JP2002067510A - 光記録材料、及び光記録媒体 - Google Patents

光記録材料、及び光記録媒体

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JP2002067510A
JP2002067510A JP2000266388A JP2000266388A JP2002067510A JP 2002067510 A JP2002067510 A JP 2002067510A JP 2000266388 A JP2000266388 A JP 2000266388A JP 2000266388 A JP2000266388 A JP 2000266388A JP 2002067510 A JP2002067510 A JP 2002067510A
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optical recording
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JP2000266388A
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Takeshi Sato
威 佐藤
Hidenori Minashima
英範 皆嶋
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Toyo Ink Mfg Co Ltd
Original Assignee
Toyo Ink Mfg Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、光記録媒体(CD−R等)におい
て、高速度記録に十分対応する記録感度を有し、耐光
性、耐久性等の信頼性を向上させ、かつ、安定した記録
特性を実現する方法を提供するものである。 【解決手段】下記一般式(1)で示される光記録材料。
一般式(1) 【化1】 [式中、X1〜X4は、アルキル基などを表し、Y1〜Y4
は、水素原子などを表し、R1〜R6は、アルキル基など
を表し、Zはメタロセン化合物を表し、Mは、Al、G
a、In、Si、Ge、Snを表し、n1〜n4は0〜4
の整数を表し、m1〜m4は0〜4の整数を表し、n5お
よびn6は、0〜5の整数を表し、kは1または2の整
数を表す。]

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はレーザー光によって
情報を書き込んだり、読みとったりすることが可能な光
記録媒体用の光記録材料に関するものであり、さらに詳
しくは、追記型コンパクトディスク(CD−R)の記録
膜材料、及び媒体構成に関するものである。
【0002】
【従来の技術】現在、編集機能を有する追記型光ディス
クとして、シアニン等の有機色素記録膜の上に金の反射
膜を設け、波長780nmでCDフォーマットあるいは
CD−ROMフォーマット信号を記録し、CDまたはC
D−ROMの再生装置で情報を読み出すCD−Rが実用
化されている。しかしながら、一般的にシアニン色素は
光安定性が悪いため、CDのような単面構成で直接太陽
光にさらされるような使用条件下では記録の信頼性に問
題が生じる可能性があった。
【0003】そのため、シアニン色素に代えて、化学的
物理的に安定なフタロシアニン色素を記録膜材料に使用
する試みを検討し、フタロシアニン化合物でも特公平4
−53713号公報、特開平4−214388号公報、
特開平5−1272号公報等に提案され、一部の化合物
が実用化されている。これらの材料を用いたCD−Rの
特性はシアニン色素を用いた場合と同等の特性を有し、
オレンジブックに準拠した媒体となっており、かつ、シ
アニン色素を用いた媒体に比べ、遥かに耐光性が優れて
いるものである。
【0004】近年、CD−ROMの急速な普及につれ、
CD−R媒体にも高速記録、高速読み出しが要求される
ようになり、同じ媒体で、等速記録から4倍、8倍、1
2倍速記録へも対応できることが必要となってきた。上
述したようなフタロシアニン色素は一般的にシアニン色
素と比べ、記録感度が劣るため、これらの要求をすべて
満たすには不十分であった。このため記録感度の向上に
は、特開平7−20550号公報に開示されているよう
な熱分解性のよい置換基を導入するなどの色素構造上の
工夫や、特開昭59−92448号公報に開示されてい
るように、熱分解を促進する添加剤を併用することが必
要であった。こうしたことで高速記録に対応できる記録
感度を達成することはできたが、耐久性や耐光性を犠牲
にしなければならないのが通常であった。また、記録感
度を上げたことにより、記録ピットの形状不安定化によ
って、記録特性の安定性が不十分となり市販のCDプレ
ーヤーすべてに良好な互換性を持たせることは、さらに
難しくなってきた。このため、特公平5−58915号
公報、特開平7−98887号公報に提示されているよ
うな、記録膜表面層の膜質改良剤や記録ピット形状の制
御剤等の添加により、記録後の信号特性を安定させる等
の工夫がなされているが、記録層の構成が複雑になり、
色素単独仕様の場合と比べて生産性が劣る、または、こ
うした添加剤そのものの耐光性が悪いことから信頼性が
劣ること等が問題であった。
【0005】以前、坂本らは、中心金属にリン酸エステ
ル基や、ホスフィン酸エステル基のような、特殊なアキ
シャル置換基を持つ構造のフタロシアニン化合物の耐光
性が非常によいことを見出し(特開平4−214388
号公報、1994年度色材研究発表会 講演要旨集 1
1B−12)、優れた耐光性を有する光記録媒体を実現
したが、近年の高速記録に対応するには、記録感度の点
で満足できるものではなかった。
【0006】記録感度の向上には、特開平7−2055
0号公報に開示されているような熱分解性のよいかさ高
い置換基を導入し、フタロシアニン分子同士の会合性を
阻害し、かつ熱分解性を上げる等の色素構造上の工夫
や、特開昭59−92448号公報に開示されているよ
うに、熱分解を促進する添加剤等を併用することが必要
であった。こうしたことで高速記録に対応できる記録感
度を達成することはできたが、耐久性や耐光性を犠牲に
しなければならないのが通常であり、また、記録感度を
あげたことにより、記録ピットの形状不安定化によっ
て、記録特性の安定性が不十分となり市販のCDプレー
ヤーすべてに良好な互換性を持たせることは、さらに難
しくなってきた。このため、特公平5−58915号公
報、特開平7−98887号公報に提示されているよう
な、記録膜表面層の膜質改良剤や記録ピット形状の制御
剤等の添加により、記録後の信号特性はを安定させる等
の工夫がなされているが、記録層の構成が複雑になり、
色素単独仕様の場合と比べて生産性が劣ること等が問題
であった。
【0007】本発明者らは、アキシャル置換基に特殊な
構造を持つフタロシアニン化合物を使用した光記録媒体
を提案したが(特開平3−281386号公報)、ここ
に提示された化合物でもまた、近年の12倍速記録のよ
うな高速記録に十分対応できる記録感度が得られないば
かりか、あるものは、耐光性が劣り、あるものは、記録
特性に悪影響を及ぼし、記録特性の安定性に問題があっ
た。
【0008】特開平7−98887号公報には、記録ピ
ット形状の制御剤として種々の金属錯体が紹介されてい
るが、いずれも、光記録材料であるフタロシアニン化合
物等の記録特性向上のための添加剤として使用されてい
るものであって、記録層に使用する有機色素と一体とな
った構造のものではない。また、こうした金属錯体は、
記録の際の発熱制御等の面から記録ピットの形状制御に
有効に作用し、その結果、記録信号を良好なものに改善
できることが示されているが、こうした金属錯体単体
は、一般的に汎用の有機溶剤(例えばアルコール類等)
に対する溶解性が低いため、記録層成膜の際に結晶化し
やすく、このためエラーの原因になったり、さらに一般
的に耐光性に劣るものが多いことが問題であり、例え
ば、添加剤としてフタロシアニン化合物と併用した場
合、本来の耐光性が保持し得ないことが常であった。
【0009】坂本らは、上記の問題点を解決するため
に、フタロシアニン化合物のアキシャル置換基として、
スルホン酸基を介し、アゾ化合物、アントラキノン化合
物、または金属錯体系化合物を有する、特殊な構造を持
ったフタロシアニン化合物を提案している(WO97/
23354号)。これらの化合物は、高速記録に十分対
応できる記録感度を有していたが、等速記録から12倍
速等の高速記録まで、全てに良好な特性を持たせるため
には、記録層の成膜条件を厳密に制御しなければならな
い等、特に光記録媒体の生産性が問題となることが多か
った。
【0010】アキシャル置換基として、一般的なシロキ
シ基を持つフタロシアニン化合物を使用する光情報記録
媒体については、特公平7−17092号公報で提案さ
れているが、これらのフタロシアニン化合物は、アキシ
ャル置換基の珪素原子に結合している置換基がアルキル
基、アルコキシ基等だけであり、本発明で示される珪素
原子にメタロセン残基が結合した置換基については、一
切言及されていない。また12倍速記録等の高速記録に
対する記録感度の点も説明されていない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、高速記録に
十分対応できる記録感度を有すること、耐光性、耐久性
に非常に優れていること、記録時に適切なピットを形成
し記録特性が安定していることの3つ課題を全てを解決
し得る記録材料を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、記録層に含有させ
る有機色素として、特定の構造のフタロシアニン化合物
を用いることにより、高速記録に十分対応できる記録感
度を有し、耐光性、耐久性等の信頼性を向上させ、か
つ、安定した記録特性が得られることを見いだし、本発
明に至った。
【0013】すなわち本発明は、下記一般式(1)で示
される光記録材料に関する。 一般式(1)
【0014】
【化3】
【0015】[式中、X1〜X4はそれぞれ独立に、水素
原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有し
てもよいアリール基、置換基を有してもよい脂環残基、
置換基を有してもよいアラルキル基、置換基を有しても
よい複素環基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置
換基を有してもよいアリールオキシ基、置換基を有して
もよいアルキルチオ基、置換基を有してもよいアリール
チオ基を表し、Y1〜Y4はそれぞれ独立に、水素原子、
ハロゲン原子、ニトロ基、スルホン酸基、カルボン酸
基、ホルミル基、置換基を有してもよいフタルイミドメ
チル基、または、置換基を有してもよいスルホンアミド
基を表し、R1〜R6はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲ
ン原子、水酸基、置換基を有してもよいアルキル基、置換
基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいア
ラルキル基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基
を有してもよいアリールオキシ基、置換基を有してもよ
いアルキルチオ基、置換基を有してもよいアリールチオ
基、置換基を有してもよいアルキルアミノ基、置換基を有
してもよいジアルキルアミノ基、置換基を有してもよい
アリールアミノ基、または、置換基を有してもよいジア
リールアミノ基を表し、Zは下記一般式(2)で示され
るメタロセン化合物を表し、Mは、Al、Ga、In、
Si、Ge、Snを表し、n1〜n4は置換基X1〜X4の
数であって、それぞれ独立に0〜4の整数を表し、m1
〜m4は置換基Y1〜Y4の数であって、それぞれ独立に
0〜4の整数を表し、n5およびn6は、それぞれ独立に
0〜5の整数を表し、kはアキシャル置換基の数であっ
て、1または2の整数を表す。] 一般式(2)
【0016】
【化4】
【0017】[式中、R7およびR8はそれぞれ独立に、
水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を
有してもよいアリール基、置換基を有してもよい脂環残
基、置換基を有してもよいアラルキル基、置換基を有し
てもよい複素環基、置換基を有してもよいアルコキシ
基、置換基を有してもよいアリールオキシ基、置換基を
有してもよいアルキルアミノ基、置換基を有してもよい
ジアルキルアミノ基、置換基を有してもよいアリールア
ミノ基、置換基を有してもよいジアリールアミノ基、ハ
ロゲン原子、ニトロ基、スルホン酸基、カルボン酸基、
ホルミル基、−COR9(アシル基)、−B(OH)2、−
P(R10)2、−P(O)(R10)2、置換基を有してもよいフ
タルイミドメチル基、または、置換基を有してもよいス
ルホンアミド基を表し、R9は置換基を有してもよいア
ルキル基、または、置換基を有してもよいアリール基を
表し、R10は置換基を有してもよいアルキル基、置換基
を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアル
コキシ基、または、置換基を有してもよいアリールオキ
シ基をを表し、n7は置換基R7の数であって、0〜4の
整数を表し、n8は置換基R8の数であって、0〜5の整
数を表し、M1は遷移金属原子を表す。] また、本発明は、一般式(2)のM1が鉄原子(Fe)
である上記光記録材料に関する。
【0018】また、本発明は、一般式(1)のMがAl
またはSiである上記光記録材料に関する。
【0019】また、本発明は、一般式(1)のn5およ
びn6が共に0である上記光記録材料に関する。
【0020】また、本発明は、透明基板、記録層、反射
層、および保護層の4層よりなる光記録媒体において、
記録層が、上記光記録材料を少なくとも1種以上含有す
ることを特徴とする光記録媒体に関する。
【0021】
【発明の実施の形態】一般式(1)のフタロシアニン化
合物は、メタロセン残基を有するシロキシ基をアキシャ
ル置換基として持つことにより、熱分解性を向上させて
高速記録にも十分対応できる記録感度をもたらし、か
つ、耐光性、耐久性等の信頼性も向上させることができ
る。この効果はシロキシ基の珪素原子とメタロセン残基
の間に、例えばアルキル鎖のような炭素鎖が介在してい
ても低減することはない。
【0022】上記の特定の構造を有するフタロシアニン
化合物は、記録特性や、耐光性、耐久性等の信頼性が優
れているばかりでなく、アキシャル置換基とフタロシア
ニン環に導入された置換基の相乗効果で、極性溶媒、非
極性溶媒を問わず各種の汎用有機溶媒への溶解性が極め
て高い。
【0023】このため、例えば特公平7−116371
号公報に開示されているフタロシアニン化合物と比較し
て、記録層の成膜をスピンコート法等のウエットプロセ
スで行う場合の溶媒選択性が極めて広く、光記録媒体の
生産性も極めて良好である。
【0024】また、光記録材料として、一般式(1)の
フタロシアニン化合物を2種以上用いても良いし、一般
式(1)以外の光記録材料と併用してもよい。
【0025】ここで本発明の一般式(1)および(2)
における構造、置換基等について詳細に説明する。
【0026】一般式中におけるハロゲン原子としては、
フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等がある。
【0027】置換基を有してもよいアルキル基として
は、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル
基、ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、ネオペ
ンチル基、n-ヘキシル基、n-オクチル基、ステアリル
基、2-エチルヘキシル基、トリクロロメチル基、トリフ
ルオロメチル基、2,2,2-トリフルオロエチル基、2,2-ジ
ブロモエチル基、2,2,3,3-テトラフルオロプロピル基、
2-エトキシエチル基、2-ブトキシエチル基、2-ニトロプ
ロピル基等がある。
【0028】置換基を有してもよいアリール基として
は、フェニル基、ナフチル基、アントラニル基、p-メチ
ルフェニル基、p-ニトロフェニル基、p-メトキシフェニ
ル基、2,4-ジクロロフェニル基、ペンタフルオロフェニ
ル基、2-アミノフェニル基、2-メチル-4-クロロフェニ
ル基、4-ヒドロキシ-1-ナフチル基、6-メチル-2-ナフチ
ル基、4,5,8-トリクロロ-2-ナフチル基、アントラキノ
ニル基、2-アミノアントラキノリル基等がある。
【0029】置換基を有してもよい脂環残基としては、
シクロペンチル基、2,5-ジメチルシクロペンチル基、シ
クロヘキシル基、4-tert-ブチルシクロヘキシル基、ア
ダマンチル基等がある。
【0030】置換基を有してもよいアラルキル基として
は、ベンジル基、4-メチルベンジル基、4-tert-ブチル
ベンジル基、4-メトキシベンジル基、4-ニトロベンジル
基、2,4-ジクロロベンジル基等がある。
【0031】置換基を有してもよい複素環残基として
は、ピリジニル基、3-メチルピリジニル基、ピラジニル
基、ピペジニル基、N-メチルピペジニル基、ピラニル
基、モルホニル基、n-メチルピロリニル基、アクリジニ
ル基、等がある。
【0032】置換基を有してもよいアルコキシ基として
は、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロ
ポキシ基、n-ブトキシ基、イソブチルオキシ基、tert-
ブチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、n-ヘキシルオ
キシ基、n-オクチルオキシ基、ステアリルオキシ基、2-
エチルヘキシルオキシ基、トリクロロメトキシ基、トリ
フルオロメトキシ基、2,2,2-トリフルオロエトキシ基、
2,2,3,3-テトラフルオロプロピルオキシ基、2-エトキシ
エトキシ基、2-ブトキシエトキシ基、2-ニトロプロポキ
シ基等がある。
【0033】置換基を有してもよいアリールオキシ基と
しては、フェノキシ基、ナフトキシ基、アントラニルオ
キシ基、p-メチルフェノキシ基、p-ニトロフェノキシ
基、p-メトキシフェノキシ基、2,4-ジクロロフェノキシ
基、ペンタフルオロフェノキシ基、2-メチル-4-クロロ
フェノキシ基等がある。
【0034】置換基を有してもよいアルキルチオ基、お
よび、置換基を有してもよいアリールチオ基としては、
上記アルコキシ基、アリールオキシ基の酸素原子を硫黄
原子に置き換えたものが挙げられる。
【0035】置換基を有してもよいアルキルアミノ基と
しては、メチルアミノ基、エチルアミノ基があり、置換
基を有してもよいジアルキルアミノ基としては、ジメチ
ルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジイソプロピル基、シ
クロヘキシルアミノ基等があり、置換基を有してもよい
アリールアミノ基としては、フェニルアミノ基、p-ニト
ロフェニルアミノ基、4-メチルフェニルアミノ基があ
り、置換基を有してもよいジアリールアミノ基として
は、ジフェニルアミノ基、ジ(4-メトキシフェニル)ア
ミノ基等がある。
【0036】置換基を有してもよいフタルイミドメチル
基、および、置換基を有してもよいスルホンアミド基の
置換基としては、上記の、アルキル基、アリール基、ニ
トロ基などが挙げられる。
【0037】しかし、これらに限定されるものではな
い。
【0038】本発明における、一般式(1)で表される
特殊なアキシャル置換基を持つ構造のフタロシアニン化
合物の代表的な例として下記に示すフタロシアニン化合
物(a)〜(j)等が挙げられるが、これらに限定され
るものではない。フタロシアニン化合物(a)
【0039】
【化5】
【0040】フタロシアニン化合物(b)
【0041】
【化6】
【0042】フタロシアニン化合物(c)
【0043】
【化7】
【0044】フタロシアニン化合物(d)
【0045】
【化8】
【0046】フタロシアニン化合物(e)
【0047】
【化9】
【0048】フタロシアニン化合物(f)
【0049】
【化10】
【0050】フタロシアニン化合物(g)
【0051】
【化11】
【0052】フタロシアニン化合物(h)
【0053】
【化12】
【0054】フタロシアニン化合物(i)
【0055】
【化13】
【0056】フタロシアニン化合物(j)
【0057】
【化14】
【0058】記録層の成膜方法としては、ドライプロセ
ス、たとえば、真空蒸着法、スパッタリング法によって
も可能であるが、ウエットプロセス、例えば、スピンコ
ート法、ディップ法、スプレー法、ロールコート法ある
いは、LB(ラングミュアーブロジェット)法によって
も可能である。本発明の記録膜素材は、汎用の有機溶
媒、たとえば、アルコール系、ケトン系、セロソルブ
系、ハロゲン系、炭化水素系、フロン系溶媒等に高い溶
解性を示すため、生産性、及び記録膜の均一性からスピ
ンコート法により成膜する方法が好ましい。このよう
に、いわゆる塗布法で成膜する場合には、必要に応じて
高分子バインダーを加えてもよい。
【0059】高分子バインンダーとしては、エポキシ樹
脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステ
ル樹脂、ポリアミド樹脂、塩化ビニル樹脂、ニトロセル
ロース樹脂、フェノール樹脂等が挙げられるがこれらに
限定されるものではない。高分子バインダーの混合比と
しては特に制限はないが、色素に対して30重量%以下
が好ましい。本発明の記録層の最適膜厚は、記録膜材料
の種類及び組合わせによる異なるため特に制限はなく、
50〜300nmが好ましく、更に好ましくは、80〜
150nmが最適膜厚範囲である。
【0060】本発明の反射膜素材としては、金、銀、
銅、白金、アルミニウム、コバルト、スズ等の金属、及
び、これらを主成分とした合金、酸化物、窒化物等が挙
げられるが、絶対反射率が高いことから金または銀が最
適である。また、場合によっては有機化合物の高反射膜
を使用することも可能である。このような反射膜の成膜
方法としては、ドライプロセス、例えば、真空蒸着法、
スパッタリング法がもっとも好ましいが、これらに限定
されるものではない。反射膜の最適膜厚については、特
に制限はないが、40〜160nmの範囲が好ましい。
【0061】更に反射膜の上よりディスクを保護するた
めの保護層を設ける。保護層用の材料としては、紫外線
効果樹脂を用いてスピンコート法によって塗布し、紫外
線照射により硬化させる方法が好ましいが、これらに限
定されるものではない。保護層の最適膜厚については、
薄い場合には保護の硬化が低下し、厚い場合には樹脂の
硬化時の収縮によりディスクのそり等の機械特性の悪化
の原因となるため、2〜20μmの範囲で成膜すること
が好ましい。
【0062】また、本発明に用いられるディスク基板と
しては、信号の書き込みや読み出しを行うための光の透
過率が好ましくは85%以上であり、かつ、光学異方性
の小さいものが好ましい。例えば、硝子、または、アク
リル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、
ポリアミド樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリオレフィン樹
脂等の熱可塑性樹脂やエポキシ樹脂、アリル樹脂等の熱
硬化性樹脂からなる基板が挙げられる。これらの中で、
成型のしやすさ、ATIP用ウオブル信号、及び、案内
溝等の付与にしやすさ等から熱可塑性樹脂からなるもの
が好ましく、更に光学特性や機械特性、及び、コストか
らみてアクリル樹脂やポリカーボネート樹脂からなるも
のが特に好ましい。
【0063】発明における基板の案内溝の形状について
は特に制限はなく、台形、U字型あるいはV字型であっ
てもよい。また、案内溝の寸法については、記録膜材料
の種類、及び組合わせ等により最適値はそれぞれ異なる
が、平均溝幅(溝深さの1/2の位置の幅)が0.4〜
0.6μm、溝深さが100〜200nmの範囲が好ま
しい。本発明のディスクは、記録後、CDあるいはCD
−ROMとして機能する必要があるため、CDあるいは
CD−ROMの規格(レッドブック)及び、CD−Rの
規格(オレンジブック)に準拠していることが好まし
い。
【0064】本発明における、一般式(1)で示される
フタロシアニン化合物は単独で使用してもよく、何種類
かを混合して使用してもよい。また、記録特性のバラン
スをとるために、他のフタロシアニン化合物を添加して
使用してもよいが、添加するフタロシアニン化合物の耐
光性、耐久性がよいことが条件となり、特開平4−21
4388号公報に提示されているような、耐光性が非常
によい、中心金属にリン酸エステル基や、ホスフィン酸
エステル基のような、特殊なアキシャル置換基を持つ構
造のフタロシアニン化合物が好ましい。
【0065】本発明における、一般式(1)で示される
フタロシアニン化合物を少なくとも1種以上含有するこ
とを特徴とする光記録媒体は、媒体作製時に、例えば特
願2000−190400号に提示の方法により、記録
膜の色相を調整し、外観の見栄えを向上させる目的で、
他の色素を添加してもよい。
【0066】一般式(1)で示されるフタロシアニン化
合物は、中心金属に水酸基またはハロゲン原子を持つフ
タロシアニン化合物に、アキシャル置換基として導入し
たいシラノール化合物、シラン化合物、クロロシラン化
合物、ブロモシラン化合物、アルコキシシラン化合物、
アリールオキシシラン化合物を反応試薬として、適当な
溶媒中で反応させることにより得ることができる。
【0067】または、一般式(1)で示されるフタロシ
アニン化合物に、適当な溶媒中でジクロロシラン化合
物、ジブロモシラン化合物、ジシラン化合物、シランジ
オール化合物等を反応させ、さらにフェロセン化合物と
反応させる、2段階の合成工程で得ることもできる。
【0068】
【実施例】以下、実施例によって本発明を具体的に説明
する。 合成例1 フタロシアニン化合物(a)の合成 ヒドロキシアルミニウム テトラ(2,5−ジメチル−3
−ペンチルオキシ)フタロシアニン3.0gをN−メチル
−2−ピロリドン100mlに溶解し、ジメチルフェロ
セニルシラノール1.5gを加え、100℃で2時間加
熱攪拌した。反応液を氷水1.0lに注入し、析出した
結晶をろ取、水洗、乾燥し、暗緑色の粉末を得た。この
粉末をクロロホルム200mlに溶解し、不溶物をろ過
によって除き、ろ液の溶媒を留去して、暗緑色の粉末
1.8g を得た。FD−MS分析により、この粉末は
フタロシアニン化合物(a)であることが確認された。 合成例2 フタロシアニン化合物(b)の合成 ヒドロキシアルミニウム テトラ(2,5−ジメチル−3
−ペンチルオキシ)フタロシアニン3.0gをN−メチル
−2−ピロリドン100mlに溶解し、ジフェニルフェ
ロセニルシラノール1.7gを加え、100℃で2時間
加熱攪拌した。反応液を氷水1.0lに注入し、析出し
た結晶をろ取、水洗、乾燥し、暗緑色の粉末を得た。こ
の粉末をクロロホルム200mlに溶解し、不溶物をろ
過によって除き、ろ液の溶媒を留去して、暗緑色の粉末
2.0g を得た。FD−MS分析により、この粉末は
フタロシアニン化合物(b)であることが確認された。 合成例3 フタロシアニン化合物(c)の合成 ジヒドロキシアルミニウム テトラ[2,2'−ビス(トリ
フルオロメチル)プロポキシ]フタロシアニン3.0g
をN,N−ジメチルホルムアミド100mlに溶解し、
ジメチル(1'−ホルミルフェロセニル)シラノール2.
0g を加え、120℃で2時間加熱攪拌した。反応液
を氷水1.5lに注入し、析出した結晶をろ取、水洗、
乾燥し、暗緑色の粉末を得た。この粉末をクロロホルム
200mlに溶解し、不溶物をろ過によって除き、ろ液
の溶媒を留去して、暗緑色の粉末1.6g を得た。F
D−MS分析により、この粉末はフタロシアニン化合物
(c)であることが確認された。 合成例4 フタロシアニン化合物(d)の合成 ヒドロキシアルミニウム ニトロ−テトラ(2,2,3,
3−テトラフルオロプロポキシ)フタロシアニン2.5
g を無水スルホラン100ml に溶解し、2−(1'−
n−ブチルフェロセニル)エチルシラントリオール1.
5gを加え、90℃で2時間攪拌した。反応液を氷水
1.0l に注入し、析出した沈殿をろ取、水洗し、緑
色のペーストを得た。このペーストをアセトン400m
lに溶解し、不溶物をろ過で取り除いた後、ろ液にオク
タン100ml を滴下して、3時間攪拌した。析出し
た沈殿をろ取し、オクタンで洗浄、乾燥して、緑色の粉
末1.3gを得た。FD−MS分析により、この粉末は
フタロシアニン化合物(d)であることが確認された。 合成例5 フタロシアニン化合物(e)の合成 ジヒドロキシ珪素 ジエチルアミノスルホニル−テトラ
−t−ブチルフタロシアニン2.5gをジオキサン10
0mlに溶解し、ジメチル−1−(1'−ジヒドロキシボ
ラニルフェロセニル)エトキシシラノール2.3g 加
え、80℃で2時間加熱攪拌した。反応液を氷水1.0
lに注入し、析出した結晶をろ取、水洗し、緑色のペー
ストを得た。このペーストを酢酸エチル300mlに溶
解し、不溶物をろ過で取り除いた後、ろ液にn−ヘキサ
ン100ml を滴下して、3時間攪拌した。析出した
沈殿をろ取し、n−ヘキサンで洗浄、乾燥して、緑色の
粉末2.0gを得た。FD−MS分析により、この粉末
はフタロシアニン化物(e)であることが確認された。 合成例6 フタロシアニン化合物(f)の合成 ジヒドロキシゲルマニウム ホルミル−テトラフェノキ
フタロシアニン3.0gをジメチルスルホキシド100
mlに溶解し、ジメトキシ−2−(1'−カルボキシフェ
ロセニル)エチルシラノール2.5g 加え、110℃で
2時間加熱攪拌した。反応液を氷水1.0lに注入し、
析出した結晶をろ取、水洗し、緑色のペーストを得た。
このペーストをメタノール300mlに溶解し、不溶物
をろ過で取り除いた後、ろ液に水100ml を滴下し
て、3時間攪拌した。析出した沈殿をろ取し、水洗、乾
燥して、緑色の粉末2.0gを得た。FD−MS分析に
より、この粉末はフタロシアニン化物(f)であること
が確認された。 合成例7 フタロシアニン化合物(g)の合成 ヒドロキシアルミニウム テトラ(2−プロポキシ)フタ
ロシアニン2.5gをピリジン100mlに溶解し、
(1,1'−ジフェニルホスフィノフェロセニル)クロロシ
ラン1.5gを加え、100℃で2時間攪拌した。反応
液を氷水1.0lに注入し、析出した結晶をろ取、水
洗、乾燥し、暗緑色の粉末を得た。この粉末をクロロホ
ルム200mlに溶解し、不溶物をろ過によって除き、
ろ液の溶媒を留去して、暗緑色の粉末 1.8g を得
た。FD−MS分析により、この粉末はフタロシアニン
化合物(g)であることが確認された。 合成例8 フタロシアニン化合物(h)の合成 ヒドロキシアルミニウム テトラ(n−ブチルチオ)フタ
ロシアニン2.0gをN−メチル−2−ピロリドン10
0mlに溶解し、ジフェニル(1'−ビニルフェロセニ
ル)メトキシシラノール1.2gを加え、100℃で2時
間攪拌した。反応液を氷水1.0lに注入し、析出した
結晶をろ取、水洗、乾燥し、暗緑色の粉末を得た。この
粉末をクロロホルム200mlに溶解し、不溶物をろ過
によって除き、ろ液の溶媒を留去して、暗緑色の粉末
1.4g を得た。FD−MS分析により、この粉末は
フタロシアニン化合物(h)であることが確認された。 合成例9 フタロシアニン化合物(i)の合成 ヒドロキシアルミニウム ニトロ−トリ(2,5−ジメチ
ル−3−ペンチルオキシ)フタロシアニン2.0gをN
−メチル−2−ピロリドン100mlに溶解し、ジメチ
ル[1'−(2−カルボキシプロピオニル)フェロセニ
ル]シラノール1.3gを加え、100℃で2時間加熱
攪拌した。反応液を氷水1.0lに注入し、析出した結
晶をろ取、水洗、乾燥し、暗緑色の粉末を得た。この粉
末をクロロホルム200mlに溶解し、不溶物をろ過に
よって除き、ろ液の溶媒を留去して、暗緑色の粉末
1.5g を得た。FD−MS分析により、この粉末は
フタロシアニン化合物(i)であることが確認された。 合成例10 フタロシアニン化合物(j)の合成 ヒドロキシアルミニウム ブロモ−テトラ(2,5−ジメ
チル−3−ペンチルオキシ)フタロシアニン2.5gを
N−メチル−2−ピロリドン100mlに溶解し、ジフ
ェニル[1'−(N,N−ジメチルアミノメチル)フェロセ
ニル]シラノール1.7gを加え、100℃で2時間加
熱攪拌した。反応液を氷水1.0lに注入し、析出した
結晶をろ取、水洗、乾燥し、暗緑色の粉末を得た。この
粉末をクロロホルム200mlに溶解し、不溶物をろ過
によって除き、ろ液の溶媒を留去して、暗緑色の粉末
1.9g を得た。FD−MS分析により、この粉末は
フタロシアニン化合物(j)であることが確認された。 実施例1、比較例1 フタロシアニン化合物(a)〜(j)、比較例として下
記フタロシアニン化合物(k)、(l)それぞれ100
mgをエチルセロソルブ3mlに加え、超音波洗浄機で
20分間溶解し、0.2μmのフィルターをかけた後、
この溶液用いて、減圧加熱処理したガラス基板上にスピ
ンコーターで、1200rpmで色素膜を形成した。得
られた膜の最大吸収極大(λmax)における吸光度(Ab
s.)を分光光度計で測定し、その値を100とした。次
に、成膜したガラス基板を耐光性試験機にかけ、5万ル
クス、150時間照射後のλmaxにおける吸光度を同様
に測定し、初期値100に対する割合で評価した。結果
を表1に示した。 フタロシアニン化合物(k)
【0069】
【化15】
【0070】フタロシアニン化合物(l)
【0071】
【化16】
【0072】
【表1】
【0073】表1より、一般式(1)で示されるフタロ
シアニン化合物薄膜の初期値に対する吸光度の低下は、
比較例として示したフタロシアニン化合物(k)、
(l)の場合と比べて、はるかに小さく、いずれも10
%以内であることから、フタロシアニン化合物(a)〜
(j)のアキシャル置換基が耐光性向上に効果的に作用
していることが認められた。 実施例2 フタロシアニン化合物(a)〜(j)150mgをn−
プロパノール/n−ペンタノール(9:1容積比)混合液
10mlに溶解後、0.2μmのフィルターをかけた
後、深さ160nm、幅0.4μm、ピッチ1.6μm
の案内溝を有する厚さ1.2mm、外径200mm、内
径30mmのポリカーボネート基板上に、スピンコータ
ーを用いて色素膜の最大吸収極大の吸光度(Abs.)が0.
5となるように記録層を成膜した。次に反射膜として、
この色素膜の上に銀を65nmでスパッタリングにより
成膜した。さらに、この上にUV硬化樹脂により保護層
を設けて、CD−Rディスクを作成した。
【0074】この媒体を市販のCD−R記録機(PX−
W124TSi,PLEXTOR製)を用いて12倍速
記録(全周記録)し、記録したディスクをCD評価機
(CDCATS SA3 Audio Develop
ment製)で記録信号特性をオレンジブックに従って
評価した。
【0075】次に、この光ディスクを、耐光性試験機に
かけ、5万ルクス、100時間後取り出し、上記の評価
機を用いて記録信号特性を再評価した。結果を表2に示
した。
【0076】
【表2】
【0077】表2より、フタロシアニン化合物(a)〜
(j)を記録材料として用いた光記録媒体(CD−R)
は、記録感度が良好で、エラーレートが小さく、変調度
が大きい等、安定した記録特性を有し、特に、耐光性試
験前後において、記録特性に大差がないことから、高速
記録に十分対応でき、かつ、信頼性の高い記録媒体であ
ることが認められた。 実施例3、比較例2 深さ180nm、幅0.4μm、ピッチ1.6μmの案
内溝を有する厚さ1.2mm、外径200mm、内径3
0mmのポリカーボネート基板上に、フタロシアニン化
合物(a)150mgをジブチルエーテル5mlに溶解
した溶液を作成し、スピンコーターを用いて色素膜の最
大吸収極大の吸光度(Abs.)が0.45となるように記録
層を成膜した。次に反射膜として、この色素膜の上に銀
を62nmでスパッタリングにより成膜した。さらに、
この上にUV硬化樹脂により保護層を設けて、CD−R
ディスクを作成した。
【0078】この媒体を市販のCD−R記録機(PX−
W124TSi,PLEXTOR製)を用いて12倍速
記録(全周記録)し、記録したディスクをCD評価機
(CDCATS SA3 Audio Develop
ment製)で記録信号特性をオレンジブックに従って
評価した。
【0079】次に、この光ディスクを、耐光性試験機に
かけ、5万ルクス、100時間後取り出し、上記の評価
機を用いて記録信号特性を再評価した。結果を表3に示
した。
【0080】比較例として、下記フタロシアニン化合物
(m)を用いて、上記と同様にCD−Rディスクを作成
し、上記と同様に記録特性、耐光性試験を行った。結果
を表3に示した。 フタロシアニン化合物(m)
【0081】
【化17】
【0082】
【表3】
【0083】表3より、フタロシアニン化合物(m)の
場合に比べて、フタロシアニン化合物(a)は、記録感
度が向上し、記録特性の変調度やエラーレートが改善さ
れ、特に、耐光性試験前後において、フタロシアニン化
合物(a)は、記録特性に差がないのに対し、フタロシ
アニン化合物(m)の場合には耐光性試験後、Rtopが
低くなり、変調度が小さくなるとともにエラーレートが
増大した。即ち、フタロシアニン化合物(a)がアキシ
ャル置換基として、メタロセン残基を有するシロキシ基
を持つ、特殊な構造を持つことにより、フタロシアニン
化合物(m)の記録特性が改善され、耐光性が向上する
ことが認められた。
【0084】
【発明の効果】記録層に、アキシャル置換基として、メ
タロセン残基を有するシロキシ基を持つ、特殊な構造を
持ったフタロシアニン化合物を含有させることにより、
高速記録に十分対応できる記録感度、記録特性を有し、
かつ、非常に耐光性に優れた光記録媒体の提供が可能と
なった。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式(1)で示される光記録材料。 一般式(1) 【化1】 [式中、X1〜X4はそれぞれ独立に、水素原子、置換基
    を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリ
    ール基、置換基を有してもよい脂環残基、置換基を有し
    てもよいアラルキル基、置換基を有してもよい複素環
    基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有し
    てもよいアリールオキシ基、置換基を有してもよいアル
    キルチオ基、置換基を有してもよいアリールチオ基を表
    し、 Y1〜Y4はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、
    ニトロ基、スルホン酸基、カルボン酸基、ホルミル基、
    置換基を有してもよいフタルイミドメチル基、または、
    置換基を有してもよいスルホンアミド基を表し、 R1〜R6はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、水
    酸基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有して
    もよいアリール基、置換基を有してもよいアラルキル基、
    置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有しても
    よいアリールオキシ基、置換基を有してもよいアルキル
    チオ基、置換基を有してもよいアリールチオ基、置換基を
    有してもよいアルキルアミノ基、置換基を有してもよい
    ジアルキルアミノ基、置換基を有してもよいアリールア
    ミノ基、または、置換基を有してもよいジアリールアミ
    ノ基を表し、 Zは下記一般式(2)で示されるメタロセン化合物を表
    し、 Mは、Al、Ga、In、Si、Ge、Snを表し、 n1〜n4は置換基X1〜X4の数であって、それぞれ独立
    に0〜4の整数を表し、 m1〜m4は置換基Y1〜Y4の数であって、それぞれ独立
    に0〜4の整数を表し、 n5およびn6は、それぞれ独立に0〜5の整数を表し、 kはアキシャル置換基の数であって、1または2の整数
    を表す。] 一般式(2) 【化2】 [式中、R7およびR8はそれぞれ独立に、水素原子、置
    換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよい
    アリール基、置換基を有してもよい脂環残基、置換基を
    有してもよいアラルキル基、置換基を有してもよい複素
    環基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有
    してもよいアリールオキシ基、置換基を有してもよいア
    ルキルアミノ基、置換基を有してもよいジアルキルアミ
    ノ基、置換基を有してもよいアリールアミノ基、置換基を
    有してもよいジアリールアミノ基、ハロゲン原子、ニト
    ロ基、スルホン酸基、カルボン酸基、ホルミル基、−C
    OR9(アシル基)、−B(OH)2、−P(R10)2、−P
    (O)(R10)2、置換基を有してもよいフタルイミドメチ
    ル基、または、置換基を有してもよいスルホンアミド基
    を表し、 R9は置換基を有してもよいアルキル基、または、置換
    基を有してもよいアリール基を表し、 R10は置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有し
    てもよいアリール基、置換基を有してもよいアルコキシ
    基、または、置換基を有してもよいアリールオキシ基を
    を表し、 n7は置換基R7の数であって、0〜4の整数を表し、 n8は置換基R8の数であって、0〜5の整数を表し、 M1は遷移金属原子を表す。]
  2. 【請求項2】一般式(2)のM1が鉄原子(Fe)であ
    る請求項1記載の光記録材料。
  3. 【請求項3】一般式(1)のMがAlまたはSiである
    請求項1または2記載の光記録材料。
  4. 【請求項4】一般式(1)のn5およびn6が共に0であ
    る請求項1〜3いずれか記載の光記録材料。
  5. 【請求項5】透明基板、記録層、反射層、および保護層
    の4層よりなる光記録媒体において、記録層が、請求項
    1〜4いずれか記載の光記録材料を少なくとも1種以上
    含有することを特徴とする光記録媒体。
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