JP7028227B2 - 熱間圧延鋼材 - Google Patents

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Description

本発明は、熱間圧延鋼材に関し、特に、熱間圧延ままであっても冷間鍛造性に優れ、球状化焼鈍を施さずとも冷間鍛造を行うことができる熱間圧延鋼材(強靭鋼)に関する。
強靭鋼とは、機械構造用合金鋼の中でも強度と靱性に優れた鋼であり、JIS規格鋼種ではクロムモリブデン鋼であるSCM435が有名である。強靭鋼は焼き入れ焼き戻し処理を経ることで優れた強度と靱性を発揮する。なお、ここで「強靭鋼」とは、浸炭や軟窒化処理を施さないものをいう。
一方、機械部品の多くは鍛造で成形されるが、近年、熱間よりもむしろ冷間での鍛造が志向されるようになった。冷間鍛造は、加工精度の向上による切削仕上げ加工量の低減や、生産速度の向上を可能とする。
冷間鍛造を行う際には、鋼材の変形抵抗を低減することを目的として、冷間鍛造前に球状化焼鈍等の軟化処理が施される。しかし、近年、価格競争の激化にともなって、冷間鍛造前の軟化処理を省略したいという要求が高まってきている。そこで、鋼の冷間鍛造性を向上させる様々な方法が提案されている。
例えば、特許文献1では、特定の温度条件で熱間圧延を行うことにより、冷間鍛造性を向上させた冷間鍛造溶鋼を製造する方法が提案されている。
また、特許文献2では、熱間圧延中にミル間水冷を施すことで仕上げ圧延の温度を低下させ、さらに熱間圧延後に特定の冷却速度で徐冷を行うことによって焼鈍軟化性に優れた強靭歯車用鋼を製造する方法が提案されている。
特許文献3では、仕上げ圧延の温度を低くすることにより、熱間圧延ままでも冷間鍛造性に優れた機械構造用強靭鋼を製造する方法が提案されている。
特開昭62-023929号公報 特開平04-124217号公報 特開平07-118732号公報
特許文献1で提案されている製造方法によれば鋼材の変形抵抗を低減することができる。しかし、特許文献1に記載された方法で製造される鋼材の、熱間圧延ままにおける変形抵抗は、SCM435の球状化焼鈍後における変形抵抗よりも高い値であり、球状化焼鈍を省略することができなかった。
同様に、特許文献2の実施例における鋼材の熱間圧延ままにおける強度は、従来鋼の球状化焼鈍後における強度よりも高い値であり、球状化焼鈍を省略することができなかった。
特許文献3においても、実施例の鋼材の熱間圧延ままにおける変形抵抗は、従来鋼の球状化焼鈍後の変形抵抗と比べて高い値となっている。
このように、特許文献1~3のような従来方法では、熱間圧延ままにおける変形抵抗を十分に低減することができず、したがって、球状化焼鈍を省略することが困難であった。変形抵抗が十分に低減できていないにもかかわらず球状化焼鈍を省略したとすると、冷間鍛造に用いる金型の寿命を縮めてしまうため、製造コストの増大を招くという問題がる。
本発明は、上記実状に鑑みてなされたものであり、熱間圧延ままであっても冷間鍛造性に優れ、球状化焼鈍を施さずとも冷間鍛造を行うことができる熱間圧延鋼材(強靭鋼)を提供することを目的とする。
本発明の要旨構成は次のとおりである。
1.質量%で、
C :0.10%以上0.39%未満、
Si:0.15%以下、
Mn:0.42%超0.80%以下、
P :0.03%以下、
S :0.05%以下、
Cr:1.4%以上2.5%以下、
Al:0.045~0.090%、
N :0.0080%以下、
O :0.0030%以下、および
B :0.0010~0.0050%
を含み、残部がFe及び不可避的不純物からなる成分組成を有する熱間圧延鋼材。
2.前記成分組成がさらに、質量%で、
Nb:0.050%以下、
Ti:0.050%以下、
V :0.050%以下、
Zr:0.050%以下、
W :0.050%以下、
Ta:0.050%以下、
Y :0.050%以下、および
Hf:0.050%以下、
からなる群より選択される1または2以上を含有する、上記1に記載の熱間圧延鋼材。
3.前記成分組成がさらに、質量%で、
Cu:1.0%以下、
Ni:1.0%以下、および
Mo:1.0%以下、
からなる群より選択される1または2以上を含有する、上記1または2に記載の熱間圧延鋼材。
4.前記成分組成がさらに、質量%で、
Pb:0.01~0.50%、
Bi:0.01~0.50%、
Ca:0.01%以下、
Se:0.1%以下、および
Te:0.1%以下、
からなる群より選択される1または2以上を含有する、上記1~3のいずれか一項に記載の熱間圧延鋼材。
5.前記成分組成がさらに、質量%で、
Sb:0.010%以下、および
Sn:0.010%以下、
のいずれか一方または両方を含有する、上記1~4のいずれか一項に記載の熱間圧延鋼材。
また、本発明の他の実施形態における要旨構成は次のとおりである。
1.質量%で、
C :0.10%以上0.39%未満、
Si:0.15%以下、
Mn:0.42%超0.80%以下、
P :0.03%以下、
S :0.05%以下、
Cr:1.1%超2.5%以下、
Al:0.010~0.090%、
N :0.0080%以下、および
O :0.0030%以下、
を含み、残部がFe及び不可避的不純物からなる成分組成を有する強靭鋼。
2.前記成分組成がさらに、質量%で、
Nb:0.050%以下、
Ti:0.050%以下、
V :0.050%以下、
Zr:0.050%以下、
W :0.050%以下、
Ta:0.050%以下、
Y :0.050%以下、および
Hf:0.050%以下
からなる群より選択される1または2以上を含有する、上記1に記載の強靭鋼。
3.前記成分組成がさらに、質量%で、
Cu:1.0%以下、
Ni:1.0%以下、および
Mo:1.0%以下、
からなる群より選択される1または2以上を含有する、上記1または2に記載の強靭鋼。
4.前記成分組成がさらに、質量%で、
Pb:0.01~0.50%、
Bi:0.01~0.50%、
Ca:0.01%以下、
Se:0.1%以下、および
Te:0.1%以下、
からなる群より選択される1または2以上を含有する、上記1~3のいずれか一項に記載の強靭鋼。
5.前記成分組成がさらに、質量%で、
Sb:0.010%以下、および
Sn:0.010%以下、
のいずれか一方または両方を含有する、上記1~4のいずれか一項に記載の強靭鋼。
6.前記成分組成がさらに、質量%で、
B :0.0050%以下を含有する、上記1~5のいずれか一項に記載の強靭鋼。
7.前記成分組成が、質量%で、
Ti:0.010~0.050%、および
Al:0.045~0.090%、
のいずれか一方または両方と、
B :0.0010~0.0050%とを含有する、上記6に記載の強靭鋼。
本発明の熱間圧延鋼材(以下、「強靭鋼」という)は、熱間圧延ままであっても冷間鍛造性に優れており、球状化焼鈍を施さずとも冷間鍛造を行うことができる。そのため、機械部品等を極めて高い生産性で、かつ経済的に製造することが可能であり、産業上極めて有用である。
靭性の評価に用いた衝撃試験片の形状を示す模式図である。
以下、本発明を具体的に説明する。
[成分組成]
本発明において、成分組成を上記のように限定する理由を説明する。なお、成分組成に関する「%」は、特に断らない限り「質量%」を意味するものとする。
C:0.10%以上0.39%未満
Cは鋼の強度向上に資する元素である。構造用鋼として十分な強度を得るため、C含有量を0.10%以上とする。C含有量は0.13%以上とすることが好ましい。一方、C含有量が0.39%以上であると強度が過度に上昇することで脆化、すなわち靱性の低下を招く。そのため、C含有量は0.39%未満とする。C含有量は、0.35%以下とすることが好ましく、0.30%以下とすることが好ましい。
Si:0.15%以下
Siは、焼き入れ性を向上させる元素である。しかし、多量の添加は過度の固溶強化を招き、冷間鍛造性を低下させる。そのため、Si含有量は0.15%以下とする。Si含有量は0.12%以下とすることが好ましく、0.11%以下とすることがより好ましい。一方、Si含有量の下限は特に限定されないが、0.03%以上とすることが好ましい。
Mn:0.42%超0.80%以下
Mnは、焼き入れ性を向上させる効果を有する元素である。また、Mnは、硫化物を形成することにより被削性を向上させる効果を有している。前記効果を得るために、Mn含有量を0.42%超とする。Mn含有量は0.45%以上とすることが好ましく、0.48%以上とすることがより好ましい。一方、Mnの過剰な添加は、固溶強化による冷間鍛造性の低下を招く。そのため、Mn含有量は0.80%以下とする。Mn含有量は0.70%以下とすることが好ましく、0.60%以下とすることがより好ましい。
P:0.03%以下
Pは、結晶粒界に偏析して粒界の脆化を招き、靱性を低下させる作用を有する。そのため、P含有量を0.03%以下に抑制する。P含有量は0.02%以下とすることが好ましく、0.01%以下とすることがより好ましい。一方、P含有量の下限は特に限定されずゼロであってよいが、工業的には0超であってよい。また、過度の低減は製造コストの増加を招く場合があるため、P含有量を0.003%以上とすることが好ましい。
S:0.05%以下
Sは、硫化物系介在物として存在し、被削性の向上に有効な元素である。しかし、過剰な添加は限界成形能の低下を招くため、S含有量は0.05%以下に抑制する。S含有量は0.03%以下とすることが好ましく、0.015%以下とすることがより好ましい。一方、S含有量の下限は特に限定されずゼロであってよいが、工業的には0超であってよい。また、被削性向上の観点からは、S含有量を0.005%以上とすることが好ましい。
Cr:1.1%超2.5%以下
Crは、SiやMnと同様に、焼き入れ性を向上させる元素である。前記効果を得るために、Cr含有量を1.1%超とする。Cr含有量は1.2%以上とすることが好ましく、1.3%以上とすることがより好ましい。一方、Crの過剰な添加は、固溶強化による冷間鍛造性の低下を招く。しかし、SiやMnと比較して、Crによる冷間鍛造性の低下は緩やかである。そこで、Cr含有量は2.5%以下とする。Cr含有量は1.9%以下とすることが好ましく、1.8%以下とすることがより好ましい。
Al:0.010~0.090%
Alは、脱酸のため一定量の添加が必要な元素である。そのため、Al含有量は0.010%以上とする。一方、Alの過剰な添加は、粗大なAl酸化物の量を増大させ、疲労特性を低下させるおそれがある。そのため、Al含有量は0.090%以下とする。また、AlはNと結合してAlNを析出させる作用を有している。そのため、固溶Bの焼き入れ性向上効果を活用するためにもAlの添加は有益である。前記効果を得るためには、Al含有量を0.045%以上とすることが好ましい。
N:0.0080%以下
鋼中に固溶したNは、冷間鍛造時に動的ひずみ現象を生じさせ、鋼材の変形抵抗を上昇させる作用がある。そこで、N含有量は0.0080%以下に抑制する。N含有量は0.0060%以下とすることが好ましく、0.0050%以下とすることがより好ましい。一方、一方、N含有量の下限は特に限定されずゼロであってよいが、工業的には0超であってよい。また、過度の低減は製造コストの増加を招く場合があるため、N含有量を0.0005%以上とすることが好ましい。
O:0.0030%以下
Oは、鋼材の靱性低下を招くため、できるかぎり低減する方がよい。そこで、O含有量は0.0030%以下とする。O含有量は0.0025%以下とすることが好ましく、0.0020%以下とすることがより好ましい。一方、O含有量の下限は特に限定されずゼロであってよいが、工業的には0超であってよい。また、過度の低減は、二次精錬における脱ガス処理時間の増加と、それに伴う製造コストの上昇を招く場合があるため、O含有量を0.0001%以上とすることが好ましい。
本発明の一実施形態における強靭鋼は、上記元素と、残部がFeおよび不可避不純物からなる成分組成を有するものとすることができる。
本発明の他の実施形態における強靭鋼は、前記成分組成がさらに任意に、下記A群元素より選択される1以上を含有することができる。
(A群元素)
Nb:0.050%以下、
Ti:0.050%以下、
V :0.050%以下、
Zr:0.050%以下、
W :0.050%以下、
Ta:0.050%以下、
Y :0.050%以下、および
Hf:0.050%以下
上記A群元素は、微細な析出物を形成し、鋼の強度を向上させる効果を有している。そのため、負荷応力の高い部材に用いられる強靭鋼には、前記A群元素を添加し、強度をさらに高めることができる。しかし、前記A群元素個々の含有量が0.050%を超えると、鋼の熱間加工性が低下する。そのため、前記A群元素より選択される1以上を添加する場合、各元素の含有量を0.050%以下とする。
本発明の他の実施形態における強靭鋼は、前記成分組成がさらに任意に、下記B群元素より選択される1以上を含有することができる。
(B群元素)
Cu:1.0%以下、
Ni:1.0%以下、および
Mo:1.0%以下
上記B群元素は、鋼の焼き入れ性を向上させる効果を有している。大型の部材等で、焼き入れ油冷時に冷却速度が低下するケースであっても、これらの元素を添加することで、中心部までマルテンサイト組織を得ることが可能となる。しかし、1.0%を超える過剰な添加は、鋼の熱間加工性を低下させる。そのため、前記B群元素より選択される1以上を添加する場合、各元素の含有量を1.0%以下とする。
本発明の他の実施形態における強靭鋼は、前記成分組成がさらに任意に、下記C群元素より選択される1以上を含有することができる。
(C群元素)
Pb:0.01~0.50%、
Bi:0.01~0.50%、
Ca:0.01%以下、
Se:0.1%以下、および
Te: 0.1%以下
上記C群元素は、切削時の切屑を微細化する効果や、工具との接触部に潤滑膜を形成する効果を通じて、鋼の被削性改善に有効な元素である。しかし、過度に添加しても切屑処理性の向上効果は飽和することに加え、合金コストが増加する。そのため、C群元素を添加する場合、Pb含有量を0.50%以下、Bi含有量を0.50%以下、Ca含有量を0.01%以下、Se含有量を0.1%以下、Te含有量を0.1%以下とする。Pb含有量は、0.30%以下とすることが好ましく、0.10%以下とすることがより好ましい。同様に、Bi含有量は、0.30%以下とすることが好ましく、0.10%以下とすることがより好ましい。一方、被削性改善効果を得るためには、Pb含有量を0.01%以上とする。同様に、被削性改善効果を得るためには、Bi含有量を0.01%以上とする。
本発明の他の実施形態における強靭鋼は、前記成分組成がさらに任意に、下記D群元素より選択される1以上を含有することができる。
(D群元素)
Sb:0.010%以下、および
Sn:0.010%以下、
上記D群元素は、脱炭の防止に有効な元素である。しかし、前記D群元素を過度に添加しても、脱炭防止効果は飽和することに加えて、合金コストが増加する。そのため、C群元素を添加する場合、各元素の含有量は0.010%以下とする。
本発明の他の実施形態における強靭鋼は、前記成分組成がさらに任意に、B:0.0050%以下を含有することができる。
B:0.0050%以下
Bは、鋼中のNと化合物を形成し、固溶Nの低減を通じて、冷間変形抵抗を低減する作用を有する。そのため、特に、厳しい条件で冷間鍛造成形が施される部材に用いる強靭鋼においては、Bを添加することが有効である。また、Bは粒界を強化する作用を有しているため、靱性の向上にも有効である。しかし、0.0050%を超える過剰な添加は鋼の熱間加工性を低下させるため、Bを添加する場合、B含有量は0.0050%以下とする。
・Tiおよび/またはAlと、Bとの複合添加
Tiおよび/またはAlと、Bとを複合添加することにより、固溶Bを生じさせ、焼き入れ性を改善することができる。前記効果を得るためには、上記成分組成が、Ti:0.010~0.050%およびAl:0.045~0.090%のいずれか一方または両方と、B:0.0010~0.0050%とを含有することが必要である。
以下、実施例に基づいて本発明の構成および作用効果をより具体的に説明する。なお、本発明は下記の実施例によって制限を受けるものではなく、本発明の趣旨に適合し得る範囲内にて適宜変更することも可能であり、これらは何れも本発明の技術的範囲に含まれる。
表1、2に示す成分組成の鋼を溶製し、熱間圧延によって直径30mmの丸棒に成形した。得られた丸棒のそれぞれについて、以下の方法で冷間鍛造性、被削性、靭性、および強度を評価した。なお、一部の比較例では、JIS規格鋼種であるSCM435、SCM440、およびSCr440を使用した。
(冷間鍛造性)
前記熱間圧延後の丸棒のそれぞれより、φ20×30mmの円柱試験片を切り出した。前記円柱試験片に対して、同心円溝付きの金型を用いて、30spm(spm=stroke per minute)の鍛造速度で据え込率50%の冷間圧縮鍛造を行い、その際の鍛造荷重を測定することで冷間鍛造性を評価した。なお、SCM435、SCM440、およびSCr440を用いた比較例では、球状化焼鈍を行った後に前記冷間鍛造性の評価を行った。前記球状化焼鈍においては、760℃で7時間保持した後、0.004℃/sの冷却速度で徐冷した。
直径30mmの丸棒に対して、外周旋削加工を行い得られた切り屑の形状で被削性を評価した。外周旋削加工の条件は、不水溶性切削油を用い、切り込み量1mm、切削速度100m/min、送り速度0.1mm/revとして、ハイス工具(SKH)を用いて行った。切り屑が細かく分断されるほど処理性が良く、切り屑全長が20mm以下であれば十分な量産性がある。
(靭性)
前記熱間圧延後の丸棒のそれぞれに対して、表3、4に示す条件で焼き入れ焼き戻しを施し、次いで、前記丸棒から図1に示す形状の衝撃試験片を切り出した。前記衝撃試験片に対して10Jの繰り返し衝撃エネルギーを付与し、き裂長さが1mmに到達するまでの繰り返し数を評価した。前記き裂長さの測定は、高速度カメラを用い、試験片側面部から直接観察して行った。
(強度)
前記熱間圧延後の丸棒のそれぞれに対して、表3、4に示した条件で焼き入れ焼き戻しを施し、次いで、前記丸棒から引張試験片(JIS4号)を切り出した。前記引張試験片を用いて、2mm/minの速度で引張試験を行い、引張強度を評価した。なお、焼き戻し温度は引張強度1200MPa程度を得ることを目標として設定した。ただし、焼き戻し温度を150℃未満にしても、それ以上の強度向上が見込めないばかりか、かえって靭性の悪化が懸念される。そのため、焼き戻し温度の下限は150℃とした。
表3、4に試験結果を併記した。JIS規格鋼種であるSCM435、SCM440、およびSCr440は、球状化焼鈍後の冷間鍛造荷重が88~91tの範囲であった。これに対し、本発明の条件を満たす発明例では、圧延まま材の冷間鍛造荷重が88t未満であり、球状化焼鈍を省略しても問題なく冷間鍛造が可能であることが分かる。また、発明例の靱性は、SCM435、SCM440、SCr440と比較して、同程度かまたはそれ以上に優れていることが分かる。引張強度についても、発明例ではSCM435、SCM440、SCr440と同程度であることが分かる。
以上の結果より、本発明の条件を満たす強靭鋼は、いずれも、球状化焼鈍を省略可能なほど、圧延ままでの冷間鍛造性が優れており、また、強靭鋼として十分な被削性および機械的性質を有することが分かる。
Figure 0007028227000001
Figure 0007028227000002
Figure 0007028227000003
Figure 0007028227000004

Claims (1)

  1. 質量%で、
    C :0.10%以上0.39%未満、
    Si:0.15%以下、
    Mn:0.42%超0.80%以下、
    P :0.03%以下、
    S :0.05%以下、
    Cr:1.4%以上2.5%以下、
    Al:0.063~0.090%、
    N :0.0080%以下、
    O :0.0030%以下、および
    B :0.0010~0.0050%
    を含み、残部がFe及び不可避的不純物からなる成分組成を有する熱間圧延鋼材。
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