JP2002070200A - 建築物の制振構造および建築物の制振構造の施工方法 - Google Patents

建築物の制振構造および建築物の制振構造の施工方法

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JP2002070200A
JP2002070200A JP2000261385A JP2000261385A JP2002070200A JP 2002070200 A JP2002070200 A JP 2002070200A JP 2000261385 A JP2000261385 A JP 2000261385A JP 2000261385 A JP2000261385 A JP 2000261385A JP 2002070200 A JP2002070200 A JP 2002070200A
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building
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layer
vibration
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Kozo Yamamoto
耕三 山本
Wakichi Saito
和吉 齋藤
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Nihon Tokushu Toryo Co Ltd
Toray Engineering Co Ltd
Original Assignee
Nihon Tokushu Toryo Co Ltd
Toyo Construction Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 施工の際に工程が追加されずに容易に施工で
き、コスト的にも安価であるとともに、騒音や振動を効
果的に低減させる建築物の制振構造および建築物の制振
構造の施工方法を提供する。 【解決手段】 予めブチルゴムのシートからなる制振層
12が上面に積層して一体的に形成されたデッキプレー
ト11と、このデッキプレート11の制振層12の上面
に一体的に打設されたコンクリート層13と、から構成
される建築物の制振構造10である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、周囲に伝えられる
騒音や振動を低減する建築物の制振構造および建築物の
制振構造の施工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、集合住宅、オフィスビル、病院、
各種の公共施設などの建築物では、ある居室から周囲の
居室に伝わる騒音や振動が問題となっている。このよう
な騒音や振動は、居室の床・壁・天井などを介して周囲
に伝わる。近年、居室内の暗騒音の低下とともに、この
ような騒音や振動を低減しなければ苦情が発生する状況
にある。
【0003】特によく問題となるのは、上の階の床部で
衝撃音が発生し、下の階へと伝えられる騒音や振動であ
る。従来、床部における騒音対策の基本的な考え方は、
例えば、コンクリートスラブに制振鋼板を接着するなど
して制振遮音性を与えるというものであった。また、制
振遮音性を高めるために、樹脂層を設けた鋼板をコンク
リートスラブに接着することも知られている。
【0004】このような床部における騒音対策として
は、例えば、特許第2566156号公報に、コンクリ
ートスラブと制振鋼板との複合床の施工方法が開示され
ている。また、特許第2755077号公報に、鋼板の
片面に粘弾性樹脂を塗布して樹脂層を形成し、この鋼板
をコンクリートスラブ上に接着する複合床の製造方法が
開示されている。
【0005】一方、建築物の内部壁面(例えば、天井、
壁、床)を構成する材料として石膏ボードが広く利用さ
れている。石膏ボードは、石膏を主成分とする芯材が、
石膏ボード用の厚紙で被覆された板状物である。この石
膏ボードは、防火性、耐火性の他、ある程度の遮音性を
併せもち、軽量で施工性に優れ、建築業界において広く
使用される。
【0006】このような石膏ボードが利用された内部壁
面における騒音対策としては、例えば、特開平4−27
8343号公報には、2枚の金属板の間に無機質系制振
材料(石膏ボードを含む)を配置した制振金属板が開示
されている。また、特開平8−232361号公報に
は、石膏ボードとアスファルトを含む遮音シートとから
なる建材が開示されている。さらに、特開平11−81
545号公報には石膏ボードと無機質建築板とから構成
される壁構造が開示されている。上記公報に示されるよ
うに、制振鋼板の中間層を石膏ボードとしたり、石膏ボ
ードに制振層や遮音層を積層して制振遮音性を改良する
ことで、ある程度の制振遮音性を得ることができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、まず、
上述の床部の騒音対策において、コンクリートを打設し
てから制振鋼板を接着するには、十分な接着力を得るた
めの特別な接着剤が必要であった。また、接着のために
施工工程も煩雑となり作業負荷が大きかった。さらに、
制振鋼板は比較的高価でありコスト高につながってい
た。また、制振鋼板を用いずに、予め制振遮音性を高め
るための粘弾性層を鋼板に形成しておき、次いで、この
粘弾性層が形成された鋼板を、コンクリートに接着する
場合には、コスト的には安くなるが、依然として、コン
クリートスラブへの接着工程は必要となり施工工程が煩
雑となっていた。
【0008】次に、内部壁面の騒音対策においては、制
振鋼板の中間層に石膏ボードを使用する方法は、基本的
に制振鋼板が高価であるために、コスト高につながって
いた。また、重量が重いために一般の建築物への用途に
は向いていなかった。一方、石膏ボードに遮音層や制振
層を積層する方法は、コスト面や重量の問題はクリアさ
れるが、十分な制振性能が得られていなかった。
【0009】本発明の課題は、施工の際に工程が追加さ
れずに容易に施工でき、コスト的にも安価であるととも
に、騒音や振動を効果的に低減させる建築物の制振構造
および建築物の制振構造の施工方法を提供することであ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】以上の課題を解決するた
め、請求項1記載の発明は、例えば、図1に示すよう
に、デッキプレート11もしくは鋼板にコンクリートを
一体的に打設する合成スラブ工法により構築される床部
における建築物の制振構造10であって、前記デッキプ
レートもしくは前記鋼板の少なくとも片面に主成分とし
て粘弾性材料を含む制振層12を積層して設け、該制振
層が積層して設けられた状態の前記デッキプレートもし
くは前記鋼板の前記制振層の上に一体的にコンクリート
を打設して建築物の床部が形成されていることを特徴と
する。
【0011】請求項1記載の発明によれば、制振層が積
層して設けられた状態のデッキプレートもしくは鋼板の
上に一体的にコンクリートを打設することで建築物の床
部が形成される。これにより、デッキプレートとコンク
リートとの間に、主成分として粘弾性材料を含む制振層
が介在する構成となる。ここで、建築物で騒音・振動が
発生し、床部のコンクリートが振動すると、これに伴
い、制振層がコンクリートの挙動に合わせて伸縮しよう
とする。このとき、反対側にあるデッキプレートもしく
は鋼板が、粘弾性材料を主成分とする制振層に比べて高
剛性であるために、デッキプレートもしくは鋼板との界
面における制振層の伸縮運動は拘束されることになる。
その結果、制振層にせん断変形が生じ、振動エネルギー
が吸収され、床部の振動を低下させることができ、制振
遮音性が発現する。従って、建築物の床部から周囲に伝
わる騒音・振動が低減される。
【0012】また、予め工場などにおいて制振層をデッ
キプレートもしくは鋼板に設けておけば、基本的に、床
部の施工は、周知の合成スラブ工法と同様に行うことが
でき汎用性が高く、施工現場での作業負荷が低減され、
工期短縮を図ることができる。また、予め制振層を設け
ておけば、本発明の制振構造の施工に際して、制振層の
形成に基づく工程が追加されることがなく容易に施工で
きる。
【0013】なお、「合成スラブ工法」とは、予め床部
を形成する場所にデッキプレートや鋼板を設け、このデ
ッキプレートや鋼板の上に一体的にコンクリートを打設
することで床部を形成する工法である。この「合成スラ
ブ工法」は、現在、鉄骨鉄筋コンクリート構造、鉄筋コ
ンクリート構造、鉄骨構造などの建築物の床を施工する
ときに広く用いられる。
【0014】請求項2記載の発明は、例えば、図4に示
すように、鋼板31にコンクリートを一体的に打設して
形成される壁部における建築物の制振構造30であっ
て、前記鋼板の少なくとも片面に主成分として粘弾性材
料を含む制振層12を積層して設け、該制振層が積層し
て設けられた状態の前記鋼板の前記制振層の上にコンク
リートが一体的に打設されて建築物の壁部が形成されて
いることを特徴とする。
【0015】請求項2記載の発明によれば、制振層が積
層して設けられた状態の鋼板の制振層の上に、一体的に
コンクリートが打設されて、建築物の壁部が構成され
る。これにより、鋼板とコンクリートとの間に、主成分
として粘弾性材料を含む制振層が介在する構成となる。
従って、請求項1の床部の構成と同様に、制振層により
壁部から周囲に伝わる騒音・振動が低減される。
【0016】請求項3記載の発明は、例えば、図5に示
すように、天井、壁部、床部等、内装下地材を備える壁
面における建築物の制振構造40であって、前記内装下
地材(例えば、石膏ボード41)の少なくとも片面に主
成分として粘弾性材料を含む制振層12を積層して設
け、該制振層が設けられた状態の前記内装下地材の前記
制振層の上に、前記制振層より剛性が高くされた拘束層
(例えば、鋼板31)が設けられていることを特徴とす
る。
【0017】請求項3記載の発明によれば、制振層が設
けられた状態の内装下地材の制振層の上に、制振層より
剛性が高くされた拘束層が設けられる。これにより、制
振層が内装下地材と拘束層との間に介在する構成とな
る。従って、制振層が請求項1および請求項2と同様に
機能して、周囲に伝えられる騒音・振動を低減すること
ができる。ここで、制振層は主成分として粘弾性材料を
含むように構成されるため、内装下地材や拘束層よりも
剛性が低い。従って、請求項3の構成の壁面に騒音・振
動が伝えられると、剛性の差に基づいて、内装下地材の
曲げ振動に伴う制振層の伸縮を制振層の反対側にある拘
束層が拘束するため、制振層にせん断変形が生じ、振動
エネルギーを吸収する結果、優れた制振遮音性が発現す
る。従って、建築物の壁面から周囲に伝わる騒音・振動
が低減される。ここで、例えば、内装下地材として石膏
ボード等を用い、拘束層として内装下地材となりうるも
のを用いる場合には、この拘束層を内装下地材の位置に
入れ替えても良い。
【0018】また、内装下地材としては、例えば、石膏
ボード、ケイカル板、硬質石膏板、合板、などが好適に
用いられる。また、拘束層としては、制振層と十分な剛
性差が生じる材質を適用することが好ましい。例えば、
金属板などは剛性が高く、制振層との間に十分な剛性差
を確保できる。
【0019】請求項4記載の発明は、請求項3記載の建
築物の制振構造において、前記拘束層は、鋼板、薄板金
属板、金属フィルム、フレキシブルボード、合板、石膏
ボード、のいずれかであることを特徴とする。
【0020】請求項4記載の発明によれば、請求項3と
同様の効果を奏することができるとともに、建築物の内
装壁面を構成する周知の部材を、請求項3記載の拘束層
として、好適に用いることができる。これにより、従来
と同様の資材を用いて、制振性が十分な壁面構造が得ら
れる。
【0021】請求項5記載の発明は、請求項1〜4のい
ずれか一つに記載の建築物の制振構造において、前記制
振層は、主成分として粘弾性材料を含む原材料をシート
状に成形し、シート状に成形された原材料を貼付けるこ
とにより積層して設けられているか、もしくは、主成分
として粘弾性材料を含む原材料を流動性を有する状態に
調整し、流動性を有する状態とされた原材料を用いた塗
装工法により積層して設けられている、ことを特徴とす
る。
【0022】請求項5記載の発明によれば、請求項1〜
4のいずれか一つと同様の効果を奏することができると
ともに、請求項1〜4記載の制振層を容易に形成でき
る。なお、「原材料を流動性を有する状態に調整し」と
は、原材料を周知の各種塗装工法で用いられる状態に調
整する意味であり、具体的な方法は特に限定されない。
例えば、適宜溶剤に溶解させることで流動性を与えても
良いし、溶剤を用いずに加熱するなどして流動性を与え
ても良い。
【0023】請求項6記載の発明は、請求項1〜5のい
ずれか一つに記載の制振構造において、前記粘弾性材料
は、前記制振層が積層して設けられる部分と該制振層と
を接着させる自己接着性をもつことを特徴とする。
【0024】請求項6記載の発明によれば、請求項1〜
5のいずれか一つと同様の効果を奏することができると
ともに、粘弾性材料が自己接着性をもつので、この粘弾
性材料を主成分とする制振層に自己接着性が与えられ
る。これにより、十分な自己接着性をもつ材質を選択す
れば、粘弾性材料の自己接着性のみで接着することがで
き、接着工程が省略され、大幅な施工作業負荷の低減を
図ることができる。また、制振層自体に自己粘着性が与
えられるため、特殊な接着剤が不要となり、コスト低減
に寄与できる。また、十分な自己接着性をもつ粘弾性材
料を選択しない場合でも、制振層にある程度の自己接着
性が与えられれば、制振層を形成するときの接着剤の使
用量を低減でき、施工作業の負荷が低減される。
【0025】請求項7記載の発明は、デッキプレートも
しくは鋼板にコンクリートを一体的に打設する合成スラ
ブ工法により構築される床部における建築物の制振構造
の施工方法であって、前記デッキプレートもしくは前記
鋼板の少なくとも片面に、主成分として粘弾性材料を含
む原材料をシート状に成形し、該シート状に成形された
原材料を貼付けることにより主成分として粘弾性材料を
含む前記制振層を積層して設けるか、もしくは、主成分
として粘弾性材料を含む原材料を流動性を有する状態に
調整し、該流動性を有する状態とされた原材料を用いた
塗装工法により主成分として粘弾性材料を含む前記制振
層を積層して設けるとともに、前記制振層が積層して設
けられた状態の前記デッキプレートもしくは前記鋼板を
建築物の床部を施工する場所に設けた状態で、デッキプ
レートもしくは鋼板の制振層の上に一体的にコンクリー
トを打設して建築物の床部を形成することを特徴とす
る。
【0026】請求項7記載の発明によれば、優れた制振
遮音性をもつ建築物の床部の制振構造を容易に施工でき
る。
【0027】
【発明の実施の形態】〔第1の実施の形態〕以下、図1
を参照して、第1の実施の形態の建築物の制振構造10
(以下、制振構造10)を詳細に説明する。第1の実施
の形態の制振構造10は、建築物(鉄骨造)の床部に適
用したものであり、図1に示すように、予め上面に制振
層12が積層して一体的に形成されたデッキプレート1
1と、このデッキプレート11の制振層12の上面に一
体的に打設されたコンクリート層13と、から構成され
る。なお、本実施の形態では、制振層12としては、ブ
チルゴムを圧延したシートがデッキプレート11に積層
して設けられている。
【0028】制振層12は、粘弾性をもつ材質を主成分
として構成される。この制振層12により、建築物の床
部で発生した騒音・振動が低減される。すなわち、床部
に騒音・振動が伝わりデッキプレート11が振動する
と、これに伴ってデッキプレート11に形成された制振
層12に振動が伝えられる。ここで、デッキプレート1
1と制振層12とは剛性が異なり、制振層12の方が大
きく変形する。この制振層12に生じた曲げ歪みによ
り、床部に伝えられた振動の運動エネルギーが熱エネル
ギーに変換され、床部を介して騒音・振動が周囲に伝わ
ることが抑制される。なお、制振層12はデッキプレー
ト11の下面にも設ける構成としても良い。
【0029】また、建築物の床部が、デッキプレート1
1から構成される場合だけでなく、デッキプレート11
と同等の機能をもつ他の鋼板(図示しない)から構成さ
れる場合には、この鋼板に制振層12を設けることで同
様に制振遮音性が付与される。これにより、鋼板から床
部が構成される場合についても、図1に示すデッキプレ
ート11の場合と同様に、周囲に伝わる騒音・振動が低
減される。
【0030】制振層12の材質は、騒音・振動を低減す
るに十分な粘弾性をもたせることができれば、各種材質
が適用される。例えば、主成分として、ブチルゴム、ス
トレートアスファルト、ブローンアスファルト、セミブ
ローンアスファルト、変性アスファルト、などを、単独
もしくは併用したものを、好適に用いることができる。
さらに、必要であれば、各種の充填材や添加剤を混合し
ても良い。この場合に、充填材としては、紛状充填材、
繊維状充填材などを用いることができる。添加剤として
は、分散剤、消泡剤、レオロジー添加剤、老化防止剤な
どを用いることができる。
【0031】また、制振層12となる材質は、デッキプ
レート11に積層して形成するときに、制振層12が形
成される部分と制振層12とを接着させる自己接着性を
もつ材質を選択することが好ましい。この場合には、制
振層12を形成する際に接着剤を用いずに接着でき、作
業負荷を低減できる。この自己接着性は、例えば、周知
の粘着付与剤を適量配合することで与えても良い。
【0032】制振層の材質は、上記した材質の他にも、
粘弾性をもつ材質であれば限定されず、同様の性質をも
つ各種材料を広く適用できる。例えば、弾性を有する材
質であれば、各種ゴム材料、樹脂材料、熱可塑性エラス
トマー等を、単独もしくは併用して用いるとともに、ゴ
ム工業で一般的に用いられている充填材や可塑剤等の各
種配合剤を添加したものを用いることができる。
【0033】ここで、各種ゴム材料とは、例えば、常温
で固体のゴム材料の他に、常温で液状の粘弾性体を硬化
させて得られる液状反応硬化物等を含み、加硫または未
加硫を問わず適用しても良い。この場合に、加硫とは、
硫黄加硫に限定されるものではなく、例えば、ゴム工業
一般に用いられている有機過酸化物、金属酸化物、有機
多価アミンなどの各種架橋剤による架橋も含まれる。
【0034】また、常温で固体のゴム材料とは、例え
ば、ブチルゴム、天然ゴム、ポリイソブチレン、エチレ
ンプロピレンゴム、エチレンプロピレン三元共重合体、
クロロプレンゴム、天然ゴム、スチレンブタジエンゴ
ム、ブタジエンゴム、スチレンーイソプレンースチレ
ン、スチレンーブタジエンースチレン、ウレタンゴム等
を、単独もしくは併用して用いたポリマーに対して、従
来からゴム工業で用いられている、加硫剤や架橋剤、加
硫促進剤、加硫促進助剤、粘着付与剤、充填剤、可塑
剤、老化防止剤、溶剤などの配合薬品を適宜配合したも
のが含まれる。
【0035】また、常温で液体のゴム材料とは、例え
ば、ウレタン、液状ポリブタジエン、変性シリコン、シ
リコン、ポリサルファイド等が含まれる。なお、これら
の材料は、固体化させるための硬化剤を所定量添加して
混合し、反応硬化させて用いることが好ましい。
【0036】また、図1では、デッキプレート11のリ
ブ形状に併せてほぼ一定厚さの制振層12を設ける構成
としたが、コンクリート層13とデッキプレート11と
の間に制振層12が介在する構成にできれば特に限定さ
れない。例えば、デッキプレート11のリブ形状を充填
するように制振層12を設け、この制振層12の上にコ
ンクリート層13を打設する構成としても良い。
【0037】また、制振層12を形成するには、例え
ば、周知の発泡成形のように、内部に空間を持たせ空気
層を内包させるように加工したものを適用しても良い。
この場合には、内包される空気層によりさらに吸音性が
付与される。また、制振層12に、内部に空隙をもつ充
填材を分散させる構成としても良い。ここで、内部に空
隙をもつ充填材としては、例えば、中空の充填材を用い
ることができる。このようにして制振層12に空間を持
たせることで、多くの空気層を介在させることができ、
制振層12にさらに吸音性が付与される。あわせて、空
気層が多く介在されるために断熱性を付与することがで
きる。
【0038】また、一般に、遮音材の遮音性能は、遮音
材の比重に左右されるため、制振層12に比重を調整す
るための各種充填材を混合する構成としても良い。比重
調整用の充填材としては、制振層12として用いる材質
よりも比重が大きい充填材であれば、各種充填材を用い
ることができる。
【0039】建築物の床部に制振遮音性を付与するに
は、例えば、梁に拘束される床面積を小さくする方法
(スパンを短くする)、コンクリート層を厚くする方
法、などの方法の他、コンクリート層の物性を高剛性や
高密度にする方法が考えられる。しかしながら、第1の
実施の形態の制振構造10によれば、スパンを短くした
り、コンクリート層を厚くしたり、コンクリート層の物
性をほとんど変えたりする必要がなく、効果的に床部に
制振遮音性を与えることができる。これにより、床部で
生じる衝撃音が周囲に伝わることが低減される。
【0040】次に、第1の実施の形態の制振構造10の
施工方法を説明する。始めに、制振層12となるシート
状物を成形加工する。本実施の形態では、ブチルゴムを
圧延したシートを成形する。このシート状物は、例え
ば、以下の通りにして成形される。すなわち、予め定め
られた配合表に基づいた原材料を準備し、これらの材料
を十分に混合する。ここで、所定の配合表に基づいて原
材料を混合するには、周知の各種分散機を用いる。例え
ば、ニーダやバンバリーミキサなどの密閉型混合機や、
ロールミルやボールミルまたは各種ミキサー、などを用
いることができる。なお、これらの分散機は、加工する
ときに材料を加熱する加熱機能をもつことが好ましい。
また、シート状物を積層して設ける部分とこのシート状
物とを接着する自己接着性を付与するために、所定量の
粘着付与剤を混合することが好ましい。
【0041】次いで、所定の配合表に基づいて混合され
た原材料を、周知の加工機により圧延してシート状とす
る。次いで、シート状に圧延したのちに、必要であれ
ば、所定の熱および圧力を与えて原材料を加硫する(す
なわち、加硫工程。例えば、原材料に加硫剤を含む場合
など)。なお、本実施の形態では、ブチルゴムを用いて
おり、シート状に圧延したのちに所定の加硫処理を行
う。以上の通りにして、制振層12となるシート状物が
得られる。
【0042】次に、以下の通りにして、デッキプレート
11に制振層12を形成する。すなわち、以上の通りに
して圧延されたシート状物を、デッキプレート11に貼
付けて制振層12を形成する。制振層12は、工場など
において、予め形成しておくことが好ましい。これによ
り、施工現場での施工の負荷が低減され、工期短縮が図
られる。また、貼付けに際しては、シート状物に付与さ
れた自己接着性により接着しても良いし、適宜接着剤を
用いても良い。また、両者を併用して、シート状物の自
己接着性に補足的に接着剤を用いても良い。接着剤を用
いずに、制振材の自己接着性により接着する場合には、
施工作業が煩雑とはならず好ましい。なお、接着剤とし
ては、例えば、感圧型接着剤や、ホットメルト型接着剤
を用いることができる。
【0043】また、制振層12をデッキプレート11に
形成する方法としては、上述のシート状に圧延された制
振材を貼付ける方法に限定されず、制振層12を形成す
る原材料に流動性を持たせた状態とし、この流動性を持
たせた原材料を用いた各種塗装工法により形成できる。
例えば、所定の配合で混合された原材料を適宜な溶剤に
溶解させ、制振層12を形成するための塗料を調整す
る。このように溶剤に溶解されて流動性が与えられた塗
料を用い、各種塗装工法により制振層12を形成するこ
とができる。また、所定の配合で混合された原材料を、
加熱により流動性をもたせ、この流動性をもたせた原材
料を用いて、各種塗装工法により制振層12を形成する
ことができる。ここで、塗装工法としては、カーテンフ
ローコータ、刷毛塗り、ローラ塗装、加圧スプレー塗
装、ホットメルト塗装、などの方法を適用できる。以上
の通りにして、制振層12がデッキプレート11に積層
して形成される。
【0044】次いで、このように制振層12が形成され
た状態のデッキプレート11を、施工現場に運搬し、建
築物の床部を施工する所定の場所に設ける。次いで、こ
の状態で、デッキプレート11の制振層12の上に、一
体的にコンクリートを場所打ちで打設しコンクリート層
13を形成する。このように、本発明の制振構造10の
施工は、予めデッキプレート11に制振層12を形成し
ておけば従来の施工工程と同様に施工され、制振層12
の形成に基づく工程が追加されず煩雑化しない。なお、
施工現場において、制振層12をデッキプレート11に
形成したのちに、コンクリート層13を打設しても良
い。以上の通りにして、第1の実施の形態の制振構造1
0が施工される。
【0045】また、鉄筋コンクリート造の建築物に適用
するときには、例えば、カイザー版などのハーフPC版
のコンクリート打設面に、制振層12を形成する原材料
を上述の塗装工法により塗布し、この上にコンクリート
層13を打設することで施工しても良い。
【0046】以上の本発明の実施の形態の建築物の制振
構造10によれば、建築物の床部に優れた制振遮音性が
付与され、建築物の床部から周囲に伝わる騒音・振動が
低減される。また、予め工場においてデッキプレート1
1に制振層12を形成する加工を行っておけば、基本的
に建築物の建築工程はなんら煩雑化せず、極めて簡単に
優れた制振効果をもつ床構造を施工できる。また、制振
層12が予めデッキプレート11に形成されるので、施
工現場での施工の負荷が低減され、工期短縮が図られ
る。さらに、制振層12をデッキプレート11に形成す
るに際しては、制振層12の材質を選択して自己粘着性
を付与すれば、制振層12を容易に形成できる。
【0047】以下、図2〜3を参照して、第1の実施の
形態の制振構造10を、実施例1及び2により詳細に説
明する。 [実施例1]実施例1として、第1の実施の形態の制振
構造10の構成(図1に図示するデッキプレート11に
制振層12を形成した構成)について、振動および放射
音の低減効果の実験的検討を行った。制振層12として
は、ブチルゴムを圧延したシートを用いた。また、デッ
キプレート11は3.2mm厚の鋼板を用い、ブチルゴ
ムからなる制振層12はデッキプレート11の上に3m
m厚に形成した。さらに、制振層12の上に打設するコ
ンクリート層13は、最大厚さを150mmとした。図
2に、下室での放射音の低減効果の実験結果を示す。こ
こでは、コンクリート上面をJIS A 1418−
2:2000に規定する衝撃力特性(1)の標準重量衝
撃源により加振した。図2では、横軸はオクターブバン
ド中心周波数(Hz)を示し、縦軸は音圧レベル(d
B)を示している。図2中、制振層12が形成されたデ
ッキプレート11を備える構成(すなわち図1に示す制
振構造10の構成)の結果を「―○―」(図2で「制振
材あり」と明記)で示し、デッキプレート11および制
振層12を備えずコンクリート層13のみの構成の結果
を「―●―」(図2で「制振材なし」と明記)で示し
た。図2に示されるように、測定した全てのオクターブ
バンド中心周波数帯域(63〜500Hz)で、コンク
リート層13とデッキプレート11だけの構成と比較し
て、制振層12が形成された第1の実施の形態の制振構
造10の構成では、放射音の低減効果が顕著に得られ
た。オクターブ中心周波数63Hzでは9dB、オクタ
ーブ中心周波数125Hzでは6dBの放射音の低減効
果がそれぞれ得られ、オクターブ中心周波数500Hz
では15dBと最も大きな放射音の低減効果が得られ
た。図2に示されるように、図1に示す制振構造10の
制振遮音性の顕著な有効性が確認された。
【0048】[実施例2]実施例2として、図1に示す
制振構造10のデッキプレート11に代えて、鋼板(図
示しない)を用いた建築物の床部の構成について、振動
および放射音の低減効果の実験的検討を行った。制振層
12としては、実施例1と同様に、ブチルゴムを圧延し
たシートを用いた。また、鋼板は3.2mm厚のものを
用い、ブチルゴムからなる制振層12は鋼板の上に3m
m厚に形成した。すなわち、制振層12が形成された状
態の鋼板の厚さは約6mmであった。さらに、制振層1
2の上に打設するコンクリート層13は150mm厚と
した。
【0049】図3に、下室での放射音の低減効果の実験
結果を示す。ここでは、コンクリート上面をJIS A
1418−2:2000に規定する衝撃力特性(1)
の標準重量衝撃源により加振した。図3では、横軸に周
波数(Hz)を示し、縦軸は音圧レベル(dB)を示し
ている。また、図3中、制振層12が形成された鋼板を
備える構成の結果を、短い間隔の破線「------」で示し
(図3で「制振」と明記)、鋼板および制振層12を備
えずコンクリート層13のみの構成の結果を、長い間隔
の破線「- - -」(図3で「非制振」と明記)で示し
た。図3に示されるように、鋼板(図示しない)に制振
層12が形成された構成では、コンクリート層13の共
振周波数で発生する騒音に対して、顕著な放射音の低減
効果が見られ、約10dBの低減効果が得られた。床衝
撃音を対象としたとき、約10dBの放射音低減効果を
得るためには、約100mmのコンクリート層13の打
ち増しが必要である。すなわち、床構造のコンクリート
層13の薄肉化、コンクリート使用量の低減、コンクリ
ート打設作業の負荷低減、これらに基づくコスト低減、
などを図ることができ、鋼板(図示しない)に制振層1
2を形成する構成の優れた有効性が確認された。
【0050】〔第2の実施の形態〕以下、図4を参照し
て、第2の実施の形態の建築物の制振構造30(以下、
制振構造30)を詳細に説明する。また、第2の実施の
形態の制振構造30は、耐力壁や構造壁などの建築物の
骨格をなす壁部に適用したものである。そして、基本的
な構成要素は、第1の実施の形態の制振構造10と同様
である。従って、同様の構成要素については、同一の符
号を付してその説明を省略する。また、以下の説明にお
いては、第1の実施の形態の制振構造10と異なる部分
を主体に説明する。
【0051】第2の実施の形態の制振構造30は、図4
に示すように、予め一方の側面に制振層12が積層して
形成された1対の鋼板31、31と、この鋼板31、3
1の制振層12、12の間に一体的に打設されたコンク
リート層13と、から構成される。そして、制振層1
2、12が第1の実施の形態と同様に機能し、制振層1
2、12により、建築物の壁部で発生した騒音・振動が
低減され、この騒音・振動が壁部を介して周囲に伝わる
ことが抑制される。なお、図4では、第2の実施の形態
の制振構造30の一部分を図示している。
【0052】次に、第2の実施の形態の制振構造30の
施工方法は、デッキプレート11を鋼板31とすること
を除いては、基本的に、第1の実施の形態の制振構造1
0と同様に施工できる。すなわち、予め制振層12が形
成された鋼板31を用い、通常の建築物の壁部の施工と
同様にしてコンクリート層13を打設することで、容易
に施工できる。なお、建築現場において、制振層12を
鋼板31に積層一体化して、コンクリート層13を打設
しても良い。
【0053】以上の第2の実施の形態の制振構造30に
よれば、第1の実施の形態の制振構造10と同様に、建
築物の壁部に優れた制振遮音性が付与され、建築物の壁
部から周囲に伝わる騒音・振動が好適に低減される。ま
た、建築物の建築工程はなんら煩雑化せず、極めて簡単
に優れた制振効果を与えることができる。
【0054】〔第3の実施の形態〕以下、図5を参照し
て、第3の実施の形態の建築物の制振構造40(以下、
制振構造40)を詳細に説明する。また、第3の実施の
形態の制振構造40は、天井、壁部、床部など、石膏ボ
ード41を備える建築物の内装壁面に適用したものであ
る。そして、基本的な構成要素は、石膏ボード41を除
いて、第1の実施の形態の制振構造10や、第2の実施
の形態の制振構造30と同様である。従って、同様の構
成要素については、同一の符号を付してその説明を省略
する。また、以下の説明においては、第1の実施の形態
や第2の実施の形態と異なる部分を主体に説明する。
【0055】第3の実施の形態の制振構造40は、図5
に示すように、建築物の内装下地材となる石膏ボード4
1の一方の側面に一体的に積層して形成された制振層1
2と、この制振層12の上に一体的に積層して形成され
た鋼板31(拘束層)と、から構成される。
【0056】そして、基本的に第1の実施の形態および
第2の実施の形態と同様に、制振層12により建築物の
壁面から石膏ボード41に伝えられる騒音・振動が低減
される。すなわち、内装壁面に騒音・振動が伝えられて
石膏ボード41が振動しようとすると、これに伴って、
石膏ボード41より剛性の低い制振層12が伸縮しよう
とする。このとき制振層12の反対側にある鋼板31
は、制振層12より剛性が高いために、鋼板31側の制
振層12の伸縮運動を拘束する。その結果、制振層12
にせん断変形が生じ、振動の運動エネルギーが熱エネル
ギーに変換されて制振効果が得られる。これにより、騒
音・振動が内装壁面を介して周囲に伝わることが抑制さ
れる。
【0057】また、第3の実施の形態の制振構造40の
構成は、制振層12の室内壁面側に設けられ拘束層とな
る鋼板31に代えて、各種材質が適宜適用可能である。
この場合には、制振層12よりも大きな剛性をもつ高剛
性の板状物もしくはフィルムなどが好ましい。また、十
分な剛性をもちかつ比較的安価に入手できることから、
汎用の金属製板状物や金属製フィルムなどが特に好まし
い。これにより、制振層12に十分な曲げ歪みを発生さ
せることができ、十分な騒音・振動の低減効果が得られ
る。拘束層としては、例えば、鋼板、銅板、アルミニウ
ム板、合金板などの金属板もしくは薄板金属板、アルミ
ニウムなどの各種金属による金属フィルム、フレキシブ
ルボード、合板、などの他、木材、樹脂成形板、樹脂含
浸紙などを用いることができる。また、石膏ボード41
の制振層12に、さらに石膏ボード41とは異なる石膏
ボード(図示しない)を設けても良い。
【0058】次に、第3の実施の形態の制振構造40の
施工方法は、石膏ボード41に制振層12および鋼板3
1を一体的に積層して形成することを除いては、基本的
に、第1の実施の形態や第2の実施の形態と同様に施工
できる。すなわち、予め制振層12および鋼板31が形
成された石膏ボード41を用い、通常の建築物の内装壁
面の施工と同様に容易に施工できる。ここで、石膏ボー
ド41に制振層12および鋼板31を形成する方法は特
に限定されず、感圧型接着剤、ホットメルト接着剤など
の接着剤を用いて接着する方法、ステープル、鋲、釘な
どを用いる方法、などを用いることができる。また、予
め石膏ボード41に制振層12および鋼板31を一体化
して形成しておく他、建築現場において石膏ボード41
に制振層12および鋼板31を一体化して形成しても良
い。
【0059】以上の第3の実施の形態の制振構造40に
よれば、第1の実施の形態や第2の実施の形態と同様
に、建築物の壁面に優れた制振遮音性が付与され、建築
物の壁面から周囲に伝わる騒音・振動が好適に低減され
る。また、建築物の建築工程はなんら煩雑化せず、極め
て簡単に優れた制振効果を与えることができる。さら
に、石膏ボード41に制振層12および鋼板31を設け
た構成であるため基本的に軽量であり、かつ、大きなコ
スト高を伴うことがない。
【0060】以下、図6を参照して、第3の実施の形態
の制振構造10を、実施例3により詳細に説明する。 [実施例3]実施例3として、第3の実施の形態の制振
構造40を天井下地材および床下地材に適用した例を図
6に示す。すなわち、図6に示すように、根太51の上
面に大引52を設け、この大引52は根太51と直交す
るように配設した。大引52の上面に上階の床下地材と
なる合板54を設けた。また、梁53の下方に下階の天
井下地材となる石膏ボード41を設けた。そして、この
上階の床下地材となる合板54と、下階の天井下地材と
なる石膏ボード41と、に第3の実施の形態の制振構造
40の構成を適用した。すなわち、下階の天井下地材と
なる石膏ボード41に、ブチルゴムシートからなる制振
層12aと、拘束層となる石膏ボード57と、を設け
た。また、上階の床下地材となる合板54に、ブチルゴ
ムシートからなる制振層12bと、拘束層となる合板5
5と、を設けた。そして、この合板55の上面に、上階
の床面となるフローリング56を設けた。以上の通りに
構成することで、下階の天井面および上階の床面に伝わ
る騒音・振動が周囲に伝わることが大幅に低減され、優
れた制振遮音性が得られた。
【0061】また、上記実施例3の構成では、天井下地
材と床下地材との両方に制振構造40の構成を適用した
が、天井下地材となる石膏ボード41のみに制振構造4
0の構成を適用した場合と、床下地材となる合板54の
みに制振構造40の構成を適用した場合と、のいずれの
場合でも制振遮音性の効果が得られている。さらに、上
記実施例3の構成では、梁53と大引52と根太51と
から構成される床構造に、制振構造40の構成を適用し
たが、梁53と根太51とから構成される床構造(すな
わち大引52を設けない構成)に制振構造40の構成を
適用した場合でも、優れた制振遮音性が得られている。
【0062】なお、本発明は上記実施の形態に限定され
るものではない。すなわち、本発明の趣旨を逸脱しない
範囲において、適宜に変更可能であることは勿論であ
る。
【0063】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、優れた制
振遮音性をもつ建築物の床部の制振構造が得られ、建築
物の床部から周囲に伝わる騒音・振動が低減される。
【0064】請求項2記載の発明によれば、優れた制振
遮音性をもつ建築物の壁部の制振構造が得られる。
【0065】請求項3記載の発明によれば、優れた制振
遮音性をもつ建築物の壁面の制振構造が得られる。
【0066】請求項4記載の発明によれば、請求項3と
同様の効果を奏することができるとともに、内装壁面を
構成する従来同様の資材を用いて、制振性が十分な壁面
構造を得ることができる。
【0067】請求項5記載の発明によれば、請求項1〜
4のいずれか一つと同様の効果を奏することができると
ともに、請求項1〜4記載の制振層を容易に形成でき
る。
【0068】請求項6記載の発明によれば、請求項1〜
5のいずれか一つと同様の効果を奏することができると
ともに、制振層を形成するときの施工作業負荷を大幅に
低減することができる。
【0069】請求項7記載の発明によれば、優れた制振
遮音性をもつ建築物の床部の制振構造を容易に施工でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した第1の実施の形態の制振構造
10の構成を示す図である。
【図2】図1に示す制振構造10の構成について、振動
および放射音の低減効果の実験結果を示す図である。
【図3】図1に示す制振構造10のデッキプレート11
に代えて、鋼板を用いた建築物の床部の構成について、
振動および放射音の低減効果の実験結果を示す図であ
る。
【図4】本発明を適用した第2の実施の形態の制振構造
30の構成を示す図である。
【図5】本発明を適用した第3の実施の形態の制振構造
40の構成を示す図である。
【図6】実施例3の構成を示す図である。
【符号の説明】
10、20、30、40 制振構造 11 デッキプレート 12、21 制振層 31 鋼板(拘束層) 41 石膏ボード(内装下地材)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 齋藤 和吉 東京都北区豊島8−16−15 日本特殊塗料 株式会社内 Fターム(参考) 2E001 DF02 DF07 DH37 FA03 FA10 FA13 FA14 GA06 GA10 GA12 GA13 GA17 GA23 GA24 GA42 HA03 HA04 HB02 HB04 HB05 HC02 HC07 HD03 HD11 HE01 HE03 LA04 LA12 MA01 2E002 FB02 FB08 FB12 MA16 MA17 MA19 MA20

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 デッキプレートもしくは鋼板にコンクリ
    ートを一体的に打設する合成スラブ工法により構築され
    る床部における建築物の制振構造であって、 前記デッキプレートもしくは前記鋼板の少なくとも片面
    に主成分として粘弾性材料を含む制振層を積層して設
    け、 該制振層が積層して設けられた状態の前記デッキプレー
    トもしくは前記鋼板の前記制振層の上に一体的にコンク
    リートを打設して建築物の床部が形成されていることを
    特徴とする建築物の制振構造。
  2. 【請求項2】 鋼板にコンクリートを一体的に打設して
    形成される壁部における建築物の制振構造であって、 前記鋼板の少なくとも片面に主成分として粘弾性材料を
    含む制振層を積層して設け、 該制振層が積層して設けられた状態の前記鋼板の前記制
    振層の上にコンクリートが一体的に打設されて建築物の
    壁部が形成されていることを特徴とする建築物の制振構
    造。
  3. 【請求項3】 天井、壁部、床部等、内装下地材を備え
    る壁面における建築物の制振構造であって、 前記内装下地材の少なくとも片面に主成分として粘弾性
    材料を含む制振層を積層して設け、 該制振層が設けられた状態の前記内装下地材の前記制振
    層の上に、前記制振層より剛性が高くされた拘束層が設
    けられていることを特徴とする建築物の制振構造。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の建築物の制振構造におい
    て、 前記拘束層は、鋼板、薄板金属板、金属フィルム、フレ
    キシブルボード、合板、石膏ボード、のいずれかである
    ことを特徴とする建築物の制振構造。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか一つに記載の建
    築物の制振構造において、 前記制振層は、主成分として粘弾性材料を含む原材料を
    シート状に成形し、シート状に成形された原材料を貼付
    けることにより積層して設けられているか、もしくは、
    主成分として粘弾性材料を含む原材料を流動性を有する
    状態に調整し、流動性を有する状態とされた原材料を用
    いた塗装工法により積層して設けられている、ことを特
    徴とする建築物の制振構造。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか一つに記載の制
    振構造において、 前記粘弾性材料は、前記制振層が積層して設けられる部
    分と該制振層とを接着させる自己接着性をもつことを特
    徴とする建築物の制振構造。
  7. 【請求項7】 デッキプレートもしくは鋼板にコンクリ
    ートを一体的に打設する合成スラブ工法により構築され
    る床部における建築物の制振構造の施工方法であって、 前記デッキプレートもしくは前記鋼板の少なくとも片面
    に、 主成分として粘弾性材料を含む原材料をシート状に成形
    し、該シート状に成形された原材料を貼付けることによ
    り主成分として粘弾性材料を含む前記制振層を積層して
    設けるか、もしくは、主成分として粘弾性材料を含む原
    材料を流動性を有する状態に調整し、該流動性を有する
    状態とされた原材料を用いた塗装工法により主成分とし
    て粘弾性材料を含む前記制振層を積層して設けるととも
    に、 前記制振層が積層して設けられた状態の前記デッキプレ
    ートもしくは前記鋼板を建築物の床部を施工する場所に
    設けた状態で、 デッキプレートもしくは鋼板の制振層の上に一体的にコ
    ンクリートを打設して建築物の床部を形成することを特
    徴とする建築物の制振構造の施工方法。
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