底壁中央から
下方に突出して取付ボルト38が固設されており、この
取付ボルト38によって、第二の取付金具14がボデー
側またはパワーユニット側に取り付けられるようになっ
ている。
【0023】そして、かかる第二の取付金具14の開口
部側に所定距離を隔てて、第一の取付金具12が配され
ており、これら第一の取付金具12と筒金具24との間
に本体ゴム16が介装されている。この本体ゴム16
は、略円錐台形状を有しており、その小径側端面に対し
て第一の取付金具12が加硫接着されている一方、その
大径側端部外周面に対して筒金具24のくびれ部33の
内周面が加硫接着されている。即ち、本体ゴム16は、
第一の取付金具12および筒金具24が接着された一体
加硫成形品として形成されているのであり、本体ゴム1
6によって、筒金具24における軸方向上方の開口部が
流体密に閉塞されている。なお、本体ゴム16の大径側
端面には、すり鉢状の凹所40が形成されていると共
に、該凹所40内に第一の取付金具12の支持ロッド2
0が突出位置せしめられており、支持ロッド20にて支
持された傘金具22が、筒金具24内に配設されてい
る。
【0024】また、筒金具24における軸方向下方の開
口部には、仕切部材44と可撓性膜としてのダイヤフラ
ム46が、配設されており、それら仕切部材44とダイ
ヤフラム46の各外周縁部が互いに重ね合わされて、筒
金具24の大径部32内に挿入せしめられ、底金具26
のフランジ部36と共に、筒金具24のかしめ部34に
てかしめ固定されることにより、該筒金具24、延いて
は第二の取付金具14に対してかしめ固定されている。
【0025】そこにおいて、ダイヤフラム46は、略円
板形状の薄肉ゴム膜によって形成されており、第二の取
付金具14にかしめ固定される外周縁部には、円環形状
の金属リング48が加硫接着されている。そして、この
ダイヤフラム46の外周縁部が、第二の取付金具14に
かしめ固定されることにより、筒金具24の軸方向下方
の開口部が流体密に閉塞されており、以て、筒金具24
内における本体ゴム16とダイヤフラム46との対向面
間に、外部空間に対して密閉されて内部に所定の非圧縮
性流体が封入された流体室が形成されている。なお、ダ
イヤフラム46を挟んで流体室と反対側に位置する底金
具26側には、ダイヤフラム46の膨出変形を許容する
空気室50が形成されている。また、流体室に封入され
る非圧縮性流体としては、特に本実施例では、後述する
オリフィス通路を通じての流体の共振作用に基づく防振
効果を有利に得るために、0.1Pa・s以下の粘度を
有するものが望ましく、例えば水やアルキレングリコー
ル,ポリアルキレングリコール,シリコーン油等が好適
に採用される。
【0026】また一方、仕切部材44は、それぞれ中央
部分が段差状にプレス加工された略円板形状を有する上
下二枚の金属プレート56,58が重ね合わされた構造
とされており、全体として略円板形状を有している。そ
して、かかる仕切部材44は、ダイヤフラム46よりも
内側(流体室側)に配されて、外周縁部が第二の取付金
具14にかしめ固定されることにより、該第二の取付金
具14によって固定的に支持されている。これにより、
上記流体室が、仕切部材44を挟んだ両側に二分されて
おり、以て、壁部の一部が本体ゴム16にて構成され
て、振動入力時に該本体ゴム16の弾性変形に基づいて
内圧変動が生ぜしめられる受圧室52と、壁部の一部が
ダイヤフラム46にて構成されて、該ダイヤフラム46
の変形に基づいて容積変化が容易に許容される平衡室5
4とが、仕切部材44を挟んだ両側に形成されている。
【0027】また、仕切部材44を構成する上側の金属
プレート56の中央部分には、略円錐台形状のストッパ
ゴム76が加硫接着されており、受圧室52内に突出さ
せられている。そして、受圧室52内に配設された傘金
具22の中央部分が、このストッパゴム76に対して上
下方向に所定距離を隔てて対向位置せしめられており、
大きな振動荷重の入力時に、該ストッパゴム76が傘金
具22に当接することによって、本体ゴム16のバウン
ド方向における変形量が制限されるようになっている。
なお、本体ゴム16のリバウンド方向における変形量の
制限は、傘金具22の外周縁部が、本体ゴム16を介し
て、筒金具24のくびれ部33に当接することによって
達成されるようになっている。また、このストッパ機構
を構成する傘金具22は、図2に示されているように、
マウント装着時に受圧室52の略中央部に位置せしめら
れて、該受圧室52を振動入力方向中央部分で狭窄せし
めて環状の狭窄流路77を形成するようになっており、
こもり音やギヤノイズ等の高周波振動入力時に、該狭窄
流路77を流動せしめられる流体の共振作用に基づいて
振動絶縁効果が発揮されるようになっている。
【0028】さらに、仕切部材44には、上下金属プレ
ート56,58間において、それぞれ周方向に所定長さ
で延びる第一の環状路60と第二の環状路62が、略同
心的に設けられている。そして、外周側に設けられた第
一の環状路60の周方向両端部が、連通孔64,66を
通じて受圧室52と平衡室54に接続されることによ
り、それら両室52,54間での流体流動を許容する第
一のオリフィス通路68が形成されていると共に、内周
側に設けられた第二の環状路62の周方向両端部が、連
通孔70,72を通じて受圧室52と平衡室54に接続
されることにより、それら両室52,54間での流体流
動を許容する第二のオリフィス通路74が形成されてい
る。なお、本実施例では、第一のオリフィス通路68よ
りも第二のオリフィス通路74の方が、流路断面積:A
と流路長さ:Lの比:A/Lが大きく設定されて高周波
域にチューニングされている。それによって、例えば、
第一のオリフィス通路68を通じて流動せしめられる流
体の共振作用に基づいてシェイク等の低周波振動に対す
る高減衰効果が発揮されると共に、第二のオリフィス通
路74を通じて流動せしめられる流体の共振作用に基づ
いてアイドリング振動等の中乃至高周波振動に対する絶
縁効果が発揮されるようになっている。
【0029】また、ここにおいて、第二のオリフィス通
路74を平衡室54に連通させる連通孔72は、図示さ
れているように、下側の金属プレート58の略中央部分
に形成されて、ダイヤフラム46に向かって開口させら
れており、該連通孔72の開口部がダイヤフラム46に
対向位置せしめられている。
【0030】更にまた、ダイヤフラム46の外側を覆う
底金具26の内部(空気室50内)には、作用部材とし
ての押圧ブロック78が収容配置されており、支持ゴム
弾性体80によって、底金具26に対して弾性支持せし
められている。この押圧ブロック78は、仕切部材44
の下側金属プレート58よりも小さな外径の円形ブロッ
ク形状を有しており、空気室50において、該下側金属
プレート58における連通孔72が開口する中央部分に
対して、ダイヤフラム46を挟んで対向位置せしめられ
ている。
【0031】また、支持ゴム弾性体80は、略鼓形状に
湾曲した円筒形状の周壁ゴム部82を備えた逆カップ形
状を有しており、下方の開口部において底金具26の底
面上に伏せられて、押えリング84により開口周縁部が
底金具26の底面に対して気密に固着されている。これ
により、支持ゴム弾性体80における下方の開口部が底
金具26にて覆蓋されて、支持ゴム弾性体80の内部に
密閉された作用空間86が形成されている。そして、か
かる支持ゴム弾性体80の上底部88上に、前記押圧ブ
ロック78が載置され、固定板90と固定ボルト92に
よって上底部88に固着されており、支持ゴム弾性体8
0の周壁ゴム部82の弾性力に基づき、底金具26に対
して弾性的に支持されている。なお、このことから明ら
かなように、本実施例では、第二の取付金具14の底金
具26によって支持部が構成されている。
【0032】さらに、作用空間86には、コイルスプリ
ング94が収容されて、押圧ブロック78と底金具26
の間に位置決め配置されており該コイルスプリング94
の弾性力が、押圧ブロック78に対して、該押圧ブロッ
ク78を底金具26から離隔させる方向に及ぼされるよ
うになっている。
【0033】そして、これら周壁ゴム部82およびコイ
ルスプリング94の弾性力により、押圧ブロック78が
上方に付勢され、以て、該押圧ブロック78が、ダイヤ
フラム46を介して、仕切部材44の下側金属プレート
58に押圧されている。また、そのように押圧ブロック
78が下側金属プレート58に押圧された状態下でも、
周壁ゴム部82およびコイルスプリング94は所定量だ
け圧縮方向に弾性変形されており、押圧ブロック78に
対して有効な付勢力が作用せしめられており、それによ
って、下側金属プレート58に設けられた連通孔72が
覆蓋されて、第二のオリフィス通路74が遮断状態に維
持されているのである。
【0034】また、押圧ブロック78には、支持ゴム弾
性体80内に形成された作用空間86に連通する接続ポ
ート96が設けられており、この接続ポート96に対し
て、切換バルブ98の切換操作により大気中と負圧源と
に択一的に接続される空気管路100が接続されるよう
になっている。そして、かかる空気管路100を接続ポ
ート96に接続し、作用空間86を負圧源に連通させて
該作用空間86を減圧することにより、押圧ブロック7
8が、周壁ゴム部82とコイルスプリング94による付
勢力に抗して、底金具26に接近する方向に移動せしめ
られるのであり、以て、該押圧ブロック78によるダイ
ヤフラム46の下側金属プレート58に対する押圧状態
が解除されて連通孔72が開口されることにより、第二
のオリフィス通路74が連通せしめられるようになって
いるのである。
【0035】なお、押圧ブロック78の底金具26側へ
の移動量は、支持ゴム弾性体80の底壁部から作用空間
86に突設された弾性当接部102が底金具26に当接
することによって制限され、周壁ゴム部82の過大な変
形が防止されるようになっている。また、特に本実施例
では、押圧ブロック78の移動ストロークの全長に亘っ
て、周壁ゴム部82による付勢力:F1とコイルスプリ
ング94による付勢力:F2とが略同一となるように、
具体的には、1/3≦F1/F2≦2/3となるよう
に、周壁ゴム部82の材質や形状,肉厚およびコイルス
プリング94の材質や線径,巻径等が設定されている。
【0036】従って、上述の如き構造とされたエンジン
マウント10においては、作用空間86を負圧源と大気
中とに択一的に連通せしめることにより、第二のオリフ
ィス通路74を連通状態と遮断状態に切り換えてマウン
ト防振特性を制御することができるのであり、それ故、
シェイク等の低周波振動の入力時には、作用空間86を
大気中に連通させて第二のオリフィス通路74を遮断す
ることにより、第一のオリフィス通路68を通じて流動
せしめられる流体の流動量を十分に確保し、以て、該第
一のオリフィス通路68を通じて流動せしめられる流体
の共振作用に基づく減衰効果を有利に得る一方、アイド
リング振動等の中乃至高周波振動の入力時には、作用空
間86を負圧源に連通させて第二のオリフィス通路74
を連通させることにより、該第二のオリフィス通路74
を通じて流動せしめられる流体の共振作用に基づく低動
ばね効果を有利に得ることができるのである。なお、第
一のオリフィス通路68は、常時、連通状態とされる
が、流路断面積と流路長さの比:A/Lが第二のオリフ
ィス通路74よりも小さく、流動抵抗が大きいことか
ら、第二のオリフィス通路74を連通状態とすることに
よって、該第二のオリフィス通路74を通じての流体流
動量は十分に確保され得る。
【0037】しかも、かかるエンジンマウント10にお
いては、ダイヤフラム46を外部から押圧することによ
って、第二のオリフィス通路74を連通状態と遮断状態
に切り換えることができることから、第二のオリフィス
通路74を連通/遮断するための弁手段やアクチュエー
タ等の特別な部材を流体室(受圧室52および平衡室5
4)の内部に配設する必要がなく、弁手段を駆動するロ
ッド等の駆動力伝達機構を流体室の内外に跨がって配す
る必要もないのであり、それ故、極めて簡単な構造によ
って防振特性の切換機構が実現され得、良好なる製作性
とコスト性が発揮され得るのである。
【0038】また、本体ゴム16の一体加硫成形品に対
する仕切部材44やダイヤフラム46の組付けを非圧縮
性流体中で行うことにより、受圧室52および平衡室5
4に流体を封入するに際しても、第二のオリフィス通路
74を連通/遮断するための特別な部材を流体中で組み
付ける必要がなく、押圧ブロック78や支持ゴム弾性体
80等の底金具26への組付けを大気中で行うことが出
来るから、良好なる製作性が発揮され得るのである。
【0039】さらに、上述の如きエンジンマウント10
においては、ダイヤフラム46を連通孔72に押しつけ
て第二のオリフィス通路74を遮断せしめる押圧ブロッ
ク78が、支持ゴム弾性体80の周壁ゴム部82とコイ
ルスプリング94とからなる並列ばね構造をもって付勢
されていることから、押圧ブロック78の付勢力をコン
パクトな構成で有効に且つ安定して得ることが出来、マ
ウントの小型化が達成されると共に、第二のオリフィス
通路74の開閉、延いてはマウント防振特性の切換えを
安定して行うことが出来るといった効果が発揮される。
即ち、押圧ブロック78には、振動入力時に第二のオリ
フィス通路74を通じて及ぼされる流体圧に抗してダイ
ヤフラム46を連通孔72に押しつけるだけの付勢力を
及ぼす必要があり、それだけの付勢力をコイルスプリン
グ94だけによって得ようとすると、線径や巻径が大き
く高さの高いコイルスプリングを用いる必要があるため
に、マウントが大型化することが避けられず、また、か
かる付勢力を支持ゴム弾性体80だけによって得ようと
すると、周壁ゴム部82が厚肉且つ大型化することが避
けられないことに加えて、ゴムのへたりや熱劣化による
付勢力の低下も問題となるが、本実施例のエンジンマウ
ント10では、並列ばね構造を採用したことにより、そ
のような問題が解消され得るのである。
【0040】しかも、特に本実施例のエンジンマウント
10においては、周壁ゴム部82による付勢力とコイル
スプリング94による付勢力が、略同一となるように設
定されていることから、押圧ブロック78に対する付勢
力を十分に確保しつつ、かかる付勢手段のコンパクト化
が一層効率的に達成され得るのである。なお、周壁ゴム
部82による付勢力とコイルスプリング94による付勢
力の比:F1/F2が1/3より小さく或いは2/3よ
り大きくなると、付勢手段のコンパクト化が有効に達成
され得ず、また、上述の如く、コイルスプリング94だ
け或いは支持ゴム弾性体80だけで押圧ブロック78を
付勢する場合と同様な問題が生ずるおそれがある。
【0041】また、本実施例のエンジンマウント10に
おいては、周壁ゴム部82やコイルスプリング94等か
らなる付勢手段が、ダイヤフラム46を保護しつつ膨出
変形を許容する空気室50内に収容配置されていること
から、スペースの有効利用が図られて、コンパクト化が
達成されるといった利点もある。
【0042】さらに、本実施例のエンジンマウント10
においては、周壁ゴム部82が略鼓形状に湾曲されるこ
とにより軸方向に傾斜して延びる筒壁部をもって形成さ
れており、該筒壁部の剪断変形に基づいて、押圧ブロッ
ク78に対する付勢力が発揮されるようになっているこ
とから、長いストロークに亘って略線形の付勢力が発揮
され得て、押圧ブロック78の作動の安定化が図られる
と共に、周壁ゴム部82の肉厚を大きく設定して耐久性
を有利に確保することが可能となるのである。
【0043】また、本実施例のエンジンマウント10に
おいては、周壁ゴム部82が中空形状とされて、作用空
間86の外壁も兼ねていると共に、該周壁ゴム部82の
内部にコイルスプリング94の配設空間が確保されてい
ることから、部品点数の減少と構造の簡略化が図られ得
ると共に、より一層のコンパクト化が達成され得るので
ある。
【0044】さらに、本実施例のエンジンマウント10
においては、押圧ブロック78に対して、作用空間86
に負圧力を及ぼす接続ポート96が設けられており、該
押圧ブロック78の側方に空気管路100が接続される
ようになっていることから、第二の取付金具14を構成
する底金具26の底面を取付面として、該取付面に取付
ボルト38を立設させると共に、該取付面を被連結部材
に重ね合わせて装着することが出来、空気管路100が
マウント装着の邪魔になりにくいといった利点もある。
【0045】また、本実施例のエンジンマウント10に
おいては、支持部としての底金具26が、被連結部材に
対するマウントの取付部材としても機能すると共に、ダ
イヤフラム46の保護部材としての機能し得ることか
ら、部品点数の減少と構造の簡略化が一層効果的に達成
され得るのである。
【0046】以上、本発明の実施例について詳述してき
たが、これは文字通りの例示であって、本発明は、かか
る具体例にのみ限定して解釈されるものではない。
【0047】例えば、前記実施例では、二つのオリフィ
ス通路68,74のうち、流路断面積と長さの比:A/
Lが大なる方のオリフィス通路74を連通/遮断するよ
うになっていたが、本発明は、その他、単一のオリフィ
ス通路を有するマウント装置において、該オリフィス通
路を連通/遮断することによって防振特性を切換制御す
るマウント装置などにも、有利に適用され得る。
【0048】また、必要に応じて、作用空間の内部に二
つ以上のコイルスプリングを配設することも可能であ
る。
【0049】さらに、ロッド状の第一の取付部材の外方
を取り囲むように、筒状の第二の取付部材が配設される
と共に、それら第一の取付部材と第二の取付部材が本体
ゴム弾性体で連結せしめられ、両取付部材間に受圧室が
形成されてなる構造の筒型マウント装置においても、例
えば平衡室を外周部分に形成すること等によって、本発
明が有利に適用され得る。
【0050】加えて、前記実施例では、本発明を自動車
用エンジンマウントに適用したものの具体例を示した
が、本発明は、その他、ボデーマウントやデフマウン
ト、或いは、自動車以外の各種のマウント装置に対し
て、何れも、有利に適用され得るものである。
【0051】その他、一々列挙はしないが、本発明は、
当業者の知識に基づいて、種々なる変更、修正、改良等
を加えた態様において実施され得るものであり、また、
そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限
り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであること
は、言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例としての自動車用エンジンマ
ウントを示す縦断面説明図である。
【図2】図1に示されたエンジンマウントの別の作動状
態を示す、図1に対応する縦断面説明図である。
【符号の説明】
10 エンジンマウント 12 第一の取付金具 14 第二の取付金具 16 本体ゴム 24 筒金具 26 底金具 44 仕切部材 46 ダイヤフラム 52 受圧室 54 平衡室 68 第一のオリフィス通路 72 連通孔 74 第二のオリフィス通路 78 押圧ブロック 88 支持ゴム弾性体 82 周壁ゴム部 86 作用空間 94 コイルスプリング

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに所定距離を隔てて配された第一の
    取付部材と第二の取付部材を本体ゴム弾性体にて連結せ
    しめて、該第二の取付部材にて支持された仕切部材の両
    側に、前記本体ゴム弾性体により壁部の一部が構成され
    た受圧室と、可撓性膜により壁部の一部が構成された平
    衡室を形成し、それら受圧室および平衡室に非圧縮性流
    体を封入すると共に、該受圧室と該平衡室を相互に連通
    するオリフィス通路を設ける一方、該オリフィス通路を
    連通状態と遮断状態に切換可能とした流体封入式マウン
    ト装置において、 前記可撓性膜の外方に位置する支持部を前記第二の取付
    部材に設けて、該支持部により、前記可撓性膜を挟んで
    前記オリフィス通路の開口部に対向位置せしめられた作
    用部材、周壁ゴムを介して弾性支持せしめ、該周壁ゴ
    ムの弾性力によって、該作用部材を前記オリフィス通路
    の開口部に向かって付勢すると共に、該周壁ゴムの内部
    に密閉された作用空間を形成し、該作用空間にコイルス
    プリングを収容配置せしめて、該コイルスプリングと前
    記周壁ゴムによる並列ばねの作用により前記作用部材
    を前記可撓性膜を介して前記オリフィス通路の開口部に
    押圧して該開口部を覆蓋する一方、前記作用空間を負
    圧源に接続する空気通路を設けて、該作用空間に負圧力
    を及ぼすことにより、前記作用部材を前記並列ばねの作
    用に抗して前記オリフィス通路の開口部から離隔させ
    該開口部を開口せしめるようにしたことを特徴とす
    る流体封入式マウント装置。
  2. 【請求項2】 前記周壁ゴムによって前記作用部材に及
    ぼされる付勢力:F1と、前記コイルスプリングによっ
    て前記作用部材に及ぼされる付勢力:F2の比:F1/
    F2が、前記作用部材における作動ストロークの全長に
    亘って、1/3≦F1/F2≦2/3である請求項1に
    記載の流体封入式マウント装置。
  3. 【請求項3】 前記空気通路を、前記作用部材の内部を
    貫通して前記作用空間に連通せしめた請求項1又は2に
    記載の流体封入式マウント装置。
  4. 【請求項4】 前記周壁ゴムが、屈曲乃至は湾曲せしめ
    られて軸方向に傾斜して延びる筒壁部をもって構成さ
    れ、剪断変形せしめられる形状とされている請求項1乃
    至請求項3の何れかに記載の流体封入式マウント装置。
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