JPH06215893A - 高周波励起プラズマの計測装置 - Google Patents

高周波励起プラズマの計測装置

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JPH06215893A
JPH06215893A JP5022106A JP2210693A JPH06215893A JP H06215893 A JPH06215893 A JP H06215893A JP 5022106 A JP5022106 A JP 5022106A JP 2210693 A JP2210693 A JP 2210693A JP H06215893 A JPH06215893 A JP H06215893A
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    • HELECTRICITY
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    • H05HPLASMA TECHNIQUE; PRODUCTION OF ACCELERATED ELECTRICALLY-CHARGED PARTICLES OR OF NEUTRONS; PRODUCTION OR ACCELERATION OF NEUTRAL MOLECULAR OR ATOMIC BEAMS
    • H05H1/00Generating plasma; Handling plasma
    • H05H1/0006Investigating plasma, e.g. measuring the degree of ionisation or the electron temperature
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、高周波放電プラズマにおいてもプ
ラズマの各パラメータを正確に、且つ簡単に測定可能な
プラズマ測定装置を提供することを目的とする。 【構成】 真空容器内で所定の周波数の高周波放電によ
り生起されたプラズマの諸量を計測する計測装置におい
て、プラズマ中に設置される第1の電極と、前記真空容
器外部に設けられた信号取り出しのための端子との間を
電気的に接続するための配線と、該配線表面の少なくと
も一部を覆う如く設けられた第1の絶縁体とを有し、前
記第1の電極から前記端子側を見た前記第1の電極と接
地との間の前記所定の周波数におけるインピーダンスの
絶対値が、前記第1の電極に直流電流が流れない状態に
おける前記第1の電極とプラズマとの間の前記所定の周
波数におけるインピーダンスの絶対値の5倍以上となる
よう構成されていることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高周波励起プラズマの
計測装置に係り、高周波励起プラズマの各プラズマパラ
メータの正確な測定を可能とする計測装置に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】直流放電で生起される定常プラズマで
は、挿入した微小電極に電圧を印加し、プラズマから流
入する電流量を測定することにより、プラズマの電位、
密度、電子温度等のプラズマパラメータの計測が可能と
なり、ラングミュアらにより1920年代に提案された
シングルプローブをはじめ、その後考案された熱電極を
用いたエミッションプローブ、2個の電極を用いるダブ
ルプローブ等がプラズマ計測に使用されてきた。これら
のプローブは、プラズマ電位が時間的に変動しない直流
放電プラズマの計測には有効であるが、高周波放電プラ
ズマの計測に用いるとプラズマの励起周波数の影響を大
きく受け、プラズマパラメータの測定精度は著しく低下
してしまうという問題がある。そして、例えば機能性薄
膜等の成膜環境を正確に把握することが困難となり、高
品質な機能性薄膜開発の大きな妨げとなっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、直流放電プ
ラズマだけでなく高周波放電プラズマにおいてもプラズ
マの各パラメータを正確に、且つ簡単に測定可能なプラ
ズマ測定装置を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の高周波励起プラ
ズマの計測装置は、真空容器内にて所定の周波数の高周
波放電により生起されたプラズマの諸量を計測する計測
装置において、プラズマ中に設置される第1の電極と、
前記真空容器外部に設けられた信号取り出しの為の端子
との間を電気的に接続するための配線と、該配線表面の
少なくとも一部を覆う如く設けられた第1の絶縁体とを
有し、前記第1の電極から前記端子側を見た前記第1の
電極と接地との間の前記所定の周波数におけるインピー
ダンスの絶対値が、前記第1の電極に直流電流が流れな
い状態における前記第1の電極とプラズマとの間の前記
所定の周波数におけるインピーダンスの絶対値の5倍以
上となるよう構成されていることを特徴とする。
【0005】前記プラズマ中に第2の電極を設置し、該
第2の電極と前記第1の電極がコンデンサを介して接続
されるよう構成されていることが好ましい。
【0006】また、前記所定の周波数における前記端子
から前記第1の電極と反対側を見た前記端子と接地との
間のインピーダンスは、可変となるよう構成されている
ことが好ましい。
【0007】さらに、前記配線のうち少なくとも一部が
同軸ケーブルであり、該同軸ケーブルの外部導体の長さ
が前記所定の周波数における該同軸ケーブル中の波長の
4分の1の奇数倍と略々等しく、該同軸ケーブルの前記
端子側の一端において該同軸ケーブルの心線と外部導体
とがコンデンサを介して設けられることが好ましい。
【0008】さらにまた、前記配線のうち少なくとも一
部が同軸ケーブルであり、前記第1の電極と該同軸ケー
ブルの心線との間に抵抗器が設けられており、前記端子
の前記所定の周波数の高周波電圧を測定可能な測定装置
を有するのが好ましい。
【0009】
【作用】以下に、本発明の完成に至る過程で行った実験
をもとに、本発明の作用を説明する。
【0010】図12は、従来のシングルプローブを用い
て、直流放電プラズマ及び高周波放電プラズマを測定し
た結果である。横軸はプローブ電極に印加する電圧、左
縦軸はプローブ電極の電流値、右縦軸は電子電流値であ
る。実線、破線はそれぞれ直流放電プラズマ、高周波放
電プラズマに関する測定結果である。ここで、イオンエ
ネルギ解析装置を用いてプラズマ中のイオンエネルギを
測定することにより、直流放電プラズマ及び高周波放電
プラズマ共プラズマ電位が同じ値になるように放電条件
を設定し、プラズマを生起した。
【0011】図12が示すように、直流放電プラズマと
高周波放電プラズマの間で、電流電圧特性は全く異なっ
ていることが分かる。直流放電プラズマにおいては、こ
の電流電圧特性から得られる例えばプラズマ電位はイオ
ンエネルギーから求めた値と良く一致した。これに対
し、高周波放電プラズマにおいてはプラズマ電位の平均
値が実際の値よりも34Vも低く、またプラズマ密度に
おいては1/3程度と観測された。
【0012】これは以下のような理由によるものと考え
られる。すなわち、高周波放電プラズマでは、プラズマ
電位がプラズマの励起周波数で大きく振動している。こ
のようなプラズマ中に挿入されたプローブ電極の電位は
やはり励起周波数で振動するが、従来のプローブでは電
極の電位の振幅及び位相がプラズマ電位の振幅、位相と
異なっている。プローブ電極の電位は、電極の周りにで
きるシースのインピーダンスとプローブ自体のインピー
ダンスにより決まり、プローブ電極に流入する電流量
は、プラズマ電位とプローブ電極電位との差に依存する
ため、プローブ電流値も励起周波数で変動することにな
る。この結果、プローブ電流の平均値のプローブ電極電
位に対する依存性は、図12に示したように直流放電プ
ラズマの場合と全く異なり、プラズマ電位、密度、電子
温度等のパラメータを正確に抽出することはもはや困難
となる。従って、直流放電プラズマと同様の電流電圧特
性を得るには、プローブ電極電位がプラズマ電位と平行
に同期して振れるようにすれば良いことが分かった。こ
のためには、プローブのインピーダンスをシースのイン
ピーダンスよりも十分大きくすれば良いことが分かる。
次に、プローブインピーダンスとシースのインピーダン
スの関係について説明する。
【0013】図13は、プローブ自体のサセプタンスに
対してプラズマ電位(実線)及び電子密度(破線)の測
定値がどのように変化するかを示したものである。測定
に用いたプローブは、励起周波数におけるサセプタンス
を可変できるものであり、損失は十分少ないため電極の
抵抗成分は無視することができる。実際のプラズマ電
位、電子密度は、サセプタンスが0、即ちインピーダン
ス(実際にはリアクタンス)が無限大の場合の測定値と
等しい。図13より、プローブが容量性(サセプタンス
が正)であっても誘導性(サセプタンスが負)であって
も、サセプタンスが小さい領域でのみプラズマパラメー
タの正確な測定が可能であることが分かる。サセプタン
スの変化に対して最も激しく変化するのは電子密度の測
定値であるが、例えば高機能薄膜を再現性良く安定して
作製するために、実際の電子密度を例えば10%以下の
精度で測定するためにはサセプタンスの絶対値を0.2
mS程度以下にしなければならないことが分かる。
【0014】図14は、プローブの抵抗値に対して、プ
ラズマ密度の測定値がどのように変化するかを示したも
のである。測定に用いたプローブは抵抗値を可変できる
ものであり、リアクタンス分は無視できるものである。
測定したプラズマの条件は、図13と同一である。図1
4より、実際のプラズマ密度を10%以下の精度で測定
するためにはプローブの抵抗値がほぼ5KΩ以上でなけ
ればならないことが分かる。これは、プローブのインピ
ーダンスの絶対値が5KΩ以上でなければならないとい
う点で、図13の場合と共通している。すなわち、サセ
プタンス0.2mSは、インピーダンス5kΩに相当す
る。また、抵抗成分とリアクタンス成分の両方を可変と
した場合にも、プローブのインピーダンスの絶対値が5
KΩ以上であれば、ほぼ正確な測定が可能であることも
確認されている。
【0015】プローブ電極とプラズマ間のシースの容量
は、シースにかかる電圧、プラズマ密度、プローブ電極
の形状等により変化する。図13及び図14の場合、プ
ローブを直流的にフローティングとしたときのシースの
容量は1.55pFである。図13及び14ではプラズ
マの励起周波数として100MHzを用いたが、この周
波数で1.55pFは1.03KΩとなる。従って精度
10%以下の正確な測定を行うためには、プローブ自体
のインピーダンスの絶対値が5kΩ以上であることが必
要なことを考えると、プローブを直流的にフローティン
グにした場合のシース容量のインピーダンスに比べてプ
ローブ自体のインピーダンスは、最低5倍必要であるこ
とになる。
【0016】一方、従来のシングルプローブは、例えば
図15に示すように、電極部1501は心線を介してD
C電源、電流計等に接続され、心線は金属製のパイプ1
503でシールドされており、金属パイプは接地されて
いる。従って、プローブ電極と接地点との間の容量は通
常100pF以上あり、インピーダンスは容量性の小さ
なものとなる。これに対し、前述した精度10%以下の
正確な測定を行うためには、許容できる容量は最大0.
3pF程度まであり、従来構造のプローブではプラズマ
の正確な測定は全く不可能であることが分かる。同様の
理由により、通常のダブルプローブ、エミッションプロ
ーブ等も高周波放電プラズマの計測には不適切である。
【0017】ダブルプローブについては、高周波励起プ
ラズマの計測用にプラズマの励起周波数において2本の
プローブが接地に対してフローティングとなるようにロ
ーパスフィルターを用いて構成することが考えられる
が、プローブと接地点との間の寄生容量を小さくするた
めにプローブとチャンバ壁とを遠ざける必要があり、適
用できるチャンバの構造が限定されてしまう。また、プ
ローブをチャンバ外に引き出す部分の製作が非常に難か
しくなる。また、ダブルプローブで用いるローパスフィ
ルターは、励起周波数におけるインピーダンスは、例え
ば、励起周波数が10MHzでは最低100KΩ程度と
非常に大きものが必要となり、製作は実際上難かしくな
る。さらに、ダブルプローブで計測できるのは、各プラ
ズマパラメータのうち比較的高い運動エネルギーをもっ
た電子のエネルギー分布のみであり、実用上最も必要と
されるプラズマ電位、密度を測定することができない。
【0018】以上述べたように、本発明の高周波励起プ
ラズマの計測装置は、プラズマ中に設置される第1の電
極と、真空容器外部に設けられた信号取り出しの為の端
子との間を電気的に接続するための配線と、該配線表面
の少なくとも一部を覆う如く設けられた第1の絶縁体と
を有し、前記第1の電極から前記端子側を見た前記第1
の電極と接地との間の前記所定の周波数におけるインピ
ーダンスの絶対値が、前記第1の電極に直流電流が流れ
ない状態における前記第1の電極とプラズマとの間の前
記所定の周波数におけるインピーダンスの絶対値の5倍
以上となるよう構成されている。従って、高周波放電プ
ラズマ中に設置されたプローブ電極の電位が、高周波放
電プラズマの空間電位の時間変化に正確に追従して変化
するため、高周波放電プラズマ中に設置されたプローブ
電極の電位と、プラズマ電位との差が高周波的にも揺る
ぐことがなく、従来のシングルプローブと同様の測定方
法により正確に且つ簡単にプラズマの各パラメータを測
定できる。また、この計測装置により、直流放電プラズ
マの測定を行えることは言うまでもないことである。
【0019】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をより詳細に説
明するが、本発明がこれら実施例に限定されないことは
言うまでもない。
【0020】(実施例1)図1は、本発明の第1の実施
例を示すプラズマ測定装置の一部の断面図である。
【0021】101は、プラズマ中に設置されるプロー
ブ電極であり、例えば直径0.1mmφのタングステン
線である。103は、同様にプラズマ中に設置される金
属の電極であり、例えば外径3.4mmφ、内径2.9mm
φのアルミニウムもしくはステンレスのパイプである。
これは、電極101とコンデンサ104を介して接続さ
れており、直流的にはフローティングとなっている。コ
ンデンサ104は、例えば1000pFから10000
pF程度の貫通コンデンサである。貫通コンデンサ心線
電極と電極101とは例えばスポット溶接により接続さ
れている。貫通コンデンサの容量をCpとすると、電極
103と心線電極のインピーダンスは1/ωCpで与え
られる。
【0022】絶縁管102は、例えば外径1.4mm、
内径0.4mmのセラミックス管であり、例えば無機系
の接着剤により電極103及びコンデンサ104に固定
されている。絶縁管102と電極101との間に比較的
狭く且つ長い隙間を設ければ、プラズマからくる導電物
質は奥まで入り込むことができないため、導電物質が付
着することにより電極101と電極103が短絡するこ
とを防止することが可能である。
【0023】106は同軸ケーブルであり、例えば外部
導体外径が2.19mmのセミリジッド同軸ケーブルで
ある。同軸ケーブル106の心線の一端は、コンデンサ
104の心線電極と接続されている。もう一端は、コン
デンサ108を介して同軸ケーブル106の外部導体と
接続され、さらに単線110と接続されている。同軸ケ
ーブル106の長さは、プラズマの励起周波数における
同軸ケーブル106中の波長の1/4とほぼ等しい。あ
るいは、この長さの奇数倍であってもよい。例えば、励
起周波数が200MHz、同軸ケーブルの波長短縮率が
0.7の場合、同軸ケーブル106の長さは26.25
cmとなる。この長さは波長に比例する為、励起周波数
が低いとチャンバ内に入らないこともあり得るが、この
ような場合は、図1において同軸ケーブルの途中から右
の部分を、あるいは同軸ケーブル全体をチャンバの外部
に設置しても一向に問題はない。
【0024】コンデンサ108は、例えば2000pF
のチップコンデンサであり、同軸ケーブル106の外部
導体と心線との間に4個並列に、計8000pFの容量
が接続されている。もちろんコンデンサ108の個数は
4個でなくてもよい。8000pFの200MHzにお
けるインピーダンスの絶対値は、約0.1Ωであり、こ
のコンデンサにより心線と外部導体は高周波的にほぼ短
絡されている。
【0025】このように波長の1/4の奇数倍の長さを
持ち、一端が特性インピーダンスより十分小さなインピ
ーダンスの負荷で終端された同軸ケーブルは、もう一端
から見るとインピーダンスがほぼ無限大に見える。即
ち、励起周波数の奇数倍において大きなインピーダンス
を持つフィルタとして動作する。111は、同軸ケーブ
ル106とコンデンサ108とから成るフィルタであ
る。また本プローブは、この部分に同軸ケーブルを用い
たことによりチャンバ内で自由に曲げられるという従来
のプローブには無かった利点を有している。
【0026】110は単線であり、例えば表面にアルミ
ナセラミックスをコーティングされた直径0.5mmφ
のアルミニウム線である。図1には示しいないが、単線
110の一端は例えば電流導入端子に接続され、プラズ
マから電極に流れ込む電流はチャンバの外部に引き出さ
れる。この後、例えばローパスフィルタ及び直流電流計
を介して定電圧源と電気的に接続される。もちろん11
0は必ずしも単線でなくてもよく、電流を流せるもので
あれば一向に問題はない。あるいは、同軸ケーブル10
6の心線に直接ローパスフィルタ、電流計、定電圧源等
が接続される場合には、単線110はなくてもよい。
【0027】絶縁管105は、例えば外径3.8mm、
内径2.2mmのセラミックス管であり、例えば無機系
の接着剤により同軸ケーブル106及び電極103に固
定されている。これはプラズマを遮断し、電極103と
同軸ケーブル106の外部導体を絶縁する目的で設けら
れたものである。絶縁管107は、例えばセラミックス
管であり、プラズマと同軸ケーブル106の外部導体と
を電気的に遮断する目的で設けられたものである。この
例では、同軸ケーブル106を曲げられるよう、内径が
同軸ケーブル106の外径より多少大きな絶縁管をいく
つか用いている。絶縁体109は、例えば無機系の充填
材であり、プラズマを電気的に遮断する目的で設けられ
たものである。もちろん絶縁管107及び絶縁体109
は、その周辺にプラズマが存在しないのであれば設ける
必要はない。また絶縁管107は、その周辺にプラズマ
が存在する場合であっても同軸ケーブル106がプラズ
マと接触しても問題がなければ設ける必要はない。10
7、109をセラミックスコーティングにすることも有
り得る。このときは、比較的自在に同軸ケーブルは曲げ
られるから、切れ目をいれる必要はない。
【0028】図2は、実施例1のプラズマ測定装置の高
周波等価回路である。201、202、203及び20
4は、それぞれ電極101、電極103、フィルタ11
1及び単線110に相当する。Vpはプラズマ空間電
位、Zs1、Zs2はそれぞれ電極101及び103の周り
にできるシースのインピーダンスである。実際には、電
極101と電極103の間にコンデンサ104が存在す
るが、Zs2と比べインピーダンスが十分小さいので無視
した。従って201と202は高周波的には同電位にあ
る。単線110の一端はコンデンサで終端されたローパ
スフィルタに接続されており、高周波的に接地されてい
る。
【0029】高周波放電プラズマの各パラメータを正確
に測定する為には、プラズマの空間電位とプローブ電極
の電位が平行に振れる必要があり、プローブのインピー
ダンスの絶対値がシースのインピーダンスの絶対値より
も十分大きくなければならない。
【0030】本プローブは、電極101の他にプラズマ
と接する面積が比較的大きな電極103が設けられてい
る為、シースのインピーダンスは従来のプローブよりも
十分小さくなっている。シースのインピーダンスZs
次のように表される。
【0031】 Zs=Zs1×Zs2/(Zs1+Zs2) (1) 例えばZs2はZs1の0.16倍であり、ZsはZs1
0.14倍である。これに対し、従来のプローブでは1
01に相当する電極しか存在しない為、シースのインピ
ーダンスはZs1程度である。両者の差は明かである。
【0032】シースのインピーダンスを小さくするに
は、単に電極101の表面積を大きくすることも考えら
れるが、これでは電極101に多量の直流電流が流れる
為、測定自体がプラズマを乱すことになる。本プローブ
では、電極103は電極101とコンデンサを介して接
続されており、電極103には直流電流が流れないとこ
ろに特徴がある。直流電流は表面積の小さな電極101
を通して流れるのみであるので、プラズマを乱すことは
殆どない。
【0033】本プローブは、シースのインピーダンスが
小さいだけではなく、フィルタ111が設けられている
ことにより励起周波数におけるプローブのインピーダン
スが大きいという特徴を持つ。例えば、励起周波数の2
00MHzにおけるフィルタ111のインピーダンスの
絶対値は6.2kΩである。単線110のリアクタンス
は160Ωであり、電極101の接地に対するインピー
ダンスの絶対値は、確実に6kΩ以上となっている。こ
れに対し従来のプローブでは、200Ω程度以下であ
る。
【0034】この2つの特徴を有することにより、例え
ば本プローブのインピーダンスの絶対値はシースのイン
ピーダンスの絶対値の105倍程度もあり、各プラズマ
パラメータの非常に正確な測定が行える。次にその例を
示す。
【0035】図3は、プローブの直流の電流電圧特性を
示したものである。横軸はプローブに外部から印加する
電圧、左縦軸はプローブの電流値、右縦軸は電子電流値
であり、実線A,B及び破線C,Dはそれぞれ本実施例
のプローブ、及び従来のシングルプローブの測定結果で
あり、A,Cはプローブ電流、B,Dは電子電流であ
る。両者のプラズマの条件は全く同一であるが、従来の
シングルプローブの方が30V程度も電圧が低い方にシ
フトしており、電子電流が電圧の増加とともに飽和する
以前の直線にのるべき部分の範囲が狭いことが分かる。
プラズマ電位とプローブ電極の電位が平行に振れる程、
電流電圧特性は電圧が大きい方にシフトし、各プラズマ
パラメータの正確な測定が可能になることが分かってい
る。また、イオンエネルギーの分析という全く別の測定
方法によって求められた同一プラズマのプラズマ電位は
24Vであり、本実施例のプローブによる測定結果と一
致している。これらのことから、従来のプローブでは全
く不正確であった高周波励起プラズマの測定が、本プロ
ーブを用いることにより正確に測定できることが証明さ
れた。
【0036】次に、図1のB部の変形例について述べ
る。図1の同軸ケーブル106の外部導体はフローティ
ングであるが、接地されていても一向に問題はない。こ
うした場合、図1において106の110側の一端はそ
のまま接地され、単線110のインピーダンスを考慮す
る必要がなくなる。
【0037】また、コンデンサ108を付けずに、コン
デンサ108が付いている側の同軸ケーブル106の外
部導体と心線を短絡させてもよい。こうすると更に高い
周波数まで使用することが可能となり、構造も簡単にな
る。ただしこの場合は、外部導体を直流的にフローティ
ングにする必要がある。従って、外部導体を接地する場
合はコンデンサを介して接地する必要があり、またプラ
ズマから外部導体に電流が流れ込まないよう完全にプラ
ズマを遮断する必要がある。
【0038】次に、図1のA部の変形例を図4に示す。
401は、電極101に相当するプラズマ中に設置され
た電極であり、例えば直径0.1mmのタングステン線
である。403はプラズマ中に設置された電極であり、
例えば直径22mm、厚さ0.84mmの銅の円盤であ
る。これは、プラズマに触れる部分が絶縁膜404で被
われている。絶縁膜404は,例えばアルミナセラミッ
クスであり、膜厚は例えば120nm程度である。40
3は401と導通されている。402、405及び40
6はそれぞれ絶縁管102、絶縁管105及び同軸ケー
ブル106と同じものである。電極401と電極403
は例えばスポット溶接により、同軸ケーブル406の心
線と電極403は例えば半田により接続されている。
【0039】電極403は電極401と導通している
が、絶縁膜404で覆われているためプラズマとの間に
直流電流は流れない。ところが、絶縁膜404はコンデ
ンサとして働き、高周波電流は流すことができる。従っ
て、電極403を設けることにより高周波における電極
の周りにできるシースのインピーダンスを小さくするこ
とができる。つまり電極403は、図1の電極103と
同様の働きをしており、高周波等価回路は図2と全く同
様になる。図4に示すプローブの特徴は、電極401と
電極403の間にコンデンサを用いていない為、構造が
単純であること、及びより高い周波数まで使用できるこ
とである。
【0040】次に、図1のA部の第2変形例を図5に示
す。図1と同じ部分は省略してある。502、503、
504はそれぞれ絶縁管102、絶縁管105、同軸ケ
ーブル106に相当する。絶縁管502と絶縁管50
3、及び絶縁管503と同軸ケーブル504は、例えば
無機系の接着剤により固定されている。501はプラズ
マ中に設置された電極であり、例えば同軸ケーブル50
4の心線である。もちろん、他の導電材料を心線に接続
して電極としてもかまわない。
【0041】図5のプローブは、図1の電極103に相
当する電極が存在せず、シースのインピーダンスは従来
のプローブと同程度である。しかし、電極のインピーダ
ンスの絶対値がシースのインピーダンスの絶対値の5倍
以上あれば、正確な測定が可能である。本実施例では、
励起周波数の200MHzにおいて電極のインピーダン
スの絶対値はシースのインピーダンスの絶対値の15倍
程度である。しかし、図1と比較すると当然マージンが
小さく、励起周波数の変動、温度変化等によるフィルタ
の特性の変化に対しては弱い。構造は非常に単純である
ため、製作は容易である。
【0042】(実施例2)次に、実施例1の変形例を図
6に示す。これは、図1のB部とC部との間に新たに
B’部を設けたものである。601、602は同軸ケー
ブルであり、例えば直径2.19mmのセミリジッド同
軸ケーブルである。601、602の外部導体の長さ
は、それぞれ励起周波数における同軸ケーブル中の波長
の1/4、1/8に等しい。あるいは、この長さの奇数
倍であっても問題はない。603、604は108に相
当するコンデンサであり、例えば高周波特性に優れたチ
ップコンデンサである。605は絶縁管107に相当す
る。606は、絶縁管であり、例えば内径4mm、外径
5mmのセラミックス管である。これはプラズマを遮断
する目的と、同軸ケーブル601、602を接続する目
的で設けられたものである。
【0043】607は同軸ケーブル601とコンデンサ
603とからなり、608は同軸ケーブル602とコン
デンサ604とからなるフィルタとして動作する。フィ
ルタ607と608の違いは、フィルタとして動作する
周波数が違うことである。フィルタ607は、すでに説
明したように、励起周波数とその奇数倍の周波数におい
てインピーダンスが大きくなる。これに対し、フィルタ
608は励起周波数の2倍の周波数の奇数倍、即ち励起
周波数の偶数倍の周波数においてインピーダンスが大き
くなる。プラズマの空間電位は、一般には正弦波で振動
しているわけではなく高調波成分が含まれている。従っ
てプローブ電極がプラズマ電位と完全に平行に振れるた
めには、励起周波数だけではなく高調波成分に対するプ
ローブ電極のインピーダンスも大きくなければならな
い。そこで、図6のようにフィルタ607と608を直
列に接続することにより、すべての高調波の周波数成分
に対してインピーダンスを大きくすることができる。図
6に示すプローブは、プラズマ電位の振動に高調波成分
が乗っている場合には、実施例1のプローブよりも更に
正確な測定が可能である。
【0044】次に、本実施例の変形例について述べる。
図6において、フィルタ607と608は配置順序が逆
でも全く問題はない。また、インピーダンスを大きくす
る目的で、フィルタ607またはフィルタ608を直列
に複数接続してもよい。もちろん配置順序に限定はな
い。
【0045】また、例えば励起周波数が複数存在するよ
うなプラズマを測定するために、同軸ケーブルの外部導
体の長さが各励起周波数における同軸ケーブル中の波長
の1/4の奇数倍、あるいは1/8の奇数倍となってい
るフィルタを、直列に複数接続してもよい。
【0046】さらに、絶縁管606はプラズマを遮断で
きるものであれば他のものでもよい。もちろんこの部分
にプラズマが存在しなければあえて設置する必要はな
い。また、図6において同軸ケーブル601と602は
直線的にかいてあるが、もちろん同軸ケーブルは曲げて
もよく、接続部分も任意の角度でよい。同軸ケーブル6
01と602の接続部において、心線と心線の間に別の
配線を設けても差し支えない。
【0047】図6においてA部以外の任意の箇所から右
部をチャンバの外部に設置して良い。また、実施例1で
述べた変形例は本実施例でも用いることができる。
【0048】(実施例3)図7に、図1のB部及びC部
を変形したプローブを示す。同軸ケーブル701は、例
えば外部導体外径が2.19mm、外部導体長が192
mmのセミリジッド同軸ケーブルである。同軸ケーブル
701の右端には、コネクタ703が接続されている。
702は絶縁管107に相当する。電流導入端子704
は、両端にコネクタが付いたものであり、チャンバ壁に
固定されている。706は、コネクタ705から706
側を見たインピーダンスを広範囲に可変にできる回路で
ある。
【0049】706の内部回路を、図8に示す。図8の
rf、Vdcは、それぞれコネクタ705の心線の電位、
プローブ電極に印加する直流電位を表す。C1、C2は、
最大容量がそれぞれ40pF、50pFの可変コンデン
サであり、L1、L2はそれぞれ42nH、24nHのイ
ンダクタである。C3及びL3はそれぞれ2000pFの
コンデンサ、1.4μHのインダクタであり、これらに
よりローパスフィルタが形成される。Vrfと接地間のイ
ンピーダンスは、C2またはC1の容量を変化することに
より変えることができる。例えば、C1を24pFに固
定してC2のみを可変とした場合、100MHzにおけ
るインピーダンスは、−15.5Ωから60.5Ωまで
連続的に設定できる。回路の構成は、目的とするインピ
ーダンスの範囲により様々である。図8に示したのはほ
んの一例に過ぎず、もちろん他の回路でもかまわない。
【0050】次に、706に示すインピーダンス可変回
路を持ち込んだプローブの優れた特徴について述べる。
【0051】図9は、プローブを直流的にフローティン
グとしたときのプローブ電極の電位と、プローブ電極と
接地間のサセプタンスの関係の一例を示したものであ
る。この場合、励起周波数におけるプローブの電力損失
は小さく無視できる。図9のうち黒丸と実線は実測値、
破線は計算値である。計算値は、図10に示す高周波等
価回路を用いて求められたものである。vp,vは、そ
れぞれプラズマ電位、プローブ電極電位である。プラズ
マとプローブ電極間には抵抗RPと容量CSが直列に入っ
ており、vplは、プラズマとRpを介してつながった部
分の電位である。r+jxは、プローブのインピーダン
スである。vp,vpl及びvを次のように表す。 ここで、Vp,Vpl,Vはそれぞれvp,vpl,vの振幅
であり、 はそれぞれvp,vpl,vの平均値である。φ、ψは、
それぞれvpとvpl,vplとvの位相差である。Vpl
びVを、Vpを用いて表すと である。
【0052】シースにかかる電圧により、シースの厚さ
は変化し、それにともないキャパシタンスCsも変化す
る。イオンシースの場合、シースの厚さは、シースにか
かる電圧のn1乗に比例し、電子シースの場合には、n
2乗に比例するといわれている。n1、及び、n2は図
9の実測値からフィッティングによって求められる定数
である。プローブのフローティング電圧と、そのときの
シースキャパシタンス、及びプローブの電流電圧特性か
ら求められる定数dを用いて、Csを次のように表す。 p及びVplは図9の実測値からフィッティングによっ
て求め、 は、サセプタンス0におけるプラズマ電位の実測値とす
る。vを定めると、式(1)から式(6)よりvpl及び
vが求められる。プローブ電極には、vpl,vまたは に依存した次のような伝導電流iが流れる。
【0053】電子電流ieは、高周波変動に追従し、 と表される。ここでAは、プローブの電流電圧特性から
求められる定数である。イオン電流iiは、高周波に追
従せず、平均電圧に従うとする。 と表される。ここでL及びMはプローブの電流電圧特性
から求められる定数である。伝導電流の平均値は,ie
+iiを時間積分すれば得られる。このようにして高周
波放電プラズマにおけるプローブの電流電圧特性が計算
され、フローティング電圧を求めることができる。プロ
ーブのインピーダンスを変えて計算を行うことにより、
図9において点線で示した特性が得られる。
【0054】ところで、図9をみると実測値と計算値は
非常によく一致している。これは、既に述べたモデルが
妥当なものであり、及びn1、n2のフィッティングパ
ラメータの値が正確であることを意味している。すなわ
ち、本実施例のプローブを用いて、プローブの電流電圧
特性のサセプタンス依存性を測定することにより、プラ
ズマ電位、密度、電子温度だけでなく、プラズマ電位の
振幅、及びシースのインピーダンス等の高周波放電プラ
ズマ特有のパラメータも正確に求めることが可能とな
る。
【0055】本実施例のプローブは、このような使用方
法の他に実施例1、2と同じようにプローブ電極のイン
ピーダンスを大きくして用いることもできる。しかも、
インピーダンス可変回路が設置されているため励起周波
数が変化しても如何様にも対応できる。例えば本実施例
では、インピーダンス可変回路中の可変コンデンサを調
整することにより、84MHzから158MHzまでの
すべての周波数においてプローブのインピーダンスの絶
対値を6kΩ程度以上とすることができる為、この範囲
の励起周波数において正確な測定が可能である。1つの
インピーダンス可変回路では周波数の範囲は限られてし
まうが、複数用意しておき周波数の範囲に応じてインピ
ーダンス可変回路のみを付け変えることにより、原理的
にはすべての周波数をカバーすることができる。また、
励起周波数、あるいはその周波数におけるプローブ電極
のインピーダンスは正確に分からなくてもよい。図9を
見れば明らかなように、サセプタンスが0、すなわちイ
ンピーダンスが無限大の時プローブ電圧は最大値をとる
からプローブのフローティング電圧が最大値をとるよう
にインピーダンスを調整すればよいのである。
【0056】次に、本実施例の変形例に付いて述べる。
図7では、同軸ケーブル701とインピーダンス可変回
路706は電気的につながっていればよく、703〜7
05の部分は図7以外の構造でも全く問題はない。ま
た、実施例1で説明した変形例は本実施例でも用いるこ
とができる。
【0057】(実施例4)今まで述べてきたプローブ及
び従来のプローブは、電流電圧特性を測定し、その結果
からプラズマパラメータの値を抽出していた。図11に
示す本実施例のプローブは、直接プラズマ電位の振動波
形及び振幅を測定できる画期的なものである。
【0058】1101は、プラズマ中に設置された電極
である。例えば、線間隔が0.4mm、線直径が0.3
mmであり、ほぼ1辺が28mmの正方形の形状をした
ステンレススチールの金網である。もちろん電極の形状
は任意でよく、特に金網である必要もない。1102は
抵抗であり、1101とは例えばスポット溶接により、
同軸ケーブル1103の心線とは例えば半田により接続
されている。1102は、例えば450Ωの金属皮膜抵
抗である。1103は、一端にコネクタ1106が接続
された同軸ケーブルであり、例えば外部導体外径が2.
19mmのセミリジッド同軸ケーブルである。電流導入
端子1107は、両端にコネクタが付いたものであり、
チャンバ壁に固定されている。1109は、高周波電圧
を測定できる装置であり、例えば入力インピーダンスが
50Ωのオシロスコープである。もちろん、サンプリン
グオシロスコープ、周波数アナライザ−等高周波電圧を
測定できる装置であれば差し支えない。測定装置110
9と電流導入端子1107は、両端にコネクタが付いた
同軸ケーブル1108で接続されている。1104、1
105は絶縁管であり、例えばセラミックス管である。
これらはプラズマを遮断する目的で設けられたものであ
るが、絶縁管1105はなくてもよい。
【0059】プラズマ電位の振動波形を正確に測定する
には、電極1101の電位がプラズマ電位と平行に同期
して振れる必要がある。この為、電極1101と接地間
のインピーダンスを大きくする必要があり、本実施例の
プローブでは抵抗器1102が設けられている。更に、
シースのインピーダンスを小さくする必要性から電極1
101の面積が比較的大きくなっている。
【0060】同軸ケーブル1103の心線のうち抵抗1
102側の一端をD点とする。測定装置1109は、D
点の電位と等しい電位を測定する。D点の電位は、電極
1101の電位を抵抗器1102とD点から測定装置1
109側を見たインピーダンスとで分割した値となる。
例えば、抵抗器1102が450Ω、D点から測定装置
1109側を見たインピーダンスが50Ωの場合は、電
極1101の電位の1/10の電位を測定することにな
る。
【0061】次に、本実施例のプローブの変形例を示
す。図11で、同軸ケーブル1101と測定装置110
9は電気的につながっていればよく、1106〜110
8の部分は図11以外の構造でも全く問題はない。
【0062】また、D点から測定装置1109側を見た
インピーダンスが容量性である場合には、抵抗器110
2の代わりにコンデンサを用いてもよい。例えば、D点
から測定装置1109迄の長さが励起周波数における波
長より十分短い場合には、測定装置1109に高入力イ
ンピーダンスのものを用いると、D点から測定装置11
09側を見たインピーダンスが比較的大きな容量性とな
る。この場合は、抵抗器1102の代わりにコンデンサ
を用いて電極1101の電位を分圧すればよい。また、
本実施例のようにオシロスコープが接続され、波形を調
べる構成になっている場合で、D点から測定装置110
9側を見たインピーダンスが、シースのインピーダンス
よりも3倍程度以上大きい場合には、D点を直接電極1
101に接続してもよい。
【0063】さらに、電極1101と抵抗器1102の
間にインピーダンス変換回路を挿入してもよい。インピ
ーダンス変換回路は、電極1101側即ち入力側のイン
ピーダンスが出力側のインピーダンスよりも大きいもの
であり、例えば演算増幅器を用いた電圧ホロア回路であ
る。図11に示すプローブでは、抵抗器1102を余り
大きくすると測定装置1109が測定する電圧が小さく
なり、また、抵抗器自身の寄生容量も無視できなくな
る。この為、電極のインピーダンスを極端に大きくする
ことは不可能である。これに対し、インピーダンス変換
回路を用いたプローブでは、インピーダンス変換回路の
入力インピーダンスに応じて電極のインピーダンスを大
きくすることが可能である。構造的には複雑になるが、
精度が高い、周波数帯域が広い、電極1101を小さく
ができるなどの利点を有している。
【0064】
【発明の効果】以上述べたように、本発明のプラズマ計
測装置により、従来はほとんど不可能であった高周波励
起プラズマの計測を、正確に、且つ簡単に行うことが可
能となる。すなわち、平均電位、電位の振動波形、プラ
ズマの密度等の測定はがじめて可能になり、高周波励起
プラズマの解析に非常に有効である。特に、高周波励起
プラズマを用いた各種薄膜の形成、パターンエッチング
等のプロセス装置において有効である。こうしたプラズ
マプロセスにおいて最も重要な量は、成膜やエッチング
を行う基板表面に照射するイオンのエネルギーであり、
この照射イオンエネルギーをそれぞれのプロセスに最適
の値に制御することが、プロセス高品質化の必要条件で
あるが、プラズマ電位が正確に測定できることにより、
照射イオンエネルギーも正確に制御することが可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1を示す概略断面図である。
【図2】実施例1の高周波等価回路を示す回路図であ
る。
【図3】実施例1及び従来例の電流電圧特性を示すグラ
フである。
【図4】実施例1の変形例を示す概略断面図である。
【図5】実施例1の他の変形例を示す概略断面図であ
る。
【図6】実施例2を示す概略断面図である。
【図7】実施例3を示す概略断面図である。
【図8】実施例3のインピーダンス等価回路を示す回路
図である。
【図9】実施例3のフローティング電位とサセプタンス
の関係を示すグラフである。
【図10】実施例3の高周波等価回路を示す回路図であ
る。
【図11】実施例4を示す概略図である。
【図12】従来例のプローブ電流、電子電流とプローブ
電圧との関係を示すグラフである。
【図13】従来例のリアクタンスを可変可能なプローブ
を用いてプラズマを測定した結果を示すグラフである。
【図14】従来例のレジスタンスを可変可能なプローブ
を用いてプラズマを測定した結果を示すグラフである。
【図15】従来のシングルプロ−ブを示す概念図であ
る。
【符号の説明】
101 電極、 102 絶縁管、 103 電極、 104 コンデンサ、 105 絶縁管、 106 同軸ケーブル、 107 絶縁管、 108 コンデンサ、 109 絶縁体、 110 単線、 111 フィルタ、 201 電極、 202 電極、 203 フィルタ、 204 単線、 401 電極、 402 絶縁管、 403 電極、 404 絶縁膜、 405 絶縁管、 406 同軸ケーブル、 501 電極、 502 絶縁管、 503 絶縁管、 504 同軸ケーブル、 601、602 同軸ケーブル、 603、604 コンデンサ、 605 絶縁管、 606 絶縁管、 607、608 フィルタ、 701 同軸ケーブル、 702 絶縁管、 703 コネクタ、 704 電流導入端子、 705 コネクタ、 706 インピーダンス可変回路、 1101 電極、 1102 抵抗、 1103 同軸ケーブル、 1104 絶縁管、 1105 絶縁管、 1106 コネクタ、 1107 電流導入端子、 1108 同軸ケーブル、 1109 高周波電圧測定装置、 1501 電極、 1502 絶縁物、 1503 金属パイプ。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 真空容器内で所定の周波数の高周波放電
    により生起されたプラズマの諸量を計測する計測装置に
    おいて、プラズマ中に設置される第1の電極と、前記真
    空容器外部に設けられた信号取り出しのための端子との
    間を電気的に接続するための配線と、該配線表面の少な
    くとも一部を覆う如く設けられた第1の絶縁体とを有
    し、前記第1の電極から前記端子側を見た前記第1の電
    極と接地との間の前記所定の周波数におけるインピーダ
    ンスの絶対値が、前記第1の電極に直流電流が流れない
    状態における前記第1の電極とプラズマとの間の前記所
    定の周波数におけるインピーダンスの絶対値の5倍以上
    となるよう構成されていることを特徴とする高周波励起
    プラズマの計測装置。
  2. 【請求項2】 前記プラズマ中に第2の電極を設置し、
    該第2の電極と前記第1の電極がコンデンサを介して接
    続されるよう構成されていることを特徴とする請求項1
    に記載の高周波励起プラズマの計測装置。
  3. 【請求項3】 前記所定の周波数における前記端子から
    前記第1の電極と反対側を見た前記端子と接地との間の
    インピーダンスが、可変となるよう構成されていること
    を特徴とする請求項1または2に記載の高周波励起プラ
    ズマの計測装置。
  4. 【請求項4】 前記配線のうち少なくとも一部は、同軸
    ケーブルであり、該同軸ケーブルの外部導体の長さが前
    記所定の周波数における該同軸ケーブル中の波長の4分
    の1の奇数倍と略々等しく、該同軸ケーブルの前記端子
    側の一端において該同軸ケーブルの心線と外部導体とが
    コンデンサを介して接続されていることを特徴とする請
    求項1〜3のいずれか1項に記載の高周波励起プラズマ
    の計測装置。
  5. 【請求項5】 前記配線のうち少なくとも一部が同軸ケ
    ーブルであり、前記第1の電極と該同軸ケーブルの心線
    との間に抵抗器が設けられており、前記端子の前記所定
    の周波数の高周波電圧を測定可能な測定装置を有してい
    ることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載
    の高周波励起プラズマの計測装置。
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