JP2002066338A - 内燃機関の排気ガス浄化用担体及びこれを用いた排気ガス浄化装置、並びにこれらの製造方法 - Google Patents
内燃機関の排気ガス浄化用担体及びこれを用いた排気ガス浄化装置、並びにこれらの製造方法Info
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Abstract
分を浄化する触媒層を、均一にかつその量を容易に管理
可能に付することができる触媒層形成方法を提供する。 【解決手段】触媒層形成前の担体1’に対して、液体な
どの流体媒体に触媒成分を混入したスラリーを、触媒層
を配置しようとする側(入口側又は出口側)から流入さ
せる。流入方法は、担体1’の一側端面がスラリーに面
した状態で、他側から吸引するか、又はスラリーを供給
側から圧縮するなどして担体1’内部に押し込むかの、
いずれであってもよい。なお、上記流体媒体は、担体壁
部11の細孔を通過させることができる。
Description
り仕切られる複数の並列貫通空間を一方又は他方の端部
で交互に閉塞させ、前記壁部に触媒層を付した内燃機関
の排気ガス浄化用担体及びこれを用いた排気ガス浄化装
置、並びにこれらの製造方法に関する。より詳細には、
ディーゼルエンジンからの排気ガスなどに含まれる粒子
状物質(PM)をろ過除去可能な担体壁部に対して、触
媒層を広く均一に、かつ正確に付するための改良された
触媒層形成技術に関する。
ゼルエンジンからの排気ガスなどに含まれるPMの放出
を抑制する対策が求められており、この対策として、デ
ィーゼルパティキュレートフィルタ(以下「DPF」と
いう。)などの、上記PMを大気への放出前にろ過除去
可能な内燃機関の排気ガス浄化装置がある。
を単一の装置において浄化可能としたものとして、従来
より、担体壁部に上記触媒層を局所的に付加したものが
ある(特開昭56−148607号公報参照)。このも
のは、多孔質の壁部により仕切られる複数の並列貫通空
間(貫通孔)を入口側か又は出口側かにおいて交互に閉
塞させた担体を有しており、この担体に対して入口側か
ら流入した排気ガスが前記壁部を通過する際に、排気ガ
スに含まれる粒子状物質がろ過除去されるようになって
いる。
少なくとも一方の流路壁面には、触媒層(例えば、酸化
触媒のコーティング)が形成されており、排気ガスが担
体に流入したり、また流出したりするタイミングで触媒
による浄化作用が得られ、PMのろ過除去と、HC,C
Oなどのガス状汚染成分の浄化とが、ともに可能となっ
ている。
術としては、従来より、液体媒体に触媒成分を混入した
いわゆるスラリーと呼ばれる溶液に担体を漬け込んだ
後、これを引き上げ、乾燥焼成工程を経て触媒化する、
という方法が一般的に採用されてきた。
来の触媒層形成方法では、DPFなどの特殊構造の担体
に触媒層を付する場合には、次のような問題がある。す
なわち、DPFなどでは、担体内部の並列貫通空間が交
互に閉塞された構造となっているため、スラリーに担体
全体を漬け込んだ後引き上げた結果として付される触媒
層は不均一なものとなり易く、担持される触媒成分に量
的なバラツキが生じる傾向があり、担体壁部全体に均一
な触媒層を形成するのは困難である。
形成する触媒成分の量管理も困難である。このような実
情に鑑み、本発明は、並列貫通空間が交互に閉塞されて
構成される担体に対しても触媒層を広く均一に設けるこ
とができ、かつその触媒成分の量も容易に管理可能とな
る内燃機関の排気ガス浄化用担体及びこれを用いた排気
ガス浄化装置、並びにこれらの製造方法を提供すること
を目的とする。
内燃機関の排気ガス浄化用担体の製造方法は、多孔質の
壁部により仕切られる複数の並列貫通空間を入口側か又
は出口側かで交互に閉塞させ、前記壁部に触媒層を付し
た内燃機関の排気ガス浄化用担体の製造方法であって、
前記担体に触媒層を付する際に、前記壁部を通過させる
ことのできる流体媒体に触媒成分を混入したスラリーを
前記担体に対して入口側及び出口側の少なくとも一方か
ら順次流入させ、前記流体媒体は前記壁部を通過して流
出させる一方、前記触媒成分は前記壁部の少なくとも一
側に堆積させることを特徴とする(請求項1)。
粒子状物質がろ過除去される程度に小さくするのが好ま
しい(請求項2)。前記触媒成分は、堆積後に乾燥焼成
するのが好ましい(請求項3)。本発明に係る内燃機関
の排気ガス浄化用担体の製造方法では、前記触媒成分の
粒径φcを前記壁部の細孔径φhより大きく、すなわち
φh<φcとするのが好ましい(請求項4)。
部の細孔径φhに対する比r=φc/φhを1.2以上
とするのが特に好ましい(請求項5)。本発明に係る内
燃機関の排気ガス浄化用担体の製造方法では、前記流体
媒体として液体媒体を用いるのが好ましい(請求項
6)。ここで、前記液体媒体の粘度は、50 mPa・s 以
下とするのが好ましい(請求項7)。
分の体積比は、50%以下とするのが好ましい(請求項
8)。本発明に係る内燃機関の排気ガス浄化用担体の製
造方法では、前記流体媒体として気体媒体を用いてもよ
い(請求項9)。本発明に係る内燃機関の排気ガス浄化
用担体の製造方法では、前記担体に対して前記スラリー
を流入させる際に、前記スラリーの担体通過量を制御す
るのが好ましい(請求項10)。
の製造方法は、以上の方法によって製造された内燃機関
の排気ガス浄化用担体を内蔵させ、該担体に対して入口
側から排気ガスが流入して前記壁部を通過し、出口側か
ら流出されるようにしたことを特徴する(請求項1
1)。本発明に係る内燃機関の排気ガス浄化用担体は、
多孔質の壁部により仕切られる複数の並列貫通空間を排
気通路に関する入口側か又は出口側かで交互に閉塞さ
せ、前記壁部に触媒層を付した内燃機関の排気ガス浄化
用担体であって、前記触媒層は、前記壁部を通過させる
ことのできる流体媒体に触媒成分を混入したスラリーを
前記担体に対して入口側及び出口側の少なくとも一方か
ら順次流入させ、前記流体媒体は前記壁部を通過して流
出させる一方、前記触媒成分を前記壁部の少なくとも一
側に堆積させて設けられたものであることを特徴とする
(請求項12)。
粒子状物質がろ過除去される程度に小さいのが好ましい
(請求項13)。前記触媒成分の粒径φcが前記壁部の
細孔径φhより大きい、すなわちφh<φcであるのが
好ましい(請求項14)。ここで、前記触媒成分の粒径
φcの前記薄壁の細孔径φhに対する比r=φc/φh
が1.2以上であるのが特に好ましい(請求項15)。
は、以上の内燃機関の排気ガス浄化用担体を内蔵し、該
担体に対して入口側から排気ガスが流入して前記壁部を
通過し、出口側から流出されるようにしたことを特徴と
する(請求項16)。
空間が交互に閉塞されて構成される担体に対して触媒層
を担体壁部全体に付することができるばかりでなく、さ
らに次の効果を得ることができる。担体に付される触媒
層を形成する触媒成分は、流体媒体の流れに沿って特定
の(即ち、入口側か又は出口側かの)貫通空間から担体
内部に導入され、担体壁部には、このようにして導入さ
れた触媒成分のみが、導入側の壁部壁面に堆積する。従
って、不必要な触媒成分の堆積を防止することができ、
スラリーに担体を漬け込んで触媒層を付する従来方法と
比べて、触媒層を形成する触媒成分の量を、正確に管理
することができる。また、触媒層を入口側に配置するの
か、出口側に配置するのか又は両側に配置するのかとい
う自由度が向上する。
分を輸送する流体媒体は担体内部に滞留せず、担体壁部
を通過した後他方の側から流出される。このため、スラ
リーの供給を停止した後には、担体内部に溜まった余分
なスラリーを排除するという手間が要らず、また触媒成
分の堆積状態は良好に維持されるので、均一な触媒層を
容易に付することができる。
含まれる粒子状物質をろ過除去するフィルタ機能と、触
媒機能との2つの機能を提供する排気ガス浄化用担体を
得ることができる。請求項3に係る発明によれば、触媒
成分を堆積後に乾燥焼成することで、良好な触媒機能を
得るとともに、触媒層の強度を充分に高めることができ
る。
粒径φcを担体壁部の細孔径φhより大きくすること
で、触媒成分による壁部細孔の目詰まりが防止され、触
媒層形成後における担体入口及び出口間の圧力損失を低
減することができる。また、触媒成分の堆積率α(担体
内部に流入した触媒成分の量をa、担体から流出した触
媒成分の量をbとして、α=(a−b)/a)が良好な
ものとなり、触媒層形成が容易化される。
粒径φcの壁部の細孔径φhに対する比r=φc/φh
を1.2以上とすることで、上記粒径φcがより良好な
ものとなり、上記圧力損失の低減及び触媒層形成の容易
化の効果を、ともに顕著に得ることができる。請求項6
に係る発明によれば、流体媒体として液体媒体を用いる
ことで、均一な触媒層を容易に付することができる。
体の粘度を50 mPa・s 以下とし、またスラリー中に含
まれる固形物成分の体積比を50%以下とすることで、
これらの設定パラメータが良好なものとなり、触媒層全
体に渡って触媒成分の量的なバラツキが抑えられ、より
均一な触媒層を付することができる。請求項9に係る発
明によれば、流体媒体として気体媒体を用いることで、
均一な触媒層を容易に付することができる。
の担体通過量を基に触媒成分の堆積量を正確に制御する
ことができ、触媒層を形成する触媒成分の量管理が容易
化される。請求項11に係る発明によれば、以上の方法
によって製造された担体を実際の内燃機関に適用するこ
とができる排気ガス浄化装置を製造することができる。
される触媒層は、壁部全体(入口側に向けて開口する貫
通空間か又は出口側に向けて開口する貫通空間かのいず
れか一方についてのみ設ける場合には、その一方の貫通
空間を形成する壁部全体)に渡って広く均一である。請
求項13に係る発明によれば、従来の局所的な触媒層と
比して触媒成分による排気浄化効果が高い均一な触媒層
が付されているため、排気ガスに含まれる粒子状物質を
ろ過除去することに加え、排気ガスをより効果的に浄化
することができる。
の粒径φcを担体壁部の細孔径φhより大きくすること
で、触媒成分による壁部細孔の目詰まりが防止され、担
体入口及び出口間の圧力損失を抑えることができる。請
求項15に係る発明によれば、触媒成分の粒径φcの壁
部の細孔径φhに対する比r=φc/φhを1.2以上
とすることで、上記粒径φcが良好なものとなり、上記
圧力損失の低減効果がより顕著となる。
果を奏する担体を実際の内燃機関に適用することが可能
となる。
の実施の形態について説明する。図1は、本発明の一実
施形態に係る内燃機関の排気ガス浄化装置(DPF)を
構成する担体1の構造の概略を示す斜視図である。担体
1のうち、入口側Si端面及び出口側So端面を含む長
方形領域Aを図示矢印v方向から見た図、すなわち入口
側部分正面図を図2(a)に示し、また該A部を図示矢
印w方向から見た図、すなわち出口側部分正面図を同図
(b)に示す。さらに、図2(a)のx−x断面図を、
図3に示す。次にこれら図1〜3を参照して、担体1の
構造について説明する。
円筒状に成形されている。図2及び3を参照すると、担
体1内部には、通過しようとするPM(粒子状物質)を
ろ過捕集することのできる程度に細かい多孔質のセラミ
ック製壁部11を介して、四角形断面の直進貫通空間1
3が平行並列に形成されている。そして、それぞれの相
隣合う貫通空間13は、目封部材15によって入口部1
7か又は出口部かで交互に、かつ完全に又はPMに対し
て実質的に閉塞されており、入口側に向けて開口する入
口通路21と、出口側に向けて開口する出口通路23と
が、相隣り合って交互に形成されている。
口通路21に面する担体壁部11壁面に対して、例えば
HC,CO等未燃焼成分を浄化するための酸化触媒など
を触媒成分とする触媒層25(以下「ウォッシュコー
ト」という。)が設けられている。図4は、上記担体1
を備える内燃機関の排気ガス浄化装置としてのDPF1
00の構造を概略示す断面図である。次に図4を参照し
て、このDPFの構造について説明する。
容器素材をスピニング加工により両端部において所定の
絞り率(=φ1/φ2)をもって縮径した容器31内に
収められている。担体1と容器31との間には、アルミ
ナ繊維を主な構成要素とする保持体31が配されてい
る。なお、保持体31は、まずシート状に形成されて担
体1の外周に巻き付けられた後、上記スピニング加工前
に容器素材内の所定位置に挿入配置されたものである。
ンの排気系システム図に示すように、ディーゼルエンジ
ンENGの排気通路200の集合部より下流に介装され
る。各燃焼室から排出された排気ガスは、排気マニホー
ルドにおいて1つの流路に集められ、DPF100に導
かれる。そして、これに流入した排気ガスが担体1の入
口通路21を通過するときに、ウォッシュコート25が
機能してガス状汚染成分が浄化され、続いて壁部11を
通過するときに、そのフィルタ機能によってPMがろ過
除去される。また、ウォッシュコート25で排気ガス中
のNOをNO2に酸化させ、このNO2と堆積したPM
とを反応させてNO2をN2に分解し、かつPMをCO
2に酸化することができる。
ガスからはガス状汚染成分及びPMの大部分が浄化ない
し除去され、出口通路23を介して外部に排出される排
気ガスを、近年の排気ガス規制に適合し得るものとする
ことができる。また、DPF100に堆積したPMはウ
ォッシュコート25の作用によって酸化され、もってD
PD100は連続的に再生される。
ついて説明する。図6は、このための装置要部の構成の
概略を示すシステム図である。本システムでは、ウォッ
シュコート形成前の、すなわち貫通空間13が交互に閉
塞されただけの状態の担体1’の一側(ここでは、入口
側Si)に対して、スラリー供給通路51が接続され
る。この通路51の接続側端部には、担体1’外周を包
囲することができる程度の拡径部51aが設けられ、通
路51からのスラリーはこの拡径部51a内に蓄えら
れ、担体1’の一側をスラリーに漬け込むことができる
ようになっている。
側So)に対しては、スラリー吸引通路53が接続され
る。この通路53の接続側端部にも拡径部53aが設け
られるが、この拡径部53aは、適切なシール手段など
を介して担体1’と拡径部53aとの間を所定にシール
することができる程度のものである。これらに加えて、
スラリー供給側には、余剰なスラリーを回収するための
スラリー回収通路55が設けられる。この通路55の一
端には、供給通路の拡径部51aを包囲する拡径部55
aが設けられ、供給された全スラリーのうち担体1内に
吸入されたもの以外の余剰分を受け、回収可能となって
いる。
に触媒成分を混入したものであり、この液体媒体は、吸
引通路53からの吸引力によって担体壁部11を容易に
通過させることができる。次に、上記システムによるウ
ォッシュコート形成概念について説明する。図7は、こ
れを説明するための概念図である。
え、担体1’の一側をスラリーに漬け込んだ状態で、吸
引通路53を介して吸引力を働かせると、拡径部51a
内のスラリーは、担体1’内に吸入され、図示矢印のよ
うに入口通路21から壁部11及び出口通路23を通過
して、出口側Soから吸引通路53内に導かれる。ここ
で、前述のように、スラリーの液体媒体自体は壁部11
を通過して担体1’外部に流出されるが、触媒成分は、
その粒径φcにもよるが、壁部11を通過することがで
きず、ここに堆積してウォッシュコート層25’を形成
する。従って、この後に乾燥焼成工程を経ることによ
り、充分な強度のウォッシュコートを形成することがで
きる。
側のみから吸入し、入口通路21に面する担体壁部11
壁面に対してのみウォッシュコートを付する例を示した
が、本発明はこれに限らず、他方からスラリーを吸入し
て、担体壁部11の両側にウォッシュコートを付するこ
とも可能であるし、また、出口通路23に面する壁部壁
面に対してのみウォッシュコートを付することとしても
よい。従って、本発明によれば、担体全体をスラリーに
漬け込む従来方法と比べて、触媒層の形成位置に関する
自由度が増す。
は、スラリーを吸引することによって担体1’内に導入
したが、担体1’とスラリー供給通路の拡径部51aと
の間を所定にシール可能とし、スラリーの供給圧力その
他の圧縮手段によってスラリーを担体1’内に押し込む
ことでも、同様の効果を得ることができる。なお、上記
液体媒体の粘度などの特性は、ウォッシュコート25に
要求される均一性などとの関連で、最適なものを予め設
定する。また、触媒成分について、触媒成分の粒径φc
の担体壁部11の細孔径φhに対する比率r(=φc/
φh)や、スラリー中の固形成分比を設定する。
図8〜12に示す実験結果を参照して説明する。 (1)液体媒体の粘度について 図8は、形成されるウォッシュコートの均一性を、液体
媒体の粘度 [ mPa・s] との関係で示している。実験で
は、この粘度を振り、様々な粘度の場合に所定厚さのウ
ォッシュコートを形成すべく、上述の吸引方法によって
触媒成分を堆積させ、実際に得られたウォッシュコート
厚さのバラツキ量(例えば、入口通路21の長手方向に
関するバラツキ量)を測定し、これを上記均一性を示す
代表パラメータとして、粘度毎に評価した。
Pa・s ] 以下とすることにより、上記バラツキ量を0近
傍に抑え、ほぼ狙った通りの均一なウォッシュコートを
設けることができる。 (2)触媒成分の粒径について 図9は、ウォッシュコートの形成に伴う排気圧力損失の
発生度合を、触媒成分の粒径φcの担体壁部11の細孔
径φhに対する比率rとの関係で示している。実験で
は、この比率rを振り、様々な比率rの場合に触媒成分
を所定量堆積させ及び乾燥焼成して得られるコーティン
グ後圧力損失ΔPaを測定し、これらの値をコーティン
グ前圧力損失ΔPbで除して得られる比率(=ΔPa/
ΔPb)を上記圧損の発生度合を示す代表パラメータと
して、比率r毎に評価した。
φcを担体壁部11の細孔径φhよりも大きくする、す
なわち上記比率rを1以上とすることにより、圧損の発
生度合の低減効果を得ることができる。また、比率rを
1.2以上とすると、圧損を充分に抑えつつ、次に述べ
る堆積率との両立を図ることができる。図10は、ウォ
ッシュコート形成時における触媒成分の堆積率(即ち、
上述の吸引方法によって担体1’内に吸入された触媒成
分のうち、担体壁部11を通過せず、担体壁部11に実
際に堆積したものの割合[%])を、上記比率rとの関
係で示している。実験では、前述同様に比率rを振り、
様々な比率rの場合に触媒成分を所定量吸入させ、実際
に堆積した触媒成分の割合を測定し、これを比率r毎に
評価した。
径φcを比率r=0.5の状態から徐々に大きくしてい
くと、比率rが1に至るまでの間に、堆積率の急激な上
昇が確認できる。比率rを1より大きく、すなわち粒径
φcを担体壁部11の細孔径φhよりも大きくすると、
触媒成分の壁部細孔内への目詰まりが防止され、堆積率
を良好なものとすることができる。比率rを1.2以上
とすると、吸入されたほぼ全ての触媒成分が堆積する。 (3)スラリー中の固形成分比について 図11は、形成されるウォッシュコートの均一性を、ス
ラリー中の固形成分比(スラリーに含まれる固形物成分
(触媒成分を含む。)の、スラリー全体に対する体積比
[%])との関係で示している。実験では、この固形成
分比を振り、様々な固形成分比の場合に所定厚さのウォ
ッシュコートを形成すべく、上述の吸引方法によって触
媒成分を堆積させ、実際に得られたウォッシュコート厚
さのバラツキ量を測定し、これを上記均一性を示す代表
パラメータとして、固形成分比毎に評価した。なお、こ
こでの触媒成分は、上記比率rが1.2以上となるもの
を使用している。
50 [%] 以下とすることにより、上記バラツキ量を0
近傍に抑え、ほぼ狙った通りの均一なウォッシュコート
を設けることができる。 (4)触媒成分の量管理について 図12は、担体1’を通過するスラリーの量(通過量
[L])と、それぞれの通過量において形成されるウォ
ッシュコートの厚さ[μm]との関係を示したものであ
る。
厚さとの間には高い相関があるため、通過量を制御する
ことにより、触媒成分の量を容易に管理することができ
る。次に、ウォッシュコート形成システムの他の例につ
いて説明する。図13に概略示されるシステムでは、入
口側及び出口側がほぼ天地方向に向けられたウォッシュ
コート形成前の担体1’の上側端部に対して、スラリー
供給部61が接続される。本システムでは、供給部61
は、担体1’との接続部分が(テーパなどを介して)縮
径されており、担体1’外周との間に所定のシール性が
確保され得るようになっている。そして、供給部61内
のスラリーは、担体1’の入口表面全体に面して、担体
1’内に導入される。
のものと同様なスラリー吸引通路63が接続される。ス
ラリーを構成する流体媒体は液体媒体に限らず、気体媒
体としてもよい。例えば、図14に概略示されるシステ
ムにより、気体媒体中に触媒成分を浮遊させたスラリー
を、担体1’内に吸入させることもできる。
と同様であってよく、例えば担体1’の一側に対してス
ラリー供給部71を接続して、担体1’の一方の端面に
面してスラリーを配し、他側に接続されたスラリー吸引
通路73を介して吸引力を働かせる。なお、気体媒体に
触媒成分を含ませる場合には、触媒成分は、堆積率で1
0[%]以下とするのがよい。
並列貫通空間が交互に閉塞されて構成される担体1’に
対してウォッシュコート25を担体壁部11全体に均一
に付することができ、触媒成分による排気浄化効果を向
上させることができる。また、ウォッシュコート25を
形成する触媒成分の量管理も、正確かつ容易となる。
の構造を概略示す斜視図
面図
(DPF)の構造を概略示す断面図
図
構成例を概略示す図
念を示す図
トの均一性の向上(バラツキ量の低下)を示す図
トによる排気圧力損失の低減を示す図
積率の向上を示す図
ッシュコートの均一性の向上を示す図
さとの関係を示す図
の他の構成例を概略示す図
の他の構成例を概略示す図
Claims (16)
- 【請求項1】多孔質の壁部により仕切られる複数の並列
貫通空間を入口側か又は出口側かで交互に閉塞させ、前
記壁部に触媒層を付した内燃機関の排気ガス浄化用担体
の製造方法であって、 前記担体に触媒層を付する際に、前記壁部を通過させる
ことのできる流体媒体に触媒成分を混入したスラリーを
前記担体に対して入口側及び出口側の少なくとも一方か
ら順次流入させ、前記流体媒体は前記壁部を通過して流
出させる一方、前記触媒成分は前記壁部の少なくとも一
側に堆積させることを特徴とする内燃機関の排気ガス浄
化用担体の製造方法。 - 【請求項2】前記壁部の細孔径を排気ガスに含まれる粒
子状物質がろ過除去される程度に小さくすることを特徴
とする請求項1記載の内燃機関の排気ガス浄化用担体の
製造方法。 - 【請求項3】前記触媒成分を堆積後に乾燥焼成すること
を特徴とする請求項1又は2記載の内燃機関の排気ガス
浄化用担体の製造方法。 - 【請求項4】前記触媒成分の粒径を前記壁部の細孔径よ
り大きくすることを特徴とする請求項1〜3のいずれか
1つに記載の内燃機関の排気ガス浄化用担体の製造方
法。 - 【請求項5】前記触媒成分の粒径φcの前記壁部の細孔
径φhに対する比r=φc/φhを1.2以上とするこ
とを特徴とする請求項4記載の内燃機関の排気ガス浄化
用担体の製造方法。 - 【請求項6】前記流体媒体として液体媒体を用いること
を特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の内燃
機関の排気ガス浄化用担体の製造方法。 - 【請求項7】前記液体媒体の粘度を50 mPa・s 以下と
することを特徴とする請求項6記載の内燃機関の排気ガ
ス浄化用担体の製造方法。 - 【請求項8】前記スラリー中に含まれる固形物成分の体
積比を50%以下とすることを特徴とする請求項6又は
7記載の内燃機関の排気ガス浄化用担体の製造方法。 - 【請求項9】前記流体媒体として気体媒体を用いること
を特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の内燃
機関の排気ガス浄化用担体の製造方法。 - 【請求項10】前記担体に対して前記スラリーを流入さ
せる際に、前記スラリーの担体通過量を制御することを
特徴とする請求項1〜9のいずれか1つに記載の内燃機
関の排気ガス浄化用担体の製造方法。 - 【請求項11】請求項1〜10のいずれか1つに記載の
方法によって製造された内燃機関の排気ガス浄化用担体
を内蔵させ、該担体に対して入口側から排気ガスが流入
して前記壁部を通過し、出口側から流出されるようにし
たことを特徴する内燃機関の排気ガス浄化装置の製造方
法。 - 【請求項12】多孔質の壁部により仕切られる複数の並
列貫通空間を入口側か又は出口側かで交互に閉塞させ、
前記壁部に触媒層を付した内燃機関の排気ガス浄化用担
体であって、前記触媒層は、前記壁部を通過させること
のできる流体媒体に触媒成分を混入したスラリーを前記
担体に対して入口側及び出口側の少なくとも一方から順
次流入させ、前記流体媒体は前記壁部を通過して流出さ
せる一方、前記触媒成分を前記壁部の少なくとも一側に
堆積させて設けられたものであることを特徴とする内燃
機関の排気ガス浄化用担体。 - 【請求項13】前記壁部の細孔径は排気ガスに含まれる
粒子状物質がろ過除去される程度に小さいことを特徴と
する請求項12記載の内燃機関の排気ガス浄化用担体。 - 【請求項14】前記触媒成分の粒径は前記壁部の細孔径
より大きいことを特徴とする請求項12又は13記載の
内燃機関の排気ガス浄化用担体。 - 【請求項15】前記触媒成分の粒径φcの前記壁部の細
孔径φhに対する比r=φc/φhが1.2以上である
ことを特徴とする請求項14記載の内燃機関の排気ガス
浄化用担体。 - 【請求項16】請求項12〜15のいずれか1つに記載
の内燃機関の排気ガス浄化用担体を内蔵し、該担体に対
して入口側から排気ガスが流入して前記壁部を通過し、
出口側から流出されるようにしたことを特徴とする内燃
機関の排気ガス浄化装置。
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