JP2002066659A - 多段プレス成形方法 - Google Patents
多段プレス成形方法Info
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Abstract
壁部の壁反りを防止し、、寸法精度の良好な成形部材が
得られる多段プレス成形方法を提供する。 【解決手段】 ダイ1の成形穴部11にパンチ3を押し
込むことにより前記素材金属板Wを絞り成形する第1成
形工程と、第1成形工程により成形された第1成形部材
の曲げ曲げ戻し変形を受けた側壁部に引張力を付加する
第2成形工程とを有する。前記第2成形工程において、
前記第1成形部材の側壁部の平均板厚をt1、第2成形
工程後の前記側壁部の平均板厚をt2としたとき、第2
成形工程における板厚歪みεt2=(t1−t2)/t
1×100(%)を下記εmin 以上とする。但し、rd
1は第1成形工程におけるダイ肩部の半径mm、TSは素
材金属板の引張強さMPa、tは素材金属板の板厚であ
る。 εmin =(−9・rd1+365)・10-5・TS/t
Description
のプレス成形に関し、離型後の弾性回復に起因する成形
部材の壁反り等の寸法精度不良を改善するための技術に
関する。
プレス成形した多数のプレス成形部材から構成されてい
る。プレス成形後、成形部材は金型から取り出される
が、この離型の際に型に拘束されていた部分が弾性回復
現象によって回復するため、成形部材に形状変化が生じ
る。形状変化が生じると、設計通りの寸法形状が得られ
ないため、複数の部材を組み立てることが困難であった
り、組み立て後に部材同士を接合(多くはスポット溶
接)する際に接合できないという問題がある。また、仮
に接合ができたとしても、部材の形状の狂いが原因で、
車体の全体あるいは特定部分の寸法が設計値から外れ、
所期のデザインを実現できないという不具合が生じる。
このような問題は、近年の軽量化や安全性の観点から自
動車車体に使用される薄鋼板の強度が高まっていること
や、軽量であるがヤング率が鋼板と比べて著しく低いア
ルミ板等の材料が使用されるに及んで、ますます大きな
問題となっている。
反り、パンチ肩部の角度変化など種々のものがあるが、
自動車用部材の製造時に多く用いられる絞り成形におい
ては、壁反りが大きな問題となっている。前記絞り成形
は、ダイと板押さえ部材との間に素材金属板を挟持し、
前記ダイ側にパンチを相対移動させて前記ダイの成形穴
部に前記素材金属板を前記パンチを介して押し込んで目
的形状に成形する方法である。絞り成形を行うと、成形
の際に、ダイの板押さえ面からダイの成形穴部の内面に
移行するダイ肩部において、素材金属板は先ず曲げ変形
を受け、前記肩部を通過後には曲げ戻し変形を受ける。
このような変形は曲げ曲げ戻し変形と呼ばれる。
した場合、パンチ頂部によって形成された底壁部31の
両側に形成された側壁部32,32が曲げ曲げ戻し変形
を受け、図11に示すように、側壁部32の外面側(成
形穴部の内面側)の表面部は、肩部を通過する際に一旦
圧縮され、通過後に引き伸ばされるため、プレス方向に
引張応力が残留する。一方、側壁部32の内面側(パン
チ外周面側)の表面部は、肩部を通過する際に一旦引き
伸ばされ、通過後に圧縮されるため、プレス方向に圧縮
応力が残留し、板厚方向において応力差が生じる。前記
側壁部32の板厚方向に残留応力差があると、図10に
示すように、離型後に曲げ曲げ戻し成形された側壁部3
2,32反るように変形し、壁反りが生じる。
に側壁部に引張応力を作用させ、型になじませながら成
形する方法が考案されたが、特殊なプレス装置が必要で
あり、通常のプレス装置によっては実施困難である。こ
れに対し、通常のプレス装置によって実施可能な方法と
して、素材金属板を絞り成形により目的形状に近似した
形状に第1成形した後、第1成形部材の曲げ曲げ戻し変
形を受けた側壁部に引張力を付加する第2成形を行い、
これによって側壁部の壁反りを軽減、緩和する多段プレ
ス成形法が試みられている。しかし、多段成形法におい
ては、適正な成形条件の決定指標が明確になっていない
ため、曲げ曲げ戻し変形を受けた側壁部の反りの発生を
防止することができない場合があり、安定的に壁反りを
防止するに至っていない。
で、通常のプレス装置によって実施することができ、曲
げ曲げ戻し変形を受けた側壁部の壁反りを防止すること
ができ、寸法精度の良好な成形部材が得られるプレス成
形方法を提供するものである。
おいて側壁部に引張力を加え、板厚方向の全面を引張応
力(同符号)に変化させことによって、第1成形におい
て曲げ曲げ戻し変形を受けた側壁部の板厚方向の異符号
の応力差を軽減、解消することによって、前記応力差に
起因する壁反りを防止、解消することができるとの判断
に基づき、前記第2成形における応力差の解消を可能と
する側壁部への引張加工度を定量化すべく鋭意研究した
結果、本発明を完成するに至った。
は、第1成形用ダイと第1成形用板押さえ部材との間に
素材金属板を挟持し、前記第1成形用ダイの成形穴部に
第1成形用パンチを押し込むことにより前記素材金属板
を絞り成形する第1成形工程と、第1成形工程により成
形された第1成形部材の曲げ曲げ戻し変形を受けた側壁
部に引張力を付加する第2成形工程とを有する多段プレ
ス成形方法において、前記第1成形部材の側壁部の平均
板厚をt1、第2成形工程後の前記側壁部の平均板厚を
t2としたとき、第2成形工程における板厚歪みεt2
=(t1−t2)/t1×100(%)を下記εmin 以
上とするように第2成形工程を行う方法である。 εmin =(−9・rd1+365)・10-5・TS/t 但し、rd1は第1成形工程におけるダイ肩部の半径m
m、TSは素材金属板の引張強さMPa、tは素材金属
板の板厚mmである。
用ダイと第2成形用板押さえ部材とによって挟持し、前
記フランジ部から前記第2成形用ダイの成形穴部への材
料の流入を阻止した状態で前記第2成形用ダイの成形穴
部に第2成形用パンチを押し込むことにより前記第1成
形部材の側壁部に引張力を付加することができる。この
方法によれば、第2成形工程の成形ストロークを適宜設
定することで前記板厚歪みεt2を容易に制御すること
ができる。また、第2成形工程の際にフランジ部が第2
成形用ダイの成形穴部に流入しないようにするには、前
記フランジ部の板押さえ圧Pを下記Pmin 以上とすれば
よい。 Pmin =0.29・TS・(0.02・rd2+0.
7)(MPa) 但し、rd2は第2成形におけるダイ肩部の半径mm、T
Sは素材金属板の引張強さMPaである。
ついて図を参照しながら説明する。この実施形態は、図
2に示す底壁部21の両側に側壁部22およびフランジ
部23が連成されたU形断面部材20を第1成形工程と
第2成形工程との2工程によって成形する例を示すが、
第1成形工程あるいは第2成形工程はそれぞれ複数の工
程から構成するようにしてもよい。なお、第1成形工
程、第2成形工程における成形を各々第1成形、第2成
形と呼ぶ。
および第2成形する際に用いられるプレス成形用金型の
基本構造を示しており、成形穴部11が形成されたダイ
(上型)1と、前記ダイ1に対して近接離反自在に設け
られ、前記成形穴部11と共働して素材鋼板Wを成形す
るパンチ(下型)2とを備えている。前記パンチ2の外
周部には、前記ダイ1の成形穴部11の外周部下面によ
って構成された板押さえ面12との間で素材鋼板Wを所
定の圧力にて押圧する板押さえ部材3が付設されてい
る。図中、rpはパンチ2の肩部の半径、rdはダイ1
の肩部の半径、STは成形ストローク、Pは板押さえ圧
を示す。以下の説明において、ダイ1、パンチ2、板押
さえ部材3については、第1成形用と第2成形用とを区
別せず、同符号を付する。一方、パンチ、ダイの肩部半
径については、必要に応じて第1成形の場合には添え字
「1」を、第2成形の場合には添え字「2」を付記す
る。例えば、第1成形におけるダイ肩部の半径はrd
1、第2成形におけるダイ肩部の半径はrd2と表現さ
れる。なお、第1成形工程、第2成形工程において使用
するプレス成形用金型は、同一の金型を用いればよい
が、別の金型を用いてもよい。
した後、曲げ曲げ戻し変形を受けた側壁部の壁反りを矯
正するために第2成形を行う。第1成形と第2成形とで
は成形条件が異なるが、いずれの成形においても金型の
基本動作は同様である。すなわち、まず、第1成形用ダ
イ1の板押さえ面12と第1成形用板押さえ部材3とに
よって素材金属板Wを挟持し、前記ダイ1の成形穴部1
1に第1成形用パンチ2を押し込むことにより前記素材
金属板Wを絞り成形し、目的形状に近似した形状の第1
成形部材を得る。この第1成形後に離型すると、図10
のように、側壁部に壁反りが生じる。次に、第1成形終
了時に第1成形用ダイ1と第1成形用板押さえ部材3と
によって挟持された第1成形部材のフランジ部を、第2
成形用ダイ1の板押さえ面12と第2成形用板押さえ部
材3とによって挟持し、前記第2成形用ダイ1の成形穴
部11に第2成形用パンチ2を押し込むことにより、前
記フランジ部を第2成形用ダイ1の成形穴部11内に流
入させつつ、あるいは材料の流入をストップして側壁部
に引張力を作用させ、側壁部の壁反りを矯正する。
ベル440MPa級の鋼板を素材鋼板として、前記U形
断面部材20を2段成形し、成形条件と壁反りとの関係
について調査した。その結果、壁反り低減量は、第2成
形時に発生する側壁部22での板厚ひずみεt2と深い
関係があることが見出された。前記第2成形における板
厚歪みεt2は下記式によって与えられる値である。 εt2=(t1−t2)/t1×100(%) 但し、第1成形後の側壁部の平均板厚をt1、第2成形
後の前記側壁部の平均板厚をt2とする。
条件(ダイ肩部の半径rd、クリアランス、板押さえ
圧)および素材条件(板厚、引張強さ、降伏強度)を種
々変えて2段成形を行ったところ、U形断面部材20の
側壁部22の壁反りは特に第1成形時のダイ肩部半径r
d1、素材の板厚t、引張強さTSと強い相関があるこ
とが分かった。
関係に及ぼすrd1,鋼板(板厚1.2mm)の引張強さ
の影響を調べた調査結果の3例を図3〜5に示す。この
調査は、第1成形条件をパンチ幅=50mm、rp1=5
mm、rd1=5〜15mm、クリアランス=1.6mm、成
形ストローク=70mm、板押さえ圧(成形終了時)=2
0MPaとし、第2成形条件をパンチ幅=50mm、rp
2=5mm、rd2=5mm、クリアランス=1.6mm、成
形ストローク=71〜75mm、板押さえ圧(成形終了
時)=50〜250MPaとして実施された。また、前
記壁そりは、左右の側壁部の等価曲率半径ρ(mm)の逆
数(mm-1)の平均値によって表した。前記等価曲率半径
は、図10に示すように、U形断面部材の底壁部31と
側壁部32とのアール止まりP1と、側壁部32とフラ
ンジ部33とのアール止まりP2とを結ぶ線分を弦と
し、前記線分から側壁部32が最も離間する距離δを弦
からの最大離間距離とする弧を備えた円の半径を意味す
る。
εt2の最小値εmin を式化すると下記式のように表現
され、板厚歪みεt2を最小値εmin 以上とするように
第2成形を行うことで、壁反りを防止することができ
る。 εmin =(−7.5・rd1+304.2)・10-5・
TS 但し、rd1は第1成形におけるダイ肩部の半径mm、T
Sは素材金属板の引張強さMPaである。前記図3〜5
の結果は、板厚tが1.2mmの場合であるので、440
MPa級鋼板を用いてεmin に及ぼす板厚の影響を調べ
た。調査は、前記と同様にして行ったが、rd1は5mm
とした。その結果を図6に示す。図6より、板厚による
影響も大きく、板厚が大きくなるほどεmin が小さくな
ることが判明した。これより、板厚tの影響を考慮して
前記式を再調整すると下記式(1) が得られた。式中のr
d1、TSは前記式と同様であり、tは素材金属板の板
厚mmである。 εmin =(−9・rd1+365)・10-5・TS/t ……(1)
ひずみの下限値εmin についてのみ式化を行ったが、あ
る程度の壁反りを許す場合には、前記式(1) に若干の補
正を加えればよく、その場合には、εmin がより小さい
値となる。また、板厚ひずみの上限値εmax について
は、成形部材の強度や剛性に悪い影響を与えない適宜の
値とすればよいが、通常、20%程度であれば問題な
い。
簡単に管理しながら成形する手法について説明する。側
壁部に引張力を付加する第2成形において、フランジ部
からダイの成形穴部への材料流入をストップさせれば、
下記(2) 式の関係が成り立ち、プレスの成形ストローク
STを適宜設定することで、板厚ひずみεt2を簡単に
制御することができる。なお、第2成形を複数工程で行
う場合は、式(2) 中のεt2、εl2は全工程における
合計値を意味する。 εt2≒εl2≒(ST2−ST1)/ST1×l00(%)……(2) εl2:第2成形工程における側壁部の伸び歪み% ST2:第2成形工程における成形ストロークmm ST1:第1成形工程における成形ストロークmm
からダイ成形穴部への材料流入をストップさせる効果的
な方法について説明する。大きな設備変更を行うことな
く、フランジ部から側壁部への材料流入をストップさせ
るには、板押さえ部材とダイとに挟持されたフランジ部
の摺動抵抗を大きくすればよい。その手法として、例え
ば次の方法を取ることができる。 板押さえ圧を上げる。 フランジ部の表面にドロービード(凹凸部)を設け
る。 金型、素材金属板の表面粗度を調整し、摩擦係数を上
昇させる。 防錆油あるいは潤滑材について摩擦係数を高くするも
のを選定する。
料流入阻止効果が得られるのはである。このため、本
発明では、フランジ部から側壁部への材料流入をストッ
プさせるのに必要な板押さえ圧の下限値Pmin について
調査した。この調査においては、第1成形終了後、第1
成形部材のフランジ部側のアール止まりにケガキ線を入
れておき、第2成形終了後にこのケガキ線が側壁部に流
入しているかどうかを調べることによって、流入の有無
を判断した。また、使用した金型の表面粗さRaは、標
準の仕上加工レベルに相当する1.6μm 以下とした。
挟持されたフランジ部から側壁部(ダイ成形穴部)への
材料流入を止め得る板押さえ圧には、素材条件(引張強
度、降伏強度)、成形条件(ダイ肩部の半径、クリアラ
ンス)が影響を及ぼすことが分かった。特に、素材の材
料強度(TS)、第2成形工程におけるダイ肩部の半径
(rd2)が大きな影響を及ぼすことがわかった。
め得る板押さえ圧(BHF)に及ぼす素材の材料強度
(MPa)およびダイ肩部の半径rd2(mm)の影響を
調べた調査結果の2例を図7および図8に示す。この調
査は、パンチ幅=50mm、rp1=5mm、rd1=5m
m、クリアランス=1.6mm、成形ストローク=70m
m、板押さえ圧(成形終了時)=20MPaとして第1
成形したU形断面第1成形部材を用いて、第2成形条件
としてパンチ幅=50mm、rp2=5mm、rd2=5〜
15mm、クリアランス=1.6mm、成形ストローク=7
5mm、板押さえ圧(成形終了時)=50〜250MPa
として第2成形し、第2成形の際に材料の流入の有無を
調べることによって実施された。
させる板押さえ圧の最小値Pmin を式化すると下記式
(3) のように表現され、板押さえ圧PをPmin 以上とす
るように第2成形を行うことで、材料の流入を確実に阻
止することができる。従って、第2成形の成形ストロー
クを前記のように管理することで、壁反りを簡単容易に
防止することができる。 Pmin =0.29・TS・(0.02rd2+0.7)(MPa)……(3) rdi:2工程目以降のi工程でのダイ肩Rmm TS:打料の引張強度MPa
断面部材に対する限界値であるが、U形断面部材は長さ
方向両端において側壁部が拘束されていないため、側壁
部には反りが最も生じやすい形態をしている。実際の自
動車用部材には、このような両端解放形状のみに限ら
ず、後述の実施例のように、両端における側壁部が連成
され、互いに拘束された形状のものもある。両端で側壁
部同士が連成されたものは、両端解放形状のものより壁
反りが生じにくく、前記εmin 、Pmin を満足すれば、
より良好な壁反り防止効果を得ることができる。
部への引張力の付与の観点から説明したが、例えば穴開
けなどの他の加工を同時に行うようにしてもよい。ま
た、多段成形には、壁反りの矯正を目的とする第2成形
以外の他の成形工程、例えばフランジ部のせん断加工を
目的とする成形工程を設けるようにしてもよい。また、
本発明を実施するためのプレス装置には特に制限はな
く、油圧プレスやメカニカルプレス、更には対向液圧プ
レス等のどのような形式のプレスでも使用可能である。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する
が、本発明はかかる実施例により限定的に解釈されるも
のではない。
0MPa)を素材鋼板とし、基本構成が図1と同様の金
型を用いて図9に示す自動車用センターピラーモデル部
材を第1成形工程、第2成形工程の2工程によってプレ
ス成形した。この際、第1成形工程、第2成形工程とも
同一の金型を使用した。第1成形工程における板押さえ
圧P1は50MPaとした。また、第1成形工程におけ
る成形ストロークST1、第2成形工程における板押さ
え圧P2および成形ストロークST2を表1に示す。表
1には工具(金型)の表面平均粗さ(Ra)、第2成形
工程における材料のダイ成形穴部への流入有無の観察結
果をも示した。第2成形後、壁反りを測定した。壁反り
は、中央部断面A−A(図の上端から約370mm位置)
におけるU形断面における側壁部の等価曲率半径の逆数
(両側壁部の平均値)によって示した。また、第2成形
前後の側壁部の平均板厚から板厚歪みεt2を計算し
た。これらの結果を表1に併せて示す。
押さえ圧P2を100MPaとし、第2成形での成形ス
トローク差ΔST=(ST2−STl)を1〜4mmに順
次大きくしたものである。前記式(1) により、εmin を
計算すと1.88%であり、これ以上のεt2を有する
No. 3,4では予測通り壁反りが完全に防止されてい
る。 εmin =(−9・rd1+365)・10-5・TS/t =(−9・5+365)・10-5・590/1.0 =1.88(%)
部への材料流入があるため、第2成形の成形ストローク
ST2を適正に設定し難い面がある。そこで、第2成形
において、フランジ部から側壁部への材料流入をストッ
プするために必要な板押さえ圧の下限値Pmin を前記式
(3) により計算したところ、137MPaであった。 Pmin =0.29・TS・(0.02rd2+0.7) =0.29・590・(0.02・5+0.7) =137(MPa) 次に、材料流入をストップできたと仮定した場合に、ε
min =1.88(%)を満足する第2成形の成形ストロ
ーク差ΔST(ST1=39mmの場合)を式(2) より求
めると、0.73mmであった。そこで、No. 5ではΔS
T=0.5mm(比較例)とし、No. 6ではΔST=1mm
(発明例)として第2成形を実施した。その結果、No.
0.5では若干壁反りが残ったのに対し、発明例のNo.
6では壁反りは生じなかった。
入を止める方法として、上記の板押さえ圧の高圧化以外
に、No. 7として工具表面粗度をRa3μm と粗くした
金型を用いて第2成形を行った。その結果、板押さえ圧
をNo. 1〜4と同レベルの100MPaに減少させて
も、材料流入を止めることができ、壁反り=0を実現す
ることができた。
曲げ戻し変形を受ける側壁部の壁反りを安定的に防止す
ることができ、更にはパンチ底部のたわみやパンチ肩部
の角度変化等の改善効果が期待でき、高強度鋼板やアル
ミ板等を安定かつ精度良く成形することができる。この
ため、成形不良に基づく組み立て不良や、複数の成形部
材の接合不良を防止することができ、生産性の向上に寄
与することができる。
形用金型の要部断面図である。
の斜視図である。
の壁反りに及ぼす側壁部板厚歪みεt2および素材鋼板
強度の影響を示すグラフである。
合の壁反りに及ぼす側壁部板厚歪みεt2および素材鋼
板強度の影響を示すグラフである。
合の壁反りに及ぼす側壁部板厚歪みεt2および素材鋼
板強度の影響を示すグラフである。
の最小値εmin と板厚tとの関係を示すグラフである。
の板押さえ圧に及ぼす素材鋼板強度の影響を示すグラフ
である。
合の板押さえ圧に及ぼす素材鋼板強度の影響を示すグラ
フである。
ラーモデル)の平面図および側面図である。
り状態を示す外観説明図である。
留応力状態を示す説明図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 第1成形用ダイと第1成形用板押さえ部
材との間に素材金属板を挟持し、前記第1成形用ダイの
成形穴部に第1成形用パンチを押し込むことにより前記
素材金属板を絞り成形する第1成形工程と、第1成形工
程により成形された第1成形部材の曲げ曲げ戻し変形を
受けた側壁部に引張力を付加する第2成形工程とを有す
る多段プレス成形方法において、 前記第1成形部材の側壁部の平均板厚をt1、第2成形
工程後の前記側壁部の平均板厚をt2としたとき、第2
成形工程における板厚歪みεt2=(t1−t2)/t
1×100(%)を下記εmin 以上とするように第2成
形工程を行う多段プレス成形方法。 εmin =(−9・rd1+365)・10-5・TS/t 但し、rd1は第1成形工程におけるダイ肩部の半径mm TSは素材金属板の引張強さMPa tは素材金属板の板厚mm - 【請求項2】 前記第1成形部材のフランジ部を第2成
形用ダイと第2成形用板押さえ部材とによって挟持し、
前記フランジ部から前記第2成形用ダイの成形穴部への
材料の流入を阻止した状態で前記第2成形用ダイの成形
穴部に第2成形用パンチを押し込むことにより前記第1
成形部材の側壁部に引張力を付加する請求項1に記載し
た多段プレス成形方法。 - 【請求項3】 前記フランジ部の板押さえ圧Pを下記P
min 以上とする請求項2に記載した多段プレス成形方
法。 Pmin =0.29・TS・(0.02・rd2+0.
7)(MPa) 但し、rd2は第2成形におけるダイ肩部の半径mm TSは素材金属板の引張強さMPa
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