JP2009007644A - クロムモリブデン鋼の代替鋼の成分設計方法 - Google Patents
クロムモリブデン鋼の代替鋼の成分設計方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2009007644A JP2009007644A JP2007170962A JP2007170962A JP2009007644A JP 2009007644 A JP2009007644 A JP 2009007644A JP 2007170962 A JP2007170962 A JP 2007170962A JP 2007170962 A JP2007170962 A JP 2007170962A JP 2009007644 A JP2009007644 A JP 2009007644A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- steel
- alternative
- less
- chromium molybdenum
- chromium
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Heat Treatment Of Steel (AREA)
Abstract
【解決手段】クロムモリブデン鋼のMoを0.05%(質量%の意味。以下同じ)以下に低減する一方、鋼中のCrを本文で規定する式(1)を満足するように増量し、且つSiを前記クロムモリブデン鋼の規格値における下限値未満とし、Mnを0.20%以上、前記クロムモリブデン鋼の規格値における下限値未満とし、更にTi:0.01〜0.15%とB:0.0005〜0.003%を含有し、更にCu:0.25%以下(0%を含まない)及び/又はNi:0.25%以下(0%を含まない)を含有するように設計する。
【選択図】なし
Description
ACr+1.8×AMo≦BCr≦ACr+4.2×AMo …(1)
式中、ACrはクロムモリブデン鋼中のCr量(%)を示し、AMoはクロムモリブデン鋼中のMo量(%)を示し、BCrは代替鋼中のCr量(%)を示す。
ACr+1.8×AMo≦BCr≦ACr+4.2×AMo …(1)
式中、ACrはクロムモリブデン鋼中のCr量(%)を示し、AMoはクロムモリブデン鋼中のMo量(%)を示し、BCrは代替鋼中のCr量(%)を示す。
BCr=ACr+3.0×AMo …(1a)
TiとBは、耐遅れ破壊性を向上させる元素である。特にBは、鋼の焼入れ性を向上させるのに有効に作用する。また、Bは、耐遅れ破壊性を向上させるのにも作用する。従ってBは0.0005%以上含有するように成分設計する。好ましくは0.001%以上、より好ましくは0.0013%以上である。しかし0.003%を超えると、鋼の靭性が低下する。従ってBは0.003%以下とする。好ましくは0.0025%以下、より好ましくは0.002%以下である。
Alは、鋼中のNを捕捉してAlNを形成し、結晶粒を微細化して耐遅れ破壊性を向上する元素である。しかし0.15%を超えると、酸化物系介在物が多く生成し、この介在物が耐遅れ破壊性を却って低下させる。従ってAlは0.15%以下であることが好ましく、より好ましくは0.12%以下、更に好ましくは0.11%以下である。Alの下限は0.02%であることが好ましく、より好ましくは0.05%、更に好ましくは0.07%、特に好ましくは0.09%である。
MgとCaは、耐食性を向上させる元素であり、酸性になった腐食ピット部を中和し、応力が集中するのを低減する作用を有する。即ち、本発明ではCrを増量しているが、Crを増量すると耐食性が向上する一方で、腐食ピットを形成しやすい。そこでMgやCaを含有させると、腐食ピットを中和して応力が集中するのを防止できる。しかし多量に含有すると、鋼中に酸化物系介在物が生成し、この介在物が耐遅れ破壊性を低下させる。
クロムモリブデン鋼(成分設計前の鋼)として、下記表6のA1に示す化学成分を含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなる鋼を用いた。鋼種A1は、JISで規定されるSCM435相当鋼である。この鋼を、φ11.5mmまで熱間圧延した後、焼入れ焼戻し処理を行ない、供試鋼を得た。焼入れ温度は下記表7に示す温度とし、この温度で30分間保持した後、油冷して焼入れを行なった。焼戻し温度は下記表7に示す温度とし、この温度で90分間加熱した後、水冷して焼戻しを行なった。
クロムモリブデン鋼(成分設計前の鋼)として、下記表8のB1に示す化学成分を含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなる鋼を用い、上記実験例1と同様に熱間圧延、焼入れ焼戻し処理し、供試鋼を得た。鋼種B1は、JISで規定されるSCM430相当鋼である。
クロムモリブデン鋼(成分設計前の鋼)として、下記表10のC1に示す化学成分を含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなる鋼を用い、上記実験例1と同様に熱間圧延、焼入れ焼戻し処理し、供試鋼を得た。鋼種C1は、JISで規定されるSCM432相当鋼である。
クロムモリブデン鋼(成分設計前の鋼)として、下記表12のD1に示す化学成分を含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなる鋼を用い、上記実験例1と同様に熱間圧延、焼入れ焼戻し処理し、供試鋼を得た。鋼種D1は、JISで規定されるSCM440相当鋼である。
クロムモリブデン鋼(成分設計前の鋼)として、下記表14のE1に示す化学成分を含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなる鋼を用い、上記実験例1と同様に熱間圧延、焼入れ焼戻し処理し、供試鋼を得た。鋼種E1は、JISで規定されるSCM445相当鋼である。
クロムモリブデン鋼(成分設計前の鋼)として、上記表6のA1に示す化学成分を含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなる鋼(鋼種A1)を用いた。この鋼を下記条件aで熱間圧延等して圧縮試験片を作製した。
上記鋼をφ12.0mmまで熱間圧延した後、球状化焼鈍し、φ11.0mmまで伸線加工した。その後、φ10mm×長さ15mmの形状の圧縮試験片に機械加工した。
上記実験例6において、クロムモリブデン鋼(成分設計前の鋼)として、上記表6の鋼種A1の代わりに、上記表8のB1に示す化学成分を含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなる鋼(鋼種B1)を用いた。この鋼種B1を上記条件aで熱間圧延等して圧縮試験片を作製した。
上記実験例6において、クロムモリブデン鋼(成分設計前の鋼)として、上記表6の鋼種A1の代わりに、上記表10のC1に示す化学成分を含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなる鋼(鋼種C1)を用いた。この鋼種C1を上記条件aで熱間圧延等して圧縮試験片を作製した。
上記実験例6において、クロムモリブデン鋼(成分設計前の鋼)として、上記表6の鋼種A1の代わりに、上記表12のD1に示す化学成分を含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなる鋼(鋼種D1)を用いた。この鋼種D1を上記条件aで熱間圧延等して圧縮試験片を作製した。
上記実験例6において、クロムモリブデン鋼(成分設計前の鋼)として、上記表6の鋼種A1の代わりに、上記表14のE1に示す化学成分を含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなる鋼(鋼種E1)を用いた。この鋼種E1を上記条件aで熱間圧延等して圧縮試験片を作製した。
上記実験例6において、条件aの代わりに下記条件bで熱間圧延等して圧縮試験片を作製した。
上記鋼をφ14.3mmまで熱間圧延した後、φ12.0mmまで伸線加工した。その後、球状化焼鈍し、φ11.0mmまで伸線加工した。次いで、φ10mm×長さ15mmの圧縮試験片に機械加工した。なお、球状化焼鈍条件は、上記実験例6と同じである。
上記実験例6において、条件aの代わりに下記条件cで熱間圧延等して圧縮試験片を作製した。
上記鋼をφ14.3mmまで熱間圧延した後、球状化焼鈍し、φ12.0mmまで伸線加工した。その後、球状化焼鈍し、φ11.0mmまで伸線加工した。次いで、φ10mm×長さ15mmの圧縮試験片に機械加工した。なお、球状化焼鈍条件は、上記実験例6と同じである。
Claims (7)
- クロムモリブデン鋼のMoを0.05%(質量%の意味。以下同じ)以下に低減する一方、鋼中のCrを下記式(1)を満足するように増量し、且つSiを前記クロムモリブデン鋼の規格値における下限値未満に低減し、Mnを0.20%以上、前記クロムモリブデン鋼の規格値における下限値未満とし、
更に、Ti:0.01〜0.15%およびB:0.0005〜0.003%とし、
更に、Cu:0.25%以下(0%を含まない)および/またはNi:0.25%以下(0%を含まない)とすることを特徴とするクロムモリブデン鋼の代替鋼の成分設計方法。
ACr+1.8×AMo≦BCr≦ACr+4.2×AMo …(1)
[式中、ACrはクロムモリブデン鋼中のCr量(%)を示し、AMoはクロムモリブデン鋼中のMo量(%)を示し、BCrは代替鋼中のCr量(%)を示す。] - 前記クロムモリブデン鋼と前記代替鋼とを同じ条件で焼戻ししたとき、内部硬さの差が±10Hv以内であり、引張強度の差が±30MPa以内である請求項1に記載の代替鋼の成分設計方法。
- 前記クロムモリブデン鋼が、JISで規定されるSCM430、SCM432、SCM435、SCM440、またはSCM445のいずれかである請求項1または2に記載の代替鋼の成分設計方法。
- 前記代替鋼に含まれるNを0.01%以下(0%を含まない)とする請求項1〜3のいずれかに記載の代替鋼の成分設計方法。
- 前記代替鋼が、更に他の成分として、Al:0.15%以下(0%を含まない)を含有する請求項1〜4のいずれかに記載の代替鋼の成分設計方法。
- 前記代替鋼が、更に他の成分として、Mg:0.005%以下(0%を含まない)および/またはCa:0.005%以下(0%を含まない)
を含有する請求項1〜5のいずれかに記載の代替鋼の成分設計方法。 - 請求項1〜6のいずれかに記載の代替鋼の成分設計方法に基づいて成分調整することを特徴とする機械構造用合金鋼の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007170962A JP2009007644A (ja) | 2007-06-28 | 2007-06-28 | クロムモリブデン鋼の代替鋼の成分設計方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007170962A JP2009007644A (ja) | 2007-06-28 | 2007-06-28 | クロムモリブデン鋼の代替鋼の成分設計方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009007644A true JP2009007644A (ja) | 2009-01-15 |
Family
ID=40323017
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007170962A Pending JP2009007644A (ja) | 2007-06-28 | 2007-06-28 | クロムモリブデン鋼の代替鋼の成分設計方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2009007644A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015105428A (ja) * | 2013-12-02 | 2015-06-08 | 株式会社神戸製鋼所 | 耐遅れ破壊性に優れたボルト用鋼線および高強度ボルト並びにそれらの製造方法 |
CN109112410A (zh) * | 2018-09-30 | 2019-01-01 | 宁波市镇海甬鼎紧固件制造有限公司 | 一种耐低温高强度螺栓及其生产方法 |
-
2007
- 2007-06-28 JP JP2007170962A patent/JP2009007644A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015105428A (ja) * | 2013-12-02 | 2015-06-08 | 株式会社神戸製鋼所 | 耐遅れ破壊性に優れたボルト用鋼線および高強度ボルト並びにそれらの製造方法 |
WO2015083599A1 (ja) * | 2013-12-02 | 2015-06-11 | 株式会社神戸製鋼所 | ボルト用鋼線およびボルト、並びにそれらの製造方法 |
CN109112410A (zh) * | 2018-09-30 | 2019-01-01 | 宁波市镇海甬鼎紧固件制造有限公司 | 一种耐低温高强度螺栓及其生产方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR100336339B1 (ko) | 고강도 스프링용 강선 및 그 제조 방법 | |
US7754029B2 (en) | Steel with excellent delayed fracture resistance and tensile strength of 1801 MPa class or more, and its shaped article | |
EP3112491A1 (en) | Rolled material for high strength spring, and wire for high strength spring | |
JP5608145B2 (ja) | 耐遅れ破壊性に優れたボロン添加高強度ボルト用鋼および高強度ボルト | |
WO2015037246A1 (ja) | ばね用鋼およびばねの製造方法 | |
JP5541418B2 (ja) | ばね鋼およびばね | |
US20170219000A1 (en) | Steel for bolts, and bolt | |
JP6190298B2 (ja) | 耐遅れ破壊性に優れた高強度ボルト用鋼および高強度ボルト | |
JP2019052376A (ja) | 歯車部品およびその製造方法 | |
US8034199B2 (en) | Case-hardening steel excellent in cold forgeability and low carburization distortion property | |
JP4773106B2 (ja) | 強度−捻れ特性バランスに優れた鋼部品およびその製造方法と該鋼部品用鋼材 | |
WO2011048971A1 (ja) | 高強度ボルト用鋼及び高強度ボルトの製造方法 | |
JPWO2018061101A1 (ja) | 鋼 | |
JP4867638B2 (ja) | 耐遅れ破壊特性および耐腐食性に優れた高強度ボルト | |
JP4328924B2 (ja) | 高強度軸部品の製造方法 | |
JP2012052218A (ja) | ばね用鋼線及びその製造方法、並びにばね | |
JP3918587B2 (ja) | 冷間成形用ばね鋼 | |
US20150040636A1 (en) | Wire rod and steel wire for springs having high corrosion resistance, method of manufacturing steel wire for springs, and method of manufacturing springs | |
JP5171054B2 (ja) | クロムモリブデン鋼の代替鋼の成分設計方法 | |
JP5432590B2 (ja) | 破断分割性に優れた熱間鍛造部品とその製造方法、および自動車用内燃機関部品 | |
JP2009007644A (ja) | クロムモリブデン鋼の代替鋼の成分設計方法 | |
JPH1017928A (ja) | 被削性および疲労強度に優れた高周波焼入用の歯車用鋼材の製造方法 | |
JP4044460B2 (ja) | 冷間成形ばね用鋼 | |
JP2006089783A (ja) | 靭性に優れた高強度スタビライザ用鋼およびスタビライザの製造方法 | |
JP7028227B2 (ja) | 熱間圧延鋼材 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20090929 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20111215 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Effective date: 20120131 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20120402 |
|
A02 | Decision of refusal |
Effective date: 20121120 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 |