JP2002069577A - 鍛造性と製品靭性に優れた冷・温間鍛造用鋼とその製造方法 - Google Patents

鍛造性と製品靭性に優れた冷・温間鍛造用鋼とその製造方法

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JP2002069577A
JP2002069577A JP2000261690A JP2000261690A JP2002069577A JP 2002069577 A JP2002069577 A JP 2002069577A JP 2000261690 A JP2000261690 A JP 2000261690A JP 2000261690 A JP2000261690 A JP 2000261690A JP 2002069577 A JP2002069577 A JP 2002069577A
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Tatsuro Ochi
達朗 越智
Tatsuro Obata
達郎 小畑
Masayuki Hashimura
雅之 橋村
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Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 本発明は高周波焼入れ工程及び通常焼入れ焼
戻し工程で製造される部品の製造に際して、部品成形時
には鍛造性に優れ、部品成形後には靭性に優れた鋼材と
その製造方法を提案するものである。 【解決手段】 C、Si、Mn、S、B、Al、Cr、
Te、Ca、Zr、Mg、Y、希土類元素の1種又は2
種、不可避元素を含む鋼材であって、かつ、ミクロ組織
はフェライト・パーライト組織主体であり、フェライト
結晶粒径が25μm以下であり、熱間圧延方向に平行な
断面の組織のフェライトバンドの評点が1〜5であるこ
とを特徴とする鋼材。上記成分の鋼を加熱温度を105
0℃以上、熱間圧延の仕上げ温度を800〜1000
℃、熱間圧延に引き続いて800〜500℃の温度範囲
を1℃/秒以下の冷却速度で徐冷して製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は自動車や一般機械な
どに用いられる鋼及びその製造方法に関するものであ
り、さらに詳しくは高周波焼入れにより製造される各種
CVJ部品やIQ歯車類及び通常焼入れ焼戻しにより製
造されるボルトなどの素材として良好な、特に冷・温間
鍛造性と製品靭性に優れた鋼及びその製造方法に関する
ものである。本発明で言う製品靭性とは冷・温間鍛造処
理前の素材の靭性ではなく、冷・温間鍛造−調質後の靭
性であることを定義する。また、本発明でいう鍛造の定
義であるが、温度制御をすることなく鍛造することを冷
間鍛造とし、室温よりも高温に温度制御し、オーステナ
イト化温度以下で鍛造すること、つまりフェライト−パ
ーライト域もしくはフェライト−オーステナイト域で鍛
造することを温間鍛造と定義する。
【0002】
【従来の技術】各種シャフト類は現在、冷・温間鍛造工
程または切削工程で製造されているが、冷間鍛造では軟
化焼鈍を必要とする場合が多く、焼鈍省略の指向も強
い。そのため鋼材の変形抵抗の低減と限界圧縮率の向上
が重要な課題である。これは、前者は、鍛造工具の寿命
を確保するためであり、後者は冷・温間鍛造時の鋼材の
割れを防止するためである。
【0003】一方、当然のことながら、最終的な製品の
材質特性は、従来材と同等のレベルが求められる。本発
明で対象とする高周波焼入れする製品においては、靭
性、捩り強度、捩り疲労強度の確保が主たる狙いであ
る。捩り強度、捩り疲労強度の確保のためには、高周波
焼入れ性を確保することが必須である。高周波焼入れ性
を増加させると通常は硬くなるために、一般には鋼材の
鍛造性と高周波焼入れ後の強度特性は相反するものであ
る。つまり、鍛造性と強度特性の兼備が、高周波焼入れ
用鋼材の最大の課題と言える。また、焼鈍の簡略化、省
略化により、冷・温間鍛造材では最終製品の靭性が不足
する現象があり、これの改善も重要な課題である。即
ち、鍛造性の向上により、焼鈍の簡略化・省略化、冷・
温鍛、切削、転造工程の各工具の寿命向上等が可能であ
り、かつ、高周波焼入れ後は、必要な材質特性が確保で
きるような鋼材が求められている。
【0004】また、対象製品の一つである高強度ボルト
は、主に焼入れ焼戻し処理して目的の強度特性を確保す
る。焼入れ焼戻し後の高強度特性と鍛造性は相反するも
のであることは上記したが、高強度ボルトにおいても鍛
造性と高強度特性の兼備が、最大の課題と言える。
【0005】これに対して特開平3−177537号公
報には、B鋼を適用し、脱炭深さを規定した直接切削・
高周波焼入れ用鋼材が示されている。しかし、この鋼材
は実施例の第1表から明らかなように、冷間加工性が不
十分であり、実施例5、7、10を除いて、N量が0.
0070%以上であることが原因であると推定される。
また、実施例5、7、10はCr量が0.15%未満で
あり、焼入れ性が不足していると推定される。以上のこ
とから、上記の鋼材は、必ずしも幅広く適用されていな
いのが現状である。
【0006】材料の鍛造性を向上させる一つの方法とし
て、介在物の形態制御がある。MnSは他の介在物より
も熱間圧延時や鍛造時に伸長化しやすいため、鍛造性を
劣化させる主要因である。そこで、低S化と希土類元
素、Y、Ca、Mg、Zr等の添加により、MnSを微
細化及び粒状化により伸長化を抑制して、鍛造性を確保
する方法が提案されている。
【0007】例えば、特開平10−296396号公報
では、Ca:5〜30ppmとTe:5〜30ppmを
添加することにより、MnSの長さと幅の比率L/Wを
5以下にし、熱間鍛造性を向上させる技術を提案してい
る。しかし、該発明鋼材は、硫化物の形態を制御するこ
とにより熱間鍛造性の改善をねらったものであり、冷・
温間鍛造性を改善した鋼材及びその製造方法ではない。
【0008】また、特開昭61−204353号公報に
は、希土類元素:0.001〜0.150%、Ca:
0.001〜0.050%、Y:0.001〜0.10
%、Zr:0.001〜0.10%のうち1種または2
種以上を含有してMnSの形態を制御することによりセ
パレーションを低減し、温間鍛造後の靭性を向上させた
鋼材が示されている。しかし、該発明鋼材は、冷・温間
鍛造性及び冷間鍛造後の靭性、高周波焼入れ性及び焼入
れ焼戻し鋼材の靭性を改善した鋼材ではない。
【0009】そこで冷・温間鍛造性及び最終製品の材質
特性を両立させるには更なる技術革新が必要である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上記現状のような開示
された鋼材では、冷・温間鍛造性は不十分であり、また
最終製品の靭性を保証していない。本発明はこのような
問題を解決して、冷・温間鍛造性と製品靭性を兼備した
冷・温間鍛造用鋼とその製造方法を提案するものであ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、優れた鍛
造性と製品靭性を実現するために、鋭意調査し、次の点
を明らかにした。
【0012】(1)鋼材の鍛造性を向上させるために、
固溶体硬化元素であるSi、Pを低減することが必要で
ある。また、同じ理由からMn量を低めに抑えることが
有効である。一方、高周波焼入れ後の高強度特性を得る
ためにC量を0.2%超とし、高周波焼入れ性を確保す
る必要がある。
【0013】(2)素材の段階での硬さの向上を抑え
て、高周波焼入れ性を向上させるためには、Crの添
加、及びBの添加が有効である。よりBを焼入れ性に効
かせるためには、Ti添加による固溶Nの固定が有効で
ある。ここで、TiN、Ti(CN)は、鍛造性を劣化
させる。つまり、TiN、Ti(CN)による析出硬化
により変形抵抗がアップするとともに、鍛造割れの原因
となる。そのため、N量を0.007%未満に低減す
る。
【0014】(3)図1にS45Cの素材及び700℃
温間鍛造材の衝撃値を示す。実用的に最も重要な100
%延性破壊での衝撃値は、素材よりも温間鍛造材は低下
する。これは、伸長MnSによるセパレーションの発生
が原因である。図2に示すように、Te、Ca、Zr、
Mg、Y、希土類元素の1種または2種以上を添加する
ことにより、MnSを粒状化、微細化することができ、
これによりセパレーションの発生を抑制できれば、10
0%延性破壊での衝撃靭性も飛躍的に向上する。また、
冷鍛割れ、温鍛割れは伸長MnSが起点となるため、こ
れらの元素の添加によるMnSの粒状化、微細化によ
り、冷鍛性及び温鍛性も顕著に向上する。
【0015】(4)素材の段階で硬さの向上を抑えて優
れた冷間加工性を確保するためには、圧延ままで、ベイ
ナイト組織を含まないフェライト・パーライト組織主体
とすることが必要である。
【0016】(5)通常加熱の場合の焼入れ性に比較し
て、高周波焼入れ性は急速加熱のために、前組織の影響
を大きく受ける。粗大なフェライトがフェライトバンド
として列状に存在すると、炭化物の溶体化が不十分であ
り、高周波焼入れ後、硬さ不足や硬さムラを生じ、硬化
層深さも浅くなる。本状態では、高周波焼入れ後の強度
特性が不足する。つまり、高周波焼入れ後の高強度特性
を確保するためには、前組織を適正な組織として、炭化
物の溶体化不良を制限することがポイントである。図3
は、高周波焼入れ前の組織にフェライトバンドが存在す
ると、高周波焼入れ後にどのような影響がでるかを模式
的に表した図である。フェライトバンドが顕著である
と、図3に示したように、高周波焼入れ後、元々パーラ
イト組織の部分が高炭素マルテンサイト、元々フェライ
トバンドの部分が低炭素マルテンサイトとなり、硬い層
と軟らかい層が軸方向に沿って層状に存在することにな
る。このような鋼材に、捩り応力を負荷した場合、軸方
向がせん断応力最大の方向になるため、軟らかい低炭素
マルテンサイト層に沿って、せん断亀裂が発生・伝播
し、低強度での破壊を招く。歯車のような曲げ応力が作
用する場合も同様で、歯元において、低炭素マルテンサ
イト層に沿って、曲げ応力による亀裂が発生・伝播す
る。さらに、フェライト粒径が粗大なほど炭素の拡散距
離が長くなり、上記の硬さムラは顕著になるため、硬さ
ムラの防止と硬化層深さを深くするためには、フェライ
ト粒径の微細化も重要である。以上から、フェライトの
結晶粒径をある値以下に制限し、フェライトバンドを抑
制することが必須である。ここでフェライトバンドの程
度は、図4のように昭和45年社団法人日本金属学会発
行「日本金属学会誌第34巻第9号第961頁」におい
て1〜7の7段階に評点化されている。即ち、上記の日
本金属学会誌第34巻第9号の第957頁〜962頁に
は、標題のとおり「フェライト縞状組織に及ぼすオース
テナイト結晶粒度と鍛造比の影響について」が記載され
ており、第961頁左欄第7〜8行には、「縞状組織の
程度を数量的に表示するために、Photo.4の基準
写真を作成した。」と記載されており、同頁の「Pho
to.4 Classifications of f
errite bands (×50×2/3×5/
6)には1〜7の基準写真が掲載されている。評点番号
が小さいほどフェライトバンドが軽微であり、評点番号
の大きいほどフェライトバンドが顕著であることを示し
ている。高周波焼入れ後の硬さムラを抑制するために
は、熱間圧延方向に平行な断面の組織の、上記の日本金
属学会誌第34巻第9号第961頁で定義されたフェラ
イトバンドの評点が1〜5であることが必要である。
【0017】(6)熱間加工後の鋼材のフェライトバン
ドの程度を軽減するためには、熱間加工時の加熱温度を
1050℃以上と高めに設定し、圧延後の仕上げ温度・
冷却速度条件を最適化すればよい。
【0018】(7)熱間加工後の鋼材のベイナイト組織
の生成を抑えてフェライト・パーライト組織主体にする
ためには、圧延後の仕上げ温度・冷却条件を最適化する
必要がある。
【0019】(8)なお、高周波焼入れ材及び通常焼入
れ焼戻し材の材質特性を向上させるためには、旧オース
テナイト粒界の粒界強化がポイントである。旧オーステ
ナイト粒界の粒界強化には、低P化、B添加が有効であ
る。
【0020】本発明は以上の知見にもとづいてなされた
ものである。
【0021】本発明者は以下の手段を用いて上記の課題
を解決した。即ち、本発明の請求項1〜5の発明は、質
量%で、C:0.2〜0.55%、Si:0.01〜
0.15%、Mn:0.2〜1.3%、S:0.15%
以下、B:0.0005〜0.005%、Al:0.0
15〜0.06%、Cr:0.01〜1.3%を含有
し、さらに、Te:0.0005〜0.02%、Ca:
0.0005〜0.02%、Zr:0.0003〜0.
01%、Mg:0.001〜0.035%、Y:0.0
01〜0.1%、希土類元素:0.001〜0.15%
のうち1種または2種以上を含有し、P:0.025%
以下、N:0.007%未満、O:0.0025%以下
に各々制限し、またはさらに、Ti:0.05%以下を
含有し、またはさらに、Nb:0.035%以下、V:
0.3%以下のうち1種または2種を含有し、またはさ
らに、Mo:0.3%以下、Ni:3.5%以下のうち
1種または2種を含有し、残部が鉄及び不可避的不純物
からなり、かつ、ミクロ組織はフェライト・パーライト
組織主体であり、フェライト結晶粒径が25μm以下で
あり、熱間圧延方向に平行な断面の組織のフェライトバ
ンドの評点が1〜5であることを特徴とする鍛造性と製
品靭性に優れた冷・温間鍛造用鋼。
【0022】本発明の請求項6の発明は、上記に記載の
成分の鋼を、加熱温度を1050℃以上、熱間圧延の仕
上げ温度を800〜1000℃、熱間圧延に引き続いて
800〜500℃の温度範囲を1℃/秒以下の冷却速度
で徐冷する条件により線材または棒鋼に熱間加工し、熱
間加工後のミクロ組織がフェライト・パーライト組織主
体であり、フェライト結晶粒径が25μm以下であり、
熱間圧延方向に平行な断面の組織のフェライトバンドの
評点が1〜5である鋼材となるようにすることを特徴と
する鍛造性と製品靭性を兼備した冷・温間鍛造用鋼の製
造方法である。
【0023】本発明の鋼材と製造方法を用いることによ
り、素材の段階では冷・温間鍛造性に優れ、最終的な製
品の状態においては優れた強度特性と靭性を有すること
ができる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。
【0025】まず、本発明が狙いとする冷・温間鍛造用
鋼及びその製品の組織、硬さ、延性及び靭性等の機械的
性質を達成するのに必要な鋼成分を限定した理由につい
て述べる。
【0026】C:Cは、機械構造用部品としての強度を
増加するために必要な元素であるが、0.2%未満では
最終製品の強度が不足し、また、0.55%を超えると
最終製品の延性の劣化を招くので、C含有量を0.2〜
0.55%とした。
【0027】Si:Siは、脱酸元素として、及び固溶
体硬化による最終製品の強度を目的として添加される
が、0.01%未満ではこれらの効果は不充分であり、
一方、0.15%を超えると延性の劣化を招くので、S
i含有量を0.01〜0.15%とした。
【0028】Mn:Mnは焼入れ性の向上を通じて、最
終製品の強度を増加させるのに有効な元素であるが、
0.2%未満ではこの効果が不充分であり、一方、1.
3%を超えるとこの効果は飽和し、むしろ延性の劣化を
招くので、Mn含有量を0.2〜1.3%とした。しか
し、鍛造性を重視する場合にはMn:0.2〜0.65
%にすることが望ましい。
【0029】S:Sは、鋼中に不可避的に含有される成
分であり、S低減の限界は工業的に0.003%程度で
ある。Sは鋼中でMnSとして存在し、熱間加工及び冷
・温間鍛造時により伸長してセパレーション発生の原因
になる。特にSが0.15%を超えると、セパレーショ
ンの発生頻度が増え、鍛造性及び靭性の劣化が顕著とな
るため、0.15%を上限とした。
【0030】B:Bは、熱間圧延後の冷却過程でα/γ
界面にB化合物であるFe23(CB)6として析出し、
フェライトの成長を促進させて、軟質化と冷間加工性向
上に寄与する。また、固溶Bは粒界に偏析し、焼入れ性
を向上させる効果をもたらす。このため、B含有量を
0.0005〜0.005%とした。
【0031】Al:Alは、脱酸剤として有用であると
ともに、鋼中に存在する固溶NをAlNとして固定し、
結晶粒微細化に有用である。しかし、Al量が多すぎる
と、Al23が過度に生成することになり、内部欠陥が
増大するとともに、冷間加工性を劣化することになる。
したがって、本発明ではAlは0.015〜0.06%
とした。
【0032】Cr:Crは、焼入れ性の向上を通じて、
最終製品の強度を増加させるのに有効な元素であるが、
0.01%未満ではこの効果が不充分であり、1.3%
を超えるとこの効果は飽和し、むしろ延性の劣化を招く
ので、Cr含有量を0.01〜1.3%とした。鍛造性
を重視する場合の好適範囲はCr:0.01〜0.5%
であり、特に鍛造性を重視する場合はCr:0.01〜
0.35%とするのが望ましい。
【0033】次に、本発明では、Te、Ca、Zr、M
g、Y、希土類元素のうち1種または2種以上を必須元
素として含有させる。これらの元素は各々酸化物を生成
し、この酸化物がMnSの生成核となるとともに、Mn
Sが(Mn,Ca)Sや(Mn,Mg)Sのように組成
改質される。これにより熱間圧延時及び鍛造時にこれら
の硫化物の延伸性が改善され、粒状MnSが微細分散す
るため、鍛造性及び製品靭性が向上する。このような効
果は、Te:0.0005%未満、Ca:0.0005
%未満、Zr:0.0003%未満、Mg:0.001
%未満、Y:0.001%未満、希土類元素:0.00
1%未満の添加は不十分である。一方、Te:0.02
%超、Ca:0.02%超、Zr:0.01%超、M
g:0.035%超、Y:0.1%超、希土類元素:
0.15%超を添加すると、上記のような効果は飽和
し、これらの過剰添加はむしろCaO、MgO等の粗大
酸化物やZrN等の硬質析出物の生成により冷間加工性
の劣化を招く。以上の理由から、これらの含有量をT
e:0.0005〜0.02%、Ca:0.0005〜
0.02%、Zr:0.0003〜0.01%、Mg:
0.001〜0.035%、Y:0.001〜0.1
%、希土類元素:0.001〜0.15%とした。な
お、本発明でいう希土類元素とは原子番号57〜71番
の元素を指す。
【0034】P:Pは、鋼中に不可避的に含有される成
分であるが、Pは鋼中で粒界偏析や中心偏析を起こし、
延性劣化の原因となるので、0.025%以下、好まし
くは0.02%以下に制御することが望ましい。
【0035】N:Nは、鋼中に不可避的に含有される成
分であって、Bと反応してBNを形成し、Bの効果を低
減させる有害な元素であるから、0.007%以下とす
る必要がある。
【0036】O:Oは、鋼中に不可避的に含有される成
分であって、Al、Si、Zrと反応して硬質介在物を
生成し冷間加工性を劣化するので、0.0025%以下
に抑制することが好ましい。
【0037】Ti:Tiは、NをTiN、Ti(CN)
として固定し、Nを無害化することができ、固溶Nの固
定によるBNの析出を防止し、固溶Bを確保することが
できる。また、Tiは脱酸作用を有する元素である。こ
のため、必要に応じてTi:0.05%以下含有させる
ことにした。これよりも多量のTiが添加されるとTi
Cの析出硬化が顕著となり、冷間加工性を劣化させるの
で好ましくない。
【0038】Nb及びV:Nb、Vは、鋼中のC、Nと
結合し、NbN、Nb(CN)、或はVN、V(CN)
を形成し、結晶粒の微細化に有効な元素であるので、N
b、Vの1種または2種を含有させることにした。しか
しながら、Nb含有量が0.035%超、V含有量が
0.3%超となると、その効果は飽和し、むしろ冷間加
工性を劣化させるので、これらの含有量をNb:0.0
35%以下、V:0.3%以下とした。
【0039】Mo:Moは、焼戻し軟化抵抗を付与する
とともに、焼入れ性を向上させる元素である。0.3%
を超えてもその効果は飽和しているので、Mo:0.3
%以下とした。
【0040】Ni:Niは、フェライトを強化し、延性
を向上させるとともに焼入れ性向上にも有効である。
3.5%を超えて添加しても、機械的性質の点では効果
が飽和するので、これを上限とした。
【0041】次に、本発明では、熱間加工後のミクロ組
織がフェライト・パーライト組織主体であり、フェライ
ト結晶粒径を25μm以下に制限し、かつ熱間圧延方向
に平行な断面の組織のフェライトバンドの評点が1〜5
の範囲に制限する。ここでフェライト・パーライト組織
主体とは、フェライト・パーライト組織の分率が80%
以上の状態と定義する。ここでフェライトバンドの程度
は、図4のように昭和45年社団法人日本金属学会発行
「日本金属学会誌第34巻第9号第961頁」において
1〜7の7段階に評点化されている。即ち、上記の日本
金属学会誌第34巻第9号の第957頁〜962頁に
は、標題のとおり「フェライト縞状組織に及ぼすオース
テナイト結晶粒度と鍛造比の影響について」が記載され
ており、第961頁左欄第7〜8行には、「縞状組織の
程度を数量的に表示するために、Photo.4の基準
写真を作成した。」と記載されており、同頁の「Pho
to.4 Classifications of f
errite bands(×50×2/3×5/6)
には1〜7の基準写真が掲載されている。評点番号が小
さいほどフェライトバンドが軽微であり、評点番号の大
きいほどフェライトバンドが顕著であることを示してい
る。本発明において、組織因子を上記のように限定した
理由を以下に述べる。
【0042】まず、ミクロ組織をフェライト・パーライ
ト組織主体としたのは、ミクロ組織にベイナイトやマル
テンサイト組織のような硬質組織が混入すると、鍛造性
が著しく劣化するためである。
【0043】次に、高周波焼入れは急速加熱であるため
に、高周波焼入れ前の組織のフェライトが粗大である
と、フェライトの部分は、オーステナイト後、炭素の拡
散が不十分であり、炭素濃度が添加炭素濃度よりも低く
なり、焼入れ後、その位置での硬さが小さくなる。
【0044】ここで、一般に熱間圧延後の鋼材の圧延方
向に平行な断面ではフェライトバンドと呼ばれる縞状組
織が認められる。粗大なフェライトがフェライトバンド
として列状に連続して存在すると、図3に示すように、
焼入れ硬さムラが特に顕著になり、長手方向に元のフェ
ライトバンドに対応して硬さの軟らかいバンドを形成す
る。そのため、最終製品に捩りモーメントを負荷した時
に、この軟質なバンドに沿ってせん断亀裂力が生成し、
低い強度で破壊する。以上の現象は、フェライト粒径が
25μmを超え、フェライトバンドの評点が5を超える
と特に顕著になる。以上の理由から、フェライト結晶粒
径を25μm以下に制限し、かつ熱間圧延方向に平行な
断面の組織のフェライトバンドの評点を1〜5とした。
好適範囲は、フェライト結晶粒径を20μm以下、熱間
圧延方向に平行な断面の組織のフェライトバンドの評点
が1〜4の範囲である。
【0045】次に、熱間圧延時の加熱温度を1050℃
以上とするのは次の理由による。熱間圧延時の加熱温度
が1050℃未満では、フェライトバンドが評点5を超
えるほどに顕著になり、その後の高周波焼入れ後の硬さ
ムラが増大する。以上の理由から、熱間圧延時の加熱温
度を1050℃以上とする。
【0046】次に、熱間圧延の仕上げ温度を800〜1
000℃とするのは次の理由による。仕上げ温度が80
0℃未満では、フェライトバンドが評点5を超えるほど
に顕著になり、その後の高周波焼入れ後の硬さムラが増
大する。一方、仕上げ温度が1000℃を超えると、圧
延材の硬さが硬くなって鍛造性が劣化する。以上の理由
から、熱間圧延の仕上げ温度を800〜1000℃とす
る。好適範囲は840〜960℃である。
【0047】次に、熱間圧延に引き続いて800〜50
0℃の温度範囲を1℃/秒以下の冷却速度で徐冷するの
は次の理由による。冷却速度が1℃/sを超えると、圧
延ままでの硬さの増加が顕著になり、鍛造性が劣化す
る。そのため、冷却速度を1℃/秒以下に制限する。好
適範囲は0.7℃/秒以下である。なお、冷却速度を小
さくする方法としては、圧延ラインの後方に保温カバー
または熱源付き保温カバーを設置し、これにより、徐冷
を行う方法が挙げられる。
【0048】本発明では、鋳片のサイズ、凝固時の冷却
速度、分塊圧延条件については特に限定するものではな
く、本発明の要件を満足すればいずれの条件でもよい。
【0049】
【実施例】以下に、本発明の効果を実施例により、さら
に具体的に示す。
【0050】表1、2に示す組成の鋼材を熱間圧延し、
直径36〜45mmの棒鋼を製造した。熱間圧延後の冷
却は、冷却床に設置した保温カバーを用いて冷却速度を
空冷よりも遅くした。
【0051】
【表1】
【0052】
【表2】
【0053】ここで鋼中Zrの分析方法であるが、JI
S G 1237−1997付属書3と同様の方法でサ
ンプルを処理した後、鋼中Nb量と同様に鋼中Zr量を
ICP(誘導結合プラズマ発光分光分析法)によって測
定した。ただし本発明での実施例の測定に供したサンプ
ルは2g/鋼種で、ICPにおける検量線も微量Zrに
適するように設定して測定した。即ち、Zr濃度が1〜
200ppmとなるようにZr標準液を希釈して異なる
Zr濃度の溶液を作成し、そのZr量を測定することで
検量線を作成した。なお、これらのICPに関する共通
的な方法については、JIS K 0116−1995
(発光分光分析方法通則)及びJISZ 8002−1
991(分析、試験の許容差通則)による。
【0054】圧延後の棒鋼の組織観察を行い、フェライ
ト結晶粒径、圧延方向に平行な断面のフェライトバンド
の評点を求めた。
【0055】また、熱間圧延後の棒鋼のビッカース硬さ
を測定した。切削性は硬さに比例することから、硬さを
切削性の指標とした。さらに、圧延まま棒鋼から、据込
み試験片を作成し、冷・温間鍛造性の指標として、常
温、700℃、800℃での変形抵抗と限界据込み率を
求めた。限界据込み率の値が小さいと鍛造中に割れを発
生する可能性が高くなり、限界据込み率の値が大きい
と、鍛造による割れが発生することなく大変形に耐える
ことができる。変形抵抗は相当歪み1.0における変形
抵抗で代表させた。
【0056】また、冷・温間鍛造材の衝撃値を評価する
目的で、室温、700℃、800℃の温度で、減面率5
0%の条件で前方押し出し成形した後、その材料からシ
ャルピー試験片を作成し、常温及び対象製品の使用環境
温度で2mmUノッチシャルピー衝撃試験を実施した。
【0057】さらに、上記の押し出し成形材から平行部
20mmの静的捩り試験片、捩り疲労試験片を採取し
た。静的捩り試験片、捩り疲労試験片について周波数
8.5kHzで高周波焼入れを行い、その後170℃×
1時間の条件で焼戻しを行った。その後、静的捩り試
験、捩り疲労試験を行った。捩り疲労特性は1×105
サイクルでの時間強度で評価した。
【0058】また、熱間鍛造ままのサンプルを焼入れ、
500℃戻し処理し、ビッカース硬さ測定及び2mmU
ノッチシャルピー衝撃試験を実施した。
【0059】これらの調査結果を熱間加工条件とあわせ
て表3〜7に示す。高周波焼入れ材の硬化層深さは、H
V450の深さtと半径rの比で表示した。
【0060】熱間加工条件及び冷・温間鍛造性を表3、
4に示す。比較例38はJISのS45Cの特性、また
比較例39はJISのS25Cの特性であるが、本発明
例の0.2〜0.33%C鋼については比較例39と、
本発明例の0.38〜0.53%C鋼については比較例
38と比較すると、本発明例の冷・温間変形抵抗は、各
比較例と比較して約2割以上小さく、また限界据込み率
も優れている。硬さも軟らかい。
【0061】
【表3】
【0062】
【表4】
【0063】冷鍛−高周波焼入れ焼戻し材、温鍛−高周
波焼入れ焼戻し材、焼入れ焼戻し材の諸特性を表5〜7
に示す。
【0064】まず、IQ歯車類に代表される冷鍛−高周
波焼入れ材の特性を表5に示す。比較例38はJISの
S45Cの特性であるが、本発明例の鋼と比較すると、
硬化層硬さ及び硬化層深さは同程度であり、また、高周
波焼入れ後の深部の衝撃値を示している冷鍛まま材の衝
撃値と高周波焼入れ材の衝撃値はともに本発明例の方が
比較例と比較して大きく、捩り疲労の105回時間強度
も優れている。
【0065】
【表5】
【0066】次に、CVJ部品に代表される温鍛−高周
波焼入れ材の特性を表6に示す。これも冷鍛−高周波焼
入れ材の特性と同じく、本発明例の鋼と比較例を比較す
ると、硬化層硬さ及び硬化層深さは同程度であり、ま
た、高周波焼入れ後の深部の衝撃値を示している冷鍛ま
ま材の衝撃値と高周波焼入れ材の衝撃値はともに本発明
例の方が比較例と比較して大きく、捩り疲労の105
時間強度も優れている。
【0067】
【表6】
【0068】次に、高強度ボルトに代表される通常焼入
れ焼戻し材の特性を表7に示す。比較例38はJISの
S45Cの特性、また比較例39はJISのS25Cの
特性であるが、本発明例の0.2〜0.33%C鋼につ
いては比較例39と、本発明例の0.38〜0.53%
C鋼については比較例38と比較すると、本発明例の硬
さは各比較例と比較して同程度であり、本発明例の衝撃
値は各比較例と比較して優れている。
【0069】
【表7】
【0070】次に、表4において、比較例52はCの含
有量が本発明規定の範囲を下回った場合であり、高周波
焼入れ材の硬化層硬さが低く、調質後の材質特性が不足
する。比較例53はCの含有量が本発明規定の範囲を上
回った場合であり、比較例54はSiの含有量が本発明
規定の範囲を上回った場合であり、本発明例に比較し
て、硬く、鍛造性が劣る。比較例55はMnの含有量が
本発明規定の範囲を下回った場合であり、高周波焼入れ
材の硬化層深さが浅く、調質後の材質特性が不足する。
比較例56はMnの含有量が本発明規定の範囲を上回っ
た場合であり、本発明に比較して、硬く、鍛造性が劣
る。比較例57はCrの含有量が本発明規定の範囲を上
回った場合であり、本発明に比較して、硬く、鍛造性が
劣る。
【0071】比較例58はNの含有量が本発明規定の範
囲を上回った場合であり、鍛造性の限界圧縮率が顕著に
劣る。比較例59はTiの含有量が本発明規定の範囲を
上回った場合であり、硬く、変形抵抗は高く、限界圧縮
率も顕著に劣る。
【0072】比較例60はPの含有量が本発明規定の範
囲を上回った場合であり、鍛造性の限界圧縮率が劣化す
るとともに、調質後の材質特性が不足する。比較例61
はOの含有量が本発明規定の範囲を上回った場合であ
り、鍛造性の限界圧縮率が顕著に劣る。比較例62はN
bの含有量が本発明規定の範囲を上回った場合であり、
硬く、変形抵抗は高く、限界圧縮率も劣る。
【0073】比較例63、64はそれぞれ、CaとZr
が本発明規定の範囲を上回った場合であり、鍛造性の限
界圧縮率が顕著に劣り、調質後の材質特性も不足する。
【0074】次に、比較例65は、熱間圧延加熱温度が
本発明規定の範囲を下回り、圧延方向に平行な断面のフ
ェライトバンドの評点が本発明規定の範囲を上回った場
合であり、また、比較例66は熱間圧延時の仕上げ温度
が本発明規定の範囲を下回り、圧延方向に平行な断面の
フェライトバンドの評点が本発明規定の範囲を上回った
場合であり、ともに高周波焼入れ材の硬化層の硬さムラ
が大きく、静的捩り強度、捩り疲労強度ともに顕著に劣
っている。比較例67は、熱間圧延仕上げ温度が本発明
規定の範囲を上回った場合であり、比較例68は熱間圧
延に引き続く冷却速度が本発明規定の範囲を上回った場
合であり、ともに、ベイナイトを生成し、鍛造性が顕著
に劣る。比較例69は、フェライト結晶粒径が本発明規
定の範囲を上回った場合であり、高周波焼入れ材の硬化
層の硬さムラが大きく、静的捩り強度、捩り疲労強度と
もに顕著に劣っている。
【0075】
【発明の効果】本発明の冷・温間鍛造用鋼及びその製造
方法は、焼鈍省略すると問題となる鍛造時に発生する割
れを防止し、また、鍛造工具の長寿命化を可能にした熱
間圧延ままで鍛造性に優れており、かつ最終製品の靭性
も優れている。本発明鋼及びその製造方法を用いること
によって、製造工程の熱間鍛造から冷・温間鍛造への切
り替え、工具寿命の向上、焼鈍の簡略や省略が可能にな
る。以上のように、本発明による産業上の効果は極めて
顕著なるものがある。
【図面の簡単な説明】
【図1】S45Cの素材及び700℃温間鍛造材の衝撃
値、及び脆性破面率の遷移曲線を示す図である。
【図2】鍛造により伸長したMnSを示す顕微鏡写真で
ある。
【図3】高周波焼入れ前のフェライトバンド組織が高周
波焼入れ後に及ぼす影響を示す図である。
【図4】縞状組織の程度を数量的に表示する金属組織で
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 橋村 雅之 室蘭市仲町12番地 新日本製鐵株式会社室 蘭製鐵所内 Fターム(参考) 4K032 AA01 AA02 AA05 AA06 AA08 AA11 AA12 AA16 AA19 AA21 AA22 AA23 AA24 AA26 AA27 AA29 AA31 AA34 AA35 AA36 AA39 AA40 CA02 CA03 CC03 CC04 CD01 CD02

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 質量%で、C:0.2〜0.55%、S
    i:0.01〜0.15%、Mn:0.2〜1.3%、
    S:0.15%以下、B:0.0005〜0.005
    %、Al:0.015〜0.06%、Cr:0.01〜
    1.3%を含有し、さらに、Te:0.0005〜0.
    02%、Ca:0.0005〜0.02%、Zr:0.
    0003〜0.01%、Mg:0.001〜0.035
    %、Y:0.001〜0.1%、希土類元素:0.00
    1〜0.15%のうち1種または2種以上を含有し、
    P:0.025%以下、N:0.007%未満、O:
    0.0025%以下に各々制限し、残部が鉄及び不可避
    的不純物からなり、かつ、ミクロ組織はフェライト・パ
    ーライト組織主体であり、フェライト結晶粒径が25μ
    m以下であり、熱間圧延方向に平行な断面の組織のフェ
    ライトバンドの評点が1〜5であることを特徴とする鍛
    造性と製品靭性に優れた冷・温間鍛造用鋼。
  2. 【請求項2】 質量%でさらに、Ti:0.05%以下
    を含有することを特徴とする請求項1記載の鍛造性と製
    品靭性に優れた冷・温間鍛造用鋼。
  3. 【請求項3】 質量%でさらに、Nb:0.035%以
    下、V:0.3%以下、のうち1種または2種を含有す
    ることを特徴とする請求項1または請求項2記載の鍛造
    性と製品靭性に優れた冷・温間鍛造用鋼。
  4. 【請求項4】 質量%でさらに、Mo:0.3%以下、
    Ni:3.5%以下のうち1種または2種を含有するこ
    とを特徴とする請求項1〜3の内のいずれか1つに記載
    の鍛造性と製品靭性に優れた冷・温間鍛造用鋼。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1つに記載の成
    分の鋼を、加熱温度を1050℃以上、熱間圧延の仕上
    げ温度を800〜1000℃、熱間圧延に引き続いて8
    00〜500℃の温度範囲を1℃/秒以下の冷却速度で
    徐冷する条件により線材または棒鋼に熱間加工し、熱間
    加工後のミクロ組織がフェライト・パーライト組織主体
    であり、フェライト結晶粒径が25μm以下であり、熱
    間圧延方向に平行な断面の組織のフェライトバンドの評
    点が1〜5である鋼材となるようにすることを特徴とす
    る鍛造性と製品靭性を兼備した冷・温間鍛造用鋼の製造
    方法。
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