JP2002063999A - プラズマ電位測定方法と測定用プローブ - Google Patents
プラズマ電位測定方法と測定用プローブInfo
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Abstract
制し、かつ電磁波ノイズの影響を減少し、高周波プラズ
マ電位の時間変動の振幅を正確に測定可能なプラズマ電
位測定方法と測定用プローブを提供する。 【解決手段】 高周波プラズマの周期的変動電位を測定
するにあたり、プラズマ1中に、先端信号導体3を内部
に有する絶縁管2を挿入し、この絶縁管内部で周期的変
動電位を浮遊容量16とコンデンサ4で、Cp << Cs <<
Coとなるように分圧し、この分圧した電圧を、整流回路
7および8で直流電圧に変換して、同軸ケーブル13の
信号線11に出力し、この直流電圧出力とプラズマ電位
との予め求めた相関に基づいて、プラズマの周期的変動
電位を測定する。なお、整流回路の前段には、ノイズ対
策の観点から、ピークホールド回路5および6を設け
る。
Description
加することによって励起されたプラズマの周期的変動電
位を測定するプラズマ電位測定方法とその測定用プロー
ブに関する。
下、交流プラズマと呼ぶ。)、特に高周波プラズマは、
プラズマCVDやスパッタリングによる製膜、あるいは
エッチング、アッシング、表面改質など産業上の様々な
分野で応用されている。いわゆるRFプラズマと呼ばれる
13.56MHz以外に、20〜500MHzのVHFあるいはUHFプラズマ
も最近使われている。
るのがプラズマの発生状態を測定する技術であり、プラ
ズマの測定方法として、ラングミュアープローブと呼ば
れるプローブ測定は簡便な測定方法として良く知られて
いる(例えば、特開平9−82489号公報参照)。
これに接続され、絶縁被覆された導電線をプラズマ処理
容器から外部に取出し、プラズマを発生するための一方
の電極(接地電極)と前記導電線との間に可変電圧電源
と電流計を接続し、さらに接地電極と導電線との間であ
って、可変電圧電源と並列に電圧計を接続することによ
り、電流・電圧の測定値に基づいて、プラズマ電位、電
子温度、電子密度などを計測するものである。
グミュアプローブで測定すると、プラズマの電位の時間
変動の影響を受けて、電圧電流特性が歪むため、プラズ
マ電位、電子温度、電子密度といったプラズマパラメー
タを正確に求めることが困難である。具体的には、見掛
け上電子温度が高めになる場合が多い。
性プラズマ、特に膜堆積を起こす水素化シランや炭化水
素のプラズマを測定しようとすると、放電とともにプロ
ーブに流れる電流が減少して、正常な測定ができなくな
る問題もある。
に求めるためには、プラズマ電位の時間変動の振幅Vpp
を測定する必要がある。プラズマ電位の振幅を測定する
方法として、キャパシタンスプローブを用いた手法が知
られている。
いる第1の従来例の概念的模式図を示す。ガラス製の放
電管18の壁面と、プラズマ1の間にはシースができ、
大きさCsのシース容量15ができる。放電管18の外に
設けたリング状導体17と放電管18の間に大きさCpの
浮遊容量16がある。プラズマ電位の交流成分の振幅V
ppは、1/Cs:1/Cpの割合で分圧され、Cpにかかる電圧V
cp=Vpp×Cs/(Cs+Cp)となる。
19で測定することによって、Vppを求めることができ
る。この場合、Cpをなるべく大きくして、交流電圧計1
9に取出す信号電流を大きくすることによって、電磁波
等のノイズの影響を受け難くする。また、Cpを大きくす
ることで、設計以外の浮遊容量の影響を受けないように
する。
合、シースに流れ込むイオン電流が周波数に追随できな
くなり、シース容量が不安定になる。特にCpを介して取
出す信号電流が大きい場合には、信号電流がプラズマお
よびシースに擾乱を与えて、Csが変化してしまう。Csが
変化すると、VcpはCsの変化によって大きく変るので、
もはやVppを求めることができなくなる。
いる第2の従来例の概念的模式図を示す。ガラス等の絶
縁管21をプラズマ1内に挿入する。絶縁管21とプラ
ズマ1の間にシースが発生し、大きさCsのシース容量1
5ができる。絶縁管21の内部を覆うように導体20を
設ける。具体的には、絶縁管の内部に蒸着などで金属膜
をつける。導体20と絶縁管の間に大きさCpの浮遊容量
16ができる。
れて、Vcp の電圧の信号が信号線22より取出され、図
に示さない交流電圧計で測定される。この例において
も、Cpを大きくすることによって信号電流を大きくして
ノイズの影響を受け難くしている。また、設計以外の浮
遊容量の影響を受け難くしている。しかし、第1の従来
例と同様に、Csの変化の影響を受けやすく、特に高周波
プラズマの測定には不適当である。
ラズマを、前記簡便な測定方法として良く知られたラン
グミュアプローブで測定すると、プラズマの電位の時間
変動の影響を受けて、正確な測定が困難であり、半導体
製膜技術に必要な反応性プラズマにおいては、放電とと
もにプローブに流れる電流が減少して正常な測定が望め
ない問題がある。
タを正確に求めるためには、プラズマ電位の時間変動の
振幅Vppを測定する必要があり、プラズマ電位の振幅を
測定する方法として、キャパシタンスプローブを用いた
手法が知られているが、プラズマ電位の時間変動の振幅
Vppを、浮遊容量Cpの大きい従来のキャパシタンスプロ
ーブで測定すると、シース容量Csの変化の影響をうけ
て、正常な測定ができない。特に高周波放電の場合は不
適当である。
ので、本発明の課題は、シース容量Csの変化の影響をう
けずに、高周波プラズマ電位の時間変動の振幅Vppを正
確に測定可能なプラズマ電位測定方法と測定用プローブ
を提供することにある。
め、この発明は、高周波電圧を印加することによって励
起されたプラズマの周期的変動電位を測定するプラズマ
電位測定方法において、前記プラズマ中に、先端信号導
体を内部に有するガラス管などの絶縁管を挿入し、この
絶縁管内部で前記周期的変動電位を静電容量で分圧し、
この分圧した電圧を直流電圧に変換して出力し、この直
流電圧出力とプラズマ電位との予め求めた相関に基づい
て、プラズマの周期的変動電位を測定することとする
(請求項1の発明)。
下記が好適である。即ち、請求項1記載のプラズマ電位
測定方法において、プラズマと前記絶縁管との間に生ず
るシース容量(Cs)の変化が測定に及ぼす影響を抑制す
るために、前記先端信号導体と絶縁管との間の浮遊容量
を(Cp)とし、前記先端信号導体と絶縁管内部に備えた
接地導体との間の容量を(Co)としたとき、Cp << Cs <
< Coとしてプラズマの周期的変動電位を測定することと
する(請求項2の発明)。
電位測定方法において、電磁ノイズが測定に及ぼす影響
を抑制するために、分圧した電圧を、ピークホールド回
路とその後段に設けた整流回路によって直流電圧に変換
することとする(請求項3の発明)。
載の記載のプラズマ電位測定方法において、前記直流電
圧出力とプラズマ電位との予め求めた相関は、2乗検波
特性を有することとする(請求項4の発明)。
のプラズマ電位測定方法において、測定対象のプラズマ
は、反応性ガスを用いてなることとする(請求項5の発
明)。
測定方法において、反応性ガスは、水素化シラン、ハロ
ゲン化シラン、水素化ゲルマン、ハロゲン化ゲルマン、
炭化水素の少なくとも一つを含むガスとする(請求項6
の発明)。
載のプラズマ電位測定方法において、測定対象のプラズ
マを発生させる電源の周波数は、1MHzないし500MHzとす
る(請求項7の発明)。
のプラズマ電位測定方法において、出力電圧測定は、信
号線の電圧の直流成分のみ検知する電圧計により測定す
る(請求項8の発明)。さらに、請求項8記載のプラズ
マ電位測定方法において、前記電圧計は、高周波遮断フ
ィルタを用いて直流成分のみ検知するものとする(請求
項9の発明)。さらにまた、請求項8記載のプラズマ電
位測定方法において、前記電圧計は、電圧の時間平均を
求めて直流成分のみ検知するものとする(請求項10の
発明)。
即ち、絶縁管内部で周期的変動電位を静電容量で分圧
し、例えば請求項2の発明のように、分圧容量を適切に
選定することにより、詳細は後述するように、測定電圧
へのシース容量Csの変化の影響を抑制することができ
る。
なり、電磁波ノイズの影響を受けて、正確な測定が阻害
される問題が生じ、特に、プラズマを発生させる電源の
周波数が、RF、VHF、UHFといった高周波のときに、この
ノイズの影響は顕著になる。
の発明によれば、容量分圧で取出した交流信号を、電磁
波の波長に比較して十分短い距離にある絶縁管内部にお
いて、直流電圧に変換することによって解決できる。交
流信号を直流信号に変換することによって、ノイズの影
響を減少することができる。また、直流電圧に変換した
後の信号線に電磁波ノイズがのった場合も、請求項8な
いし10の発明のように、電圧測定器で直流成分のみ検
知することによってノイズの影響を無くして、Vppの測
定が可能となる。
路を用いることによって、直流電圧に変換する。整流回
路のみの場合は、信号線には容量分圧した電圧の1/2の
直流電圧が検知される。望ましくはピークホールド回路
を整流回路の前段に用いることによって、信号線に容量
分圧した値そのものが直流電圧で検知される。すなわ
ち、整流回路のみの場合に比べて2倍の大きさの信号が
得られ、よりノイズに対して強くなる。また、プラズマ
の交流電位が正弦波でない場合も正確なVppを求めるこ
とができる。
応性ガスを用いたプラズマにおいて好適な測定が可能と
なる。後述する測定用のプローブは、プラズマのVppの
信号を絶縁管の壁を介して、変位電流で取出している。
プラズマにさらされるのは絶縁管の外部で、内部の導体
はプラズマにさらされない。このため、絶縁管の厚さに
対して無視できないほどの厚さの膜が堆積しない限り、
浮遊容量Cpは一定とみなすことができる。従って、膜堆
積が起こる反応性ガスを用いたプラズマにおいても、V
ppの測定が可能である。
Hzないし500MHzの高周波プラズマに対して、さらに請求
項4の発明のような相関によって、好適な測定が可能と
なる。詳細は、実験データとともに後述する。
用プローブは、下記の発明により達成できる。即ち、高
周波電圧を印加することによって励起されたプラズマの
周期的変動電位を測定するプラズマ電位測定用プローブ
において、プラズマ中に挿入されるプローブ外筒として
の絶縁管の内部に、先端信号導体と、前記絶縁管内部で
前記周期的変動電位を静電容量で分圧するための分圧手
段と、この分圧した電圧を直流電圧に変換して出力する
ための直流変換手段と、測定信号を出力するための信号
線と、接地導体とを備えたものとする(請求項11の発
明)。
は、下記請求項12ないし16の発明が好適である。即
ち、請求項11記載のプラズマ電位測定用プローブにお
いて、前記分圧手段は、前記先端信号導体と絶縁管との
間の浮遊容量(Cp)と、前記先端信号導体と前記接地導
体との間に設けた容量分圧用のコンデンサ(容量Co)と
からなり、プラズマと前記絶縁管との間に生ずるシース
容量(Cs)の変化が測定に及ぼす影響を抑制するため
に、Cp << Cs << Coとする(請求項12の発明)。ま
た、請求項12記載のプラズマ電位測定用プローブにお
いて、前記(Cp)は(Cs)の十分の一以下としたものと
する(請求項13の発明)。
に記載のプラズマ電位測定用プローブにおいて、前記直
流変換手段は、整流回路からなり、この整流回路の前段
にピークホールド回路を備えたものとし(請求項14の
発明)、また、請求項14記載のプラズマ電位測定用プ
ローブにおいて、前記整流回路は、前記信号線に直列に
接続したダイオードと、この後段で前記信号線と接地導
体とを接続するコンデンサとからなるものとする(請求
項15の発明)。さらに、請求項14記載のプラズマ電
位測定用プローブにおいて、前記ピークホールド回路
は、前記信号線に直列に接続したコンデンサと、この後
段で信号線と接地導体を接続するダイオードとからなる
ものとする(請求項16の発明)。
ついては、概ね測定方法に関する発明において説明した
ので、細部は、発明の実施の形態の項において述べる。
る観点から、下記の発明が好適である。即ち、前記請求
項14ないし16のいずれかに記載のプラズマ電位測定
用プローブにおいて、前記整流回路の後段に、信号線に
直列接続した抵抗と、その後段に信号線と接地導体を接
続する抵抗とを備えたものとする(請求項17の発
明)。
することによって、プローブの外部のケーブルからノイ
ズが逆に侵入することを防止できる。また、信号線と接
地導体の間に十分大きい抵抗を挿入することによって、
信号電流を最小に抑えるとともに、Vppの緩やかな変化
に追随することができる。
のいずれかに記載のプラズマ電位測定用プローブにおい
て、前記コンデンサはセラミックコンデンサとする(請
求項18の発明)。前記セラミックコンデンサは、広帯
域のコンデンサであり、好適である。さらに、前記請求
項15または16に記載のプラズマ電位測定用プローブ
において、前記ダイオードは点接触ダイオードとする
(請求項19の発明)。点接触ダイオードは、広帯域で
動作可能であり、好適である。
いずれかに記載のプラズマ電位測定用プローブにおい
て、前記信号線に同軸ケーブルの中心導体を用い、接地
導体に同軸ケーブルのシールドを用いるものとする(請
求項20の発明)。これによれば、ノイズの効果的な除
去がシンプルな構成によって実現できる。なお、同軸ケ
ーブルは、2重シールドするのが、ノイズ除去の観点か
ら望ましい。
下に述べる。
いて、この発明の作用に関し、その概要を説明し、絶縁
管内部で周期的変動電位を静電容量で分圧し、分圧容量
を適切に選定するプローブ(以下、改良型キャパシタン
スプローブという。)により、測定電圧へのシース容量
Csの変化の影響を抑制することができることと、交流信
号を直流信号に変換することによって、ノイズの影響を
減少することができることを述べた。最終的な実施の形
態を述べる前に、まず、上記の点に関して、以下に詳述
する。
概念的模式構成を示す。図4のプローブは、ガラス等の
絶縁管2の内部に、先端信号導体3、静電容量Coの容量
素子(コンデンサ)4、同軸ケーブル13を備える。プ
ラズマ1と絶縁管2との間にはシース14が発生し、等
価的にCsの容量を持つシース容量15となる。先端信号
導体3と絶縁管2との間には、Cpの容量をもつ浮遊容量
16がある。
くして、Cp<<Csとなるようにする。具体的には、同軸ケ
ーブの芯線を数mm露出させたものを先端信号導体として
利用した。この結果、信号電流が小さくなり、プラズマ
およびシースに与える擾乱を抑制して、Csの変化を最小
にすることができる。また、以下に示すように測定電圧
がCsの変化に影響を受けなくなる。
列につないだ容量分圧回路になる。各容量には、プラズ
マ電位の交流成分の振幅Vppが、1/Cs:1/Cp:1/C0の割
合で分圧され、C0にかかる電圧Vc0は、Vc0=Vpp×[(1/
C0)/(1/Cs+1/Cp+1/C0)]となる。Cp<<Csであり、Cs<<C0
となるように容量素子4を選ぶと、Vc0≒Vpp×Cp/C0と
なる。すなわち、Vc0はCsの変化の影響を受けなくな
り、高周波放電においても測定が可能となる。従って、
Vpp≒Vc0×C0/Cpとして、Vppを測定することができる。
て、測定電圧であるVc0が小さくなり、実際のプラズマ
のVppを測定しようとすると、プラズマや電源から発生
する電磁波ノイズの影響が無視できなくなる。平行平板
電極を用いた場合、電極間に数十Vから数kVの高電圧が
かかり、強い電磁波が周りに放射される。特に電源周波
数がRFやVHF、UHFの高周波になると、プローブから電圧
測定器(オシロスコープなど)までの信号線がアンテナ
となって、電磁波ノイズが侵入し、Vppの測定が不可能
となる。場合によっては、実際のVppの信号成分よりも
電磁波ノイズで誘起される電圧の方が大きい。
電磁ノイズが測定に及ぼす影響を抑制するために、分圧
した電圧を、ピークホールド回路とその後段に設けた整
流回路によって直流電圧に変換する。この原理は、交流
の電圧を測定する計器としての電子電圧計において知ら
れている。図5は、この構成および出力波形の説明図を
示す。
回路と整流回路を組み合わせて、交流電圧の振幅Vppを
直流に変換して、電磁コイル等でVppに比例して指示針
を振らせるものとする。図5(b)に示すように入力電
圧Vinが正弦波の場合だけでなく、図5(c)に示すよ
うな任意の波形でもVppと同じ大きさの直流電圧としてV
outが出力される。電子電圧計は通常数μVから最大数V
までの範囲で、精度良くV ppを測定するために用いられ
ている。ただし、数10V〜数kVの高電圧の測定や、電磁
波ノイズの多い環境での測定を意図したものではない。
しかしながら、この原理を、前記改良型キャパシタンス
プローブに適用することにより、シース容量Csの変化の
影響を抑制しかつ、電磁波等のノイズの影響がない好適
な測定が可能となる。
マ測定用プローブの概念的構成を示す。プラズマ1の中
に、絶縁管であるガラス管2を挿入する。ガラス管2の
内部に、先端信号導体3、容量分圧用のコンデンサ4を
備える。コンデンサ5、ダイオード6でピークホールド
回路を形成する。その後段のダイオード7、コンデンサ
8で整流回路を形成する。
イズが逆に侵入することを防止する目的で、抵抗10は
信号電流を最小に抑えるとともにVppの緩やかな変化に
追随する目的で用いられる。直流電圧に変換された信号
は、信号線11と接地導体12の間の電圧として、同軸
ケーブル13によって、図示しない電圧計に導かれる。
プラズマ測定の際には、このプローブをプラズマ処理を
行う容器に対して、図示しないシールパッキンを介し
て、気密に取り付けられる。ピークホールド回路や整流
回路が形成される環境は大気でよいが、同軸ケーブルの
取出し部には、適宜、機械的な支持とダストの侵入を防
止する目的から、図示しない適当な封止部を設ける。な
お、ガラス管2は、先端部を細径として段付管としてい
るが、原理的には、必須ではなく、分圧容量の関係や、
前記ピークホールド回路および整流回路をガラス管内に
収納するための構造的な理由から、段付管としている。
ース14が形成される。プラズマ電位の振幅Vppは、シ
ース容量15、浮遊容量16、コンデンサ4で、容量分
圧される。容量分圧された信号は、前記ピークホールド
回路、整流回路を経て、直流信号として同軸ケーブル1
3に出力される。
容量15の大きさCsは、約20〜30pF、浮遊容量16の大
きさCpは、約2pFであり、Cp<<Csが成り立つ。CpをCsの
十分の一以下とすることによって、Csの変化の測定電圧
に与える影響を10%以下に抑えることができる。各キャ
パシタンスには、広帯域のコンデンサであるセラミック
コンデンサを用いた。キャパシタンス4は100pF、キャ
パシタンス5は10pF、キャパシタンス8は10nFを用い
た。各ダイオードには広帯域で動作可能な点接触ダイオ
ードを用いた。抵抗9には1kΩ、抵抗10には100kΩを
用いた。
した、入力電圧に対する直流出力電圧の校正例、即ち、
直流電圧出力とプラズマ電位との相関を示す。13.6MHz
から100MHzの周波数において、入力電圧Vppに対して、
直流出力電圧は2乗検波特性を示す。
高電圧電極(powered electrode)と接地電極(grounded e
lectrode)が平行に配置された、容量結合型プラズマCVD
装置で発生した水素プラズマを測定した一例を示し、前
記両電極の間の位置を変えてプラズマ電位Vppを測定し
た結果を示す。横軸は両電極の間における位置(mm)
を示し、縦軸はプラズマ電位Vpp(V)を示す。電源周
波数は13.6MHzと100MHzの2通りを示す。プラズマ発生時
の圧力は67Pa、パワーは30Wである。
置から約25mmの位置まで緩やかに上昇し、それより高電
圧電極に近づくと増加の割合が大きくなる。電源周波数
が13.6MHzの場合、100MHzよりもVppが約2倍と大きくな
っている。本実施例によれば、周波数がRF領域である1
3.6MHzおよび、VHF領域である100MHzにおいて、Vppを正
確に測定することが可能であることが明らかであり、さ
らに、1MHzないし500MHzの範囲の高周波プラズマの測定
が可能である。
したが、堆積性の反応ガスであるシランを用いたプラズ
マでも同様に測定が可能であった。その他の反応性ガス
でも測定が可能であることは言うまでもない。
検知することが望ましく、具体的には、高周波遮断フィ
ルターを備えた電圧計を用いても良いし、デジタルオシ
ロスコープなどで測定電圧の時間平均値を求めても良
い。
波電圧を印加することによって励起されたプラズマの周
期的変動電位を測定するプラズマ電位測定方法におい
て、前記プラズマ中に、先端信号導体を内部に有するガ
ラス管などの絶縁管を挿入し、この絶縁管内部で前記周
期的変動電位を静電容量で分圧し、この分圧した電圧を
直流電圧に変換して出力し、この直流電圧出力とプラズ
マ電位との予め求めた相関に基づいて、プラズマの周期
的変動電位を測定することにより、また、上記測定用プ
ローブとしては、プラズマ中に挿入されるプローブ外筒
としての絶縁管の内部に、先端信号導体と、前記絶縁管
内部で前記周期的変動電位を静電容量で分圧するための
分圧手段と、この分圧した電圧を直流電圧に変換して出
力するための直流変換手段と、測定信号を出力するため
の信号線と、接地導体とを備えたものとすることによ
り、測定電圧へのシース容量Csの変化の影響を抑制する
ことができ、さらに電磁波ノイズの影響を減少すること
ができる。これにより、高周波プラズマ電位の時間変動
の振幅Vppを正確に測定可能なプラズマ電位測定方法と
測定用プローブを提供することができる。
プローブの概念的構成を示す図
との相関の一例を示す図
ラズマ電位との関係を測定した一例を示す図
示す図
を示す図
的構成を示す図
導体、4,5,8:コンデンサ、6,7:ダイオード、
9,10:抵抗、11:信号線、12:接地導体、1
3:同軸ケーブル、14:シース、15:シース容量、
16:浮遊容量。
Claims (20)
- 【請求項1】 高周波電圧を印加することによって励起
されたプラズマの周期的変動電位を測定するプラズマ電
位測定方法において、前記プラズマ中に、先端信号導体
を内部に有する絶縁管を挿入し、この絶縁管内部で前記
周期的変動電位を静電容量で分圧し、この分圧した電圧
を直流電圧に変換して出力し、この直流電圧出力とプラ
ズマ電位との予め求めた相関に基づいて、プラズマの周
期的変動電位を測定することを特徴とするプラズマ電位
測定方法。 - 【請求項2】 請求項1記載のプラズマ電位測定方法に
おいて、プラズマと前記絶縁管との間に生ずるシース容
量(Cs)の変化が測定に及ぼす影響を抑制するために、
前記先端信号導体と絶縁管との間の浮遊容量を(Cp)と
し、前記先端信号導体と絶縁管内部に備えた接地導体と
の間の容量を(Co)としたとき、Cp << Cs << Co とし
てプラズマの周期的変動電位を測定することを特徴とす
るプラズマ電位測定方法。 - 【請求項3】 請求項1または2に記載のプラズマ電位
測定方法において、電磁ノイズが測定に及ぼす影響を抑
制するために、分圧した電圧を、ピークホールド回路と
その後段に設けた整流回路によって直流電圧に変換する
ことを特徴とするプラズマ電位測定方法。 - 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれかに記載の記
載のプラズマ電位測定方法において、前記直流電圧出力
とプラズマ電位との予め求めた相関は、2乗検波特性を
有することを特徴とするプラズマ電位測定方法。 - 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれかに記載のプ
ラズマ電位測定方法において、測定対象のプラズマが反
応性ガスを用いてなることを特徴とするプラズマ電位測
定方法。 - 【請求項6】 請求項5記載のプラズマ電位測定方法に
おいて、反応性ガスが水素化シラン、ハロゲン化シラ
ン、水素化ゲルマン、ハロゲン化ゲルマン、炭化水素の
少なくとも一つを含むガスであることを特徴とするプラ
ズマ電位測定方法。 - 【請求項7】 請求項1ないし6のいずれかに記載のプ
ラズマ電位測定方法において、測定対象のプラズマを発
生させる電源の周波数が1MHzないし500MHzであることを
特徴とするプラズマ電位測定方法。 - 【請求項8】 請求項1ないし7のいずれかに記載のプ
ラズマ電位測定方法において、出力電圧測定は、信号線
の電圧の直流成分のみ検知する電圧計により測定するこ
とを特徴とするプラズマ電位測定方法。 - 【請求項9】 請求項8記載のプラズマ電位測定方法に
おいて、前記電圧計は、高周波遮断フィルタを用いて直
流成分のみ検知するものであることを特徴とするプラズ
マ電位測定方法。 - 【請求項10】 請求項8記載のプラズマ電位測定方法
において、前記電圧計は、電圧の時間平均を求めて直流
成分のみ検知するものであることを特徴とするプラズマ
電位測定方法。 - 【請求項11】 高周波電圧を印加することによって励
起されたプラズマの周期的変動電位を測定するプラズマ
電位測定用プローブにおいて、プラズマ中に挿入される
プローブ外筒としての絶縁管の内部に、先端信号導体
と、前記絶縁管内部で前記周期的変動電位を静電容量で
分圧するための分圧手段と、この分圧した電圧を直流電
圧に変換して出力するための直流変換手段と、測定信号
を出力するための信号線と、接地導体とを備えたことを
特徴とするプラズマ電位測定用プローブ。 - 【請求項12】 請求項11記載のプラズマ電位測定用
プローブにおいて、前記分圧手段は、前記先端信号導体
と絶縁管との間の浮遊容量(Cp)と、前記先端信号導体
と前記接地導体との間に設けた容量分圧用のコンデンサ
(容量Co)とからなり、プラズマと前記絶縁管との間に
生ずるシース容量(Cs)の変化が測定に及ぼす影響を抑
制するために、Cp << Cs << Coとしたことを特徴とする
プラズマ電位測定用プローブ。 - 【請求項13】 請求項12記載のプラズマ電位測定用
プローブにおいて、前記(Cp)は(Cs)の十分の一以下
としたことを特徴とするプラズマ電位測定用プローブ。 - 【請求項14】 請求項11ないし13のいずれかに記
載のプラズマ電位測定用プローブにおいて、前記直流変
換手段は、整流回路からなり、この整流回路の前段にピ
ークホールド回路を備えたことを特徴とするプラズマ電
位測定用プローブ。 - 【請求項15】 請求項14記載のプラズマ電位測定用
プローブにおいて、前記整流回路は、前記信号線に直列
に接続したダイオードと、この後段で前記信号線と接地
導体とを接続するコンデンサとからなることを特徴とす
るプラズマ電位測定用プローブ。 - 【請求項16】 請求項14記載のプラズマ電位測定用
プローブにおいて、前記ピークホールド回路は、前記信
号線に直列に接続したコンデンサと、この後段で信号線
と接地導体を接続するダイオードとからなることを特徴
とするプラズマ電位測定用プローブ。 - 【請求項17】 請求項14ないし16のいずれかに記
載のプラズマ電位測定用プローブにおいて、前記整流回
路の後段に、信号線に直列接続した抵抗と、その後段に
信号線と接地導体を接続する抵抗とを備えたことを特徴
とするプラズマ電位測定用プローブ。 - 【請求項18】 請求項12,13,15,16のいず
れかに記載のプラズマ電位測定用プローブにおいて、前
記コンデンサはセラミックコンデンサとしたことを特徴
とするプラズマ電位測定用プローブ。 - 【請求項19】 請求項15または16に記載のプラズ
マ電位測定用プローブにおいて、前記ダイオードは点接
触ダイオードとしたことを特徴とするプラズマ電位測定
用プローブ。 - 【請求項20】 請求項11ないし19のいずれかに記
載のプラズマ電位測定用プローブにおいて、前記信号線
に同軸ケーブルの中心導体を用い、接地導体に同軸ケー
ブルのシールドを用いたことを特徴とするプラズマ電位
測定用プローブ。
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