JP2002066378A - 電気集塵機 - Google Patents
電気集塵機Info
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Abstract
塵効率を向上させるとともに、省スペ−ス化が実現でき
る電気集塵機を提供する。 【解決手段】排ガスを断熱冷却する第一水冷装置と、そ
の後段に断熱冷却後の飽和排ガスを過冷却する第二水冷
装置を配設し、断熱冷却用水と過冷却用水との直接接触
をさけて、過冷却用水の温度上昇を防止した。
Description
硫黄酸化物等を除去する電気集塵機に関するものであ
る。
れる排ガスには、煤塵、酸性物質等が含まれている。こ
れらの有害物質は、通常、湿式電気集塵機および脱硫装
置等で除去されるが、煤塵等を全て除去するのは困難で
あり、排ガス中に残存する煤塵や酸性物質等はそのまま
大気中へ排出され、周辺の環境悪化や酸性雨の原因とな
っていた。
熱冷却方式の水冷装置を備えた電気集塵機を用いて、粒
子の大きい煤塵や酸性物質を除去し、残存した煤塵は電
気集塵部で捕捉して除去する方法が知られている。ここ
で、断熱冷却とは、排ガスに冷却用水を直接接触させ
て、排ガスを増湿冷却し、排ガスの冷却に使用した冷却
水を循環して再度利用することをいう。
により集塵しやすくなるが、排ガス中の有害物質をより
低減させる必要がある場合には、排ガスを断熱冷却させ
た後、さらに冷却して過冷却状態とし、煤塵をさらに肥
大化させて除塵効率を向上させる方法が用いられてい
る。
となった排ガス(飽和排ガス)は、さらに飽和排ガスの
露点以下の冷却水で冷却されて、過冷却状態となる。こ
のとき、煤塵粒子が核となり、水蒸気がその周りに凝縮
することによって煤塵粒子径が肥大化するので、集塵部
において、これらを効率良く除去することが可能にな
る。
は、図6に示すように、排ガスを十分に断熱冷却する飽
和塔40と、飽和塔40で飽和状態になった排ガスを、
冷却装置41付きの水冷装置42で過冷却して集塵する
集塵塔43とから構成されたものが知られている。排ガ
スは、飽和塔40で断熱冷却され、集塵塔43において
過冷却して煤塵を肥大化させ、充填層44や電気集塵部
45でこれを捕捉して除去している。
置は、飽和塔と集塵塔が別施設になっているので、装置
が大型化し、設置場所が限定されるという問題があっ
た。
もに、省スペ−ス化が可能な電気集塵機を提供すること
を目的とする。
め、本発明の電気集塵機は、外筒および内筒からなる二
重筒構造を有し、排ガスを内筒の上方から下向きに流入
させた後、内筒と外筒との間の空間部を上向きに通過さ
せる排ガス流路が形成され、内筒に排ガスを断熱冷却す
るための第一水冷装置が設けられ、前記空間部に電気集
塵部が配設された電気集塵機であって、第一水冷装置の
下流側に、第一水冷装置により断熱冷却された排ガスを
過冷却するための第二水冷装置を配設したことを特徴と
するものである。
効率を実現するためには、電気集塵部への排ガス流入量
をできるだけ均一にすることが重要であり、その点にお
いて上記電気集塵機は、内筒に導入された排ガスが外筒
底部で反転し、四方に分散しつつ均一に電気集塵部に導
入可能であるという優れた特性を有している。
の電気集塵機の内筒に、断熱冷却方式の水冷装置を配す
ることで内筒のスペ−スの有効利用を図りつつ、さらに
その下流側に第二水冷装置(過冷却装置)を配すること
で、非常にコンパクトで、かつ集塵効率の高い電気集塵
機を提供することが可能になる。
冷装置の下流側に配設されていれば特に限定されるもの
ではないが、内筒下部に配設し、第二水冷装置から電気
集塵部までの距離をできるだけ長くすることで、この間
に粒子成長を促進でき、粒子径を十分に大きくすること
ができる。
が、第二水冷装置の過冷却用水に直接接触するのを避け
るためのガイド板を両水冷装置の間に設置することによ
り、過冷却用水の水温上昇を防止できるので、排ガスを
過冷却状態にすることできる。
断熱冷却用水が降りかかるのを防止するものであれば、
円盤型、平板型等、種々の形状のものが適用できるが、
傘型、山型のように、傾斜をつけて内筒の内壁側に断熱
冷却用水を流せば、水は内壁を伝って流下するので、第
二水冷装置周辺の空間は、飽和排ガスのみ通過すること
になり、これを効率良く過冷却することができる。な
お、ガイド板は、複数を組み合わせて使用してもよい。
流板を配設すれば、電気集塵部に均一に排ガスを導入す
ることができるので、集塵効率をさらに向上させること
ができる。
は、内筒を流下して外筒の底部に溜まるが、その間にH
Cl、SiF4 、HF等の酸性物質が吸収される。断熱
冷却方式の水冷装置を備えた電気集塵機では、外筒底部
の水を循環させて、再度第一水冷装置から噴霧してい
る。この外筒底部の水にアルカリ試剤を添加してpHを
調整することにより、酸性物質の吸収効率を向上させる
ことができる。
となく使用可能であるが、水酸化カルシウム等のカルシ
ウム系試剤を使用した場合は、外筒の内壁および配管内
にスケ−ルが付着するおそれが生じることから、一定の
溶解度を有する水酸化マグネシウム等のマグネシウム系
試剤、あるいは、水酸化ナトリウム等のナトリウム系試
剤を用いることが望ましい。
説明したが、構造はこれに限定されるものではなく、例
えば、図5に示すように、電気集塵部を有するケ−シン
グ本体から冷却筒が突出して形成されている電気集塵機
を用いてもよい。
構造のものと比較すると、排ガスはケ−シングの側面か
ら横方向に流入してケ−シング内を下方から上方へ通過
するため、電気集塵部への排ガス流入量が不均一となる
ので、集塵効率を向上させるには、電気集塵部の下方に
整流板を配設し、さらに加圧装置等によって圧力を加え
ることによって、排ガスを電気集塵部に均一に導入する
のが望ましい。
係る電気集塵機1の構成を示す概略構成図である。図1
に示すように、本実施形態の電気集塵機1は、外筒2お
よび内筒3からなる二重筒構造となっており、内筒3の
上部には、内筒3上方から下方へ取り込まれる排ガスに
冷却水を直接噴霧して断熱冷却する第一水冷装置4が設
置されている。
端開口部5から外筒2の内部に送り込まれた排ガスを整
流する整流板6と、その上方に電気集塵部7が配設され
ている。電気集塵部7は、縦に配設された複数の集塵極
8と、各集塵極間に位置して縦に配設された放電極9と
を有し、両極間に直流の高圧を直流電源10から印加す
ることによって、煤塵を帯電させて集塵極で捕捉してい
る。
水冷装置12が配設されており、この第二水冷装置12
と第一水冷装置4の間には、ガイド板13が設置されて
いる。
に水をシャワ−状に分散する分散ノズル14と、分散ノ
ズル14に水を供給するパイプ15とから構成されてい
る。
水は、内筒3の内壁を伝って外筒2へ流れ落ち、第二水
冷装置が配設された周辺空間部は、飽和排ガスのみが通
過することになり、これに飽和排ガスの露点以下の過冷
却用水を噴霧することにより、効率良く過冷却できる。
過冷却後の排ガス中の煤塵は粒子径が肥大化しているの
で、集塵効率を大幅に向上できる。
を採用しており、ガイド板13の形状は、図2(a)に
示すような山型のものが用いられる。これにより、ガイ
ド板13と内筒3の内壁との隙間を小さくできるので、
断熱冷却水が過冷却水に直接接触するのをより一層防止
できる。なお、内筒の形状を円筒状にした場合は、図2
(b)に示すような、円錐型とすればよい。
は過冷却に使用した水を回収しやすくするためにホッパ
−状とされ、さらにドレン排水口16が配設されてお
り、外筒2の外側には、送液ポンプ17からの水を内筒
3の第一水冷装置4へ戻す第一循環路18が形成されて
いる。
水の供給手段は特に限定されるものではないが、外筒2
底部の水を第二水冷装置12へ戻す第二循環路19を形
成し、さらに第二循環路19上に冷却装置20を配設し
て、循環する水を飽和排ガスの露点以下に冷却すること
により、外筒2底部の冷却用水を再利用できるので、外
部から水をその都度供給する場合と比較すると、より運
転維持コストを削減できる。
カリ試剤を注入する注入路21が形成され、この注入路
21にアルカリ試剤を供給する供給タンク22が配設さ
れている。さらに、第一循環路18には、アルカリ試剤
を注入後、一定濃度に達した冷却用水をブロ−する放出
路23が形成されている。なお、アルカリ試剤として、
マグネシウム系、ナトリウム系試剤を使用すれば、生成
した塩は、濃度5重量%前後まで液に溶解した状態で運
転すれば、スケ−ルが発生しにくく、また、スケ−ルが
発生した場合でも、水洗浄により容易に除去することが
できる。
間隔をおいて複数設けられている。図3(a)は整流板
の側面図、(b)は同じく斜視図である。整流板6の形
状は、電気集塵部7を洗浄する際、洗浄水の排水溝とし
ても機能するように断面が上開放コの字状となってい
る。洗浄排水は整流板6上を流れ、外筒2の内壁に取付
けられた受片11に流れ込ませており、受片11から溢
れ出した洗浄排水は外筒2の内壁伝いに流れ、外筒2底
部で回収される。なお、整流板の底面26は、受片に洗
浄排水が流れ込みやすいように、斜め下方に延設されて
いる。また、受片11は、電気集塵部7に送り込まれた
排ガスの逆流防止機能をも有している。
−から内筒に送り込まれた排ガスは、図1中の点線矢印
に示すように、内筒3上部から下向きに流入し、外筒2
底部で反転して整流板6を上向きに通過し、電気集塵部
7で除塵される。除塵後は外筒2上部側面に配設された
ガス排出口24から外部へ排出される。
により断熱冷却され、さらに後段の第二水冷装置12に
より過冷却される。このとき、断熱冷却用水は山型のガ
イド板13により左右に分散されて過冷却用水と直接接
触しないので、過冷却用水の水温上昇を防止でき、ガイ
ド板13の下の空間25に存在する飽和排ガスを効率良
く過冷却できる。
は、電気集塵部7において捕捉され、電気集塵部7の直
流電源10を落とした後、水によって洗い流して除去し
ている。
加し、最も吸収効率の良好なpHに調整したのち、これ
を循環させて再び断熱冷却用水、あるいは過冷却用水と
して使用することにより、排ガス中の酸性物質を効率良
く除去している。
含むの場合は、断熱冷却することによりSO3 が液化
(ミスト化)し、さらに過冷却すると、煤塵の場合と同
様に、液滴を核として水蒸気がその周りに凝縮し、液滴
が肥大化するので集塵しやすい状態になる。
示す電気集塵機1の概略構成図である。本実施形態で
は、整流板6の下方に第二水冷装置12を配置したこと
を特徴としており、その他の構成は、第一実施形態と同
様である。
底部に設けられた第二水冷装置12で過冷却される。本
実施形態では、第一水冷装置4は内筒3側に、第二水冷
装置12は外筒2側に配設されているため、ガイド板1
3を取り付けなくても断熱冷却用水と過冷却用水とは直
接接触しないので、排ガスを過冷却状態にすることが可
能となる。
め、第二水冷装置12と電気集塵部7との間の間隔をで
きるだけ大きくするのが望ましい。
塵部7を有する筒(ケ−シング)の側面に、第一および
第二水冷装置4、12を備えた筒(冷却筒)が突出して
形成された点を特徴としており、その他の構成は、第一
実施形態と同様である。
−シング30および冷却筒31からなり、冷却筒31は
下部で屈曲されてケ−シング30の下部側面に接続され
た構造となっている。ケ−シング30内部には、整流板
6と、電気集塵部7とが配設され、冷却筒31には、送
り込まれた排ガスを断熱冷却する第一水冷装置4と、断
熱冷却後の排ガスを過冷却する第二水冷装置12が冷却
塔31の下部に設けられ、両水冷装置の間には、断熱冷
却用水と過冷却用水との接触を避けるためのガイド板1
3が配設されている。
中の点線で示すような排ガス流路が形成されており、排
ガスは、ケ−シング30側面の排ガス流入口32から横
方向に流入し、ケ−シング30内を下方から上方へ通過
するようになっている。また、この電気集塵機1には、
電気集塵部7へのガス流入量を均一にするため、図示し
ない加圧装置が配設されている。
るものではなく、本発明の範囲内で多くの修正、変更を
加えることができるのは勿論である。例えば、上記第一
実施形態では、ガイド板の形状として山型を例示した
が、角錐型とすることもできる。
塵機の内部に排ガスを断熱冷却する第一水冷装置と、そ
の後段に断熱冷却後の飽和排ガスを過冷却する第二水冷
装置を配設し、断熱冷却用水と過冷却用水との直接接触
を避けて、過冷却用水の水温上昇を防止することによ
り、一台の電気集塵機内で排ガスを過冷却状態とするこ
とができ、集塵効率を大幅に向上できるとともに、省ス
ペ−ス化が実現できる。
図
ド板の斜視図
視図
Claims (2)
- 【請求項1】外筒および内筒からなる二重筒構造を有
し、排ガスを内筒の上方から下向きに流入させた後、内
筒と外筒との間の空間部を上向きに通過させる排ガス流
路が形成され、前記内筒に排ガスを断熱冷却するための
第一水冷装置が設けられ、前記空間部に電気集塵部が配
設された電気集塵機であって、 前記第一水冷装置の下流側に、第一水冷装置により断熱
冷却された排ガスを過冷却するための第二水冷装置が配
設されたことを特徴とする電気集塵機。 - 【請求項2】前記第二水冷装置が前記内筒の内部に配設
され、前記第一水冷装置と第二水冷装置の間に、第一水
冷装置からの断熱冷却用水が第二水冷装置からの過冷却
用水に直接接触するのを防止するためにガイド板を配設
したことを特徴とする請求項1記載の電気集塵機。
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