JP2002070761A - スクロール式流体機械 - Google Patents

スクロール式流体機械

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JP2002070761A JP2000257340A JP2000257340A JP2002070761A JP 2002070761 A JP2002070761 A JP 2002070761A JP 2000257340 A JP2000257340 A JP 2000257340A JP 2000257340 A JP2000257340 A JP 2000257340A JP 2002070761 A JP2002070761 A JP 2002070761A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 運転時にケーシングと旋回軸が軸方向に熱膨
張したときでも、固定スクロールと旋回スクロールとが
軸方向で干渉するのを抑えられるようにする。 【解決手段】 ケーシング1内には軸方向に離間して固
定スクロール6A,6Bを固定的に設ける。また、この
固定スクロール6A,6B間には旋回軸21を軸方向に
配置し、この旋回軸21は偏心軸受13A,13Bによ
り旋回運動可能に支持する。さらに、旋回軸21の両端
側には旋回スクロール24A,24Bを固定的に設け、
旋回軸21を電動機10により旋回させる。そして、ケ
ーシング本体2の熱膨張率α1は旋回軸21の熱膨張率
α2に対し約2倍の大きさに設定する。これにより、運
転時にケーシング本体2の温度がT1まで上昇し、旋回
軸21の温度が温度T1の約2倍の温度T2まで上昇した
ときに、ケーシング本体2の熱膨張量ΔL1と旋回軸2
1の熱膨張量ΔL2とをほぼ同等の大きさとなるように
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば空気圧縮機
等として好適に用いられるスクロール式流体機械に関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、スクロール式流体機械は、ケー
シングと、該ケーシングに設けられ鏡板に渦巻状のラッ
プ部が立設された固定スクロールと、前記ケーシングに
回転可能に設けられた駆動軸と、前記ケーシング内で該
駆動軸の先端側に旋回可能に設けられ、鏡板に前記固定
スクロールのラップ部と重なり合って複数の圧縮室を画
成するラップ部が立設された旋回スクロールとを備えた
ものが知られている。
【0003】この種の従来技術によるスクロール式流体
機械は、外部から駆動軸を回転駆動し、旋回スクロール
を固定スクロールに対して一定の偏心寸法をもって旋回
運動させることにより、固定スクロールの外周側に設け
た吸込口から空気等の流体を吸込みつつ、この流体を固
定スクロールのラップ部と旋回スクロールのラップ部と
の間の各圧縮室内で順次圧縮し、固定スクロールの中心
部に設けた吐出口から圧縮流体を外部に向けて吐出す
る。
【0004】また、他の従来技術によるスクロール式流
体機械として、圧縮空気量を増やすために、下記の如く
構成されたものが知られている(例えば特開2000−
130365号公報等)。
【0005】即ち、この従来技術によるスクロール式流
体機械は、ケーシング内に軸方向に離間して一対の固定
スクロールを設け、これら各固定スクロール間には、電
動機を配設している。また、ケーシング内には、両端側
が偏心軸受の外側転動体により支持された回転軸と、該
回転軸の内周側に遊嵌され両端側が偏心軸受の内側転動
体により支持された旋回軸とを設け、該旋回軸の両端側
には各固定スクロールとそれぞれ対向して旋回スクロー
ルを固定的に設ける構成としている。
【0006】そして、この従来技術によるスクロール式
流体機械にあっては、電動機を作動してロータを回転す
ると、この回転によって回転軸は偏心軸受の外側転動体
に支持された状態で回転運動を行うと共に、旋回軸は内
側転動体に支持された状態で旋回運動を行い、これによ
り2個の旋回スクロールを同時に旋回させ、全体の圧縮
空気量を増やす構成となっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来技術によるスクロール式流体機械は、圧縮効率を高め
るために、固定スクロールと旋回スクロールとの間のス
ラスト方向の隙間を可能な限り小さくし、圧縮室内の密
閉度を高く保つことが要求される。
【0008】しかし、特開2000−130365号公
報等に記載のスクロール式流体機械のように2個の固定
スクロールの間に旋回軸と一体となった2個の旋回スク
ロールを配置する構成とした場合、前述の如く固定スク
ロールと旋回スクロールとの間のスラスト方向の隙間を
縮小すると、以下のような問題が生じる。
【0009】即ち、運転時には電動機の発熱または圧縮
室内の圧縮熱がケーシング、旋回軸等に伝わり、これら
ケーシング、旋回軸は軸方向に熱膨張する。ここで、ケ
ーシングは外周側が直接外気と触れるため、ケーシング
の熱は外部に放熱され易くなる。これに対し旋回軸はケ
ーシング内に収容されるから、旋回軸の熱は外部に逃げ
にくくなり、旋回軸はケーシングよりも高温となる。
【0010】この結果、旋回軸の軸方向の熱膨張量はケ
ーシングの軸方向の熱膨張量よりも大きくなり、旋回軸
と一体となった旋回スクロールがケーシングと一体とな
った固定スクロール側へと接近する。そして、場合によ
っては旋回スクロールのラップ部が固定スクロールの鏡
板と干渉し、両者の間でかじりが生じることがあるとい
う問題がある。
【0011】また、このような固定スクロールと旋回ス
クロールとの干渉を避けるために、両者の間のスラスト
方向の隙間を拡げると、圧縮性能が低下するという問題
もある。
【0012】本発明は上述した従来技術の問題に鑑みな
されたもので、本発明の目的は、運転時にケーシングと
旋回軸が軸方向に熱膨張したときでも、固定スクロール
と旋回スクロールとが軸方向で干渉するのを抑えられ、
固定スクロールと旋回スクロールとの間のスラスト方向
の間隔を小さく保ち、圧縮効率を高められるようにした
スクロール式流体機械を提供することを目的としてい
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために本発明によるスクロール式流体機械は、ケーシン
グと該ケーシングの軸線上に位置して該ケーシングの両
端側に固定的に設けられ鏡板に渦巻状のラップ部が立設
された第1,第2の固定スクロールとからなる固定側部
材と該第1,第2の固定スクロール間に位置して前記ケ
ーシング内に設けられ、ロータとステータとが前記ケー
シングの軸線と同一方向になるように配置された電動機
と、前記ケーシングの軸線を中心とした外側転動体を有
すると共に該外側転動体の内側に配置されケーシングの
軸線に対し偏心した偏心軸線を中心として転動する内側
転動体を有する偏心軸受と、前記電動機のロータを挟ん
で前記ケーシングの軸線方向に延び両端が前記偏心軸受
の外側転動体に支持された中空軸体からなり前記ロータ
によって回転される回転軸と、該回転軸内を前記偏心軸
線上に遊嵌して設けられ、前記偏心軸受の内側転動体に
支持されて旋回運動する旋回軸と、該旋回軸の両端側に
設けられ、第1,第2の固定スクロールと対面して鏡板
に第1,第2の固定スクロールのラップ部と重なり合っ
て複数の圧縮室を形成するラップ部が立設された第1,
第2の旋回スクロールとを備えている。
【0014】そして、請求項1の発明が採用する構成の
特徴は、前記ケーシングに用いる材料の熱膨張率を前記
旋回軸に用いる材料の熱膨張率よりも大となるように設
定する構成としたことにある。
【0015】このように構成したことにより、運転時に
旋回軸がケーシングよりも高い温度状態におかれたとき
でも、ケーシングは旋回軸よりも大きな熱膨張率を有し
ているから、ケーシングの軸方向の熱膨張量を旋回軸の
軸方向の熱膨張量とほぼ同等の大きさまで増大すること
ができる。
【0016】また、請求項2の発明は、ケーシングに用
いる材料はアルミ系材料により構成し、旋回軸に用いる
材料は鉄系材料により構成としている。これにより、ア
ルミ系材料からなるケーシングの熱膨張率を鉄系材料か
らなる旋回軸の熱膨張率に対して約2倍の大きさに設定
することが可能となる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態による
スクロール式流体機械としてスクロール式空気圧縮機を
例に挙げ、図1ないし図4の添付図面に従って詳細に説
明する。
【0018】1はスクロール式空気圧縮機の外枠を形成
し、後述の固定スクロール6A,6Bと共に固定側部材
を構成する筒状のケーシングを示し、該ケーシング1
は、軸線O1−O1(図1参照)を有するケーシング本体
2と、該ケーシング本体2の両端側に設けられた軸受取
付筒3A,3Bと、該軸受取付筒3A,3Bの外周側に
設けられた蓋部4A,4Bとにより構成されている。
【0019】ここで、ケーシング本体2は後述の旋回軸
21よりも大きな熱膨張率(熱膨張係数)α1をもった材
料、例えばアルミ系材料等を用いて形成されている。そ
して、このケーシング本体2の熱膨張率α1は、後述す
る旋回軸21の熱膨張率α2に対し約1.5〜2.5
倍、好ましくは下記数1の如く約2倍程度の大きさに設
定され、
【0020】
【数1】α1≒2×α2 となっている。
【0021】また、ケーシング1の蓋部4A,4Bは、
後述の吸込口30A,30Bと連通する位置に開口部4
A1,4B1が穿設されている。そして、蓋部4A,4B
は、ボルト5A,5Bにより軸受取付筒3A,3Bと一
緒にケーシング本体2側に固定して取付けられている。
【0022】6A,6Bはケーシング1の軸方向両側に
位置して蓋部4A,4Bの内周側にそれぞれ固定的に設
けられた第1,第2の固定スクロールで、該第1の固定
スクロール6Aは、略円板状に形成され、中心がケーシ
ング1の軸線O1−O1と一致するように配設され鏡板7
Aと、該鏡板7Aの表面に立設された渦巻状のラップ部
8Aと、鏡板7Aの外周側から該ラップ部8Aを取囲む
ように軸方向に突出し、ケーシング本体2の内周側に嵌
合して設けられた嵌合筒部9Aとによって構成されてい
る。また、第2の固定スクロール6Bについても、鏡板
7B、ラップ部8Bおよび嵌合筒部9Bによって構成さ
れている。
【0023】10は固定スクロール6A,6B間に位置
してケーシング1内の中間部に設けれた電動機で、該電
動機10は、ケーシング本体2の内周側に固定的に設け
られたステータ11と、該ステータ11の内周側に該ス
テータ11によって回転するように配設されたロータ1
2とによって構成され、ステータ11の軸線とロータ1
2の軸線はケーシング1の軸線O1−O1と同一軸線上に
配置されている。そして、電動機10は、ロータ12を
回転することにより後述の回転軸20を駆動するもので
ある。
【0024】13A,13Bは固定スクロール6A,6
Bと電動機10との間に位置して、軸受取付筒3A,3
Bの内周側に設けられた第1,第2の偏心軸受で、該第
1の偏心軸受13Aは、外輪14Aと、該外輪14Aの
内周側に外側転動体となる複数の球体15Aによって回
転可能に設けられ、回転軸20の外周側に固着された外
側中輪16Aと、回転軸20の内周側に固着された内側
中輪17Aと、該内側中輪17Aの内周側に内側転動体
となる複数の球体18Aによって回転可能に設けられた
内輪19Aとによって構成されている。
【0025】ここで、外輪14Aは、軸受取付筒3Aの
内周側に圧入されて取付けられ、軸線O1−O1上に配置
される。また、外側中輪16Aは、球体15Aによって
外輪14Aの内周側に位置決めされ、軸線O1−O1上に
配置されている。そして、この状態で球体15Aは外輪
14Aと外側中輪16Aとの間を軸線O1−O1を中心と
して転動する。
【0026】これに対して内側中輪17Aは、外輪14
Aの軸線O1−O1に対して径方向に一定寸法δだけ偏心
した偏心軸線O2−O2上に配置されている。また、内輪
19Aは、球体18Aによって内側中輪17Aの内周側
に位置決めされ、偏心軸線O2−O2上に配置されてい
る。そして、この状態で球体18Aは偏心軸線O2−O2
を中心に転動する。
【0027】かくして、偏心軸受13Aは、外側中輪1
6Aと内側中輪17Aとが回転軸20と一体に回転する
ことにより、旋回軸21と一体となった内輪19Aが軸
線O1−O1を中心として寸法δの旋回半径をもった旋回
運動を行うものである。また、第2の偏心軸受13Bに
ついても、外輪14B、球体15B、外側中輪16B、
内側中輪17B、球体18Bおよび内輪19Bによって
構成されている。
【0028】20は電動機10のロータ12を挟んで両
端側が偏心軸受13A,13Bに設けられた回転軸で、
該回転軸20は、中空軸体として形成され、電動機10
のロータ12内周側に挿嵌されて固定的に設けられてい
る。そして、回転軸20は、両端側がそれぞれ外側中輪
16Aの内周側と内側中輪17Aの外周側にそれぞれ固
着して取付けられ、ロータ12と一体となって回転する
ことにより外側中輪16Aと内側中輪17Aを回転させ
るものである。
【0029】ここで、回転軸20は、図1に示すよう
に、外周側が外輪14A,14Bの軸線O1−O1上に配
置されるのに対し、内周側は軸線O1−O1に対して径方
向に一定寸法δだけ偏心した偏心軸線O2−O2上に配置
される。
【0030】21は回転軸20内を遊嵌して設けられ、
偏心軸受13A,13Bの内輪19A,19Bに固定的
に支持された旋回軸で、該旋回軸21は、中実な円柱体
として形成され、偏心軸線O2−O2上に配置されてい
る。また、旋回軸21の両端側は内輪19A,19Bの
内周側に挿嵌して固着されている。
【0031】さらに、旋回軸21の両端側には第1,第
2のスラスト受板22A,22Bがボルト23により廻
止め状態で固定して取付けられている。そして、これら
スラスト受板22A,22Bは旋回スクロール24A,
24Bの鏡板25A,25B背面側に当接することによ
り、旋回スクロール24A,24Bに作用するスラスト
荷重を支持するものである。
【0032】ここで、旋回軸21はケーシング本体2よ
りも小さな熱膨張率α2をもった材料、例えば鉄系材料
等を用いて形成されている。そして、この旋回軸21の
熱膨張率α2は、ケーシング本体2の熱膨張率α1に対し
約2/5〜2/3倍、好ましくは1/2倍程度の大きさ
(数1参照)に設定されるものである。
【0033】なお、鉄の熱膨張率は鉄の温度が20度
(293K)のとき11.8×10-6(1/K)である
のに対し、アルミの熱膨張率は、アルミの温度が20度
のとき23.1×10-6(1/K)である。
【0034】また、旋回軸21は、図2、図3に示すよ
うにケーシング本体2の軸方向寸法L1とほぼ同一の軸
方向寸法L2をもって形成され、
【0035】
【数2】L1≒L2 となっている。
【0036】このため、後述するように運転時にケーシ
ング本体2の温度がT1まで上昇し、旋回軸21の温度
が温度T1の約2倍の温度T2まで上昇したときには、ケ
ーシング本体2の軸方向の熱膨張量ΔL1と旋回軸21
の軸方向の熱膨張量ΔL2とはほぼ同等の大きさとな
る。
【0037】24A,24Bは固定スクロール6A,6
Bと対面して旋回軸21の軸方向両端側にそれぞれ固定
的に設けられた第1,第2の旋回スクロールで、該第1
の旋回スクロール24Aは、円板状に形成された鏡板2
5Aと、該鏡板25Aの表面側から軸方向に立設された
渦巻状のラップ部26Aとによって構成されている。ま
た、鏡板25Aには、その内部を径方向に貫通して延び
る複数の冷却風通路27A(1個のみ図示)が形成されて
いる。
【0038】また、旋回スクロール24Aは、鏡板25
Aの背面側をスラスト受板22Aの表面側に嵌合させ、
この状態でボルト(図示せず)等を用いてスラスト受板2
2Aに一体に取付けられている。そして、旋回スクロー
ル24Aのラップ部26Aは、固定スクロール6Aのラ
ップ部8Aに対し例えば180度だけずらして重なり合
うように配設され、両者のラップ部8A,26A間には
複数の圧縮室28A,28A,…が画成される。
【0039】そして、スクロール式空気圧縮機の運転時
には、後述の吸込口30Aから外周側の圧縮室28A内
に空気を吸込みつつ、この空気を旋回スクロール24A
が旋回運動する間に各圧縮室28A内で順次圧縮し、最
後に中心側の圧縮室28Aから後述の吐出口31Aを介
して外部に圧縮空気を吐出する。
【0040】ここで、固定スクロール6Aと旋回スクロ
ール24Aは、運転前の状態では図4中に実線で示す位
置におかれ、このときラップ部26Aの先端と鏡板7A
との間のスラスト方向の隙間はSとなっている。また、
運転時には固定スクロール6Aと旋回スクロール24A
は、後述するように図4中に二点鎖線で示す位置におか
れ、このときラップ部26Aの先端と鏡板7Aとの間の
スラスト方向の隙間はS′となっている。
【0041】また、第2の旋回スクロール24Bについ
ても、鏡板25B、ラップ部26B、および冷却風通路
27B等によって構成され、固定スクロール6Bとの間
に複数の圧縮室28Bを画成している。
【0042】なお、29Aは軸受取付筒3Aとスラスト
受板22Aとの間に設けられたクランク軸、29Bは軸
受取付筒3Bとスラスト受板22Bとの間に設けられた
他ののクランク軸(いずれも1個のみ図示)で、これら
各クランク軸29A,29Bは、スラスト受板22A,
22Bと一体となった旋回スクロール24A,24Bの
自転を防止するものである。
【0043】また、30A,30Bは固定スクロール6
A,6Bのラップ部8A,8B外周側に位置してケーシ
ング本体2に設けられた吸込口、31A,31Bは固定
スクロール6A,6Bのラップ部8A,8B中心側に位
置してケーシング1の蓋部4A,4Bに設けられた吐出
口を示している。
【0044】本実施の形態によるスクロール式空気圧縮
機は上述の如き構成を有するもので、次にその作動につ
いて説明する。
【0045】まず、電動機10のロータ12を回転する
と、該ロータ12と一体となった回転軸20は、偏心軸
受13A,13Bの球体15A,15Bによって回転運
動を行い、このときに旋回軸21は球体18A,18B
によって回転軸20の内周側で回転する。
【0046】ここで、前記球体15A,15Bは、ケー
シング1(外輪14A,14B)の軸線O1−O1を中心
として回転するのに対し、球体18A,18Bは軸線O
1-O1に対して径方向に寸法δだけ偏心した偏心軸線O2
−O2を中心として回転するから、内輪19A,19B
と一体となった旋回軸21は、球体18A,18Bによ
り軸線O1−O1を中心として寸法δの旋回半径をもった
旋回運動を行い、旋回スクロール24A,24Bを旋回
させる。
【0047】この結果、固定スクロール6Aと旋回スク
ロール24Aとの間に画成された各圧縮室28Aはそれ
ぞれ連続的に縮小し、これにより固定スクロール6Aの
吸込口30Aから吸込んだ外気を各圧縮室28Aで順次
圧縮しつつ、この圧縮空気を固定スクロール6Aの吐出
口31Aから外部の空気タンク(図示せず)等に貯留さ
せる。
【0048】また、固定スクロール6Bと旋回スクロー
ル24Bとの間に画成された各圧縮室28Bについて
も、それぞれが連続的に縮小することにより、圧縮空気
を前記空気タンク等に貯留させる。
【0049】ところで、運転時には電動機10の発熱ま
たは圧縮室28A,28B内の熱がケーシング本体2、
旋回軸21等に伝わる。そして、ケーシング本体2は外
周側が直接外気と触れるため、ケーシング本体2の熱は
外部に放熱され易くなるのに対し、旋回軸21はケーシ
ング本体2内に収容されるから、旋回軸21の熱は外部
に逃げにくくなる。
【0050】この結果、運転を開始して当該スクロール
式空気圧縮機の温度が平衡状態となるまでの間、ケーシ
ング本体2が温度T1だけ上昇したとすると、旋回軸2
1は例えば温度T1の約2倍の温度T2まで上昇し、下記
数3のようになる。
【0051】ここで、本実施の形態では、数1の如くケ
ーシング本体2の熱膨張率α1を、旋回軸21の熱膨張
率α2に対し約2倍程度の大きさに設定すると共に、数
2のようにケーシング本体2の軸方向寸法L1を旋回軸
21の軸方向寸法L2とほぼ同一の大きさに形成してい
る。
【0052】そして、前述の如くケーシング本体2の温
度がT1だけ上昇したときのケーシング本体2の熱膨張
量をΔL1(図2参照)とし、旋回軸21の温度がT2だ
け上昇したときの旋回軸21の熱膨張量をΔL2(図3
参照)としたとき、これらの熱膨張量ΔL1,ΔL2は、
数4、数5の如く表される。
【0053】従って、数1〜数4によりケーシング本体
2の熱膨張量ΔL1は、数6のように表され、数5、数
6によりこのケーシング本体2の熱膨張量ΔL1と旋回
軸21の熱膨張量ΔL2とをほぼ同じ大きさ(ΔL1≒Δ
L2)に設定することができる。
【0054】
【数3】T1≒1/2×T2
【0055】
【数4】ΔL1=α1×L1×T1
【0056】
【数5】ΔL2=α2×L2×T2
【0057】
【数6】ΔL1≒α2×L2×T2
【0058】かくして、本実施の形態では、図4に示す
ように運転時にケーシング本体2が熱膨張したときの固
定スクロール6A(6B)の軸方向への移動量(1/2
×ΔL1)と、旋回軸21が熱膨張したときの旋回スク
ロール24A(24B)の軸方向への移動量(1/2×
ΔL2)とをほぼ一致させることができ、固定スクロー
ル6Aの鏡板7Aと旋回スクロール24Aのラップ部2
6Aとの間のスラスト方向の隙間S′を、運転前の隙間
Sとほぼ同じ大きさ(S′=S)に保つことができる。
【0059】これにより、運転前に固定スクロール6
A,6Bの鏡板7A,7Bと旋回スクロール24A,2
4Bのラップ部26A,26Bとの間のスラスト方向の
隙間Sをほぼ零(S≒0)に設定した場合でも、固定ス
クロール6A,6Bの鏡板7A,7Bと旋回スクロール
24A,24Bのラップ部26A,26B、または固定
スクロール6A,6Bのラップ部8A,8Bと旋回スク
ロール24A,24Bの鏡板25A,25Bとが干渉し
てかじりが発生するのを防止でき、これら固定スクロー
ル6A,6B、旋回スクロール24A,24Bの耐久
性、寿命等を高めることができる。
【0060】そして、固定スクロール6A,6Bの鏡板
7A,7Bと旋回スクロール24A,24Bのラップ部
26A,26Bとの間のスラスト方向の隙間S′を小さ
く保ち、圧縮性能を高めることができる。
【0061】なお、実施の形態では、偏心軸受13Aに
用いる中輪を、外側中輪16Aと内側中輪17Aの2部
材で構成する場合を例に挙げて説明したが、これに替え
て、例えば図5に示す変形例のように、偏心軸受41A
の中輪44Aを1部材で構成してもよい。
【0062】ここで、偏心軸受41Aは、外輪42A
と、該外輪42Aの内周側に外側転動体となる球体43
Aによって回転可能に設けられ回転軸20の端部に嵌合
して固着された中輪44Aと、該中輪44Aの内周側に
内側転動体となる球体45Aによって回転可能に設けら
れ旋回軸21の外周側に固着された内輪46Aとによっ
て構成されている。
【0063】また、実施の形態では、ケーシング1のう
ちケーシング本体2のみをアルミ系部材で形成し、蓋部
4A,4B等を鉄系部材で形成する場合を例に挙げて説
明したが、本発明はこれに限ることなく、例えば蓋部に
ついてもアルミ系部材を用いて形成してもよい。
【0064】また、実施の形態では、ケーシング本体2
の熱膨張率α1を旋回軸21の熱膨張率α2の約2倍に設
定する場合を例に挙げて説明したが、ケーシング本体の
熱膨張率および旋回軸の熱膨張率は、運転時におけるケ
ーシング本体の温度と旋回軸の温度に応じて例えば1.
5〜2.5倍の範囲内で適宜に変更してもよい。
【0065】さらに、実施の形態では、スクロール式流
体機械としてスクロール式空気圧縮機を例に挙げて説明
したが、本発明はこれに限らず、例えば冷媒圧縮機等に
も広く適用できるものである。
【0066】
【発明の効果】以上詳述した通り、請求項1に記載の発
明によれば、ケーシング内に軸方向に離間して一対の固
定スクロールを固定的に設け、これら各固定スクロール
間には、電動機によって駆動される旋回軸を配置し、該
旋回軸の両端側には固定スクロールと対向して旋回スク
ロールを固定的に設けると共に、ケーシングは旋回軸よ
りも大きな熱膨張率をもった材料を用いて形成する構成
としたので、運転時に旋回軸がケーシングよりも高い温
度状態におかれたときでも、ケーシングの軸方向の熱膨
張量を旋回軸の軸方向の熱膨張量とほぼ同等の大きさま
で増やすことができ、ケーシングと一体となった固定ス
クロールと、旋回軸と一体となった旋回スクロールとが
軸方向で干渉して両者の間にかじりが発生するのを抑え
られ、これら固定スクロール、旋回スクロールの耐久
性、寿命等を高めることができる。
【0067】そして、運転時における固定スクロールと
旋回スクロールとの間のスラスト方向の隙間を運転前と
同様に小さく保つことができ、圧縮性能を高めることが
できる。
【0068】また、請求項2の発明は、ケーシングに用
いる材料はアルミ系材料であり、旋回軸に用いる材料は
鉄系材料である構成としたので、ケーシングの熱膨張率
を旋回軸の熱膨張率に対して約2倍程度まで大きく設定
することができ、ケーシングの材料の選択を簡単に行う
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態によるスクロール式空気圧
縮機を示す縦断面図である。
【図2】図1中のケーシング本体を単体で示す断面図で
ある。
【図3】第1の旋回軸を単体で示す断面図である。
【図4】図1中の固定スクロールおよび旋回スクロール
等を拡大して示す部分拡大断面図である。
【図5】本発明の変形例によるスクロール式空気圧縮機
を示す一部破断の縦断面図である。
【符号の説明】
1 ケーシング(固定側部材) 2 ケーシング本体 6A,6B 固定スクロール 7A,7B,25A,25B 鏡板 8A,8B,26A,26B ラップ部 10 電動機 11 ステータ 12 ロータ 13A,13B,41A 偏心軸受 15A,15B,43A 球体(外側転動体) 18A,18B,45A 球体(内側転動体) 20 回転軸 21 旋回軸 24A,24B 旋回スクロール 28A,28B 圧縮室
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 末藤 和孝 神奈川県川崎市川崎区富士見1丁目6番3 号 トキコ株式会社内 Fターム(参考) 3H029 AA02 AA09 AA15 AA21 AB03 BB11 CC09 CC16 CC38 3H039 AA02 AA06 AA14 BB12 CC04 CC10 CC33 CC35

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ケーシングと該ケーシングの軸線上に位
    置して該ケーシングの両端側に固定的に設けられ鏡板に
    渦巻状のラップ部が立設された第1,第2の固定スクロ
    ールとからなる固定側部材と、 該第1,第2の固定スクロール間に位置して前記ケーシ
    ング内に設けられ、ロータとステータとが前記ケーシン
    グの軸線と同一方向になるように配置された電動機と、 前記ケーシングの軸線を中心とした外側転動体を有する
    と共に該外側転動体の内側に配置されケーシングの軸線
    に対し偏心した偏心軸線を中心として転動する内側転動
    体を有する偏心軸受と、 前記電動機のロータを挟んで前記ケーシングの軸線方向
    に延び両端が前記偏心軸受の外側転動体に支持された中
    空軸体からなり前記ロータによって回転される回転軸
    と、 該回転軸内を前記偏心軸線上に遊嵌して設けられ、前記
    偏心軸受の内側転動体に支持されて旋回運動する旋回軸
    と、 該旋回軸の両端側に設けられ、第1,第2の固定スクロ
    ールと対面して鏡板に第1,第2の固定スクロールのラ
    ップ部と重なり合って複数の圧縮室を形成するラップ部
    が立設された第1,第2の旋回スクロールとを備えてな
    るスクロール式流体機械において、 前記ケーシングに用いる材料の熱膨張率は前記旋回軸に
    用いる材料の熱膨張率よりも大となるように設定する構
    成としたことを特徴とするスクロール式流体機械。
  2. 【請求項2】 前記ケーシングに用いる材料はアルミ系
    材料であり、前記旋回軸に用いる材料は鉄系材料である
    請求項1に記載のスクロール式流体機械。
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