JP2002068675A - 建設機械のウインチ下部カバー - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の建設機械のウインチ下部カバーは、重
量が重く、寸法が大きいため、着脱作業および移動は容
易ではなかった。 【解決手段】 ウインチ２，３の下部カバー１１，１１
は、それぞれ２分割されたカバー片１１ａ，１１ｂによ
って構成されている。これらカバー片１１ａ，１１ｂの
隣接する端部には、スライドシュー１５ａ，１５ｂが設
けられており、カバー片１１ａが移動される際、カバー
片１１ａ，１１ｂの干渉部分同士を摺動させ易くしてい
る。従って、重量および大きさも２分割されたカバー片
１１ａ，１１ｂの着脱作業は容易になり、カバー片１１
ａの移動も容易に行える。この結果、メンテナンススペ
ース１３を容易に確保することが出来る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、建設機械に備えら
れた各種ウインチの下部に設けられた建設機械のウイン
チ下部カバーに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、このようなウインチ下部カバーと
しては、クレーンの吊り荷ロープやペンダントロープを
巻き込む各ウインチに適用されたウインチ下部カバーが
ある。

【０００３】図１（ａ）は従来のウインチ下部カバー
１，１を概略的に示す平面図であり、同図（ｂ）は同図
（ａ）のＡ−Ａ線破断矢視断面図である。同図（ａ），
（ｂ）に示されるように、ウインチ２，３はクレーンの
上部旋回体の旋回フレーム４に搭載されており、その下
部は外周に沿う形状のウインチ下部カバー１，１に覆わ
れている。これらウインチ下部カバー１，１は、旋回フ
レーム４にボルト５等によって着脱自在に取り付けられ
ており、ウインチ２，３の下方に収められているブレー
キユニットや油圧機器等を保護し、また、ウインチ２，
３の外周下方からロープが外れることを防止している。

【０００４】ウインチ２は、吊り荷ロープを巻き込んだ
り、繰り出したりして吊り荷の巻き上げ・巻き下げを行
い、ウインチ３は、ペンダントロープを巻き込んだり、
繰り出したりしてジブの起伏を行う。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のウインチ下部カバー１，１においては、カバー１，
１はそれぞれ１枚で形成され、ウインチ２，３の外周下
方を完全に覆っているため、寸法が大きく、重量も重か
った。従って、ウインチ下方のブレーキユニットや油圧
機器等を調整・メンテナンスする際に、これらのウイン
チ下部カバー１，１を取り外す作業は従来容易ではなか
った。また、取り外したカバー１，１をウインチ２，３
の下方より他に移動し、ブレーキユニットや油圧機器等
のメンテナンススペースをウインチ下方に確保すること
は、従来容易ではなかった。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は、このような課
題を解決するためになされたもので、ロープを巻き込む
ウインチの外周下方を覆って旋回フレームに着脱自在に
設けられた建設機械のウインチ下部カバーであって、複
数のカバー片から構成されていることを特徴とする。

【０００７】このような構成においては、ウインチ下部
カバーは複数のカバー片に分割されているため、旋回フ
レームへの着脱は各カバー片ごとに行え、ウインチ下部
カバー全体の重量および大きさは各カバー片の重量およ
び大きさに分散される。

【０００８】また、本発明は、カバー片の移動を案内す
る移動案内手段が設けられていることを特徴とする。

【０００９】このような構成においては、旋回フレーム
から取り外されたカバー片は、移動案内手段によって案
内されながら移動される。従って、ウインチ下部カバー
の着脱時のカバー片の移動はより容易に行える。

【００１０】

【発明の実施の形態】次に、本発明による建設機械のウ
インチ下部カバーをクローラクレーンの上部旋回体に搭
載されたウインチに適用した一実施形態について説明す
る。

【００１１】図２（ａ）は本実施形態によるウインチ下
部カバーの構成を概略的に示す平面図であり、同図
（ｂ）は同図（ａ）のＢ−Ｂ線破断矢視断面図である。
なお、同図において図１と同一部分には同一符号を付し
て説明する。同図（ａ），（ｂ）に示されるように、吊
り荷ロープ用ウインチ２およびペンダントロープ用ウイ
ンチ３は、上部旋回体の旋回フレーム４に搭載されてい
る。これら各ウインチ２，３の下方には、ウインチ下部
カバー１１，１１が設けられている。ウインチ下部カバ
ー１１，１１は、それぞれ並設されたカバー片１１ａ，
１１ｂが旋回フレーム４にボルト１２によって着脱自在
に取り付けられて構成されている。各カバー片１１ａ，
１１ｂは、各ウインチ２，３の外周に沿う形状に折れ曲
がって形成されており、各ウインチ２，３の外周下方を
覆っている。ウインチ下部カバー１１により、各ウイン
チ２，３の下方に収められているブレーキユニットや油
圧機器等は保護されており、また、各ウインチ２，３の
外周下方からロープが外れることが防止されている。

【００１２】上記のブレーキユニットや油圧機器等が調
整・メンテナンスされる際は、図３に示すように、一方
のカバー片１１ａが隣のカバー片１１ｂの上方へ移動さ
せられ、斜線で示されたメンテナンススペース１３，１
３が確保される。

【００１３】図４（ａ）は図３のＣ−Ｃ線破断矢視断面
図であり、同図（ｂ）および同図（ｃ）は同図（ａ）の
２点鎖線包囲部１４の詳細図である。各カバー片１１
ａ，１１ｂの隣接する端部には、同図（ｂ）または同図
（ｃ）に示すようにスライドシュー１５ａ，１５ｂが設
けられている。これらのスライドシュー１５ａ，１５ｂ
は、カバー片１１ａがカバー片１１ｂの上方へ移動され
る際、カバー片１１ａ，１１ｂのそれぞれの干渉部分同
士を摺動させ易くするものである。ここで、スライドシ
ュー１５ａ，１５ｂは、カバー片１１ａ，１１ｂの移動
を案内する移動案内手段を構成している。

【００１４】このような本実施形態による建設機械のウ
インチ下部カバー１１は複数のカバー片１１ａ，１１ｂ
に分割されているため、旋回フレーム４への着脱は各カ
バー片１１ａ，１１ｂごとに行え、ウインチ下部カバー
１１の全体の重量および大きさは各カバー片１１ａ，１
１ｂの重量および大きさに分散される。従って、ウイン
チ下部カバー１１の旋回フレーム４への脱着作業は容易
になり、取り外した際のカバー片１１ａの移動も容易に
行える。この結果、ウインチ２，３の下方に設置されて
いるブレーキユニットや油圧機器等を調整・メンテナン
スする際のスペース１３の確保は容易になる。

【００１５】また、各カバー片１１ａ，１１ｂの隣接す
る端部にスライドシュー１５ａ，１５ｂを設けたことに
よって、取り外したカバー片１１ａの移動がより容易に
行える。この結果、ウインチ２，３の下方に設置されて
いるブレーキユニットや油圧機器等を調整・メンテナン
スする際のスペース１３の確保はより容易になる。

【００１６】本実施形態においては、カバー片１１ａを
隣のカバー片１１ｂの上方に移動させる構成としたが、
カバー片１１ｂを隣のカバー片１１ａの上方に移動させ
る構成としても同様な作用が奏される。

【００１７】また、本実施形態においては、移動案内手
段としてスライドシュー１５ａ，１５ｂを設けた場合に
ついて説明したが、本発明はこれに限定されることはな
い。例えば、図５に示すように、移動案内手段としてカ
バー片１１ａ，１１ｂの代わりにカバー片２０ａ，２０
ｂの隣接部分にローラ２１を設けた構成としてもよい。
このような構成においては、カバー片２０ａ，２０ｂの
干渉部分の抵抗が、介在するローラ２１の回転によって
軽減されるため、カバー片２０ａ，２０ｂの移動は容易
に行え、上記実施形態と同様な効果が得られる。

【００１８】また、図６（ａ）およびその横断面図であ
る同図（ｂ）に示すように、各カバー片２２ａ，２２ｂ
の上面に断面がＴ溝状のレール状のガイド２３ａ，２３
ｂを設け、隣接する端部の下側に被案内部材として設け
られたＴ字状の突起２４ａ，２４ｂを案内する構成とし
てもよい。あるいは、図７（ａ）およびその横断面図で
ある同図（ｂ）に示すように、各カバー片２２ａ，２２
ｂの下面にガイド２３ａ，２３ｂを設け、隣接する端部
の上側に突起２４ａ，２４ｂを設ける構成としてもよ
い。さらに、上述したローラ２１とガイド２３とを組み
合わせて、図８（ａ），（ｂ）に示すようにローラ２１
ａ，２１ｂがガイド２３ａ，２３ｂに案内されて回転す
る構成、あるいは図９（ａ），（ｂ）に示すようにロー
ラ２１ａ，２１ｂがガイド２３ａ，２３ｂを案内するガ
イドローラとして機能する構成としてもよい。

【００１９】これらの構成においても、上述した各移動
案内手段を適用した場合と同様にカバー片２２ａ，２２
ｂの移動は容易に行え、前述した実施形態と同様な効果
が得られる。

【００２０】また、本実施形態においては、ウインチ下
部カバー１１をカバー片１１ａ，１１ｂに２分割した場
合について説明したが、ウインチ２，３が大型の場合、
ウインチ下部カバー１１も大型になるので、この場合
は、カバー片をさらに多分割して３分割、４分割等にす
ればよい。ウインチ下部カバー１１がこのような多分割
のカバー片によって構成される場合においても、前述し
た各移動案内手段を適用することが出来、前述した実施
形態と同様な作用・効果が奏される。

【００２１】

【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、ウ
インチ下部カバーは複数のカバー片に分割されているた
め、旋回フレームへの着脱は各カバー片ごとに行え、ウ
インチ下部カバー全体の重量および大きさが各カバー片
の重量および大きさに分散される。従って、ウインチ下
部カバーの旋回フレームへの脱着作業は容易になり、取
り外した際のカバー片の移動も容易に行える。この結
果、ウインチの下方に設置されている各種機器を調整等
する際のスペースの確保は容易になる。

【００２２】また、カバー片の移動を案内する移動案内
手段を設けた場合、旋回フレームから取り外されたカバ
ー片は移動案内手段によって案内されながら移動される
ため、ウインチ下部カバーの着脱時のカバー片の移動は
より容易に行える。この結果、ウインチの下方に設置さ
れている各種機器を調整等する際のスペースの確保はよ
り容易になる。

【図面の簡単な説明】

【図１】（ａ）は従来のウインチ下部カバーを概略的に
示す平面図であり、（ｂ）は（ａ）のＡ−Ａ線破断矢視
断面図である。

【図２】（ａ）は本発明の一実施形態によるウインチ下
部カバーの構成を概略的に示す平面図であり、（ｂ）は
（ａ）のＢ−Ｂ線破断矢視断面図である。

【図３】本発明の一実施形態によるウインチ下部カバー
のカバー片を移動させたときの構成を概略的に示す平面
図である。

【図４】（ａ）は図３のＣ−Ｃ線破断矢視断面図であ
り、（ｂ）は（ａ）における破線包囲部の詳細図であ
り、（ｃ）は（ｂ）の変形例を示す図である。

【図５】本発明の一実施形態によるウインチ下部カバー
の移動案内手段の他の例を示す断面図である。

【図６】（ａ）は本発明の一実施形態によるウインチ下
部カバーの移動案内手段のさらに他の例を示す断面図で
あり、（ｂ）は（ａ）の横断面図である。

【図７】（ａ）は図６に示された移動案内手段の変形例
を示す断面図であり、（ｂ）は（ａ）の横断面図であ
る。

【図８】（ａ）は図６に示された移動案内手段の他の変
形例を示す断面図であり、（ｂ）は（ａ）の横断面図で
ある。

【図９】（ａ）は図７に示された移動案内手段の変形例
を示す断面図であり、（ｂ）は（ａ）の横断面図であ
る。

【符号の説明】

２，３…ウインチ ４…旋回フレーム １１…ウインチ下部カバー １１ａ，１１ｂ、２０ａ，２０ｂ、２２ａ，２２ｂ…カ
バー片 １３…メンテナンススペース １５ａ，１５ｂ…スライドシュー ２１、２１ａ，２１ｂ…ローラ ２３ａ，２３ｂ…ガイド ２４ａ，２４ｂ…突起

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ロープを巻き込むウインチの外周下方を
   覆って旋回フレームに着脱自在に設けられた建設機械の
   ウインチ下部カバーであって、複数のカバー片から構成
   されていることを特徴とする建設機械のウインチ下部カ
   バー。
2. 【請求項２】 前記カバー片の移動を案内する移動案内
   手段が設けられていることを特徴とする請求項１に記載
   の建設機械のウインチ下部カバー。
3. 【請求項３】 前記移動案内手段は、前記各カバー片の
   隣接する端部に設けられたスライドシュー、または前記
   各カバー片の隣接部分に設けられたローラ、または前記
   各カバー片の上面又は下面に設けられたガイドであるこ
   とを特徴とする請求項２に記載の建設機械のウインチ下
   部カバー。