JP2002070711A - 車両用エンジン始動装置 - Google Patents

車両用エンジン始動装置

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JP2002070711A JP2000257699A JP2000257699A JP2002070711A JP 2002070711 A JP2002070711 A JP 2002070711A JP 2000257699 A JP2000257699 A JP 2000257699A JP 2000257699 A JP2000257699 A JP 2000257699A JP 2002070711 A JP2002070711 A JP 2002070711A
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    • F02PIGNITION, OTHER THAN COMPRESSION IGNITION, FOR INTERNAL-COMBUSTION ENGINES; TESTING OF IGNITION TIMING IN COMPRESSION-IGNITION ENGINES
    • F02P11/00Safety means for electric spark ignition, not otherwise provided for
    • F02P11/02Preventing damage to engines or engine-driven gearing
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エンジン始動時のケッチンを防止して始動音
を低く抑えたエンジン始動装置を提供する。 【解決手段】 所定の始動操作に応答してエンジンをク
ランキングするスタータモータと、前記始動操作に応答
してエンジンを所定の回転角度で点火させる点火装置と
を具備した車両用エンジン始動装置において、点火装置
の点火動作を、エンジンが運転状態から停止状態に至る
停止過程(時刻t0 以降)において禁止する点火禁止手
段を設け、前記点火禁止手段は、エンジン回転数Aが前
記停止過程において所定回転数(800rpm)を下回
ると、点火装置の点火動作を所定回数(3回:P2 、P
3 、P4 )だけ禁止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スタータモータを
利用してエンジンを始動するエンジンの始動装置に係
り、特に、エンジンを車両走行中は所定の停車条件に応
答して自動停止し、停止後は所定の発進操作に応答して
再始動するエンジン自動停止始動システムを採用した車
両に好適な車両用エンジン始動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】エンジン始動時には、スタータモータの
駆動開始と同時に点火装置も点火動作を開始することか
ら、エンジンが回り始めてエンジン回転数が非常に低い
時点で点火動作がなされると、その爆発力でピストンが
上死点に達する前に押し戻され、スタータモータに負荷
が加わると同時に騒音が発生する。このような現象は一
般に“ケッチン”と呼ばれる。
【0003】このようなエンジン始動時に発生するケッ
チン騒音を低減するために、例えば特開昭60−187
766号公報あるいは特開平2−147330139号
公報では、エンジン回転数が所定の回転数に達するまで
は点火装置の動作を禁止する技術が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記した従来技術で
は、始動操作が検知されると初めにエンジン回転数が計
測され、当該エンジン回転数が所定値以上であれば点火
装置の動作が許可される。ここで、従来技術ではエンジ
ンが常に停止状態から始動されことを前提としているた
め、エンジン回転数はスタータモータによるクランキン
グされて徐々に上昇する。したがって、計測されたエン
ジン回転速度が所定値以上であれば、その後の実際の点
火タイミングにおけるエンジン回転速度も常に所定値を
上回るため、ケッチンの発生を有効に防止できる。
【0005】これに対して、運転中のエンジンが停止状
態に至る停止過程で始動操作がなされてしまうと、エン
ジン回転数の計測タイミングではエンジン回転数が所定
値以上であったために点火動作が許可されたものの、そ
の後の点火タイミングでは、エンジン回転数が所定値を
下回っていることが多く、このような場合にはケッチン
が発生し得る。
【0006】一方、環境問題や省エネルギの観点から、
エンジン点火装置の点火動作を、車両走行中は所定の停
車条件に応答して停止し、中断後は所定の発進操作に応
答して再開するエンジン自動停止始動装置を搭載した車
両が開発され、市場に流通している。このようなエンジ
ン自動停止始動装置を搭載した車両では、運転中のエン
ジンが停止状態に至る停止過程で始動操作がなされるこ
とがあるため、上記したケッチンが発生し得る。
【0007】本発明の目的は、上記した従来技術の課題
を解決し、エンジン始動時のケッチンを防止して始動音
を低く抑えたエンジン始動装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために、本発明は、所定の始動操作に応答してエンジン
をクランキングするスタータモータと、前記始動操作に
応答してエンジンを所定の回転角度で点火する点火装置
とを具備した車両用エンジン始動装置において、以下の
ような手段を講じた点に特徴がある。
【0009】(1) 点火装置の点火動作を、エンジンが運
転状態から停止状態に至る停止過程において禁止する点
火禁止手段を具備したことを特徴とする。
【0010】(2) 点火装置の点火動作を、エンジンが運
転状態から停止状態に至る停止過程では第1のエンジン
回転数以下において禁止し、エンジンが停止状態から始
動される始動過程では第2のエンジン回転数以下におい
て禁止する点火禁止手段を設け、第1のエンジン回転数
を第2のエンジン回転数よりも高くしたことを特徴とす
る。
【0011】上記した特徴(1) によれば、エンジンが運
転状態から停止状態に至る停止過程では点火装置の動作
が禁止されるので、停止過程において始動操作がなさ
れ、かつエンジンが低速度で上死点手前の点火位置に達
しても、エンジンが点火されないのでケッチンが発生し
ない。
【0012】上記した特徴(2) によれば、点火装置の点
火動作を禁止するエンジン回転数の上限値が、停止過程
では始動過程よりも高く設定されるので、点火動作の禁
止回数を最小限に抑えながら、始動過程のみならず停止
過程においてもケッチンを確実に防止できる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明を詳
細に説明する。図5は、本発明のエンジン停止始動制御
装置を搭載した自動二輪車の全体側面図である。車体前
部2と車体後部3とは低いフロア部4を介して連結さ
れ、ダウンチューブ6とメインパイプ7とを含む車体フ
レームによって車体の骨格が構成されている。燃料タン
クおよび収納ボックス(共に図示せず)はメインパイプ
7により支持され、その上方にシート8が配置されてい
る。シート8はその下部に設けられるラゲッジボックス
の蓋を兼ねることができ、ラゲッジボックスは、その前
部FRに設けられるヒンジ機構により開閉自在に構成さ
れている。
【0014】車体前部2ではダウンチューブ6にステア
リングヘッド5が設けられ、このステアリングヘッド5
によってフロントフォーク12Aが軸支されている。上
方に延びたフロントフォーク12Aの上端にはハンドル
11Aが取付けられる一方、下端には前輪13Aが軸支
されている。ハンドル11Aの上部は計器板を兼ねたハ
ンドルカバー33で覆われている。
【0015】メインパイプ7の途中にはリンク部材(ハ
ンガ)37が回動自在に軸支され、このハンガ37によ
りスイングユニット17がメインパイプ7に揺動自在に
連結支持されている。スイングユニット17には、その
前部に単気筒の4サイクルエンジン200が搭載されて
いる。このエンジン200から後方にかけてベルト式無
段変速機35が構成され、その後部には遠心クラッチを
介して設けられた減速機構38に後輪21が軸支されて
いる。減速機構38の上端とメインパイプ7の上部屈曲
部との間にはリヤクッション22が介装されている。
【0016】スイングユニット17の前部には、エンジ
ン200のシリンダヘッド32から延出した吸気管23
が接続され、さらにこの吸気管23には気化器24およ
び同気化器24に連結されたエアクリーナ25が配設さ
れている。スイングユニットケース31の下部に設けら
れた枢軸18にはメインスタンド26が枢着されてお
り、駐車に際してはこのメインスタンド26を立てる
(鎖線で図示)。
【0017】図1は、前記スイングユニット17の第1
実施形態の断面図であり、前記図5のA−A面での断面
構造を示している。図2は、スイングユニット17のク
ランクシャフトに垂直な平面での断面図である。前記ス
イングユニット17は、車両前方に位置するエンジン2
00、クランクシャフト12の一端に連結された発電装
置部G、クランクシャフト12の他端に連結された自動
変速機の駆動部AT1および従動部AT2を備える。
【0018】スイングユニットケース31には主軸受1
0、11で回転自在に支持されたクランクシャフト12
が設けられ、このクランクシャフト12にはクランクピ
ン13を介してコンロッド14が連結されている。クラ
ンク室9から張出したクランクシャフト12の一端には
発電機44が設けられている。
【0019】発電機44のアウターロータ42にはワン
ウェイ(一方向)クラッチ50の一方(クランクシャフ
ト側)のスリーブ57aがネジ43により固定され、他
方(スプロケット側)のスリーブ55aは、スプロケッ
ト58と一体的に、発電機44および主軸受11間でク
ランクシャフト12に回転自在に支持されている。スプ
ロケット58には、図2に示したスタータモータ49か
ら始動トルクを得るためのチェーン40が掛けられてい
る。
【0020】前記ワンウェイクラッチ50のクラッチ部
56aは、発電機44のアウターロータ42すなわちク
ランクシャフト12が、スプロケット58に対して相対
的に逆転方向へ空転することを阻止し、正転方向へ空転
することを許容する。したがって、エンジン始動時に前
記スタータモータ49が駆動されてスプロケット58が
クランクシャフト12の正転方向へ駆動されれば、これ
に追従してクランクシャフト12も正転方向へ駆動され
る。
【0021】これに対してエンジン始動後は、スタータ
モータ49が停止してもクランクシャフト12がスプロ
ケット58に対して空転するので、クランクシャフト1
2の駆動力がスタータモータ49へ伝達されることはな
い。
【0022】クランクシャフト12上には、前記スプロ
ケット58および主軸受11間にスプロケット59が固
定されている。スプロケット59にはクランクシャフト
12からカムシャフト69を駆動する動力を得るための
チェーン60が掛けられている。なお、スプロケット5
9は潤滑オイルを循環させるポンプ(図示せず)に動力
を伝達するためのギヤ61と一体的に形成されている。
【0023】シリンダ62内に配置されているピストン
63はコンロッド14のスモールエンド側に連結されて
いる。シリンダヘッド32には点火プラグ65が螺着さ
れ、その電極部がピストン63のヘッドとシリンダヘッ
ド32との間に形成された燃焼室に臨んでいる。シリン
ダ62の周りは水ジャケット66で囲まれている。
【0024】シリンダヘッド32内の、前記シリンダ6
2の上方ではカムシャフト69が回転自在に支持され、
カムシャフト69にはカムスプロケット72が固定され
ている。カムスプロケット72には前記チェーン60が
掛けられている。このチェーン60によって、前記スプ
ロケット59の回転つまりクランクシャフト12の回転
がカムシャフト69に伝達される。
【0025】カムシャフト69の上部にはロッカアーム
73が設けられ、このロッカアーム73はカムシャフト
69の回転に伴いカムシャフト69のカム形状に応じて
揺動する。カムシャフト69のカム形状は、4サイクル
エンジンの所定の行程に応じて吸排気弁95、96が開
閉されるように決定されている。
【0026】クランクシャフト12上の、前記発電機4
4が設けられた側とは反対側の端部には、Vベルト82
を巻き掛けるためのプーリ83が設けられている。プー
リ83はクランクシャフト12に対して回転方向および
軸方向の動きが固定された固定プーリ片83a、および
クランクシャフト12に対して軸方向に摺動自在な可動
プーリ片83bとからなる。可動プーリ片83bの背面
つまりVベルト82と当接しない面にはホルダプレート
84が取付けられている。ホルダプレート84はクラン
クシャフト12に対して回転方向および軸方向の双方に
その動きが規制されていて一体で回転する。ホルダプレ
ート84と可動プーリ片83bとによって囲まれた空所
はガバナウェイトとしてのローラ85を収容するポケッ
トを形成している。
【0027】固定プーリ片83aの背面つまりVベルト
82と当接しない面にはファン83cが一体的に形成さ
れており、スイングユニットケース31の前記ファン8
3cと対向する開口部には、自動変速機室内に冷却風を
清浄して導入するためのエアクリーナ71を備えたエア
クリーナカバー70が装着されている。前記ファン83
cは、クランクシャフト12が正転したときにエアクリ
ーナ71を介して外気を自動変速機室内に吸引するよう
に形成されている。
【0028】自動変速機の従動部AT2において、クラ
ッチのメインシャフト125にはプーリ132の固定プ
ーリ片132aが支持されている。メインシャフト12
5の端部にはナット133によってカップ状のクラッチ
板134が固定されている。前記固定プーリ片132a
のスリーブ135には、プーリ132の可動プーリ片1
32bがメインシャフト125の長手方向に摺動自在に
設けられている。可動プーリ片132bは、メインシャ
フト125の周りで一体的に回転できるようにディスク
136に係合している。ディスク136と可動プーリ片
132bとの間には、両者間の距離を拡張する方向に反
発力が作用する圧縮コイルばね137が設けられてい
る。メインシャフト125、アイドルシャフト142お
よび出力シャフト145は相互に噛合い、後輪21のリ
ム21aは前記出力シャフト145に固定されている。
【0029】上記したように、本実施形態によれば、ス
タータモータ49とクランクシャフト12とが無端連結
手段としてのチェーン40により連結され、エンジン始
動時にはクランクシャフト12がチェーン駆動されるの
で、スタータモータ49による始動音を従来に比べて低
く抑えることができる。
【0030】また、本実施形態のようにクランク室9を
挟んでクランクシャフト12の両側に発電機44および
自動変速機のプーリ83を設ける場合、クランクシャフ
ト12上での軸方向の占有領域は、自動変速機のプーリ
83が発電機44よりも大きくなる。したがって、クラ
ンク室9を挟んで両側のクランクシャフト長も、プーリ
83側が発電機44側よりも長くなる傾向にある。これ
に対して、本実施形態ではスプロケット58およびその
一方向クラッチ50を発電機44側に設けたので、クラ
ンク室9を挟んで両側のクランクシャフト長を同等にす
ることができ、その回転バランスを安定させることがで
きる。
【0031】さらに、本実施形態によれば、クランクシ
ャフト12とスタータモータ49とを連結するためのチ
ェーン40、およびクランクシャフト12とカムシャフ
ト69とを連結するためのチェーン60をエンジンの一
方の側に集約できるのでメインテナンス性が向上する。
【0032】続いて、本発明を適用したエンジン自動停
止始動システムについて説明する。このシステムは、ア
イドリングを許可する動作モード(以下、「始動&アイ
ドルスイッチ(SW)モード」という)と、アイドリン
グを制限(または禁止)する動作モード(以下、「停止
発進モード」という)とを備えている。
【0033】アイドリングを許可する「始動&アイドル
スイッチ(SW)モード」では、エンジン始動時の暖気
運転等を目的として、主電源投入後の最初のエンジン始
動後にアイドリングが一時的に許可される。また、上記
した最初のエンジン始動後以外でも、運転者の意思(ア
イドルSWを“オン”)によってアイドリングが許可さ
れる。
【0034】一方、アイドリングが制限される「停止発
進モード」では、車両を停止させるとエンジンが自動停
止し、停止状態でアクセルが操作されるとエンジンが自
動的に再始動されて車両の発進が可能になる。
【0035】図8は、エンジン自動停止始動システムの
全体構成を示したブロック図であり、前記と同一の符号
は同一または同等部分を表している。
【0036】クランク軸12には、これと同軸に発電機
(ACジェネレータ172)が設けられ、発電機172
による発電電力は、レギュレータ・レクティファイア1
67を介してバッテリ168に充電される。レギュレー
タ・レクティファイア167は、発電機172の出力電
圧を、12Vないし14.5Vに制御する。バッテリ1
68は、スタータリレー162が導通されるとスタータ
モータ49へ駆動電流を供給すると共に、メインスイッ
チ173を介して各種の一般電装品174および主制御
装置160等に負荷電流を供給する。
【0037】主制御装置160には、点火タイミングお
よびエンジン回転数Neを検知するためのパルサ153
と、エンジン200のアイドリングを運転者の意思で許
可または制限するためのアイドルスイッチ253と、運
転者がシートに着座すると接点を閉じて“H”レベルを
出力する着座スイッチ254と、車速を検知する車速セ
ンサ255と、前記「停止発進モード」で点滅するスタ
ンバイインジケータ256と、スロットル開度θを検知
するスロットルセンサ257(スロットルスイッチ25
7aを含む)と、スタータモータ49を駆動してエンジ
ン200をクランキングするスタータスイッチ258
と、ブレーキ操作に応答して“H”レベルを出力するス
トップスイッチ259と、バッテリ168の電圧が所定
値(例えば、10V)以下になると点灯して充電不足を
運転者に警告するバッテリインジケータ276と、エン
ジンの冷却水温度を検知する水温センサ155とが接続
されている。
【0038】さらに、主制御装置160には、クランク
軸12の回転に同期して点火プラグ65を点火させる点
火装置(イグニッションコイルを含む)161と、スタ
ータモータ49に電力を供給するスタータリレー162
の制御端子と、前照灯169に電力を供給する前照灯ド
ライバ163の制御端子と、キャブレタ166に装着さ
れたバイスタータ165に電力を供給するバイスタータ
リレー164の制御端子とが接続されている。前記前照
灯ドライバ163は、FET等のスイッチング素子によ
り構成され、このスイッチング素子を所定の周期および
デューティー比で断続させて前照灯169への印加電圧
を実質的に制御する、いわゆるチョッピング制御を採用
している。
【0039】図9〜12は、主制御装置160の構成を
機能的に示したブロック図(その1、その2、その3、
その4)であり、図8と同一の符号は同一または同等部
分を表している。
【0040】図13、14には、主制御装置160を構
成するスタータリレー制御部400、バイスタータ制御
部900、スタンバイインジケータ制御部600、前照
灯制御部800、停車後非着座制御部100、点火制御
部700、点火ノック制御部200および充電制御部5
00の各制御内容を一覧表示している。
【0041】図9において、動作切換部300は、アイ
ドルスイッチ253の状態および車両の状態等が所定の
条件のときに、主制御装置160の動作モードを「始動
&アイドルSWモード」および「停止発進モード」のい
ずれかに切り換える。
【0042】動作切換部300の動作モード信号出力部
301には、アイドルスイッチ253の状態信号が入力
される。アイドルスイッチ253の状態信号は、オフ状
態(アイドリング制限)では“L”レベル、オン状態
(アイドリング許可)では“H”レベルを示す。動作モ
ード信号出力部301は、アイドルスイッチ253、車
速センサ255および水温センサ155の出力信号に応
答して、主制御装置160の動作モードを「始動&アイ
ドルSWモード」および「停止発進モード」のいずれか
に指定する動作モード信号S301 を出力する。
【0043】図15は、動作モード信号出力部301に
よる動作モードの切り換え条件を模式的に示した図であ
り、メインスイッチ173が投入されて主制御装置16
0がリセットされる(条件1が成立)と、動作モード信
号S301 を“L”レベルにして「始動&アイドルSWモ
ード」を起動する。
【0044】さらに、この「始動&アイドルSWモー
ド」において所定速度(例えば、時速10キロ)以上の
車速が検知され、かつ水温が所定温度(例えば、暖気運
転が完了したと予測される温度)以上であり、かつアイ
ドルスイッチ253がオフであれば(条件2が成立)、
動作モード信号S301 を“L”レベルから“H”レベル
へ遷移させて「停止発進モード」を起動する。
【0045】また、「停止発進モード」において、アイ
ドルSWが“オフ”から“オン”(条件3が成立)にさ
れると、動作モード信号S301 を“H”レベルから
“L”レベルへ遷移させ、動作モードを「停止発進モー
ド」から「始動&アイドルSWモード」へ戻す。なお、
「停止発進モード」あるいは「始動&アイドルSWモー
ド」のいずれにおいても、メインSW173が遮断(条
件4が成立)されればオフ状態となる。
【0046】図9へ戻り、スタータリレー制御部400
は、前記各動作モードに応じて所定の条件下でスタータ
リレー162を起動する。クランキング回転数以下判定
部401およびアイドリング回転数以下判定部407に
はパルサ153の検知信号が入力される。クランキング
回転数以下判定部401は、エンジン回転数が所定のク
ランキング回転数(例えば、600rpm)以下である
と“H”レベルの信号を出力する。アイドリング以下判
定部407は、エンジン回転数が所定のアイドリング回
転数(例えば、1200rpm)以下であると“H”レ
ベルの信号を出力する。
【0047】AND回路402は、クランキング回転数
以下判定部401の出力信号と、ストップスイッチ25
9の状態信号と、スタータスイッチ258の状態信号と
の論理積を出力する。AND回路404は、アイドリン
グ以下判定部407の出力信号と、スロットルスイッチ
257aの検出信号と、着座スイッチ254の状態信号
との論理積を出力する。
【0048】AND回路403は、前記AND回路40
2の出力信号と動作モード信号S301 の反転信号との論
理積を出力する。AND回路405は、前記AND回路
404の出力信号と動作モード信号S301 との論理積を
出力する。OR回路406は、前記各AND回路40
3、405の論理和を始動信号Sinとして出力する。始
動信号延長部407は、始動信号Sinのパルス幅が所定
の基準時間よりも短いと、これを基準時間以上に延長し
てスタータリレー162へ出力する。
【0049】前記始動信号延長部407は、前記始動信
号Sinを検知してワンショットのパルス信号を出力する
マルチバイブレータ407aと、前記始動信号Sinとマ
ルチバイブレータ407aの出力信号との論理和を延長
後の始動信号Sout として出力するOR回路407bと
を含む。前記マルチバイブレータ407aは、その出力
パルスのパルス幅を可変抵抗の抵抗値に応じて任意に延
長できる。
【0050】図18は、前記始動信号延長部407の動
作を示したタイミングチャートであり、マルチバイブレ
ータ407aの可変抵抗値は、出力パルスのパルス幅が
始動信号Sinのパルス幅tonにかかわらず0.6秒とな
るように設定されている。したがって、スタータスイッ
チ258が0.6秒よりも短い期間しかオンにされない
場合でも、マルチバイブレータ407aの出力パルス幅
は0.6秒になる。
【0051】さらに、OR回路407bはマルチバイブ
レータ407aの出力パルスと始動信号Sinとの論理和
を出力するので、始動信号延長部407の出力信号Sou
t は、始動信号Sout のパルス幅tonが0.6秒未満で
あれば0.6秒,始動信号Sinのパルス幅tonが0.6
秒よりも長ければ、そのパルス幅の信号となる。
【0052】なお、上記した実施形態では、始動信号を
0.6秒まで延長するものとして説明したが、本発明は
これのみに限定されるものではなく、スタータモータ4
9の回転速度や減速比に応じて最適に設定する必要があ
る。
【0053】すなわち、図19に示したように、エンジ
ンを停止させると、そのピストンは圧縮上死点(TD
C)に至る直前の圧縮工程で停止する確率が高い。そし
て、次のエンジン始動時にこの状態からスタータモータ
49を駆動すると、直後の圧縮TDCの直前ではエンジ
ンに点火せず、直後の次の圧縮TDCの手前で初めて爆
発する。したがって、スタータモータ49は、少なくと
もピストンが直後の次の圧縮TDCまで達するようにエ
ンジンを回転させなければならない。
【0054】ただし、ピストンが前記直後の次の圧縮T
DCの近傍に達した時点でスタータモータ49が停止し
てしまうと、爆発加重が逆転方向に作用してクランクシ
ャフト12が逆転する、いわゆるケッチンが発生してし
まう。したがって、前記始動信号延長部407による延
長時間は、圧縮TDCの手前で停止したピストンが、そ
の直後の圧縮TDCおよび次の圧縮TDCを超える位置
まで駆動されるのに要する時間に設定することが望まし
い。
【0055】上記したように、本実施形態では始動信号
延長部407を設け、スタータスイッチ258が0.6
秒よりも短い期間しか投入されない場合でも、スタータ
モータ49は少なくとも0.6秒間は駆動される。した
がって、エンジン始動時のケッチンが防止されてエンジ
ン始動音の低減が可能になる。
【0056】また、本実施形態によれば、アクセルグリ
ップを短時間開くだけで、スタータモータをエンジンの
始動に最低限必要な時間は駆動させることができるの
で、特に自動遠心クラッチを採用した車両では、運転者
はエンジン回転数の上昇に気遣うことなく、容易なスロ
ットル操作でエンジンを始動させることができる。
【0057】さらに、上記したスタータリレー制御によ
れば、「始動&アイドルスイッチモード」ではAND回
路403がイネーブル状態となる。したがって、エンジ
ン回転数がクランキング回転数以下であり、かつストッ
プスイッチ259がオン状態(ブレーキ操作中)のとき
にスタータスイッチ258が運転者によりオンされる
(AND回路402の出力が“H”レベルになる)と、
スタータリレー162が導通してスタータモータ49が
起動される。
【0058】また、「停止発進モード」では、AND回
路405がイネーブル状態となる。したがって、エンジ
ン回転数がアイドリング以下であり、着座スイッチ25
4がオン状態(運転者がシートに着座中)のときにスロ
ットルが開かれる(AND回路404の出力が“H”レ
ベルになる)と、スタータリレー162が導通してスタ
ータモータ49が起動される。
【0059】図10のスタンバイインジケータ制御部6
00では、車速ゼロ判定部601に車速センサ255の
検知信号が入力され、車速が実質的にゼロであれば
“H”レベルの信号を出力する。Ne判定部602はパ
ルサ153の検知信号に基づいてエンジン回転数を求
め、これが所定値以下であれば“H”レベルの信号を出
力する。AND回路603は、前記各判定部601、6
02の出力信号の論理積を出力する。
【0060】AND回路604は、前記AND回路60
3の出力信号と着座スイッチ254の反転信号との論理
積を出力する。AND回路605は、前記AND回路6
03の出力信号と着座スイッチ254の出力との論理積
を出力する。点灯/点滅制御部606は、AND回路6
04の出力信号が“H”レベルであれば点灯信号を発生
し、“L”レベルであれば点滅信号を発生する。AND
回路607は、点灯/点滅制御部606の出力信号と動
作モード信号S301 との論理積を出力する。スタンバイ
インジケータ256は、点灯信号に応答して点灯し、点
滅信号に応答して点滅する。
【0061】このようなスタンバイインジケータ制御に
よれば、図13に示したように、スタンバイインジケー
タ256は「停止発進モード」中の停車時に、運転者が
非着座であれば点灯し、着座していれば点滅する。した
がって、運転者はスタンバイインジケータ256が点滅
していれば、エンジンが停止していてもアクセルグリッ
プを開きさえすれば直ちに発進できることを認識するこ
とができる。
【0062】図10の点火制御部700は、前記各動作
モード毎に、点火装置161による点火動作を所定の条
件下で開始、停止または見送る(禁止する)。
【0063】点火開始制御部701は、所定の車両発進
操作に応答して点火開始信号S701をオン(“H”レベ
ル)にし、点火装置161による点火動作を許可する。
点火停止制御部702は、所定の車両停止条件に応答し
て点火停止信号S702 をオンにし、点火装置161によ
る点火動作を停止させる。点火禁止制御部703は、ケ
ッチンの発生が予測させる点火タイミングを含む所定期
間だけ点火禁止信号S703 をオンにし、前記点火開始信
号S701 の状態にかかわらず点火装置161による点火
動作を禁止する。各制御部701,702,703の動
作については、後にフローチャートを参照して説明す
る。
【0064】AND回路704は、前記点火開始信号S
701 と点火停止信号S702 の反転信号との論理積を出力
する。AND回路705は、前記AND回路704の出
力信号と点火禁止信号S703 の反転信号との論理積を出
力する。OR回路706は、AND回路705の出力信
号と動作モード信号S301 の反転信号との論理和を出力
する。
【0065】したがって、本実施形態では「始動&アイ
ドルSWモード」ではOR回路706の出力が常に
“H”レベルとなるので点火動作が常に許可される。こ
れに対して、「停止発進モード」では、点火開始信号S
701 がオンであり、かつ点火禁止信号S703 がオフの場
合のみ点火動作が許可され、それ以外では点火動作が禁
止されることになる。
【0066】図20は、前記点火開始制御部701によ
り実行される点火開始制御の動作を示したフローチャー
トであり、所定の周期で繰り返し実行される。
【0067】ステップS201では、スロットルスイッ
チ257aの出力信号に基づいてスロットルグリップが
開いているか否かが判定され、開いていればステップS
203へ進む。ステップS203では、着座スイッチ2
54の出力信号に基づいて、運転者が着座状態にあるか
否かが判定される。運転者が着座していれば、ステップ
S205において点火開始信号S701 がオン(“H”レ
ベル)にされる。すなわち、点火装置161の点火動作
が許可される。
【0068】前記ステップS201において、スロット
ルグリップが開いていないと判定されても、ステップS
202において、車速センサ255の検知信号に基づい
て車速がゼロよりも大きいと判定されればステップS2
03へ進み、ここで運転者が着座していると判定されれ
ば、ステップS205において点火開始信号S701 がオ
ンにされて点火装置161の点火動作が許可される。
【0069】なお、スロットルグリップが開いておら
ず、かつ車速がゼロであれば、ステップS204におい
て、点火開始信号S701 がオフ(“L”レベル)にされ
る。すなわち、点火装置161の点火動作が許可されな
い。
【0070】このように、本実施形態の点火開始制御に
よれば、運転者が着座しているときにスロットルグリッ
プが開かれるか、あるいは車速が0よりも大きくなる
と、点火開始信号S701 がオンになる。すなわち、点火
装置161による点火動作が許可される。
【0071】図21は、前記点火停止制御部702によ
り実行される点火停止制御の動作を示したフローチャー
トであり、所定の周期で繰り返し実行される。
【0072】ステップS211において、スロットルス
イッチ257aの出力信号に基づいてスロットルグリッ
プが閉じていると判定され、さらにステップS212に
おいて、車速センサ255の検知信号に基づいて車速が
ゼロと判定され、さらにステップS213において、着
座スイッチ254の出力信号に基づいて運転者が着座状
態と判定されると、ステップS214では、タイマがス
タートしていなければスタートする。
【0073】その後、ステップS215において、前記
タイマのタイムアウト(本実施形態では、3秒)が検知
されると、ステップS216において、点火停止信号S
702がオン(“H”レベル)にされる。この結果、AN
D回路704がディスエーブル状態となるので、その出
力信号が“L”レベルとなって点火装置161の点火動
作が禁止される。
【0074】なお、前記ステップS211,S212,
S213のいずれかが否定であれば、ステップS217
において、点火停止信号S702 がオフ(“L”レベル)
にされるので、AND回路704がイネーブル状態とな
って点火装置161の点火動作が継続される。
【0075】上記した点火停止制御によれば、スロット
ルが戻されて車両が停止したときに運転者が着座してい
れば、点火停止信号S702 がオンになってAND回路7
04が閉じるので、点火装置161による点火動作が停
止される。
【0076】図22は、前記点火禁止制御部703によ
る点火禁止制御の動作を示したフローチャートであり、
本実施形態では、停止条件が成立(点火停止信号S702
がオン)してエンジンを停止させる際、エンジンが運転
状態から停止状態に至る停止過程では点火装置161の
点火動作を禁止してケッチンの発生を防止するようにし
ている。
【0077】図23は、前記点火禁止制御の制御内容を
説明するための図であり、横軸は4サイクルエンジンの
行程であって、“圧”は圧縮上死点、“排”は排気上死
点を示している。縦軸はエンジン回転数Neを示してい
る。
【0078】図23の時刻t0 において停止条件が成立
し、前記点火停止制御部702の点火停止信号S702 が
オンになると、点火装置16の動作が停止されるのでエ
ンジン回転数は低下し始める。図22のステップS22
1では、例えば点火停止信号S702 の立上がりを検知
し、停止条件が新規に成立したと判定してステップS2
22へ進む。
【0079】その後、図23に実線Aで示したように、
エンジン回転数Neが時刻t2 において800rpmを
切ると、これがステップS222で検知されてステップ
S223へ進む。ステップS223では、点火禁止信号
S703 がオン(“H”レベル)にされる。この結果、図
10ではAND回路705がディスエーブル状態となる
ので、停止発進モードでは、エンジン回転数Neが80
0rpmを切ると、たとえ始動操作に応答して点火開始
信号S701 がオンになっても、点火装置16の点火動作
は許可されない。
【0080】なお、本実施形態では、エンジン回転数が
停止過程において800rpmまで低下する前に始動操
作がなされれば、ケッチンが発生する速度までエンジン
回転数が低下する前に次の点火タイミングが訪れ、エン
ジン回転数が上昇に転じるので、点火装置16の点火動
作を禁止する必要がない。
【0081】ステップS224では、パルサ153の出
力信号に基づいて、点火タイミングに到達したか否かが
判定され、点火タイミングP2 に到達すると、ステップ
S225において、点火禁止カウンタnがインクリメン
トされる。なお、この時点では点火禁止信号S703 がオ
ンなので、点火タイミングP2 での点火は見送られる
(禁止される)ことになる。ステップS226では、前
記点火禁止カウンタnが3回に達したか否かが判定さ
れ、3回未満であれば、ステップS224へ戻って点火
タイミングのカウントを継続する。
【0082】その後、点火タイミングP3 ,P4 での点
火が同様に見送られ、各点火タイミングがカウントされ
て点火禁止カウンタnが3回に達すると、ステップS2
27では、点火禁止信号S703 がオフ(“L”レベル)
にされる。したがって、次の点火タイミングP5 では、
点火装置161による点火動作が許可されるので、発進
操作が検知されて点火開始信号S701 が既にオンであ
り、かつスタータモータ49が駆動されていれば、エン
ジンが点火されて始動される。ステップS228では、
点火禁止カウンタnがリセットされる。
【0083】このように、本実施形態によれば、停止条
件が成立してエンジンを停止させる際、エンジンが所定
回転数を下回ると点火動作が所定回数だけ見送られる。
したがって、エンジンが停止する前に発進操作がなさ
れ、かつエンジンが低速度で上死点手前の点火位置に達
しても、エンジンが点火されないのでケッチンが発生し
ない。
【0084】なお、パルサ153の検知信号に基づいて
エンジン回転数Neを計測する場合、エンジンの個体差
や、特に気筒数の少ないエンジンに顕著な回転偏差によ
り計測値は誤差を含む。このため、計測されたエンジン
回転数は、図23に破線Bで示した下限値、または破線
Cで示した上限値の間を示し得る。
【0085】しかしながら、本実施形態ではエンジン回
転数が800rpmを切った後、点火タイミングを3回
見送るようにしたので、破線Bが時刻t1 で800rp
mを下回れば、その後の3回の点火タイミングP1 ,P
2 ,P3 を見送ることができる。また、破線Cが時刻t
3 で800rpmを下回れば、その後の3回の点火タイ
ミングP3 ,P4 ,P5 を見送ることができる。したが
って、エンジン回転数の計測値が測定誤差を含んでも、
ケッチンの発生し得る点火タイミングP3 では点火動作
を常に禁止することができ、ケッチンの発生を確実に防
止することができる。
【0086】上記したように、本実施形態の点火制御部
700によれば、図14に示したように、「始動&アイ
ドルSWモード」ではOR回路706の出力が常に
“H”レベルとなるので点火動作が常に許可される。
【0087】これに対して、「停止発進モード」では、
車両が停止してエンジンが自動停止されると、運転者が
着座しているときにスロットルが開いているか、あるい
は車速が0よりも大きくなると点火動作が許可される。
一方、車両が走行状態から停止したときは、運転者の着
座が検知されれば点火動作が禁止されてエンジンが自動
停止されるが、運転者の着座が検知されなければ、点火
動作が許可され続けるのでエンジンは自動停止されな
い。
【0088】したがって、着座スイッチ254に不具合
が生じたために運転者が着座しているにもかかわらずこ
れを検知できない場合には、車両が走行状態から停止し
てもエンジンが自動停止されないので、発進時のエンジ
ン始動が不要となる。したがって、運転者の着座を条件
にエンジンの自動始動を許可するシステムにおいて着座
スイッチ254に不具合が生じても、走行に支障が生じ
ることはない。
【0089】また、本実施形態によれば、車両が走行状
態から停止したときに運転者の着座が検知されていて
も、直ぐには点火動作を禁止せず、所定時間(本実施形
態では、3秒)経過後に禁止するようにしている。した
がって、交差点での一時停止時や、運転者が着座状態で
車速がほぼゼロ、かつスロットル開度が全閉に近いUタ
ーン時には、エンジンを始動させ続けておくことが可能
になる。
【0090】さらに、本実施形態によれば、エンジンが
運転状態から停止状態に至る停止過程では点火装置16
1の点火動作が禁止されるので、エンジンが完全に停止
する前に発進条件が成立し、かつエンジンが低速度で上
死点手前の点火位置に達しても、エンジンが点火されな
いのでケッチンが発生しない。
【0091】なお、上記した実施形態では、エンジンの
停止過程でエンジン回転数が800rpmを切ると点火
タイミングを3回見送るものとして説明したが、本発明
はこれのみに限定されるものではなく、エンジン回転数
が800rpmを切った時点から所定時間だけ点火タイ
ミングを見送るようにしても良い。
【0092】また、本実施形態では点火タイミングを3
回見送るものとして説明したが、エンジン回転数を精度
良く計測できるならば、見送り回数を2回または1回と
しても良く、その逆にエンジン回転数を精度良く計測で
きないのであれば、見送り回数を4回以上に設定しても
良い。
【0093】図24は、前記点火禁止制御部703の他
の実施形態の動作を示したフローチャートであり、図2
5は、その制御内容を説明するための図である。
【0094】本実施形態では、図25の時刻t0 におい
て停止条件が成立し、前記点火停止制御部702の点火
停止信号S702 がオンになると、図24のステップS2
41では、例えば点火停止信号S702 の立上がりを検知
し、停止条件が新規に成立したと判定してステップS2
42へ進む。
【0095】その後、エンジン回転数Neが低下し、時
刻t1 において基準回転数Nref1(例えば、800rp
m)を切ると、これがステップS242で検知されてス
テップS243へ進む。ステップS223では、点火禁
止信号S703 がオン(“H”レベル)にされる。この結
果、図10ではAND回路705がディスエーブルとな
るので、停止発進モードでは、エンジン回転数Neが8
00rpmを切ると、たとえ始動操作に応答して点火開
始信号S701 がオンになっても、点火装置16の点火動
作は許可されない。
【0096】一方、エンジン停止後の時刻t2 において
発進条件が成立し、前記点火開始制御部701の点火開
始信号S701 がオンになると共にスタータモータ49が
駆動されると、ステップS244では、例えば点火開始
信号S701 の立上がりを検知し、発進条件が新規に成立
したと判定してステップS245へ進む。
【0097】その後、エンジン回転数Neが上昇し、時
刻t3 において基準回転数Nref2(例えば、400rp
m)を超えると、これがステップS245で検知されて
ステップS246へ進む。ステップS246では、点火
禁止信号S703 がオフ(“L”レベル)にされる。この
結果、図10ではAND回路705がイネーブルとな
り、点火装置161による点火動作が許可されるので、
時刻t4 において点火タイミングに達すると、点火動作
が実行されてエンジンが始動される。
【0098】本実施形態によれば、エンジンが停止状態
に至る停止過程で点火を禁止するための基準回転数Nre
f1を、エンジンを始動させる始動過程で点火を禁止する
ための基準回転数Nref2よりも高くしたので、点火の見
送り(禁止)回数を最小限に抑えながら、ケッチンの発
生を効果的に防止できるようになる。
【0099】図10へ戻り、点火ノック制御部200で
は、前記各動作モード毎に、加速時の点火時期を常時よ
りもリタードさせることによってノッキングの発生を防
止する制御が実行される。特に、本実施形態ではエンジ
ン停止状態から加速する発進加速時のリタード量を、エ
ンジンが回転している状態からの通常加速時のリタード
量よりも大きくすることで、エンジン自動停止始動装置
を搭載した車両に固有の、発進加速時におけるノッキン
グの発生を完全に防止している。
【0100】標準点火時期決定部207には、標準点火
時期がTDC(圧縮上死点)からの進角角度(deg)
として、エンジン回転数Neおよびスロットル開度θの
関数として予め登録されている。図16は、本実施形態
におけるエンジン回転数Neおよびスロットル開度θと
標準点火時期との関係を示した図であり、エンジン回転
数が2500回転に達するまでは15度(deg;進
角)とし、2500回転を越えるあたりからエンジン回
転数Neに応じて徐々に進角量を増している。
【0101】Ne判定部201は、エンジン回転数Ne
が700rpm<Ne<3000rpmであれば、通常
加速信号Sacc1を“H”レベルとし、700rpm<N
e<2500rpmであれば、発進時加速信号Sacc2を
“H”レベルとする。なお、発進時加速信号Sacc2を発
生する際のエンジン回転数Neの下限値(本実施形態で
は、700rpm)は、エンジンのクランキング回転数
に設定することが望ましい。
【0102】加速判定部205は、スロットルセンサ2
57により検知されたスロットル開度θの変化率Δθが
所定値を越えると、加速操作がなされたものと判定して
“H”レベルの加速検知信号を出力する。水温判定部2
06は、水温センサ155の検知信号に基づいてエンジ
ン冷却水の水温を判定し、水温が所定温度(本実施形態
では、50℃)を越えると出力を“H”レベルとする。
【0103】AND回路202は、前記通常加速信号S
acc1、加速検知信号、水温判定信号および動作モード信
号S301 の反転信号の論理積を出力する。AND回路2
03は、前記発進時加速信号Sacc2、加速検知信号、水
温判定信号および動作モード信号S301 の論理積を出力
する。
【0104】加速時点火時期補正部204は、前記各A
ND回路202、203の出力がいずれも“L”レベ
ル、すなわち車両が加速状態になければ、前記標準点火
時期決定部207により決定された標準点火時期(図1
6)を点火装置161へ通知する。点火装置161は、
加速時点火時期補正部204を介して通知された点火タ
イミングで点火動作を実行する。
【0105】また、AND回路202の出力信号が
“H”レベル、すなわち、図14に示したように、「始
動&アイドルSWモード」においてエンジン回転数Ne
が700rpm<Ne<3000であり、かつ運転者に
より加速操作がなされ、かつ水温が所定値(本実施形態
では、50℃)を超えていると、図17に破線Aで示し
たように、点火時期を前記標準点火時期決定部207に
よる決定結果にかかわらず、7度(進角)までリタード
させる。
【0106】一方、AND回路203の出力信号が
“H”レベル、すなわち、図14に示したように、「停
止発進モード」においてエンジン回転数Neが700r
pm<Ne<2500であり、かつ運転者により加速操
作がなされ、かつ水温が所定値を超えていると、図17
に実線Bで示したように、点火時期を前記点火時期決定
部207による決定結果にかかわらず、0度までリター
ドさせる。
【0107】なお、加速時点火時期補正部204はカウ
ンタ204aを備え、いずれかのAND回路202、2
03の出力が“H”レベルになると、上記したリタード
点火を直ちに所定回数(本実施形態では、3回)だけ実
行し、その後は直ちに、前記標準点火時期決定部207
による通常の点火タイミングへ復帰する。
【0108】このような点火ノック制御によれば、中速
回転域からの通常加速時と発進加速時とで異なるリター
ド量を設定することができ、発進加速時のリタード量を
中速回転域からの通常加速時よりも大きく設定すること
により、中速回転域からの通常加速時のみならず、発進
加速時のノッキングも防止できる。
【0109】図11の前照灯制御部800では、Ne判
定部801がパルサ153の検知信号に基づいて、エン
ジン回転数が所定の設定回転数(アイドル回転数未満)
以上であるか否かを判定し、設定回転数以上であれば
“H”レベルの信号を出力する。AND回路802は、
Ne判定部801の出力信号と動作モード信号S301 の
反転信号との論理積を出力する。AND回路803は、
Ne判定部801の出力信号と動作モード信号S301 と
の論理積を出力する。
【0110】点灯/減光切換部804は、AND回路8
02の出力信号が“H”レベルであれば“H”レベルを
出力し、“L”レベルであればデューティー比50%の
パルス信号を出力する。点灯/多段減光切換部805
は、AND回路803の出力信号が“H”レベルであれ
ば“H”レベルを出力し、“L”レベルであれば、その
継続時間をタイマ805aでカウントし、継続時間に応
じてデューティー比が段階的に減少するパルス信号を出
力する。本実施形態では、デューティー比を95%から
0.5ないし1秒間で段階的に50%まで減少させる。
このような段階的な減光方法によれば、光量が瞬時かつ
リニアに減少するので、節電と高い商品性の維持とが達
成される。
【0111】このような前照灯制御によれば、図13に
示したように、「始動&アイドルSWモード」では、エ
ンジン回転数Neに応じて前照灯が点灯あるいは減光さ
れ、「停止発進モード」では、エンジン回転数Neに応
じて前照灯が点灯あるいは段階的に減光される。したが
って、対向車からの十分な視認性は維持しながら、停車
時におけるバッテリの放電を抑制できる。この結果、そ
の後の発進時には発電機からバッテリへの充電量を減じ
ることができ、発電機の電気負荷が減少するので発進時
の加速性能が向上する。
【0112】図11のバイスタータ制御部900では、
水温センサ155の検知信号が水温判定部901に入力
される。この水温判定部901は、水温が第1の予定値
(本実施形態では、50℃)以上であると“H”レベル
の信号を出力してバイスタータリレー164を閉じ、第
2の予定値(本実施形態では、10℃)以下になると
“L”レベルの信号を出力してバイスタータリレー16
4を開く。
【0113】このようなバイスタータ制御によれば、水
温が高くなれば燃料が濃くなり、低くなれば自動的に薄
くなる。また、本実施形態ではバイスタータリレー16
4の開閉温度にヒステリシスを設定しているので、臨界
温度付近で生じ得るバイスタータリレー164の不要な
開閉動作を防止できる。
【0114】図11の充電制御部500では、加速操作
検知部502に車速センサ255の検知信号とスロット
ルセンサ257の検知信号とが入力され、図14に示し
たように、車速が0よりも大きく、かつスロットルが全
閉状態から全開状態まで0.3秒以内に開かれると、加
速操作と判定して加速検知パルスを発生する。
【0115】加速時充電制限部504は、前記加速検知
パルス信号に応答してレギュレータレクティファイア1
67を制御し、バッテリ168の充電電圧を常時の1
4.5Vから12.0Vへ低下させる。
【0116】前記加速時充電制限部504は更に、前記
加速検知パルスに応答して6秒タイマ504aをスター
トし、このタイマ504aがタイムアウトするか、ある
いはエンジン回転数Neが設定回転数以上になるか、あ
るいはスロットル開度が減少すると、充電制限を解除し
て充電電圧を12.0Vから14.5Vへ戻す。
【0117】発進操作検知部503には、車速センサ2
55の検知信号と、パルサ153の検知信号と、スロッ
トルセンサ257の検知信号とが入力され、図14に示
したように、車速が0、かつエンジン回転数Neが設定
回転数(本実施形態では、2500rpm)以下のとき
にスロットルが開いていると、発進操作と判定して発進
検知パルスを発生する。
【0118】発進時充電制限部505は、前記発進検知
パルス信号を検出すると、レギュレータレクティファイ
ア167を制御してバッテリ168の充電電圧を常時の
14.5Vから12.0Vへ低下させる。
【0119】前記発進時充電制限部505は更に、前記
発進検知パルスに応答して7秒タイマ505aをスター
トし、このタイマ505aがタイムアウトするか、ある
いはエンジン回転数Neが設定回転数以上になるか、あ
るいはスロットル開度が減少すると、充電制限を解除し
て充電電圧を12.0Vから14.5Vへ戻す。
【0120】このような充電制御によれば、運転者がス
ロットルを急激に開いて急加速した場合、あるいは停止
状態からの発進時には充電電圧が低く抑えられ、発電機
172の電気負荷が一時的に低減される。したがって、
発電機172によりもたらされるエンジン200の機械
的負荷が低減されて加速性能が向上する。
【0121】図12の停車後非着座制御部100は、運
転者が経験的にスタータスイッチによりエンジンを始動
し得るタイミングでは、本来的には禁止されているスタ
ータスイッチ258によるエンジン始動を例外的に許可
する。
【0122】AND回路102は、動作モード信号S30
1 と着差スイッチ254の反転信号との論理積を出力す
る。非着座継続判定部101はタイマ101aを備え、
エンジンの自動停止後にAND回路102の“H”レベ
ルが所定時間以上検知される。すなわち、「停止発進モ
ード」においてエンジンの自動停止後に運転者の非着座
が所定時間以上継続すると、出力信号を“H”レベルに
設定する。この結果、点火装置161が付勢されて点火
許可状態となる。
【0123】OR回路103は、スタータスイッチ25
8およびスロットルスイッチ257aの各出力の論理和
を出力する。AND回路104は、前記非着座継続判定
部101およびOR回路103の各出力信号の論理積を
スタータリレー162へ出力する。すなわち、「停止発
進モード」においてエンジンの自動停止後に運転者の非
着座が所定時間以上継続(非着座継続判定部101の出
力が“H”レベル)したあとに、スタータスイッチ25
8が投入、あるいはスロットルが開かれると、スタータ
リレー162が付勢されてスタータモータ49が駆動さ
れる。このとき、点火装置161は前記非着座継続判定
部101により付勢されているので、エンジンの始動が
可能になる。
【0124】このような停車後非着座制御によれば、所
定の停車条件に応答してエンジンを停止した後でも、運
転者の非着座状態が所定時間継続して検知されるとスタ
ータスイッチ258によるエンジン始動が例外的に許可
される。したがって、停車時にエンジンが自動停止され
て運転者が主電源を遮断せずにそのまま車両から離れ、
その後、車両に戻った運転者がエンジンの自動停止制御
下であったことを失念してスタータスイッチ258を操
作しても、エンジンを常時と同様に始動させることがで
きる。
【0125】なお、上記した停車後非着座制御では、
「停止発進モード」でのエンジンの自動停止後に、運転
者の非着座が所定時間以上継続したことを条件にスター
タスイッチ258によるエンジン始動を例外的に許可す
るものとして説明したが、図12に破線で示したよう
に、動作切換部300を制御して動作モードを「停止発
進モード」から「始動&アイドルSWモード」へ切り換
えることでスタータスイッチ258によるエンジン始動
を許可しても良い。あるいは、図15に“条件5”とし
て示したように、メインスイッチ173を遮断すること
で、スタータスイッチ258によるエンジン始動を実質
的に許可するようにしても良い。
【0126】図3は、前記スイングユニット17の第2
実施形態の断面図であり、前記と同一の符号は同一また
は同等部分を表している。
【0127】上記した第1実施形態では、スタータモー
タ49と連結されるスプロケット58を、ワンウェイク
ラッチ50を介して発電機44のアウターロータ42に
結合するものとして説明したが、本実施形態では、クラ
ンク室9を挟んで発電機44とは反対側のプーリ83お
よび主軸受10間に、スプロケット58を前記と同様の
機能を有するワンウェイクラッチ50を介してクランク
シャフト12に結合している。
【0128】ワンウェイクラッチ50は、クランクシャ
フト12に固定された一方のスリーブ57bと、スプロ
ケット58をクランクシャフト12に対して回転自在に
支持する他方のスリーブ55bと、前記各スリーブ55
b、57bを、クランクシャフト12がスプロケット5
8に対して相対的に逆転方向へ空転することを阻止し、
正転方向へ空転することを許容するように結合するクラ
ッチ部56bとにより構成されている。
【0129】本実施形態によれば、スタータモータ49
の駆動力をクランクシャフト12へ伝達するためのスプ
ロケット58を、クランク室9よりも自動変速機のプー
リ83側に設け、クランク室9を挟んで自動変速機側の
クランク長を発電機側よりも長くしたので、重量物であ
るエンジンの中心位置をタイヤ中心すなわち車両の中心
に配置することができる。したがって、スイングユニッ
ト17に捩じれやモーメントが発生しにくくなり、重量
配分が良好になって走行安定性が向上する。
【0130】さらに、本実施形態によれば、スタータモ
ータ49と連結されるスプロケット58が、クランクシ
ャフトの軸方向にタイヤ21から離れた位置でクランク
シャフト12に連結されるので、スプロケット58の大
径化が可能となり、大きな減速比を得られるのでスター
タモータ49の小型化および軽量化が可能になる。
【0131】図4は、前記スイングユニット17の第3
実施形態の断面図であり、前記と同一の符号は同一また
は同等部分を表している。
【0132】本実施形態では、前記ワンウェイクラッチ
50のクランクシャフト側のスリーブ57cを、固定プ
ーリ片83aの背面つまりVベルト82と当接しない面
に一体的に形成し、他方のスリーブ55cを、固定プー
リ片83aの軸方向外側に延長されたフランジ部83d
に固定することで、スプロケット58が一方向クラッチ
50および固定プーリ片83aを介してクランクシャフ
ト12の端部に結合されるようにした。
【0133】本実施形態によれば、スプロケット58お
よびそのチェーン40がクランクシャフト12の最外郭
に取り付けられるので、その取り付け、取り外しが容易
となってメインテナンスが容易になり、さらには既存の
スイングユニットの改造による取付も極めて容易とな
る。
【0134】さらに、本実施形態でも前記第2実施形態
と同様に、スプロケット58がクランクシャフトの軸方
向にタイヤ21から離れた位置でクランクシャフト12
に連結されるので、スプロケット58の大径化が可能と
なり、大きな減速比を得られるのでスタータモータ49
の小型軽量化が可能になる。
【0135】図6は、前記スイングユニット17の第4
実施形態の主要部の断面図、図7は、スイングユニット
17のクランクシャフト12に垂直な平面での断面図で
あり、前記と同一の符号は同一または同等部分を表して
いる。
【0136】上記した第1ないし第3実施形態では、エ
ンジン始動時に発生する始動音を低く抑えるために、ク
ランクシャフト12に設けたスプロケット58とスター
タモータ49とをチェーン40により連結した。これに
対して本実施形態では、スプロケット58とスタータモ
ータ49とをギア列で常時連結すると同時に、クランク
シャフト12とスプロケット58とを、前記と同様にワ
ンウェイクラッチ50を介して連結することにより、飛
び込みギアを用いることなく、クランクシャフト12側
からスタータモータ49側への動力伝達を遮断するよう
にした。これにより、飛び込みギアを用いることなくス
タータモータからクランクシャフトへの一方向連結が可
能になるので、エンジン始動時の騒音低減が可能にな
る。
【0137】図6、7において、スタータモータ49の
回転軸にはギア歯221が形成され、このギア歯221
には、ドライブ軸234に連結された大径歯車222が
歯合している。さらに、ドライブ軸234には前記大径
歯車222と同軸状に隣接して小径ギア223が形成さ
れ、この小径ギア223にクランクシャフト12のスプ
ロケット58が歯合している。
【0138】前記ドライブ軸234は、エンジンの始動
頻度が高くなるエンジン始動装置において摺動摩耗や摩
耗ガタによる騒音増加を防止するために、前記大径歯車
222および小径ギア223を挟んだ両側部において、
一対の含油ブッシュ式ベアリング234a,234bに
より回転自在に軸支されている。また、本実施形態では
上記した歯車列から発生する騒音を抑えるために、相互
に歯合するギア歯に対してシェービング加工あるいは歯
研を施している。
【0139】ここで、本実施形態ではクランクシャフト
12に設けたスプロケット58とスタータモータ49と
の連結に飛び込み歯車を採用せず、両者を固定的な歯車
列により常時連結しているため、スタータモータ49側
からクランクシャフト12側への動力伝達は許容してク
ランクシャフト12側からスタータモータ49側への動
力伝達は遮断する一方向連結のための構成が別途に必要
となる。そこで、本実施形態では前記スプロケット58
を、前記と同様にワンウェイクラッチ50を介してクラ
ンクシャフト12に連結している。
【0140】したがって、エンジン始動時に前記スター
タモータ49が駆動されてスプロケット58がクランク
シャフト12の正転方向へ駆動されれば、これに追従し
てクランクシャフト12も正転方向へ駆動される。これ
に対してエンジン始動後は、スタータモータ49が停止
してもクランクシャフト12がスプロケット58に対し
て空転するので、クランクシャフト12の駆動力がスタ
ータモータ49へ伝達されることはない。
【0141】上記したように、本実施形態によれば、ス
タータモータ49とクランクシャフト12とを飛び込み
ギアを用いることなく連結することができるので、飛び
込みギアの作動音が発生しない分だけエンジン始動時の
騒音を低く抑えることが可能になる。
【0142】
【発明の効果】本発明によれば、以下のような効果が達
成される。
【0143】(1) 停止条件が成立してエンジンを停止さ
せる際、エンジンが所定回転数を下回ると点火動作が所
定回数だけ禁止されるので、エンジンが停止する前に発
進操作がなされ、かつエンジンが低速度で上死点手前の
点火位置に達しても、エンジンが点火せずにケッチンが
発生しない。
【0144】(2) エンジンが停止状態に至る停止過程で
点火を禁止するための基準回転数Nref1を、エンジンを
始動させる始動過程で点火を禁止するための基準回転数
Nref2よりも高くしたので、点火の見送り(禁止)回数
を最小限に抑えながら、ケッチンの発生を効果的に防止
できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 エンジン自動停止始動システムを備えた車両
のスイングユニットの第1実施形態の断面図である。
【図2】 第1実施形態のスイングユニットのクランク
シャフトに垂直な平面での断面図である。
【図3】 エンジン自動停止始動システムを備えたスイ
ングユニットの第2実施形態の断面図である。
【図4】 エンジン自動停止始動システムを備えたスイ
ングユニットの第3実施形態の断面図である。
【図5】 エンジン自動停止始動システムを搭載した自
動二輪車の側面図である。
【図6】 エンジン自動停止始動システムを備えたスイ
ングユニットの第4実施形態の断面図である。
【図7】 第4実施形態のスイングユニットのクランク
シャフトに垂直な平面での断面図である。
【図8】 本発明の一実施形態であるエンジン自動停止
始動システムのブロック図である。
【図9】 主制御装置の機能を示したブロック図(その
1)である。
【図10】 主制御装置の機能を示したブロック図(そ
の2)である。
【図11】 主制御装置の機能を示したブロック図(そ
の3)である。
【図12】 主制御装置の機能を示したブロック図(そ
の4)である。
【図13】 主制御装置の主要動作を一覧表示した図
(その1)である。
【図14】 主制御装置の主要動作を一覧表示した図
(その2)である。
【図15】 動作モードの切り換え条件を示した図であ
る。
【図16】 エンジン回転数Neおよびスロットル開度
θと標準点火時期との関係を示した図である。
【図17】 エンジン回転数と点火時期との関係を示し
た時である。
【図18】 図9の始動信号延長部の動作を示したタイ
ミングチャートである。
【図19】 図9の始動信号延長部による始動時間の延
長時間の決定方法を示した図である。
【図20】 点火開始制御部の動作を示したフローチャ
ートである。
【図21】 点火停止制御部の動作を示したフローチャ
ートである。
【図22】 点火禁止制御部の動作を示したフローチャ
ートである。
【図23】 点火禁止制御の制御内容を説明するための
図である。
【図24】 点火禁止制御部の他の実施形態の動作を示
したフローチャートである。
【図25】 点火禁止制御部の他の実施形態の制御内容
を説明するための図である。
【符号の説明】
9…クランク室、12…クランクシャフト、17…スイ
ングユニット、21…タイヤ、31…スイングユニット
ケース、32…シリンダヘッド、40…チェーン、44
…発電機、49…スタータモータ、50…ワンウェイク
ラッチ、58…スタータモータ用スプロケット、70…
エアクリーナカバー、71…エアクリーナ、83…プー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F02N 17/00 F02N 17/00 Z Fターム(参考) 3G019 AB09 AC01 AC04 AC10 CB04 CB14 CB17 CB20 DB16 DC07 GA01 GA02 GA05 GA07 GA09 GA10 GA11 GA18 3G084 BA16 BA17 BA28 CA01 CA03 CA04 CA07 CA09 DA09 DA13 DA39 EA07 EA11 EB08 EB24 FA00 FA03 FA05 FA10 FA20 FA24 FA33 FA36 FA38 3G092 AC04 BA09 BA10 CB04 EA00 EA03 EA04 EA08 EA14 EA17 EA18 EA22 EB04 EB08 EC08 EC09 FA00 FA14 FA16 FA28 FA30 FA31 FA50 FB06 GA01 GA04 GA10 GA12 GA16 GA20 GB01 HA06Z HA09Z HE01Z HE04Z HE09Z HF00Z HF02Z HF05X HF19Z HF21Z 3G093 AA02 BA21 BA22 BA32 CA01 CA02 CB05 CB06 DA01 DA05 DA06 DA07 DA12 DA13 DB00 DB05 DB19 EA12 EA13 EC02 FA11 FB01 FB02 FB03

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の始動操作に応答してエンジンをク
    ランキングするスタータモータと、前記始動操作に応答
    してエンジンを所定の回転角度で点火させる点火装置と
    を具備した車両用エンジン始動装置において、 前記点火装置の点火動作を、エンジンが運転状態から停
    止状態に至る停止過程において禁止する点火禁止手段を
    具備したことを特徴とする車両用エンジン始動装置。
  2. 【請求項2】 前記点火禁止手段は、エンジン回転数が
    前記停止過程において所定回転数を下回ると、前記点火
    装置の点火動作を所定回数禁止することを特徴とする請
    求項1に記載の車両用エンジン始動装置。
  3. 【請求項3】 前記点火禁止手段は、エンジン回転数が
    前記停止過程において所定回転数を下回ると、前記点火
    装置の点火動作を所定時間禁止することを特徴とする請
    求項1に記載の車両用エンジン始動装置。
  4. 【請求項4】 所定の始動操作に応答してエンジンをク
    ランキングするスタータモータと、前記始動操作に応答
    してエンジンを所定の回転角度で点火させる点火装置と
    を具備した車両用エンジン始動装置において、 前記点火装置の点火動作を、エンジンが運転状態から停
    止状態に至る停止過程では第1のエンジン回転数以下に
    おいて禁止し、エンジンが停止状態から始動される始動
    過程では第2のエンジン回転数以下において禁止する点
    火禁止手段を具備し、 前記第1のエンジン回転数が第2のエンジン回転数より
    も高いことを特徴とする車両用エンジン始動装置。
  5. 【請求項5】 前記点火装置の点火動作を、車両走行中
    は所定の停車条件に応答して停止し、停止後は所定の発
    進操作に応答して再開する点火制御手段を含むことを特
    徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の車両用エ
    ンジン始動装置。
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