JP2002069427A - 励起子形成物質、これを用いた発光材料、発光方法および発光素子、並びに発光素子を用いた装置 - Google Patents

励起子形成物質、これを用いた発光材料、発光方法および発光素子、並びに発光素子を用いた装置

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JP2002069427A
JP2002069427A JP2001176419A JP2001176419A JP2002069427A JP 2002069427 A JP2002069427 A JP 2002069427A JP 2001176419 A JP2001176419 A JP 2001176419A JP 2001176419 A JP2001176419 A JP 2001176419A JP 2002069427 A JP2002069427 A JP 2002069427A
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Mikiko Matsuo
三紀子 松尾
Tetsuya Sato
徹哉 佐藤
Hisanori Sugiura
久則 杉浦
Hitoshi Hisada
均 久田
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 最適濃度範囲が広く、量産過程において濃度
制御が容易で、同一素子内あるいは素子間での均一性お
よび再現性が得やすい発光材料およびこれを用いた発光
素子並びに発光素子を用いた装置を提供する。さらに、
色純度が良く、高輝度領域において電流効率が低下せ
ず、寿命特性を低下させない発光素子を提供する。 【解決手段】 発光材料は、励起一重項のエネルギーレ
ベルと励起三重項のエネルギーレベルとのエネルギーレ
ベル差が2eV以下である励起子形成物質と、励起一重
項エネルギーレベルが当該励起子形成物質の励起三重項
エネルギーレベル以下である発光物質とを含んでいる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、励起子形成物質、
これを用いた発光材料、発光方法および発光素子、並び
に発光素子を用いた装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、情報機器の多様化に伴って、CR
Tより低消費電力で薄型の平面表示素子のニーズが高ま
っている。特に、エレクトロルミネッセンス素子は、自
己発光型で、表示が鮮明で視野角が広い点で、注目され
ている。エレクトロルミネッセンス素子は、それを構成
する材料により無機エレクトロルミネッセンス素子と有
機エレクトロルミネッセンス素子とに大別される。
【0003】しかし、無機エレクトロルミネッセンス素
子は、素子の駆動に100V以上の高電圧の印加が要求
されるため、周辺機器の高コスト化を招くという問題が
ある。また、青色発光の良好な発光体がないため、フル
カラーの表示ができないという問題もある。
【0004】一方、有機エレクトロルミネッセンス素子
は、陽極および陰極の両電極から注入された電荷(ホー
ルおよび電子)が発光体中で再結合して励起子を生成
し、それが発光材料の分子を励起して発光するという、
いわゆる注入型発光素子であるため、低電圧で駆動でき
る。しかも、発光材料は、有機化合物であるため、発光
材料の分子構造を容易に変更することができ、それによ
り任意の発光色を得ることができる。
【0005】有機エレクトロルミネッセンス素子として
は、まず、有機薄膜をホール輸送性材料からなる薄膜と
電子輸送性材料からなる薄膜との2層構造として、各々
の電極から有機薄膜中に注入されたホールと電子とが再
結合することにより発光する素子構造が開発された(Ap
plied Physics Letters, 51, 1987, P.913.)。
【0006】また、正孔輸送材料、発光材料、電子輸送
材料の3層構造が開発された(Japanese Journal of Ap
plied Physics, Vol.27, No.2, P.269.)。さらに、発
光層に蛍光色素をドーピングして素子の高機能化を図っ
たものが報告された(Journal of Applied Physics, 6
5, 1989, P.3610., 特開昭63−264692号公
報)。これらの報告では、トリス(8−キノリラト)ア
ルミニウム(以下、アルミキノリンという)からなる有
機発光層に、クマリン誘導体やDCM1などの蛍光色素
をドープした素子を作成し、色素を適切に選択すること
で発光色が変わることを見出した。さらに、発光効率も
非ドープの場合に比べ上昇することを明らかにした。ド
ーパントとしては、一般に量子効率の高いレーザー色素
などの蛍光色素が用いられる。しかし、蛍光色素単独で
は、薄膜形成性に乏しいため、薄膜形成性に優れたホス
ト材料にドープすることによって発光が得られる。
【0007】図15は、ドーピング法のメカニズムを説
明するための概念図である。図15(a)は、ドーパン
トをドーピングする前のノンドープ発光の様子を示す概
念図である。図15(b)は、発光分子にドーパントを
ドーピングした状態における発光分子からドーパントへ
のエネルギーの移動を説明するための図である。図15
(c)は、エネルギーの移動がされた後のドーパントの
発光を説明するための図である。
【0008】ノンドープ発光では、発光層はホスト発光
物質11で構成されている。ホールと電子とはホスト発
光分子内で再結合して励起子が形成され、ホスト発光分
子自体が発光する。発光層内では、ホスト発光物質11
が同時に全て発光するわけではない。すなわち、図15
(a)に示すように、発光層内では、発光していない発
光分子12と発光している発光分子13とが共存してい
る。
【0009】次に、図15(b)に示すように、ドーパ
ント16を入れると、エネルギー移動(フェルスター移
動)17により、ホスト発光分子のエネルギーがドーパ
ント16に移動する。フェルスター移動は、分子の双極
子振動に基づいており、分子間の直接的接触を必要とし
ない。そのため、接触距離をはるかに越える長い距離
(約10nm程度)でも、エネルギー移動が起こる。そ
の結果、図15(c)に示すように、ドーパント16が
励起され、ドーパント自体が発光18する。
【0010】ドーピング手法は、素子から得られる発光
を量子効率の高いドーパントに依存するので、発光効率
を高くすることができる。また、発光効率が高くなる
と、動作時の素子への負担を軽減できるので、長寿命化
が図れる。さらに、ドーパントの種類を選択することに
より、任意の発光色が得られることから、カラー化を図
ることが容易となる。
【0011】さらなる素子特性の向上を目的に、特開平
7−65958号公報では、有機層各層間において、価
電子帯準位を改善させる有機物質を有機発光層あるいは
キャリア輸送層にドーピングすることにより、有機発光
層とキャリア輸送層との境界付近へのキャリアの蓄積を
防ぐことが提案されている。これにより、輝度半減期を
向上させることが記載されている。
【0012】また、特開平8−48656号公報では、
種々のトリフェニルジアミンが挙げられ、これらをホー
ル輸送層として有機EL素子を構成したものが提案され
ている。さらに、この文献には、電子輸送層あるいはホ
ール輸送層にルブレンをドープすることによって、電流
に対する発光効率が上昇し、かつ発光寿命が延びること
が記載されている。
【0013】一方、励起子形成効率を向上させて、発光
効率を高めようとする試みがある。有機発光素子では、
一般に発光物質として、蛍光物質が使用されている。例
えば、特開昭63−264692号公報に記載のドーパ
ントを始めとして、発光層を形成する物質は蛍光物質で
ある。
【0014】ホールと電子の再結合によって、電気的に
中性の励起子が形成される。発光はこの励起子を経由し
て起こっている。生成される励起子には、一重項励起子
と三重項励起子とが混在している。励起子の生成比は、
統計理論的に一重項励起子:三重項励起子=1:3であ
る。従って、蛍光による発光に寄与する励起子は、25
%の一重項励起子であり、残りの75%の三重項励起子
は発光に寄与しない。このため、三重項励起子は最終的
に熱として消費されてしまい、生成率の低い一重項励起
子から発光が生じている。近年、三重項励起子へ移動し
たエネルギーを有効に発光に利用する研究がなされてい
る。すなわち、燐光発光を取り出すために材料開発から
取り組まれ、高い発光効率が得られている(例えば、Ap
plied Physics Letters, 75, 1999, P. 4.)。さらに、
この燐光発光物質を増感剤(sensitizer)として用い、
燐光物質のエネルギーをドーパントにフェルスター移動
させることにより、さらなる高効率化を実現している
(例えば、Nature, 403, 2000, P.750.)。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、EL素
子の特性を向上させるための上記方法には、それぞれ長
所、短所があり、発光効率、素子寿命、再現性など全て
の点において要件を満たす方法はいまだ見出されていな
い。
【0016】たとえば、ドーピング法は、実用化段階に
おいて、量産時にドープ濃度を制御することが難しいと
いう問題がある。すなわち、ドーピングをする際に、ド
ープ濃度が高くなると、色純度は向上するが、濃度消光
を引き起こすため、発光効率の低下を生ずる。一方、ド
ープ濃度が低くなると、ホスト材料のエネルギーを十分
に吸収できないため、ドーパントの発光に加えてホスト
の発光も加わることにより、混色を生じ、色純度の低下
につながる。このようにドーピング法では、ドーパント
を取り扱う上で、濃度の制御に十分注意を払う必要があ
る。上記特開昭63−264692号公報には、蛍光物
質の量は約10モル%以下の少量でよい旨が記載されて
いる。実際に使用する量としては、ホスト材料に対して
最大でも1wt%程度を限度とするため、最適濃度範囲
が狭い。このため、量産過程において、濃度制御が困難
で、同一素子内あるいは素子間での均一性および再現性
が得にくいという問題がある。
【0017】また、特開平7−65958号公報に記載
の通り、ルブレンを始めとする価電子帯順位を改善する
ためのドーピング材料は、有機発光材料であるアルミキ
ノリンよりもバンドギャップが狭い。このため、得られ
るEL発光は、アルミキノリンの緑色より長波長シフト
してしまう。発光メカニズムとしては、図15のメカニ
ズムに等しいと考えられる。特開平7−65958号公
報の実施例の欄において、ルブレンをドープしたものの
発光極大波長(λmax)は550nmと、本来赤色の
ドーパントであるDCMも550nmと記載されてい
る。有機材料の発光は、スペクトル幅が広い。このた
め、有機発光素子において色純度のよい緑色を得るため
には、発光極大波長は530nm付近が適切であるとさ
れている。実際、特開平8−48656号公報の実施例
には、発光極大波長が550nmでは、黄色発光となる
ことが記載されている。このように価電子帯順位を改善
すると、ELスペクトルが長波長へシフトし、緑色の発
光材料を用いても、長波長側にブロードに広がった黄色
発光になってしまうという問題がある。一般にディスプ
レイはR(赤)、G(緑)、B(青)の3原色より構成
されているため、色純度の低下は好ましくない。
【0018】次に、燐光発光では、光励起による燐光発
光は、励起一重項状態から項間交差を経て励起三重項状
態に移行して起こる。一方、EL素子では、電子とホー
ルとが再結合して、直接的に励起三重項状態が生成す
る。しかし、励起三重項状態から基底一重項状態への輻
射による遷移は禁制遷移であるため、燐光寿命は長い。
一般に燐光の効率が低い原因は、禁制度よりもその寿命
の長さにあり、励起三重項状態に留まっている間に、外
部からあるいは熱的な失活などの作用を受けてしまうた
めである、といわれている。実用化に向けて、デューテ
ィ駆動した場合、瞬間輝度は数千〜数万cd/m2に及
ぶため、高輝度領域においても高い発光効率を保つ必要
がある。燐光を利用する場合、特に高輝度領域におい
て、燐光の輻射過程が遅く、注入されるホールと電子の
再結合が飽和してしまうため、高輝度領域において電流
効率が低下してしまうという問題がある。
【0019】また、燐光発光物質を増感剤(sensitize
r)として用いる技術は、燐光発光を利用したエネルギ
ー移動を少なくとも2段階有するため、変換効率の積に
より発光効率の損失につながる恐れがある。さらに、段
階的にバンドギャップが狭まるため、青色発光が得にく
いという問題がある。
【0020】さらに、燐光を利用した素子構成では、燐
光寿命の長さに起因して励起子拡散距離が長くなるた
め、励起子を発光層内に閉じ込める必要がある。一般的
には、燐光発光層とアルミキノリン等からなる電子輸送
層との間にホールブロック層を設けて、発光層内で生成
した励起子が電子輸送層中の電極近傍まで拡散し、陰極
消光を受けることを防止している。ホールブロック層を
構成するうえで現状で有効な材料としては、バソクプロ
イン等のフェナントロリン誘導体に限られており、材料
を選択する幅が狭いという問題がある。また、燐光発光
層と電子輸送層との間にホールブロック層を積層する
と、励起子閉じ込め効果により、発光効率は上昇する。
しかし、動作電圧の上昇が著しいため、寿命特性を劣化
させるという問題がある。
【0021】従って、本願は、最適濃度範囲が広く、量
産過程において、濃度制御が容易で、同一素子内あるい
は素子間での均一性および再現性が得やすい発光材料お
よびこれを用いた発光素子並びに発光素子を用いた装置
を提供することを目的とする。
【0022】また、色純度が良く、高輝度領域において
電流効率が低下せず、寿命特性を低下させない発光素子
を提供することを目的とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために、励起子生成の基本メカニズムについ
て再考察した結果、励起三重項状態を生成しやすい物質
を励起子トラップサイトとして利用できることを見出し
た。
【0024】また、この励起三重項状態を生成しやすい
物質を用いると、発光物質の発光を促進して、発光効率
を上昇させるという新たな光増感反応機構を見出した。
【0025】すなわち、本発明は、以下の通りである。
【0026】(1)本発明の第1のポイントは、励起三
重項状態を生じやすい励起子形成物質を見出した点にあ
る。本発明にいう励起子形成物質とは、電子の交換を伴
うエネルギー移動により発光分子に、励起エネルギーを
移動させることができる物質である。電子の交換を伴う
エネルギー移動とは、一般に電子交換機構と呼ばれるエ
ネルギー移動の形態をいう。
【0027】電界発光素子においては、発光は、上記し
たようにホールと電子の再結合による。有機材料で構成
される素子内の電子とホールとは、それぞれアニオンラ
ジカル状態とカチオンラジカル状態とを示す。従って、
電子とホールの再結合とは、カチオンラジカル状態にア
ニオンラジカル状態の電子が一個入って励起状態を形成
することを意味する。このとき、量子化学の分野におい
て、分子を1つの系として捉えると、系全体の波動関数
は、スピン部分の波動関数と軌道部分の波動関数の積で
表すことができ、励起状態は以下のように記述できる。
【0028】まず、スピン部分については、カチオンラ
ジカルの不対電子である電子1とアニオンラジカルの不
対電子である電子2とに区別される。また、それぞれの
電子は、スピンの向きによってαスピンとβスピンとを
取りうることから、これらの組み合わせは、数式(1)
および数式(2)のように4つのスピンの状態をとるこ
とがわかる。
【0029】
【数1】
【0030】
【数2】
【0031】数式(1)は一重項状態のスピン部分を示
し、数式(2)の3式は三重項状態のスピン部分を示
す。電子とホールの再結合による励起子の形成におい
て、αスピンとβスピンとは等価であるので、統計理論
的には一重項状態と三重項状態の生成比は1:3とな
る。
【0032】つぎに、軌道部分の波動関数に関して考察
する。励起状態における電子の状態は、最高被占軌道
(以下、HOMOという)と最低空軌道(以下、LUM
Oという)にそれぞれ電子が一個ずつ入った状態である
と考えられる。それぞれの電子を電子1と電子2とに区
別した場合、一重項を表す分子軌道の波動関数は、数式
(3)、三重項をあらわす分子軌道の波動関数は、数式
(4)のように表すことができる。
【0033】
【数3】
【0034】
【数4】
【0035】ヒュッケル分子軌道(HMO)法では、分
子軌道は、原子軌道の一次結合で表すことができる。こ
こで、原子Aと原子Bを考慮すると、HOMOとLUM
Oとは、それぞれ数式(5)、数式(6)のように表す
ことができる。
【0036】
【数5】
【0037】
【数6】
【0038】数式(5)と数式(6)から、一重項を表
す数式(3)と、三重項を表す分子数式(4)は、それ
ぞれ数式(7)と数式(8)のように表すことができ
る。
【0039】
【数7】
【0040】
【数8】
【0041】数式(7)から、一重項状態では、電子1
および電子2は、原子Aあるいは原子B上に局在してお
り、分子はイオン性を示していることがわかる。一方、
数式(8)から、三重項状態では、原子Bに電子1がい
るときは原子Aに電子2がおり、逆に原子Aに電子1が
いるときは原子Bに電子2がおり、分子がビラジカル状
態をとっていることがわかる。このことから、三重項状
態の電子は、自由電子的で動きやすいことがわかる。
【0042】本発明は、自由電子的な電子を有する励起
三重項状態を、高い生成確率で形成できる物質を励起子
形成物質とするものである。かかる励起子形成物質を用
いることにより、ドーパントがドーピングされなくても
発光し得るホスト発光物質に、励起エネルギーを移動さ
せることができる。この結果、発光物質の発光を誘起
し、発光効率を高めることができる。このような励起子
形成物質は、エネルギーの授受や電子の交換を伴う種々
の化学反応に使用することが可能である。
【0043】すなわち、本発明の励起子形成物質は、励
起一重項のエネルギーレベルと励起三重項のエネルギー
レベルとのエネルギーレベル差が2eV以下であること
を特徴とする。励起子形成物質も、上記の説明と同様に
ホールと電子の再結合により、励起一重項状態と励起三
重項状態になる。また、この生成確率も統計理論的に
1:3である。ここで、励起一重項のエネルギーレベル
と励起三重項のエネルギーレベルとのエネルギーレベル
差が2eV以下であれば、生成した励起一重項状態の励
起子形成物質も、励起三重項状態の励起子形成物質へ転
移するので、効率良く励起三重項状態の励起子形成物質
が生成できる。
【0044】また、この励起子形成物質は、カチオンラ
ジカル状態でエネルギー的に安定な立体配置と、励起状
態でエネルギー的に安定な立体配置とが近似し、カチオ
ンラジカル状態から励起状態への転移がエネルギー的に
有利であるものであってもよい。
【0045】カチオンラジカル状態でエネルギー的に安
定な立体配置と、励起状態でエネルギー的に安定な立体
配置とが近似していると、移転時に立体配置の変化が少
ない。この結果、カチオンラジカル状態から励起状態へ
の転移がエネルギー的に有利となる。
【0046】とくに、この励起子形成物質は、カチオン
ラジカル状態でエネルギー的に安定な立体配置と、励起
三重項状態でエネルギー的に安定な立体配置とが近似
し、カチオンラジカル状態から励起三重項状態への転移
がエネルギー的に有利なものであると好ましい。
【0047】前記励起子形成物質は、下記一般式(1)
で示される有機化合物であると好ましい。
【0048】
【化7】 (式中、R1〜R4は、炭素数6〜18のアリール基、
窒素原子を1〜3個含む複素芳香環を示し、これらはさ
らに、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数6〜18のア
リール基、窒素原子を1〜3個含む複素芳香環、ビニル
基、スチリル基、ジフェニルビニル基で置換されていて
もよい。R1〜R4は、互いに同一であっても異なって
いても良く、R1とR2、R3とR4は、互いに結合し
て飽和あるいは不飽和の5員環または6員環を形成して
もよく、縮合多環芳香族を形成してもよい。)
【0049】前記励起子形成物質は、下記一般式(2)
で示される有機化合物であってもよい。
【0050】
【化8】 (式中、R5、R6は、炭素数6〜18のアリール基、
窒素原子を1〜3個含む複素芳香環を示し、これらはさ
らに、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数6〜18のア
リール基、窒素原子を1〜3個含む複素芳香環、ビニル
基、スチリル基、ジフェニルビニル基で置換されていて
もよい。R5、R6は、互いに同一であっても異なって
いても良く、R5とR6は、互いに結合して飽和あるい
は不飽和の5員環または6員環を形成してもよく、縮合
多環芳香族を形成してもよい。R7は、水素、炭素数1
〜6のアルキル基、炭素数6〜18のアリール基、窒素
原子を1〜3個含む複素芳香環、ビニル基、スチリル
基、ジフェニルビニル基を示す。)
【0051】(2)本発明の第2のポイントは、上記励
起子形成物質を用いた発光材料を見出した点にある。す
なわち、本発明の発光材料は、励起子形成物質と発光材
料とを含んでいる。
【0052】例えば、励起一重項のエネルギーレベルと
励起三重項のエネルギーレベルとのエネルギーレベル差
が2eV以下である励起子形成物質と、励起一重項エネ
ルギーレベルが前記励起子形成物質の励起三重項エネル
ギーレベル以下である発光物質とを含む発光材料であ
る。
【0053】上記したように、本発明の励起子形成物質
は、励起三重項状態を生成しやすい物質である。この励
起三重項状態の励起子形成物質中で自由電子的に存在す
る電子が燐光として輻射過程を経るまで待っていては、
三重項状態の寿命が長いため、以下の問題がある。すな
わち、励起三重項状態は、素子内に存在する酸素により
三重項消光されるなど、外部からの影響を受けるだけで
なく、三重項状態同士の消光機構により無輻射失活して
しまう恐れがある。しかしながら、励起三重項状態の励
起子形成物質の近傍に、励起一重項エネルギーレベルが
前記励起子形成物質の励起三重項エネルギーレベル以下
である発光物質が存在すると、励起子形成物質の励起エ
ネルギーが効率良く発光物質へ移動できる。これは、上
記数式(8)に従う励起三重項状態にある物質中の自由
電子的なふるまいをする電子が、基底状態にある発光物
質中の電子と電子交換されることによると考えられる。
この結果、発光物質の励起を誘起させて、発光効率を高
めることができる。
【0054】カチオンラジカル状態でエネルギー的に安
定な立体配置と、励起三重項状態でエネルギー的に安定
な立体配置とが近似し、カチオンラジカル状態から励起
三重項状態への転移がエネルギー的に有利である励起子
形成物質と、励起一重項エネルギーレベルが前記励起子
形成物質の励起三重項エネルギーレベル以下である発光
物質と、を含む発光材料であってもよい。
【0055】このような励起子形成物質としては、上記
のいずれかの励起子形成物質を使用することができる。
【0056】前記発光材料に含まれる励起子形成物質の
モル数は、発光物質のモル数以下であることを特徴とす
る。励起子形成物質のモル数が発光物質のモル数以下で
あれば、励起子形成物質の濃度に依存せず、高い発光効
率が維持できる。従って、ドーピング法におけるドーパ
ントのように、最適濃度範囲の制御が困難でなく、量産
性にも適している。一方、励起子形成物質のモル数が発
光物質のモル数に比べて多いと、励起三重項同士の衝突
により励起子消滅を引き起こすので、好ましくない。
【0057】(3)上記の発光物質は、以下の機構で発
光する。
【0058】励起一重項のエネルギーレベルと励起三重
項のエネルギーレベルとのエネルギーレベル差が2eV
以下である励起子形成物質と、励起一重項エネルギーレ
ベルが当該励起子形成物質の励起三重項エネルギーレベ
ル以下である発光物質とを含む発光材料に、電圧を印加
して、前記発光物質を発光させる発光方法。
【0059】本発明で用いられる発光物質は、ホールと
電子の再結合により、発光物質自体を発光させることが
できる。すなわち、この発光物質は、励起子形成物質が
存在していなくても、電圧を印加すると、発光すること
ができる物質である。さらに、励起子形成物質を含むこ
とから、発光物質は励起状態の励起子形成物質と電子の
交換を伴うエネルギー移動により励起されてさらに発光
する。この結果、発光物質の発光効率が飛躍的に向上す
る。発光の詳細な原理については、現在検討中である
が、図1に示す発光のメカニズムによるものと考えられ
る。以下に、図1に基づいて説明する。
【0060】図1は、本発明の発光のメカニズムを模式
的に説明するための図である。図1(a)は、励起子形
成物質を添加していない状態における発光物質の発光を
説明するための図である。図1(b)は、発光物質に励
起子形成物質を添加させた状態における励起子形成物質
から発光物質へのエネルギーの移動を説明するための図
である。図1(c)は、エネルギーの移動がされた発光
物質の発光を説明するための図である。
【0061】図1(a)からわかるように、励起子形成
物質が添加されていない状態では、同一時間で見た場合
に、発光物質11には、ホールと電子の再結合により発
光している分子13と、発光していない分子12とが共
存している。
【0062】次に、図1(b)に示すように、この発光
物質11に励起子形成物質14を添加すると、励起子形
成物質14もホールと電子の再結合により励起三重項状
態に励起される。この励起三重項状態の励起子形成物質
14は、基底状態にある発光物質に、電子の交換を伴っ
てエネルギーを移動15させることができる。電子の交
換は、励起状態にある励起子形成物質14の励起された
電子と、基底状態にある発光物質12のHOMOの電子
との間で行われる。このようなエネルギー移動15は、
一般にデクスター移動と呼ばれている。デクスター転移
とは、分子が軌道の重なりを生じる接触有効距離内で、
電子の波動運動の交換を通じて起こるエネルギー移動を
いう。一般的には、デクスター転移は、溶液中での電子
の交換を伴うエネルギー転移をいう。しかし、発光素子
は固体デバイスであるので、近接した位置に分子が存在
するため、デクスター転移によりエネルギーが移動し、
近傍の分子が励起されると考えられる。このようにデク
スター転移によれば、電子交換を伴って、発光分子が励
起状態になるため、図1(c)に示すように、発光分子
は励起一重項状態あるいは励起三重項状態となり発光1
3にいたる。
【0063】カチオンラジカル状態でエネルギー的に安
定な立体配置と、励起三重項状態でエネルギー的に安定
な立体配置とが近似し、カチオンラジカル状態から励起
三重項状態への転移がエネルギー的に有利である励起子
形成物質と、励起一重項エネルギーレベルが前記励起子
形成物質の励起三重項エネルギーレベル以下である発光
物質との間においても、電圧を印加すると、上記と同様
にデクスター転移により発光物質の発光を生じる。
【0064】(4)以上で説明した発光材料を用いた発
光素子は、次のように構成することができる。
【0065】陽極と陰極との間に、発光層を含む発光素
子であって、前記発光層が、励起子形成物質と、発光物
質とを含む発光材料を有することを特徴とする発光素
子。
【0066】上記構成の発光素子においては、上記発光
材料を用いるので、発光効率が高く、寿命が長い発光素
子を提供することができる。
【0067】また、本発明の発光素子では、前記発光層
は、前記励起子形成物質が前記発光物質中に分散されて
いるものであってもよい。
【0068】前記励起子形成物質が前記発光物質中に分
散されていると、励起子形成物質から発光物質へのデク
スター移動が容易に行われる距離が確保できる。
【0069】励起子形成物質は、発光物質中に均一に分
散されていても良いし、発光物質中で濃度勾配を有して
分散されていてもよい。励起子形成物質が発光物質中で
濃度勾配を有して分散されている場合には、前記励起子
形成物質が前記発光物質中で発光層の厚み方向に濃度勾
配を有して分散され、陰極に近づく程高濃度になるよう
に勾配を有していると好ましい。
【0070】前記発光層は、前記励起子形成物質を含む
励起子形成層と前記発光物質を含む発光物質層との積層
体であってもよい。積層体であっても、励起子形成層内
で形成された励起三重項状態の励起子形成物質のエネル
ギーを発光物質層内の発光物質にデクスター移動させる
ことができるからである。なお、励起子形成層内では、
励起三重項状態の励起子形成物質同士が衝突して励起子
消滅を起こすもののあるが、発光物質の発光を増強する
に足る励起三重項状態の励起子形成物質が形成されてい
る。
【0071】前記積層体は、前記陽極側から励起子形成
層、発光物質層、励起子形成層の順に積層されたもので
あってもよい。
【0072】陰極から注入される電子は、エネルギーレ
ベルの低い方へ移動する性質があるため、陰極、電子輸
送層、励起子形成層、発光物質層、励起子形成層、ホー
ル輸送層、陽極の順に経由して移動する。一方、陽極か
ら注入されるホールは、エネルギーレベルの高い方へ移
動する性質があるため、陽極、ホール輸送層、励起子形
成層、発光物質層、励起子形成層、電子輸送層、陰極の
順に経由して移動する。ホールと電子の結合は、発光物
質層および該発光物質層の両側に設けられた励起子形成
層で主として行われる。励起子形成層では、励起子形成
物質が、ホールと電子の結合により励起三重項状態に励
起される。この構成によれば、発光層の両界面に接して
設けられた励起子形成層で形成された励起三重項状態の
励起子形成物質を発光物質層における発光物質の発光に
利用できるので、高い発光効率を得ることができる。
【0073】前記積層体は、前記陽極側から発光物質
層、励起子形成層、発光物質層の順に積層されたもので
あっても良い。
【0074】この構成によれば、励起子形成層で形成さ
れた励起三重項状態の励起子形成物質を、励起子形成層
の両界面に接して設けられた発光層における発光物質の
発光に利用できるので、励起三重項状態の励起子形成物
質を効率よく利用できる。
【0075】前記積層体は、前記陽極側から発光物質
層、励起子形成層の順に積層された構造を有する積層単
位を含むものであってもよい。
【0076】このような構成によると、上記と同様の理
由で、励起子形成層で形成された励起三重項状態の励起
子形成物質を発光物質層における発光物質の発光に利用
できる。また、複数の積層単位を含んでいる場合には、
各発光物質層において、発光物質のみの場合よりも、強
い発光が得られるので、発光効率をより高くすることが
できる。
【0077】前記積層単位の数は、1以上、250以下
であればよい。積層単位の数が、250を超えると、各
積層単位は所定の厚みを有するため、発光層全体の膜厚
が厚くなる。この結果、発光させるための印加電圧を高
くする必要があり、発光効率が悪くなり、発光素子の劣
化を招きやすいので好ましくない。
【0078】前記積層体に含まれる前記励起子形成物質
の総モル数は、前記積層体に含まれる前記発光物質の総
モル数以下であればよい。
【0079】積層体に含まれる前記励起子形成物質の総
モル数が、積層体に含まれる前記発光物質の総モル数以
下であれば、上記のように励起子形成物質同士の衝突に
よる励起子消滅を生じず、発光物質の発光に有効に利用
できるからである。
【0080】前記積層体の厚みは、4nm〜1000n
mであればよい。積層体の厚みが1000nmより厚け
れば、所定の輝度に発光させるためには印加電圧を高く
する必要があり、発光効率が悪いとともに、素子の劣化
を招きやすい。一方、積層体の厚みが4nmより薄けれ
ば、絶縁破壊等しやすくなり、素子の寿命が短くなる。
【0081】前記積層体を構成し、互いに接して積層さ
れた発光物質層と励起子形成層とにおいて、該励起子形
成層の厚みは、該発光物質層の厚み以下であることが好
ましい。励起子形成層の厚みが、発光物質層の厚みより
厚ければ、励起子形成物質同士の衝突により生ずる励起
子消滅が多くなりすぎ、発光物質の発光に有効に利用で
きないからである。
【0082】また、本発明の発光素子は、陽極と陰極と
の間に、ホールと電子の再結合により発光する発光層を
含む発光素子であって、前記発光層が励起子形成物質
と、発光物質とを含む発光材料を含み、発光物質と、励
起三重項状態の励起子形成物質との間で、電子の交換を
伴って、前記励起子形成物質から前記発光物質へエネル
ギーが移動されることにより、発光物質分子内での電子
とホールの再結合が促進されるものである。このような
発光材料としては、上記の発光材料が使用できる。
【0083】本発明の発光素子は、陽極と陰極との間
に、発光層を含む発光素子であって、前記発光層は、発
光物質を含むホスト材料中に、上記の励起子形成物質か
らなるゲスト材料を含み、前記ホスト材料からの発光が
得られるものである。
【0084】この発明にいう、ホスト材料とゲスト材料
は、半導体の場合と同義の意味であり、発光物質を含む
ものをホスト材料といい、ホスト材料の特性を改善させ
るために意図して混入される不純物をゲスト材料とい
う。図15に示すように、従来のドーピング法では、ド
ーパントを混入させ、ドーパントであるゲスト材料を発
光させることにより、発光色を変化させ、かつ発光効率
を向上させていた。本発明のゲスト材料自身は発光せ
ず、ホストの発光強度を高めるためのアシスト材料とし
て混入される。この点で、従来のドーピング法とは、発
光のメカニズムが異なる。それゆえ、本発明のELスペ
クトルは、ゲスト材料の有無にかかわらず、ホスト材料
の発光に起因したスペクトルとなる。すなわち、発光に
より得られる波長が変化しないので、色度の安定を維持
しながら、発光効率の向上が図られる。さらに、ゲスト
材料は、上記のように、濃度依存性が小さいので、同一
素子内あるいは素子間で再現性が向上するとともに、均
一性も向上させることができる。
【0085】上記したように、本発明の発光材料を用い
ると、励起子形成物質は発光しない。これは、励起子形
成物質が項間交差するため、励起子形成物質の励起一重
項状態からの蛍光輻射をほとんど生じないことによる。
さらに、励起三重項状態の励起子形成物質は、燐光輻射
するよりも十分速い速度で、発光物質にエネルギー移動
していることによる。この構成によると、発光物質は燐
光輻射しないので、励起子拡散距離が非常に短くてすむ
ため、励起子を封じ込めるためのホールブロック層など
を必要としない。この結果、素子構成の簡易な発光素子
を提供できる。
【0086】本発明の発光素子は、陽極と陰極との間
に、発光層を含む発光素子であって、前記発光層が、励
起一重項のエネルギーレベルと励起三重項のエネルギー
レベルとのエネルギーレベル差が2eV以下である励起
子形成物質と、励起一重項エネルギーレベルが当該励起
子形成物質の励起三重項エネルギーレベル以下であり、
かつ電子親和力が当該励起子形成物質の電子親和力より
も大きい可視光発光物質とを含むものであってもよい。
このような構成とすることで、可視光発光の高輝度化を
図ることができる。青色発光の高輝度化にも有効であ
る。なお、励起子形成物質として、上記の励起子形成物
質が使用できる。
【0087】(5)以上で説明した発光素子を用いた装
置は、次のように構成することができる。
【0088】画像信号を発生する画像信号出力部と、前
記画像信号出力部からの画像信号に基づいて電流を発生
する駆動部と、前記駆動部から発生した電流に基づいて
発光する発光部とを備えた表示装置であって、前記発光
部は少なくとも1個の発光素子を有し、該発光素子が上
記の発光素子であることを特徴とする表示装置。
【0089】前記表示装置は、複数個の発光素子が基板
上にマトリクス状に配設されていてもよい。
【0090】前記表示装置は、前記発光素子が、発光素
子の駆動制御用の薄膜トランジスタが設けられた基板上
に積層して形成されていてもよい。
【0091】電流を発生する駆動部と、前記駆動部から
発生した電流に基づいて発光する発光部とを備えた照明
装置であって、前記発光部は少なくとも1個の発光素子
を有し、該発光素子が上記の発光素子であることを特徴
とする照明装置。
【0092】
【発明の実施の形態】本発明の励起子形成物質は、励起
一重項のエネルギーレベルと励起三重項のエネルギーレ
ベルとのエネルギーレベル差が2eV以下である。
【0093】なお、本発明の励起子形成物質および発光
物質の励起一重項のエネルギーレベルと励起三重項のエ
ネルギーレベルは、分子軌道法により求めることができ
る。分子軌道計算では、基底状態、励起状態、ラジカル
状態などの分子の種々の状態におけるエネルギー的に安
定化する立体配置、すなわち原子核の位置の微小変化に
対してエネルギー変化が極小になるように配置された原
子核配置(最適化構造)を求めることができる。この最
適化構造の時のエネルギーを算出して、エネルギーレベ
ルとする。X線構造回折など実験的に得られる構造は、
分子が振動や回転など運動をしている状態における平衡
構造である。一方、分子軌道計算から得られる最適化構
造は、基底状態、励起状態、ラジカル状態などの、分子
の所定の状態におけるエネルギーの極小値に対する原子
の立体配置である。
【0094】分子軌道計算では、原子核の位置の微小変
化に対するエネルギー変化、いわゆるコンヴァージェン
スがゼロになるまで計算することができる。例えば、a
binitio法による分子軌道計算を行うための汎用
的なソフトとして、Gaussian94プログラムが
ある。このプログラムのコンヴァージェンスの初期設定
値は、10-7である。コンヴァージェンスがゼロになる
まで計算すると、計算精度は向上するが、計算に時間が
かかり、コンピュータにも高度な性能が求められるた
め、開発コストの損失につながる。一方、分子軌道計算
には、半経験的分子軌道法が知られている。例えば、W
inMOPACプログラム(富士通製)は、半経験的分
子軌道法による分子軌道計算を行うための汎用的で、有
用なソフトである。本プログラムのコンヴァージェンス
の初期設定値は、1であり、前者に比べると大きい。し
かし、このプログラムのコンヴァージェンスの初期値設
定値であれば、各分子間あるいは各状態間の相対比較に
は十分であり、計算時間、コンピュータの容量や処理速
度に対する制限が小さいので好ましい。従って、本明細
書中にいう「エネルギーレベル」とは、極小値からコン
ヴァージェンスが1以内の範囲にある原子核配置におい
て算出されたエネルギーをいう。
【0095】また、励起三重項状態は励起一重項状態よ
りもエネルギーが低い。このため、項間交差を生じやす
い物質では、生成した励起一重項状態も励起三重項状態
に移動する。この結果、項間交差を生じやすい物質で
は、三重項励起子がほぼ100%に近い確率で生成でき
る。項間交差は、励起一重項エネルギーレベルと励起三
重項エネルギーレベルとの差が小さいほど起こりやす
い。本発明の励起子形成物質において、励起一重項のエ
ネルギーレベルと励起三重項のエネルギーレベルとのエ
ネルギーレベル差が2eV以下とは、WinMOPAC
プログラムAM1(MNDO−Austin mode
l 1)法による計算で、2eV以下であることを意味
する。
【0096】カチオンラジカル状態あるいは励起状態な
どの各状態におけるエネルギー的に安定な立体配置と
は、分子軌道計算によりエネルギーが極小になるように
配置された原子核構造をいい、一般に最適化構造と呼ば
れるものである。
【0097】一方、数式(1)および数式(2)で与え
られるスピン多重度に従えば、励起子形成確率は、一重
項励起子に比べて三重項励起子の方が3倍大きい。励起
子形成は、励起三重項状態への移行が容易なほうが有利
である。従って、カチオンラジカル状態から励起三重項
状態へ移行するときの再配合エネルギーが、カチオンラ
ジカル状態から励起一重項状態へ移行するときの再配合
エネルギーよりも小さければ、より励起三重項状態を形
成しやすいので、好ましい。さらに、カチオンラジカル
状態の最適化構造と励起三重項状態の最適化構造とが、
近似していれば、エネルギー的にも、構造的にも好まし
い。
【0098】このような励起子形成物質の好ましい例と
しては、例えば上記一般式(1)あるいは一般式(2)
で表される有機化合物が挙げられる。
【0099】上記一般式(1)で表される有機化合物の
具体例としては、4,4’−N,N’−ジカルバゾール
−ビフェニル、N,N,N’,N’−テトラフェニル−
1,1’−ビフェニル− 4,4’−ジアミン、N,
N’−ビス(4’−ジフェニルアミノ−4−ビフェニ
ル)−N,N’−ジフェニルベンジジンなどが挙げられ
る。
【0100】上記一般式(2)で表される有機化合物の
具体例としては、4−[4−(2,2−ジフェニルビニ
ル)フェニル]フェニル−ジフェニルアミン、4−[4−
(2,2−ジフェニルビニル)フェニル]ビス(4−メ
チルフェニル)アミンなどが挙げられる。
【0101】本発明の発光材料に使用される発光物質
は、励起一重項エネルギーレベルが上記励起子形成物質
の励起三重項エネルギーレベル以下であるものであれ
ば、特に制限されず、公知の発光物質が使用できる。具
体的には、アルミキノリン、およびその誘導体、4,
4’−ビス(2,2−ジフェニルビニル)ビフェニル、
テトラフェニルポルフィンなどが挙げられる。
【0102】なお、上記化学式(1)および(2)で表
される有機化合物の中には、一般にホール輸送材料とし
て用いられるものも含まれている。しかし、上記化学式
(1)および(2)で表される有機化合物が、上記の機
構で発光分子の発光を促進させることについては、本発
明者らが初めて見出したものである。
【0103】本発明の発光材料においては、発光材料に
含まれる励起子形成物質のモル数は、発光物質のモル数
以下であると好ましい。励起子形成物質で形成される励
起子を発光物質でさらに効率良く発光に利用されるため
には、励起子形成物質は、発光物質に対して30モル%
以下であるとよい。実施の実情を考慮すると、発光材料
には、励起子形成物質が通常10モル%〜30モル%程
度含まれていればよい。
【0104】本発明の発光素子は、陽極と陰極との間
に、発光層を含む発光素子である。前記発光層は、上記
発光材料を含むものである。
【0105】本発明の発光素子は、上記発光層以外に、
他の機能層を含んで構成されていても良い。図2は、本
発明で用いることのできる発光素子の一例を示す模式図
である。例えば、図2に示すように、透明基板1上に、
陽極2、ホール輸送層3、発光層4、電子輸送層5、お
よび陰極6が、この順に積層形成されたものであっても
よい。この構成は、通称DH構造と呼ばれる。
【0106】上記の構成以外にも、電子輸送層5の機能
を発光層4が兼ね備えたSH−A構造、ホール輸送層3
の機能を発光層4が兼ね備えたSH−B構造、ホール輸
送層3と電子輸送層5の両方の機能を発光層4が兼ね備
えた単層構造いずれの構造であっても、本発明の発光素
子として使用できる。
【0107】本明細書中で、発光素子とは、ホール輸送
電極と電子注入電極との間に、少なくとも発光層などの
機能層を有する素子を意味する。機能層は、全ての機能
層が有機材料からなる層で構成されていても良く、無機
材料からなる層を含んで構成されていても良い。例え
ば、電子輸送層を無機材料からなる層とし、ホール輸送
層を有機材料からなる層としてもよく、逆に電子輸送層
を有機材料からなる層とし、ホール輸送層を無機材料か
らなる層としてもよい。あるいは、ホール輸送層、発光
層、電子輸送層のいずれか1つの層若しくは複数の層
を、無機材料を含む層としてもよい。
【0108】本発明の発光素子の一態様は、図3に示す
ように、前記発光層4は、前記励起子形成物質7が前記
発光物質8中に均一に分散されているものである。励起
子形成物質7が、発光物質8の近傍に存在しているの
で、電子交換を伴うエネルギー移動が容易に行える。
【0109】図3の構造の発光素子は、例えば以下のよ
うにして製造できる。透明基板1は、適度の強度を有
し、素子作成にあたり、蒸着時等の熱により悪影響を受
けず、透明なものであれば特に限定されない。透明基板
1の材料として、例えばガラス(例えばコーニング17
37など)や透明な樹脂、例えばポリエチレン、ポリプ
ロピレン、ポリエーテルサルホン、ポリカーボネート、
ポリエーテルエーテルケトンなどが挙げられる。この実
施形態の表示素子だけでなく、本発明に係る表示素子
は、前記の透明基板1上に順次積層することにより形成
できる。
【0110】この実施形態の表示素子だけでなく、本発
明に係る表示素子全般にいえることであるが、図示の陽
極2を含め、陽極は、通常、透明導電性膜で構成する。
かかる透明導電性膜の材料としては、4eV程度より大
きい仕事関数を持つ導電性物質を用いることが好まし
い。かかる物質として、炭素、アルミニウム、バナジウ
ム、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、タングステ
ン、銀、錫、金などこれらの合金のような金属の他、酸
化錫、酸化インジウム、酸化アンチモン、酸化亜鉛、酸
化ジルコニウムなどの金属酸化物およびそれらの固溶体
や混合体(例えばITO(インジウム錫酸化物)など)
などの導電性金属化合物のような導電性化合物を例示で
きる。
【0111】陽極2を形成する場合、透明基板1上に、
前記したような導電性物質を用い、蒸着、スパッタリン
グなどの手法やゾル−ゲル法あるいはかかる物質を樹脂
などに分散させて塗布するなどの手法を用いて所望の透
光性と導電性が確保されるように形成すれば良い。特
に、ITO膜は、その透明性を向上させ、あるいは抵抗
率を低下させる目的で、スパッタリング、エレクトロン
ビーム蒸着、イオンプレーティングなどの方法で、成膜
される。
【0112】また、陽極2の膜厚は、必要とされるシー
ト抵抗値と可視光透過率から決定される。発光素子の場
合、比較的駆動電流密度が高いので、シート抵抗値を小
さくする必要がある。そのため、膜厚は100nm以上
の厚さであることが多い。
【0113】次に、陽極2の上にホール輸送層3を形成
する。図示のホール輸送層3を含め、本発明にかかる発
光素子において、ホール輸送層の形成のために用いるこ
とができるホール輸送材料としては、公知のものを使用
できるが、好ましくは発光安定性、耐久性に優れるトリ
フェニルアミンを基本骨格として有する誘導体である。
【0114】具体的には、特開平7−126615号公
報に記載のテトラフェニルベンジジン化合物、トリフェ
ニルアミン3量体、およびベンジジン2量体、特開平8
−48656号公報に記載の種々のテトラフェニルジア
ミン誘導体、特開平7−65958号公報に記載のN,
N’−ジフェニル− N,N’−ビス(3−メチルフェ
ニル)−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン
(MTPD(通称TPD))などが挙げられる。特開平
10−228982号公報に記載のトリフェニルアミン
4量体が、さらに好ましい。この他、ジフェニルアミノ
−α−フェニルスチルベン、ジフェニルアミノフェニル
−α−フェニルスチルベン等を使用することもできる。
また、p層を形成するアモルファスシリコンなどの無機
材料を使用してもよい。
【0115】ホール輸送層3の厚さは、10nm〜10
00nm程度とすれば良い。ホール輸送層の厚さが10
nmより薄くなると、発光効率は良いが、絶縁破壊等し
やすくなり、素子の寿命が短くなる。一方、ホール輸送
層3の厚さが1000nmより厚くなると、所定の輝度
に発光させるためには印加電圧を高くする必要があり、
発光効率が悪いとともに、素子の劣化を招きやすい。
【0116】次に、ホール輸送層3の上に発光層4を形
成する。図3にかかる発光素子の発光層については、上
記したように励起子形成物質と発光物質とを含んで構成
される。
【0117】発光層4の厚さは、5nm〜1000nm
程度とすれば良い。発光層の厚さが5nmより薄くなる
と、発光効率は良いが、絶縁破壊等しやすくなり、素子
の寿命が短くなる。一方、発光層の厚さが1000nm
より厚くなると、所定の輝度に発光させるためには印加
電圧を高くする必要があり、発光効率が悪いとともに、
素子の劣化を招きやすい。通常は、5nm〜100nm
程度の膜厚であれば、好ましい。
【0118】発光層4には、上記発光材料に加え、電荷
輸送能を向上させる目的で、ホール輸送材料や電子輸送
材料をさらに添加しても良い。また、発光物質として、
無機発光物質を用いても良い。さらに、発光材料を高分
子マトリックス中に分散させても良い。
【0119】次に、発光層4の上に、電子輸送層5を形
成する。図示の電子輸送層5を含め、本発明にかかる発
光素子において電子輸送層の形成のために用いることの
できる電子輸送材料としては、公知のものが使用でき
る。好ましくは、アルミキノリンである。他の電子輸送
材料としては、トリス(4−メチル−8−キノリラト)
アルミニウムなどの金属錯体、3−(2’−ベンゾチア
ゾリル)−7−ジエチルアミノクマリンなどが挙げられ
る。
【0120】電子輸送層5の厚さは、10nm〜100
0nm程度とすれば良い。電子輸送層の厚さが10nm
より薄くなると、発光効率は良いが、絶縁破壊等しやす
くなり、素子の寿命が短くなる。一方、電子輸送層の厚
さが1000nmより厚くなると、所定の輝度に発光さ
せるためには印加電圧を高くする必要があり、発光効率
が悪いとともに、素子の劣化を招きやすい。
【0121】ホール輸送層3、および電子輸送層5は、
それぞれ単層でもよいが、イオン化ポテンシャルなどを
考慮して複数の層から形成されても良い。
【0122】ホール輸送層3、発光層4、電子輸送層5
は、それぞれ蒸着法により形成しても良いし、これらの
層を形成する材料を溶解した溶液やこれらの層を形成す
る材料を適当な樹脂とともに溶解した溶液を用い、ディ
ップコート法、スピンコート法等の塗布法により形成し
ても良い。ラングミュア・ブロジェット(LB)法によ
っても良い。好ましい成膜法は、真空蒸着法である。真
空蒸着法によると、上記各層において、アモルファス状
態の均質な層が形成できるからである。
【0123】図4に示すように発光層において、発光物
質中の励起子形成物質が濃度勾配を有する場合には、温
度制御や濃度管理をすることによって、濃度勾配を有す
る発光層を形成することができる。発光層に含まれる励
起子形成物質のモル数が、発光物質のモル数以下になる
ものであれば、励起子形成物質のモル数:発光物質のモ
ル数=1:100〜100:1の範囲で発光層を形成し
ても良い。
【0124】ホール輸送層3、発光層4、電子輸送層5
は、それぞれ単独で形成しても良いが、真空中で連続し
て各層を形成することが好ましい。連続して形成すれば
各層の界面に不純物が付着することが防止できるので、
動作電圧の低下を防止し、発光効率の向上、長寿命化な
どといった特性を改善できる。
【0125】ホール輸送層3、発光層4、電子輸送層5
のいずれかの層が、複数の化合物を含む場合であって、
真空蒸着法を用いて層を形成する場合には、単独の化合
物を入れた複数のボートを個別に温度制御して共蒸着す
ることが好ましいが、予め複数の化合物を混合したもの
を蒸着しても良い。
【0126】なお、図示してはいないが上記電子輸送層
5の上に、電子注入/輸送特性向上のための電子注入層
が形成されていてもよい。電子注入層形成のための電子
注入材料には、従来公知の各種電子注入材料を用いるこ
とができるが、好ましくはアルカリ金属(リチウム、ナ
トリウムなど)、アルカリ土類金属(ベリリウム、マグ
ネシウムなど)、あるいはこれらの塩、酸化物などを用
いることができる。
【0127】電子注入層は、蒸着やスパッタリング等の
方法で形成できる。また、その厚さは、0.1nm〜2
0nm程度とする。
【0128】次に、電子輸送層5の上に、陰極6を形成
する。図3に示す陰極6を含め、本発明にかかる発光素
子における陰極は低仕事関数の小さい金属の合金を用い
ることが望ましい。上記電子注入層が形成されている場
合は、アルミニウムや銀などの仕事関数の大きい金属を
積層することもできる。また、陰極を透明ないし半透明
な材質で形成しても、面発光を取り出すことができる。
【0129】陰極6を形成する場合、前記したような金
属材料を用い、蒸着、スパッタリングなどの手法により
陰極を形成する。陰極6の膜厚は、10nm〜500n
m、より好ましくは50nm〜500nmの範囲が導電
性および製造安定性の点から好ましい。
【0130】前記発光層は、前記励起子形成物質を含む
励起子形成層と前記発光物質を含む発光物質層との積層
体であってもよい。
【0131】励起子形成層と発光物質層との積層体は、
例えば励起子形成物質と発光物質とをそれぞれ交互に積
層形成することによって製造できる。励起子形成層と発
光物質層は、上記発光層を形成する方法と同様の方法
で、製造できる。
【0132】図5は、本発明の発光層が積層体である発
光素子の一例を示す図である。この発光素子において
は、発光層は、前記陽極側から励起子形成層21、発光
物質層22、励起子形成層21の順に積層された積層体
24である。
【0133】図6は、本発明の発光層が積層体である発
光素子の一例を示す図である。この発光素子において
は、発光層は、前記陽極側から発光物質層22、励起子
形成層21、発光物質層22の順に積層された積層体2
4である。
【0134】図7は、本発明の発光層が積層体である発
光素子の別の一例を示す図である。積層体24は、図7
に示すように、陽極側から発光物質層22、励起子形成
層21の順に積層された構造を有する積層単位23を含
むものであってもよい。積層単位23の数は、特に制限
されないが、好ましくは1以上、250以下である。上
記したように、本発明の励起子形成物質の中には、一般
的にホール輸送材料として用いられるものも含まれる。
しかし、図8に示すように、励起子形成層21を発光分
子層22と電子輸送層5との間にのみ設けても、発光効
率を上昇させることができる。図8は、本発明の発光層
が積層体である発光素子の別の一例を示す図である。
【0135】図9は、本発明の発光層が積層体である発
光素子の別の一例を示す図である。図9に示すように、
複数の積層単位23からなる積層体24とホール輸送層
3との間に、励起子形成層21が設けられて、発光層4
が構成されていても良い。
【0136】一方、図10に示すように、少なくとも1
つの積層単位23からなる積層体24と電子輸送層5と
の間に、発光物質層22が設けられて、発光層4が構成
されていても良い。
【0137】発光層が、前記励起子形成物質を含む励起
子形成層と前記発光物質を含む発光物質層との積層体で
ある場合であっても、積層体に含まれる前記励起子形成
物質の総モル数は、前記積層体に含まれる前記発光物質
の総モル数以下であることが好ましい。生成した励起三
重項状態の励起子形成物質同士が衝突して、励起子が消
滅することを防止するためである。
【0138】積層体を構成する発光物質層の膜厚は、3
nm〜100nmであるとよい。発光物質層の膜厚が3
nmあれば、発光層はデクスター移動をする距離の約2
倍程度の厚みがあるので、発光物質に有効にエネルギー
が移転でき、発光効率を向上させることができる。一
方、発光物質層の膜厚が100nmを超えると、発光層
と励起子形成層の界面でのみデクスター移動を生じ、励
起子形成層からのエネルギー移転が有効に行われないの
で、好ましくない。
【0139】一方、積層体を構成する励起子形成層の膜
厚は、1nm〜10nmであるとよい。励起子形成物質
の分子内では、励起状態が形成されるための電子とホー
ルの再結合が起こる。有機分子の平均的な大きさを約1
nmとすると、励起子形成層の膜厚は、単分子層の膜厚
に相当する1nmあればよい。一方、励起子形成層の膜
厚が10nmを超えると、励起子形成層内で、三重項同
士の衝突により励起子消滅を起こし、発光分子層へのエ
ネルギー移転が有効に行われないので、好ましくない。
【0140】本発明の発光素子において、発光層が複数
の積層単位を含む場合、発光物質層および/または励起
子形成層の膜厚は、上記範囲内であれば、同一であって
も異なっていてもよい。
【0141】積層体の厚みは、上記の発光分子層の膜厚
と励起子形成層の膜厚を考慮すると、4nm〜1000
nm、好ましくは9nm〜1000nmである。
【0142】前記積層体を構成し、互いに接して積層さ
れた発光物質層と励起子形成層とにおいて、該励起子形
成層の厚みは、該発光物質層の厚み以下であると好まし
い。
【0143】さらに、上記発光層には、電荷輸送能を向
上させるために、上記ホール輸送材料や電子輸送材料を
添加させても良い。
【0144】本発明の発光素子において、発光色素とし
て可視光発光物質を用いた場合にも、励起三重項状態に
ある励起子形成物質と電子の交換を伴うエネルギー移動
が行われることもできる。従って、本発明の発光素子
は、可視光発光の高輝度化にも寄与することができる。
【0145】一般的な可視光発光物質の電子親和力を考
慮すると、励起子形成物質の電子親和力は、3.2eV
以下であればよい。本明細書中でいう電子親和力とは、
測定されるイオン化ポテンシャルの値と、吸収スペクト
ルの長波長端から得られるバンドギャップの値との差を
いう。イオン化ポテンシャルは、大気下紫外線光電子分
光装置(例えば、理研計器(株)製、AC−1など)に
より測定できる。ただし、電子親和力の値は、論文等を
比較するとばらつきが大きい。従って、上記3.2eV
という値は、絶対的ではない。可視光発光物質の電子親
和力に対して、本発明の励起子形成物質の電子親和力が
小さいことが重要である。
【0146】本発明の発光材料は、発光物質の発光を増
強する励起子形成物質と発光物質とを含む。従って、発
光物質の発光色が赤、緑、青のいずれの色であっても、
各色とも混色を生ずることなく、発光効率を向上させる
ことができるので、高品位の表示装置並びに照明装置を
提供できる。表示装置は、複数の本発明の発光素子を基
板上にマトリクス状に配設されていても良く、本発明の
発光素子は発光素子の駆動制御用の薄膜トランジスタが
設けられた基板上に積層して形成されていてもよい。照
明装置は、面発光型の新規な光源として新たな照明空間
を創出することができる。また、他の光学的用途にも適
用することができる。
【0147】
【実施例】以下、実施例に基づいて、本発明の内容を具
体的に説明する。 (実施例1)本実施例では、好ましい励起子形成物質を
検討した。上記一般式(1)で表される有機化合物とし
て、4,4’−N,N’−ジカルバゾール−ビフェニル
(以下、CBPという)について、半経験的分子軌道法
であるAM1法を用いて構造最適化を検討した。プログ
ラムは、WinMOPAC(富士通(株)製)を用い
た。構造最適化は、上記分子の励起一重項状態、励起三
重項状態、カチオンラジカル状態の3つの状態について
行った。
【0148】上記分子は、図11に示すように、4つの
芳香環部分、すなわち2つのカルバゾール環(Cz)と
2つのベンゼン環(b)からなり、それぞれCz1、C
z2、b1、b2とした。図11において、Cz1、C
z2、b1、b2の回転軸方向をXとした。上記3つの
各状態における最適化構造から求めた、Cz1、Cz
2、b1、b2の回転軸方向の空間的な関係を図12に
示す。図12(a)は、カチオンラジカル状態のCBP
のCz1、Cz2、b1、b2の回転軸方向の空間的な
関係を示す図である。図12(b)は、励起一重項状態
のCBPのCz1、Cz2、b1、b2の回転軸方向の
空間的な関係を示す図である。図1(c)は、励起三重
項状態のCBPのCz1、Cz2、b1、b2の回転軸
方向の空間的な関係を示す図である。
【0149】図12から明らかなように、励起三重項状
態(図12(c))とカチオンラジカル状態(図12
(a))は、空間的配置が近似している。一方、励起一
重項状態(図12(b))では、Cz2は、Cz1に対
して大きく回転し、空間的配置が他の二者とは異なる。
カチオンラジカルに電子が一個飛び込んで励起状態を形
成するとき、統計理論的に一重項と三重項が1:3の割
合で形成されることはすでに記述した通りである。CB
Pがカチオンラジカル状態から励起状態へ転移する場
合、構造的な変化の小さい三重項状態へ転移しやすいこ
とが予想できる。したがって、CBPは、励起子のトラ
ップサイトとして有効に活用できることが期待された。
【0150】また、AM1法を用いて、最低励起一重項
状態と最低励起三重項状態の構造を最適化し、エネルギ
ーを求めたところ、それぞれの状態におけるエネルギー
ギャップは、1.59eVであった。
【0151】他に、化学式(2)で表される化合物とし
てビフェニル−ジフェニルアミンについて、上記と同様
にAM1法を用いて、最低励起一重項状態と最低励起三
重項状態の構造を最適化し、エネルギーを求めた。それ
ぞれの状態におけるエネルギーギャップは、1.24e
Vであった。
【0152】上記化学式(1)および(2)で表される
他の化合物についても、同様の結果が得られた。エネル
ギーギャップも2eV以下であった。
【0153】一方、一般的に項間項差が大きいといわれ
ているトランススチルベンについてを行った。エネルギ
ーギャップは、2.1eVであった。上記実施例に比
べ、エネルギーギャップが大きかった。
【0154】(実施例2)本実施例では、図3に示す素
子構成の一実施例を記す。ITOを成膜したガラス基板
上に、N,N’−ジフェニル− N,N’−ビス(3−
メチルフェニル)−1,1’−ビフェニル−4,4’−
ジアミンからなる50nmの膜厚のホール輸送層を形成
した。次に、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム
と4,4’−N,N’−ジカルバゾール−ビフェニルと
を10モル:1モルの割合で、30nmの膜厚となるよ
うに共蒸着し、発光層を形成した。次に、トリス(8−
キノリノラト)アルミニウムからなる20nmの膜厚の
電子輸送層を形成した。この電子輸送層上に、リチウム
を1nm蒸着した。次に、アルミニウムからなる100
nmの膜厚の陰極を形成し、図3に示される発光素子を
製造した。
【0155】本発光素子に直流電圧を印加して、発光素
子の特性を評価した。電圧を4V印可したときの輝度
は、約500cd/m2であり、発光効率は5.0cd
/Aと、高い発光効率で安定な緑色発光が得られた。C
IE(0.35、0.53)であった。この素子を初期
輝度300cd/m2で定電流点灯試験を行ったとこ
ろ、輝度半減期は約650時間であった。
【0156】励起子形成物質のモル数:発光物質のモル
数=1モル:10モル〜1モル:1モルの範囲になるよ
うに、励起子形成物質と発光物質とを共蒸着し、励起子
形成物質が発光物質内に均一に分散された発光層を形成
した。このような発光層を含む発光素子も、同様に、発
光効率に優れ、輝度半減期も長かった。
【0157】上記トリス(8−キノリノラト)アルミニ
ウムの電子親和力を以下のようにして求めた。大気下紫
外線光電子分光装置(理研計器(株)製、AC−1)を
用いてイオン化ポテンシャルを測定したところ、5.7
eVであった。吸収端から求めたエネルギーギャップ
は、2.7eVであることから、電子親和力は、3.1
eVであった。一方、同様にCBPの電子親和力を求め
たところ、2.9eVであった。アルミキノリンの電子
親和力と比較して相対的に小さな値であった。
【0158】(実施例3)本実施例では、図4に示す素
子構成の一実施例を記す。ITOを成膜したガラス基板
上に、N,N’−ジフェニル− N,N’−ビス(3−
メチルフェニル)−1,1’−ビフェニル−4,4’−
ジアミンからなる50nmの膜厚のホール輸送層を形成
した。次に、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム
と4,4’−N,N’−ジカルバゾール−ビフェニルと
を20:1〜1:20の範囲で、発光層内の総モル数が
10モル:1モルになるように共蒸着し、30nmの膜
厚の発光層を形成した。次に、トリス(8−キノリノラ
ト)アルミニウムからなる20nmの膜厚の電子輸送層
を形成した。この電子輸送層上に、リチウムを1nm蒸
着した。次に、アルミニウムからなる100nmの膜厚
の陰極を形成し、図4に示される発光素子を製造した。
【0159】本発光素子に直流電圧を印加して、発光素
子の特性を評価した。電圧を4V印可したときの輝度
は、約500cd/m2であり、発光効率は5.0cd
/Aと、高い発光効率で安定な緑色発光が得られた。C
IE(0.35、0.53)であった。この素子を初期
輝度300cd/m2で定電流点灯試験を行ったとこ
ろ、輝度半減期は約700時間であった。
【0160】(実施例4)本実施例では、図5に示す素
子構成の一実施例を記す。本実施例では、発光層4を積
層体とした。すなわち、図5に示すように、発光層4を
励起子形成層21、発光物質層22、励起子形成層21
の順に積層した構造24とした。他の構成は、実施例2
と同様である。励起子形成層は、4,4’−N,N’−
ジカルバゾール−ビフェニルからなり、膜厚を1nmと
した。発光物質層は、トリス(4−メチル−8−キノリ
ノラト)アルミニウムからなり、膜厚を30nmとし
た。
【0161】本発光素子に直流電圧を印加して、発光素
子の特性を評価した。電圧を4V印可したときの輝度
は、約650cd/m2であり、発光効率は7.6cd
/Aと、高い発光効率で安定な青緑色発光が得られた。
この素子を初期輝度300cd/m2で定電流点灯試験
を行ったところ、輝度半減期は約800時間であった。
【0162】(実施例5)本実施例では、図6に示す素
子構成の一実施例を記す。本実施例では、発光層4を積
層体とした。すなわち、図6に示すように、発光層4を
発光物質層22、励起子形成層21、発光物質層22の
順に積層した構造24とした。他の構成は、実施例2と
同様である。励起子形成層は、4,4’−N,N’−ジ
カルバゾール−ビフェニルからなり、膜厚を1nmとし
た。発光物質層は、トリス(4−メチル−8−キノリノ
ラト)アルミニウムからなり、膜厚を30nmとした。
【0163】本発光素子に直流電圧を印加して、発光素
子の特性を評価した。電圧を4V印可したときの輝度
は、約650cd/m2であり、発光効率は7.2cd
/Aと、高い発光効率で安定な青緑色発光が得られた。
この素子を初期輝度300cd/m2で定電流点灯試験
を行ったところ、輝度半減期は約750時間であった。
【0164】(実施例6)本実施例では、図8に示す素
子構成の一実施例を記す。本実施例では、発光層を積層
体とした。すなわち、図8に示すように、発光層を発光
物質層22、励起子形成層21の順に積層した積層単位
24を1個有する構造とした。図7に示す発光素子の実
施態様のひとつである。他の構成は、実施例2と同様で
ある。励起子形成層は、4,4’−N,N’−ジカルバ
ゾール−ビフェニルからなり、膜厚を1nmとした。発
光物質層は、トリス(4−メチル−8−キノリノラト)
アルミニウムからなり、膜厚を10nmとした。
【0165】本発光素子に直流電圧を印加して、発光素
子の特性を評価した。電圧を4V印可したときの輝度
は、約660cd/m2であり、発光効率は5.2cd
/Aと、高い発光効率で安定な緑色発光が得られた。こ
の素子を初期輝度300cd/m2で定電流点灯試験を
行ったところ、輝度半減期は約800時間であった。 (実施例7)本実施例では、図9に示す素子構成の一実
施例を記す。本実施例では、発光層を積層体とした。す
なわち、図9に示すように、発光層は、発光物質層2
2、励起子形成層21の順に積層した積層単位24を5
個有し、この積層体24とホール輸送層3との間に、励
起子形成層21が設けられた構造とした。他の構成は、
実施例2と同様である。励起子形成層は、4,4’−
N,N’−ジカルバゾール−ビフェニルからなり、膜厚
を1nmとした。発光物質層は、トリス(8−キノリノ
ラト)アルミニウムからなり、膜厚を2nmとした。
【0166】本発光素子に直流電圧を印加して、発光素
子の特性を評価した。電圧を4V印可したときの輝度
は、約550cd/m2であり、発光効率は5.2cd
/Aと、高い発光効率で安定な緑色発光が得られた。こ
の素子を初期輝度300cd/m2で定電流点灯試験を
行ったところ、輝度半減期は約500時間であった。
【0167】(実施例8)本実施例では、図9に示す素
子構成の一実施例を記す。本実施例では、発光層を積層
体とした。すなわち、図9に示すように、発光層は、発
光物質層22、励起子形成層21の順に積層した積層単
位24を3個有し、この積層体24とホール輸送層3と
の間に、励起子形成層21が設けられた構造とした。他
の構成は、実施例2と同様である。励起子形成層は、
4,4’−N,N’−ジカルバゾール−ビフェニルから
なり、膜厚を1nmとした。発光物質層は、トリス(8
−キノリノラト)アルミニウムからなり、膜厚を3nm
とした。
【0168】本発光素子に直流電圧を印加して、発光素
子の特性を評価した。電圧を4V印可したときの輝度
は、約600cd/m2であり、発光効率は5.0cd
/Aと、高い発光効率で安定な緑色発光が得られた。こ
の素子を初期輝度300cd/m2で定電流点灯試験を
行ったところ、輝度半減期は約500時間であった。
【0169】(実施例9)本実施例では、図10に示す
素子構成の一実施例を記す。本実施例では、発光層を積
層体とした。すなわち、図10に示すように、発光層
は、発光物質層22、励起子形成層21の順に積層した
積層単位24を10個有し、この積層体24と電子輸送
層5との間に、膜厚3nmの発光物質層22が設けられ
た構造とした。他の構成は、実施例2と同様である。励
起子形成層は、4,4’−N,N’−ジカルバゾール−
ビフェニルからなり、膜厚を1nmとした。発光物質層
は、トリス(8−キノリノラト)アルミニウムからな
り、膜厚を2nmとした。
【0170】(実施例10)本発光素子に直流電圧を印
加して、発光素子の特性を評価した。電圧を4V印可し
たときの輝度は、約500cd/m2であり、発光効率
は5.2cd/Aと、高い発光効率で安定な緑色発光が
得られた。この素子を初期輝度300cd/m2で定電
流点灯試験を行ったところ、輝度半減期は約550時間
であった。
【0171】(実施例11)図13は、本発明の発光素
子を用いた表示装置の一例を説明するための模式図であ
る。この例では、表示装置は、画像信号を発生する画像
信号出力部30と、前記画像信号出力部からの画像信号
を発生する走査電極駆動回路31と信号駆動回路32を
有する駆動部33と100×100のマトリクス状に配
列された発光素子34を有する発光部35とを備えてい
る。実施例2〜9で作成した発光素子をそれぞれ100
×100のマトリクス状に配列した図13に示す電界発
光表示装置を作成し、動画を表示させた。いずれの表示
装置も色純度の高い良好な画像が得られた。また、繰り
返し電界発光表示装置を作成しても、装置間のばらつき
がなく、面内均一性の優れた装置が得られた。
【0172】(実施例12)図14は、本発明の発光素
子を用いた照明装置の一例を説明するための模式図であ
る。この例では、表示装置は、電流を発生する駆動部4
0と前記駆動部から発生した電流に基づいて発光する発
光素子を有する発光部41とを備えている。またこの例
では、照明装置は液晶表示パネル42のバックライトと
して用いた。実施例2〜9で作成した発光素子をフィル
ム基板上に作成し、電圧を印加し点灯したところ、輝度
の損失につながる間接照明を用いることなく、局面状の
均一な面発光照明装置が得られた。
【0173】(比較例1)実施例2の発光素子におい
て、発光層を膜厚30nmのトリス(8−キノリノラ
ト)アルミニウムからなる層とした以外は、実施例2と
同様にして発光素子を作成した。
【0174】本発光素子に直流電圧を印加して、発光素
子の特性を評価した。電圧を4V印可したときの輝度
は、約300cd/m2であり、発光効率は2.8cd
/Aであった。CIE(0.35、0.53)の緑色発
光が得られた。この素子を初期輝度300cd/m2
定電流点灯試験を行ったところ、輝度半減期は約100
時間であった。実施例2に比べて、発光効率も色安定性
も悪かった。さらに、耐久性も実施例2に比べ、劣って
いた。
【0175】(比較例2)実施例3の発光素子におい
て、発光層を膜厚30nmのトリス(4−メチル−8−
キノリノラト)アルミニウムからなる層とした以外は、
実施例2と同様にして発光素子を作成した。
【0176】本発光素子に直流電圧を印加して、発光素
子の特性を評価した。電圧を4V印可したときの輝度
は、約410cd/m2であり、発光効率は4.5cd
/Aであった。この素子を初期輝度300cd/m2
定電流点灯試験を行ったところ、輝度半減期は約230
時間であった。実施例2に比べて、発光効率も色安定性
も悪かった。さらに、耐久性も実施例2に比べ、劣って
いた。
【0177】
【発明の効果】以上で説明したように、本発明の励起子
形成物質は、励起三重項状態を生成しやすいので、励起
子トラップサイトとして利用できる。
【0178】また、このような励起子形成物質を発光物
質とともに用いると、発光物質の発光を促進し、発光物
質単独で使用するよりも、発光物質の発光効率を高める
ことができる。
【0179】上記の励起子形成物質と発光物質とを含む
発光材料を発光素子に用いると、励起子形成物質の濃度
依存性が少ない。このため、量産過程でも、濃度制御し
やすく、同一素子間あるいは素子間での均一性および再
現性が得やすい。また、発光物質のみが発光し、励起子
形成物質が発光しないので、色純度のよい発光素子が得
られる。さらに、本発明の発光素子では、燐光発光では
なく、蛍光発光が主としてなされるので、輻射過程が早
く、高輝度領域においても電流効率が低下しない。
【0180】また、近距離間でエネルギーが移動するデ
クスター移動によりエネルギーが移動するので、ホール
ブロック層の必要がなく、素子構成が簡易となる。さら
に、ホールブロック層の必要がないので、動作電圧が著
しく上昇することなく、長寿命化が図られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の発光のメカニズムを模式的に説明する
ための図である。図1(a)は、励起子形成物質を添加
していない状態における発光物質の発光を説明するため
の図である。図1(b)は、発光物質に励起子形成物質
を添加させた状態における励起子形成物質から発光物質
へのエネルギーの移動を説明するための図である。図1
(c)は、エネルギーの移動がされた発光物質の発光を
説明するための図である。
【図2】本発明で用いることのできる発光素子の一例を
示す模式図である。
【図3】本発明の発光素子の一態様を模式的に示す図で
ある。
【図4】本発明の発光素子の別の一態様を模式的に示す
図である。
【図5】本発明の発光層が積層体である発光素子の一例
を示す図である。
【図6】本発明の発光層が積層体である発光素子の別の
一例を示す図である。
【図7】本発明の発光層が積層体である発光素子の別の
一例を示す図である。
【図8】本発明の発光層が積層体である発光素子の別の
一例を示す図である。
【図9】本発明の発光層が積層体である発光素子の別の
一例を示す図である。
【図10】本発明の発光層が積層体である発光素子のさ
らに別の一例を示す図である。
【図11】CBPの構造を説明するための図である。
【図12】CBPのCz1、Cz2、b1、b2の回転
軸方向の空間的な関係を示す図である。図12(a)
は、カチオンラジカル状態のCBPのCz1、Cz2、
b1、b2の回転軸方向の空間的な関係を示す図であ
る。図12(b)は、励起一重項状態のCBPのCz
1、Cz2、b1、b2の回転軸方向の空間的な関係を
示す図である。図12(c)は、励起三重項状態のCB
PのCz1、Cz2、b1、b2の回転軸方向の空間的
な関係を示す図である。
【図13】図13は、本発明の発光素子を用いた表示装
置の一例を説明するための模式図である。
【図14】図14は、本発明の発光素子を用いた照明装
置の一例を説明するための模式図である。
【図15】図15は、ドーピング法のメカニズムを説明
するための概念図である。図15(a)は、ドーパント
をドーピングする前のノンドープ発光の様子を示す概念
図である。図15(b)は、発光分子にドーパントをド
ーピングした状態における発光分子からドーパントへの
エネルギーの移動を説明するための図である。図15
(c)は、エネルギーの移動がされた後のドーパントの
発光を説明するための図である。
【符号の説明】
1 透明基板 2 陽極 3 ホール輸送層 4 発光層 5 電子輸送層 6 陰極 7 励起子形成物質 8 発光物質 11 発光物質 12 発光していない分子 13 発光している分子 14 励起子形成物質 15 エネルギー移動(デクスター移動) 16 ドーパント 17 エネルギー移動(フェルスター移動) 18 発光しているドーパント 21 励起子形成層 22 発光物質層 23 積層単位 24 積層体 30 画像信号出力部 31 走査電極駆動回路 32 信号駆動回路 33 駆動部 34 発光素子 35 発光部 40 駆動部 41 発光部 42 液晶表示パネル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 杉浦 久則 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 久田 均 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 3K007 AB00 AB02 AB03 AB04 AB06 BA06 CA01 CA05 CB01 DA00 DB03 EB00 FA01

Claims (38)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 励起一重項のエネルギーレベルと励起
    三重項のエネルギーレベルとのエネルギーレベル差が2
    eV以下であることを特徴とする励起子形成物質。
  2. 【請求項2】 カチオンラジカル状態でエネルギー的
    に安定な立体配置と、励起状態でエネルギー的に安定な
    立体配置とが近似し、カチオンラジカル状態から励起状
    態への転移がエネルギー的に有利であることを特徴とす
    る励起子形成物質。
  3. 【請求項3】 カチオンラジカル状態でエネルギー的
    に安定な立体配置と、励起三重項状態でエネルギー的に
    安定な立体配置とが近似し、カチオンラジカル状態から
    励起三重項状態への転移がエネルギー的に有利であるこ
    とを特徴とする励起子形成物質。
  4. 【請求項4】 前記励起子形成物質が、下記一般式
    (1)で示される有機化合物であることを特徴とする請
    求項1から請求項3のいずれかに記載の励起子形成物
    質。 【化1】 (式中、R1〜R4は、炭素数6〜18のアリール基、
    窒素原子を1〜3個含む複素芳香環を示し、これらはさ
    らに、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数6〜18のア
    リール基、窒素原子を1〜3個含む複素芳香環、ビニル
    基、スチリル基、ジフェニルビニル基で置換されていて
    もよい。R1〜R4は、互いに同一であっても異なって
    いても良く、R1とR2、R3とR4は、互いに結合し
    て飽和あるいは不飽和の5員環または6員環を形成して
    もよく、縮合多環芳香族を形成してもよい。)
  5. 【請求項5】 前記励起子形成物質が、下記一般式
    (2)で示される有機化合物であることを特徴とする請
    求項1から請求項3のいずれかに記載の励起子形成物
    質。 【化2】 (式中、R5、R6は、炭素数6〜18のアリール基、
    窒素原子を1〜3個含む複素芳香環を示し、これらはさ
    らに、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数6〜18のア
    リール基、窒素原子を1〜3個含む複素芳香環、ビニル
    基、スチリル基、ジフェニルビニル基で置換されていて
    もよい。R5、R6は、互いに同一であっても異なって
    いても良く、R5とR6は、互いに結合して飽和あるい
    は不飽和の5員環または6員環を形成してもよく、縮合
    多環芳香族を形成してもよい。R7は、水素、炭素数1
    〜6のアルキル基、炭素数6〜18のアリール基、窒素
    原子を1〜3個含む複素芳香環、ビニル基、スチリル
    基、ジフェニルビニル基を示す。)
  6. 【請求項6】 励起子形成物質と、発光物質とを含む
    発光材料。
  7. 【請求項7】 励起一重項のエネルギーレベルと励起
    三重項のエネルギーレベルとのエネルギーレベル差が2
    eV以下である励起子形成物質と、励起一重項エネルギ
    ーレベルが前記励起子形成物質の励起三重項エネルギー
    レベル以下である発光物質と、を含む発光材料。
  8. 【請求項8】 カチオンラジカル状態でエネルギー的
    に安定な立体配置と、励起三重項状態でエネルギー的に
    安定な立体配置とが近似し、カチオンラジカル状態から
    励起三重項状態への転移がエネルギー的に有利である励
    起子形成物質と、励起一重項エネルギーレベルが前記励
    起子形成物質の励起三重項エネルギーレベル以下である
    発光物質と、を含む発光材料。
  9. 【請求項9】 前記励起子形成物質が、下記一般式
    (1)で示される有機化合物であることを特徴とする請
    求項6ないし請求項8のいずれかに記載の発光材料。 【化3】 (式中、R1〜R4は、炭素数6〜18のアリール基、
    窒素原子を1〜3個含む複素芳香環を示し、これらはさ
    らに、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数6〜18のア
    リール基、窒素原子を1〜3個含む複素芳香環、ビニル
    基、スチリル基、ジフェニルビニル基で置換されていて
    もよい。R1〜R4は、互いに同一であっても異なって
    いても良く、R1とR2、R3とR4は、互いに結合し
    て飽和あるいは不飽和の5員環または6員環を形成して
    もよく、縮合多環芳香族を形成してもよい。)
  10. 【請求項10】 前記励起子形成物質が、下記一般式
    (2)で示される有機化合物であることを特徴とする請
    求項6ないし請求項8のいずれかに記載の発光材料。 【化4】 (式中、R5、R6は、炭素数6〜18のアリール基、
    窒素原子を1〜3個含む複素芳香環を示し、これらはさ
    らに、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数6〜18のア
    リール基、窒素原子を1〜3個含む複素芳香環、ビニル
    基、スチリル基、ジフェニルビニル基で置換されていて
    もよい。R5、R6は、互いに同一であっても異なって
    いても良く、R5とR6は、互いに結合して飽和あるい
    は不飽和の5員環または6員環を形成してもよく、縮合
    多環芳香族を形成してもよい。R7は、水素、炭素数1
    〜6のアルキル基、炭素数6〜18のアリール基、窒素
    原子を1〜3個含む複素芳香環、ビニル基、スチリル
    基、ジフェニルビニル基を示す。)
  11. 【請求項11】 前記発光材料に含まれる励起子形成
    物質のモル数が、発光物質のモル数以下であることを特
    徴とする請求項6ないし請求項10のいずれかに記載の
    発光材料。
  12. 【請求項12】 励起一重項のエネルギーレベルと励
    起三重項のエネルギーレベルとのエネルギーレベル差が
    2eV以下である励起子形成物質と、励起一重項エネル
    ギーレベルが前記励起子形成物質の励起三重項エネルギ
    ーレベル以下である発光物質とを含む発光材料に、電圧
    を印加して、前記発光物質を発光させる発光方法。
  13. 【請求項13】 カチオンラジカル状態でエネルギー
    的に安定な立体配置と、励起三重項状態でエネルギー的
    に安定な立体配置とが近似し、カチオンラジカル状態か
    ら励起三重項状態への転移が可能である励起子形成物質
    と、励起一重項エネルギーレベルが前記励起子形成物質
    の励起三重項エネルギーレベル以下である発光物質とを
    含む発光材料に、電圧を印加して、前記発光物質を発光
    させる発光方法。
  14. 【請求項14】 陽極と陰極との間に、発光層を含む
    発光素子であって、前記発光層が、励起子形成物質と、
    発光物質とを含む発光材料を有することを特徴とする発
    光素子。
  15. 【請求項15】 陽極と陰極との間に、発光層を含む
    発光素子であって、前記発光層が、励起一重項のエネル
    ギーレベルと励起三重項のエネルギーレベルとのエネル
    ギーレベル差が2eV以下である励起子形成物質と、励
    起一重項エネルギーレベルが前記励起子形成物質の励起
    三重項エネルギーレベル以下である発光物質とを含む発
    光材料を有することを特徴とする発光素子。
  16. 【請求項16】 陽極と陰極との間に、発光層を含む
    発光素子であって、前記発光層が、カチオンラジカル状
    態でエネルギー的に安定な立体配置と、励起三重項状態
    でエネルギー的に安定な立体配置とが近似し、カチオン
    ラジカル状態から励起三重項状態への転移がエネルギー
    的に有利である励起子形成物質と、励起一重項エネルギ
    ーレベルが前記励起子形成物質の励起三重項エネルギー
    レベル以下である発光物質とを含む発光材料を有するこ
    とを特徴とする発光素子。
  17. 【請求項17】 陽極と陰極との間に、発光層を含む
    発光素子であって、前記励起子形成物質が、下記一般式
    (1)で示される有機化合物であることを特徴とする請
    求項14ないし請求項16のいずれかに記載の発光素
    子。 【化5】 (式中、R1〜R4は、炭素数6〜18のアリール基、
    窒素原子を1〜3個含む複素芳香環を示し、これらはさ
    らに、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数6〜18のア
    リール基、窒素原子を1〜3個含む複素芳香環、ビニル
    基、スチリル基、ジフェニルビニル基で置換されていて
    もよい。R1〜R4は、互いに同一であっても異なって
    いても良く、R1とR2、R3とR4は、互いに結合し
    て飽和あるいは不飽和の5員環または6員環を形成して
    もよく、縮合多環芳香族を形成してもよい。)
  18. 【請求項18】 陽極と陰極との間に、発光層を含む
    発光素子であって、前記励起子形成物質が、下記一般式
    (2)で示される有機化合物であることを特徴とする請
    求項14ないし請求項16のいずれかに記載の発光素
    子。 【化6】 (式中、R5、R6は、炭素数6〜18のアリール基、
    窒素原子を1〜3個含む複素芳香環を示し、これらはさ
    らに、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数6〜18のア
    リール基、窒素原子を1〜3個含む複素芳香環、ビニル
    基、スチリル基、ジフェニルビニル基で置換されていて
    もよい。R5、R6は、互いに同一であっても異なって
    いても良く、R5とR6は、互いに結合して飽和あるい
    は不飽和の5員環または6員環を形成してもよく、縮合
    多環芳香族を形成してもよい。R7は、水素、炭素数1
    〜6のアルキル基、炭素数6〜18のアリール基、窒素
    原子を1〜3個含む複素芳香環、ビニル基、スチリル
    基、ジフェニルビニル基を示す。)
  19. 【請求項19】 前記発光層は、前記励起子形成物質
    が前記発光物質中に分散されているものである請求項1
    4ないし請求項18のいずれかに記載の発光素子。
  20. 【請求項20】 前記発光層は、前記励起子形成物質
    が前記発光物質中に均一に分散されていることを特徴と
    する請求項14ないし請求項18のいずれかに記載の発
    光素子。
  21. 【請求項21】 前記発光層は、前記励起子形成物質
    が前記発光物質中で濃度勾配を有して分散されているこ
    とを特徴とする請求項14ないし請求項18のいずれか
    に記載の発光素子。
  22. 【請求項22】 前記発光層は、前記励起子形成物質
    が前記発光物質中で発光層の厚み方向に濃度勾配を有し
    て分散され、陰極に近づく程高濃度になるように勾配を
    有していることを特徴とする請求項14ないし請求項1
    8のいずれかに記載の発光素子。
  23. 【請求項23】 前記発光層は、前記励起子形成物質
    を含む励起子形成層と前記発光物質を含む発光物質層と
    の積層体であることを特徴とする請求項14ないし請求
    項18のいずれかに記載の発光素子。
  24. 【請求項24】 前記積層体が、前記陽極側から励起
    子形成層、発光物質層、励起子形成層の順に積層された
    ものである請求項23に記載の発光素子。
  25. 【請求項25】 前記積層体が、前記陽極側から発光
    物質層、励起子形成層、発光物質層の順に積層されたも
    のである請求項23に記載の発光素子。
  26. 【請求項26】 前記積層体が、前記陽極側から発光
    物質層、励起子形成層の順に積層された構造を有する積
    層単位を含むことを特徴とする請求項23に記載の発光
    素子。
  27. 【請求項27】 前記積層単位の数が、1以上、25
    0以下であることを特徴とする請求項26に記載の発光
    素子。
  28. 【請求項28】 前記積層体に含まれる前記励起子形
    成物質の総モル数が、前記積層体に含まれる前記発光物
    質の総モル数以下であることを特徴とする請求項23な
    いし請求項27のいずれかに記載の発光素子。
  29. 【請求項29】 前記積層体の厚みが、4nm〜10
    00nmであることを特徴とする請求項23ないし請求
    項28のいずれかに記載の発光素子。
  30. 【請求項30】 前記積層体を構成し、互いに接して
    積層された発光物質層と励起子形成層とにおいて、前記
    励起子形成層の厚みは、該発光物質層の厚み以下である
    ことを特徴とする請求項23ないし請求項29のいずれ
    かに記載の発光素子。
  31. 【請求項31】 陽極と陰極との間に、ホールと電子
    の再結合により発光する発光層を含む発光素子であっ
    て、前記発光層が励起子形成物質と、発光物質とを含む
    発光材料を含み、発光物質と、励起子三重項状態の励起
    子形成物質との間で、電子の交換を伴って、前記励起子
    形成物質から前記発光物質へエネルギーが移動されるこ
    とにより、発光物質分子内での電子とホールの再結合が
    促進されるものである発光素子。
  32. 【請求項32】 陽極と陰極との間に、発光層を含む
    発光素子であって、前記発光層は、発光物質を含むホス
    ト材料中に、励起子形成物質からなるゲスト材料を含
    み、前記ホスト材料からの発光が得られることを特徴と
    する発光素子。
  33. 【請求項33】 前記励起子形成物質が発光しないこ
    とを特徴とする請求項14ないし請求項32のいずれか
    に記載の発光素子。
  34. 【請求項34】 陽極と陰極との間に、発光層を含む
    発光素子であって、前記発光層が、励起一重項のエネル
    ギーレベルと励起三重項のエネルギーレベルとのエネル
    ギーレベル差が2eV以下である励起子形成物質と、励
    起一重項エネルギーレベルが当該励起子形成物質の励起
    三重項エネルギーレベル以下であり、かつ電子親和力が
    当該励起子形成物質の電子親和力よりも大きい可視光発
    光物質とを含むことを特徴とする発光素子。
  35. 【請求項35】 画像信号を発生する画像信号出力部
    と、前記画像信号出力部からの画像信号に基づいて電流
    を発生する駆動部と、前記駆動部から発生した電流に基
    づいて発光する発光部とを備えた表示装置であって、前
    記発光部は少なくとも1個の発光素子を有し、該発光素
    子が請求項14ないし請求項34のいずれかに記載の発
    光素子であることを特徴とする表示装置。
  36. 【請求項36】 複数個の発光素子が基板上にマトリ
    クス状に配設されている請求項35記載の表示装置。
  37. 【請求項37】 前記発光素子が、発光素子の駆動制
    御用の薄膜トランジスタが設けられた基板上に積層して
    形成されたことを特徴とする請求項35に記載の表示装
    置。
  38. 【請求項38】 電流を発生する駆動部と、前記駆動
    部から発生した電流に基づいて発光する発光部とを備え
    た照明装置であって、前記発光部は少なくとも1個の発
    光素子を有し、該発光素子が請求項14ないし請求項3
    4のいずれかに記載の発光素子であることを特徴とする
    照明装置。
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