JP2008172271A - 有機電界発光素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】有機電界発光素子の素子構成を改良することによって、色純度に優れた素子を実現すること。
【解決手段】陽極2と陰極6からなる一対の電極と、その間に少なくとも発光層4を含めた一層以上の有機物から構成される層を有した有機電界発光素子において、発光層4に電荷輸送性の強い材料をある条件で混合することにより、発光層4内に確実に電荷注入・再結合が起こるため、発光層4からの発光だけを取り出すことが可能となり、素子の色純度が向上する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、各種の表示装置として広範囲に利用される発光素子であって、色純度に優れた有機電界発光素子に関するものである。
電界発光素子は、自己発光のために液晶素子にくらべて明るく、鮮明な表示が可能であるため、古くから多くの研究者によって研究されてきた。現在実用レベルに達した電界発光素子としては、無機材料のZnSを用いた素子がある。しかし、このような無機の電界発光素子は、発光のための駆動電圧として50V以上が必要であるため、広く使用されるには至っていない。
これに対して有機材料を用いた電界発光素子である有機電界発光素子は、従来は実用的なレベルからはほど遠いものであったが、1987年にイーストマン・コダック社のシー・ダブリュ・タン(C.W.Tang)らによって開発された積層構造素子によりその特性が飛躍的に進歩した。彼らは蒸着膜の構造が安定で電子を輸送することのできる蛍光体からなる層(電子輸送性発光層)と、正孔を輸送することのできる有機物からなる層(正孔輸送層)とを積層し、正孔と電子を蛍光体中に注入して発光させることに成功した。これによって有機電界発光素子の発光効率が向上し、10V以下の電圧で1000cd/m2以上の発光が得られるようになった。その後、電子輸送性発光層を発光層と電子輸送層に分けるなど、素子を構成する層の機能分離が進められた結果、現在では10000cd/m2以上の発光特性が得られている。
このような有機電界発光素子は、発光層を構成する材料を変更することによりその発光色を任意に変更することができる。さらに、青・緑・赤色の発光素子を組み合わせることにより、フルカラー表示が可能となり、薄型軽量のフルカラーディスプレイを実現することが可能となる。
しかしながら、上記のようなフルカラーディスプレイにおいて、より高品位の表示を実現するためには、青・緑・赤色各色の色純度をさらに高くすることが必要不可欠である。
本発明の目的は、有機電界発光素子の素子構成を改良することによって、色純度の改善された有機電界発光素子を実現することにある。
本発明の有機電界発光素子は、陽極と陰極からなる一対の電極と、前記陽極と陰極の間に少なくとも発光層を含めた一層以上の有機物から構成される層を有する有機電界発光素子において、前記発光層を構成する主な材料としてエネルギーギャップが2.7eV以上である芳香族メチリデン化合物が使用され、かつ前記発光層に前記発光層を構成する材料よりも電荷輸送性が強い材料が混合されていることを特徴とするものである。発光層を構成する材料として蛍光強度の強い材料を用い、かつ電荷輸送性が強い材料を混合することにより、発光効率の優れた素子を得ることができる。
また、本発明の有機電界発光素子は、前記芳香族メチリデン化合物が下記一般式(1)で表されることを特徴とするものであり、高色純度の青色発光を得ることができる。
Figure 2008172271
(式中Ar1は一般式(A)〜(D)のいずれかである2価の基、Ar2は一般式(E)〜(I)のいずれかである2価の基である。ここでnは1から3の整数、R1、R2はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基、置換もしくは無置換のアリール基である。)
Figure 2008172271
Figure 2008172271
また、本発明の有機電界発光素子は、陽極と陰極からなる一対の電極と、前記陽極と陰極の間に少なくとも発光層を含めた一層以上の有機物から構成される層を有する有機電界発光素子において、前記発光層に電荷輸送材料を10 mol %以下混合したことを特徴とするものである。混合する電荷輸送材料の濃度を低く抑えることにより、電荷輸送材料間の電荷のやり取りを抑制し、発光層に流れる無効電流を少なくすることができる。
また、本発明の有機電界発光素子は、陽極と陰極からなる一対の電極と、前記陽極と陰極の間に少なくとも発光層を含めた一層以上の有機物から構成される層を有する有機電界発光素子において、前記発光層を主に構成する材料が吸収しうる波長に蛍光波長を有する電荷輸送材料を前記発光層に混合したことを特徴とするものである。発光層を構成する材料へのエネルギー移動確率が高い材料を電荷輸送材料として用いることにより、より確実に発光層に注入された電荷を発光材料に移動させることができる。
また、本発明の有機電界発光素子は、陽極と陰極からなる一対の電極と、前記陽極と陰極の間に少なくとも発光層を含めた一層以上の有機物から構成される層を有する有機電界発光素子において、前記発光層に前記発光層と接して設けられた正孔輸送層を構成する材料のイオン化ポテンシャルよりも小さいイオン化ポテンシャルを有する電荷輸送材料を混合したことを特徴とするものである。このような電荷輸送材料を用いることにより、確実に発光層内に正孔を注入することができる。
また、本発明の有機電界発光素子は、陽極と陰極からなる一対の電極と、前記陽極と陰極の間に少なくとも発光層を含めた一層以上の有機物から構成される層を有する有機電界発光素子において、前記発光層に前記発光層と接して設けられた電子輸送層を構成する材料の電子親和力よりも大きい電子親和力を有する電荷輸送材料を混合したことを特徴とするものである。このような電荷輸送材料を用いることにより、確実に発光層内に電子を注入することができる。
また、本発明の有機電界発光素子は、上記した各電荷輸送材料が下記一般式(2)で表されることを特徴とするものであり、電荷輸送材料として高耐熱性の有機材料を用いることで、より耐久性の高い発光素子を実現することができる。
Figure 2008172271
(式中、R3、R4、R5はそれぞれ独立に水素原子、低級アルキル基、置換または無置換のアリール基、R6、R7はそれぞれ独立に水素原子、低級アルキル基、ハロゲン原子を表す。)
また、本発明の有機電界発光素子は、陽極と陰極からなる一対の電極と、前記陽極と陰極の間に少なくとも発光層を含めた一層以上の有機物から構成される層を有する有機電界発光素子において、前記発光層の一部の層領域に電荷輸送材料を混合したことを特徴とするものであり、発光層の一部のみに混合層を設けることにより、漏れ電流を抑制し、電流効率の高い素子を実現することができる。
また、本発明の有機電界発光素子は、陽極と陰極からなる一対の電極と、前記陽極と陰極の間に少なくとも発光層を含めた一層以上の有機物から構成される層を有する有機電界発光素子において、前記発光層の正孔輸送層と接する領域に正孔輸送材料を混合した層領域を設けるとともに、前記発光層の電子輸送層と接する領域に電子輸送材料を混合した層領域を設けたことを特徴とするものであり、一つの発光層内に正孔輸送材料、電子輸送材料をそれぞれ混合した層領域を設けることで、発光層内にバランス良く正孔・電子を注入することができる。
以上のように、本発明の有機電界発光素子は、陽極と陰極からなる一対の電極と、その間に少なくとも発光層を含めた一層以上の有機物から構成される層を有し、発光層として発光材料に電荷輸送性の強い材料をある条件で混合するようにしたので、従来の素子に比べて色純度に優れた有機電界発光素子が得られるという有利な効果が得られる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。図1は本発明による有機電界発光素子の概略構成を示す断面図である。基板1上に陽極2を形成し、その上に正孔輸送層3、発光層4、電子輸送層5、陰極6を形成したものである。
基板1は、透明で表面が平滑なものであれば使用できる。一般的にはガラス、プラスティックが用いられる。また、素子作製時に支持できれば、任意の厚さの基板を使用できる。
陽極2は、透明電極としてインジウム錫酸化物(ITO)や半透明電極としての金薄膜を用いることができる。
正孔輸送層3と電子輸送層5が、それぞれ電荷輸送層を構成する。それぞれの電荷輸送層は、電極からの電荷の注入を容易にし、注入された電荷を発光領域まで輸送するという働きをする。正孔輸送層3としては、正孔輸送性の強い材料が使用され、具体的にはN、N'−ジフェニル−N、N'−ビス(3−メチルフェニル)1,1'−ビフェニル−4,4'−ジアミン(TPD)、4、4'−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニル−アミノ]ビフェニル(α−NPD)などのトリフェニルアミン誘導体やチオフェン誘導体、スチルベン誘導体などを用いることができる。
電子輸送層5としては、電子輸送性の強い材料が用いることができ、具体的にはフェナントロリン誘導体,オキサジアゾール誘導体やトリス(8−ヒドロキシキノリノール)アルミニウム(Alq)などに代表されるキノリノール金属錯体などを使用することができる。
陰極6は、有機膜に電子が注入できることが必要であり、アルカリ金属またはアルカリ土類金属またはその化合物を構成材料の一つとして用いることが多い。具体的にはリチウム、マグネシウムやカルシウム、あるいはこれらの金属や化合物を他の金属と組み合わせて用いることができる。
発光層4としては、従来からも数多くの化合物群が検討されているが、基本的には電子・正孔の注入が可能でかつ蛍光・りん光を有する物質であれば使用できる。また、成膜性に優れた材料の中に色素を少量分散させた膜を発光層として用いることにより、素子の高効率化、長寿命化および発光色の調整をすることも検討されている。この手法は、単独では結晶化しやすい、あるいは濃度消光を起こしやすい蛍光色素に対して非常に有効である。
前述のとおり、一般に有機電界発光素子は、発光層4に用いる材料の種類を変えることにより発光色を変化させることができる。発光層4の構成材料として、エネルギーギャップ(Eg)の大きい青色蛍光材料を用いることで、高色純度の青色発光素子の実現が期待されるが、実際にはEgの大きい材料への電荷の注入は困難であり、電子と正孔が発光層以外の層、例えば電子輸送層や正孔輸送層で電荷の再結合が生じてしまう。そのために素子の発光スペクトルがブロードになり発光色が白っぽくなる現象がよく観測される。
しかしながら、本実施の形態によれば、発光層4の全体、または発光層4の一部に電荷輸送性が強く非発光性の材料をある条件のもとで混合することにより、より効率よく発光層中に電荷を注入し再結合させることが可能となる。例えば、元来蛍光強度が強い芳香族メチリデン化合物に電荷輸送材料を混合したものを発光層として用いると、色純度の高い素子が得られる。特に(化5)に一般式(1)として示した材料はEgが大きく、高色純度の青色発光が得られる。
また、電荷輸送材料を混合する時の濃度としては、電荷輸送材料間でホッピング伝導や電荷の再結合が起こらない濃度である必要がある。最適な濃度は用いる有機材料や素子構成によっても変化するが、少なくとも10 mol %以下である必要がある。
発光層4に混合する電荷輸送材料に用いる材料としては、発光層4に接する正孔輸送層3または電子輸送層5からの電荷注入が容易である必要がある。また混合された電荷輸送材料での電荷再結合が起こりにくく、再結合が生じた場合にもエネルギーが確実に発光材料へ移動するような材料が望ましい。具体的には、(化8)の一般式(2)で表される高耐熱性の有機材料を用いることで、より耐久性の高い発光素子を実現することができる。
このように、本実施の形態では、発光層4の構成材料として、エネルギーギャップ(Eg)の大きい青色蛍光材料である芳香族メチリデン化合物を使用し、さらにこの材料に電荷輸送性の強い材料を10 mol %以下の濃度で混合することにより、より効率よく発光層中に電荷を注入し再結合させることが可能となり、発光効率の優れた素子を得ることができる。
なお、本実施の形態では、発光層4としてエネルギーギャップ(Eg)の大きい芳香族メチリデン化合物を使用したが、他の発光材料を用いても同様に実施することができ、発光層に電荷輸送材料を混合することにより、発光効率の優れた素子を得ることができる。
また、本実施の形態では、有機層が正孔輸送層3、発光層4、電子輸送層5の3層から構成される場合について説明したが、複数の層の有する機能を1つの層で兼ねる場合や、各層が複数の材料から構成される場合も同様に実施可能である。また、新たな機能を有する層を挿入することも可能である。
(実施例)
次に、本発明の具体例を説明する。
(実施例1)
基板1には、ガラス上に透明な陽極2としてインジウム錫酸化膜(ITO)を予め形成し、電極の形にパターニングしたものを用いた。この基板1を充分に洗浄した後、蒸着する材料と一緒に真空装置内にセットし、10−4Paまで排気した。その後、正孔輸送層3としてN,N'−ビス[4'−(N,N−ジフェニルアミノ)−4−ビフェニリル]−N,N'−ジフェニルベンジジン(TPT)を50nm製膜した。その後、発光層4として(化9)に示す化合物(3)(蛍光ピーク波長470nm)とTPTとの混合膜を25nm製膜した。化合物(3)に対するTPTの割合は5 mol %とした。電子輸送層5としてトリス(8−ヒドロキシキノリノール)アルミニウム(Alq)を25nm製膜した後、陰極6としてAl/Li混合膜を150nmの厚さで製膜し、素子を作成した。これらの製膜は一度も真空を破ることなく、連続して行った。なお、膜厚は水晶振動子によってモニターした。素子作製後、直ちに乾燥窒素中で電極の取り出しを行い、引き続き特性測定を行った。得られた素子に電圧を印加したところ、均一な青色の発光が観測された。発光スペクトルを測定したところ、470nmにピークを有することがわかり、この素子の発光が化合物(3)に由来するものであることがわかった。CIE色度座標を求めたところ、x=0.18、y=0.23であった。
Figure 2008172271
(実施例2)
基板1には、実施例1と同様にITOを予め電極の形にパターニングして陽極2としたものを用いた。基板の洗浄後、蒸着装置内に基板をセットし10−4Paまで排気した。その後、正孔輸送層3としてTPTを50nm製膜した。その後、化合物(3)と正孔輸送材料であるTPTの混合層、化合物(3)のみからなる層、化合物(3)と電子輸送材料であるバソクプロイン(東京化成製)の混合層をそれぞれ10nmずつ製膜して発光層4とした。化合物(3)に対するTPT、バソクプロインの割合はいずれも5 mol %とした。電子輸送層5としてAlqを20nm製膜した後、陰極6としてAl/Li混合膜を150nmの厚さで製膜し、素子を作製した。素子作成後、直ちに乾燥窒素中で電極の取り出しを行い、特性測定を行った。得られた素子に電圧を印加したところ、均一な青色の発光が観測された。発光スペクトルを測定したところ、470nmにピークを有することがわかり、発光が化合物(3)に由来するものであることがわかった。CIE色度座標を求めたところ、x=0.17、y=0.21であった。
(比較例1)
化合物(3)のみからなる層を発光層4として用いたこと以外は実施例1と同様に素子を作製した。得られた素子に電圧を印加したところ青白い均一な発光が観測された。発光スペクトルを測定したところ420nmにピークを有することがわかり、この素子の発光が主に正孔輸送層3に用いているTPTに由来するものであることがわかった。
(比較例2)
化合物(3)に対してTPTを15 mol %混合した層を発光層4として用いたこと以外は実施例1と同様に素子を作製した。得られた素子に電圧を印加したところ、黄緑色の発光が観測された。発光スペクトルを測定したところ530nmにピークを有することがわかり、この素子の発光が主に電子輸送層5に用いているAlqに由来するものであることがわかった。
実施例1、2および比較例1、2の結果から、エネルギーギャップが大きく蛍光強度の強い材料である化合物(3)を使用し、さらにこの材料に電荷輸送性の強い材料を5 mol の濃度で混合することにより、発光効率の優れた素子を得ることができる。
(実施例3)
発光層として(化10)に示す化合物(4)(吸収ピーク波長360nm)に対して(化11)に示す電荷輸送材料であるTPAC(蛍光ピーク波長370nm)を5 mol %混合した層を発光層4として用いたこと以外は、実施例1と同様に素子を作成した。得られた素子に電圧を印加したところ、青緑色の均一な発光が観測された。発光スペクトルを観測したところ、490nmにピークを有することがわかり、この素子の発光が化合物(4)に由来するものであることがわかった。CIE色度座標を求めたところ、x=0.17、y=0.35であった。
Figure 2008172271
Figure 2008172271
(比較例3)
化合物(4)に対してTPACを15 mol %混合した層を発光層4として用いたこと以外は実施例1と同様に素子を作製した。得られた素子に電圧を印加したところ、黄緑色の発光が観測された。発光スペクトルを測定したところ520nmにピークを有することがわかり、この素子の発光が主に電子輸送層5に用いているAlqに由来するものであることがわかった。
実施例3および比較例3の結果から、発光層4に添加する電荷輸送材料の濃度を適当な条件にすることにより、発光層を主に構成する材料からの発光を得ることができることを確認した。
(実施例4)
化合物(3)(吸収ピーク波長330nm)に対して(化11)に示すTPAC(蛍光ピーク波長370nm)を5 mol %混合した層を発光層4として用いたこと以外は実施例1と同様に素子を作製した。得られた素子に電圧を印加したところ青色の均一な発光が観測された。発光スペクトルを測定したところ、470nmにピークを有することがわかり、この素子の発光が化合物(3)に由来するものであることがわかった。CIE色度座標を求めたところx=0.17、y=0.22であった。
(比較例4)
化合物(3)に対して(化12)に示す化合物(5)(蛍光ピーク波長500nm)を5 mol %混合した層を発光層4として用いたこと以外は実施例1と同様に素子を作成した。得られた素子に電圧を印加したところ青緑色の均一な発光が観測された。発光スペクトルを観測したところ500nmにピークを有することがわかり、この素子の発光が化合物(5)に由来するものであることがわかった。CIE色度座標を求めたところ、x=0.19、y=0.40であった。
Figure 2008172271
(比較例5)
化合物(4)に対して化合物(5)(蛍光ピーク波長500nm)を5 mol %混合した層を発光層4として用いたこと以外は実施例1と同様に素子を作成した。得られた素子に電圧を印加したところ青緑色の均一な発光が観測された。発光スペクトルを観測したところ500nmにピークを有することがわかり、この素子の発光が化合物(5)に由来するものであることがわかった。CIE色度座標を求めたところ、x=0.19、y=0.42であった。
実施例3、4および比較例4、5の結果から、発光層4を主に構成する材料が吸収しうる波長に蛍光波長を有する電荷輸送材料を発光層に混合することにより、発光層を構成する材料に由来する発光が得られることが確認できた。
(実施例5)
基板1には、実施例1と同様にITOを予め電極の形にパターニングして陽極2としたものを用いた。基板の洗浄後、基板を蒸着装置内にセットし10−4Paまで排気した。その後、正孔輸送層3としてTPD(イオン化ポテンシャル 5.5eV)を50nm製膜した。さらに化合物(3)とTPT(イオン化ポテンシャル 5.4eV)の混合層を25nm製膜して発光層4とした。化合物(3)に対するTPDの割合は5 mol %とした。電子輸送層5としてAlqを25nm製膜した後、陰極6としてAl/Li混合膜を150nmの厚さで製膜し、素子を作製した。素子作成後直ちに乾燥窒素中で電極の取り出しを行い、特性測定を行った。得られた素子に電圧を印加したところ、均一な青色の発光が観測された。発光スペクトルを調べたところ470nmにピークを有することがわかり、発光が化合物(3)に由来するものであることがわかった。CIE色度座標を求めたところ、x=0.17、y=0.22であった。
(実施例6)
発光層4として化合物(4)に対してTPTを5 mol %混合した層を用いたこと以外は実施例5と同様に素子を作成した。得られた素子に電圧を印加したところ、均一な青緑色の発光が観測された。発光スペクトルを調べたところ490nmにピークを有することがわかり、発光が化合物(4)に由来するものであることがわかった。CIE色度座標を求めたところ、x=0.18、y=0.34であった。
(実施例7)
基板1には、実施例1と同様にITOをあらかじめ電極の形にパターニングして陽極2としたものを用いた。基板の洗浄後、蒸着装置内に基板をセットし10−4Paまで排気した。その後、正孔輸送層3としてTPTを50nm製膜した。さらに化合物(3)と(化13)に示す化合物(6)(電子親和力2.8eV)の混合層を25nm製膜して発光層4とした。化合物(3)に対する化合物(6)の割合は5 mol %とした。電子輸送層5としてバソクプロイン(電子親和力2.3eV)を25nm製膜し、素子を作製した。素子作成後直ちに乾燥窒素中で電極の取り出しを行い、特性測定を行った。得られた素子に電圧を印加したところ、均一な青色の発光が観測された。発光スペクトルを調べたところ、470nmにピークを有することがわかり、発光が化合物(3)に由来するものであることがわかった。CIE色度座標を求めたところx=0.18、y=0.23であった。
Figure 2008172271
(実施例8)
発光層4として化合物(4)に対して化合物(6)を5 mol %混合した層を用いたこと以外は実施例7と同様に素子を作成した。得られた素子に電圧を印加したところ、均一な青緑色の発光が観測された。発光スペクトルを調べたところ490nmにピークを有することがわかり、発光が化合物(4)に由来するものであることがわかった。CIE色度座標を求めたところ、x=0.17、y=0.38であった。
(比較例6)
正孔輸送層3にTPTを、発光層4として化合物(3)とTPDの5 mol %混合膜を用いたこと以外は、実施例5と同様に素子を作製した。得られた素子に電圧を印加したところ青色の均一な発光が観測された。発光スペクトルを調べたところ、470nmと420nmのところにピークを有することがわかり、この素子の発光が化合物(3)と正孔輸送層3を構成するTPTに由来するものであることがわかった。
(比較例7)
正孔輸送層3にTPTを、発光層4として化合物(4)とTPDの5 mol %混合膜を用いたこと以外は、実施例5と同様に素子を作製した。得られた素子に電圧を印加したところ青色の均一な発光が観測された。発光スペクトルを調べたところ、490nmと420nmのところにピークを有することがわかり、この素子の発光が化合物(4)と正孔輸送層3を構成するTPTに由来するものであることがわかった。
(比較例8)
電子輸送層5に化合物(6)、発光層4に化合物(3)とバソクプロインの5mol %混合膜を用いたこと以外は実施例7と同様に素子を作製した。得られた素子に電圧を印加したところ、水色の均一な発光が観測された。発光スペクトルを調べたところ、化合物(3)のスペクトルに化合物(6)のスペクトルが重なって発光していることがわかり、発光層4と電子輸送層5の2層が発光していることがわかった。
(比較例9)
電子輸送層5に化合物(6)、発光層4に化合物(4)とバソクプロインの5mol %混合膜を用いたこと以外は実施例7と同様に素子を作製した。得られた素子に電圧を印加したところ、水色の均一な発光が観測された。発光スペクトルを調べたところ、化合物(4)のスペクトルに化合物(6)のスペクトルが重なって発光していることがわかり、発光層4と電子輸送層5の2層が発光していることがわかった。
実施例5から8および比較例6から9の結果から、正孔輸送層3あるいは電子輸送層5と発光層4中に混合させる電荷輸送材料のエネルギーダイアグラムを調整することにより、発光層4からのみの発光を得ることができることが確認できた。
本発明における電界発光素子の構成を示す概略断面図
符号の説明
1 基板
2 陽極
3 正孔輸送層
4 発光層
5 電子輸送層
6 陰極

Claims (4)

  1. 陽極と陰極からなる一対の電極と、
    前記陽極と陰極の間に少なくとも発光層を含めた一層以上の有機物から構成される層を有する有機電界発光素子において、
    前記発光層に接して電子輸送層が配置され、前記発光層に前記電子輸送層を構成する材料の電子親和力よりも大きい電子親和力を有する電子輸送材料を混合したことを特徴とする有機電界発光素子。
  2. 前記発光層に前記電子輸送材料を10mol%以下混合したことを特徴とする請求項1に記載の有機電界発光素子。
  3. 前記発光層の前記電子輸送層と接する領域に、前記電子輸送材料を混合した領域を設けたことを特徴とする請求項1に記載の有機電界発光素子。
  4. 前記発光層を構成する主な材料として、下記一般式(1)で表される芳香族メチリデン化合物が使用されていることを特徴とする請求項1に記載の有機電界発光素子。
    Figure 2008172271
    (式中Ar1は一般式(A)〜(D)のいずれかである2価の基、Ar2は一般式(E)〜(I)のいずれかである2価の基である。ここでnは1から3の整数、R1、R2はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基、置換もしくは無置換のアリール基である。)
    Figure 2008172271
    Figure 2008172271
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