JP2002067481A - 記録媒体 - Google Patents

記録媒体

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JP2002067481A
JP2002067481A JP2000254486A JP2000254486A JP2002067481A JP 2002067481 A JP2002067481 A JP 2002067481A JP 2000254486 A JP2000254486 A JP 2000254486A JP 2000254486 A JP2000254486 A JP 2000254486A JP 2002067481 A JP2002067481 A JP 2002067481A
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Kazuaki Nishimura
一晃 西村
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Gen Co Ltd
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General Co Ltd
Gen Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 樹脂や金属などで形成された種々の物品に、
水性インクを用いて、特にインクジェット方式によっ
て、耐水性、耐候性などにすぐれた良好な印刷を施すこ
とができる、新規な記録媒体を提供する。 【解決手段】 透明基材11の片面に、感熱接着性と、
水性インクの受容性とを有するインク受容層12を形成
した記録媒体1である。かかる記録媒体1は、インク受
容層12に、水性インクを用いて印刷後、当該インク受
容層12を感熱接着層として利用して、種々の物品の表
面に熱接着することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な記録媒体に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば名札や各種表示板などのプレート
類は、樹脂板、金属板、あるいはガラス板などの表面
に、文字や絵、模様などを印刷することで形成される。
また会員証等の各種カード類には種々の構成があるが、
その代表的なものは、透明な樹脂フィルムの裏面に印刷
を施したものを、樹脂板や厚紙等の表面に積層すること
で形成される。
【0003】さらにステッカーやシールなどは、透明な
樹脂フィルムの裏面に文字や絵、模様などを印刷し、そ
の上に感圧もしくは感熱接着層を形成するか、あるいは
透明、不透明の別なく樹脂フィルムの表面に、上記文字
や絵、模様などを印刷し、裏面に感圧もしくは感熱接着
層を形成することで形成される。こうした物品への印刷
には従来、スクリーン印刷、グラビア印刷、オフセット
印刷等の本格的な印刷技術が利用されてきた。
【0004】しかし近時、パソコンやワークステーショ
ンなどの小型コンピュータと、それに接続して使用する
安価でかつ高性能のプリンタ、並びに操作の簡単な画像
処理用ソフトウエア(ペイントソフト、ドローソフト
等)の普及により、これまでより手軽に、少量でかつ多
種の印刷を、例えば一般消費者が、上述した各種の物品
に施すことが可能となりつつある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】種々の物品への、小型
コンピュータを用いた簡便な印刷の方法としては、印刷
対象が主に樹脂や金属などであり、しかも印刷後に耐水
性などが求められる場合が多いことから、現在は主とし
て、熱転写リボンを用いた溶融型熱転写方式や、あるい
は染料昇華インクを用いた昇華型熱転写方式のプリンタ
を使用した印刷についての実用化が検討されている。
【0006】しかし溶融型熱転写方式では、写真調など
の高階調の画像をきれいに印刷するのが難しい上、特に
フルカラーの画像を印刷するのに時間がかかるという問
題がある。また昇華型熱転写方式では、単位面積あたり
の印刷のコストが高くつくという問題がある。さらにい
ずれの方式においても、印刷可能な大きさは、現状では
A4判程度までに限られており、それより大判の印刷が
できないという問題もある。
【0007】そこで高階調、高画質の画像やフルカラー
の画像を短時間でかつ安価に印刷することができる上、
これまでよりも大判の印刷が可能な、インクジェット方
式を利用したプリンタやプロッタを使用することが検討
された。しかしインクジェット方式で使用するインクは
主に水性であるため、樹脂や金属等の表面に直接に印刷
できない上、耐水性が悪く、しかも着色剤として水溶性
染料を使用したものが殆どであるため耐候性も悪いとい
う問題があった。
【0008】本発明の目的は、前述した種々の物品に、
水性インクを用いて、特にインクジェット方式によっ
て、耐水性、耐候性などにすぐれた良好な印刷を施すこ
とができる、新規な記録媒体を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段および発明の効果】上記課
題を解決するために、発明者は、インクジェット方式で
印刷可能なインク受容層を備えるとともに、印刷後に印
刷対象に貼り付けることができるステッカータイプの記
録媒体を用いて、種々の物品に間接的に印刷を施すこと
を考え、その具体的な構成について検討した結果、本発
明を完成するに至った。すなわち本発明の記録媒体は、
透明基材の片面に、感熱接着性と、水性インクの受容性
とを有するインク受容層を形成したことを特徴とするも
のである。
【0010】かかる本発明の記録媒体は、上記のように
水性インクの受容性を有するインク受容層を備えるた
め、インクジェット方式で印刷することができる上、こ
のインク受容層が感熱接着性を有し、感熱接着層を兼ね
るため、印刷後に、例えば家庭用アイロンやヘアドライ
ヤなどで加熱することによって、前記樹脂や金属以外に
も、例えば木やガラスなどの種々の素材で形成された物
品の表面に熱接着することができる。
【0011】したがってこれらの物品に、インクジェッ
ト方式による印刷を施すことが可能となる。また、それ
自体をステッカーもしくはシールとして使用することも
できる。しかも熱接着した状態では、水性インクによる
印刷が透明基材の内側に位置するため、印刷の耐水性、
耐候性等を、これまでに比べて著しく向上することもで
きる。
【0012】さらに上記のように、インク受容層が感熱
接着層を兼ねるため、記録媒体の層構成を簡略化してそ
の生産性を向上し、コストを下げることもできる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下に本発明を、実施の形態の一
例を示す図1(a)(b)を参照しつつ説明する。これらの図
に見るようにこの例の記録媒体1は、全体が矩形状に形
成された透明基材11の、図では下側の片面に、感熱接
着性と、水性インクの受容性とを有するインク受容層1
2を形成したものである。このうち透明基材11として
は、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポ
リカーボネート(PC)、ポリアミド(PA)、ポリエ
チレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビ
ニル(PVC)等の、透明樹脂からなるフィルムもしく
はシートが挙げられる。
【0014】透明基材11の厚みは10μm〜1.0m
mであるのが好ましく、50〜200μmであるのがさ
らに好ましい。透明基材11の厚みがこの範囲未満で
は、基材としての強度が不足するため、特に印刷時や熱
接着時に破れやシワ等を生じやすくなって、物品の表面
に良好な印刷を施せないおそれがある。また逆に、厚み
がこの範囲を超えた場合には、透明基材11の外側から
加熱して熱接着をする際に、その熱が十分かつ速やかに
インク受容層12に伝わらないために、きれいに熱接着
できないおそれがある。また基材が剛直になって、特に
立体形状を有する物品に対する追従性が低下する結果、
これらの物品にきれいな印刷を施せないおそれもある。
【0015】上記透明基材11の片面に積層、形成され
るインク受容層12は、前記のように感熱接着性と、水
性インクの受容性とを兼ね備えている必要がある。かか
るインク受容層12は、例えば水溶性または吸水性と、
感熱接着性とを兼ね備えた樹脂にて形成するのが好まし
い。そのような樹脂としては、例えば水溶性もしくは吸
水性を有するホットメルト接着剤のベースポリマーとし
て公知である、ポリビニルアルコール、ポリエーテル系
ポリエステル、ポリアルキレンオキシドコポリマー、ポ
リビニルピロリドン、セルロースまたはその誘導体、ポ
リビニルエーテル類などのうち、水性インクを良好に受
容しうる水溶性または吸水性を有し、かつ熱接着時の、
前述した家庭用アイロンなどによる加熱で良好な熱接着
性を発揮しうるものが、1種単独で、あるいは2種以上
を混合して使用される。
【0016】インク受容層12は、上記樹脂のみで形成
しても良いが、必要に応じてさらに充てん剤、カチオン
性樹脂、界面活性剤、消泡剤、酸化防止剤、紫外線吸収
剤などの、従来公知の種々の添加剤を、前述したインク
受容層12の機能、すなわち感熱接着性と水性インクの
受容性とを損なわない範囲で適宜、配合してもよい。こ
のうち充てん剤としては、例えばシリカ、アルミナ、ケ
イ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、塩基性炭酸マ
グネシウム、タルク、クレイ、ハイドロサルファイト、
炭酸カルシウム、酸化チタン、塩化亜鉛などの無機充て
ん剤、およびポリエチレン、ポリスチレン、ポリアクリ
レートなどの有機充てん剤が挙げられる。特に無機充て
ん剤は、インク受容層12を増量するという充てん剤本
来の機能の他に、水性インクの吸収性を高めて受容性、
定着性をさらに向上できるという利点がある。
【0017】またカチオン性樹脂は、通常はアニオン性
である水性インク中の染料等と結合してインク受容層1
2中に固定化し、それによって印刷の耐水性等をさらに
高めるためのもので、その具体例としては側鎖にカチオ
ン性基を導入したカチオン性アクリル系樹脂などが挙げ
られる。またインク受容層12は、それ自体は水溶性ま
たは吸水性を有しない感熱接着性の樹脂に、吸水性充て
ん剤を分散させて形成することもできる。
【0018】かかる感熱接着性の樹脂としては、例えば
通常のホットメルト接着剤のベースポリマーとして公知
である、エチレンアクリル変性樹脂、エチレン酢酸ビニ
ル共重合体、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、
ポリエステル系樹脂、オレフィン系樹脂などのうち、熱
接着時の、前述した家庭用アイロンなどによる加熱で良
好な熱接着性を発揮しうるものが、1種単独で、あるい
は2種以上を混合して使用される。
【0019】また上記樹脂に吸水性を付与する吸水性充
てん剤としては、例えば前述したシリカに代表される無
機充てん剤などの、吸水性の高い充てん剤が挙げられ
る。上記の、感熱接着性の樹脂と吸水性充てん剤とを含
むインク受容層12には、それ以外に例えば、吸水性を
有しない充てん剤、カチオン性樹脂、界面活性剤、消泡
剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤などの種々の添加剤を、
やはり前述したインク受容層12の機能、すなわち感熱
接着性と水性インクの受容性とを損なわない範囲で適
宜、配合してもよい。
【0020】インク受容層12は、上記の各成分を含有
する塗剤を、透明基材11の片面に、ブレードコータ、
ロールコータ、エアーナイフコータ、バーコータ、ロッ
ドコータ、ゲートロールコータ、カーテンコータ、ショ
ートドウェルコータ、グラビアコータ、フレキソグラビ
アコータ、サイズプレスなどの各種塗布手段を用いた塗
布方法によって塗布し、乾燥させることで形成される。
塗剤を形成するための溶剤としては、前記樹脂を溶解し
うる種々の溶剤が使用可能であるが、特に水溶性の樹脂
の場合は、安全性や環境に及ぼす影響などを考慮すると
水性溶剤が好適である。水性溶剤としては例えば水の
他、水と水溶性有機溶剤との混合溶剤が使用可能である
が、特に取り扱いの容易さから水単独、または水とメタ
ノール、エタノール、ブタノールなどの低級アルコール
との混合溶剤を使用するのが好ましい。
【0021】水性溶剤の配合量は、塗剤を透明基材11
上に塗布するために採用される塗布方法などに応じて、
詳しくはその方法に適した塗剤の粘度や塗剤の乾燥条件
などに応じて適宜、調整すればよい。また水溶性を有し
ない樹脂は水性エマルジョン化、もしくは水性ディスパ
ージョン化して、上記と同様の水性溶剤を使用可能とす
るのが、やはり安全性や環境に及ぼす影響などの点で好
ましい。
【0022】透明基材11上に塗布した塗剤を乾燥させ
てインク受容層12を形成するには、例えば熱風乾燥機
や熱ドラムなどを用いて、好ましくは上記インク受容層
12を形成する樹脂の感熱温度以下の温度で加熱乾燥す
るか、あるいは自然乾燥を行ってもよい。また乾燥後
に、インク受容層12の表面の平滑度および表面強度を
高めるために、必要に応じて、マシンカレンダー、TG
カレンダー、スーパーカレンダー、ソフトカレンダーな
どによるカレンダー処理ないしスーパーカレンダー処理
を行ってもよい。
【0023】かくして形成されるインク受容層12の、
乾燥後の厚みは5〜40μmであるのが好ましく、8〜
30μmであるのがさらに好ましい。インク受容層12
の厚みがこの範囲未満ではインク受容性、並びに感熱接
着性が不十分になるおそれがある。一方、インク受容層
12の厚みが上記の範囲を超えた場合には、印刷された
水性インクが厚み方向だけでなく画面方向にも広がって
印刷がにじむことによって、画質が低下するおそれがあ
る。また透明基材11がカールしやすくなって、記録媒
体1の取り扱いが容易でなくなるとともに、インク受容
層12の、透明基材11に対する密着性が低下して、記
録媒体1の取り扱い時などにはく離を生じるおそれがあ
る。
【0024】インク受容層12は、記録媒体1の全体の
構成を簡略化することを考慮すると、透明基材11の片
面に直接に積層、形成するのが好ましいが、両層の密着
強度を高めるべく、透明基材11の片面にあらかじめコ
ロナ放電処理などの易接着処理を施した上に、インク受
容層12を積層、形成しても良い。上記両層を備えた記
録媒体1を使用して、種々の物品に印刷を施すには、ま
ず図1(a)に黒矢印で示すようにインク受容層12に、
水性インクを用いた印刷方式によって所定の印刷をす
る。
【0025】印刷は、記録媒体1の物品への熱接着後
に、透明基材11を通して印刷面と反対側から見た際に
正しく表示されるように、表裏を反転させた状態で行
う。印刷方式としては、例えばペンプロッタや、あるい
は前述したインクジェット方式を利用したプリンタやプ
ロッタなどの、水性インクを用いた種々の印刷方式がい
ずれも採用可能であるが、これまで説明してきたように
インクジェット方式を利用したプリンタやプロッタを用
いて印刷するのが最適である。
【0026】印刷に使用する水性インクは一般に、水性
溶剤中に、水溶性染料などの着色剤を配合することで製
造される。水性溶剤としては、塗剤の場合と同様に水の
他、水と水溶性有機溶剤との混合溶剤が使用可能であ
り、特に取り扱いの容易さから水単独、または水とメタ
ノール、エタノール、ブタノールなどの低級アルコール
との混合溶剤が好適に使用される。
【0027】また、例えば黒色のインクに用いられる着
色剤としては、ニグロシン、C.I.ソルベントブラッ
ク3、C.I.ソルベントブラック5、C.I.ソルベ
ントブラック7、C.I.ソルベントブラック22、
C.I.ソルベントブラック23などの染料があげられ
る。また、フルカラー印刷用の各色のインクに用いられ
る着色剤としては、例えばC.I.ソルベントブルー1
1、C.I.ソルベントブルー12、C.I.ソルベン
トブルー25、C.I.ソルベントブルー36、C.
I.ソルベントブルー55、C.I.ソルベントブルー
73などのシアン染料;C.I.ソルベントレッド3、
C.I.ソルベントレッド8、C.I.ソルベントレッ
ド24、C.I.ソルベントレッド25、C.I.ソル
ベントレッド49、C.I.ソルベントレッド81、
C.I.ソルベントレッド82、C.I.ソルベントレ
ッド83、C.I.ソルベントレッド84、C.I.ソ
ルベントレッド109、C.I.ソルベントレッド12
1などのマゼンダ染料;C.I.ソルベントイエロー
2、C.I.ソルベントイエロー6、C.I.ソルベン
トイエロー14、C.I.ソルベントイエロー15、
C.I.ソルベントイエロー19、C.I.ソルベント
イエロー21、C.I.ソルベントイエロー80などの
イエロー染料などがあげられる。
【0028】着色剤の添加量は、インク総量に対して1
〜30重量%程度、特に3〜12重量%程度が好まし
い。上記の水性インクを用いて印刷を行うインクジェッ
ト方式としては、ノズルから、水性インクの微小液滴
を、印刷データに応じて断続的に吐出させて、インク受
容層12の表面に印刷を行う、いわゆるオン・ディマン
ド式と、ノズルから連続的に放出される水性インクの微
小液滴に、印刷データに応じて選択的に電荷または磁場
をかけて、所定の液滴のみをインク受容層12の表面に
飛ばして印刷を行うコンティニュアス式とがあるが、本
発明ではこのいずれを使用してもよい。
【0029】またオン・ディマンド式のインクジェット
方式には、(1) プリンタヘッドのノズル内に設けたヒ
ータでインクを加熱して微小な気泡を発生させることに
よって、ノズルの先端から一定量のインクを吐出させ
る、いわゆるバブルジェット(登録商標)方式や、(2)
上記ノズルの一部を温度変化によって変形する部材で
構成して、当該部材をヒータで加熱して変形させること
によって、同様にノズルの先端から一定量のインクを吐
出させる、いわゆるサーマルインクジェット方式、ある
いは(3) ピエゾ素子の変形を利用して、ノズルの先端
から一定量のインクを吐出させる、いわゆるマッハジェ
ット方式などがあるが、本発明ではこのいずれを採用し
ても構わない。
【0030】次に、印刷が終了した記録媒体1を、印刷
したい物品の表面に、インク受容層12が接触するよう
に載置したのち、図1(a)に白矢印で示すように、透明
基材11側から、例えば前述した家庭用アイロンなどを
用いて加熱、加圧するか、もしくはヘアドライヤなどを
用いて加熱すると、インク受容層12を構成する樹脂が
加熱、軟化し、あるいは溶融して、記録媒体1が、物品
の表面に熱接着される。
【0031】このあと室温まで冷却すると、上記記録媒
体1によって間接的に所定の印刷が施された、例えば名
札、各種表示板などのプレート類や、あるいは会員証等
の各種カード類などの物品が得られる。またインク受容
層12に所定の印刷を施した記録媒体1を、そのままで
ステッカーやシールとして使用することもでき、その場
合には、例えば店舗のショーウインドーや家庭の窓ガラ
ス、車のフロントガラス、什器、家具その他、これまで
は直接に印刷することができなかった種々の表面に、イ
ンクジェット方式による良好な印刷を施すことが可能と
なる。
【0032】また印刷した記録媒体1を厚紙などに貼り
付ければ、例えば厚紙の表面に直接に印刷した上にラミ
ネートフィルムを被覆して形成していた店舗用のPOP
(point of purchase、購買時点広告)などを、これま
でより簡単に形成することも可能となる。
【0033】
【実施例】以下に本発明を、実施例に基づいて説明す
る。 実施例1 (塗剤の調製)ポリエーテル系ポリエステル〔第一工業
製薬(株)製の商品名「パオゲン」〕20重量部と、純水
80重量部とを混合し、均一に溶解して塗剤を調製し
た。
【0034】(記録媒体の作製)上記塗剤を、透明基材
11である厚み100μmのPETフィルムの片面に、
乾燥後の厚みが20〜25μmとなるように塗布したの
ち、室温で乾燥させてインク受容層12を形成して、透
明基材11とインク受容層12の2層構造を有する記録
媒体1を作製した。 (印刷)A4判にカットした上記記録媒体1のインク受
容層12に、バブルジェット方式のインクジェットプリ
ンタ〔キャノン(株)製のBJC420J〕を用いて、印
刷の解像度を360dpiに設定して、水性インクによ
る印刷を行った。
【0035】水性インクは、上記インクジェットプリン
タの純正の、シアン、マゼンタ、イエローおよびブラッ
クの4色を使用した。印刷の図柄は、プリンタを接続し
たパソコンで読み込んだ所定の表示21と、この表示2
1を中心として記録媒体を所定のサイズにカットするた
めの枠22とを含むものとした(図2)。なお図は、表
示21を透明基材11側から見た状態を示し、インク受
容層12への実際の印刷は、表裏を反転させた状態で行
った。
【0036】(熱接着)印刷した記録媒体1を、上記枠
22に沿って矩形状にカットし、それを同サイズの白色
アクリル板31(厚み5mm)の上に、インク受容層が
接触するように重ね合わせた。そしてその上から、家庭
用アイロンを使用して記録媒体1を加熱、加圧して熱接
着させることで、図3に示すように所定の表示が印刷さ
れた表示板3を得ることができた。
【0037】上記表示板3は、水性インクによる表示2
1が透明基材11の内側、白色アクリル板31との間に
位置するため、従来の、通常の印刷方法で印刷された表
示板とほぼ同等の耐水性、耐候性を有することが確認さ
れた。 実施例2 インク受容層用の塗剤として、下記の各成分を含有する
ものを用いたこと以外は実施例1と同様にして、透明基
材11とインク受容層12の2層構造を有する記録媒体
1を作製した。
【0038】 (成分) (重量部) ポリビニルアルコール 9 カチオン性アクリル系樹脂 1 純水 90 なおカチオン性アクリル系樹脂の原料としては、ダイセ
ル化学工業(株)製の商品名「セビアン3754」(固形
分濃度30重量%のエマルジョン)を使用した。エマル
ジョン中の水分は純水に加算した。
【0039】かかる記録媒体1のインク受容層12に、
実施例1と同様にして、水性インクによる印刷を行った
後、印刷中の枠22に沿って矩形状にカットし、それを
同サイズの白色アクリル板31(厚み5mm)の上に、
インク受容層が接触するように重ね合わせて、その上か
ら、家庭用アイロンを使用して加熱、加圧して熱接着さ
せることで、図3に示すように所定の表示が印刷された
表示板3を得た。上記表示板3は、水性インクによる表
示21が透明基材11の内側、白色アクリル板31との
間に位置するため、実施例1で得たものと同様に、従来
の、通常の印刷方法で印刷された表示板とほぼ同等の耐
水性、耐候性を有することが確認された。
【0040】実施例3 インク受容層用の塗剤として、下記の各成分を含有する
ものを用いたこと以外は実施例1と同様にして、透明基
材11とインク受容層12の2層構造を有する記録媒体
1を作製した。 (成分) (重量部) エチレンアクリル変性樹脂 6 シリカ 3 カチオン性アクリル系樹脂 1 純水 90 なおエチレンアクリル変性樹脂の原料としては、中央理
化工業(株)製の商品名「リカボンドET−8」(固形分
濃度21.5重量%のディスパージョン)を使用した。
またカチオン性アクリル系樹脂の原料としては、実施例
2と同じものを用いた。ディスパージョンおよびエマル
ジョン中の水分は純水に加算した。
【0041】かかる記録媒体1のインク受容層12に、
実施例1、2と同様にして、水性インクによる印刷を行
った後、印刷中の枠22に沿って矩形状にカットし、そ
れを同サイズの白色アクリル板31(厚み5mm)の上
に、インク受容層が接触するように重ね合わせて、その
上から、家庭用アイロンを使用して加熱、加圧して熱接
着させることで、図3に示すように所定の表示が印刷さ
れた表示板3を得た。上記表示板3は、水性インクによ
る表示21が透明基材11の内側、白色アクリル板31
との間に位置するため、実施例1、2で得たものと同様
に、従来の、通常の印刷方法で印刷された表示板とほぼ
同等の耐水性、耐候性を有することが確認された。
【図面の簡単な説明】
【図1】同図(a)は、本発明の記録媒体の、実施の形態
の一例を示す拡大断面図、同図(b)は、上記記録媒体の
全体を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施例において、記録媒体のインク受
容層に表示を形成した状態を示す正面図である。
【図3】図2の記録媒体を用いて作製した表示板の斜視
図である。
【符号の説明】
1 記録媒体 11 透明基材 12 インク受容層

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】透明基材の片面に、感熱接着性と、水性イ
    ンクの受容性とを有するインク受容層を形成したことを
    特徴とする記録媒体。
  2. 【請求項2】インク受容層が、水溶性または吸水性と、
    感熱接着性とを兼ね備えた樹脂にて形成されたことを特
    徴とする請求項1記載の記録媒体。
  3. 【請求項3】インク受容層が、感熱接着性を有する樹脂
    中に、吸水性充てん剤を分散させて形成されたことを特
    徴とする請求項1記載の記録媒体。
  4. 【請求項4】透明基材が樹脂フィルムであることを特徴
    とする請求項1記載の記録媒体。
JP2000254486A 2000-08-24 2000-08-24 記録媒体 Pending JP2002067481A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004090582A (ja) * 2002-09-04 2004-03-25 Toppan Printing Co Ltd 抽選券およびその製造方法
WO2006019134A1 (ja) 2004-08-19 2006-02-23 Mitsubishi Plastics, Inc. インクジェット記録材料
JP2010018031A (ja) * 2003-01-17 2010-01-28 Robert John Mabbott 表面上への画像の提供法

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