JP2002067895A - 車体補修方法とその補修キット及び電気ゴテ - Google Patents
車体補修方法とその補修キット及び電気ゴテInfo
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- JP2002067895A JP2002067895A JP2000259981A JP2000259981A JP2002067895A JP 2002067895 A JP2002067895 A JP 2002067895A JP 2000259981 A JP2000259981 A JP 2000259981A JP 2000259981 A JP2000259981 A JP 2000259981A JP 2002067895 A JP2002067895 A JP 2002067895A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 損傷箇所の補修作業を簡単に行うことがで
き、補修面の接着性及び外観性を向上させることができ
る車体補修方法とその補修キット及び電気ゴテを提供す
る。 【解決手段】 先ず、樹脂バンパー1の損傷部分2に付
いている汚れを除去する。次に、バンパー1と同質の樹
脂部材3を、620〜660℃の電気ゴテ6で溶解しつ
つ損傷部分2に付着させ、状況によっては肉盛り整形を
行う。樹脂硬化後に接着部分を研磨して塗装して補修面
をきれいに仕上げる。
き、補修面の接着性及び外観性を向上させることができ
る車体補修方法とその補修キット及び電気ゴテを提供す
る。 【解決手段】 先ず、樹脂バンパー1の損傷部分2に付
いている汚れを除去する。次に、バンパー1と同質の樹
脂部材3を、620〜660℃の電気ゴテ6で溶解しつ
つ損傷部分2に付着させ、状況によっては肉盛り整形を
行う。樹脂硬化後に接着部分を研磨して塗装して補修面
をきれいに仕上げる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車体の損傷部分に
樹脂材を溶融固着して補修する車体の補修方法とそれに
用いる車体補修キット及び電気ゴテに関する。
樹脂材を溶融固着して補修する車体の補修方法とそれに
用いる車体補修キット及び電気ゴテに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、車体の損傷箇所の補修において
は、損傷箇所をグラインダー等で研削拭掻し、鉄板等に
より損傷箇所と対応する型をつくり、この鉄板等を損傷
箇所にスポット溶接などで溶着する方法がとられてい
る。
は、損傷箇所をグラインダー等で研削拭掻し、鉄板等に
より損傷箇所と対応する型をつくり、この鉄板等を損傷
箇所にスポット溶接などで溶着する方法がとられてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この補修方法
においては、鉄板等の金属部材で損傷箇所の型をつくる
のに長い時間と手間がかかる。加えて、板厚の鉄板等の
金属部材は形状変形性がそれほど高くないため、損傷箇
所の寸法形状に倣った最適な型をつくるのが難しい。さ
らに、特に金属部材がアルミニウムなどの場合、これを
溶接するのに熟練した技術を要し、補修部分の接着性や
体裁があまり良くないという問題があった。本発明は、
上記課題に鑑みなされたもので、その目的は、損傷箇所
の補修作業を簡単かつ迅速に行うことができ、補修部分
の体裁等を向上させることができる車体補修方法とその
補修キット及び電気ゴテを提供することにある。
においては、鉄板等の金属部材で損傷箇所の型をつくる
のに長い時間と手間がかかる。加えて、板厚の鉄板等の
金属部材は形状変形性がそれほど高くないため、損傷箇
所の寸法形状に倣った最適な型をつくるのが難しい。さ
らに、特に金属部材がアルミニウムなどの場合、これを
溶接するのに熟練した技術を要し、補修部分の接着性や
体裁があまり良くないという問題があった。本発明は、
上記課題に鑑みなされたもので、その目的は、損傷箇所
の補修作業を簡単かつ迅速に行うことができ、補修部分
の体裁等を向上させることができる車体補修方法とその
補修キット及び電気ゴテを提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するた
め、本発明による車体の補修方法は、車体の損傷箇所を
清掃した後、該損傷箇所に溶着用樹脂材を、温度620
〜660℃の電気ゴテで加熱溶融しつつ接着し、樹脂硬
化後に接着部分を研磨して塗装することを特徴とする。
この場合、車体の損傷箇所の素材が金属であって、該損
傷箇所に溶着用樹脂材を、金属樹脂複合板が張り付けら
れる下地面として機能するように接着することができ
る。
め、本発明による車体の補修方法は、車体の損傷箇所を
清掃した後、該損傷箇所に溶着用樹脂材を、温度620
〜660℃の電気ゴテで加熱溶融しつつ接着し、樹脂硬
化後に接着部分を研磨して塗装することを特徴とする。
この場合、車体の損傷箇所の素材が金属であって、該損
傷箇所に溶着用樹脂材を、金属樹脂複合板が張り付けら
れる下地面として機能するように接着することができ
る。
【0005】また、本発明に係る車体補修キットは、車
体の損傷箇所に溶着される細長い溶着用樹脂材と、該樹
脂材を加熱溶融する電気ゴテとからなり、該電気ゴテの
先端側加熱部は620℃以上に昇温可能であることを特
徴とする。更に、電気ゴテは、細長い溶着用樹脂材を加
熱溶融する電気ゴテであって、先端側加熱部をセラミッ
クにより形成すると共に、該加熱部を620℃以上に昇
温可能とし、該加熱部の形状を、前記樹脂材の幅寸法よ
りも幅広の角形に形成することができる。
体の損傷箇所に溶着される細長い溶着用樹脂材と、該樹
脂材を加熱溶融する電気ゴテとからなり、該電気ゴテの
先端側加熱部は620℃以上に昇温可能であることを特
徴とする。更に、電気ゴテは、細長い溶着用樹脂材を加
熱溶融する電気ゴテであって、先端側加熱部をセラミッ
クにより形成すると共に、該加熱部を620℃以上に昇
温可能とし、該加熱部の形状を、前記樹脂材の幅寸法よ
りも幅広の角形に形成することができる。
【0006】溶着用樹脂材は、紐状又はフィルム状のも
ので細長いものが好ましく、損傷箇所の素材と同質のも
のを使用する。特に、樹脂材の素材がウレタン樹脂の場
合、あまり溶けすぎると接着性、耐久性、硬化時間等に
悪影響を与えるので、なるべく下記温度範囲内の低温領
域側で溶かすようにする。また、樹脂材を加熱する電気
ゴテの温度は、620〜660℃の範囲、より好ましく
は650℃前後が良い。その理由は、620℃未満だ
と、樹脂材の流動性が下がり溶着が不十分になり、66
0℃を越えると、樹脂材の流動性が上がりすぎて溶着作
業が困難になるからである。つまり、電気ゴテの温度を
620〜660℃にすると、樹脂材の溶け具合(液状の
粘性)が車体補修にとって最適になり、損傷部分に穴や
凹凸がある場合、当該箇所の側面や底面に良好に接着
し、接着後に補修箇所の錆や腐食が効果的に防止される
こととなる。
ので細長いものが好ましく、損傷箇所の素材と同質のも
のを使用する。特に、樹脂材の素材がウレタン樹脂の場
合、あまり溶けすぎると接着性、耐久性、硬化時間等に
悪影響を与えるので、なるべく下記温度範囲内の低温領
域側で溶かすようにする。また、樹脂材を加熱する電気
ゴテの温度は、620〜660℃の範囲、より好ましく
は650℃前後が良い。その理由は、620℃未満だ
と、樹脂材の流動性が下がり溶着が不十分になり、66
0℃を越えると、樹脂材の流動性が上がりすぎて溶着作
業が困難になるからである。つまり、電気ゴテの温度を
620〜660℃にすると、樹脂材の溶け具合(液状の
粘性)が車体補修にとって最適になり、損傷部分に穴や
凹凸がある場合、当該箇所の側面や底面に良好に接着
し、接着後に補修箇所の錆や腐食が効果的に防止される
こととなる。
【0007】本発明の対象物である車体とは、自動車や
単車のボディ、バンパー、ランプ、ウインドシールド、
ラジエーター、ミラー等を含むものとする。補修の際
は、先ず、腐食、亀裂、欠損した穴などの損傷部分を清
掃して溶着し易い表面状態に処理し、状況によってはV
字カットを入れたり、あるいは表面を少し叩いてへこま
したりする。次に、損傷部分に溶着用樹脂材を溶融して
付着する。このとき所定温度に加熱された電気ゴテを用
いて、樹脂材を加熱しつつ損傷部分に溶着させ、必要な
らば肉盛り整形を行う。このあと、溶着した樹脂材の不
要部分を布ペーパーなどで除去し、グラインダーで研磨
した後、塗装仕上げを行う。
単車のボディ、バンパー、ランプ、ウインドシールド、
ラジエーター、ミラー等を含むものとする。補修の際
は、先ず、腐食、亀裂、欠損した穴などの損傷部分を清
掃して溶着し易い表面状態に処理し、状況によってはV
字カットを入れたり、あるいは表面を少し叩いてへこま
したりする。次に、損傷部分に溶着用樹脂材を溶融して
付着する。このとき所定温度に加熱された電気ゴテを用
いて、樹脂材を加熱しつつ損傷部分に溶着させ、必要な
らば肉盛り整形を行う。このあと、溶着した樹脂材の不
要部分を布ペーパーなどで除去し、グラインダーで研磨
した後、塗装仕上げを行う。
【0008】この補修方法では、車体表面に樹脂材を溶
融付着するだけで補修が済むので、従来のように板金の
型取りや溶接作業が不要になり、初心者でも短時間のう
ちに簡単に補修作業を行うことができる。さらに、溶着
後に樹脂材の不要部分をドライバー等で容易に除去で
き、見栄えの良いものに仕上げることができる。
融付着するだけで補修が済むので、従来のように板金の
型取りや溶接作業が不要になり、初心者でも短時間のう
ちに簡単に補修作業を行うことができる。さらに、溶着
後に樹脂材の不要部分をドライバー等で容易に除去で
き、見栄えの良いものに仕上げることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に示す実施例により説明する。図1の(a)〜(d)は
本発明に係る樹脂バンパーの補修作業を説明する工程
図、図2の(a)〜(g)は本発明に係る自動車ボディ
の補修作業を説明する工程図、図3は本発明に係る単車
前部の補修作業を示す説明図、図4は本発明に係る単車
前部の補修作業を示す説明図、図5は本発明に係る車両
のヘッドランプの補修作業を示す説明図、図6は本発明
に係る車両のラジエーターの補修作業を示す説明図、図
7は本発明に係る電気ゴテの構造例を示す斜視図、図8
は本発明に係る電気ゴテの他の形態を示す斜視図であ
る。
に示す実施例により説明する。図1の(a)〜(d)は
本発明に係る樹脂バンパーの補修作業を説明する工程
図、図2の(a)〜(g)は本発明に係る自動車ボディ
の補修作業を説明する工程図、図3は本発明に係る単車
前部の補修作業を示す説明図、図4は本発明に係る単車
前部の補修作業を示す説明図、図5は本発明に係る車両
のヘッドランプの補修作業を示す説明図、図6は本発明
に係る車両のラジエーターの補修作業を示す説明図、図
7は本発明に係る電気ゴテの構造例を示す斜視図、図8
は本発明に係る電気ゴテの他の形態を示す斜視図であ
る。
【0010】
【実施例1】本実施例は、本発明の補修方法を車両用樹
脂バンパーの補修に適用したもので、特に樹脂バンパー
表面に生じた亀裂損傷部分を補修する場合の例である。
この補修工程の手順を、図1の(a)〜(d)に従って
説明する。この工程では、先ず、樹脂バンパー1の損傷
部分2に付着している油やゴミなどの汚れを除去し、損
傷部分2の表面に棒状の溶着用樹脂部材3が密着し易い
ように、サンダーによる切削又は研磨などの前処理を行
う。この樹脂バンパー1の素材は、PP、PC、ウレタ
ン樹脂等のいずれでもかまわない。次に、図1(b)に
示すように、ドリル4を用いて亀裂箇所をV字型にカッ
トする。このカット部分は必要により適当形状の線材、
樹脂材等で補強し、特に亀裂が大きい場合は銅線を用い
て裏あてをする。
脂バンパーの補修に適用したもので、特に樹脂バンパー
表面に生じた亀裂損傷部分を補修する場合の例である。
この補修工程の手順を、図1の(a)〜(d)に従って
説明する。この工程では、先ず、樹脂バンパー1の損傷
部分2に付着している油やゴミなどの汚れを除去し、損
傷部分2の表面に棒状の溶着用樹脂部材3が密着し易い
ように、サンダーによる切削又は研磨などの前処理を行
う。この樹脂バンパー1の素材は、PP、PC、ウレタ
ン樹脂等のいずれでもかまわない。次に、図1(b)に
示すように、ドリル4を用いて亀裂箇所をV字型にカッ
トする。このカット部分は必要により適当形状の線材、
樹脂材等で補強し、特に亀裂が大きい場合は銅線を用い
て裏あてをする。
【0011】次に、図1(c)に示すように、溶着用樹
脂部材3を加熱溶融して損傷部分2に接着させる。この
樹脂部材3の素材は、樹脂バンパー1と同質のものを用
いる。この接着工程では、樹脂部材3を電気ゴテ6で加
熱することによって樹脂部材3の接着部分の上側半分を
平らに均しつつ、樹脂部材3の溶解部分を損傷部分2の
上端側から念入りに接着していく。樹脂部材3を加熱す
る場合、煙が出て微粒状の泡が出る程度に加熱するのが
望ましい。接着部の表面状況によっては、肉盛り整形を
適宜行うものとする。ここで電気ゴテ6の加熱温度は、
620〜660℃の範囲に設定するのが好ましい。本実
施例では650℃程度に設定するが、電気ゴテ6は約8
分で620℃以上に昇温する。尚、実際の試験結果によ
れば、電気ゴテ6の温度を620℃未満にすると、樹脂
部材3の溶着不良を起こす虞れがあり、逆に660℃を
越えると、樹脂部材3の粘性低下や化学変質を起こして
溶着作業がしづらくなった。
脂部材3を加熱溶融して損傷部分2に接着させる。この
樹脂部材3の素材は、樹脂バンパー1と同質のものを用
いる。この接着工程では、樹脂部材3を電気ゴテ6で加
熱することによって樹脂部材3の接着部分の上側半分を
平らに均しつつ、樹脂部材3の溶解部分を損傷部分2の
上端側から念入りに接着していく。樹脂部材3を加熱す
る場合、煙が出て微粒状の泡が出る程度に加熱するのが
望ましい。接着部の表面状況によっては、肉盛り整形を
適宜行うものとする。ここで電気ゴテ6の加熱温度は、
620〜660℃の範囲に設定するのが好ましい。本実
施例では650℃程度に設定するが、電気ゴテ6は約8
分で620℃以上に昇温する。尚、実際の試験結果によ
れば、電気ゴテ6の温度を620℃未満にすると、樹脂
部材3の溶着不良を起こす虞れがあり、逆に660℃を
越えると、樹脂部材3の粘性低下や化学変質を起こして
溶着作業がしづらくなった。
【0012】損傷部分2に樹脂部材3を溶着させたら、
今度は溶着した樹脂部材3の不要部分を荒削りして仕上
げる。この荒削り作業では、図1(d)に示すように、
サイジングペーパー及びドリル(グラインダー)7を用
いて溶着部付近を平らに削って研磨するが、サイジング
ペーパーの粗さは80番以上とし、ドリル7の回転数は
1500r/min程度に調整するのが良い。これによ
り、樹脂バンパー1の補修作業が完了する。尚、この後
の塗装仕上げでは、樹脂バンパー1の素材に応じた塗料
を用いて塗料メーカーの塗装仕様に従って仕上げれば良
い。
今度は溶着した樹脂部材3の不要部分を荒削りして仕上
げる。この荒削り作業では、図1(d)に示すように、
サイジングペーパー及びドリル(グラインダー)7を用
いて溶着部付近を平らに削って研磨するが、サイジング
ペーパーの粗さは80番以上とし、ドリル7の回転数は
1500r/min程度に調整するのが良い。これによ
り、樹脂バンパー1の補修作業が完了する。尚、この後
の塗装仕上げでは、樹脂バンパー1の素材に応じた塗料
を用いて塗料メーカーの塗装仕様に従って仕上げれば良
い。
【0013】この補修方法では、樹脂部材3を電気ゴテ
6で溶融しながら、溶融部分を損傷部分2に密着させる
ものである。したがって、熟練を要する板金の型取りや
溶接作業が不要になり、素人でも短時間のうちに簡単に
行うことができる。さらに、樹脂部材3の不要部分を除
去するときは、溶着直後、樹脂部材3が柔らかいうちカ
ッター等できれいに取り除くことができ、補修表面の体
裁が著しく向上し、樹脂バンパー1が新品同様に再生さ
れる。
6で溶融しながら、溶融部分を損傷部分2に密着させる
ものである。したがって、熟練を要する板金の型取りや
溶接作業が不要になり、素人でも短時間のうちに簡単に
行うことができる。さらに、樹脂部材3の不要部分を除
去するときは、溶着直後、樹脂部材3が柔らかいうちカ
ッター等できれいに取り除くことができ、補修表面の体
裁が著しく向上し、樹脂バンパー1が新品同様に再生さ
れる。
【0014】
【実施例2】本実施例は、自動車アルミボディの補修作
業に適用したもので、特に腐食した損傷部分を補修対象
とする場合である。この補修工程の手順を、図2の
(a)〜(g)に従って説明する。先ず、ボディ5の損
傷部分2に付着している水分やサビを除去し、ドリル4
を用いて表面を完全に研磨する。このとき、損傷部分2
の表面を荒目のサンドペーパーにより削除する。そし
て、損傷部分2に方形シート状の張付用アルミ樹脂板1
8を良好に密着できるように、図2(b)に示すよう
に、損傷部分2をハンマー8で少し叩いて表面が少々凹
むようにする。前記アルミ樹脂板18は表側をアルミ
面、裏側を樹脂面とする板状の複合素材である。
業に適用したもので、特に腐食した損傷部分を補修対象
とする場合である。この補修工程の手順を、図2の
(a)〜(g)に従って説明する。先ず、ボディ5の損
傷部分2に付着している水分やサビを除去し、ドリル4
を用いて表面を完全に研磨する。このとき、損傷部分2
の表面を荒目のサンドペーパーにより削除する。そし
て、損傷部分2に方形シート状の張付用アルミ樹脂板1
8を良好に密着できるように、図2(b)に示すよう
に、損傷部分2をハンマー8で少し叩いて表面が少々凹
むようにする。前記アルミ樹脂板18は表側をアルミ
面、裏側を樹脂面とする板状の複合素材である。
【0015】次いで、損傷部分2の腐食面が大きい場合
は、損傷部分2に樹脂製の下地面をつくるために、図2
(c)に示すように、損傷部分2に帯状又はテープ状の
樹脂部材13を置いて、これを電気ゴテ16のセラミッ
ク製平角形加熱部16aで丁寧に加熱して溶かし込む。
樹脂部材13を加熱する際、ボディ5の表面を電気ゴテ
16又はガストーチで加熱するのが望ましく、特に冬期
にはボディ5を所要温度まで加熱するものとする。
は、損傷部分2に樹脂製の下地面をつくるために、図2
(c)に示すように、損傷部分2に帯状又はテープ状の
樹脂部材13を置いて、これを電気ゴテ16のセラミッ
ク製平角形加熱部16aで丁寧に加熱して溶かし込む。
樹脂部材13を加熱する際、ボディ5の表面を電気ゴテ
16又はガストーチで加熱するのが望ましく、特に冬期
にはボディ5を所要温度まで加熱するものとする。
【0016】次に、アルミ樹脂板18を下地樹脂9に張
り付ける。このとき、アルミ樹脂板18の裏側樹脂面を
30〜40パーセント溶かして張り付ける。このとき、
損傷部分2の腐食面が小さい場合は、樹脂下地をつくる
必要がないので、アルミ樹脂板18を損傷部分2に直接
張り付ける。次いで、図2(e)に示すように、アルミ
樹脂板18の樹脂面部を電気ゴテ16で加熱する。この
とき、アルミ樹脂板18から小さな泡が出る程度に、電
気ゴテ16でアルミ樹脂板18の樹脂面部を加熱する。
樹脂面部が溶けるにつれて、アルミ樹脂板18が上下左
右へ動き易くなるが、アルミ樹脂板18が少々動く場合
は、位置ずれしないようにドライバー等で整形するもの
とする。
り付ける。このとき、アルミ樹脂板18の裏側樹脂面を
30〜40パーセント溶かして張り付ける。このとき、
損傷部分2の腐食面が小さい場合は、樹脂下地をつくる
必要がないので、アルミ樹脂板18を損傷部分2に直接
張り付ける。次いで、図2(e)に示すように、アルミ
樹脂板18の樹脂面部を電気ゴテ16で加熱する。この
とき、アルミ樹脂板18から小さな泡が出る程度に、電
気ゴテ16でアルミ樹脂板18の樹脂面部を加熱する。
樹脂面部が溶けるにつれて、アルミ樹脂板18が上下左
右へ動き易くなるが、アルミ樹脂板18が少々動く場合
は、位置ずれしないようにドライバー等で整形するもの
とする。
【0017】樹脂面部が加熱溶融すると、アルミ樹脂板
18はアルミ面部だけとなり、図2(f)に示すよう
に、溶けた樹脂10がアルミ表面の外周縁側に流れ出
る。この流れ出た樹脂10は、温かいうちにドライバー
11又はカッター等で取り除く。この後、約3分間ほど
溶着樹脂を放冷硬化させる。硬化後、図2(g)に示す
ように、アルミ樹脂板18表面の付着樹脂を布ペーパー
12により除去する。この布ペーパー12の粗さは40
番とする。この後、ボディ5塗装面の素材に応じた塗料
を用いて、塗料メーカーの塗装仕様に従って仕上げれば
良い。
18はアルミ面部だけとなり、図2(f)に示すよう
に、溶けた樹脂10がアルミ表面の外周縁側に流れ出
る。この流れ出た樹脂10は、温かいうちにドライバー
11又はカッター等で取り除く。この後、約3分間ほど
溶着樹脂を放冷硬化させる。硬化後、図2(g)に示す
ように、アルミ樹脂板18表面の付着樹脂を布ペーパー
12により除去する。この布ペーパー12の粗さは40
番とする。この後、ボディ5塗装面の素材に応じた塗料
を用いて、塗料メーカーの塗装仕様に従って仕上げれば
良い。
【0018】このように本実施例は、損傷部分2の上面
で樹脂部材13を溶かして下地(9)を造った後、アル
ミ樹脂板18の樹脂部を電気ゴテ16で溶かして損傷部
分12に密着させるものである。したがって、ボディ5
の素材が溶接困難なアルミ(金属)であっても、下地樹
脂9を介してアルミ(金属)樹脂板18を強固に張り付
けることができる。この場合、補修面はボディ5と同じ
アルミ板であって、同色の塗装面であることから、両者
が一体的に調和して見栄えが良くなる。尚、この補修方
法はスチール製ボディにも適用可能である。
で樹脂部材13を溶かして下地(9)を造った後、アル
ミ樹脂板18の樹脂部を電気ゴテ16で溶かして損傷部
分12に密着させるものである。したがって、ボディ5
の素材が溶接困難なアルミ(金属)であっても、下地樹
脂9を介してアルミ(金属)樹脂板18を強固に張り付
けることができる。この場合、補修面はボディ5と同じ
アルミ板であって、同色の塗装面であることから、両者
が一体的に調和して見栄えが良くなる。尚、この補修方
法はスチール製ボディにも適用可能である。
【0019】上記実施例1、2で使用した電気ゴテ6、
16について詳説すると、電気ゴテ6、16は、図7、
図8に示すように、先端側加熱部6a、16aと、握り
部6c、16cと、両者を連結する支持連結部6b、1
6bからなっている。加熱部6a、16aは、棒状又は
帯状の樹脂材3、13を加熱融解するもので、セラミッ
クにより形成され620℃〜660℃以上まで昇温可能
とされている。加熱部6a、16aの形状はそれぞれ角
柱形(細長タイプ)、平角形に形成され、その幅寸法W
1は、樹脂材3、13の幅寸法W2(直径を含む)より
も大に設定されている。加熱部6a、16aの幅寸法を
樹脂材3、13よりも幅広の角形に形成すると、樹脂材
3、13の溶解部分すべてを加熱部6a、16aの下面
で直ちに押圧しながら平らに均すことができ、樹脂硬化
後の接着性及び外観が良好になる。また、加熱部6a、
16aをセラミック製にすると、溶解した樹脂材3、1
3が加熱部6a、16aに固着する不具合を防止できる
と共に、加熱部6a、16aが物理化学的な変形や腐食
を起こす虞れがなく、熱的安定性及び使用耐久性が向上
する。
16について詳説すると、電気ゴテ6、16は、図7、
図8に示すように、先端側加熱部6a、16aと、握り
部6c、16cと、両者を連結する支持連結部6b、1
6bからなっている。加熱部6a、16aは、棒状又は
帯状の樹脂材3、13を加熱融解するもので、セラミッ
クにより形成され620℃〜660℃以上まで昇温可能
とされている。加熱部6a、16aの形状はそれぞれ角
柱形(細長タイプ)、平角形に形成され、その幅寸法W
1は、樹脂材3、13の幅寸法W2(直径を含む)より
も大に設定されている。加熱部6a、16aの幅寸法を
樹脂材3、13よりも幅広の角形に形成すると、樹脂材
3、13の溶解部分すべてを加熱部6a、16aの下面
で直ちに押圧しながら平らに均すことができ、樹脂硬化
後の接着性及び外観が良好になる。また、加熱部6a、
16aをセラミック製にすると、溶解した樹脂材3、1
3が加熱部6a、16aに固着する不具合を防止できる
と共に、加熱部6a、16aが物理化学的な変形や腐食
を起こす虞れがなく、熱的安定性及び使用耐久性が向上
する。
【0020】本発明は上記実施例1又は実施例2に限定
されない。例えば、上記の補修方法と同様の手順によ
り、単車前部(図3、図4参照)、車両のヘッドランプ
(図5参照)及びラジエーター(図6参照)の損傷部分
を補修することができる。この場合、損傷部分と同質の
樹脂材を用いて溶接し、電気ゴテの温度を620〜66
0℃に設定する。例えば、図3又は図4に示すように、
単車前面のABS樹脂製フロントサイド15の上部又は
下部の損傷部分2を補修するときは、損傷部分2を清掃
した後、これに溶着用ABS樹脂材を電気ゴテで加熱溶
着する。そして、必要により肉盛り整形を行った後、不
要な溶着樹脂を熱いうちに除去し、樹脂硬化後に接着部
分を研磨して塗装すれば良い。
されない。例えば、上記の補修方法と同様の手順によ
り、単車前部(図3、図4参照)、車両のヘッドランプ
(図5参照)及びラジエーター(図6参照)の損傷部分
を補修することができる。この場合、損傷部分と同質の
樹脂材を用いて溶接し、電気ゴテの温度を620〜66
0℃に設定する。例えば、図3又は図4に示すように、
単車前面のABS樹脂製フロントサイド15の上部又は
下部の損傷部分2を補修するときは、損傷部分2を清掃
した後、これに溶着用ABS樹脂材を電気ゴテで加熱溶
着する。そして、必要により肉盛り整形を行った後、不
要な溶着樹脂を熱いうちに除去し、樹脂硬化後に接着部
分を研磨して塗装すれば良い。
【0021】また、図5に示すように、車両のPP樹脂
製ヘッドランプ14を補修するときは、PP樹脂材3
(13)が密着し易いように損傷部分2の油汚れを除去
し、電気ゴテ6(16)で樹脂材3を損傷部分2に加熱
溶着すれば良い。同様に、図6に示すように、ラジエー
ター17を補修するときも、損傷部分2の油汚れを除去
した後、電気ゴテ6で樹脂材3を溶融して損傷部分2に
接着すれば良い。
製ヘッドランプ14を補修するときは、PP樹脂材3
(13)が密着し易いように損傷部分2の油汚れを除去
し、電気ゴテ6(16)で樹脂材3を損傷部分2に加熱
溶着すれば良い。同様に、図6に示すように、ラジエー
ター17を補修するときも、損傷部分2の油汚れを除去
した後、電気ゴテ6で樹脂材3を溶融して損傷部分2に
接着すれば良い。
【0022】
【発明の効果】以上のように本発明の補修方法とそのキ
ットを使用すれば、車体の損傷部分に溶着用樹脂材を所
定温度の電気ゴテで溶着させることにより、従来面倒で
あった板金の型取りや溶接作業が不要になり、短時間で
簡単かつ精密に仕上げることができ、熟練した技術を必
要としないという優れた効果がある。さらに、補修の途
中で不要な樹脂が車体表面に残った場合でも、溶着後に
樹脂材の不要部分を柔らかいうちに容易に除去でき、見
栄えの良いものに確実に仕上げることができる。
ットを使用すれば、車体の損傷部分に溶着用樹脂材を所
定温度の電気ゴテで溶着させることにより、従来面倒で
あった板金の型取りや溶接作業が不要になり、短時間で
簡単かつ精密に仕上げることができ、熟練した技術を必
要としないという優れた効果がある。さらに、補修の途
中で不要な樹脂が車体表面に残った場合でも、溶着後に
樹脂材の不要部分を柔らかいうちに容易に除去でき、見
栄えの良いものに確実に仕上げることができる。
【図1】本発明に係る樹脂バンパーの補修作業を説明す
る工程図である。
る工程図である。
【図2】本発明に係る自動車ボディの補修作業を説明す
る工程図である。
る工程図である。
【図3】本発明に係る単車前部の補修作業を示す説明図
である。
である。
【図4】本発明に係る単車前部の補修作業を示す説明図
である。
である。
【図5】本発明に係る車両のヘッドランプの補修作業を
示す説明図である。
示す説明図である。
【図6】本発明に係る車両のラジエーターの補修作業を
示す説明図である。
示す説明図である。
【図7】本発明に係る電気ゴテの構造例を示す斜視図で
ある。
ある。
【図8】本発明に係る電気ゴテの他の形態の構造例を示
す斜視図である。
す斜視図である。
1 樹脂バンパー 2 損傷部分 3 樹脂材 4 ドリル 5 ボディ 6 電気ゴテ 6a 加熱部 6b 支持連結部 6c 握り部 7 ドリル 8 ハンマー 9 下地樹脂 10 樹脂 11 ドライバー 12 布ペーパー 13 樹脂材 14 ヘッドランプ 15 フロントサイド 16 電気ゴテ 16a 加熱部 16b 支持連結部 16c 握り部 17 ラジエーター 18 アルミ樹脂板(金属樹脂複合板)
Claims (4)
- 【請求項1】 車体の損傷箇所を清掃した後、該損傷箇
所に溶着用樹脂材を、温度620〜660℃の電気ゴテ
で加熱溶融しつつ接着し、樹脂硬化後に接着部分を研磨
して塗装することを特徴とする車体補修方法。 - 【請求項2】 車体の損傷箇所の素材が金属であって、
該損傷箇所に接着された溶着用樹脂材を、金属樹脂複合
板が張り付けられる下地とすることを特徴とする請求項
1記載の車体補修方法。 - 【請求項3】 車体の損傷箇所に溶着される細長の溶着
用樹脂材と、該樹脂材を加熱溶融する電気ゴテとからな
り、該電気ゴテの先端側加熱部は620℃以上に昇温可
能であることを特徴とする車体補修キット。 - 【請求項4】 細長い溶着用樹脂材を加熱溶融する電気
ゴテであって、先端側加熱部をセラミックにより形成す
ると共に、該加熱部を620℃以上に昇温可能とし、該
加熱部の形状を、前記樹脂材の幅寸法よりも幅広の角形
に形成したことを特徴とする電気ゴテ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000259981A JP2002067895A (ja) | 2000-08-29 | 2000-08-29 | 車体補修方法とその補修キット及び電気ゴテ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000259981A JP2002067895A (ja) | 2000-08-29 | 2000-08-29 | 車体補修方法とその補修キット及び電気ゴテ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002067895A true JP2002067895A (ja) | 2002-03-08 |
Family
ID=18748069
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000259981A Pending JP2002067895A (ja) | 2000-08-29 | 2000-08-29 | 車体補修方法とその補修キット及び電気ゴテ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002067895A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100828675B1 (ko) | 2006-07-24 | 2008-05-09 | 현대자동차주식회사 | 차량용 덴트 툴 |
JP2011219043A (ja) * | 2010-04-14 | 2011-11-04 | Run Co Ltd | 溶接面の仕上げ方法 |
-
2000
- 2000-08-29 JP JP2000259981A patent/JP2002067895A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100828675B1 (ko) | 2006-07-24 | 2008-05-09 | 현대자동차주식회사 | 차량용 덴트 툴 |
JP2011219043A (ja) * | 2010-04-14 | 2011-11-04 | Run Co Ltd | 溶接面の仕上げ方法 |
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